JPH06145356A - シリコン含有多価カルボン酸アミドの硬化物 - Google Patents

シリコン含有多価カルボン酸アミドの硬化物

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JPH06145356A
JPH06145356A JP31946692A JP31946692A JPH06145356A JP H06145356 A JPH06145356 A JP H06145356A JP 31946692 A JP31946692 A JP 31946692A JP 31946692 A JP31946692 A JP 31946692A JP H06145356 A JPH06145356 A JP H06145356A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硬度及び脆さの改善された硬化物を与えるシ
リコン含有多価カルボン酸アミドの硬化物の提供。 【構成】 一般式(I)で示されるシリコン含有多価カ
ルボン酸アミドを100〜500℃に加熱して得られる
硬化物。 【化1】 【効果】 加熱硬化により得られる硬化膜は、高硬度、
無機基板への密着性、耐クラック性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は架橋性のシリコン含有多
価カルボン酸アミド、その製造法及びその硬化物に関す
る。更に詳しくは加熱硬化により、強靱で、耐熱性に優
れ、無機物の欠点である脆さを改善し、硬度を改良され
た硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シリコ
ン系のコーティング剤としてアルコキシシランのオリゴ
マーからなるSOG(スピン−オン−グラス)は高硬度
で耐熱性に優れた塗膜を与えるため、電子材料用用途を
中心に広く使用されている。しかし、塗膜がもろく、ク
ラックの発生のため厚膜が得られないのが欠点である。
このような欠点を避けるため、アルコキシシランのオリ
ゴマーとポリイミド前駆体との混合物が提案されている
(例えば、特開昭63−99234号公報、特開昭63
−99235号公報、特開昭63−99236号公報
等)。しかしこのような混合物の場合、使用できる溶媒
の種類が限定され、塗膜は白化しやすく、添加可能なア
ルコキシシランのオリゴマーの割合も少ない等の欠点を
有する。また、イミド基(またはアミド酸基)と加水分
解性の基を有するシリコン化合物(例えば、特開昭58
−88391号公報、米国特許3,901,913号公
報等)、あるいはポリアミド酸またはポリイミドの末端
を加水分解性の基を有するシリコン化合物で停止した化
合物(例えば、特開昭58−18372号公報等)が提
案されている。しかしながら、このような化合物はその
全体に占めるシリコンの比率が少なく硬度が不十分であ
り、更にシリコン含量を増やした化合物が求められてい
た。本発明者等は、このような化合物を探索した結果、
本発明に係るシリコン含有多価カルボン酸アミドを見出
し、かつ、その製造法を見出し、さらにこのものを加熱
硬化させて硬化物を得ることにより本発明を完成した。
以上の記述から明らかなように、本発明の目的は、加熱
硬化により、強靱で、耐熱性に優れ、無機物の欠点であ
る脆さを改善し、硬度を改良された硬化物、及びその製
造法を提供することである。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は下記(1)の構
成を有する。 (1)下記一般式(I)で表されるシリコン含有多価カ
ルボン酸アミドを80〜500℃に加熱することにより
得られる硬化物。
【0004】
【化2】
【0005】{ただし、一般式(I)においてR1 はそ
れぞれ独立に3価または4価の有機基であり、R2 はそ
れぞれ独立に2価の有機基であり、R3 は独立に1価の
有機基であり、Xはそれぞれ独立にアルコキシ、アセト
キシあるいはハロゲンであリ、m1 は2≦m1 ≦4であ
り、m2 は0≦m2 ≦1であり、かつ、3≦m1 +m 2
≦4であり、nは1≦n≦3の値をとる}。
【0006】本発明の構成と効果について以下詳述す
る。本発明に係るシリコン含有多価カルボン酸アミド
は、例えば、下記一般式(II)、(III)、(IV) 及び(V)で
示されるイソイミド化合物の1種以上に一般式(VI)で示
されるアミノシランを反応させるか、あるいは、一般式
(VII) で示される有機酸と式(VI)で示されるアミノシラ
ンを脱水剤の存在下反応を行うことにより合成すること
ができる。得られたシリコン含有多価カルボン酸アミド
を加熱することにより本発明の硬化物を得ることができ
る。また、イソイミド化合物はトリ、またはテトラカル
ボン酸無水物に一般式(VI)で示されるアミノシランを付
加反応した後、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(以下DCCと略記する)あるいはN−エトキシカル
ボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン(以
下EEDQと略記する)等の脱水剤を用いて、脱水する
ことにより得られる。
【0007】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】 {ただし、一般式(II) 〜 (VII)に於いて、R1 はそれ
ぞれ独立に3価または4価の有機基であり、R2 はそれ
ぞれ独立に2価の有機基であり、R3 は独立に1価の有
機基であり、Xはそれぞれ独立にアルコキシ、アセトキ
シあるいはハロゲンであり、nは1≦n≦3であり、m
3 は0≦m3 ≦3であり、m4 は1≦m4 ≦4であり、
かつ、3≦m3 +m4 ≦4の値をとる}。
【0008】本発明で用いられるテトラカルボン酸二無
水物の具体例として次の化合物を挙げることができる
が、必ずしもこれらに限定されるものではない。芳香族
テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二
無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,
3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテ
ル二無水物、ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)
スルホン二無水物、1,2,5,6−ナフタリンテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタリンテト
ラカルボン酸二無水物、2,2−ビス−(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)ヘキサフロロプロパン二無水物等、
脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、シクロブタ
ンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテト
ラカルボン酸二無水物等、脂肪族テトラカルボン酸二無
水物としては、1,2,3,4−テトラカルボキシブタ
ン二無水物等、公知の化合物を挙げることができる。本
発明で用いられるトリカルボン酸無水物としてはトリメ
リット酸無水物を挙げることができる。
【0009】本発明で用いられるアミノシランの具体例
として次の化合物を挙げることができるが、必ずしもこ
れらに限定されるものではない。すなわち、アミノメチ
ル−ジ−n−プロポキシ−メチルシラン、(β−アミノ
エチル)−n−プロポキシ−メチルシラン、(β−アミ
ノエチル)−ジエトキシ−フェニルシラン、(β−アミ
ノエチル)−トリ−n−プロポキシシラン、(β−アミ
ノエチル)−ジメトキシ−メチルシラン、(γ−アミノ
プロピル)−ジ−n−プロポキシ−メチルシラン、(γ
−アミノプロピル)−ジ−n−ブトキシ−メチルシラ
ン、(γ−アミノプロピル)−トリエトキシシラン、
(γ−アミノプロピル)−ジ−n−ペントキシ−フェニ
ルシラン、(γ−アミノプロピル)−メトキシ−n−プ
ロポキシ−メチルシラン、(δ−アミノブチル)−ジメ
トキシ−メチルシラン、(3−アミノフェニル)−ジ−
n−プロポキシシラン、(4−アミノフェニル)−トリ
−n−プロポキシシラン、{β−(4−アミノフェニ
ル)エチル}−ジエトキシ−メチルシラン、{β−(3
−アミノフェニル)エチル}−ジ−n−プロポキシ−フ
ェニルシラン、{γ−(4−アミノフェニル)プロピ
ル}−ジ−n−プロポキシ−メチルシラン、{γ−(4
−アミノフェノキシ)プロピル}−ジ−n−プロポキシ
−メチルシラン、{γ−(3−アミノフェノキシ)プロ
ピル}−ジ−n−ブトキシ−メチルシラン、{γ−(3
−アミノフェノキシ)プロピル}−ジメチル−メトキシ
シラン、(γ−アミノプロピル)−メチル−ジエトキシ
シラン、(γ−アミノプロピル)エチル−ジ−n−プロ
ポキシシラン、(4−アミノフェニル)−トリメトキシ
シラン、(3−アミノフェニル)−トリメトキシシラ
ン、(4−アミノフェニル)−メチル−ジメトキシ−シ
ラン、(3−アミノフェニル)−ジメチル−メトキシシ
ラン、(4−アミノフェニル)−トリエトキシシラン、
{3−(トリエトキシシリル)プロピル}尿素等、公知
の化合物を挙げることができる。
【0010】本発明において上記の原料化合物を溶媒中
で反応させるための好ましい溶媒(以下反応溶媒という
ことがある)の具体例として以下の化合物を挙げること
ができる。すなわち、N−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、
ピリジン、ヘキサメチルホスホルアミド、メチルホルム
アミド、N−アセチル−2−ピロリドン、2−メトキシ
エタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエ
タノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、シクロペンタノン、メ
チルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、クレゾー
ル、γ−ブチロラクトーン、イソホロン、N,N−ジエ
チルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、
N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、テトラヒドロ
フラン、N−メチル−ε−カプロラクタム、テトラヒド
ラチオフェンジオキシド{スルフォラン(sulpho
lane)}等。あるいはメチルアルコール、エチルア
ルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の
アルコール類。また、上記有機溶媒を、他の非プロトン
性(中性)有機溶媒、例えば、芳香族、脂環式もしくは
脂肪族炭化水素、またはそれらの塩素化誘導体(例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン類、シクロヘキサ
ン、ペンタン、ヘキサン、石油エーテル、塩化メチレン
等)またはジオキサン等で希釈したものを用いることも
できる。
【0011】上記有機溶媒中で多価カルボン酸無水物と
アミノシランを反応させることによりカルボン酸アミド
が生成し、これをDCC、EEDQ、トリフルオロ酢酸
無水物、チオニルクロライドあるいはアセチルクロライ
ド等で脱水することにより、一般式(II)、(III)、
(IV)あるいは(V)で示されるイソイミドを合成する
ことができる。
【0012】このようにして合成されたイソイミドに溶
媒中でアミノシランを反応させることにより、本発明に
係るシリコン含有多価カルボン酸アミドを得ることがで
きる。反応は常温付近で速やかに進行するが、反応温度
は0〜50℃位、反応時間は1〜10時間位が好まし
い。
【0013】また、別の製造法としては一般式(VII)で
示される多価カルボン酸を前記脱水剤の存在下アミノシ
ランと反応させることにより合成することができる。こ
の場合の反応条件は温度は20〜100℃、時間は1〜
10時間位である。このようにして本発明に係るシリコ
ン含有多価カルボン酸アミドを得ることができる。
【0014】
【化9】
【0015】本発明に係るシリコン含有多価カルボン酸
アミドは、溶媒に溶解した状態で得られるのでそのまま
使用できる。反応溶液をそのまま、もしくは、濃縮し、
または溶媒で希釈して使用するのが良い。希釈溶媒とし
ては、反応溶媒と同じものを、使用することができる。
シリコン含有多価カルボン酸アミドを加熱により、硬化
させる方法としては、公知のどのような方法でも良い。
例えば、ガラス板、銅板、アルミニウム板あるいは、シ
リコンウエハー等の基板上に本発明のシリコン含有多価
カルボン酸アミドを塗布した後、80〜500℃、好ま
しくは100〜400℃の温度で焼成することにより、
本発明の硬化物を得ることができる。塗布方法は、いか
なる方法でもよいが、通常スピンコート法、印刷法、デ
ィッピング法あるいはロールコーター法等から選択され
る。
【0016】本発明のシリコン含有多価カルボン酸アミ
ドの硬化物の用途としては、半導体用の各種保護膜、平
坦化膜、絶縁膜、液晶用の配向膜、カラーフィルターの
基材、その保護膜、サーマルヘッド用部品等の各種電子
部品、あるいはカップリング剤、接着剤、補強材、各種
ファイバーの含浸剤等が考えられる。
【0017】以下参考例、実施例及び比較例によって、
本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実
施例によって、限定されるものではない。
【0018】参考例1 撹拌装置、滴下ロート、温度計、コンデンサー及び窒素
置換装置を付した1リットルのフラスコを恒温槽中に固
定した。脱水精製したエチルカルビトールの400gと
アミノフェニルトリメトキシシラン(以下APMSと略
記する。p−体/m−体=52/48)の97.0g
(0.455モル)を投入し、撹拌を続け均一溶液とし
た。この溶液に3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物の73.2g(0.227モ
ル)を添加し20〜30℃で5時間反応を行った。次
に、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−
ジヒドロキノリン(以下EEDQと略記する)の113
g(0.457モル)を添加して30〜35℃で12時
間反応を行うことによってアミド酸を脱水してイソイミ
ドを合成した。更にAPMSの97.0g(0.455
モル)を添加してイソイミドに対して付加反応を行い淡
黄色透明な本発明に係る一分子中に4個のアミド基を有
するシリコン含有アミド酸溶液を得た。この溶液をシリ
コンウエハー上に塗布し溶媒を揮散させて塗膜を形成
し、その塗膜の赤外線吸収スペクトルを図3に示した。
これによると図3にはアミド基の吸収が認められる。
【0019】参考例2 参考例1と同様の装置及び方法で、n−プロピルアルコ
ール(以下n−PAと略記する)の200g、N,N−
ジメチルアセトアミドの200g及び3−アミノプロピ
ルトリメトキシシランの65.5g(0.366モル)
を投入し、撹拌を続け均一溶液とした。この溶液にピロ
メリット酸二無水物の40.0g(0.183モル)を
添加し20〜30℃で10時間反応を行った。次に、E
EDQの90.4g(0.366モル)を添加して30
〜35℃で12時間反応を行うことによってアミド酸を
脱水してイソイミドを合成した。更に3−アミノプロピ
ルトリメトキシシランの65.5g(0.366モル)
を添加してイソイミドに対して付加反応を行い淡黄色透
明な本発明に係る一分子中に4個のアミド基を有するシ
リコン含有アミド酸溶液を得た。この溶液から参考例1
と同様にして塗膜を形成しその赤外線吸収スペクトルを
図4に示した。この化合物の赤外線吸収スペクトルによ
るとアミド基の吸収が認められた。
【0020】参考例3 参考例1と同様の装置及び方法で、n−PAの50g、
N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略記する)
の350g及びAPMSの83.5g(0.392モ
ル)を投入し、撹拌を続け均一溶液とした。この溶液に
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物の57.7g(0.196モル)を添加し30〜3
5℃で10時間反応を行った。次に、ジシクロヘキシル
カルボジイミド(以下DCCと略称する)の80.8g
(0.392モル)を添加して30〜35℃で12時間
反応を行うことによってアミド酸を脱水してイソイミド
を合成した。析出したジシクロヘキシルウレアを濾別し
た後濾液に更にAPMSの83.5g(0.392モ
ル)を添加してイソイミドに対して付加反応を行い淡黄
色透明な本発明に係る一分子中に3個のアミド基を有す
るシリコン含有アミド酸溶液を得た。この化合物の赤外
線吸収スペクトルによるとアミド基の吸収が認められ
た。
【0021】参考例4 参考例1と同様の装置及び方法で、n−PAの400g
及び3−アミノプロピルトリエトキシシラン(以下AP
S−Eと略記する)の115g(0.520モル)を投
入し、撹拌を続け均一溶液とした。この溶液に3,
3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物の93.6g(0.261モル)を添加し25
〜30℃で3時間反応を行った。次に、EEDQの6
7.4g(0.262モル)を添加して30〜35℃で
10時間反応を行うことによってアミド酸を脱水してイ
ソイミドを合成した。更に3−アミノプロピルメチルジ
エトキシシラン(以下APS−2Eと略記する)の5
0.0g(0.262モル)を添加してイソイミドに対
して付加反応を行い淡黄色透明な本発明に係る一分子中
に4個のアミド基を有するシリコン含有アミド酸溶液を
得た。この化合物の赤外線吸収スペクトルによるとアミ
ド基の吸収が認められた。
【0022】参考例5 参考例1と同様の装置及び方法で、DMACの400g
及びAPS−2Eの136g(0.712モル)を投入
し、撹拌を続け均一溶液とした。この溶液にヘキサフロ
ロイソプロピリデン−2,2−ビス(フタル酸無水物)
の79.0g(0.178モル)を添加し40〜45℃
で10時間反応を行った。次に、DCCの73.3g
(0.356モル)を添加して30〜35℃で10時間
反応を行った。析出したジシクロヘキシルウレアを濾別
するこよにより淡黄色透明な本発明に係る一分子中に4
個のアミド基を有するシリコン含有アミド酸溶液を得
た。この化合物の赤外線吸収スペクトルによるとアミド
基の吸収が認められた。
【0023】参考例6 参考例1と同様の装置及び方法で、メチルカルビトール
の200g、n−PAの200g及びAPS−Eの12
7g(0.575モル)を投入し、撹拌を続け均一溶液
とした。この溶液に4,4’−オキシジフタル酸無水物
の44.4g(0.143モル)を添加し20〜25℃
で15時間反応を行った。次に、EEDQの71.0g
(0.288モル)を添加して30〜35℃で10時間
反応を行うことにより淡黄色透明な本発明に係る一分子
中に4個のアミド基を有するシリコン含有アミド酸溶液
を得た。この化合物の赤外線吸収スペクトルによるとア
ミド基の吸収が認められた。
【0024】参考例7 参考例1と同様の装置及び方法で、NMPの300g、
n−ブタノールの100g及びAPMSの120g
(0.563モル)を投入し、撹拌を続け均一溶液とし
た。この溶液に3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸の50.6g(0.141モル)及びE
EDQの139g(0.563モル)を添加して30〜
35℃で10時間反応を行うことにより淡黄色透明な本
発明に係る一分子中に4個のアミド基を有するシリコン
含有アミド酸溶液を得た。この化合物の赤外線吸収スペ
クトルによるとアミド基の吸収が認められた。
【0025】参考例8 参考例1と同様の装置及び方法で、DMACの350
g、n−PAの50g及びAPS−Eの186g(0.
842モル)を投入し、撹拌を続け均一溶液とした。こ
の溶液にトリメリット酸無水物の80.9g(0.42
1モル)を添加して25〜30℃で5時間反応を行い均
一な溶液とした。更にEEDQの104g(0.421
モル)を添加して30〜35℃で10時間反応を行うこ
とにより淡黄色透明な本発明に係る一分子中に2個のア
ミド基を有するシリコン含有アミド酸溶液を得た。この
化合物の赤外線吸収スペクトルによるとアミド基の吸収
が認められた。
【0026】実施例1、比較例1 参考例1〜8で合成した本発明に係るシリコン含有多価
アミドを含む溶液をシリコンウエハー上に塗布した後、
オーブン中で100℃、30分、続いて300℃で1時
間焼成し、膜厚約3μmの本発明の硬化物である硬化膜
を形成した。これら塗膜について、鉛筆硬度(JISK
−5400)、密着性(硬化膜上に切り目を入れて一辺
1mmの正方形の小片を100個作り、その表面にセロ
ハンテープを貼りつけて直ちに剥した、その時セロハン
テープと共に硬化膜の剥れがある時を×とし、ない時を
○とした)及び耐クラック性について測定した結果を表
1に示した。また比較例1としてエチルシリケートの縮
合物を主成分とするSOG(スピン−オン−グラス)で
あるチッソ(株)製CSGPM1050の塗膜を同様に
して形成せしめた。この結果によれば、硬化膜は高硬度
で、シリコンウエハーに対する密着性が優れ、かつSO
Gに比較して耐クラック性に優れていることが明らかで
ある。なお、実施例1ならびに比較例1の硬化膜の赤外
吸収スペクトルを図1ならびに図2に示した。
【0027】
【表1】
【0028】実施例2、比較例2 本発明に係るシリコン含有多価アミドのカップリング剤
としての効果を調べるため、参考例1〜8で合成した本
発明に係るシリコン含有多価アミドを含む溶液を反応溶
媒と同一の溶媒で5重量%に希釈した後、これらを各種
基板に塗布し、ホットプレート上100℃、3分間乾燥
させ、更にその上にピロメリット酸二無水物と4,4’
−ジアミノジフェニルエーテルからなるポリアミド酸を
塗布して、100℃、30分、続いて300℃で1時間
オーブン中で焼成し、本発明の硬化物であるポリイミド
膜を形成せしめた。また比較例2として基板上に本発明
に係る化合物を塗布することなく、直接上記ポリイミド
膜を形成せしめたものについても同様の測定を行った。
これらの結果は表2に示した。本発明に係る化合物が各
種無機基板とポリイミドとの密着性向上に寄与している
ことが明らかである。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明に係るシリコン含有多価カルボン
酸アミドを加熱硬化させることにより得られる本発明の
硬化物すなわち、硬化膜は高硬度で、各種無機基板に対
する密着性に優れると共に、SOGに比較して耐クラッ
ク性に優れ、更にカップリング剤としての効果も認めら
れる。因に工業的に有用な本発明に係る化合物はイソイ
ミドを経由した本発明の方法か、あるいは脱水剤を効果
的に使用した本発明の別の方法により容易に合成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた硬化膜の赤外線吸収スペク
トルである。
【図2】比較例1で得られた硬化膜の赤外線吸収スペク
トルである。
【図3】参考例1で得られた塗膜の赤外線吸収スペクト
ルである。
【図4】参考例2で得られた塗膜の赤外線吸収スペクト
ルである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるシリコン含
    有多価カルボン酸アミドを80〜500℃に加熱するこ
    とにより得られる硬化物。 【化1】 {ただし、一般式(I)においてR1 はそれぞれ独立に
    3価または4価の有機基であり、R2 はそれぞれ独立に
    2価の有機基であり、R3 は独立に1価の有機基であ
    り、Xはそれぞれ独立にアルコキシ、アセトキシあるい
    はハロゲンであり、m1 は2≦m1 ≦4であり、m2
    0≦m2 ≦1であり、かつ、3≦m1 +m2 ≦4であ
    り、nは1≦n≦3の値をとる}。
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