JPS63242996A - 金属ガリウムの再結晶精製方法およびその装置 - Google Patents

金属ガリウムの再結晶精製方法およびその装置

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JPS63242996A
JPS63242996A JP7608087A JP7608087A JPS63242996A JP S63242996 A JPS63242996 A JP S63242996A JP 7608087 A JP7608087 A JP 7608087A JP 7608087 A JP7608087 A JP 7608087A JP S63242996 A JPS63242996 A JP S63242996A
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Japan
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gallium
molten
temperature
purification
crystal
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JP7608087A
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English (en)
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Koichi Muramatsu
村松 剛一
Kazumasa Arai
新井 一正
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Mitsubishi Kasei Corp
Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
Nippon Light Metal Co Ltd
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Publication date
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「発明の目的」 本発明は金属ガリウムの再結晶精製方法およびその装置
に係り、比較的大量の金属ガリウムを簡易且つ経済的に
、しかも効率的設備により再結晶精製し高純度の金属ガ
リウムを適切に得ることのできる方法およびその装置を
提供しようとするものである。
産業上の利用分野 半導体素子原料などとして用いられるガリウムの再結晶
精製技術。
従来の技術 ガリウムは電子材料としての半導体素子原料として優れ
た特性を有しており、近年その需要が急速に増大し、そ
の製造ないし精製法についてはそれなりの検討がなされ
ている。即ちこのガリウムは天然且つ一様に存在しては
いるものの散在していてガリウムを採算可能な割合で含
有した鉱石は存在しないから、亜鉛、ゲルマニウム、特
にアルミニウムなどの生産における副生成物として得ら
れたものを電気分解して製造される。然し上記したよう
な何れの工程からの副生成物を用いたものもその純度は
せいぜい99.999%(ファイブナイン)程度であり
、半導体素子用原料としてのガリウムメタル純度は少く
とも99.9999%(シックスナイン)以上であるか
ら更に精製して純度を高めることが必要である。
斯かるガリウムメタルの精製法としては、例えば「新合
成J 1967年6月号154頁等において、精製電解
法、分別結晶法、帯溶融精製法あるいは単結晶引き上げ
法などが発表されている。即ち精製電解法は粗ガリウム
を陽極として精製したガリウム水溶液にガリウムとガリ
ウムより卑な金属を陽極溶解し、陰極にガリウムとガリ
ウムより責な金属のみが電析する性質を利用した方法で
ある。又分別結晶法は固体ガリウムメタルの方が液体ガ
リウムメタルより軽いため、その液体ガリウムメタルの
表面を静かに融点以下とすると液体表面に固体のガリウ
ムメタルが小塊となって浮いてくるので、これを選別し
そ取出し精製する方法である。
帯溶融精製法は所謂ゾーンソルト法であって、例えば水
平に保持したガリウムメタルを交互に加熱冷却を繰返し
、偏析現象を利用して不純物を溶融体へ取除いていく方
法であり、単結晶引き上げ法は、J、 G、 Harp
er (米国特許第3088853号)あるいはP、 
de、 la、Breteque (Mem、 Sci
、 Rev。
Met、 67(1)57 69 (1970) )に
よって提案されたもので、溶融したガリウムメタルに冷
却した種子結晶の先端を接触させ、該部分に成長するガ
リウムの単結晶をゆっくりと引き上げ、偏析現象を利用
して精製する方法である。
なお本発明者等はこれら従来法によるものの純度を高め
、あるいは操業的不利を解消することについて検討を重
ね、特願昭61−110594号の方法を提案した。即
ち溶融ガリウムの表面を気体によって冷却し、種子結晶
による結晶成長速度を制御して溶融ガリウムの大部分を
凝固せしめ、不純分の高められた残余の溶融ガリウムを
除去する方法である。
(発明が解決しようとする問題点) 前述したような従来から知られた精製法においては問題
点が多い。即ち精製電解法によるものは精製されたガリ
ウムの純度が電極からの汚染、あるいは高純度なガリウ
ム水溶液が得られ難いなどの理由のために、やはり99
.999%台に止まる。
分別結晶法においても固体の表面に汚染した液体のガリ
ウムが付着するため高純度ガリウムを得ることが困難で
ある。
帯溶融精製法は原理的には優れた方法と言えるが、ガリ
ウムメタルの場合には過冷却現象があるため操作が困難
で、またP app等が提案している方法(E、 Pa
pp:、 Acta、 Chim、 Hung、 Jo
muas、 24451  (1960))によるとガ
リウムメタルが凝固時に膨張するため容器からのメタル
取出しが難しい、単結晶引き上げ法は高純度ガリウム精
製法として有用であるが、この方法で99.9999%
以上のガリウムメタルを得るには単結晶引き上げを繰返
して実施する必要があり、このため高価な単結晶引き上
げ装置を多数用意して操業する必要があり、経済的に劣
ることとならざるを得ない。
斯うした従来公知のものの問題点を解消すべく提案され
た本発明者等の先願技術は高純度のガリウムを簡易且つ
経済的に得しめるものとして有効であるが、100g以
下のような少量の精製においては好ましいとしても、1
眩以上の如き大量の金属ガリウム精製時においては吹き
つけられる気体の熱容量が小さいことから好ましい工業
的操業をなす上に難点が残る。即ち上記のような大量の
場合において生産可能な具体的再結晶速度として1cm
/■rを得るためには吹付ける気体温度をガリウム融点
から10℃以上低下し、あるいは気体流速を相当に高め
て熱効率を向上することが不可欠となる。しかもこのよ
うにするとガリウム溶融メタルが比較的広範囲に過冷却
となり、結晶表面において平滑な成長が得られず、表面
に生じた凹凸によって凝固伸展時の結晶成長に際し不純
分の捲き込まれる傾向が避けられず、その精製効率が低
下することとならざるを得ない。吹付は気体の温度また
は流速を変えないで底部水槽における水温を低下させて
も適切な精製効果を得ることができない。
更にこれら従来のものにおいては成程凝固ないし結晶成
長が得られるとしてもその状態は必ずしも整然としたも
のにならず不安定であり、設備的にも大型となると共に
的確な制御をなし得ず、合理的な精製処理をなし得ない
前述した精製法において、帯溶融精製法は複数の冷却帯
と加熱帯を有し、かつ一定速度でガリウムメタルを入れ
た容器を移動させなければならず、温度および速度の制
御のため複雑な装置を必要とする。また単結晶引上げ法
も溶湯および冷却部の温度管理、引上げ機構、るつぼの
回転など装置が複雑で高価となる。更に精製電解法は電
解槽そのものは複雑でないとしても高価な整流器を必要
とするなどの欠点がある。
「発明の構成」 (問題点を解決するための手段) 溶融したガリウムの表面に種子結晶を存在せしめ該種子
結晶近傍を液状冷却媒体で冷却し、この液状冷却媒体の
温度を制御することによって前記種子結晶を核として生
長するガリウム結晶の生長速度を1時間当り0.5〜3
cmの範囲内に維持し、上記溶融ガリウムの大部分を凝
固せしめ、残った溶融ガリウムを分別することを特徴と
する金属ガリウムの再結晶精製方法と、 内部が縦軸方向に配設された隔壁によって仕切られた槽
であって、この槽内における一方の室を溶融ガリウム収
容室とし、該溶融ガリウム収容室と前記隔壁を介して隣
接する他方の室を液状冷却媒体収容室となし、前記隔壁
近接部から上記した一方の室内に収容された溶融ガリウ
ムの大部分を順次に冷却凝固させるようにしたことを特
徴とする金属ガリウムの再結晶精製装置である。
作用 溶融ガリウム表面に種子結晶を存在せしめ液状冷却媒体
で冷却することにより該種子結晶を核として結晶成長さ
せ凝固固体化する。上記のように溶融ガリウムが種子結
晶の近傍から凝固固体化することにより前記溶融ガリウ
ム中の不純分が溶融ガリウム側に残留し、大部分の溶融
ガリウムが固体化した時点で残留した溶融ガリウムを分
離することにより純度の高められた固体ガリウムが得ら
れる。
隔膜の如きを介し液体状冷却媒体を作用させることによ
りガリウムの冷却固体化時の制御がしやすくなり、しか
も溶融ガリウムの広範囲冷却や表面における凹凸化を回
避する。即ち結晶成長面の制御が容易となり、不純分捲
き込みの主因を回避するので固体化ガリウムの純度を有
効に向上し、この操作を適宜に繰返すことにより純度が
大幅に向上する。本発明者等による先願発明に比較して
繰返し回数は少くても高純度のものを効率よく生産でき
る。
隔壁によって溶融ガリウム収容室と液状冷却媒体収容室
とが的確に区分、仕切られ、又この隔壁を介して液状冷
却媒体による冷却機能が溶融ガリウムに伝導されるので
該溶融ガリウムの冷却固化はガリウム収容室の隔壁側か
らその他側に向けて整然と進行される。
液状冷却媒体は恒温機構の如きから所定温度とされたも
のを順次に循環することができ、又該液状冷却媒体の温
度条件、循環量を夫々の条件に合致させて制御すること
により合理的且つ適正な冷却固化速度ないし条件を形成
することができる。
これらの結果として効率的で、しかも不純分の捲込み混
入を適切に抑制した冷却固化を実現する。
ガリウム結晶の生長速度が1時間当り0.5 am未満
では精製されたガリウムの純度は高いものの精製処理に
長時間を必要として工業的に不利である。
一方このガリウム結晶成長速度が1時間当り3.01を
超えると溶融ガリウム側に残った不純分が該溶融ガリウ
ム中に有効に拡散されないで界面部分に残り、この不純
分が結晶ガリウム中に混入する傾向が認められることと
なって精製ガリウムメタルの純度が低下する。
実施例 上記したような本発明について更に説明すると、本発明
者等は先願技術よりも更に工業的であって、しかも高純
度且つ安定した精製結果を得ることについて検討を重ね
た結果、ガリウムメタルの融点が略室温であるため液体
状冷却媒体を用い、しかもこの液状冷却媒体を夫々の過
程で温度制御することによりガリウムメタルを一方向か
ら静穏な条件下で的確に温度制御して凝固化を行わせる
ことにより、容易且つ低コストにし、しかも量産的且つ
的確に精製することが可能であることを確認した。
即ちこのような本発明についてより具体的に説明すると
、本発明においては、先ず約30℃に保持した純度が約
99.999%のガリウムメタル溶融物に対し、その一
方の端部に5℃以下の冷純水を注ぎ、該部分に種子結晶
(核結晶)を生成させ、或いは別に準備した種子結晶を
添加するが、この場合において第1.2図に示すように
溶融ガリウム6を収容するボート1の一側に冷却室2を
形成し、該冷却室2と溶融ガリウムを収容するボート1
との間に隔膜3を設け、該隔膜3の中間部にコーナ部3
aを形成する。冷却室2には導入口4と排出口5を側壁
に対設し、水その他の液状冷却媒体を循環させるように
成っており、即ち温度を適宜に変化できるようにされた
恒温槽などと連結されたもので水などの媒体は恒温槽か
ら導入され且つ恒温槽に戻るように成っていて温度をそ
れぞれの条件に即して変化された媒体が供給循環される
前記ボート1はポリプロピレンやポリエチレンあるいは
フッ素樹脂などの合成樹脂で形成することが好ましく、
これらの樹脂は不純物混入が少く、隔壁機能なども適切
で、しかも耐久性を有するので盲動である。然し本発明
における隔壁材としてはこのような合成樹脂材のみに限
定されるものでないことは明かで、熱伝導性に変化を与
える配合物を用い、或いはその厚みを変化させ、その他
の手法を採用することにより上記以外の任意の隔壁材を
用い得る。なお冷却室2とボー)1部分との隔膜は熱伝
導上は薄い方が良いが形成上や耐用性からはある程度の
厚み(設備の規模によって異なるが、大型の場合にはS
fi位)が必要である。
ボート1の隔膜コーナ部3aは角錐状または半円錐状と
し、かつ隔膜とボート本体とは鈍角をなすのが望ましい
。錐状部の頂角はボート1の幅や深さによって異るが、
−a的に30°から150゜の範囲内とすることが好ま
しい。
51より1a1位の種子結晶を1つだけ選択し、コーナ
部3aにもって来たとき、コーナ部3aが錐状になって
いると、その小さい種子結晶が正常に凝固成長して大き
な断面をもった結晶に無理なく成長することができるの
で好ましい。また隔膜とボート本体が垂直状に接合して
いると、結晶成長の際不純物濃度の高い溶融ガリウムが
その角部に取り残され、ひいては精製効率に悪影響を与
える。更に隔膜とボート本体とは一体形成または溶接な
どにより液洩れがな(、不純物がたまり易い溝などのな
いようにすることが好ましく、同一材質を用いるのがよ
い、隔膜の要件としてはガリウムメタルを汚染すること
なく、また実用上十分な強度、耐久性のあることが挙げ
られる。
ボート1内に溶融ガリウムメタル6を注入し、種結晶を
コーナ部3aに位置せしめて精製を行う。
種結晶は別に得られた純度の高いガリウム小結晶を添加
し、或いは冷水を添加して結晶核を析出させ、或いは別
に準備した高純度ガリウム結晶に触れた杆状体を過冷却
状態とした融液に接触させるような方法で結晶核を析出
させたものとして準備し、これらの結晶を溶融ガリウム
メタル中で成長させることにより実施できる。
ボート1内におけるガリウム融液6の表面には希塩酸液
など保護被覆8を用いて覆い、又少(ともボート部には
蓋9を被せて不純物の混入を防止して実施する。この蓋
9は透明性樹脂、例えばメタアクリル樹脂等を用いるこ
とにより内部における凝固結晶成長状態を適切に観察し
ながら実施できる。なおボート1の底部については外界
温度条件の如何により断熱材を敷き、放熱または入熱を
防止する。
冷却室2における水などの液状媒体の温度は連続的に低
下させることにより結晶成長速度を一定とし精製効果も
高められる。冷却媒体の温度を階段式に低下させること
も考えられるが、階段式に′それなりの温度幅を採って
低下させると結晶成長速度に遅速の変化が与えられ、精
製効果に悪影響を与える傾向がある。
上記のようにして実施する本発明の場合にはボート1周
辺の雰囲気温度を好ましくはガリウムの融点と略同じ(
30℃前後)に維持するか、または底部より加温したり
してガリウム融液の温度を融点(30℃)より2℃以内
に保つことにより安定した結晶生長と好ましい精製効果
を得しめる。
本発明者等による前記先願発明のように溶融ガリウムの
表面を気体で冷却するときは、メタル量が少いときは平
滑な結晶表面をもった金属ガリウムを得ることが可能で
あるが、メタル量が多くなった場合において同様に凝固
速度を維持しようとすると気体の温度をもメタル量の少
い場合より相当に低下させることが必要であり、斯うし
て気体温度を下げると溶融ガリウムの温度も低下する。
然して普通は融点以下になると結晶核が多発し急速に凝
固が進むが、上記のように気体温度が低下しても金属ガ
リウムは過冷却現象が著しいので融液の温度が融点より
1〜2℃低下しても結晶核が発生し難く、融液の温度が
低下し易い。融液温度が低下すると結晶面においては局
部的に成長が速くなり、そこで凝固潜熱が発生し、しか
しも融液は静置状態にあるため熱量の拡散が少いので結
晶表面近傍の融液温度が高くなり、成長が止まる。この
ような結晶面での結晶成長の急速と停止とが繰返される
ことにより結晶生長表面が起伏に富んだ状態となり、そ
の急速な結晶成長時に結晶表面近傍の不純物を多く含ん
だ融液を捲込んで結晶化させるため精製効果が大幅に低
下する。このような関係は上記のように気体による冷却
の場合の結晶表面観察や、結晶表面近傍とそれより数1
離れた部分における融液との温度差が約1℃にも達して
いる場合の存することによって推察できる。液状媒体で
冷却する本発明の場合には結晶表面近傍とそれより数口
離れた位置での温度差は約0,2℃程度のように小さい
ものとなり、この状態で結晶を成長させるならば急激な
結晶成長や局部的結晶生長が発生し難いものとなり、平
滑な結晶表面をもった金属ガリウムとして得ることがで
きる。
ガリウム融液における凝固点は、本発明者等の実地検討
結果からして不純物の種類や量の如何によりそれなりに
低下するものと言える。然してこの関係について具体的
に発表された文献も存在しないが、不純物濃度が数百p
pmレベル以下であるこの種精製処理では凝固点降下は
最大でも0.1℃以下であって実質的る無視することが
できる。ガリウムは高純度になればなる程、過冷却現象
が顕著となることが確認され、結晶成長時における融液
の温度については一般的に29〜31℃であり、融液温
度が29℃未満となると、1 kg以上を精製するよう
な条件下においては結晶成長面が平滑にならないで凹凸
起伏に冨んだ形状となり易い。また融液温度が31℃以
上では結晶面制御が困難となる。固化した金属ガリウム
の先端部に水などによる冷却効果を与え、融液側を保温
する本発明の場合においては融点の温度は最大でも1℃
程度までしか低下せず、適切に上記したような範囲内に
維持することが可能であり、凝固界面において好ましい
温度条件を形成することができる。
本発明によるものは大量のガリウム融液を精製し得るこ
とは前記の通りで、1回の処理で10kg以上でも適切
に精製することができ、しかも精製効率を充分に向上し
得る。ガリウムの再結晶精製においては一般に含まれる
銅基外の不純物濃度は数ppraであっても1〜2回の
精製で検出限界以下まで充分に低減し得る。しかし銅に
ついては精製効果が他の不純物元素より劣っていて3回
以上の多数回に亘って精製処理することが必要であり、
従って銅についての精製効果は全体の精製効果の指標と
することができる。凝固率が約70%のときにおける精
製部の平均銅濃度を精製前における平均銅濃度と比較す
ると、気体冷却法による本発明者等の先願発明において
は一般的に2分の1前後の濃度となっているのに対し本
発明による場合では少くとも4分の1以下になり、場合
によっては8分の1に達している。また銅基外の鉛や錫
などに関しても精製効果は大幅に向上しており、本発明
のものは少くとも2回の精製処理で10分のルベルまで
不純物濃度を低減し得る。また一般に結晶成長時に融液
温度が下ると核が発生し正常な精製効果が得られないが
、本発明では融液を保温し得るのでこのような核発生が
ない。更に温度や流量が適切に制御される水などを冷却
媒体として採用し得る本発明では結晶成長の間は略無大
運転が可能であって、例えばボート1のガリウムメタル
の占める部分の長さを20C11とし、結晶生長速度を
l cm / h、凝固率目標を80%としても、1回
の再結晶精製に16時間を必要とすることが明かで無人
運転を可能とする本発明のものは労力および操業コスト
的に大幅な節約が可能となることは明かである。他の再
結晶精製法たるゾーンメルト法や単結晶引上げ法などに
比較してもその有効性は明確である。
結晶生長速度を所定の設定値とするための冷却媒体2の
温度はボート1の形状、その材質、処理されるガリウム
メタル融液量などによって異るが、夫々設計操業条件に
応じて適宜に設定すればよい。
冷却媒体は通常水が用いられるが、隔膜を厚くしたり、
熱伝導率の小さい材質の隔膜を使用し、あるいはガリウ
ムメタル融液が多量になると冷却媒体の温度を0℃以下
にしなければならないときがある。この際水を用いると
凍結する恐れがあり、シリコンオイルなどの非水溶媒や
アルコール若しくは塩化ナトリウムなどを添加した水が
用いられる。
上記したような本発明によるものの具体的な精製例につ
いて説明すると以下の如くである。
精製例1 第1.2図に示すようなポリエチレン製ボート1として
長さ20ca+のちのに対し30℃の溶融ガリウム1 
kgを注入し約0.1規定の稀塩酸でその表面を覆い、
冷却室2に30℃の温水を恒温槽から約21/+win
で供給循還させ、前記溶融ガリウムにおける冷却室2に
突出したコーナ一部3aに冷水を注いで結晶核を析出せ
しめ、単結晶に近い結晶核1つを残し他は湯を注いで溶
した後、ガリウム結晶メタルを成長させた。即ち前記の
ような溶融ガリウムおよび冷却温水の温度条件でスター
トし、結晶の成長速度が1℃/hrに維持されるように
温水の温度を徐々に低下させ、又ボート周辺の空気温度
を約30℃とし、ボート1の底部を断熱して放熱を防止
し処理すると、ガリウムの結晶メタル7は第2図のよう
に略垂直状の凝固界面を形成してボート1の他側方向に
成長、進行する。この成長速度は後述第1表における1
、2回目は1、5 cm/hr、 3.4回目はQ、7
 C11l / hrであった。
前記のように凝固したガリウムメタルがボート1内にお
いて70%程度に達した時点においてはスタート時にお
いて30℃であった冷却水の温度が上述のように徐々に
低下されて約10℃となっており、この時点において残
存した溶融ガリウム6をスポイトにより順次に吸い出し
て分取し、ボート1内に残った凝固結晶化メタル7に温
水を注ぎ、凝固したガリウムメタルを溶融させて取出し
、発光分光分析法で不純物の定量分析を行い、又上述と
同様な再結晶精製を4回に亘って繰返し実施し、夫々の
分析測定結果は次の第1表の如くであった。
精製例2 精製例1とは組成を異にし不純物量の高い原料メタル1
0kgを精製例1の場合より大型とされたボートに入れ
、その凝固目標を全メタルの約80%とし、結晶成長速
度を1回目が2.5cm/hr、2回目を1.0cm/
hrとした以外は上述した精製例1と全く同じに処理し
、再結晶精製を2回繰返し士実施し、同様に測定した結
果は次の第2表に示す通りである。
上記したような本発明によるものに対し、比較例として
本発明者等による前記先願の方法に従い、29℃の温水
を循環させた密閉型ポリエチレン製恒温槽の上に冷却室
2を有しないボートを載置し、精製例1におけると同じ
原料メタルをl kg収容させ、同様に種結晶を生成さ
せてから室温25℃で結晶生長を行わせた。即ちボート
の蓋を後方にずらせ、上面および側面から雰囲気温度で
冷却したが、上部結晶面では0.5〜1cm/hrで成
長したのに対し融液内申央部では張り出しがあり、上部
結晶面下部および中央張出部下部では結晶生長が遅く、
起伏の著しい結晶成長面(界面)のものとなった。約7
0%の凝固後に取出して実施例1におけると同様に凝固
した結晶メタルを分析して検討を行った結果を要約して
示すと次の第3表の如くである。
即ち前記した精製例1についての第1表中1回目の結果
と比較すると、本発明ではAg、Al、N 1 % P
 bが共にNDとなっており、測定されたCu、Inに
おいてもこの比較例の場合の3分の1程度となっている
ものであり、しかも結晶成長速度は2cm/hr以上と
相当に早いものであって本発明により隔膜に優れた精製
結果の得られることが確認された。
なお前記した第1〜3表の測定結果において、検出限界
rNDJは各成分について以下の如くである。
Ag  : 0.01ppo+ 、  Af : 0.
4pp+* 。
Cu  : 0.0 lppm 、  In  s 0
.lppm 、Ni: 0.lppm 、   Pb 
 : 0.7ppm 。
Hg  :  lppm  %Sn  : 0.04p
pm 。
「発明の効果」 以上説明したような本発明によるときは、この種金属ガ
リウムの再結晶精製を効率高く、しかも大量の原料メタ
ルに対し有効に適用して処理することができるものであ
り、又温度条件、凝固速度の如きを適切に制御し的確な
精製処理を実現し得るなどの効果を有しており、工業的
にその効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の技術的内容を示すものであって、第1図
は本発明方法を実施するボート部分の平面図、第2図は
その凝固途中の状態を示した断面図である。 然してこれらの図面において、1はボート、2は冷却室
、3は隔膜、3aはコーナ一部、4は導入口、5は排出
口、6は溶融ガリウム、7は結晶メタル、8は稀塩酸な
どの保護被覆、9は蓋を示すものである。 特許出願人  日本軽金属株式会社 特許出願人  三菱化成工業株式会社 発   明   者   村   松   剛   −
第 / 圓 第 2  I

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、溶融したガリウムの表面に種子結晶を存在せしめ該
    種子結晶近傍を液状冷却媒体で冷却し、この液状冷却媒
    体の温度を制御することによって前記種子結晶を核とし
    て生長するガリウム結晶の生長速度を1時間当り0.5
    〜3cmの範囲内に維持し、上記溶融ガリウムの大部分
    を凝固せしめ、残った溶融ガリウムを分別することを特
    徴とする金属ガリウムの再結晶精製方法。 2、内部が縦軸方向に配設された隔壁によって仕切られ
    た槽であって、この槽内における一方の室を溶融ガリウ
    ム収容室とし、該溶融ガリウム収容室と前記隔壁を介し
    て隣接する他方の室を液状冷却媒体収容室となし、前記
    隔壁近接部から上記した一方の室内に収容された溶融ガ
    リウムの大部分を順次に冷却凝固させるようにしたこと
    を特徴とする金属ガリウムの再結晶精製装置。 3、隔壁の中央部に液状冷却媒体収容室側へ突出したコ
    ーナ部を形成し、該コーナ部に種結晶を添加して冷却凝
    固を行わせるようにした特許請求の範囲第2項に記載の
    金属ガリウムの再結晶精製装置。
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JP2018089910A (ja) * 2016-12-06 2018-06-14 国立大学法人九州大学 空洞包含樹脂の製造方法及び型枠

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