JPH08218265A - 自動刺繍機 - Google Patents

自動刺繍機

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JPH08218265A
JPH08218265A JP4657695A JP4657695A JPH08218265A JP H08218265 A JPH08218265 A JP H08218265A JP 4657695 A JP4657695 A JP 4657695A JP 4657695 A JP4657695 A JP 4657695A JP H08218265 A JPH08218265 A JP H08218265A
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JP
Japan
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embroidery
frame
moving
needle
stitches
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JP4657695A
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English (en)
Inventor
Akira Okuno
晃 奥野
Tsunetada Kasai
常工 葛西
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NIPPON DENPA KK
Original Assignee
NIPPON DENPA KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 糸切れ等の発生時に移動枠(回転枠)を短時
間で逆進させ、その後の補修縫いを含めた刺繍作業全体
を効率的に行うことができるようにする。 【構成】 糸切れの発生時にステップ10で刺繍作業が
一旦停止されると、ステップ11で逆進指令に基づきこ
のときの停止位置から、刺繍柄の作成方向とは逆向きに
2針分だけ枠移動モータおよび枠回転モータのみを逆進
させ、2針分前の針中心の位置に移動枠および回転枠を
逆向きに移動(逆進)させるツインバック制御を行う。
そして、ツインバック数λが「λ=0」となり、ステッ
プ13において「YES」と判定すると、ツインバック
制御を自動的に停止し、次なるステップ15で「糸切れ
停止」等のメッセージ表示を行うと共に、ステップ16
で糸処理を実行させ、ステップ17の再スタート後にス
テップ18で先の停止位置から補修縫いを行いつつ、そ
の後の刺繍を続行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば移動枠等の刺繍
枠に展張状態で保持した刺繍布に刺繍データに基づいた
刺繍柄(模様)を作成するのに好適に用いられる自動刺
繍機に関し、特に、糸切れの発生時や補修縫いを行うと
きに枠移動機構等を自動的に逆進制御できるようにした
自動刺繍機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、刺繍用の下糸が配置される基台
と、該基台上に設けられ、前記下糸側と対向する位置で
上糸側の刺繍針を上,下に往復動させる刺繍機のヘッド
と、該ヘッドの下側に位置して前記基台上に移動可能に
設けられ、刺繍布を保持する刺繍枠等の移動枠と、該移
動枠を前記基台上で各針落ち点毎に枠移動させる枠移動
機構と、前記各針落ち点毎の刺繍データを記憶する記憶
手段と、該記憶手段による各針落ち点毎の刺繍データに
基づいて前記ヘッドおよび枠移動機構を駆動制御し前記
各針落ち点からなる刺繍柄を前記刺繍布に作成する刺繍
制御手段とからなる自動刺繍機としてのミシンは、例え
ば特開昭56−139790号公報等(以下、第1の従
来技術という)によって知られている。
【0003】ここで、第1の従来技術による自動刺繍機
としてのミシンは、前記記憶手段に記憶した複数(多
数)の針落ち点毎の刺繍データに基づき、刺繍機のヘッ
ドで刺繍針を上,下に往復動させつつ、枠移動機構で移
動枠を水平方向等に枠移動させることにより、該移動枠
内に保持した刺繍布に前記各針落ち点からなる刺繍柄を
自動的に作成する第1の運転モードと、糸切れの発生時
等に枠移動機構のみを逆向きに駆動する第2の運転モー
ドとを備えている。
【0004】そして、該第2の運転モードでは、刺繍柄
の作成途中で糸切れが発生したときに、糸切れセンサ等
から出力される検出信号に基づいて前記刺繍制御手段に
よるヘッドおよび枠移動機構の駆動制御を自動停止させ
ると共に、このときの停止位置から移動枠のみを1針分
毎に刺繍柄の作成方向とは逆向きに枠移動(逆進)さ
せ、この逆進動作により刺繍針と移動枠(刺繍布)との
相対位置が実際の糸切れ位置を越えたところで、前記第
1の運転モードによる刺繍動作を再開させるようにして
いる。
【0005】また、特開昭57−77363号公報等に
記載の従来技術(以下、第2の従来技術という)では、
刺繍柄の作成途中で糸切れが発生したときに、糸切れセ
ンサ等から出力される検出信号に基づいて前記刺繍制御
手段によるヘッドおよび枠移動機構の駆動制御を自動停
止させると共に、このときの停止位置から移動枠のみを
予め設定した複数針(m針)分だけ一括して刺繍柄の作
成方向とは逆向きに枠移動(逆進)させる構成とした自
動刺繍機が開示されている。
【0006】さらに、別の従来技術として、刺繍用の下
糸が配置される基台と、該基台上に設けられ、前記下糸
側と対向する位置で上糸側の刺繍針を上,下に往復動さ
せ、かつ所要の振り幅Wで揺動させる刺繍機のヘッド
と、該ヘッドの下側に位置して前記基台上に移動可能に
設けられた移動枠と、該移動枠を前記基台上で前,後、
左,右方向(x軸方向およびy軸方向)に移動させる枠
移動機構と、前記移動枠内で刺繍布を展張した状態に保
持し、前記移動枠に設けた回転源により該移動枠内で刺
繍布と共に回転される回転枠とからなる自動刺繍機とし
ての回転付きジグザグ刺繍機(以下、第3の従来技術と
いう)が、例えば特開平5−192468号公報等で提
案されている。
【0007】そして、この第3の従来技術による回転付
きジグザグ刺繍機では、刺繍機のヘッドにより刺繍針を
所要の振り幅Wで揺動させつつ、上,下に往復動させる
ときに、移動枠をx軸,y軸方向に枠移動すると共に、
該移動枠内で刺繍布を回転枠と共に回転角Δθ分だけ回
転させるようにしているから、刺繍針の振り幅Wに応じ
たジグザグ模様に回転を加えた刺繍柄(振り幅をもった
曲線状の刺繍柄)を前記刺繍布上に比較的短時間で実現
できるという利点がある。
【0008】また、この回転付きジグザグ刺繍機では、
例えばティーチング作業により回転枠の回転角Δθおよ
び刺繍針の振り幅Wを含んだデータを、刺繍針の針中心
に対する回転枠の枠中心のデータC(Δx,Δy,Δ
θ,W)として作成した後に、この枠中心のデータC
(Δx,Δy,Δθ,W)を、前記回転枠の枠中心に対
する刺繍針の針中心のデータN(ΔX,ΔY,Δθ,
W)に変換演算することにより、この変換演算した刺繍
データに基づいて刺繍柄の拡大、縮小または変更等を行
いうるという利点がある。
【0009】ここで、この回転付きジグザグ刺繍機で
は、例えば図15に示すように針落ち点Si-5 ,Si-4
,…,Sj ,Sj+1 ,Sj+2 等からなる刺繍柄を作成
するときに、刺繍針に対して刺繍布を前記回転枠および
移動枠等と共に相対移動(それぞれ所定の回転角Δθ分
だけ回転させつつ枠移動)させ、それぞれの針中心Ni-
5,Ni-4 ,Ni-3 ,…,Ni ,…Nj ,Nj+1 ,Nj+2
の位置で、刺繍針を振り幅Wで交互に左方向へ振り幅
(W/2)、右方向へ振り幅(W/2)分ずつ揺動させ
ることにより、それぞれの針落ち点Si-5 ,Si-4 ,S
i-3 ,…,Si ,…,Sj ,Sj+1 ,Sj+2 の位置に刺
繍針を順次運針させ、その後もこれらの運針動作を繰返
すことにより図15に示す如き刺繍柄を作成するように
している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した第
1の従来技術では、刺繍柄の作成途中で糸切れが発生し
たときに、糸切れセンサ等からの検出信号に基づいて前
記ヘッドおよび枠移動機構の駆動制御を自動停止させる
と共に、このときの停止位置から移動枠のみを1針分毎
に刺繍柄の作成方向とは逆向きに枠移動(逆進)させ、
この逆進動作により刺繍針と移動枠(刺繍布)との相対
位置が実際の糸切れ位置を越えたところで再び通常の刺
繍動作を再開させるようにしている。
【0011】しかし、前記ヘッドおよび枠移動機構によ
る刺繍動作を高速で行っているときには、糸切れを検出
しても急激に停止することはなく、刺繍品質を低下させ
ないためにも慣性を吸収しながら徐々に停止させるよう
にしているから、糸切れの発生時に糸切れセンサからの
信号によりこれらの刺繍動作を停止させても、実際の糸
切れ位置から停止位置までには複数の針数分に及ぶ行過
ぎ量が生じることになる。また、下糸が切れた場合には
刺繍布の材質、糸の材質等によって実際の糸切れ位置か
ら停止位置までに数10針〜数100針分に相当する枠
移動量(行過ぎ量)となることがある。
【0012】このため、前記第1の従来技術では、前記
停止位置から実際の糸切れ位置まで多数の針落ち点分に
亘って移動枠を1針毎に逆進させる必要が生じ、非常に
手間がかかって作業性が低下するばかりでなく、この間
ミシンのオペレータは逆進用のスイッチ等を押し続けな
ければならず、オペレータの負担や疲労を軽減できない
という問題がある。
【0013】一方、前記第2の従来技術では、糸切れの
発生時に刺繍動作を自動停止させたときに、その停止位
置から予め設定した複数針(m針)分だけ移動枠のみを
一括して逆進できるという利点があるものの、この場合
には、複数針(m針)分の逆進位置が実際の糸切れ位置
に必ずしも合致しないことが多く、逆進動作の後に空縫
い等を繰り返して補修位置まで枠移動を行う必要がある
という問題がある。
【0014】また、前記第3の従来技術では、図15に
例示した針落ち点Si-5 ,Si-4 ,…,Sj ,Sj+1 ,
Sj+2 等からなる刺繍柄を作成するときに、それぞれの
針中心Ni-5 ,Ni-4 ,…,Ni ,…Nj ,Nj+1 ,N
j+2 の位置で、刺繍針を振り幅Wで交互に左方向へ振り
幅(W/2)、右方向へ振り幅(W/2)分ずつ揺動さ
せるようにしているから、前記第1,第2の従来技術の
如き逆進動作(逆進制御)を単に適用したとしても、奇
数針分の逆進動作を行った場合には、刺繍針の揺動(振
り)方向が逆になってしまい、その後に無駄落ち等の操
作を行って刺繍針の揺動(振り)方向を合わせない限
り、刺繍柄の品質が低下するという問題がある。
【0015】さらに、別の従来技術として刺繍機のヘッ
ドを複数個備えた多頭式自動刺繍機も知られている。し
かし、この多頭式自動刺繍機の場合には、複数のヘッド
のうち一のヘッドで糸切れが発生したときに、移動枠を
前記第1,第2の従来技術のように逆進動作させると、
糸切れの発生していない他のヘッド側で上糸(下糸)が
移動枠の逆進動作によって余分に引き出されるようにな
り、糸締りが悪くなって刺繍柄の品質を低下させるとい
う問題がある。
【0016】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は糸切れ等の発生時に移動枠(回
転枠)を短時間で逆進させることができ、その後の補修
縫いを含めた刺繍作業全体を効率的に行うことができる
上に、刺繍柄の品質を大幅に向上でき、信頼性を高める
ことができるようにした自動刺繍機を提供することを目
的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、刺繍用の下糸が配置される基台と、該
基台上に設けられ、前記下糸側と対向する位置で上糸側
の刺繍針を上,下に往復動させる刺繍機のヘッドと、該
ヘッドの下側に位置して前記基台上に移動可能に設けら
れ、刺繍布を保持する移動枠と、該移動枠を前記基台上
で各針落ち点毎に枠移動させる枠移動機構と、前記各針
落ち点毎の刺繍データを記憶する記憶手段と、該記憶手
段による各針落ち点毎の刺繍データに基づいて前記ヘッ
ドおよび枠移動機構を駆動制御し前記各針落ち点からな
る刺繍柄を前記刺繍布に作成する刺繍制御手段とからな
る自動刺繍機に適用される。
【0018】そして、請求項1に記載の発明が採用する
構成の特徴は、前記刺繍制御手段による刺繍柄の作成途
中で前記ヘッドおよび枠移動機構を停止させ、該枠移動
機構に逆進指令を出力する逆進指令出力手段と、該逆進
指令出力手段からの逆進指令に基づき前記枠移動機構を
逆進させ、前記移動枠を各針落ち点の複数針分毎に前記
刺繍柄の作成方向とは逆向きに枠移動させる逆進制御手
段とを備えたことにある。
【0019】この場合、請求項2に記載の発明のよう
に、前記逆進制御手段は、前記各針落ち点の2針分に相
当する移動量をもって前記枠移動機構を逆進させ、前記
逆進指令出力手段からの信号により前記移動枠が停止し
た位置から該移動枠を2針分毎に前記刺繍柄の作成方向
とは逆向きに枠移動させる構成とするのが好ましい。
【0020】また、請求項3に記載の発明のように、前
記逆進制御手段は、前記各針落ち点の3針分に相当する
移動量をもって前記枠移動機構を逆進させ、前記逆進指
令出力手段からの信号により前記移動枠が停止した位置
から該移動枠を3針分毎に前記刺繍柄の作成方向とは逆
向きに枠移動させる構成としてもよい。
【0021】さらに、請求項4に記載の発明の如く、前
記ヘッドは前記刺繍針を上,下に往復動させ、かつ所要
の振り幅Wをもって揺動させる構成とし、前記移動枠に
は、前記刺繍布を展張した状態に保持し回転源により該
移動枠内で刺繍布と共に回転角Δθ分だけ回転される回
転枠を設け、さらに前記記憶手段には、前記回転角Δθ
および振り幅Wを含む刺繍針の針中心データを記憶する
第1メモリと、該第1メモリによる針中心データから刺
繍柄の作成用データとして変換演算された前記回転枠の
枠中心データを記憶する第2メモリとを設け、前記刺繍
制御手段は、該第2メモリからの枠中心データに基づい
て前記ヘッド、枠移動機構および回転源を駆動制御し、
前記刺繍針を刺繍布に対してそれぞれの針落ち点で運針
させる構成としてもよい。
【0022】そして、この場合でも、請求項5に記載の
発明の如く、前記逆進制御手段は、前記第2メモリに記
憶した枠中心データの2針分に相当する移動量をもって
前記枠移動機構および回転源を逆進させ、前記逆進指令
出力手段からの信号により前記移動枠および回転枠が停
止した位置から該移動枠および回転枠を前記枠中心デー
タの2針分毎に前記刺繍柄の作成方向とは逆向きに移動
させる構成とすればよい。
【0023】一方、請求項6に記載の発明のように、前
記基台上には、前記移動枠に保持された刺繍布に対して
それぞれの刺繍針を上,下に往復動させる複数のヘッド
を設ける構成とし、前記記憶手段は、外部から読込んだ
刺繍データを記憶する第1メモリと、該第1メモリによ
る刺繍データのうち少なくとも刺繍柄の作成に必要な複
数針分のデータを記憶する第2メモリとを備える構成と
してもよい。
【0024】また、請求項7に記載の発明の如く、前記
第2メモリに記憶したデータは、前記刺繍柄の作成時に
1針分毎に順次更新する構成としてもよい。
【0025】さらに、請求項8に記載の発明のように、
前記逆進指令出力手段は、前記刺繍制御手段による刺繍
柄の作成途中で糸切れが発生したか否かを検出する糸切
れセンサにより構成してもよい。
【0026】また、請求項9に記載の発明のように、前
記逆進指令出力手段は、少なくとも前記各ヘッド毎に設
けられ、前記刺繍布に作成している刺繍柄の補修縫いを
行うときに操作される複数の操作スイッチにより構成し
てもよい。
【0027】そして、この場合には、請求項10に記載
の発明の如く、前記刺繍柄の補修縫いを行う補修縫い制
御手段を備え、該補修縫い制御手段は、前記操作スイッ
チからの逆進指令に基づいて前記逆進制御手段により移
動枠を補修縫いの開始位置まで枠移動させた後に、この
開始位置から前記停止位置まで補修縫いの必要な任意の
ヘッドで刺繍データに基づいた補修縫いを実行させる構
成とし、さらに前記停止位置まで補修縫いを行った後に
は、全てのヘッドで刺繍を再開するに先立って、予め決
められた針数分だけ複数針分毎に前記刺繍柄の作成方向
とは逆向きに前記移動枠を枠移動させる構成とするのが
よい。
【0028】
【作用】上記構成により、請求項1に記載の発明では、
逆進指令出力手段から逆進指令が出力されたときに、刺
繍制御手段による刺繍柄の作成途中でヘッドおよび枠移
動機構を停止できると共に、該枠移動機構を逆進制御手
段で逆進させ、移動枠を各針落ち点の複数針分毎に刺繍
柄の作成方向とは逆向きに枠移動でき、補修縫いが必要
な位置まで移動枠を早期に戻すことができる。
【0029】この場合、請求項2に記載の発明の如く、
前記逆進制御手段により各針落ち点の2針分に相当する
移動量をもって前記枠移動機構を逆進させるようにすれ
ば、前記逆進指令出力手段からの信号により前記移動枠
が停止した位置から該移動枠を2針分毎に前記刺繍柄の
作成方向とは逆向きに枠移動(逆進)でき、このときの
逆進動作が前記第2の従来技術のように速くなり過ぎた
り、前記第1の従来技術のように遅くなり過ぎたりする
のを防止でき、刺繍機のオペレータ等によって2針分毎
の枠移動(逆進位置)を順次追い続けることが可能とな
る。
【0030】また、請求項3に記載の発明の如く、前記
逆進制御手段により各針落ち点の3針分に相当する移動
量をもって前記枠移動機構を逆進させるようにすれば、
前記逆進指令出力手段からの信号により前記移動枠が停
止した位置から該移動枠を3針分毎に前記刺繍柄の作成
方向とは逆向きに枠移動(逆進)でき、このときの逆進
動作が速くなり過ぎたり、遅くなり過ぎたりするのを防
止できる。そして、サテンステッチ等の刺繍柄を作成し
ている途中で逆進動作を実行させる場合には、刺繍機の
オペレータ等によって3針分毎の枠移動(逆進位置)を
順次追い続けることができ、このときの刺繍柄がサテン
ステッチであるか、これ以外のステッチであるかを簡単
に識別することが可能となる。
【0031】さらに、請求項4に記載の発明のように、
刺繍針を所要の振り幅Wをもって揺動させ、刺繍布を展
張した状態に保持する回転枠を回転源で回転角Δθ分だ
け回転させる回転枠を有した回転付きジグザグ刺繍機に
適用することにより、第2メモリからの枠中心データに
基づき刺繍制御手段でヘッド、枠移動機構および回転源
を駆動制御しつつ、前記刺繍針を刺繍布に対しそれぞれ
の針落ち点で運針させて、複雑な刺繍柄(回転付きジグ
ザグ模様)を高品質に作成でき、逆進指令の出力時には
移動枠を回転枠と共に補修縫いが必要な位置まで早期に
戻すことができる。
【0032】そして、この場合でも、請求項5に記載の
発明の如く、逆進制御手段により前記第2メモリに記憶
した枠中心データの2針分に相当する移動量をもって前
記枠移動機構および回転源を逆進させるようにすれば、
逆進指令出力手段からの信号により前記移動枠および回
転枠が停止した位置から該移動枠および回転枠を前記枠
中心データの2針分毎に逆向きに移動(逆進)でき、こ
の2針(偶数針)分の逆進動作によって、補修縫いの開
始時に刺繍針の揺動(振り)方向が逆になる等の問題を
なくすことができる。
【0033】一方、請求項6に記載の発明のように、基
台上に複数のヘッドを備えた多頭式刺繍機に適用するこ
とにより、各ヘッド毎に刺繍柄を同時に作成でき、刺繍
作業を効率的に行い得る上に、記憶手段の第1メモリで
外部から読込んだ刺繍データを記憶でき、該第1メモリ
による刺繍データのうち少なくとも刺繍柄の作成に必要
な複数針分のデータを第2メモリで記憶しておくことが
できる。
【0034】また、請求項7に記載の発明の如く、前記
第2メモリに記憶したデータを刺繍柄の作成時に1針分
毎に順次更新する構成とすることにより、第2メモリの
容量を必要最小限の容量にすることができる。
【0035】さらに、請求項8に記載の発明のように、
前記逆進指令出力手段を、前記刺繍制御手段による刺繍
柄の作成途中で糸切れが発生したか否かを検出する糸切
れセンサで構成することにより、糸切れの発生時に逆進
指令を自動的に出力でき、実際の糸切れ位置まで早期に
逆進制御を行うことができる。
【0036】また、請求項9に記載の発明のように、前
記逆進指令出力手段を、少なくとも前記各ヘッド毎に設
けられ、前記刺繍布に作成している刺繍柄の補修縫いを
行うときに操作される複数の操作スイッチで構成するこ
とにより、補修縫いの必要な位置まで逆進制御を行った
後に、自動的に補修縫いを続行することができる。
【0037】そして、請求項10に記載の発明の如く、
前記刺繍柄の補修縫いを行う補修縫い制御手段を備える
ことにより、前記操作スイッチからの逆進指令に基づ
き、例えば糸切れの発生していないヘッド側で刺繍糸を
切断できると共に、移動枠を補修縫いの開始位置まで枠
移動(逆進)でき、その後にこの開始位置から前記停止
位置まで補修縫いの必要なヘッド(例えば糸切れの発生
したヘッド)側で刺繍データに基づいた補修縫いを自動
的に行うことができる。そして、このヘッド側で前記停
止位置まで補修縫いを行ったときには、予め決められた
針数分だけ複数針分毎に前記移動枠を再び枠移動(逆
進)させた後に、全てのヘッド側で刺繍を再開させるこ
とにより、予め決められた針数分の重ね縫いを行うこと
ができ、刺繍糸のほつれ等をなくすことができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例による自動刺繍機を図
1ないし図14に基づいて説明する。
【0039】ここで、図1ないし図8は本発明の第1の
実施例を示し、本実施例では自動刺繍機として回転付き
ジグザグ刺繍機を例に挙げて述べる。なお、本実施例で
は前述した図15に示す従来技術と同一の構成要素に同
一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0040】図において、1は回転付きジグザグ刺繍機
の基台を示し、該基台1は複数本の脚部2,2,…と、
該各脚部2上に設けられた支持板3とからなり、該支持
板3の中央部には図2に示す如く後述する移動枠13、
回転枠15等の下側に位置して略長方形状の針板4が設
けられている。そして、該針板4には後述の刺繍針10
が挿通される針穴が長円形状に穿設され、その下側には
下糸用のボビン(いずれも図示せず)が配設されてい
る。
【0041】また、支持板3には図2に示す如く、移動
枠13を左右方向(以下、x軸方向という)に移動させ
るx軸方向の枠移動機構5と、移動枠13を前後方向
(以下、y軸方向という)に移動させるy軸方向の枠移
動機構6とが設けられ、該枠移動機構5,6には移動枠
13をx軸,y軸方向にガイドするための各ガイドロー
ラ5A,6Aおよび各ガイドレール5B,6B等が設け
られている。
【0042】7は移動枠13上に延びるように支持板3
上に設けられた刺繍機のヘッドとしてのミシンヘッドを
示し、該ミシンヘッド7は図2に示す如く支持板3の下
側に配設した主軸モータ8によりはずみ車9等を介して
駆動され、前記下糸側と対向する位置で上糸側の刺繍針
10を針軸11を介して上,下に往復動させる構成とな
っている。また、該ミシンヘッド7にはパルスモータか
らなる針軸揺動モータ12(図5参照)が付設され、該
針軸揺動モータ12は針軸11の支点11Aを中心とし
て刺繍針10を図4に示す如く、例えば振り幅Wをもっ
て左右方向(x軸方向)に揺動させる構成となってい
る。
【0043】13はミシンヘッド7の下側に位置して支
持板3上に移動可能に設けられた移動枠を示し、該移動
枠13は図2に示す如く略長方形の板状に形成され、そ
の下面側には下向きに突出する縁取り部(図示せず)が
設けられている。そして、該移動枠13は縁取り部が枠
移動機構5,6の各ガイドローラ5A,6Aに係合状態
で保持され、後述の枠移動モータ14(図5参照)で枠
移動機構5,6を駆動することによりx軸方向およびy
軸方向に移動される。
【0044】14は枠移動機構5,6を駆動して移動枠
13をx軸方向およびy軸方向に移動させる駆動源とし
ての枠移動モータを示し、該枠移動モータ14は移動枠
13をx軸方向に移動させるx軸モータとy軸方向に移
動させるy軸モータ(いずれも図示せず)とからなり、
これらはそれぞれパルスモータ等によって構成されてい
る。
【0045】15は移動枠13の中央部に回転可能に配
設され、移動枠13と共に刺繍枠を構成した回転枠を示
し、該回転枠15は中枠(図示せず)等を介して刺繍布
16を展張状態に保持し、移動枠13上でこの刺繍布1
6を回転枠15の枠中心Cを中心にして回転角Δθだけ
回転させる。
【0046】17は移動枠13上に設けられた回転源と
しての枠回転モータを示し、該枠回転モータ17はその
出力軸がタイミングベルト(図示せず)等を介して回転
枠15に連結され、回転枠15を移動枠13上で回転角
Δθをもって回転駆動する。ここで、該枠回転モータ1
7は枠移動モータ14等と同様にパルスモータによって
構成され、後述のミシン制御部37から制御信号として
出力されるパルス信号のパルス数に応じて回転枠15を
正方向または逆方向にオープンループ制御で回転され
る。
【0047】18は支持板3上に所定の高さをもって配
設されたカバー兼用のチーズ台を示し、該チーズ台18
上にはチーズとしての上糸用のボビン19,19,…
と、該各ボビン19からの上糸(刺繍糸20)をミシン
ヘッド7に向けて供給する上糸ガイド21等とが設けら
れている。
【0048】22はチーズ台18上にブラケット23を
介して設けられた操作ボックスを示し、該操作ボックス
22には図3に示す如く、表示器24、電源ON,OF
Fスイッチ25A,25B、ソフトキー26、キーボー
ド27およびフロッピーディスク装置28等が設けら
れ、ミシン制御部37の一部を内蔵している。そして、
ソフトキー26は表示器24に表示されるメニューに対
応して刺繍データの読込み、書込み、データの入,出力
および拡大、縮小等を行うと共に、さらに機械条件の設
定、柄変更、柄選択、柄の追加、柄の組合せ、色替え変
更等を行う所謂対話キーを構成している。
【0049】また、前記キーボード27にはドライブス
イッチ29、スタートスイッチ30、ストップ/バック
スイッチ31、ジョグキー部32、テンキー部33、ブ
ザー34およびスピード可変つまみ35等が設けられ、
ジョグキー部32にはx軸,y軸方向の枠移動キー32
A、オリジンスイッチ32Bおよび枠回転キー32C,
32C等が設けられている。そして、ジョグキー部32
の枠移動キー32Aはオペレータによって手動操作され
るときに、枠移動モータ14を駆動させ、移動枠13を
x軸,y軸方向にその操作時間に応じた移動量だけ移動
させる。また、各枠回転キー32Cは刺繍柄の作成に先
立って、例えば刺繍布16の布目と回転枠15の回転位
置とを合せるときに手動操作され、枠回転モータ17に
より回転枠15を刺繍布16と共に回転させる。
【0050】一方、支持板3には前記枠移動機構5,6
の下側に位置してx軸,y軸側の原点スイッチ(いずれ
も図示せず)が設けられ、この原点スイッチは図2に示
す如く刺繍針10の針中心Nと回転枠15の枠中心Cと
が一致したときに、枠移動機構5,6を介してこれを検
出し、移動枠13が刺繍針10に対して原点位置にある
ことをミシン制御部37等で判別させるようになってい
る。なお、回転角Δθおよび振り幅Wの原点検出も同様
に行うが、ここではその説明を省略する。
【0051】36はミシンヘッド7等に設けられる糸切
れセンサを示し、該糸切れセンサ36は図5に示すよう
にミシン制御部37の入力側に接続され、上糸となる刺
繍糸20または下糸が刺繍作業の途中で糸切れしたとき
に、これを検出して糸切れ検知信号を出力するものであ
る。そして、糸切れセンサ36は本実施例による逆進指
令出力手段を構成し、糸切れの検知時に刺繍作業(刺繍
針10の運針および枠移動等)を停止させ、後述の逆進
指令をミシン制御部37から枠移動モータ14および枠
回転モータ17に出力させるようになっている。
【0052】37は操作ボックス22に近い位置で支持
板3の下側に配設されたミシン制御部を示し、該ミシン
制御部37はマイクロコンピュータ等によって構成さ
れ、その入力側には図5に示すようにソフトキー26お
よびキーボード27のスタートスイッチ30、ストップ
/バックスイッチ31、テンキー部33等が接続される
と共に、糸切れセンサ36およびフロッピーディスク装
置28等が接続されている。また、ミシン制御部37の
出力側には前記主軸モータ8、針軸揺動モータ12、枠
移動モータ14、枠回転モータ17、表示器24および
フロッピーディスク装置28等が接続されている。な
お、ミシン制御部37の入力側には、場合によってテー
プリーダ、編集機、柄作成機、ティーチング機(いずれ
も図示せず)が例えば通信回線等を介して接続される。
【0053】そして、該ミシン制御部37はその記憶回
路内に図6ないし図8に示すプログラム等を格納し、前
記主軸モータ8、針軸揺動モータ12、枠移動モータ1
4および枠回転モータ17等を駆動制御する刺繍制御処
理を行うと共に、これに先立って後述する糸切れカウン
タCn およびツインバック数λ等の運転条件設定処理を
行うようになっている。また、該ミシン制御部37には
その記憶回路に記憶手段を構成する第1メモリ37Aと
第2メモリ37Bとが形成され、糸切れカウンタCn お
よびツインバック数λ等が更新可能に記憶されている。
【0054】ここで、第1メモリ37Aは、例えばフロ
ッピーディスク装置28等の外部記憶手段から読込んだ
針中心NのデータN( ΔX,ΔY,Δθ,W) 等を刺繍
データとして記憶し、第2メモリ37Bは、第1メモリ
37Aによる針中心NのデータN( ΔX,ΔY,Δθ,
W) から刺繍柄の作成データとして変換演算された枠中
心CのデータC( Δx,Δy, Δθ,W) を更新可能に
記憶するようになっている。
【0055】即ち、ミシン制御部37は外部から第1メ
モリ37Aに読込んだ針中心NのデータN( ΔX,Δ
Y,Δθ,W) を実際の刺繍動作の開始時に、例えば特
開平5−192468号公報に記載の刺繍機(前記第3
の従来技術)と同様に、枠中心CのデータC( Δx,Δ
y, Δθ,W) に変換演算し、これを刺繍作業に必要な
m針分(例えば数100針分)だけ順次第2メモリ37
Bに更新可能(1針毎に記憶更新)に記憶させると共
に、このデータC( Δx,Δy,Δθ,W)に基づき主
軸モータ8、枠移動モータ14、枠回転モータ17およ
び針軸揺動モータ12等を駆動制御して刺繍針10、移
動枠13および回転枠15等を移動、回転させ、図15
に例示した刺繍柄等を刺繍布16上に実現する。
【0056】また、第2メモリ37B内に更新可能に記
憶される刺繍データは、刺繍の開始後にm針目に達する
までは、既に刺繍針10が運針された各針落ち点に対応
するの枠中心CのデータC( Δx,Δy,Δθ,W)が
位置データとして順次格納され、例えば(m+1)針目
ではこの(m+1)針目の位置データが前記開始点側の
位置データに替えて記憶され、その後も刺繍が進められ
る毎により新しいデータが古いデータに替えて記憶され
るものである。
【0057】本実施例による回転付きジグザグ刺繍機は
上述の如き構成を有するもので、次に、ミシン制御部3
7による運転条件設定処理および刺繍制御処理について
図6ないし図8を参照して説明する。
【0058】まず、刺繍柄の作成に先立って行う運転条
件設定処理について図8を参照して述べると、ステップ
21では実際の糸切れ時を確実に判別するために糸切れ
カウンタCn による検知回数を、ソフトキー26および
テンキー部33等の操作によって予め所定回数(例えば
2〜5回程度)に設定する。
【0059】即ち、糸切れセンサ36の感度を高めるよ
うにすると、該糸切れセンサ36からは実際の糸切れ時
以外にも検知信号が出力される可能性があるから、糸切
れセンサ36から検知信号が出力される度毎に糸切れカ
ウンタCn を「1」ずつ減算させ、糸切れセンサ36か
ら連続して検知信号が出力され糸切れカウンタCn が
「0」となったときにのみ、これを糸切れ時として確実
に判別できるようにしているものである。
【0060】次に、ステップ22では前記糸切れカウン
タCn の設定値等に基づいてツインバック数λを、ソフ
トキー26およびテンキー部33等の操作によって予め
所定数(例えば1〜数10回程度、通常では1〜8回程
度)に設定する。ここで、ツインバックとは、糸切れの
発生時に刺繍動作を一旦停止させ、その後に移動枠13
および回転枠15のみを刺繍柄の作成方向とは逆向きに
移動(逆進)させるときに、この逆進動作を枠中心Cの
データC( Δx,Δy, Δθ,W) の2針分毎に行うこ
とを意味するもので、例えばツインバック数λを5回に
設定した場合には、ツインバックが5回行われることに
より合計10針分の逆進動作が行われるものである。
【0061】なお、糸切れカウンタCn の検知回数(所
定回数)およびツインバック数λは刺繍機毎にそれぞれ
オペレータが数値設定するもので、各刺繍機の運転特性
等に基づいて最適に設定すればよいものである。
【0062】そして、ステップ21〜22による設定動
作が完了すると、次なるステップ23で図6および図7
に示すメインのルーチンにリターンする。
【0063】次に、図6および図7に示す刺繍制御処理
では、まずステップ1において、例えばフロッピーディ
スク装置28から針中心NのデータN( ΔX,ΔY,Δ
θ,W) を刺繍データとして第1メモリ37Aに読込
む。そして、次なるステップ2では針中心NのデータN
( ΔX,ΔY,Δθ,W) に対し必要に応じて拡大、縮
小、回転または反転等の変更を行い、変更後のデータを
順次1針毎に枠中心CのデータC( Δx,Δy, Δθ,
W) に刺繍柄の作成用データとして変換演算しつつ、順
次第2メモリ37Bにm針分(例えば数100針分)だ
け一時的に記憶させる。
【0064】次に、ステップ3では第2メモリ37Bに
記憶した変換演算後のデータに基づき主軸モータ8、枠
移動モータ14、枠回転モータ17および針軸揺動モー
タ12等を駆動制御して刺繍針10、移動枠13および
回転枠15等を移動、回転させつつ、図15に例示した
針中心Ni-5 ,Ni-4 ,Ni-3 ,…,Ni ,…,Nj,
Nj+1 ,Nj+2 の位置で刺繍針10を振り幅Wで交互に
左方向へ振り幅(W/2)、右方向へ振り幅(W/2)
分ずつ揺動させ、それぞれの針落ち点Si-5 ,Si-4 ,
Si-3 ,…,Si ,…Sj ,Sj+1 ,Sj+2 の位置に刺
繍針10を順次運針させることによって刺繍柄を作成す
る。
【0065】そして、ステップ4では刺繍針10の運針
動作が1針分進む毎に第2メモリ37Bに記憶したm針
分の作成用データを順次1針毎に更新させ、ステップ5
に移って糸切れセンサ36から糸切れ検知信号が出力さ
れたか否かを判定する。
【0066】ここで、ステップ5で「YES」と判定し
たときにはステップ6に移って、
【0067】
【数1】Cn ←Cn −1 糸切れカウンタCn を「1」ずつ減算する演算を行い、
次なるステップ7で糸切れカウンタCn が「Cn =0」
となったか否かを判定し、「NO」と判定したときには
ステップ2に戻ってこれ以降の処理を続行させる。
【0068】即ち、図15に例示した刺繍柄の各針落ち
点のうち、例えば針落ち点Si の位置で糸切れが発生
し、これによって糸切れセンサ36から検知信号が出力
されたと仮定すると、この針落ち点Si の位置に刺繍針
10を運針させたときに1回目の検知信号が出力され、
その後は針落ち点Si+1 ,Si+2 ,…(いずれも図示せ
ず)へと刺繍針10が各針落ち点に順次運針される度毎
に糸切れカウンタCn を「1」ずつ減算する。そして、
実際の糸切れ位置(針落ち点Si )から所定針数(所定
回数)分の位置で糸切れカウンタCn が「Cn =0」と
なり、ステップ7において「YES」と判定したときに
は逆進指令を出力することにより図7に示すステップ1
0に移り、例えば針落ち点Sj ,Sj+1 ,…の位置へと
徐々にスローダウンして針中心Nj+2 の位置で停止す
る。
【0069】また、前記ステップ5で「NO」と判定し
たときには、任意の針落ち点に刺繍針10を運針させた
状態で糸切れセンサ36から糸切れ検知信号が出力され
ない場合であるから、仮に前回のプログラムサイクルで
糸切れ検知信号が出力されていたとしても、ステップ8
に移って糸切れカウンタCn を最初の所定回数(例えば
2〜5回程度)に復帰させる。そして、次なるステップ
9では前記データに基づき刺繍が終了したか否かを判定
し、「NO」と判定したときにはステップ2に戻ってこ
れ以降の処理を続行させ、ステップ9で「YES」と判
定したときには刺繍作業を終了させる。
【0070】次に、図7に示すステップ10では、先の
ステップ7により「YES」と判定され、例えば針落ち
点Si の位置から所定針数分の位置で糸切れカウンタC
n が「Cn =0」となって逆進指令を出力された場合で
あるから、このときの逆進指令に基づいて主軸モータ
8、枠移動モータ14、枠回転モータ17および針軸揺
動モータ12等をスローダウンさせながら自動的に停止
させ、例えば図15に示す針中心Nj+2 の位置で刺繍針
10、移動枠13および回転枠15等を一旦停止させ
る。
【0071】そして、次なるステップ11では前記逆進
指令に基づき停止位置となる針中心Nj+2 の位置から、
刺繍柄の作成方向とは逆向きに2針分だけ枠移動モータ
14および枠回転モータ17のみを逆進させ、例えば2
針分前の針中心Nj の位置に移動枠13および回転枠1
5を逆向きに移動(逆進)させるツインバック制御を行
う。
【0072】次に、ステップ12では前記ツインバック
制御が1回実行される度毎に前記ツインバック数λを
「1」ずつ減算すべく、
【0073】
【数2】λ←λ−1 なる演算を行い、次なるステップ13でツインバック数
λが「λ=0」となったか否かを判定し、「NO」と判
定したときにはステップ11に戻ってこれ以降の処理を
続行させ、順次2針分毎のツインバック制御を行うこと
により、例えば針中心Ni-1 ,Ni-3 またはNi-5 の位
置に移動枠13および回転枠15を相対移動させる。
【0074】そして、例えば針中心Ni-3 の位置でツイ
ンバック数λが「λ=0」となり、ステップ13におい
て「YES」と判定されたとすると、ステップ14に移
って針中心Ni-3 の位置でツインバック制御が自動的に
停止され、次なるステップ15では図3に示す操作ボッ
クス22の表示器24に「糸切れ停止」等のメッセージ
が表示される。
【0075】そこで、ミシンのオペレータ等はこのとき
のメッセージ内容に基づきステップ16の糸処理を実行
し、例えば図1に示す刺繍針10に刺繍糸20を通して
再びステップ17でスタートスイッチ30を操作し、再
スタートを実行させる。
【0076】そして、ステップ18では先の停止位置で
ある針中心Ni-3 の位置から刺繍針10を針落ち点Si-
3 の位置に運針させた後に、枠移動モータ14および枠
回転モータ17で移動枠13および回転枠15を順次針
中心Ni-2 ,Ni-1 ,Ni ,…,Nj ,Nj+1 ,Nj+2
の位置に相対移動させつつ、刺繍針10を交互に右,左
方向へ振り幅(W/2)分ずつ揺動させ、それぞれの針
落ち点Si-2 ,Si-1,Si ,…,Sj ,Sj+1 ,Sj+2
の位置に順次運針させる補修縫いを行う。そして、そ
の後は図6に示すステップ2に戻って針落ち点Sj+2 以
降の刺繍が続行されることになる。
【0077】かくして、本実施例によれば、糸切れセン
サ36からの検知信号に基づき図6に示すステップ7
で、糸切れカウンタCn が「Cn =0」となったときに
逆進指令を出力し、この逆進指令に基づき図7に示すス
テップ10で主軸モータ8、枠移動モータ14、枠回転
モータ17および針軸揺動モータ12等をスローダウン
させて徐々に停止させることにより、刺繍柄の品質を低
下させることなく、例えば図15に示す針中心Nj+2 の
位置等で刺繍針10、移動枠13および回転枠15を自
動的に停止できる。
【0078】そして、これらの刺繍針10、移動枠13
および回転枠15を停止させた後には、ステップ11で
前記逆進指令に基づきこの停止位置(例えば針中心Nj+
2 の位置)から刺繍柄の作成方向とは逆向きに2針分だ
け枠移動モータ14および枠回転モータ17のみを順次
逆進させ、例えば2針分毎の針中心Nj ,…,Ni-1,
Ni-3 の位置に移動枠13および回転枠15をツインバ
ックすることができ、前記停止位置から補修縫いが必要
となる補修縫いの開始位置まで移動枠13および回転枠
15を2針分毎に短時間で戻すことができる。
【0079】また、このツインバック制御時には移動枠
13および回転枠15を2針分毎に逆進させるから、ミ
シンのオペレータはこの逆進(ツインバック)動作を目
視により十分に追い続けることができ、実際に糸切れが
発生した位置(例えば針落ち点Si の位置)から2〜4
針分程度の重ね縫いが要求される補修縫いの開始位置
(例えば針落ち点Si-3 の位置)までステッチバック
(逆進)が正確に行われているか否かを容易に確認する
ことができる。
【0080】そして、糸切れの発生により補修縫いが必
要となる前記開始位置から補修縫いを行うときには、偶
数針分となる2針分毎の逆進(ツインバック)動作によ
り刺繍針10の揺動(振り)方向を先の刺繍による揺動
(振り)方向と常に同一方向とすることができ、補修縫
いを開始位置から重ね縫いとして行うときに、先の刺繍
による刺繍針10の揺動(振り)方向と今回の刺繍針1
0の揺動(振り)方向とが逆になる等の問題をなくすこ
とができる。
【0081】従って、本実施例によれば、糸切れ等の発
生時に移動枠13や回転枠15を短時間で、かつ自動的
にツインバックによって逆進制御でき、オペレータの負
担や疲労等を効果的に軽減できる上に、その後の補修縫
いを含めた刺繍柄の作成作業全体を効率的に行うことが
できる。そして、糸切れの発生時に通常要求されている
2〜4針分程度の重ね縫いを含めた補修縫いを効果的に
行うことができ、刺繍柄の品質を確実に高めて信頼性を
向上できる等、種々の効果を奏する。
【0082】次に、図9ないし図14は本発明の第2の
実施例を示し、本実施例の特徴は、多頭式自動刺繍機に
おいてトリプルバックまたはツインバック制御を含めた
補修縫い制御を自動的に行う構成としたことにある。
【0083】図中、41は多頭式自動刺繍機の本体を構
成する刺繍機本体(以下、ミシン本体41という)を示
し、該ミシン本体41は、基台としての支持台42と、
該支持台42上に左右方向に伸長して設けられ、後述の
各ミシンヘッド47が取付けられるヘッドホルダ43と
から大略構成され、該ヘッドホルダ43の上方には照明
具44が設けられている。また、前記支持台42の上部
側には後述の移動枠53等を介して刺繍布51が配設さ
れ、これらの下側には針板および下糸が巻回された複数
の下糸ボビン(いずれも図示せず)等が配設されてい
る。
【0084】45は支持台42上に設けられた駆動源と
しての主軸モータを示し、該主軸モータ45は支持台4
2上を左右方向に延びた主軸46を回転駆動し、該主軸
46を介して各ミシンヘッド47の駆動部を作動させる
ことにより後述の各刺繍針50を上,下に往復動させる
ものである。
【0085】47,47,…は支持台42上に位置して
ヘッドホルダ43に所定間隔をもって列設された刺繍機
のヘッドを構成するミシンヘッドを示し、該各ミシンヘ
ッド47はヘッドホルダ43にそれぞれ取付けられたヘ
ッド本体48を有し、該各ヘッド本体48内には、前記
主軸46の回転により各刺繍針50を上,下に駆動する
駆動部(図示せず)と、刺繍糸(上糸)の選択を行う色
替え用アクチュエータ49(図11参照)等とが設けら
れている。
【0086】50,50,…はミシンヘッド47のヘッ
ド本体48から下向きに突出した複数本の刺繍針で、該
各刺繍針50には各ヘッド本体48毎にそれぞれ複数色
の刺繍糸(上糸)が装着されている。そして、該各刺繍
針50は前記駆動部により色替え用アクチュエータ49
を介して選択的に駆動され、図14に示す刺繍布51に
向けて運針されることにより所望色の刺繍糸を用いた刺
繍を実行する。
【0087】52,52,…は各ミシンヘッド47の上
側に設けられた刺繍糸用の上糸案内部を示し、該各上糸
案内部52の背面側には複数色の各刺繍糸がそれぞれ巻
回された複数の上糸ボビンを載置するボビン台(いずれ
も図示せず)等が設けられている。
【0088】53は各ミシンヘッド47の下側に位置し
て支持台42上に移動可能に設けられた移動枠を示し、
該移動枠53には各ミシンヘッド47に対応して複数の
刺繍枠(図示せず)が着脱可能に取付けられ、これらの
各刺繍枠は刺繍対象物となる刺繍布51(図14参照)
をそれぞれ展張状態で保持するようになっている。そし
て、移動枠53は枠移動機構としての枠移動用アクチュ
エータ54(図11参照)により支持台42上で各刺繍
枠と共にX,Y方向に枠移動され、このときに各刺繍布
51には図14に示すように、各刺繍針50の運針に応
じて刺繍データによる所定の刺繍柄が形成(実現)され
る。
【0089】55は支持台42の前側に左右方向に伸長
して設けられた運転棒を示し、該運転棒55は両端側が
支持台42から垂下された左,右の支持ブラケット5
6,56に摺動可能に取付けられ、当該多頭式自動刺繍
機を作動・停止させる手動スイッチを構成している。そ
して、オペレータが運転棒55を、例えば左方向に摺動
変位させると主軸モータ45等が作動し、右方向に摺動
変位させたときには主軸モータ45等が停止するように
なる。
【0090】57は支持台42上に設けられた操作部を
示し、該操作部57には図10にも示す如く、液晶ディ
スプレイ等からなる表示器58と、該表示器58の下側
に例えばA,B,C,D,E,F,Gとして7個列設さ
れ所謂対話キーを構成するソフトキー59と、該ソフト
キー59の下側に配設され、操作部57に電源を投入,
遮断(ON,OFF)する電源スイッチ60と、数値を
入力するためのテンキー61およびジョグキー62等か
らなるキーボード部63とが設けられ、該キーボード部
63のジョグキー62はオペレータによって手動操作さ
れるときに枠移動用アクチュエータ54を作動させ、移
動枠53をX,Y方向にその操作時間に応じた移動量だ
け移動させる。
【0091】また、キーボード部63には画面切替スイ
ッチ64とアップリケ用切断機(図示せず)等の調整ス
イッチ65とが設けられ、画面切替スイッチ64はオペ
レータが切替操作することにより、表示器58のメイン
表示領域58Aにミシン運転時とデータの編集時とでそ
れぞれ必要とされる絵付メッセージ、リスト、画像およ
び刺繍データ等を切替可能に表示させる。そして、デー
タの編集時には画面切替スイッチ64とソフトキー59
とを組合せて操作することにより、表示器58のメイン
表示領域58Aに絵付メッセージ、リスト、画像および
刺繍データ等が選択的に表示される。
【0092】ここで、表示器58の画面上にはメイン表
示領域58Aの下側に位置して絵付メニュー領域58B
が設けられ、該メニュー領域58Bはソフトキー59と
の間で所謂対話キーを構成するために、それぞれのソフ
トキー59に割当てられたメニュー内容を絵模様等で7
分割して表示するものである。
【0093】66A,66Bは表示器58用の調整つま
みを示し、該調整つまみ66A,66Bは画面の輝度や
視野角等を調整するときにオペレータが指先等で回転操
作するようになっている。
【0094】67は操作部57の下側に設けられたフロ
ッピーディスク装置を示し、該フロッピーディスク装置
67はディスクドライブ等によって構成され、後述のミ
シン制御装置71に図11に示す如く接続されている。
そして、該フロッピーディスク装置67はミシン制御装
置71との間でフロッピーディスク等の記憶媒体に記憶
された刺繍データ等を読出したり、これらを書込んだり
するものである。
【0095】68,68,…は各ミシンヘッド47にそ
れぞれ設けられ、補修縫い用の操作スイッチを構成する
オートメンディングスイッチを示し、該各オートメンデ
ィングスイッチ68は糸切れ等の発生時に、オペレータ
によって各ミシンヘッド47毎に手動操作され、各ミシ
ンヘッド47毎に独立して後述の補修縫いを実行させる
ものである。そして、該各オートメンディングスイッチ
68は後述の各糸切れセンサ70または運転棒55と共
に逆進指令出力手段を構成している。
【0096】69,69,…は各ミシンヘッド47にそ
れぞれ設けられた糸切れ表示ランプを示し、該各糸切れ
表示ランプ69は各ミシンヘッド47のいずれかで糸切
れが発生したときに、各糸切れセンサ70からの信号に
基づいて点灯し、ミシンのオペレータ等にいずれのミシ
ンヘッド47側で糸切れが発生しているかを報知するも
のである。
【0097】70は各ミシンヘッド47毎に設けられる
糸切れセンサ(図11中に1個のみ図示)を示し、該各
糸切れセンサ70は各ミシンヘッド47側で糸切れが発
生したときにこれを個別に検知し、その検知信号をミシ
ン制御装置71に出力するようになっている。
【0098】71は支持台42および操作部57に設け
られたマイクロコンピュータ等からなる制御装置として
のミシン制御装置を示し、該ミシン制御装置71は図1
1に示すように入力側に運転棒55、ソフトキー59、
テンキー61、ジョグキー62、画面切替スイッチ6
4、各オートメンディングスイッチ68、各糸切れセン
サ70、テープリーダ(図示せず)およびフロッピーデ
ィスク装置67等が接続され、出力側には主軸モータ4
5、各色替え用アクチュエータ49、枠移動用アクチュ
エータ54、各ジャンプソレノイド72、各糸切り機構
73、表示器58および各糸切れ表示ランプ69等が接
続されている。
【0099】そして、ミシン制御装置71はその記憶回
路内に図12および図13に示すプログラム等を格納
し、例えば刺繍データに基づいて主軸モータ45、色替
え用アクチュエータ49、枠移動用アクチュエータ54
およびジャンプソレノイド72等を駆動制御することに
より刺繍布51に刺繍柄を作成する刺繍制御処理等を行
うようになっている。また、ミシン制御装置71にはそ
の記憶回路に記憶手段を構成する第1メモリ71Aと第
2メモリ71Bとが形成されている。そして、第1メモ
リ71Aには外部からフロッピーディスク装置67等を
介して読込んだ刺繍データが記憶され、第2メモリ71
Bにはこの刺繍データのうち少なくとも刺繍柄の作成に
必要なm針(例えば数100針)分のデータが、使用後
のデータとして1針分毎に更新可能に記憶されるように
なっている。
【0100】即ち、第2メモリ71B内に更新可能に記
憶される刺繍データは、刺繍の開始後にm針目に達する
までは、既に刺繍針50が運針された各針落ち点の位置
データが順次格納され、例えば(m+1)針目ではこの
(m+1)針目の位置データが前記開始点側の位置デー
タに替えて記憶され、その後も刺繍が進められる毎によ
り新しいデータが古いデータに替えて記憶されるもので
ある。
【0101】なお、前記各ジャンプソレノイド72は各
ミシンヘッド47毎にそれぞれ設けられたロータリソレ
ノイド等からなり、色替え用アクチュエータ49による
刺繍糸の色替え時、または飛び柄の刺繍時にX,Y方向
の枠移動量が一定の移動量(例えば12.7mm)を越
えるとき、さらには後述の補修縫いを行うとき等に、前
記ミシンヘッド47の駆動部と各刺繍針50側との係合
を一時的に解除させ、このときに刺繍針50を支持台4
2の上方で一時的に運針停止状態に保持するものであ
る。
【0102】また、各糸切り機構73は各ミシンヘッド
47毎にそれぞれ設けられ、刺繍糸の色替えを行うため
に現在の刺繍糸を切って色替え用アクチュエータ49で
色替えを実行するとき、および刺繍針50を各ジャンプ
ソレノイド72で運針停止状態に保持しつつ、移動枠5
3を予め決めた所定の移動量以上に枠移動させるとき等
に、刺繍糸を強制的に切断することにより、所定の移動
量を越える枠移動を補償し、各ミシンヘッド47の刺繍
糸等に余分なテンション(張力)が作用するのを防止す
るようになっている。
【0103】ここで、当該多頭式自動刺繍機により刺繍
布51に図14に示す如く、サテンステッチからなる刺
繍柄を作成する場合を例に挙げると、刺繍布51(移動
枠53)をX,Y方向に枠移動させつつ、左側,中央,
右側のミシンヘッド47,47,…側でそれぞれ刺繍針
50を順次運針させることにより、針落ち点Sk ,Sk+
1 ,Sk+2 ,…,Sl ,Sl+1 ,Sl+2 ,…,Sm ,S
m+1 ,Sm+2 等からなるサテンステッチの刺繍柄が作成
される。そして、これらの刺繍柄は各ミシンヘッド47
毎に同一模様をなす刺繍柄として作成されるものであ
る。
【0104】本実施例による多頭式自動刺繍機は上述の
如き構成を有するもので、次にミシン制御装置71によ
る刺繍制御処理について図12および図13を参照して
説明する。
【0105】まず、処理動作がスタートすると、ステッ
プ31で前記第1の実施例で述べた図6に示すステップ
1〜ステップ3とほぼ同様の処理を行い、前記刺繍デー
タに基づいて主軸モータ45および枠移動用アクチュエ
ータ54等を駆動制御することにより、例えば図14に
示す如く針落ち点Sk ,Sk+1 ,Sk+2 ,…,Sl ,S
l+1 ,Sl+2 ,…,Sm ,Sm+1 ,Sm+2 等からなるサ
テンステッチの刺繍柄を作成する。
【0106】そして、ステップ32では刺繍柄の作成途
中に停止信号が出力されているか否かを判定し、「N
O」と判定する間はステップ33に移って刺繍柄の作成
作業が完了したか否かを判定し、ステップ33で「N
O」と判定する間はステップ31に戻って刺繍制御を続
行させる。また、ステップ33で「YES」と判定した
ときには図14に例示する刺繍柄の作成が完了した場合
であるから、これによって刺繍制御の処理動作を終了さ
せる。
【0107】一方、ステップ32で「YES」と判定し
たときには、例えば各ミシンヘッド47毎に設けた各糸
切れセンサ70からの検知信号により「糸切れ」と判定
して前記停止信号が出力された場合、またはオペレータ
が目視によって例えば「下糸切れ」と判定して運転棒5
5等の操作で停止信号を出力させた場合であるから、刺
繍柄の作成動作を自動的に停止させると共に、表示器5
8によって運転棒55で刺繍作業を停止させたことを表
示し、ステップ34に移ってオペレータに糸切れの発生
したミシンヘッド47のオートメンディングスイッチ6
8を閉成操作させる。また、このときに2針分毎のツイ
ンバック制御を行うのか、3針分毎のトリプルバック制
御を行うのかをソフトキー59等で選択指示させる。
【0108】ここで、図14に示すように中央のミシン
ヘッド47側において、例えば針落ち点Sl の位置で実
際に糸切れが発生し、針落ち点Sm+3 の位置で刺繍動作
が停止した場合を例に挙げると、前記ステップ34では
糸切れの発生した中央のミシンヘッド47側でのみオー
トメンディングスイッチ68が閉成され、他のミシンヘ
ッド47側ではオートメンディングスイッチ68は開成
状態に保持される。
【0109】また、ステップ34で2針分の逆進指令が
選択された場合を例に挙げると、次なるステップ35で
は前記停止位置(針落ち点Sm+3 の位置)から2針分前
の位置(例えば針落ち点Sm+1 の位置)に逆向きに枠移
動(逆進)を行うための枠移動量を、第2メモリ71B
に記憶された刺繍データにより演算し、この演算結果に
基づいてステップ36では2針分の枠移動を所謂ツイン
バック制御(ステッチバック制御)として実行させる。
【0110】そして、次のステップ37では前記2針分
の枠移動(逆進)量が前記第2メモリ71B内に記憶し
たm針分の針数の範囲内であるか否かを判定し、「YE
S」と判定したときにはステップ38に移ってオートメ
ンディングスイッチ68が閉成されているか否かを判定
する。そして、ステップ38で「YES」と判定する間
はステップ35に戻って2針分の逆進位置を演算し、ス
テップ36で次なる2針分の逆進位置(例えば針落ち点
Sl+2 ,Sl ,点Sk+2 ,Sk の位置)へと順次ツイン
バック制御(ステッチバック制御)を行う。
【0111】かくして、このツインバック制御(ステッ
チバック制御)による枠移動が実際に糸切れの発生した
位置(例えば針落ち点Sl の位置)から2〜4針分程度
の重ね縫いが要求される補修縫いの開始位置(例えば針
落ち点Sk の位置)に達し、オペレータがオートメンデ
ィングスイッチ68を開成させることによりステップ3
8で「NO」と判定したときには、図13に示すステッ
プ40に移って前記ツインバック(ステッチバック)を
自動停止させる。
【0112】また、前記ステップ37で「NO」と判定
したときには、ツインバック(ステッチバック)による
2針分の枠移動(逆進)量が前記第2メモリ71B内に
記憶したm針分の針数の範囲を越えた場合であるから、
ステップ39に移って第2メモリ71Bの容量を越えス
テッチバックが不可であることを表示器58に画面表示
させる。そして、この場合にはソフトキー59で「フロ
ート」の指示を行い、その針数(戻り位置)をテンキー
61等で数値設定することにより、実際に糸切れの発生
した位置(例えば針落ち点Sl の位置)から2〜4針分
程度の重ね縫いが要求される補修縫いの開始位置(例え
ば針落ち点Sk の位置)まで一括して戻すようにステッ
チバックを実行させる。
【0113】なお、前述のツインバック制御(ステッチ
バック制御)により移動枠53が予め決めた所定の移動
量以上に枠移動されるときには、糸切れの発生していな
い各ミシンヘッド47側で刺繍糸(下糸を含む)に余分
なテンション(張力)を与えてしまい、刺繍柄の品質を
低下させる原因になるから、この場合には糸切れの発生
していないミシンヘッド47側でも糸切り機構73を作
動させることによって刺繍糸を強制的に切断させ、これ
により所定の移動量を越える枠移動を補償し、各ミシン
ヘッド47の刺繍糸等に余分なテンション(張力)が作
用するのを防止する。
【0114】次に、図13に示すステップ40でツイン
バック(ステッチバック)を停止させた後には、ステッ
プ41に移って糸切れの発生しているミシンヘッド47
側で刺繍針50に刺繍糸を通す糸処理を実行させる。そ
して、ステップ42で運転棒55を操作して再スタート
を行うことにより、ステップ43に移って前記オートメ
ンディングスイッチ68が閉成操作されたミシンヘッド
47側でのみ、前記補修縫いの開始位置(例えば針落ち
点Sk の位置)から次なる針落ち点Sk+1 ,Sk+2 ,
…,Sl ,Sl+1 ,Sl+2 ,…,Sm ,Sm+1 ,Sm+2
の位置へと順次補修縫いを実行させる。
【0115】そして、この補修縫いが前記停止位置(針
落ち点Sm+3 の位置)に達し、ステップ44で「YE
S」と判定したときには、次なるステップ45に移って
補修縫いの終了を表示器58でメッセージ表示させ、ス
テップ46で運転棒55を操作して再スタートを行わせ
る。
【0116】次に、ステップ47では前記ツインバック
制御(ステッチバック制御)の過程で糸切り機構73に
よる糸切りが行われたか否かを判定し、「YES」と判
定したときには全てのミシンヘッド47側で糸切りが行
われているから、ステップ48に移って全てのミシンヘ
ッド47側で重ね縫いを行うために、例えば針落ち点S
m+3 の位置から針落ち点Sm+1 (Sl+2 )の位置等へと
2〜4針分程度のツインバック(ステッチバック)を行
い、この針落ち点Sm+1 (Sl+2 )の位置から2〜4針
程度の重ね縫いを実行させつつ、図12中のステップ3
1に戻って通常通りの刺繍作業を再開させる。
【0117】また、ステップ47で「NO」と判定した
ときには、ツインバック制御(ステッチバック制御)時
の戻り量が少なく、例えば図14に示す左,右のミシン
ヘッド47側等では糸切り機構73による糸切りは行わ
れていない場合であるから、前記ステップ46による再
スタート後には図12に示したステップ31にそのまま
戻り、例えば針落ち点Sm+3 の位置から全てのミシンヘ
ッド47側で通常通りの刺繍作業を再開させる。
【0118】なお、前記ステップ34で3針分毎の逆進
(トリプルバック)制御をソフトキー59等で選択指示
したときには、ステップ36で停止位置(針落ち点Sm+
3 の位置)から3針分前の位置(例えば針落ち点Sm ,
Sl ,Sk+1 )等へと図14中の矢示f1 ,f2 ,f3
方向にトリプルバックによるステッチバック制御が行わ
れ、ステップ43の補修縫い処理では、例えば針落ち点
Sk+1 の位置から針落ち点Sk+2 ,…,Sl ,Sl+1 ,
Sl+2 ,…,Sm ,Sm+1 ,Sm+2 の位置へと順次補修
縫いが実行される。そして、ステップ48では全てのミ
シンヘッド47側で重ね縫いを行うために、例えば針落
ち点Sm+3 の位置から針落ち点Sm の位置へと3針分の
トリプルバック(ステッチバック)を行い、この針落ち
点Sm の位置から3針分の重ね縫いを実行させつつ、図
12中のステップ31に戻って通常通りの刺繍作業を再
開させる。
【0119】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記停止位置から補修縫いが必要となる補修縫い
の開始位置まで移動枠53を、2針分または3針分毎に
短時間で戻すことができ、ミシンのオペレータはこのス
テッチバック(ツインバックまたはトリプルバック)動
作を目視により十分に追い続けることができ、実際に糸
切れが発生した位置(例えば針落ち点Sl の位置)から
2〜6針分程度の重ね縫いが要求される補修縫いの開始
位置(例えば針落ち点Sk ,Sk+1 の位置)までステッ
チバック(逆進)が正確に行われているか否かを容易に
確認することができる。
【0120】また、前記ステッチバック制御により移動
枠53が予め決めた所定の移動量以上に枠移動されると
きには、糸切れの発生していないミシンヘッド47側で
糸切り機構73を作動させることによって刺繍糸を強制
的に切断させる構成としているから、これによって所定
の移動量を越える移動枠53の枠移動を補償でき、各ミ
シンヘッド47の刺繍糸等に余分なテンション(張力)
が作用するのを防止でき、これによって刺繍柄の品質を
向上させることができる。
【0121】そして、前記ステッチバック(ツインバッ
クまたはトリプルバック)の過程で糸切り機構73によ
る糸切りが行われた場合には、図13に示すステップ4
8等の処理で全てのミシンヘッド47側で重ね縫いを行
うために、例えば針落ち点Sm+3 の位置から針落ち点S
m+1 (Sm )の位置等へと2針分または3針分程度のス
テッチバックを行い、この針落ち点Sm+1 (Sm )の位
置から重ね縫いを実行させつつ、通常通りの刺繍作業を
再開させる構成としているから、糸切りを行った後の全
てのミシンヘッド47による刺繍時にも重ね縫い部分を
確保して「糸のほつれ」等を確実に防止でき、刺繍柄の
品質を高めることができる。
【0122】さらに、前記ステップ34等で3針分毎の
逆進(トリプルバック)制御を選択指示したときには、
ステップ36で停止位置(針落ち点Sm+3 の位置)から
3針分前の位置(例えば針落ち点Sm ,Sl ,Sk+1 )
等へと図14中の矢示f1 ,f2 ,f3 方向にトリプル
バックによるステッチバック制御が行われるから、ミシ
ンのオペレータは移動枠53が順次矢示f1 ,f2 ,f
3 方向に逆進するのを目視によって確認でき、このとき
の刺繍柄が振り幅をもったサテンステッチであることを
容易に確認できる等、種々の効果を奏する。
【0123】なお、前記第1の実施例では、図6および
図7に示すプログラムのうち、ステップ3が本発明の構
成要件である刺繍制御手段の具体例を示し、ステップ1
1が逆進指令手段の具体例を示すものである。
【0124】また、前記第2の実施例では、図12およ
び図13に示すプログラムのうち、ステップ31が本発
明の構成要件である刺繍制御手段の具体例を示し、ステ
ップ36が逆進指令手段の具体例であり、ステップ43
〜ステップ48が補修縫い制御手段の具体例を示すもの
である。
【0125】一方、前記第1の実施例では、刺繍針10
を針中心からx軸方向となる左右方向に振り幅Wをもっ
て運針させるものとして述べたが、本発明はこれに限ら
ず、例えばy軸方向となる前後方向に刺繍針10を針中
心から振り幅Wをもって運針させるようにしてもよい。
【0126】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、逆進指令出力手段から逆進指令が出力され
たときに、刺繍制御手段による刺繍柄の作成途中でヘッ
ドおよび枠移動機構を停止させると共に、該枠移動機構
を逆進制御手段で逆進させ、移動枠を各針落ち点の複数
針分毎に前記刺繍柄の作成方向とは逆向きに枠移動させ
る構成としたから、糸切れ等の発生時に移動枠(回転
枠)を短時間で逆進させつつ、補修縫いが必要な位置ま
で早期に戻すことができ、その後の補修縫いを含めた刺
繍作業全体を効率的に行うことができる上に、刺繍柄の
品質を大幅に向上でき、信頼性を高めることができる。
【0127】この場合、請求項2に記載の発明の如く、
前記逆進制御手段により各針落ち点の2針分に相当する
移動量をもって前記枠移動機構を逆進させるようにすれ
ば、前記逆進指令出力手段からの信号により前記移動枠
が停止した位置から該移動枠を2針分毎に前記刺繍柄の
作成方向とは逆向きに枠移動(逆進)でき、このときの
逆進動作が速くなり過ぎたり、遅くなり過ぎたりするの
を防止でき、刺繍機のオペレータ等によって2針分毎の
枠移動(逆進位置)を順次追い続けることが可能とな
る。
【0128】また、請求項3に記載の発明の如く、前記
逆進制御手段により各針落ち点の3針分に相当する移動
量をもって前記枠移動機構を逆進させるようにすれば、
前記逆進指令出力手段からの信号により前記移動枠が停
止した位置から該移動枠を3針分毎に前記刺繍柄の作成
方向とは逆向きに枠移動(逆進)でき、このときの逆進
動作が速くなり過ぎたり、遅くなり過ぎたりするのを防
止できる。そして、サテンステッチ等の刺繍柄を作成し
ている途中で逆進動作を行わせるときには、刺繍機のオ
ペレータ等が目視によって3針分毎の枠移動(逆進位
置)を順次追い続けることができ、このときの刺繍柄が
サテンステッチであるか、これ以外のステッチであるか
を容易に識別できる。
【0129】また、請求項4に記載の発明のように、刺
繍針を所要の振り幅Wをもって揺動させ、刺繍布を展張
した状態に保持する回転枠を回転源で回転角Δθ分だけ
回転させる回転枠を有した回転付きジグザグ刺繍機に適
用することにより、第2メモリからの枠中心データに基
づき刺繍制御手段でヘッド、枠移動機構および回転源を
駆動制御しつつ、前記刺繍針を刺繍布に対しそれぞれの
針落ち点で運針でき、複雑な刺繍柄(回転付きジグザグ
模様)を高品質に作成できると共に、逆進指令の出力時
には移動枠を回転枠と共に補修縫いが必要な位置まで早
期に戻すことができ、オペレータの負担や疲労感を確実
に軽減できる。
【0130】そして、この場合でも、請求項5に記載の
発明の如く、逆進制御手段により前記第2メモリに記憶
した枠中心データの2針分に相当する移動量をもって前
記枠移動機構および回転源を逆進させるようにすれば、
逆進指令出力手段からの信号により前記移動枠および回
転枠が停止した位置から該移動枠および回転枠を前記枠
中心データの2針分毎に逆向きに移動(逆進)でき、こ
の2針(偶数針)分の逆進動作によって、補修縫いの開
始時に刺繍針の揺動(振り)方向が逆になる等の問題を
確実に解消することができる。
【0131】一方、請求項6に記載の発明のように、基
台上に複数のヘッドを備えた多頭式刺繍機に適用するこ
とにより、各ヘッド毎に刺繍柄を同時に作成でき、刺繍
作業を効率的に行い得る上に、記憶手段の第1メモリで
外部から読込んだ刺繍データを記憶でき、該第1メモリ
による刺繍データのうち少なくとも刺繍柄の作成に必要
な複数針分のデータを、逆進制御用のデータとして第2
メモリに記憶しておくことができる。
【0132】また、請求項7に記載の発明の如く、前記
第2メモリに記憶したデータを刺繍柄の作成時に1針分
毎に順次更新する構成とすることにより、第2メモリの
容量を必要最小限の容量にすることができ、メモリ全体
をコンパクトに形成して小型軽量化を図ることができ
る。
【0133】さらに、請求項8に記載の発明のように、
前記逆進指令出力手段を、前記刺繍制御手段による刺繍
柄の作成途中で糸切れが発生したか否かを検出する糸切
れセンサで構成することにより、糸切れの発生時に逆進
指令を自動的に出力できると共に、実際の糸切れ位置を
含む補修縫いが必要な位置まで早期に戻すことができ、
その後の補修縫いを含めた刺繍作業全体を効率的に行う
ことができる。
【0134】また、請求項9に記載の発明のように、前
記逆進指令出力手段を、少なくとも前記各ヘッド毎に設
けられ、前記刺繍布に作成している刺繍柄の補修縫いを
行うときに操作される複数の操作スイッチで構成するこ
とにより、補修縫いの必要な位置まで逆進制御を行った
後に自動的に補修縫いを続行でき、この補修縫いを含め
た刺繍作業全体を効率的に行うことができる。
【0135】そして、請求項10に記載の発明の如く、
前記刺繍柄の補修縫いを行う補修縫い制御手段を備える
ことにより、前記操作スイッチからの逆進指令に基づ
き、例えば糸切れの発生していないヘッド側で刺繍糸を
切断できると共に、移動枠を補修縫いの開始位置まで枠
移動(逆進)でき、その後にこの開始位置から前記停止
位置まで補修縫いの必要なヘッド(例えば糸切れの発生
したヘッド)側で刺繍データに基づいた補修縫いを自動
的に行うことができる。そして、このヘッド側で前記停
止位置まで補修縫いを行ったときには、予め決められた
針数分だけ複数針分毎に前記移動枠を再び枠移動(逆
進)させた後に、全てのヘッド側で刺繍を再開させるこ
とにより、予め決められた針数分の重ね縫いを行うこと
ができ、刺繍糸のほつれ等をなくして刺繍柄の品質を向
上できる等、種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による回転付きジグザグ
刺繍機を示す正面図である。
【図2】図1に示す回転付きジグザグ刺繍機の平面図で
ある。
【図3】図1に示す操作ボックスの正面拡大図である。
【図4】針軸および刺繍針の振り幅を示す説明図であ
る。
【図5】図1に示す回転付きジグザグ刺繍機の制御ブロ
ック図である。
【図6】刺繍制御処理を示す流れ図である。
【図7】図6に続く刺繍制御処理を示す流れ図である。
【図8】運転条件設定処理等を示す流れ図である。
【図9】第2の実施例による多頭式自動刺繍機を示す正
面図である。
【図10】図9中の操作部を拡大して示す斜視図であ
る。
【図11】図9に示す多頭式自動刺繍機の制御ブロック
図である。
【図12】刺繍制御処理を示す流れ図である。
【図13】図12に続く刺繍制御処理を示す流れ図であ
る。
【図14】第2の実施例による刺繍柄を示す各針落ち点
等の説明図である。
【図15】従来技術の回転付きジグザグ刺繍機による刺
繍柄を示す各針中心および各針落ち点の説明図である。
【符号の説明】
1 基台 3 支持板 5,6 枠移動機構 7,47 ミシンヘッド(刺繍機のヘッド) 8,45 主軸モータ 10,50 刺繍針 12 針軸揺動モータ 13,53 移動枠(刺繍枠) 14 枠移動モータ(駆動源) 15 回転枠 16,51 刺繍布 17 枠回転モータ(回転源) 20 刺繍糸 22 操作ボックス 24,58 表示器 26,59 ソフトキー 28,67 フロッピーディスク装置 30 スタートスイッチ 31 ストップ/バックスイッチ 33 テンキー部 36,70 糸切れセンサ(逆進指令出力手段) 37 ミシン制御部 37A,71A 第1メモリ 37B,71B 第2メモリ 41 ミシン本体(刺繍機本体) 42 支持台(基台) 54 枠移動用アクチュエータ(枠移動機構) 55 運転棒 57 操作部 68 オートメンディングスイッチ(逆進指令出力手
段) 71 ミシン制御装置 72 ジャンプソレノイド 73 糸切り機構

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刺繍用の下糸が配置される基台と、該基
    台上に設けられ、前記下糸側と対向する位置で上糸側の
    刺繍針を上,下に往復動させる刺繍機のヘッドと、該ヘ
    ッドの下側に位置して前記基台上に移動可能に設けら
    れ、刺繍布を保持する移動枠と、該移動枠を前記基台上
    で各針落ち点毎に枠移動させる枠移動機構と、前記各針
    落ち点毎の刺繍データを記憶する記憶手段と、該記憶手
    段による各針落ち点毎の刺繍データに基づいて前記ヘッ
    ドおよび枠移動機構を駆動制御し前記各針落ち点からな
    る刺繍柄を前記刺繍布に作成する刺繍制御手段とからな
    る自動刺繍機において、前記刺繍制御手段による刺繍柄
    の作成途中で前記ヘッドおよび枠移動機構を停止させ、
    該枠移動機構に逆進指令を出力する逆進指令出力手段
    と、該逆進指令出力手段からの逆進指令に基づき前記枠
    移動機構を逆進させ、前記移動枠を各針落ち点の複数針
    分毎に前記刺繍柄の作成方向とは逆向きに枠移動させる
    逆進制御手段とを備えたことを特徴とする自動刺繍機。
  2. 【請求項2】 前記逆進制御手段は、前記各針落ち点の
    2針分に相当する移動量をもって前記枠移動機構を逆進
    させ、前記逆進指令出力手段からの信号により前記移動
    枠が停止した位置から該移動枠を2針分毎に前記刺繍柄
    の作成方向とは逆向きに枠移動させる構成としてなる請
    求項1に記載の自動刺繍機。
  3. 【請求項3】 前記逆進制御手段は、前記各針落ち点の
    3針分に相当する移動量をもって前記枠移動機構を逆進
    させ、前記逆進指令出力手段からの信号により前記移動
    枠が停止した位置から該移動枠を3針分毎に前記刺繍柄
    の作成方向とは逆向きに枠移動させる構成としてなる請
    求項1に記載の自動刺繍機。
  4. 【請求項4】 前記ヘッドは前記刺繍針を上,下に往復
    動させ、かつ所要の振り幅Wをもって揺動させる構成と
    し、前記移動枠には、前記刺繍布を展張した状態に保持
    し回転源により該移動枠内で刺繍布と共に回転角Δθ分
    だけ回転される回転枠を設け、さらに前記記憶手段に
    は、前記回転角Δθおよび振り幅Wを含む刺繍針の針中
    心データを記憶する第1メモリと、該第1メモリによる
    針中心データから刺繍柄の作成用データとして変換演算
    された前記回転枠の枠中心データを記憶する第2メモリ
    とを設け、前記刺繍制御手段は、該第2メモリからの枠
    中心データに基づいて前記ヘッド、枠移動機構および回
    転源を駆動制御し、前記刺繍針を刺繍布に対してそれぞ
    れの針落ち点で運針させる構成としてなる請求項1また
    は2に記載の自動刺繍機。
  5. 【請求項5】 前記逆進制御手段は、前記第2メモリに
    記憶した枠中心データの2針分に相当する移動量をもっ
    て前記枠移動機構および回転源を逆進させ、前記逆進指
    令出力手段からの信号により前記移動枠および回転枠が
    停止した位置から該移動枠および回転枠を前記枠中心デ
    ータの2針分毎に前記刺繍柄の作成方向とは逆向きに移
    動させる構成としてなる請求項4に記載の自動刺繍機。
  6. 【請求項6】 前記基台上には、前記移動枠に保持され
    た刺繍布に対してそれぞれの刺繍針を上,下に往復動さ
    せる複数のヘッドを設ける構成とし、前記記憶手段は、
    外部から読込んだ刺繍データを記憶する第1メモリと、
    該第1メモリによる刺繍データのうち少なくとも刺繍柄
    の作成に必要な複数針分のデータを記憶する第2メモリ
    とを備える構成としてなる請求項1,2または3に記載
    の自動刺繍機。
  7. 【請求項7】 前記第2メモリに記憶したデータは、前
    記刺繍柄の作成時に1針分毎に順次更新する構成として
    なる請求項4,5または6に記載の自動刺繍機。
  8. 【請求項8】 前記逆進指令出力手段は、前記刺繍制御
    手段による刺繍柄の作成途中で糸切れが発生したか否か
    を検出する糸切れセンサにより構成してなる請求項1,
    2,3,4,5,6または7に記載の自動刺繍機。
  9. 【請求項9】 前記逆進指令出力手段は、少なくとも前
    記各ヘッド毎に設けられ、前記刺繍布に作成している刺
    繍柄の補修縫いを行うときに操作される複数の操作スイ
    ッチにより構成してなる請求項6に記載の自動刺繍機。
  10. 【請求項10】 前記刺繍柄の補修縫いを行う補修縫い
    制御手段を備え、該補修縫い制御手段は、前記操作スイ
    ッチからの逆進指令に基づいて前記逆進制御手段により
    移動枠を補修縫いの開始位置まで枠移動させた後に、こ
    の開始位置から前記停止位置まで補修縫いの必要な任意
    のヘッドで刺繍データに基づいた補修縫いを実行させる
    構成とし、さらに前記停止位置まで補修縫いを行った後
    には、全てのヘッドで刺繍を再開するに先立って、予め
    決められた針数分だけ複数針分毎に前記刺繍柄の作成方
    向とは逆向きに前記移動枠を枠移動させる構成としてな
    る請求項9に記載の自動刺繍機。
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