JPH0614593B2 - セラミックス多層配線基板の製造方法 - Google Patents

セラミックス多層配線基板の製造方法

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JPH0614593B2
JPH0614593B2 JP61196612A JP19661286A JPH0614593B2 JP H0614593 B2 JPH0614593 B2 JP H0614593B2 JP 61196612 A JP61196612 A JP 61196612A JP 19661286 A JP19661286 A JP 19661286A JP H0614593 B2 JPH0614593 B2 JP H0614593B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子機器に用いられるセラミック基板を有する
多層配線基板の製造方法に関する。
[従来の技術] セラミックス配線基板として、セラミック基板の表面上
に導体層と絶縁層を交互に重合して形成することにより
多層化し、各導体層を絶縁層を介して導通させてなる多
層配線基板が知られている。
従来、このセラミックス多層配線基板は、一般的に次の
ような方法で製造されている。第2図で示す多層配線基
板を例にとり従来の製造方法を説明する。まず、セラミ
ックスからなるグリーンシート1の表面に所定パターン
で第1の導体層2を形成し、次にその上方に第1の絶縁
層3をスクリーン印刷で形成する。この絶縁層3は、第
1の導体層2に重合してこれと第2の導体層とを層間絶
縁する部分と、グリーンシート1の表面の導体層2を形
成していない箇所に充填する部分とからなるもので、こ
の両部分を一回のスクリーン印刷により一緒に形成す
る。また、絶縁層3にスルーホール4を形成し、第1の
絶縁層3を形成した後にスルーホール4に導体ペースト
5を充填する。次いで第1の絶縁層3の表面に第2の導
体層6を形成する。以後同様に第2の絶縁層7および第
3の導体層8を順次形成し、最後にグリーンシート1と
各導体層と各絶縁層を同時焼結して全体を一体化する。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、このような従来の製造方法には次のよう
な問題があった。すなわち、絶縁層の印刷面は、グリー
ンシート1を例にとると、第1の導体層とこの導体層2
を形成していないグリーンシート1の表面とが組合され
た凹凸面となる。第1の絶縁層3では第2の導体層6と
絶縁層3の表面とが組合された凹凸面となる。このよう
に凹凸を有する印刷面上に、異なる導体層の間を絶縁す
る部分と同一導体層の間隙を絶縁する部分とを1枚のス
クリーン版を用いて1回のスクリーン印刷で形成する場
合には、凸部である導体層にスクリーン版により大きな
圧力が加わり、導体層の表面が変形して絶縁層の接触が
不均一となる。このため、同一の導体層の各部分におけ
る抵抗にバラツキが生じる。また、同一導体層の各部分
の間隙ではスクリーン版が浮上り、この間隙に絶縁ペー
ストをきっちり入り込ませることができない。このた
め、同一の導体層の間隙の絶縁を確実に確保することが
できない。
本発明は前記事情に基づいてなされたもので、絶縁層を
導体層に悪影響を与えることなく形成し、電気特性に優
れたセラミックス多層配線基板を得ることができるセラ
ミックス多層配線基板の製造方法を提供するものであ
る。
[問題点を解決するための手段と作用] 本発明のセラミックス多層配線基板の製造方法は、セラ
ミックス基板の表面に導体ペーストを用いてスクリーン
印刷により所定パターンの導体層を形成する工程と、前
記セラミックス基板の表面の前記導体層を形成していな
い箇所に前記導体層とほぼ同等の厚さで絶縁ペーストを
用いてスクリーン印刷により第1の絶縁層を形成する工
程と、前記導体層の表面と前記第1の絶縁層の表面に絶
縁ペーストを用いてスクリーン印刷により第2の絶縁層
を形成する工程と、前記第2の絶縁層に前記導電層の所
定パターンに対応するスルーホールを形成する工程と、
前記スルーホールに導体ペーストを充填する工程とによ
り得られる層を複数積層して形成し、前記セラミックス
基板と同時に焼成することを特徴とするものである。
次に本発明のセラミックス多層配線基板の製造方法を第
1図に示すセラミックス多層配線基板を製造する場合を
例にとり説明する。
まず、セラミック粉末からなるグリーンシート11を用
意し、このグリーンシート11の表面に導体ペーストを
用いてスクリーン印刷により所定パターンの第1層の導
体層12を形成する。
次にグリーンシート11の表面における導体層12を形
成していない箇所、すなわち導体層12の各部の間隙
に、絶縁ペーストを用いてスクリーン印刷により導体層
12と同じ厚さの第1の絶縁層13Aを形成する。この
第1の絶縁層13Aは導体層12の間隙に絶縁ペースト
をきっちり充填して形成できる。そして、導体層12の
表面と第1の絶縁層13Aの表面とは同一高さ位置にあ
り、両方の表面を組合せると平面となる。
次いで、導体層12の表面と第1の絶縁層13Aの表面
の全体に、絶縁ペーストを用いてスクリーン印刷により
第2の絶縁層13Bを形成する。この第2の絶縁層13
Bには導体層12に対応してスルーホール14を形成す
る。この第2の絶縁層13Bは、導体層12の表面と第
1の絶縁層13Aの表面とにより形成される平面を印刷
面として形成するために、スクリーン版により導体層1
2に大きな圧力が加わることがない。そして、導体層1
2と第1の絶縁層13Aと第2の絶縁層13Bとで第1
層13を構成する、すなわち、第1層13の絶縁層を第
1の絶縁層13A、第2の絶縁層13Bに分けて2回の
スクリーン印刷により形成する。
さらに、スクリーン印刷により第2の絶縁層13Bに形
成したスルーホール14に導体ペースト15を充填す
る。
その後、第1層の第2の絶縁層13Bの表面に第2層の
導体層16を形成する。以降前記した形成方法と同様に
第2の絶縁層13Bの表面における導体層16を形成し
ていない箇所に第1の絶縁層17Aを形成し、導体層1
6の表面と第1の絶縁層17Aの表面とで形成される平
面に第2の絶縁層17Bを形成して、導体層16と第1
の絶縁層17Aと第2の絶縁層17Bとで第2層17を
構成する。第2の絶縁層17Bに形成したスルーホール
18には導体ペースト19を充填する。最後に第2の絶
縁層17Bの表面に第3層の導体層20を形成する。
そして、このように形成した積層体を加熱炉で同時焼成
する。これによりセラミックス基板11の表面に導体層
12,16,20と絶縁層13A,13B,17A,1
7Bとを交互に重合して多層化したセラミックス多層配
線基板を得る。
この製造方法において、セラミックス基板(グリーンシ
ート)を形成するセラミックスには、アルミナ(Al
)、窒化アルミニウム(AlN)などを用いる。導
体層は例えば白金(Pt)とタングステン(W)との混
合物あるいはタングステンとモリブデン(Mo)との混
合物により形成する。白金とタングステンとの混合物に
おける白金の割合は、40〜90重量%が好ましい。さ
らに好ましくは50〜80重量%である。またタングス
テンとモリブデンとの混合物におけるモリブデンの割合
は、20重量%以下が好ましい。導体層の厚さは例えば
20μmとする。絶縁層は、セラミックス基板(グリー
ンシート)と同じ材料すなわちセラミックスで形成す
る。絶縁層における同一導体層の間隙を充填する部分の
厚さと異なる導体層の間に介在する部分の厚さを夫々例
えば20μmとする。
しかして、前記方法により製造したセラミックス多層配
線基板では、第1層の導体層12の間隙には第1の絶縁
層13Aが、第2層の導体層16の間隙には第1の絶縁
層17Aが夫々確実に形成されているので、各導体層1
2,16における間隙の絶縁を充分確保できる。また、
第1層の導体層12の表面は平滑で第2の絶縁層13B
に均一に接触し、第2層の導体層16の表面も平滑で第
2の絶縁層17Bに均一に接触しているので、各導体層
12,16の夫々の抵抗が均一でバラツキが少ない。
[実施例] 本発明例として第1図で示すセラミツクス多層配線基板
を製作した。この場合、アルミナを主成分とする110
mm×80mmのグリーンシートの表面に、白金とタン
グステンの混合物からなる導体ペーストを用いてスクリ
ーン印刷により厚さ20μmの第1の層の導体層を形成
し、この導体層の間隙にアルミナを主成分とする絶縁ペ
ーストを用いてスクリーン印刷により厚さ20μmの第
1の絶縁層を形成し、さらに導体層と第1の絶縁層の表
面全体にスクリーン印刷により厚さ20μmの第2の絶
縁層を形成した。以降同様にして他の導体層および第1
の絶縁層、第2の絶縁層を形成して多層構造とした。こ
のようにして得た積層体を還元雰囲気中にて温度155
0〜1580℃で同時焼成してセラミックス多層配線基
板を得た。このような方法により10個のセラミックス
多層配線基板を製作した。そして、各セラミックス多層
配線基板に対して導体抵抗のバラツキと、同一導体相互
間の絶縁抵抗の測定を行なった。この結果、導体抵抗の
バラツキは65Ω±5%、絶縁抵抗は5×1015Ωあっ
た。
また、従来例として第2図で示すセラミックス多層配線
基板を製作した。この場合、本発明例と同じグリーンシ
ートの表面に本発明例と同じ第1層の導体層を形成し、
次いで絶縁ペーストを用いてスクリーン印刷により第1
層の導体層の間隙を埋める部分と、第1層の導体層と第
2層の導体層との間に介在する部分とを一緒にして第1
層の絶縁層を形成した。以降同様にして他の導体層およ
び絶縁層を形成して多層構造とした。このようにして得
た積層体を本発明例と同様にして同時焼成してセラミッ
クス多層配線基板を得た。このような方法により10個
のセラミックス多層配線基板を製作し、各セラミックス
多層配線基板に対して導体抵抗のバラツキと同一導体相
互間の絶縁抵抗の測定を行なった。この結果、導体抵抗
のバラツキは65Ω±15%、絶縁抵抗は3×1013Ω
であった。
本発明例と従来例の測定結果を比較すると、導体抵抗の
バラツキでは本発明例が従来例に比して1/3と格段に
小さく、同一導体相互間の絶縁抵抗でも本発明例が従来
例に比して格段に優れていることが判る。
[発明の効果] 以上説明したように本発明のセラミックス多層配線基板
の製造方法によれば、同一導体層の間隙を埋める第1の
絶縁層と、異なる導体層の間に介在する第2の絶縁層と
を2回のスクリーン印刷に分けて形成するので、絶縁層
を導体層に悪影響を与えずに無理なく形成でき、また導
体層の抵抗のバラツキを少なくするとともに同一導体層
間の絶縁性を高めた電気特性に優れたセラミックス多層
配線基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明製造方法により製造したセラミックス多
層配線基板の一実施例を示す断面図、第2図は従来の製
造方法により製造したセラミックス多層配線基板の一例
を示す断面図である。 11……セラミックス基板、12……第1層の導体層、
13……第1層、13A……第1層の第1の絶縁層、1
3B……第1層の第2の絶縁層、16……第2層の導体
層、17……第2層、17A……第2層の第1の絶縁
層、17B……第2層の第2の絶縁層、20……第3層
の導体層。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス基板の表面に導体ペーストを
    用いてスクリーン印刷により所定パターンの導体層を形
    成する工程と、前記セラミックス基板の表面の前記導体
    層を形成していない箇所に前記導体層とほぼ同等の厚さ
    で絶縁ペーストを用いてスクリーン印刷により第1の絶
    縁層を形成する工程と、前記導体層の表面と前記第1の
    絶縁層の表面に絶縁ペーストを用いてスクリーン印刷に
    より第2の絶縁層を形成する工程と、前記第2の絶縁層
    に前記導電層の所定パターンに対応するスルーホールを
    形成する工程と、前記スルーホールに導体ペーストを充
    填する工程とにより得られる層を複数積層して形成し、
    前記セラミックス基板と同時に焼成することを特徴とす
    るセラミックス多層配線基板の製造方法。
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