JPH06141828A - 米からの発酵飲料およびその製造法 - Google Patents

米からの発酵飲料およびその製造法

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JPH06141828A
JPH06141828A JP4314347A JP31434792A JPH06141828A JP H06141828 A JPH06141828 A JP H06141828A JP 4314347 A JP4314347 A JP 4314347A JP 31434792 A JP31434792 A JP 31434792A JP H06141828 A JPH06141828 A JP H06141828A
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JP
Japan
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rice
fermentation
yeast
added
koji
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Pending
Application number
JP4314347A
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English (en)
Inventor
Takashi Tokuyama
孝 徳山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Soken Co Ltd
Original Assignee
Soken Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 米を原料として、風味が良く、しかも、糖と
バランスがとれた、すっきりとした飲み飽きのしない発
酵飲料を提供する。 【構成】 米または米の水抽出物に麹または澱粉分解酵
素を添加し、低温で有機酸発酵を行って発酵飲料とする
か、あるいは前記有機酸発酵に続き、酵母を添加して発
酵を行い、アルコール含量が1%未満の時点で発酵を停
止して発酵飲料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、米または米の抽出物に
麹または澱粉分解酵素を添加し、低温で有機酸発酵を行
うか、またはさらに酵母を添加して発酵を行ない、アル
コール含量が1%未満で発酵を停止することにより、風
味が良く、しかも、糖と酸のバランスがとれた、すっき
りとした飲み飽きのしない発酵飲料を提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】現在、市場には果汁飲料、乳酸飲料、炭
酸飲料、スポーツ飲料等、種々様々な飲料が出ている。
しかし、ほとんどのものが自然そのままではなく、人工
的に加工されているためか、飲み飽きする等の欠点を持
っている。また、天然指向ブームや健康、美容ブームに
より、麦茶、ウーロン茶などがもてはやされているが、
うま味、栄養価がなく、もの足りないものである。
【0003】一方、最も身近な天然物であるにもかかわ
らず、米の飲料は、ごく限られたものしか出ていない。
せいぜい甘酒ぐらいで、それにおいても麹臭がするばか
りでなく、風味に乏しく、甘いだけで飲み飽きするなど
の欠点があり、現在の嗜好にマッチしていないのが現状
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現在、健康、美容ブー
ムにより天然物指向の要求が高まってきている。そこ
で、麦茶、ウーロン茶などがもてはやされているが、う
ま味、栄養価がなく、もの足りないものになっている。
また、甘酒は天然物ではあるが、独得の風味がきらわ
れ、味の面においても酸味に乏しく、糖と酸のバランス
がとれていないため、すっきりしたものにできないとい
う基本的な問題を持っている。すなわち、安全な、でき
れば安全が実証されているものを使い、しかも誰からも
好まれる風味を有し、また、飲み飽きせず、うま味、栄
養価のある飲料の出現が望まれている。
【0005】一方、日本人の主食である米においての需
要は、年々落ちこみがひどく、減反政策を余儀無くさ
れ、また、外国からの輸入自由化が叫ばれており、国の
大きな問題となっている。このため、米の用途開発が種
々考えられているが、みるべきものがなく、また、特に
飲料は消費量として大きいにもかかわらず、未だ新規な
飲料は開発されていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、動植物合和
すの観点から主食である米を中心に種々の植物成分の研
究を進めてきた。その過程で、米または米の抽出物に麹
または澱粉分解酵素を添加し、低温で有機酸発酵を行う
か、またはさらに酵母を添加して発酵を行ない、アルコ
ールが1%未満の時点で発酵を停止することにより、風
味が良く、しかも、糖と酸のバランスがとれた、すっき
りとした飲み飽きしない発酵飲料が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】次に、製造方法の詳細について説明する。
まず、米を水に浸漬した後、米を蒸煮して原料をα化す
る。蒸煮の方法は、一般的な蒸米機で行うか、また、最
初に加水して煮込んでもよい。次に、α化した米に加水
し、麹または澱粉分解酵素を添加し、温度を5〜15℃
程度の低温に調整し、5〜20日間充分な時間をかけて
糖化、有機酸発酵を行った後、上槽する。加水量は米に
対して1〜5倍がバランス的に最も好ましいが、最終の
用途にあわせて調整すればよい。麹とは米麹、麦麹、大
豆麹等、糖化するものを指す。麹の添加量は蒸米に対し
て10〜50%添加すればよいが、必要に応じ麹量は少
なくても、また、多くてもよい。さらに、米麹のかわり
に澱粉分解酵素を使用しても、また、麹と澱粉分解酵素
を併用してもさしつかえない。ここでいう澱粉分解酵素
とは、液化酵素、糖化酵素、澱粉分解酵素を含む混合酵
素などの全てを指し、甘さ、こくのバランスを考え、用
途にあわせて用いる。
【0008】低温での糖化、有機酸発酵を行う温度は、
甘味と酸味のバランスを考慮しながら決めればよい。一
般的な有機酸発酵は、25〜35℃程度で行われている
が、この温度では風味が出ず、また、有機酸発酵が進み
すぎ甘味と酸味のバランスもくずれてしまう。糖化、有
機酸発酵の時間も、糖化、酸味のバランスを考慮して決
めればよく、目的の甘味、酸味さえ出れば5日より短く
て済み、また、酸味が多い方がよければ20日より長く
すればよい。なお、有機酸発酵は低温で放置していれば
自然に有機酸が生じてくるが、有機酸発酵を早く行おう
と思えば有機酸を生成する菌を別に加えてもよい。
【0009】また、さらに酵母を添加して発酵を行な
い、アルコール1%未満の時点で発酵を停止することに
より、一段と優れた発酵飲料ができる。ここで使用する
酵母は、一般的に用いられているものであればなんでも
よい。また、酵母は最初から添加するか、糖化、有機酸
発酵したものに、あるいはこれを上槽後に添加してもよ
い。上記の行程を経て得られた本製品は、風味が良く、
しかも、糖と酸のバランスがとれた、すっきりとした飲
み飽きのしない発酵飲料である。
【0010】次に、官能評価に基づき、具体的効果につ
いて記載する。まず、本発明品と甘酒についての風味を
調べるために、10名のパネラー(男5名、女5名)で
官能評価を行い、その結果を表1に記載した。
【0011】
【表1】
【0012】表1から分かるように、酵母で発酵した本
発明品は、全員がリンゴにも似たフルーツの香りがして
風味が良いものであるとした。また、酵母で発酵しなく
ても、7人の人はほとんど酵母で発酵したものとかわら
ないとし、残り3人の人も酵母を添加したものと比べる
と劣ると答えた。それに比べ、甘酒は麹臭が強く、全員
がよくないとした。
【0013】以上のように、本発明品は、非常に優れた
風味を有し、しかも、酵母発酵することにより、さらに
優れた風味になることが判明した。次に、全体のバラン
スをみるために、糖と酸のバランス、すっきりさについ
て、表1で用いた10名のパネラー(男5名、女5名)
で官能評価を行い、その結果を表2に記載した。
【0014】
【表2】
【0015】表2から分かるように、酵母で発酵した本
発明品は、全員が糖と酸のバランスがとれて味が良く、
すっきりしていると答えた。また、酵母で発酵していな
い本発明品においても、全員が糖と酸のバランスがとれ
て味が良いとし、すっきりさにおいても、8名の人は酵
母で発酵したものとかわらないとした。残り2名の人
は、酵母を添加したものと比べると劣るということであ
った。それに比べ、甘酒はただ甘いだけで、すっきりさ
は全くないとした。
【0016】以上のように、本発明品は、糖と酸のバラ
ンスがとれた、すっきりとした発酵飲料であることが判
明した。また、本発明品が飲み飽きするかどうかを調べ
るために、市販甘酒にクエン酸を添加し、本発明品と同
等の酸度に調整したものについて、表1、表2で用いた
10名のパネラー(男5名、女5名)で官能評価を行
い、その結果を表3に記載した。
【0017】
【表3】
【0018】表3から分かるように、本発明品は、全員
が飲み飽きしないと答えた。しかし、市販甘酒にクエン
酸を加え酸味調整したものについては、全員が飲み飽き
すると答えた。また、酸味、甘味は本発明品と同程度で
あるが、うま味、コクがなく単調な味であるとした。す
なわち、酸を添加し、糖と酸のバランスをとっただけで
は飲み飽きするばかりでなく、うまみ、コクも出ず、本
発明品のように発酵を行うことにより、飲み飽きをせ
ず、しかも、うま味、コクの優れた飲料が得られること
が判明した。
【0019】
【発明の効果】前記データーからも明らかなように、米
または米の水抽出物に麹米または澱粉分解酵素を添加
し、低温で有機酸発酵を行うか、または同時に酵母を添
加して発酵を行い、アルコール含量が1%未満の時点で
発酵を停止することにより、フルーツにも似た風味を有
し、しかも、糖と酸のバランスのとれた、すっきりとし
た飲み飽きしない発酵飲料ができる。すなわち、米の飲
料の開発にあたっての欠点を解決したものであって、米
だけの天然物のみの飲料ができるのである。
【0020】米は主食であったため、新規な製法、利用
用途はほとんど開発されていなかったのであるが、米の
過剰生産といわれる現在、本発明により、新たな米の利
用用途を見出したこと、および米のイメージアップによ
る消費拡大を図り得ることは、極めて有意義なことであ
る。
【0021】
【実施例】以下に実施例を記載する。 実施例1 白米7kgをよく洗米し、水に浸漬した後、水切りをし、
これを蒸米機でα化した。この蒸米を充分に冷却した
後、3℃に冷却した水を11リットル、米麹3kgを添加
し、攪拌しながら品温を6℃に調整した。その後、品温
6℃に保ちながら1日2回攪拌を行い、5日間放置し
た。6日目から1日に約1℃品温を上昇させ、1日2回
の攪拌を行い、10日間放置した。16日目にしぼり機
によりしぼり、本発明品9.5リットルと残査11kgを
得た。分析値は表4のとおりである。
【0022】
【表4】 (注)酸度とは検体10mlをとり、プロムチモール・ブ
ルー、ニュートラルレッド混合指示薬を2〜3滴加え、
N/10水酸化ナトリウム溶液で淡緑色を呈するまでの滴
定ml数である。
【0023】実施例2 実施例1で得られた本発明品5リットルを7℃まで冷却
し、酵母を添加した。添加後、7℃を保ちながら2日間
放置してから濾過を行い、本発明品5リットルを得た。
分析値は表5のとおりである。
【0024】
【表5】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米または米の水抽出物に麹または澱粉分
    解酵素を添加し、低温で有機酸発酵を行うか、またはさ
    らに酵母を添加して発酵を行ない、アルコール含量が1
    %未満の時点で発酵を停止することを特徴とする米から
    の発酵飲料。
  2. 【請求項2】 米または米の水抽出物に麹または澱粉分
    解酵素を添加し、低温で有機酸発酵を行うか、またはさ
    らに酵母を添加して発酵を行ない、アルコール含量が1
    %未満の時点で発酵を停止することを特徴とする米から
    の発酵飲料の製造法。
JP4314347A 1992-10-30 1992-10-30 米からの発酵飲料およびその製造法 Pending JPH06141828A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002253185A (ja) * 2001-03-02 2002-09-10 Takara Holdings Inc 飲料及びその製造方法
JP2019140992A (ja) * 2018-02-22 2019-08-29 株式会社 伊藤園 容器詰甘酒飲料の製造方法及び容器詰甘酒飲料の風味向上方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002253185A (ja) * 2001-03-02 2002-09-10 Takara Holdings Inc 飲料及びその製造方法
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