JPH06144146A - エアバッグ装置のインフレ−タ取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インフレ−タのリテ−ナへの取付を容易にす
る。 【構成】 リテ−ナ５０の開口５２にインフレ−タ５４
が挿入されている。開口５２の周縁部から筒状壁５６が
突設され、この筒状壁５６に設けられた螺旋方向溝５８
にインフレ−タ５４から突設されたピン６０が係合して
いる。 【効果】 インフレ−タをリテ−ナ開口の筒状壁内に差
し込んで回すだけでインフレ−タをリテ−ナ又はコンテ
ナに取り付けることができ、作業がきわめて容易にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両衝突時に展開して乗
員の保護を行なうエアバッグ装置におけるインフレ−タ
のバッグ保持部材（リテ−ナ又はコンテナ）への取り付
け構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車の座席前方のステアリングやイン
ストルメントパネルに設けられるエアバッグ装置は、車
両衝突等の緊急時において、インフレ−タと称されるガ
ス発生器から放出されるガスの圧力により急速にエアバ
ッグを膨張（展開）させて乗員を保護するものである。

【０００３】第６図は従来の運転席用エアバッグ装置の
一例を示す断面図、第７図は第６図のＡ部拡大断面図、
第８図はインフレ−タ取付構造を示す分解斜視図であ
る。

【０００４】これらの図において、１０はリテ−ナと称
されるエアバッグ保持用の部材であり、該リテ−ナ１０
の中央の開口（インフレ−タ取付口）１２にインフレ−
タ１４が嵌装されている。

【０００５】エアバッグ１６は、該インフレ−タ１４の
先端側を受け入れる受入口１８を備えており、この受入
口１８が取付口１２の周縁部に配置されている。このエ
アバッグの受入口１８の周縁部を押えリング２０により
取付口１２の周縁部との間で挟持している。第８図の１
７は補強布である。

【０００６】エアバッグ１６は展開可能に折り畳まれた
状態となっており、モジュ−ルカバ−２２で被われてい
る。このモジュ−ルカバ−２２は、エアバッグ１６がイ
ンフレ−タ１４の放出ガスで展開される際に、エアバッ
グ１６の膨張圧により破断される。

【０００７】第８図の如く、押えリング２０にスタッド
ボルト３８を固着し、このスタッドボルト３８をエアバ
ッグ１６のボルト挿入孔４０、リテ−ナ１０のボルト挿
入孔４２及びインフレ−タ１４のフランジ部に設けられ
たボルト挿入孔４４に挿通させ、ナット４６を締め込む
ことによりエアバッグ１６及びインフレ−タ１４がリテ
−ナ１０に固定されている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のエアバッグ
装置のエアバッグ取付構造においては、押えリング２０
のボルトをボルト挿入孔４０、４２、４４に通してから
ナット４６締めするようにしており、インフレ−タ１４
の取付作業が手間のかかるものとなっていた。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明のエアバッグ装置
のインフレ−タ取付構造は、エアバッグ装置のバッグ保
持部材にインフレ−タが取り付けられている取付構造で
あって、該バッグ保持部材に設けられた開口にインフレ
−タの一部が挿入されているエアバッグ装置のインフレ
−タ取付構造において、該バッグ保持部材の開口の周縁
部から筒状壁を該開口と同軸的に突設し、該筒状壁の軸
心線に対し螺旋方向に延びる螺旋方向溝を該筒状壁に設
け、前記インフレ−タの側周面にピンを突設し、該ピン
を該螺旋方向溝に係合させることによりインフレ−タを
バッグ保持部材に固定したことを特徴とするものであ
る。

【００１０】

【作用】本発明のエアバッグ装置のインフレ−タ取付構
造にあっては、インフレ−タの外周面から突出するピン
を筒状壁の螺旋方向溝に係合させることにより該インフ
レ−タの取り付けが行なわれる。

【００１１】

【実施例】以下図面を参照して実施例について説明す
る。第１図は本発明の実施例に係るエアバッグ装置のイ
ンフレ−タ取付構造を示す要部拡大断面図（第２図のＩ
−Ｉ線に沿う部分の断面図）、第２図はインフレ−タ取
付構造を示す側面図、第３図は同分解斜視図、第４図は
リテ−ナの要部破断図である。

【００１２】本実施例は、運転席用エアバッグ装置にお
けるリテ−ナに対するインフレ−タの取付構造に関する
ものである。リテ−ナ５０の開口（インフレ−タ取付
口）５２にインフレ−タ５４の先頭側が挿入されてい
る。開口５２の周縁部から筒状壁５６が開口５２と同軸
的に突設されている。

【００１３】この筒状壁５６には、筒状壁５６の軸心線
に対して螺旋方向に延在する螺旋方向溝５８が設けられ
ており、インフレ−タ５４の側周面から突設されたピン
６０がこの螺旋方向溝５８に係合し、これによってイン
フレ−タ５４がリテ−ナ５０に取り付けられている。

【００１４】第２図及び第４図に明瞭に示されるよう
に、螺旋方向溝５８の入口部５８ａは奥部５８ｂよりも
幅広となっており、ピン６０を挿入し易くなっている。
このピン６０は、付け根側が直筒部６０ａとなってお
り、先端側がテ−パ部６０ｂとなっている。

【００１５】このテ−パ部６０ｂと係合するように、斜
面５８ｃが螺旋方向溝５８の両側に設けられている。こ
の斜面５８ｃは、入口部５８ａから奥部５８ｂに向かっ
て次第に浅くなるように設けられており、ピン６０が螺
旋方向溝５８の奥側に入り込むほど、テ−パ部６０ｂが
斜面５８ｃにきつく当接するように構成されている。こ
の奥部５８ｂは、筒状壁５６のほぼ周方向に延在してお
り、ピン６０が入口部５８ａに戻りにくいようになって
いる。

【００１６】ピン６０が螺旋方向溝５８の奥部５８ｂに
まで入り込むと、第１図に示すように、テ−パ部６０ｂ
が奥部５８ｂの周縁部にきつく当接し、インフレ−タ５
４の側周面が筒状壁５６に対し強く引きつけられ、イン
フレ−タ５４は全くガタつきを生じることなくきわめて
堅固にリテ−ナ５０に取り付けられる。

【００１７】なお、インフレ−タ取付作業時にインフレ
−タ５４を回転させ易くするために、インフレ−タ５４
の後端外周面には工具係合溝５４ａが設けられている。

【００１８】上記実施例は運転席用エアバッグ装置にお
けるリテ−ナへのインフレ−タ取付構造を示すものであ
るが、本実施例構造は第５図に示す如く助手席用エアバ
ッグ装置６２のインフレ−タ取付構造としても適用でき
る。第５図において、コンテナ６４の中にエアバッグが
折り畳まれて収容されており、コンテナ６４の背面にイ
ンフレ−タ５４が取り付けられている。この第５図のイ
ンフレ−タ取付構造は第１〜４図と全く同一であり、イ
ンフレ−タ５４から突設されたピン６０が筒状壁５６Ａ
の螺旋方向溝５８Ａに係合している。この筒状壁５６Ａ
はコンテナ６４の背面から突設されたものである。コン
テナ６４の前面部分にはリッド６６が取り付けられてお
り、インフレ−タ５４が作動されるとエアバッグが展開
し、リッド６６がドアの如く前方に向かって回転し、エ
アバッグが車両室内に向かって大きく展開する。

【００１９】なお、本発明においては、インフレ−タの
外周面と筒状壁の内周面との間にガスシ−ル部材を介在
させても良い。

【００２０】

【発明の効果】以上の通り、本発明のインフレ−タ取付
構造にあっては、インフレ−タを筒状壁内に差し込んで
回すだけでその取付を行なうことができ、インフレ−タ
の取付作業がきわめて容易かつ迅速に行なえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例構造を示す断面図である。

【図２】実施例構造を示す側面図である。

【図３】実施例構造を示す分解斜視図である。

【図４】実施例に用いられているリテ−ナを示す断面斜
視図である。

【図５】実施例構造を有する助手席用エアバッグ装置の
斜視図である。

【図６】従来のエアバッグ装置の断面図である。

【図７】従来のエアバッグ取付構造を示す断面図であ
る。

【図８】従来例に係るインフレ−タ取付構造を示す分解
斜視である。

【符号の説明】

１０，５０ リテ−ナ １２，５２ 取付口（開口） １４，５４ インフレータ １６ エアバッグ １８ 受入口 ２０ 押えリング ３８ ボルト ５６，５６Ａ 筒状壁 ５８，５８Ａ 螺旋方向溝 ６０ ピン ６４ コンテナ ６６ リッド

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 好美 滋賀県彦根市石寺町228 (72)発明者 宇田 沢代 滋賀県蒲生郡日野町川原1070

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エアバッグ装置のバッグ保持部材にイン
   フレ−タが取り付けられている取付構造であって、該バ
   ッグ保持部材に設けられた開口にインフレ−タの一部が
   挿入されているエアバッグ装置のインフレ−タ取付構造
   において、 該バッグ保持部材の開口の周縁部から筒状壁を該開口と
   同軸的に突設し、 該筒状壁の軸心線に対し螺旋方向に延びる螺旋方向溝を
   該筒状壁に設け、 前記インフレ−タの側周面にピンを突設し、該ピンを該
   螺旋方向溝に係合させることによりインフレ−タをバッ
   グ保持部材に固定したことを特徴とするエアバッグ装置
   のインフレ−タ取付構造。