JP2001267743A - セラミック積層基板の製造方法 - Google Patents

セラミック積層基板の製造方法

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JP2001267743A
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Masaaki Hayama
雅昭 葉山
Kazuhiro Miura
和裕 三浦
Akira Hashimoto
晃 橋本
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高精度のセラミック積層基板の製
造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 セラミック焼成基板1に金属を主成分と
する導電性ペーストで配線層2を施した未焼成グリーン
シート3を熱圧着することにより未焼成絶縁層を形成
し、その上に更に導電性ペーストで配線層4を施し、そ
の後に焼成することで焼結絶縁層及び内外層導体を得る
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】本発明はセラミック積層基板の製
造方法に関するものである。
【0001】
【従来の技術】近年、厚膜多層基板は、厚膜ペーストが
手軽に入手できることや工法そのものが簡単なため比較
的容易に作成できるので、現在多くの方面で実用化され
ている。以下図面を参照しながら、上述した印刷多層基
板の製造方法の一例について説明する。図3は印刷多層
基板の製造工程を示すものである。
【0002】アルミナ焼成基板上に厚膜の導電性ペース
トで配線層を印刷し、乾燥後に前記アルミナ基板上に厚
膜の絶縁ペーストを印刷、乾燥することにより絶縁層を
形成する。前記厚膜の導電性ペーストと絶縁ペーストを
所望の回数だけ積層印刷を繰り返し多層化して、焼成を
行うことで印刷多層基板を得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法を含む厚膜印刷法での糸くずの混入で配線層間にシ
ョートが発生してしまうという問題点がある。前記問題
点の解決策として、絶縁ペーストの印刷を繰り返して絶
縁層の厚みを厚くする方法が取られているが、作業が煩
雑になる上、印刷と乾燥を繰り返すと糸くずの混入する
機会が多くなるので、解決策としては完全ではない。
【0004】また、別の解決策として一度の印刷で厚い
膜厚を得るためにメタルマスクや低メッシュスクリーン
マスクを用いることも考えられるが、印刷膜の膜厚むら
やボアーが激しく実用的でない。
【0005】また、さらに別の解決策として未焼成のグ
リーンシートに配線導体を予め印刷したものを複数枚積
層した後一括焼成して印刷多層基板を得るグリーンシー
ト積層法を用いることにより配線層間のショートを防ぐ
方法も提案されているが、この方法では、焼結反応によ
りセラミック基板自身が十数%収縮するため基板のそり
による寸法ばらつきが非常に大きいために実用的でな
い。
【0006】上記問題点を解決するために本発明は絶縁
層に膜厚むらやボアーが無く表面平滑でかつ均一な厚み
を持たせることにより配線層間のショートが皆無でしか
も基板の反りがなく寸法精度の高いセラミック積層基板
の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
には本発明のセラミック積層基板の製造方法は、セラミ
ック焼成基板の少なくとも一方の面上に金属を主成分と
する導電性ペーストで配線層を施した未焼成グリーンシ
ートを熱圧着することにより未焼成絶縁層を形成し、そ
の後に焼成することで焼結絶縁層及び内層導体を得るこ
とを特徴とするものである。
【0008】上記記述したように、セラミック焼成基板
の少なくとも一方の面上に金属を主成分とする導電性ペ
ーストで配線層を施した未焼成グリーンシートを熱圧着
することにより、膜厚むらやボアーがなく表面平滑でか
つ均一な厚みをもつ緻密な絶縁層を形成するので、従来
の厚膜印刷法によるセラミック積層基板作成の最大の問
題点である配線層間のショートの発生をなくすことがで
きるとともに、グリーンシート積層法におけるベースの
グリーンシートのかわりに焼結済みのセラミック基板を
ベースにすることになるため、基板の反りがなく寸法精
度の高い基板が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
セラミック焼成基板の少なくとも一方の面上に金属を主
成分とする導電性ペーストで配線層を施した未焼成グリ
ーンシートを熱圧着することにより未焼成絶縁層を形成
し、その後に焼成することで焼結絶縁層及び内層導体を
得ることを特徴とするセラミック積層基板の製造方法で
ある。
【0010】上記記述したように、セラミック焼成基板
の少なくとも一方の面上に金属を主成分とする導電性ペ
ーストで配線層を施した未焼成グリーンシートを熱圧着
することにより、膜厚むらやボアーがなく表面平滑でか
つ均一な厚みをもつ緻密な絶縁層を形成するので、従来
の厚膜印刷法によるセラミック積層基板作成の最大の問
題点である配線層間のショートの発生をなくすことがで
きるとともに、グリーンシート積層法におけるベースの
グリーンシートのかわりに焼結済みのセラミック基板を
ベースにすることになるため、基板の反りがなく寸法精
度の高い基板が得られる。
【0011】本発明の請求項2記載の発明は、導電性ペ
ーストの印刷で配線層を施した未焼成グリーンシートを
熱圧着を所望の回数繰り返して多層化するセラミック積
層基板の製造方法である。上記形成方法により、膜厚む
らやボアーがない、所望の積層数のセラミック積層基板
が得られる。
【0012】本発明の請求項3記載の発明は、未焼成グ
リーンシートに少なくとも一つ以上のビアを持ち多層構
造の上下間の電気的導通をとることを特徴とするセラミ
ック積層基板の製造方法である。上記形成方法により、
積層された上下配線層間の電気的導通を任意の場所で取
ることができ、パターン設計の自由度が得られ、小型
化、高性能な多層基板が製造できる。
【0013】本発明の請求項4記載の発明は、熱可塑性
または熱硬化性樹脂を塗布したセラミック焼成基板を用
いることを特徴としたセラミック積層基板の製造方法で
ある。上記形成方法により、未焼成グリーンシートを焼
成済みセラミック基板にむら無く均一に積層することが
できる。
【0014】本発明の請求項5記載の発明は、未焼成グ
リーンシートの主成分が低温焼結ガラスセラミックであ
ることを特徴とするセラミック積層基板の製造方法であ
る。上記材料を使用することで、比較的低い温度でグリ
ーンシートの焼結が終了し、電極等の構成他材料への影
響を少なくすることができる。
【0015】本発明の請求項6記載の発明は、グリーン
シートが圧着されていないセラミック焼結基板の面上、
もしくは、少なくとも一方のグリーンシートが圧着・焼
成された面上に導電性ペーストで任意のパターン形成を
行い、焼成することで導電性パターンを形成することを
特徴とするセラミック積層基板の製造方法である。上記
構造を持つことで、最外層に内層電極とは違う特性の電
極材料を用いることができ、耐マイグレーション性の付
加等設計の自由度を広げることができる。
【0016】本発明の請求項7記載の発明は、任意のパ
ターン形成をフィルム凹版転写工法で行うことを特徴と
するセラミック積層基板の製造方法である。上記構造を
持つことで、フィルム凹版転写工法の持つ、ファインパ
ターンで高膜厚なパターン形状で形成することができ、
小型・高性能な多層基板を形成することができる。
【0017】本発明の請求項8記載の発明は、両面の導
通をとるために、少なくとも一つ以上のスルーホールを
持つセラミック焼結基板であることを特徴とするセラミ
ック積層基板の製造方法である。上記スルーホール構造
を持つことで、セラミック焼結基板の表裏間の電気的導
通を任意の場所で取ることができ、パターン設計の自由
度が得られ、小型・高性能な多層基板が製造できる。
【0018】本発明の請求項9記載の発明は、スルーホ
ール内部を導電体で埋めていることを特徴とするセラミ
ック積層基板の製造方法である。上記スルーホール構造
を持つことで、抵抗値が低い電気的導通が得られ、電気
的特性に優れた多層基板が製造できる。
【0019】本発明の請求項10記載の発明は、導電性
ペーストの金属成分が金、銀、パラジューム、アルミニ
ューム、プラチナ及びそれらの合金、混合物であること
を特徴とするセラミック積層基板の製造方法である。導
電性ペーストの金属成分を上記の金属成分にすること
で、セラミック配線基板に必要な低い抵抗値の配線電極
とすることができる。
【0020】以下に本発明の実施の形態について説明す
る。
【0021】(実施の形態1)以下に本発明の実施の形
態1におけるセラミック積層基板の製造方法について図
面を参照しながら説明する。図1はセラミック積層基板
の断面図である。
【0022】まず、未焼成グリーンシート3上に銀ペー
ストで予め配線層2をスクリーン印刷し、乾燥する。続
いてアルミナ基板1と未焼成グリーンシート3を重ね、
50〜150℃の温度かつ5〜50kg/cm2の圧力
範囲で熱圧着し、セラミック焼成基板1と未焼成グリー
ンシート3を貼り合わせた。
【0023】なお、未焼成グリーンシート3は、ホウケ
イ酸ガラス粉末とアルミナ粉からなる低温焼成ガラスセ
ラミックを有機バインダと共に混練してスラリーを作
り、前記スラリーをドクターブレード法等によって延伸
することによって得た。また、アルミナ基板1の表面に
熱可塑性または熱硬化性樹脂を塗布したのち熱圧着する
ことで、より完全な貼り合わせ状態が得られた。
【0024】次に貼り合わせが完了した基板の未焼成グ
リーンシート上に銀ペーストで配線層4を形成し、その
後850〜1000℃で焼成することによりセラミック
多層基板が得られる。
【0025】本実施の形態で得られた基板の配線層間の
絶縁抵抗を測定したところ、層間厚みが10μの場合従
来の厚膜印刷法によるショートの発生率は80%と発生
率が高かったが、本発明によれば、ショートの発生はな
く、かつ配線層間の絶縁抵抗値は1013以上と非常に信
頼性の高い値を得た。
【0026】上記実施の形態においては、一層だけ圧着
したが、銀ペーストで配線層を施した未焼成グリーンシ
ートを所望の枚数積層して多層化した場合においても、
同様の結果が得られる。
【0027】(実施の形態2)以下に本発明のセラミッ
ク積層基板の製造方法について図面を参照しながら説明
する。図2はセラミック積層基板の断面図である。
【0028】予め、焼結アルミナ基板11の表裏面間の
電気的接続を取りたい部分に、CO 2レーザーを用いて
貫通穴を形成する。貫通穴を形成した後、銀パラジュー
ムペーストを貫通穴に充填し焼成を行うことで、スルー
ホール16を形成する。
【0029】次に、未焼成グリーンシート13上に、上
層と電気的接続を取りたい任意の部分にパンチャーによ
り貫通穴をあけ、ビア穴を形成する。続いてビア穴に銀
・パラジュームペーストを充填・乾燥することでビア1
5を形成する。ビア15を形成した未焼成グリーンシー
ト13に銀ペーストで予め配線層12をスクリーン印刷
し、乾燥する。
【0030】続いてアルミナ基板11と未焼成グリーン
シート13を重ね、50℃〜150℃の温度かつ5〜5
0kg/cm2の圧力範囲で熱圧着し、セラミック焼成
基板11と未焼成グリーンシート13を貼り合わせた。
【0031】なお、未焼成グリーンシート13は、ホウ
ケイ酸ガラス粉末とアルミナ粉からなる低温焼成ガラス
セラミックを有機バインダと共に混練してスラリーを作
り、前記スラリーをドクターブレード法等によって延伸
することによって得た。また、アルミナ基板1の表面に
熱可塑性または熱硬化性樹脂を塗布したのち熱圧着する
ことで、より完全な貼り合わせ状態が得られた。
【0032】次に貼り合わせが完了した基板の未焼成グ
リーンシート13上に銀ペーストで配線層14を形成
し、その後850〜1000℃で焼成することによりセ
ラミック多層基板が得られる。続いて、グリーンシート
積層を行った反対面に導電性ペーストを用い、スクリー
ン印刷法で、スルーホール16と接続するように、裏面
配線層17を形成・焼成することで両面配線基板が得ら
れた。
【0033】本実施の形態で得られた基板の配線層間の
絶縁抵抗を測定したところ、層間厚みが10μの場合従
来の厚膜印刷法によるショートの発生率は80%と発生
率が高かったが、本実施の形態によれば、ショートの発
生はなく、かつ配線層間の絶縁抵抗値は1013以上と非
常に信頼性の高い値を得た。
【0034】上記実施の形態においては、一層だけ圧着
したが、銀ペーストでビア及び配線層を施した未焼成グ
リーンシートを所望の枚数積層して多層化した場合にお
いても、同様の効果が得られる。また、裏面配線層17
の形成においてスクリーン印刷法を用いたが、厚膜転写
工法を用いても同様な結果が得られる。
【0035】以上の説明では、2つの実施の形態で示し
たが、導体成分として銀、銀パラジュームを使用してい
るが、金、銀、パラジューム、アルミニューム、白金及
びそれらの合金、混合物であれば同様の結果が得られる
ものである。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、グリーンシート積層法のベースのグリーンシートの
代わりに焼結済みのセラミック基板をベースにすること
により、厚膜印刷の場合のように絶縁層に生じていた膜
厚むらやボアーがなく表面平滑でかつ均一な厚みの緻密
な絶縁層が得られ配線層間にショートが発生して多層基
板が破壊されることがないというグリーンシートの積層
法の長所を生かすと共に、グリーンシートがベースの焼
結済みのセラミック基板に仮固定されるので、焼成によ
りグリーンシートが収縮して基板にそりが発生すること
なく、寸法精度の高いセラミック多層基板が得られる印
刷法によるセラミック多層基板の長所をも実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるセラミック積層基
板の断面図
【図2】本発明の実施の形態2によるセラミック積層基
板の断面図
【図3】従来の印刷多層法を示す製造工程図
【符号の説明】
1 アルミナ基板 2,4 配線層 3 未焼成グリーンシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 晃 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E317 AA24 BB04 BB11 BB13 BB14 CC25 5E346 AA32 CC18 CC31 CC38 CC39 DD13 EE23 EE24 EE29 FF18 HH08 HH40

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック焼成基板に金属を主成分とす
    る導電性ペーストで配線層を施した未焼成グリーンシー
    トを熱圧着することにより未焼成絶縁層を形成し、その
    上に更に導電性ペーストで配線層を施し、その後に焼成
    することで焼結絶縁層及び内外層導体を得ることを特徴
    とするセラミック積層基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 導電性ペーストの印刷で配線層を施した
    未焼成グリーンシートを熱圧着を所望の回数繰り返して
    多層化する請求項1記載のセラミック積層基板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 未焼成グリーンシートに少なくとも一つ
    以上のビアを持ち多層構造の上下間の電気的導通をとる
    ことを特徴とする請求項2記載のセラミック積層基板の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性または熱硬化性樹脂を塗布した
    セラミック焼成基板を用いることを特徴とした請求項1
    記載のセラミック積層基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 未焼成グリーンシートの主成分が低温焼
    結ガラスセラミックであることを特徴とする請求項1記
    載のセラミック積層基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 グリーンシートが圧着されていないセラ
    ミック焼結基板の面上、もしくは、少なくとも一方のグ
    リーンシートが圧着・焼成された面上に導電性ペースト
    で任意のパターン形成を行い、焼成することで導電性パ
    ターンを形成することを特徴とする請求項1記載のセラ
    ミック積層基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 任意のパターン形成をフィルム凹版転写
    工法で行うことを特徴とする請求項6記載のセラミック
    積層基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 両面の導通をとるために、少なくとも一
    つ以上のスルーホールを持つセラミック焼結基板である
    ことを特徴とする請求項1記載のセラミック積層基板の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 スルーホール内部を導電体で埋めている
    ことを特徴とする請求項8記載のセラミック積層基板の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 導電性ペーストの金属成分が金、銀、
    パラジューム、アルミニューム、プラチナ及びそれらの
    合金、混合物であることを特徴とする請求項1記載のセ
    ラミック積層基板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008034828A (ja) * 2006-06-30 2008-02-14 Ngk Spark Plug Co Ltd Ic検査用治具に用いる多層セラミック基板及び多層セラミック基板の製造方法
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WO2012014743A1 (ja) * 2010-07-30 2012-02-02 日立オートモティブシステムズ株式会社 車載用電子機器に用いる基板構造

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