JPH06142378A - 多頭形刺繍ミシン - Google Patents

多頭形刺繍ミシン

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JPH06142378A
JPH06142378A JP29564992A JP29564992A JPH06142378A JP H06142378 A JPH06142378 A JP H06142378A JP 29564992 A JP29564992 A JP 29564992A JP 29564992 A JP29564992 A JP 29564992A JP H06142378 A JPH06142378 A JP H06142378A
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JP
Japan
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sewing machine
embroidery
thread
thread breakage
sewing
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JP29564992A
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English (en)
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Fumiaki Asano
史明 浅野
Masaaki Yokoe
正明 横江
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 刺繍データ作成装置において、糸切れの発生
に伴う刺繍形成動作の停止及び再開を行う場合にあっ
て、糸切れが発生しなかったミシン頭部における刺繍の
品質低下を防止する。 【構成】 あるミシン頭部において糸切れが発生し、糸
切れセンサによりその糸切れが発生したことが検出され
ると(S7:YES)、糸切れしたミシン頭部を除いて
止縫いし(S10)、糸切れが発生しなかった他のミシ
ン頭部においても糸切断装置により糸を切断して(S1
1)、全てのミシン頭部が停止される(S12)。これ
により、刺繍再開時にステッチバックが行われても、全
てのミシン頭部において下糸が余分に繰出されることが
なくなり、糸切れが発生しなかった他のミシン頭部にお
いて重ね縫いを行うとしても、余分なジャンプフィード
がなくなるので、ステッチバックに起因する刺繍の外観
の悪化を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数個のミシン頭部を
備え、刺繍データに基づいて加工布に対する刺繍形成動
作を自動的に実行するようにした多頭形刺繍ミシンに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の多頭形刺繍ミシンは、ミ
シンテーブルの上方に複数個のミシン頭部を横方向に並
んで備えると共に、前記ミシンテーブル上に横方向に長
い移動枠を備えて構成されている。前記移動枠には、前
記各ミシン頭部に対応して、加工布を保持する刺繍枠が
着脱可能に取付けられるようになっており、また、移動
枠は、水平移動機構によりX,Y方向に自在に移動され
るようになっている。
【0003】そして、刺繍ミシンの制御装置は、一針毎
の針落ち位置(一針毎の縫針のX,Y方向相対的移動
量)を指示する刺繍データに基づいて、移動枠ひいては
各刺繍枠を水平方向に移動させつつ、各ミシン頭部の針
棒を上下駆動させるようになっている。これにより、一
回の縫製作業にて、各刺繍枠に保持されている加工布に
対し、刺繍データに応じた同一の刺繍を同時に形成する
ようになっている。
【0004】而して、この種の刺繍ミシンにあっては、
縫製作業の途中で、刺繍糸が切れしてしまうことがあ
る。このような糸切れの発生はミシンにとって不可避で
ある。そこで、一般に、多頭形刺繍ミシンにあっては、
糸切れの発生を検出するための糸切れセンサを設け、糸
切れがあったときには、ランプやブザー等でその報知を
行うと共にその時点で全てのミシン頭部及び移動枠の駆
動を停止し、オペレータが糸切れの修復作業を行った
後、スイッチ操作することにより、縫製作業が再開され
るようになっている。
【0005】ところで、上述のような糸切れの修復後に
縫製作業の再開させるにあたっては、糸切れ発生時と装
置の駆動停止時とでタイムラグがあるため、刺繍枠を停
止時から数針分戻し、糸切れの発生したミシン頭部にお
いて、そこから縫製作業を再開させるいわゆるステッチ
バックが行われる。
【0006】この場合、糸切れが発生しなかった他のミ
シン頭部において、駆動停止時点からの縫製作業を再開
するようにすると、前記ステッチバックに伴い下糸が余
分に繰出されてしまうため、下糸が加工布の表面側に出
てしまう等の問題点があった。そこで、例えば特公昭6
3−32909号公報に示されるように、糸切れが発生
しなかった他のミシン頭部においても、停止時から例え
ば5針程度戻ったところから縫製作業を再開させ、5針
分だけ重ね縫いすることが行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな重ね縫いを行う場合、特に走り縫いにより直線状の
部分を縫製しているときなどにおいては、図7に示すよ
うに、加工布Wに、走り縫いのステッチTとジャンプフ
ィードJとから三重に糸が重なる部分が形成され、その
部分のみが太く見えて外観が悪化するなどの刺繍の品質
低下を招いてしまうことになる。また、部分的に色違い
の箇所を刺繍しているような場合にも、ジャンプフィー
ドJの存在により同様に外観の悪化を招くことになる。
尚、図7では、図示の都合上、ステッチTとジャンプフ
ィードJとを横に並べて示しているが、実際には刺繍糸
はほとんど同じ位置で三重に重なることになる。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、糸切れの発生に伴う刺繍形成動作の停
止及び再開を行う場合にあって、糸切れが発生しなかっ
たミシン頭部における刺繍の品質低下を防止することが
できる多頭形刺繍ミシンを提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の多頭形刺繍ミシンは、各ミシン
頭部における糸切れを検出する検出手段と、この検出手
段が糸切れの発生を検出したときに全てのミシン頭部の
駆動を停止する停止手段と、この停止手段により前記各
ミシン頭部が停止する際に、糸切れが発生しなかった他
のミシン頭部における糸切断動作を強制的に実行する強
制糸切断手段とを具備している。
【0010】また、本発明の請求項2の多頭形刺繍ミシ
ンは、各ミシン頭部における糸切れを検出する検出手段
と、この検出手段が糸切れの発生を検出したときに全て
のミシン頭部の駆動を停止する停止手段と、この停止手
段により前記各ミシン頭部が停止する際に、糸切れが発
生しなかった他のミシン頭部における糸切断動作を行う
かどうかを判断する判断手段と、この判断手段の判断に
基づいて糸切断動作を実行する切断手段とを具備してい
る。
【0011】
【作用】上記構成を有する本発明の請求項1の多頭形刺
繍ミシンによれば、検出手段により糸切れが検出される
と、停止手段により全てのミシン頭部の駆動が停止され
るのであるが、この際、強制糸切断手段により、糸切れ
が発生しなかった他のミシン頭部においても、糸切断動
作が強制的に実行される。
【0012】従って、刺繍形成動作の再開時においてス
テッチバックが行われても、全てのミシン頭部において
下糸が余分に繰出されることがなくなる。この結果、糸
切れが発生しなかった他のミシン頭部において重ね縫い
を行うとしても、余分なジャンプフィードがなくなるの
で、ステッチバックに起因する刺繍の外観の悪化を防止
することができる。
【0013】また、本発明の請求項2の多頭形刺繍ミシ
ンでは、糸切れが発生しなかった他のミシン頭部におけ
る糸切断動作を行うかどうかを判断する判断手段と、こ
の判断手段の判断に基づいて糸切断動作を実行する切断
手段とを具備しているので、刺繍の外観の悪化を防止す
るために糸切断動作が必要な場合にのみ、糸切断動作が
実行される。そして、糸切断動作が不要である場合に
は、糸切断動作が実行されないので、その分、スピーデ
ィーな動作が可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例(請求項1に対
応)について、図1乃至図4を参照して説明する。ま
ず、本実施例に係る多頭形刺繍ミシンの全体構成につい
て、図2及び図3を参照して簡単に述べる。
【0015】図2に示すように、ミシン本体1は、横方
向(X軸方向)に長いミシンテーブル2の上方に、複数
個例えば12個のミシン頭部3を横方向に等間隔に備え
て構成されている。前記各ミシン頭部3には、複数本例
えば6本の針棒4を有する針棒ケース5が設けられ、前
記各針棒4はこの針棒ケース5に上下動可能に支持され
ている。そして、各針棒4の下端に取付けられた縫針に
は、図示しない糸供給源から夫々異なる種類(色)の刺
繍糸が供給されるようになっている。
【0016】前記ミシンテーブル2の下部には、図示し
ない主軸を可変速で回転する主軸モータ6が設けられて
いる。図示はしないが、前記各ミシン頭部3には、前記
主軸の回転を針棒4の上下動に変換する伝達機構が設け
られている。さらに、各ミシン頭部3には、前記主軸と
伝達機構との連結及び切離しを行うためのアクチュエー
タ7(図3にのみ図示)が設けられている。
【0017】この場合、前記主軸の駆動力は、前記針棒
ケース5内の6本の針棒4のうち1本の針棒4のみに選
択的に伝達されるようになっており、駆動する針棒4の
切換えは色替えモータ8によりなされるようになってい
る。これにより、刺繍糸の種類(色)の切換えが自動的
に行われ、多色の刺繍を形成することができるようにな
っている。
【0018】そして、前記ミシン頭部3には、各針棒4
に対応して本発明の検出手段としての周知の糸切れセン
サ9(図3にのみ図示)が設けられている。詳しく図示
はしないが、この糸切れセンサ9は、糸取りばね(図示
せず)の変位の有無により、前記縫針への刺繍糸の供給
異常の有無を検出するようになっている。また、糸切れ
の発生をオペレータに報知するために、図示しないアラ
ームが設けられていると共に、ミシン頭部3の上方に位
置して糸切れランプ10が設けられている。
【0019】一方、前記ミシンテーブル2には、前記各
ミシン頭部3に対応してベッド部11が設けられてい
る。このベッド部11には、前記縫針との協働により加
工布W(図4参照)に刺繍のステッチを形成する釜機構
(図示せず)が設けられていると共に、図示しない糸切
断装置が設けられている。周知のように、この糸切断装
置は、糸切りモータ12(図3にのみ図示)を駆動源と
して可動刃を作動させるように構成されており、上記し
た針棒4の切換え時や後述する強制糸切断時などに、刺
繍糸及び下糸を自動的に切断するようになっている。
【0020】さらに、前記ミシンテーブル2には、移動
枠13が水平方向(X軸,Y軸方向)に移動可能に設け
られている。この移動枠13は、ミシンテーブル2上を
ほぼ一杯に横方向(X軸方向)に延びる矩形枠状をなし
ている。そして、この移動枠13には、前記各ミシン頭
部3の下方に位置して複数個(12個)の図示しない刺
繍枠が着脱可能に取付けられるようになっている。この
刺繍枠は、例えば矩形枠状の枠部内に加工布Wを張渡し
状態に保持するようになっており、前記移動枠13にね
じ止めされることにより、移動枠13の長辺部間に掛渡
し状に支持されるようになっている。
【0021】前記移動枠13は、移動機構により、装置
固有のX−Y座標系に基づいて、X軸方向(横方向)及
びY軸方向(前後方向)の任意の位置に移動されるよう
になっている。詳しく図示はしないが、この移動機構
は、ステッピングモータからなるX軸駆動モータ14
(図3参照)を駆動源とするX軸方向移動機構15と、
同じくステッピングモータからなるY軸駆動モータ16
(図3参照)を駆動源とするY軸方向移動機構17とか
ら構成されている。これにより、前記複数個の刺繍枠
(加工布W)が移動機構により一体的に移動されるよう
になっている。
【0022】以上の各機構は、図3に示す制御装置18
により制御されるようになっている。この制御装置18
は、CPU19,ROM20,RAM21及びそれらを
相互に接続するバス22等からなる周知のマイクロコン
ピュータを主体として構成されたものであり、さらに前
記バス22には入力インタフェース23及び出力インタ
フェース24が接続されている。
【0023】図3に示すように、前記出力インタフェー
ス24には、前記主軸モータ6,X軸駆動モータ14,
Y軸駆動モータ16,色替えモータ8及び複数個の糸切
りモータ12を夫々駆動するためのモータ駆動回路2
5,26,27,28及び29が接続されていると共
に、CRTディスプレイ等の表示装置30を駆動するた
めの表示装置駆動回路31が接続されている。さらに、
前記出力インタフェース24には、前記複数個のアクチ
ュエータ7を動作させるためのアクチュエータ駆動回路
32が接続されている。
【0024】また、前記入力インタフェース23には、
前記各糸切れセンサ9の他に、刺繍データ等を読込むた
めの例えばフロッピーディスクドライブからなる外部記
憶装置33や、オペレータが各種の入力操作を行うため
のキーボード34等が接続されている。この場合、刺繍
データは、一針毎の針落ち位置(一針毎の移動枠13の
X軸,Y軸方向移動量)を指示するステッチデータや、
糸替えを指示する糸替えデータ等からなり、例えばフロ
ッピーディスクに記憶されて与えられるようになってい
る。
【0025】これにて、制御装置18は、ROM20に
記憶された制御プログラムや、RAM21に読込まれた
刺繍データ等に基づいて、主軸モータ6、X軸駆動モー
タ14、Y軸駆動モータ16,色替えモータ8及び糸切
りモータ12を制御し、刺繍枠に保持された複数の加工
布Wに対する刺繍形成動作を同時に実行すると共に、駆
動すべき針棒4を切換える針棒切換え動作を自動的に実
行するようになっている。この針棒切換え動作は、上下
動していた針棒4の動作を停止し、糸切断装置による糸
切断動作を行った後、色替えモータ8により新たな針棒
4を伝達機構に連結させることにより行われる。
【0026】さて、制御装置18は、そのソフトウエア
構成により、刺繍形成動作の実行時に、前記糸切れセン
サ9のいずれかが糸切れの発生を検出すると、全てのミ
シン頭部3及び移動枠13の駆動を停止すると共に、刺
繍データ中のどの位置すなわち針数何針目にて駆動が停
止したかを、前記RAM21に記憶するようになってい
る。従って、この制御装置18等から、本発明にいう停
止手段が構成されるようになっている。
【0027】そして、本実施例では、制御装置18は、
そのソフトウエア構成により、前記糸切れの発生に伴う
ミシン頭部3等が停止する際に、糸切れが発生しなかっ
た他のミシン頭部3においても、前記糸切りモータ12
を作動させて糸切断動作を強制的に実行させるようにな
っている。従って、この制御装置18等から、本発明に
いう強制糸切断手段が構成されるようになっている。各
手段の機能は、後のフローチャートの説明にて明らかと
なる。
【0028】尚、上述のような糸切れが発生したときに
は、前記アラーム及び糸切れランプ10により、その旨
がオペレータに報知される。そして、オペレータが、糸
切れの修復作業を行った後、キーボード34の再スター
ト用のキーをオン操作することにより、糸切れ発生時か
らの刺繍形成動作が再開されるようになっている。
【0029】次に、上記のように構成された多頭形刺繍
ミシンの動作について、図1及び図4も参照しながら述
べる。尚、図4は、走り縫いにより直線状の部分を縫製
しているときに糸切れが発生した場合に、糸切れが発生
したミシン頭部3(a)、及びその他のミシン頭部3
(b)の夫々の加工布Wにおいて、どのようにステッチ
Tが形成されるかを概略的に示している。また、この図
4では、図示の都合上、糸切れ前後におけるステッチT
を横にずらせて示しているが、実際には刺繍糸はほとん
ど同じ位置で重なることになる。
【0030】さて、図1のフローチャートは、縫製作業
の処理の手順を示している。即ち、まず、本体1の電源
が投入されると、ステップS1にて、オペレータが指定
した所望の刺繍データがRAM21に読込まれ、ステッ
プS2にて、変数Nに、刺繍データによる総針数(総ス
テッチ数)が代入される。そして、オペレータは、移動
枠13に対して加工布Wを保持した刺繍枠をセットした
上で、スタートキーを操作して刺繍形成動作をスタート
させる(ステップS3にてYes)。
【0031】すると、ステップS4にて、針数をカウン
トするためのカウンタCに1が代入されると共に、後述
する糸切れによる停止時の針数を記憶するための変数S
に1−Mが代入される。ここで、Mは、糸切れ後の再開
時に重ね縫いを何針行うかを指示する変数であり、0あ
るいは数針(例えば3針)が予め設定される。重ね縫い
を行わない場合にはMは0となる。
【0032】次のステップS5では、カウンタCの値が
S−Mの値に等しいかどうかが判断される。このステッ
プS5は、後述するように糸切れ後の再開時における全
ミシン頭部3の駆動開始のタイミングを得るためのもの
で、通常の刺繍形成動作時にはNoとなる。
【0033】ステップS6では、C番ステッチの刺繍形
成動作が実行される。この刺繍形成動作は、刺繍データ
に基づいて、カウンタCの値を1ずつインクリメントし
ながら(ステップS8)順に行われ、カウンタCの値が
変数Nを越える(ステップS9にてYesとなる)まで
繰返される。尚、この刺繍形成動作中、刺繍データに糸
替えデータが含まれているときには、色替えモータ8等
により糸替え作業が自動的に実行される。
【0034】そして、このような刺繍形成動作中には、
糸切れセンサ9により糸切れの発生の有無が常時監視さ
れている(ステップS7)。糸切れセンサ9により、い
ずれかのミシン頭部3にて糸切れが発生したことが検出
されると(ステップS7にてYes)、ステップS10
からの糸切れ処理のルーチンが実行される。尚、実際の
糸切れの発生時と糸切れセンサ9による検出時(刺繍形
成動作の停止時)とは、若干のタイムラグがあり、その
間に例えば2,3針分の刺繍形成動作が行われてしまう
事情がある(図4参照)。
【0035】糸切れ時の処理においては、まず、ステッ
プS10にて、糸切れの発生したミシン頭部3以外の他
のミシン頭部3において、その位置にて例えば2〜3針
の止縫い(図4に小さな黒丸で示す)が実行される。そ
して、次のステップS11では、糸切れの発生したミシ
ン頭部3以外の他のミシン頭部3において、糸切りモー
タ12が駆動され、糸切断機構による糸切断動作が強制
的に実行される。
【0036】この糸切断動作が実行された後、ステップ
S12にて、全てのミシン頭部3の駆動が停止される。
この際、移動枠13も停止されることは勿論である。そ
して、次のステップS13では、変数SにCの値が代入
される。このCの値は、上述のように実際の糸切れが発
生した針数ではなく、全てのミシン頭部3が停止された
ときの針数となる。
【0037】このときには、上述のように糸切れの発生
がオペレータに報知され、オペレータは、糸切れの修復
作業を実行する(ステップS14)。修復作業終了後、
ステップS15にて、実際の糸切れ発生よりも前まで戻
るように、P針(例えば5針)のステッチバックが、自
動(あるいは手動)で行われる。これにて、移動枠13
ひいては加工布Wは、停止した位置からP針前の位置に
戻される。このステッチバックを自動で行う場合には、
変数Pが予め設定されるのであるが、このときのPの値
は、P>Mとなるような適切な数が選ばれる。
【0038】この後、オペレータにより再スタートキー
が操作されると(ステップS16にてYes)、カウン
タCの値がP針前の値に戻され(ステップS17)、糸
切れの発生したミシン頭部3のみの駆動が開始されるよ
うになり(ステップS18)、まず、図4(a)に示す
ように、ステッチバックした位置での止縫い(図で小さ
な黒丸)が実行される(ステップS19)。
【0039】そして、刺繍データに基づく刺繍形成動作
のルーチンに戻るのであるが、このとき、まず糸切れの
発生したミシン頭部3のみにて刺繍形成動作が再開さ
れ、ステップS5にてYes即ち、刺繍がS−M針目と
なると、他のミシン頭部3についても刺繍形成動作が再
開されるようになっている(ステップS20)。
【0040】例えばPの値が5、Mの値が3に設定され
ているとすると、図4に示すように、ステッチバックし
た位置から2針は、糸切れの発生したミシン頭部3のみ
にて刺繍形成動作が再開され、その後は、全ミシン頭部
3にて刺繍形成動作が再開されるようになるのである。
これにて、図4(b)に示すように、糸切れが発生しな
かった他のミシン頭部3については、M針(3針)の重
ね縫いが行われるのである。また、糸切れが発生しなか
った他のミシン頭部3の再開時にも、止縫いが行われる
ようになっている(ステップS21)。
【0041】このように本実施例によれば、糸切れが発
生して全てのミシン頭部3の駆動が停止される際、糸切
れが発生しなかった他のミシン頭部3においても、強制
的に糸切断動作を実行するようにした。従って、糸切れ
修復後の刺繍形成動作の再開時において必要なステッチ
バックが行われても、他のミシン頭部において下糸が余
分に繰出される従来のものと異なり、下糸が必要以上に
繰出されることがなくなり、下糸が加工布Wの表面側に
出て刺繍の外観を悪化させるといったことが未然に防止
される。
【0042】そして、糸切れが発生しなかった他のミシ
ン頭部3において重ね縫いを行う場合でも、従来のよう
な余分なジャンプフィードJが形成されることがなくな
り、一部のステッチTが二重に重なるだけとなる。従っ
て、上記した下糸が加工布Wの表面側に出ないことと併
せて、ステッチバックに起因する刺繍の外観の悪化を防
止することができるものである。また、この場合、下糸
の余分な繰出しがないので、糸抜けを防止するだけの少
ない数の重ね縫いを行うだけで済むようになり、ステッ
チTの重なり部分の長さも短くなる。
【0043】しかも、特に本実施例では、糸切れが発生
した場合に、要所に止縫いを行うようにしたので、ステ
ッチTの端部におけるほつれや糸抜けを未然に防止する
ことができ、その結果、変数Mの値を0として、重ね縫
いを全く行わなくとも済ませることも可能となるもので
ある。
【0044】次に、本発明の第2の実施例(請求項2に
対応)について、図5及び図6を参照して説明する。
尚、ミシン本体1の外観構成など、上記第1の実施例と
同一部分については、新たな図示及び説明を省略し、符
号も共通させることとする。
【0045】本実施例が上記第1の実施例と異なる点
は、制御装置18のソフトウエア構成にある。即ち、上
記第1の実施例では、糸切れの発生時に各ミシン頭部3
に対して強制的に糸切断動作を行わせるようにしたが、
本実施例では、制御装置18は、糸切れの発生に伴い各
ミシン頭部3を停止させる際に、糸切れが発生しなかっ
た他のミシン頭部3における糸切断動作を行うかどうか
を判断し、その判断に基づいて糸切断動作を実行させる
ようになっている。
【0046】従って、制御装置18等から、判断手段及
び切断手段が構成されているのである。具体的には、図
5のフローチャートに示す通りであり、以下、説明が煩
雑となること避けるため、第1の実施例(図1のフロー
チャート)と異なるところについてのみ述べる。
【0047】本実施例では、糸切れセンサ9により、い
ずれかのミシン頭部3にて糸切れが発生したことが検出
されると(ステップS37にてYes)、次のステップ
S40にて、刺繍データから、そのときの針落ち点及び
その前後の針落ち点が、ほぼ直線上に並ぶかどうかが判
断されるようになっている。そして、3個の針落ち点が
ほぼ直線上にあれば(ステップS40にてYes)、上
記第1の実施例と同様に、糸切れが発生しなかった他の
ミシン頭部3において、止縫い(ステップS41)及び
糸切断動作(ステップS42)が実行される。この糸切
断動作が実行された後、ステップS43にて、全てのミ
シン頭部3の駆動が停止される。
【0048】一方、3個の針落ち点がほぼ直線上にない
ときには(ステップS40にてNo)、前記ステップS
41及びステップS42の処理を行わずに、ステップS
43に進み、全てのミシン頭部3の駆動が停止される。
従って、この場合には、糸が加工布Wにつながったまま
の状態で、ミシン頭部3の駆動が停止され、糸切れの修
復後、刺繍形成動作が再開されるようになる。
【0049】ここで、図6(a)に示すように、加工布
Wに、走り縫いのステッチT1 によりほぼ直線の部分を
縫製している場合には、糸切れが発生しなかったミシン
頭部3において、止縫い及び糸切断動作を実行すること
により、上記第1の実施例で述べたように、余分な下糸
の繰出しやジャンプフィードがなくなって、ステッチバ
ックに起因する刺繍の外観の悪化を防止することができ
る。
【0050】これに対し、刺繍の態様としては、図6
(b)に示すように、加工布Wの例えば長円状の刺繍領
域Rを、その外形線の左右に交互に針を落とすようにし
てサテン縫いのステッチT2 により塗り潰すような刺繍
を施す場合がある。このような場合には、糸切れが発生
しなかったミシン頭部3において、ジャンプフィードが
存在しても目立つことはなく、刺繍の外観が悪化する虞
はほとんどない。従って、このようなサテン縫いによる
刺繍形成動作を行っている場合には、糸切断動作を行わ
なくても済むのである。
【0051】上記ステップS40では、糸切れ発生時
に、そのときの針落ち点及びその前後の針落ち点の並び
方により、走り縫いのステッチT1 によりほぼ直線の部
分を縫製しているか(Yesの場合)、サテン縫いのス
テッチT2 により領域部分を縫製しているか(Noの場
合)を判断するものであり、これにより、糸切断動作を
行うかどうかを決定するものである。
【0052】このように本実施例では、走り縫いのステ
ッチT1 にてほぼ直線の部分を縫製している場合には、
上記第1の実施例と同様に、止縫い及び糸切断動作を実
行しているので、ステッチバックに起因する刺繍の外観
の悪化を防止することができる。一方、糸切断動作が不
要な場合即ちサテン縫いのステッチT2 により領域部分
を縫製しているため糸切断動作なしでも外観が悪化しな
い場合には、止縫い及び糸切断動作を省略するようにし
ている。従って、全ての場合に強制的に糸切断動作を行
う場合と比較して、場合によっては糸切断動作等を行わ
ない分だけ、刺繍形成動作をスピーディーに実行させる
ことができるものである。
【0053】尚、上記各実施例においては、糸切れが発
生した場合、要所に止縫いを実行するようにしたが、糸
のほつれの虞がない場合には止縫いを省略するようにし
ても良い。また、ステッチバックの針数Pや重ね縫いの
針数Mは、適宜変更することができ、このとき、例えば
上記第2の実施例のように全ミシン頭部3に対する糸切
断動作を行う場合と行わない場合とで、Mの値を変える
ように構成することもできる。その他、本発明は要旨を
逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができ
る。
【0054】
【発明の効果】以上の説明にて明らかなように、請求項
1の多頭形刺繍ミシンによれば、糸切れが発生した際に
は、糸切れが発生しなかった他のミシン頭部において
も、糸切断動作を強制的に実行させるようにしたので、
糸切れの発生に伴う刺繍形成動作の停止及び再開を行う
場合にあって、糸切れが発生しなかったミシン頭部にお
ける刺繍の品質低下を防止することができるものであ
る。
【0055】また、請求項2の多頭形刺繍ミシンによれ
ば、糸切れが発生した際に、糸切れが発生しなかった他
のミシン頭部における糸切断動作を行うかどうかを判断
し、この判断に基づいて糸切断動作を実行するようにし
たので、糸切れが発生しなかったミシン頭部における刺
繍の品質低下を防止することができ、しかも、糸切断動
作が不要である場合には、糸切断動作等を行わない分だ
け、刺繍形成動作をスピーディーに実行させることがで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、縫製作業
における処理手順を示すフローチャート
【図2】多頭形刺繍ミシンの全体の外観を示す斜視図
【図3】電気的構成を示すブロック図
【図4】糸切れが発生した場合の糸切れ発生ミシン頭部
(a)及び他のミシン頭部(b)における加工布のステ
ッチの様子を示す図
【図5】本発明の第2の実施例を示す図1相当図
【図6】走り縫い(a)及びサテン縫い(b)のステッ
チの様子を示す図
【図7】従来例を示す図4(b)相当図
【符号の説明】
図面中、1はミシン本体、3はミシン頭部、4は針棒、
6は主軸モータ、7はアクチュエータ、9は糸切れセン
サ(検出手段)、12は糸切りモータ、13は移動枠、
15はX軸方向移動機構、17はY軸方向移動機構、1
8は制御装置、19はCPU、20はROM、21はR
AM、T,T1 ,T2 はステッチ、Wは加工布を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針棒を有する複数個のミシン頭部を備え
    ると共に、加工布を保持する移動枠を移動させる移動機
    構を備え、刺繍データに基づいて前記移動枠を移動させ
    つつ前記各ミシン頭部を駆動させて刺繍形成動作を実行
    するようにしたものにおいて、 前記各ミシン頭部における糸切れを検出する検出手段
    と、 この検出手段が糸切れの発生を検出したときに前記全て
    のミシン頭部の駆動を停止する停止手段と、 この停止手段により前記各ミシン頭部が停止する際に、
    糸切れが発生しなかった他のミシン頭部における糸切断
    動作を強制的に実行する強制糸切断手段とを具備するこ
    とを特徴とする多頭形刺繍ミシン。
  2. 【請求項2】 針棒を有する複数個のミシン頭部を備え
    ると共に、加工布を保持する移動枠を移動させる移動機
    構を備え、刺繍データに基づいて前記移動枠を移動させ
    つつ前記各ミシン頭部を駆動させて刺繍形成動作を実行
    するようにしたものにおいて、 前記各ミシン頭部における糸切れを検出する検出手段
    と、 この検出手段が糸切れの発生を検出したときに前記全て
    のミシン頭部の駆動を停止する停止手段と、 この停止手段により前記各ミシン頭部が停止する際に、
    糸切れが発生しなかった他のミシン頭部における糸切断
    動作を行うかどうかを判断する判断手段と、 この判断手段の判断に基づいて糸切断動作を実行する切
    断手段とを具備することを特徴とする多頭形刺繍ミシ
    ン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002102565A (ja) * 2000-09-29 2002-04-09 Janome Sewing Mach Co Ltd 刺繍縫いミシン
WO2005068703A1 (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Tokai Kogyo Mishin Kabushiki Kaisha ミシン及びその縫製枠の退避制御方法
JP2008036038A (ja) * 2006-08-03 2008-02-21 Barudan Co Ltd 刺繍ミシン及び刺繍柄の補修方法

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