JPH10341067A - 無機多層基板およびビア用導体ペースト - Google Patents

無機多層基板およびビア用導体ペースト

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JPH10341067A
JPH10341067A JP14905597A JP14905597A JPH10341067A JP H10341067 A JPH10341067 A JP H10341067A JP 14905597 A JP14905597 A JP 14905597A JP 14905597 A JP14905597 A JP 14905597A JP H10341067 A JPH10341067 A JP H10341067A
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inorganic
conductor
insulating layer
insulating
multilayer substrate
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JP14905597A
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Koichi Hirano
浩一 平野
Osamu Inoue
修 井上
Sei Yuhaku
祐伯  聖
Minehiro Itagaki
峰広 板垣
Junichi Kato
純一 加藤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H05K1/02Details
    • H05K1/09Use of materials for the conductive, e.g. metallic pattern
    • H05K1/092Dispersed materials, e.g. conductive pastes or inks
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
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    • H05K3/4038Through-connections; Vertical interconnect access [VIA] connections
    • H05K3/4053Through-connections; Vertical interconnect access [VIA] connections by thick-film techniques
    • H05K3/4061Through-connections; Vertical interconnect access [VIA] connections by thick-film techniques for via connections in inorganic insulating substrates
    • HELECTRICITY
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    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
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    • H05K3/4611Manufacturing multilayer circuits by laminating two or more circuit boards
    • H05K3/4626Manufacturing multilayer circuits by laminating two or more circuit boards characterised by the insulating layers or materials
    • H05K3/4629Manufacturing multilayer circuits by laminating two or more circuit boards characterised by the insulating layers or materials laminating inorganic sheets comprising printed circuits, e.g. green ceramic sheets

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機多層配線基板において、空隙や断線が無
くビア孔にしっかりと密着した緻密なビア導体を与え
る。 【解決手段】 導体材料粉末と絶縁層用の無機絶縁材料
と焼結開始温度が実質的に同じである無機材料粉末およ
び前記無機絶縁材料よりも焼結開始温度が高い無機材料
粉末からなる無機成分と、少なくとも有機バインダと溶
剤とからなる有機ビヒクル成分とを備えたビア用導体ペ
ーストを調製する。ビア孔を設けた絶縁層用シートにこ
のペーストを充填した後、配線パターン印刷を施し熱圧
着して積層体とし、この積層体に加熱処理を施して焼結
を行い、無機多層配線基板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LSI、ICやチ
ップ部品の搭載に利用される無機多層配線基板とその製
造に用いられるビア導体ペーストに関する。
【0002】
【従来の技術】無機多層基板の製造方法として、グリー
ンシート積層法と厚膜印刷多層法が知られ、広範に利用
されている。グリーンシート積層法は高積層化と微細な
配線パターンが可能である反面、製造歩留まりの低さと
配線パターン変更への対応力の弱さといった難点があ
る。それに対し、厚膜印刷多層法は工程が簡便で配線パ
ターン変更への対応力もよく、製造歩留まりも良い反
面、配線パターンによる基板表面の段差のため、多層の
積層が不可能で微細な配線パターンに対応できない。こ
れら二者の製造法の長所を取り入れた方法として配線パ
ターンを絶縁層中に埋設した構造をもつ転写シートを無
機基板上に転写して積層する方法(転写法)が提案され
ている。
【0003】また、無機多層基板を作製する際、焼成時
に焼結に伴って基板が収縮するため、基板に寸法誤差が
生じ歩留まりが低下する。この問題を克服するために、
厚み方向だけに収縮し平面方向には収縮しないような無
機多層基板が提案されている(特開平5−102666
等)。
【0004】こうした無機多層基板の製造技術で重要な
ポイントは絶縁層間の配線用の導体層を接続する技術で
あるが、一般に絶縁層間の導体層を電気的に接続するに
は、未焼成の絶縁層上で配線用導体層位置に対応した所
定箇所にビア孔と呼ばれる穴を貫通形成し、このビア孔
に導体材料を充填して後、絶縁層を積層し、この積層体
を一体に焼成する方法が採られている。積層体の焼成に
より、各絶縁層、絶縁層内のビア孔中のビア導体及び、
絶縁層間の配線用の導体層が焼結されて相互に固定され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、グリーン
シート積層法や転写法では絶縁層と導体層を積層一体化
した後に同時焼成するのであるが、図2に示すように、
ビア孔2内部に充填したビア導体用の材料は、焼成時に
ビア孔を形成した絶縁層4の絶縁材料と焼結のタイミン
グを精密に合わせておく必要があり、さもないと、図示
のように、配線用の導体層3とビア導体1との接続が切
れたり、ビア孔2の内面とビア導体1との間に空隙が生
じたりして、無機多層基板5の接続信頼性が著しく低下
するという問題があった。
【0006】本発明は、上記の課題を解決するために、
ビア導体部分での破断やビア孔内部での空隙が発生せ
ず、ビア孔内面にしっかりと密着固定して緻密な構造の
ビア導体を備えた無機多層基板を提供することを目的と
する。さらに、本発明は、焼成過程で欠陥のない健全な
ビア導体を形成するためのビア用導体ペーストを提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1に、ビア
導体が、導体材料と絶縁性の2種類の無機材料とからな
る焼結体であるが、第1の無機材料をその基板絶縁層を
構成する前記無機絶縁材料と焼結開始温度が実質的に同
じであるものとし、第2の無機材料を前記無機絶縁材料
の焼結開始温度より高い焼結開始温度とするところに特
徴を有するものである。これにより、無機多層基板の焼
成過程で、ビア孔に充填されたビア導体の焼結を、2種
類の無機材料の焼結開始温度を設けて第1の無機材料は
基板絶縁層の焼結進行とほぼ同時に焼結させ、第2の無
機材料は、焼結のタイミングを遅らせ、これにより焼結
後にはビア導体のビア孔への充足を完全にし、焼結した
ビア導体の破断や間隙の発生を防止する。
【0008】本発明は、第2に、上記のビア導体を実現
するためのビア用導体ペーストに関するもので、導体材
料粉末と絶縁層用の無機絶縁材料に焼結開始温度が実質
的に同じである第1の無機材料粉末と絶縁層用の無機絶
縁材料よりも焼結開始温度が高い第2の無機材料粉末と
からなる無機成分と、少なくとも有機バインダと溶剤と
からなる有機ビヒクル成分とを備えたペーストとするも
のである。このペーストをビア孔内に充填後脱バインダ
することにより、ビア用導体粉末と上記2種の無機材料
粉末との混合物がビア孔内に形成され、これを焼成する
ことにより、上記のビア導体の焼結体が得られる。
【0009】第3に、本発明は、無機多層基板の製造法
に関して、無機絶縁材料からなる絶縁層のビア孔に上記
のビア用導体ペースト充填したグリーン積層体の両面も
しくは片面に、焼成処理では焼結しない難焼結性の無機
組成物を含んだグリーンシートを積層した後、焼成処理
を行い、その後に当該難焼結性の無機組成物を取り除く
もので、焼成過程での、無機多層基板の平面方向への収
縮歪みを解消しつつ且つ欠陥のない健全なビア導体を確
保した無機多層基板を形成するものである。この製造方
法により、無機多層基板の少なくとも平面方向での寸法
精度が高く且つビア導体がビア孔への完全充足を果たし
た無機多層基板を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明を図面を参照しながら、以
下に説明すると、先ず、本発明は、無機絶縁材料からな
る複数の絶縁層と該絶縁層を貫通するビア導体とを含む
無機多層基板であって、ビア導体は、導体材料と、前記
無機絶縁材料と焼結開始温度が実質的に同じである第1
の無機材料と、前記無機絶縁材料の焼結開始温度より高
い焼結開始温度を有する第2の無機材料と、を焼成して
焼結体としたものである。
【0011】図1において、無機多層基板5は、これを
構成する各絶縁層4に貫通形成されたビア孔2内にビア
導体1が形成され、ビア導体1が絶縁層4の表面に配線
された接続電極である導体層3、3と接続して、表裏の
導体層3がビア導体1を介して電気的に接続されてい
る。
【0012】このビア導体1は、一般には、後述のよう
に、導体材料粉末と2種類の無機材料粉末との混合物を
ペーストの形で未焼成の絶縁層4のビア孔に充填して、
脱バインダにより、その混合物としてビア孔内に形成さ
れ、絶縁層4と共に焼成温度で焼成することにより、焼
結体に形成されたものである。
【0013】ビア導体中の導体材料は、ビア導体に導電
性を付与するものであるが、導体材料は、適度の導電性
を有し、焼成過程で溶出ないし揮発するものでなけれ
ば、特に、限定されず、基板の作製方法や使用状態に応
じて適宜選択すればよいが、銅、銀、金、パラジウム、
白金、ニッケルもしくはそれらの合金が好ましく、また
酸化ルテニウム等の導電性酸化物が好ましい。
【0014】ビア導体1の中の第1の無機材料は、無機
多層基板を構成する絶縁層用の無機絶縁材料と焼結開始
温度が実質的に同じである材料から選ばれる。ここに焼
結開始温度が実質的に同じとは、おおむね絶縁層用の無
機絶縁材料の焼結とほぼ同時に焼結が起こるような焼結
開始温度であればよく、このような第1の無機材料は、
ビア孔充填後の焼成時には、絶縁層の材料の焼結とほぼ
同時に焼結が進行し、絶縁層のビア孔周辺部とビア孔内
部の導体との結着性が向上し、ビア孔との密着性が良好
なビア導体が形成できる。
【0015】ビア導体1の中の第2の無機材料、即ち、
絶縁材料よりも焼結開始温度の高い無機材料は、ビア用
導体に混合することにより、ビア孔を形成する絶縁材料
が焼結しビア孔の形状がほぼ確定した時期に、第2の無
機材料によりビア孔内部のビア導体の焼結が遅れて始ま
るので、ビア導体は焼結過程でビア孔内面によく充足
し、ビア導体部分での断線やビア孔内部での空隙が生ぜ
ず、緻密な構造のビア導体が形成できる。
【0016】第1の無機材料は、絶縁層用の無機絶縁材
料の焼結開始温度と±50℃までの差の焼結開始温度を
有するものを含む。焼結開始温度とは、無機材料がガラ
スである場合には、その軟化温度で表される。主とし
て、基板としての適切な放熱性や強度、焼結温度、コス
トなどに応じて選ばれた絶縁層用の無機絶縁材料と同じ
組成のものが好ましく利用される。本発明においては、
特に、結晶化ガラスもしくはセラミックスの少なくとも
一方を含むことが好ましい。結晶化ガラスは焼結温度の
低下が可能になるため製造コスト上有利であり、セラミ
ックスはエネルギー損失が小さく、熱伝導が良好になる
という長所がある。結晶化ガラスとしては、例えば、ホ
ウ珪酸ガラス、ホウ珪酸鉛系やホウ珪酸カルシウム系な
どのホウ珪酸塩系ガラスなどが使用でき、セラミックス
としては、例えばアルミナ、窒化アルミニウムなどが使
用できる。
【0017】他方の第2の無機材料粉末は、焼結開始温
度が、絶縁層用無機材料の焼結開始温度よりも、高いも
のがえらばれるが、第1の無機材料粉末と第2の無機材
料粉末との焼結開始温度の差は、50〜150℃程度が
好ましい。焼結開始温度とは、無機材料がガラスである
場合には、その軟化温度で表される。
【0018】このような第2の無機材料は、ガラス、又
はガラスとセラミックスとの混合物が好ましく、ガラス
には、ホウ珪酸ガラス、ホウ珪酸鉛系やホウ珪酸カルシ
ウム系などのホウ珪酸塩系ガラスなど結晶化ガラスがあ
る。また、非晶質ガラスであってもよく、例えば、珪酸
塩ガラスやアルミノ珪酸塩ガラスなどが使用できる。こ
のようなガラスにアルミナ、窒化アルミニウムなどのセ
ラミックスとの混合物、即ち焼成後には、焼結物も利用
される。
【0019】導体材料の含有量は、ビア導体に必要な導
電性と緻密性に応じて適宜決定されるが、導体材料の含
有量はビア導体において40〜90重量%であることが
好ましい。導体材料が40重量%より少なすぎると導電
性が悪くなり、90重量%より多すぎるとビア導体の焼
結性が悪くなってビア導体中の空隙やビア孔との隙間が
発生しやすくなるからである。
【0020】ビア導体における導体材料以外の無機材料
の含有量は、ビア導体の焼結がビア孔を形成する絶縁材
料の焼結よりも遅れるように適宜選択されるが、第1の
無機材料が5〜55重量%の範囲であり、前記絶縁材料
の焼結開始温度より高い焼結開始温度を有する第2の無
機材料が5〜55重量%の範囲であることが好ましい。
前者が少なすぎるとビア孔とビア導体との密着が悪くな
り、後者が少なすぎるとビア導体の焼結が絶縁材料の焼
結によるビア孔の形成より早く起こり、ビア導体の不良
が発生しやすくなる。また、いずれの無機材料も、55
%より多すぎるとビア導体の導電性が悪くなる。
【0021】上記ビア導体を形成するには、ビア孔への
充填をするビア用導体ペーストが使用されるが、このビ
ア用導体ペーストは、上記導体材料の粉末と、2種類の
上記無機材料粉末の無機成分に、少なくとも有機バイン
ダと溶剤とを含む有機ビヒクル成分を配合して混練して
なるもので、上述のビア導体の成分と同じく、無機材料
粉末の無機成分には、絶縁層用の無機絶縁材料と実質的
に同じ焼結開始温度を有する無機材料の粉末、および絶
縁層用の無機絶縁材料よりも焼結開始温度が高い無機材
料の粉末が使用される。
【0022】本発明のペーストにおいては、導体材料
は、上記の金属、合金等が使用されるが、特に、導体ペ
ースト中に配合される導体材料には、酸化銅がより好ま
しい。金属銅の粉末は、コストや耐マイグレーション性
に優れた導体材料であるが、焼成時に酸化されやすい。
このため導体ペースト中の導体材料として酸化銅の粉末
を用い、ビア孔充填後の焼成時にメタライズ処理(還元
性雰囲気中での酸化銅の還元処理)をしてビア導体内で
導電性の良好な金属銅に変えることができ、これによ
り、焼成時の複雑な雰囲気調整や温度調整が必要でな
く、比較的容易に基板を形成することができる利点があ
る。
【0023】有機ビヒクル成分は、導体材料粉末と2種
類の無機材料粉末の無機成分との混合物に添加して混練
し、その混練物を比較的流動性の低いペースト状に調整
し、ビア孔への充填を容易にし且つ加温硬化させる。有
機バインダとしては、従来の樹脂系バインダが広く使用
できるが、例えば、エチルセルロース系樹脂、ポリビニ
ルブチラール樹脂、ポリアクリル系樹脂などが使用でき
る。溶剤は、無機成分粉末の分散をよくして、ペースト
の粘度を調整するもので、これには、テルピネオールな
どのアルコール類やケトン類などが使用できる。また適
宜可塑剤や界面活性剤を添加してもよい。
【0024】有機ビヒクル成分の配合は、無機成分10
0重量部に対して有機バインダ0.5〜10重量部の範
囲が好ましく、0.5重量部未満では、ペースト状に調
整することが困難となり10重量%を越えると、ペース
ト中の有機成分が多すぎて、焼結後の導体が多孔性とな
るか過剰に収縮し、ビア導体内部やビア導体とビア孔内
壁の間に空隙が生じやすくなる。ペーストの混練方法と
しては特に限定はなく、例えば、3軸ロールミルやボー
ルミルなどが使用できる。
【0025】次に本発明の無機多層基板の成形につい
て、まず、絶縁層用の無機絶縁材料の粉末と適当な有機
バインダとを十分に混合・混練してスラリーにし、ベー
スフィルム上にこのスラリーを引きのばして絶縁層用シ
ートを成形する。絶縁層用シートの成形方法は特に限定
はなく、例えばドクターブレード法やカレンダ法、ロー
ルコーター法などが使用できる。またシートを保持する
ベースフィルムとしては、例えばポリエチレン系樹脂や
ポリエステル系樹脂、紙などが使用できる。
【0026】この絶縁層用シートを乾燥し、所要枚数の
絶縁層用シートにはベースフイルムの被覆のまま所要配
置のビア孔を貫通加工する。絶縁層用シートにビア孔を
加工する方法としては、例えば、パンチングやレーザー
加工などが使用できる。その後、ベースフィルムをマス
クにして上記のビア用導体ペーストを絶縁層用シートの
ビア孔に充填する。次いで、絶縁層用シートの表面に配
線パターンを内層電極用導体ペーストで印刷した後、絶
縁層用シートを2層以上に所要の配置関係で重積してグ
リーン積層体を形成する。
【0027】次に、このようにして得られた積層体を加
熱炉内で予備乾燥と脱バインダ処理し、その後必要に応
じてメタライズ処理を施した後、所要の焼結温度に所要
時間、加熱保持して焼成処理を行い、放冷して無機多層
基板を得る。
【0028】積層体の加熱処理過程の雰囲気は、脱バイ
ンダ、メタライズ処理、焼成などの目的に応じ適宜選択
でき、例えば、雰囲気ガスには、大気、窒素、水素、二
酸化炭素あるいはそれらの混合ガスなどが使用できる。
好ましくは、脱バインダには空気雰囲気がよく、メタラ
イズ処理には、水素雰囲気、又は特に、水素−窒素混合
雰囲気とされ、焼結のための高温焼成には、窒素雰囲気
とするのがよい。
【0029】このグリーン積層体の両面あるいは片面に
は、あらかじめ、絶縁層用シートに焼成時に焼結しない
難焼結性の無機組成物を含むグリーンシートを積層する
こともなされる。この場合には、焼成処理後に焼結して
いないシートを除去すれば、無機多層基板を得る。この
ような難焼結性のシートには、アルミナが好ましく利用
される。
【0030】特に、難焼結性の無機組成物を含むグリー
ンシートを積層して焼成した無機多層基板は、焼成時に
厚み方向だけに収縮するが平面方向には難焼結性シート
に拘束されて収縮しないため、平面方向の寸法精度が良
好である。しかし、従来の平面方向に収縮する無機多層
基板に比べると、従来のビア導体では、一般にビア導体
とビア孔内部との密着性を高めることが困難であった
が、この難焼結性のシートの場合にも、本発明のビア導
体の使用により、ビア孔内面との密着性に優れたビア導
体が形成できる利点がある。
【0031】〔実施例1〕ビア用導体ペーストの原料と
して、導体材料としての平均粒径7μmの酸化銅粉末を
60重量%、第1の無機材料として、絶縁層用材料であ
るガラスセラミックス粉末(軟化温度780℃)を15
重量%、第2の無機材料として、それよりも焼結温度が
高いガラスセラミックス粉末(軟化温度910℃)を2
5重量%を混合した。これらの無機成分に、有機バイン
ダとしてのエチルセルロース系樹脂を無機成分100重
量部に対して0.8重量部、溶剤としてのテルピネオー
ルを15.2重量部を加え、3軸ロールミルで十分に混
合、混練してビア用導体ペーストを調製した。
【0032】内層用導体ペーストの原料として、平均粒
径3μmの酸化銅粉末を90重量%、ガラス粉末(軟化
温度930℃)を10重量%用意した。これらの無機成
分に、有機バインダとしてエチルセルロース系樹脂を無
機成分100重量部に対して0.8重量部、溶剤として
テルピネオールを15.2重量部を加えて3軸ロールミ
ルで十分に混合、混練して内層用導体ペーストを作製し
た。
【0033】絶縁層用スラリーとして、前記の絶縁層用
材料を70重量%、バインダとしてブチラール系樹脂と
ベンジルブチルフタレートとを合わせて15重量%、溶
剤としてのブチルカルビトールを15重量%準備した。
これらを3軸ロールで十分に混合、混練して絶縁体スラ
リーを調製した。この絶縁体スラリーを用いて、表面に
離型処理を施したベースフィルム(ポリフェニルサルフ
ァイド)上にドクターブレード法で厚み約230μmの
絶縁層用シートを作製した。また、アルミナ粉末を用い
て、上記と同様にしてアルミナスラリーを調製し、ベー
スフィルム(ポリエチレンテレフタレート)上に難焼結
性のアルミナシートを作製した。
【0034】絶縁層用シートの所定箇所にφ0.2mm
のビア孔をパンチングにより穿孔した。次に必要枚数の
絶縁層用シートのビア孔にビア用導体ペーストを充填
し、内層用導体ペーストを用いてスクリーン印刷により
配線パターンを形成してから、ベースフィルムをはがし
て絶縁層用シートを積層し、その両側を上記アルミナシ
ートで挟み80℃で熱圧着して積層体を得た。
【0035】次に、得られた積層体を加熱炉内の大気中
で脱バインダ処理した。この際の加熱条件は昇温速度5
0℃/時、ピーク温度600℃、ピーク温度時間120
分であり、その後放冷した。その後、積層体中の導体成
分である酸化銅の還元処理を、加熱炉中の90%窒素−
10%水素ガス雰囲気中で行った。加熱条件はピーク温
度300℃、ピーク温度時間30分で、昇温から降温ま
で90分とした。さらに積層体を加熱炉中の窒素ガス雰
囲気中で焼成した。加熱条件はピーク温度900℃、ピ
ーク温度時間10分で、昇温から降温まで60分とし
た。その後焼結体の両側のアルミナシートを除去し、無
機多層基板を得た。
【0036】こうして得られた無機多層配線基板のビア
導体は、ビア導体と配線導体の接触部分での断線やビア
孔内部の空隙が存在せず、ビア孔内壁にしっかりと密着
した緻密な構造となった。ビア導体の抵抗率は1.6m
Ω・cmであった。
【0037】また、酸化銅とガラスセラミックスの比率
を変化させたビア用導体ペーストを作製して、同様に無
機多層配線基板を作製し、ビア導体部の電気抵抗測定と
基板断面の顕微鏡観察によりビア導体の導電性と構造と
を確認した。その結果を、表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、酸化銅の比率が
40重量%より少ないビア用導体ペーストを用いた基板
では、絶縁成分が多すぎるため導通が得られなかった。
一方、酸化銅の比率が90重量%を超えるビア用導体ペ
ーストを用いた基板では、断面が図2に示したようにな
り、ビア孔内壁との密着が悪くなった。
【0040】さらに、酸化銅とガラスセラミックスの比
率は変えずに、2種類のガラスセラミックスの比率を変
化させたビア用導体ペーストを調製して、同様に無機多
層配線基板を作製し、このときのビア導体の構造を確認
した。その結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2から判るように、第1の無機材料の絶
縁層と同じガラスセラミックス粉末が5重量%より少な
い場合、あるいは絶縁層用のガラスセラミックス粉末よ
り焼結温度の高い第2の無基材料のガラスセラミックス
粉末が5重量%より少ないビア用導体ペーストを用いた
基板の場合、ビア導体の構造が不良になった。第1の無
機材料ガラスセラミックス粉末が5重量%より少ないビ
ア用導体ペーストを用いた基板では、導体とビア孔との
間の隙間がやや増加し、一方第2の無機材料のガラスセ
ラミックス粉末が5重量%より少ないビア用導体ペース
トを用いた基板では、ビア導体内部に空隙が増加してい
た。
【0043】〔実施例2〕ビア用導体ペーストの原料と
して、導体材料としての平均粒径3μmの銀粉末を60
重量%、第1の無機材料として絶縁層用材料のガラスセ
ラミックス粉末(軟化温度780℃)を15重量%、第
2の無機材料として焼結温度が高い絶縁材料としてのガ
ラスセラミックス粉末(軟化温度910℃)を25重量
%用意した。これらの無機成分に、有機バインダとして
のエチルセルロース系樹脂を無機成分100重量部に対
して0.8重量部、溶剤としてのテルピネオールを1
5.2重量部を加え、3軸ロールで十分に混合、混練し
てビア用導体ペーストを調製した。
【0044】上記の実施例1と同様の方法で絶縁体スラ
リーを調製し、さらに同様の方法で絶縁層用シートを作
製した。その後、絶縁層用シートの所定箇所にビア孔を
パンチングにより穿孔した。次に、必要枚数の絶縁層用
シートのビア孔にビア用導体ペーストを充填し、内層用
導体ペースト(京都エレックス(株)製造、品名「DD
1411」)を用いてスクリーン印刷により配線パター
ンを形成した後、ベースフィルムをはがして絶縁層用シ
ートを積層し、80℃で熱圧着して積層体を得た。
【0045】次に、得られた積層体を加熱炉内の大気中
で脱バインダ処理した。この際の加熱条件は昇温速度5
0℃/時、ピーク温度500℃、ピーク温度時間120
分であり、その後放冷した。その後、積層体を加熱炉内
の大気中で、ピーク温度900℃、ピーク温度時間10
分で、昇温から降温まで60分とした焼結条件で、焼成
した。こうして得られた無機多層配線基板のビアは、導
体層との接触部分での断線やビア孔内部の空隙などが発
生せず、ビア孔の内壁にしっかりと密着した緻密な構造
であり、このビア導体の抵抗率は1.3mΩ・cmであ
った。
【0046】以上の実施例においては、ビア導体として
銅、銀を用いた例を挙げて説明したが、この導電成分と
しては、絶縁層材料と配線導体材料の種類、およびそれ
によって要請される熱処理プロセス条件に応じて、酸化
ルテニウム、パラジウム、白金、金、ニッケル、あるい
は銀−パラジウム合金、白金−パラジウム合金などを選
択して使用することができる。また、上記実施例では、
積層方法としてグリーンシート法を採用したが、熱転写
法においても同様に本発明の効果が発揮される。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明では、ビア用導体
に、導体材料と、絶縁層材料と焼結開始温度が実質的に
同じである無機材料および前記無機材料の焼結開始温度
より高い焼結開始温度を有する無機材料を少なくとも含
むので、絶縁層材料が焼結しビア孔が形成された後にビ
ア孔内部のビア導体の焼結が始まり、ビア導体部分での
断線やビア孔内部での空隙が生ぜず、緻密な構造のビア
導体が形成できるとともに、ビア孔とビア孔内部の導体
との結着性が向上し、ビア孔との密着性が良好で、電子
部品として、信頼性と耐久性にすぐれた無機多層基板が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のビア導体を有する無機多層
基板の部分断面図。
【図2】ビア導体に欠陥を生じた例の無機多層基板の部
分断面図。
【符号の説明】
1 ビア導体 2 ビア孔 3 導体層 4 絶縁層 5 無機多層基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板垣 峰広 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 加藤 純一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機絶縁材料からなる複数の絶縁層と該
    絶縁層を貫通するビア導体とを含む無機多層基板であっ
    て、 ビア導体が、導体材料と、前記無機絶縁材料と実質的に
    同じ焼結開始温度を有する第1の無機材料と、前記無機
    絶縁材料の焼結開始温度より高い焼結開始温度を有する
    第2の無機材料と、から成る焼結体であることを特徴と
    する無機多層基板。
  2. 【請求項2】 上記ビア導体における導体材料の含有量
    が40〜90重量%であり、第1の無機材料の含有量が
    5〜55重量%であり、第2の無機材料の含有量が5〜
    55重量%である請求項1記載の無機多層基板。
  3. 【請求項3】 第1の無機材料が、結晶化ガラス若しく
    はセラミックスを含むことを特徴とする請求項1又は2
    記載の無機多層基板。
  4. 【請求項4】 ビア導体の導体材料が、銅、銀、金、パ
    ラジウム、白金若しくはニッケル又はそれらの合金又は
    酸化ルテニウムであることを特徴とする請求項1ないし
    3いずれかに記載の無機多層基板。
  5. 【請求項5】 第2の無機材料が、ガラス又は、ガラス
    とセラミックスとの混合物であることを特徴とする請求
    項1ないし4いずれかに記載の無機多層基板。
  6. 【請求項6】 無機多層基板の絶縁層のビア孔に充填し
    てビア用導体を形成するための導体ペーストであって、 導体材料粉末と、絶縁層用の無機絶縁材料と実質的に同
    じ焼結開始温度を有する第1の無機材料粉末と、絶縁層
    用の無機絶縁材料よりも焼結開始温度が高い第2の無機
    材料粉末とから成る無機成分と、少なくとも有機バイン
    ダと溶剤とからなる有機ビヒクル成分と、を含む無機多
    層基板のビア用導体ペースト。
  7. 【請求項7】 導体材料が、銅、銀、金、パラジウム、
    白金若しくはニッケル又はそれらの合金、又は酸化銅若
    しくは酸化ルテニウムであることを特徴とする請求項6
    記載の導体ペースト。
  8. 【請求項8】 無機絶縁材料からなる絶縁層用シートに
    ビア孔を形成し、請求項6又は7に記載のビア用導体ペ
    ーストを該ビア孔に充填して、該絶縁層シートを2層以
    上に積層して未焼成のグリーン積層体とし、次いで、該
    グリーン積層体の両面もしくは片面に焼成処理では焼結
    しない難焼結性の無機材料を含んだグリーンシートを積
    層した後、焼成処理を行い、その後、当該難焼結性の無
    機材料を除去することを特徴とする無機多層基板の製造
    方法。
JP14905597A 1997-06-06 1997-06-06 無機多層基板およびビア用導体ペースト Withdrawn JPH10341067A (ja)

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CN115209633A (zh) * 2022-09-14 2022-10-18 深圳万和兴电子有限公司 一种pcb无铅喷锡板单面开窗塞孔的制作方法

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