JPH0613648Y2 - コンバインにおける収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は穀稈を刈取脱穀するコンバインにおける収納装
置に関する。

（ロ）従来技術 従来、走行装置を有する機台の一側に脱穀装置を搭載
し、他側の前部から順に操作盤、運転席、穀粒収納容器
等を配設し、前記操作盤から脱穀装置の前部に亙る部位
の前方に、複数の分草体、穀稈引起体、全幅に亙る刈
刃、複数の掻込輪、及び掻込体等からなる刈取装置と、
刈取穀稈を脱穀装置に供給する穀稈搬送装置とで構成さ
れた前処理装置を昇降可能に装着したコンバインにおい
て、前記操作盤の前面に、電装品等を収容するケースを
設けることは既に知られている。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 前記既知のコンバインにおける収納装置は、操作盤の前
面の全幅に亙っているので、その前方に穀稈引起体を配
設しようとすると、前処理装置を昇降する際に干渉する
ので、操作盤と前面との間に安全に前記昇降を許容する
ための間隔を確保しなければならず、このように構成す
ると機体の前後長さが大になると共に穀稈搬送装置をも
長大に構成しなければならず、コスト及び機体重量が大
になると共に機体の回行性が悪化した。

また、前述の問題点を回避すためには既刈地側端部の穀
稈引起体を、操作盤の機幅中央側に偏位せざるを得ず、
このように構成すると、既刈地側の穀稈引起が不円滑に
なる。

更に、操作盤の前方に前面視で重複するように穀稈引起
体を設けた場合、穀稈引起体が障害になってケース内に
収容した各種の機器の整備点検が困難になる。

（ニ）問題点を解決するための手段 本考案は、走行装置を有する機台の一側に脱穀装置を搭
載し、他側の前部から順に操作盤、運転席、穀粒収納容
器等を配設し、前記操作盤から脱穀装置の前部に亙る部
位の前方に、複数の穀稈引起体を有する刈取装置及び穀
稈搬送装置からなる前処理装置を昇降可能に装着したコ
ンバインにおいて、操作盤の外側を運転ステップの外側
縁より収納部に相当するだけ内側に位置させ、前記操作
盤の外側下部から前面の穀稈引起体と対向する部位の外
側に亘る部位を収納部に構成し、この収納部の前面及び
側面を開閉可能なカバーで覆うことにより前述の問題点
を解決した。

（ホ）作用 刈取装置の分草体により分草された穀稈は掻込装置によ
り掻き込まれながら穀稈引起体により引起され、次い
で、刈刃により刈取られた穀稈は側方へ移送されると共
に穀稈搬送装置により後送されて脱穀装置により脱穀処
理される。

このような刈取脱穀作業中、畦畔沿い等で機体を回行さ
せる際に、前処理装置を走行させた時、操作盤の前面下
部外側の収納部のカバーは、操作盤よりも前方へ突出し
ているが、既刈地側端部の前記穀稈引起体よりも外側方
にあるので、前処理装置と干渉することがなく、また、
上記穀稈引起体を操作盤の前面に前方から見てラップす
る位置に配設し得て既刈地側端部の立毛穀稈をもスムー
ズに引き起こすことができる。

更に、収納部内に機器を整備点検する時、カバーを開く
と、その直前部に位置する穀稈引起体が障害にならない
状態で前方から、及び穀稈引起体とは関係のない側方か
ら整備点検作業を容易に行うことができる。

（ヘ）実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、脱穀装置
は走行装置を有する機台１上の一側に搭載し、他側には
前部から順に操作盤２、運転ステップ３、運転席４、穀
粒タンク等を設けてあり、運転席４の下部にはエンジン
を収納してある。

また、前記脱穀装置の前部には、刈取装置と、扱深さ調
節装置を兼ねた穀稈搬送装置とからなる前処理装置を上
下傾動可能に装着してある。

そして、前記機台１の内側寄りは第２図に示す如く刈取
装置の既刈地側に位置する穀稈引起体５と対向してお
り、機台１の穀稈引起体５と対向する部位より外側を前
方へ突出させるか、又は支持板を取付けて突出させ、前
記操作盤２はその外側を機台１の外側から側部収納部６
を隔てて内側に位置させ、前面は機台１の前方へ突出し
た前部収納部７を隔てた後側として立設されている。

そして、前方の前部収納部７にはヒューズボックス等の
主としてユーザー段階でメンテナンスを必要とする電動
品Ａをブラケット８，９に螺着して収納し、側方の側部
収納部６には主としてディーラー段階でメンテナンスを
要するマイコン、各種の装置又は自動制御回路のチェッ
カー等の電装品Ｂ及びチェッカーＢ′をボルト10……に
より螺着して収納し、これらの収納部６，７を覆うカバ
ー11は断面が略逆Ｌ字状（但し上面か緩やかな下降傾斜
になっている）の前面カバー12と側面カバー13とからな
り、両者は蝶番15により開閉自在に連結され、側面カバ
ー13の後部は操作盤２の外側後部に螺着したブラケット
16に螺着し、中間部よりやゝ前寄りをブラケット９に固
定されている受板17に取付ボルト18により螺着し、前面
カバー12の穀稈引起体５側は取付ボルト20によりブラケ
ット８に螺着してある。

収納部６，７に収容する機器は前記電装品Ａ、Ｂに限定
されるものではない。

前述の装置において、電装品Ａのメンテナンスを行う場
合は取付ボルト20を抜き取って前面カバー12を第３図に
示す如く蝶番15を中心として開き、また、電装品Ｂ又は
Ａ，Ｂのメンテナンスを行う時は取付ボルト18も抜き取
ってカバー11を第４図に示す如く全部開くと、操作盤２
の外側にて極めて容易に各種のメンテナンスを迅速に行
なうことができる。

前記メンテナンスが終った時、カバー11を閉じて取付ボ
ルト18,20を締付けるだけですむ。

（ト）考案の効果 本考案は、走行装置を有する機台１の一側に脱穀装置を
搭載し、他側の前部から順に操作盤２、運転席、穀粒収
納容器等を配設し、前記操作盤２から脱穀装置の前部に
亙る部位の前方に、複数の穀稈引起体５を有する刈取装
置及び穀稈搬送装置からなる前処理装置を昇降可能に装
着したコンバインにおいて、操作盤２の外側を運転ステ
ップ３の外側縁より収納部６，７に相当するだけ内側に
位置させ、前記操作盤２の外側下部から前面の穀稈引起
体５と対向する部位の外側に亘る部位を収納部６，７に
構成し、この収納部６，７の前面及び側面を開閉可能な
カバー11で覆ったので、畦畔沿いの枕地等で機体回行を
行うべく、前処理装置を昇降させる時、操作盤２の直前
に配設されている穀稈引起体５が収納部の前面を覆うカ
バー11と干渉することがなく、前処理装置をスムーズに
昇降させることができると共に穀稈引起装置を操作盤２
の前面に接近させて機体の前後長さを短くしてコストと
機体重量を軽減することができる。

また、操作盤２の外側部と前部とに設けた前記収納部
６，７内の機器を整備点検する時、側方の収納部６を前
処理装置と関係なく作業を容易に行うことができ、前方
の収納部７はその前方の穀稈引起体５よりの外側方に位
置しているので、該穀稈引起体５が操作盤２の前面に近
接しているにも拘らず、上記整備点検作業を容易に行う
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
操作盤及び収納部の平断面図、第２図はカバーを閉じた
状態の斜視図、第３図は前面カバーを開いた状態の斜視
図、第４図は側面カバーまで開いた状態の斜視図であ
る。 １……機台、２……操作盤、５……穀稈引起体、６……
側部収納部、７……前部収納部、11……カバー、12……
前面カバー、13……後面カバー、15……蝶番、18,20…
…取付ボルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】走行装置を有する機台１の一側に脱穀装置
   を搭載し、他側の前部から順に操作盤２、運転席、穀粒
   収納容器等を配設し、前記操作盤２から脱穀装置の前部
   に亙る部位の前方に、複数の穀稈引起体５を有する刈取
   装置及び穀稈搬送装置からなる前処理装置を昇降可能に
   装着したコンバインにおいて、操作盤２の外側を運転ス
   テップ３の外側縁より収納部６，７に相当するだけ内側
   に位置させ、前記操作盤２の外側下部から前面の穀稈引
   起体５と対向する部位の外側に亘る部位を収納部６，７
   に構成し、この収納部６，７の前面及び側面を開閉可能
   なカバー11で覆ったことを特徴とするコンバインにおけ
   る収納装置。