JPH06136467A - 金属ガリウムの精製方法 - Google Patents

金属ガリウムの精製方法

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JPH06136467A
JPH06136467A JP4290037A JP29003792A JPH06136467A JP H06136467 A JPH06136467 A JP H06136467A JP 4290037 A JP4290037 A JP 4290037A JP 29003792 A JP29003792 A JP 29003792A JP H06136467 A JPH06136467 A JP H06136467A
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JP
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gallium
container
cooling medium
molten
purified
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JP4290037A
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Hideo Maeda
秀雄 前田
Hidekimi Kadokura
秀公 門倉
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B58/00Obtaining gallium or indium

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  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】原料溶融ガリウムを容器中に保持し、該容器を
制御された温度条件下に保温管理し、該容器中心部に冷
却媒体流通管を配設し、純化されたガリウムを該冷却媒
体流通管上に析出せしめることを特徴とする金属ガリウ
ムの精製方法。 【効果】装置及び操作が簡便で、且つ純度の高いガリウ
ムを効率よく低コストで分離収得し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は不純ガリウムの溶融体を
分別結晶化の原理を用いて凝固せしめ、原料ガリウムよ
り純度の高いガリウムを分別取得するガリウムの精製方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガリウムは電子材料としての半導体素子
や発光素子原料として優れた特性を有しており、近年そ
の需要は増大している。ガリウムは一般的にはアルミニ
ウム等の生産の副生成物として得られるものを電気分解
して製造される。しかし、その純度は99.999%
(ファイブナイン)程度であり、半導体素子用原料とし
てのメタル純度は99.9999%(シックスナイン)
以上要求されるので、更に精製して純度を高める必要が
ある。
【0003】このようなガリウムの精製方法としては精
製電解法、分別結晶法、ゾーンメルト法或いは単結晶引
上げ法等が知られている。精製電解法は粗ガリウムを陽
極とし、水溶液中にガリウムとガリウムより卑の金属を
溶解せしめ、陰極にはガリウムとガリウムより貴の金属
のみが電析する性質を利用した方法である。しかし、電
極からの汚染或いは高純度のガリウム水溶液が得られ難
い等の理由のため、純度は99.999%台に留まると
言われている。
【0004】偏析現象を利用した分別結晶法、ゾーンメ
ルト法及び単結晶引上げ法は、ガリウムメタルの不純物
元素平衡分配係数が2、3の例外を除けば極めて小さい
という事実から原理的には優れた方法である。
【0005】ゾーンメルト法は帯状の溶融部分をゆっく
り繰り返し移動し、偏析現象を利用して不純物を溶融体
へ取り除いていく方法であるが、ガリウムは過冷却現象
があるため、操作が困難であると言われている。
【0006】また単結晶引上げ法は溶融ガリウム中に冷
却した種子結晶の先端を接触させ、該部分に成長するガ
リウムの単結晶をゆっくり引上げ、偏析現象を利用して
精製する方法であるが、生産性及び収率は極めて悪い。
【0007】分別結晶法は溶融ガリウム中でゆっくり凝
固せしめることにより、偏析現象を利用して精製する方
法である。固体ガリウムは液体ガリウムより軽いため、
液体ガリウム表面を静かに融点以下にして液体表面上に
小塊となって浮いてくるようにし、これを選別取得する
方法が一般的に行われている。しかし、小塊状固体表面
に汚染した溶融ガリウムが付着するため、高純度のガリ
ウムを得ることは困難である。
【0008】また特開昭62−270494号公報のよ
うに、溶融ガリウム中に種子結晶を存在せしめ、溶融ガ
リウム表面を溶融点以下に気体で冷却することにより、
種子結晶を核として一方向凝固的に凝固せしめる方法も
提案されているが、凝固速度に遅速が生じたような場合
においては、溶融ガリウム中に濃縮された不純物が固体
ガリウム中に取り込まれる、又は凝固が不均一に進行す
る時固体ガリウムと容器間の不純物が濃縮した溶融ガリ
ウムを取り込んでしまい、純度が低下し、品質が不安定
になるので、その精製にあたっては入念な操業管理が要
求される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かかる条件下において
本発明者等は、装置及び操作が簡便で、且つ純度の高い
ガリウムを効率よく、低コストで分離取得し得るガリウ
ムの精製方法を見出すべく鋭意検討を行った結果、簡便
な分別結晶化装置を組み、これを用いることにより、本
発明方法を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、原料
溶融ガリウムを容器中に保持し、該容器を制御された温
度条件下に保温管理し、該容器中心部に冷却媒体流通管
を配設し、純化されたガリウムを該冷却媒体流通管上に
析出せしめることを特徴とする金属ガリウムの精製方法
を提供するものである。更には該容器外側の側壁部分に
回転磁界発生コイルを配設し、該容器中の溶融ガリウム
を回転せしめながら、該容器中心上部に配設した冷却媒
体流通管上に純化されたガリウムを析出せしめることを
特徴とする金属ガリウムの精製方法を提供するものであ
る。
【0011】以下、本発明方法を図面を用いて詳細に説
明する。図1は本発明方法の実施に用いる装置の一例を
示すものであり、図に於いて1は溶融ガリウムの保持容
器、2は冷却媒体流通管、3は容器1中のガリウムを溶
融保持するための加熱源であり、4は回転磁界発生コイ
ル、5は冷却媒体循環ポンプ、6は冷却媒体用容器、7
は精製ガリウム、8は溶融ガリウム及び9は冷却媒体を
示す。
【0012】本発明方法の実施に際し、精製に供する原
料ガリウムは容器1中にて溶融保持される。容器1の材
質は溶融ガリウムに対し汚染のないものであればよく、
特に制限されるものではないが、例えばテフロン製容器
が使用し得る。固体ガリウムの融点は通常約30℃近辺
であるので、原料ガリウムは別途溶解し、容器1中に添
加、保持してもよいし、固体状ガリウムを容器1内に投
入した後、容器1内で加熱し、溶解保持してもよい。
【0013】容器1の加熱或いは保温方法は、簡便には
容器1をホットプレートのような加熱源3上に置き加熱
する方法が採用されるが、該容器1自体を恒温室に格納
し、容器1全体を保温管理する方法、或いはオイルバス
等に容器を入れ保温管理する方法等、容器1中の溶融ガ
リウムを溶融保持し得るものであればよい。
【0014】本発明方法に於いては該容器1中心上部に
冷却媒体流通管2を配設し、冷却媒体循環ポンプ5によ
り冷却媒体9を該冷却媒体流通管2内を循環することに
より、冷却媒体流通管2の表面に純化されたガリウム
(精製ガリウムと称する場合もある)を析出、被着せし
める。冷却媒体としては冷媒としての機能を有するもの
であれば特に制限されるものではなく、水、アルコール
やエチレングリコール等の氷点降下剤を添加した水、或
いはシリコンオイル等の非水溶媒等の使用が挙げられる
が、通常、水が使用される。所望とする精製ガリウムの
速い析出速度を望む場合には冷却媒体の温度を低く、又
流通速度を速くすればよいが、より純度の高い精製ガリ
ウムを得ることを目的とする場合には冷却媒体流通管2
の表面の精製ガリウムの結晶成長速度が約5mm/hr
〜約30mm/hr、好ましくは約10〜約20mm/
hrの範囲で実施すればよい。
【0015】冷却媒体流通管2の材質は溶融ガリウムに
対し汚染のないものであればよく、特に制限されるもの
ではないが、例えばテフロン製容器が使用し得る。勿
論、金属容器の表面をテフロン樹脂で被覆したものを用
いてもよい。該冷却媒体流通管2の表面に純化されたガ
リウムは徐々に凝固、析出するが、精製効率をよくする
ためには、該冷却媒体流通管2の表面に凝固、析出した
精製ガリウム7が容器1と接触する前に精製操作を終了
しなければならない。該容器1中の溶融ガリウム8を攪
拌しないで凝固せしめた場合、良く制御された温度条件
下であっても、ある方向にだけ凝固が進行し容器1に接
触してしまうので、通常は凝固率30〜40%で精製操
作を終了させることが好ましい。
【0016】冷却媒体流通管2の表面に於ける凝固速度
の均質化を目的として、溶融ガリウムを攪拌することが
好ましい。攪拌は溶融ガリウムの温度勾配がなくなる程
度でよく、通常約0.2cm/秒以上でよいが、あまり
強度の攪拌は容器1の溶融ガリウム上表面に存在する酸
化皮膜の巻込みによる汚染を生起する場合がある。溶融
ガリウムの攪拌方法としては、酸化皮膜の巻込みがな
く、溶融ガリウムの温度勾配が少なくなる方法であれば
特に制限されないが、該条件を満たす方法として図に示
す回転磁界発生コイル4による攪拌が有効である。回転
磁界発生コイル4による攪拌はコイル巻数、電流及び周
波数を変えることにより、簡単に且つ精度よく制御でき
る。凝固、析出時にかかる回転磁界発生コイルによる攪
拌を併用することにより、溶融ガリウム中の温度の均質
化を図ることができるので、凝固率60〜70%程度の
収率を得ることが可能である。
【0017】このようにして精製処理終了後の精製ガリ
ウム7が凝固、析出した冷却媒体流通管2は、容器1よ
り取出し、別途準備した容器中で雰囲気を加熱、或いは
精製ガリウム7を直接加熱することにより精製ガリウム
を取得することができるが、冷却媒体流通管2内に加熱
媒体を循環することにより、精製ガリウム7のみを冷却
媒体流通管2より容易に除去し精製ガリウムを取得し得
る。
【0018】
【発明の効果】以上詳述した本発明方法の分別結晶法に
よれば、従来の如く精製ガリウムと容器間の不純物濃度
の増加した溶融ガリウムを取り込むことなく簡単な装置
で効率よく低コストで粗ガリウムを精製できるので、そ
の工業的価値は頗る大である。
【0019】
【実施例】以下、本発明方法を実施例により更に詳細に
説明するが、実施例は本発明方法の一実施態様を示すも
のであり、これにより本発明が制約されるものではな
い。
【0020】実施例1 内径100mmのテフロン容器1中に、Sn53pp
m,Pb57ppm含有した4kgの溶融ガリウム8を
入れ、該容器1を40〜45℃に加温されたホットプレ
ート3上に置き、容器1中心上部に配置した外径22m
mでテフロン製の冷却媒体流通管2上に精製ガリウム7
を分別析出せしめた。冷却媒体9としては2℃の冷水を
用い、循環ポンプ5により270cc/分の割合で循環
せしめた。6時間析出せしめ、その後容器1中より分別
結晶塊(精製ガリウム7)を取り出しその重量を測定し
た所、分別結晶塊の重量は1.2kgであった(尚、分
別析出時、溶融ガリウムの攪拌は行わなかった)。次い
でこの分別結晶塊を一旦溶融し、SSMS(スパークイ
オン源質量分析)用サンプルを作成し、SSMSで分析
したところSnは0.7ppm、Pbは1.1ppmで
あった。
【0021】実施例2 テフロン容器1側壁部分に回転磁界発生コイル4を配設
し、実施例1と同一の濃度、重量の原料ガリウムを用
い、同一方法で分別析出を行った。回転磁界発生コイル
4は15Hzで1.5Aの電流を流し回転磁界を発生さ
せ、溶融ガリウムを静かに回転せしめた。この時の側壁
部の磁界強さは20ガウスであった。15時間析出せし
め、その後容器1中より分別結晶塊を取り出しその重量
を測定した所、分別結晶の塊の重量は2.5kgであっ
た。次いでこの分別結晶塊を実施例1と同様の方法で分
析したところ、Sn0.9ppm、Pb1.7ppmで
あった。
【0022】比較例1 実施例と同一の濃度、重量の原料ガリウム、容器を用
い、溶融ガリウム上に種結晶を入れ、雰囲気温度を28
〜30℃に制御し、自然放置的に凝固析出せしめた。4
8時間析出せしめ、その後容器中より分別結晶塊を取り
出しその重量を測定した所、分別結晶塊の重量は2.8
kgであった。次いでこの分別結晶塊を実施例1と同様
の方法で分析したところ、Sn4.5ppm、Pb6.
6ppmであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する金属ガリウムの精製装置
の一実施態様を示す概略図である。
【符号の説明】
図中、1は容器、2は冷却媒体流通管、3は加熱源、4
は回転磁界発生コイル、5は冷却媒体循環ポンプ、6は
冷却媒体容器、7は精製ガリウム、8は溶融ガリウム、
9は冷却媒体を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料溶融ガリウムを容器中に保持し、該
    容器を制御された温度条件下に保温管理し、該容器中心
    部に冷却媒体流通管を配設し、純化されたガリウムを該
    冷却媒体流通管上に析出せしめることを特徴とする金属
    ガリウムの精製方法。
  2. 【請求項2】 該容器外側の側壁部分に回転磁界発生コ
    イルを配設し、該容器中の溶融ガリウムを回転せしめる
    ことを特徴とする請求項1記載の精製方法。
JP4290037A 1992-10-28 1992-10-28 金属ガリウムの精製方法 Pending JPH06136467A (ja)

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