JPH06135975A - グルタル酸誘導体の製造方法 - Google Patents

グルタル酸誘導体の製造方法

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JPH06135975A
JPH06135975A JP18921592A JP18921592A JPH06135975A JP H06135975 A JPH06135975 A JP H06135975A JP 18921592 A JP18921592 A JP 18921592A JP 18921592 A JP18921592 A JP 18921592A JP H06135975 A JPH06135975 A JP H06135975A
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glutaric acid
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methylenetriphenylphosphorane
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Toshiro Konoike
敏郎 鴻池
Yoshitaka Araki
美貴 荒木
Katsumasa Harada
勝正 原田
Akio Matsushita
明生 松下
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Ube Corp
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Shionogi and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(I)の化合物とハロゲン化ナトリウムと
を含むDMSO溶液を、式(II)のTHF溶液に滴下し
て反応させる式(III)の化合物の製造方法。 【化7】 【効果】 NaHとメチルトリフェニルホスホニウム・
ハロゲニドとの反応混合物であるDMSO溶液を、本発
明の反応工程に用いることによって、工業的な有利な条
件で高収率で式(III)の化合物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬中間体の合成に有
用な後記式(III)で示されるトリフェニルホスホランジ
イルおよびトリアルキルシリル基を有するグルタル酸誘
導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
グルタル酸誘導体を製造するにはリチウム化合物が用い
られ、例えばJ.O.C.56, 3744(1991)には次の反応
式に示す方法が記載されている。
【0003】
【化4】
【0004】しかしながら、この方法では−78℃とい
う極低温で反応させる方法であり、工業的ではない。
【0005】一方、J.O.C.28, 1128(1963)には、
次反応式に示すように、水素化ナトリウム(NaH)の
ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液に、メチルトリ
フェニルホスホニウム・ブロミド(IV)を反応させ、メ
チレントリフェニルホスホラン(I)を得る方法が記載
されている。
【0006】
【化5】
【0007】しかし、後記の式(II)で示されるような
グルタル酸エステル誘導体をP−イリド化する反応は知
られていない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、NaHとメ
チルトリフェニルホスホニウム・ハロゲニド(IV)との
DMSO中での反応混合物を、グルタル酸のエステル誘
導体(II)に反応させた場合は、先の反応工程でメチレ
ントリフェニルホスホラン(I)と共に生成したハロゲ
ン化ナトリウムが存在するので、次反応工程のメチレン
トリフェニルホスホラン(I)とグルタル酸のエステル
誘導体(II)とのイリド化反応により、−70℃以下と
いう極低温を必要とせず、高収率で光学活性なグルタル
酸エステル(III)が得られることを見い出した。
【0009】
【化6】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ低級アルキル基を表
し、R3 はトリアルキルシリル基を表す)
【0010】すなわち本発明は、式(I)のメチレント
リフェニルホスホランとハロゲン化ナトリウムを含むD
MSO溶液を、式(II)の3−トリアルキルシリルオキ
シグルタル酸モノアルキルエステルモノアルキル炭酸無
水物のTHF溶液に滴下して反応させて、式(III)の5
−オキソ−3−トリアルキルシリルオキシ−6−トリフ
ェニルホスホランジイルヘキサン酸アルキルエステルを
生成させることを特徴とするグルタル酸誘導体の製造方
法である。上記式中R1 及びR2 の低級アルキル基とし
ては、メチル、エチル、プロピル、ブチルのようなC
1-5 のアルキル基があげられ、R3 のトリアルキルシリ
ル基としては、例えばt−ブチルジメチルシリル、イソ
プロピルジメチルシリルがあげられる。また、ハロゲン
化ナトリウムとしてはNaBr又はNaClがあげられ
る。
【0011】本発明の方法の実施に際しては、まずNa
Hと式(IV)の化合物との反応を、DMSO中で行い、
式(I)の化合物とハロゲン化ナトリウムを含むDMS
O溶液を、この反応混合物として得ることが好ましい。
反応温度は0℃〜80℃、好ましくは25〜70℃で撹
拌下に反応させることができる。NaHと式(IV)の化
合物とのモル比は0.8〜1.2、好ましくは0.9〜
1.1の比率で反応させる。反応混合物として赤色溶液
が得られる。
【0012】原料化合物である式(II)のカルボニル化
合物は、対応する3−トリアルキルシリルオキシグルタ
ル酸のモノエステル[J.O.C.,53, 2734(1988);
J.O.C.,56, 3744(1991)]に、クロロ炭酸エステ
ル、例えばClCOOC25 を、反応に不活性な溶媒
中、即ち、メチルエーテル、エチルエーテル、メチルイ
ソプロピルエーテル、プロピルエーテル、テトラヒドロ
フラン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホル
ム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン
等の芳香族炭化水素系溶媒中で、トリエチルアミン又は
ピリジンのような有機塩基の存在下、−20〜10℃で
反応させることにより得ることができる。
【0013】本発明の反応工程においては、式(II)の
化合物のTHF溶液に、先の反応工程で得た式(I)の
化合物とハロゲン化ナトリウムを含む反応混合物のDM
SO溶液を滴下撹拌して、式(I)化合物の添加量が一
時的に過剰にならないようにして反応させる。反応混合
物は、それに含まれる式(I)の化合物が式(II)の化
合物1モルに対し1.8〜2.5モル使用することが好
ましい。反応温度は−30〜10℃、特に−10〜0℃
が好ましい。反応時間は0.15〜3時間、特に0.5
〜1時間が好ましい。
【0014】別の実施態様としては、別の方法で得た式
(I)の化合物にハロゲン化ナトリウムを添加して調製
したDMSO溶液を用いて、本発明の方法を実施するこ
ともできる。反応終了後は、反応生成物を水中にあけ
て、エーテル、イソプロピルエーテル、塩化メチレン、
クロロホルム、ベンゼン、トルエン等により抽出し、濃
縮した後、カラムクロマトグラフィーで式(III)の化合
物を分離精製することができる。
【0015】
【発明の効果】本発明の方法においては、式(I)の化
合物とハロゲン化ナトリウムを含むDMSO溶液を、次
の式(I)と式(II)の化合物の反応工程に用いること
によって、工業的に有利な条件で式(III)の化合物が高
収率で得られる。該化合物は3−ヒドロキシ−3−メチ
ルグルタリル(HMG)C0 −Aの阻害剤として作用す
るコレステロール低下剤の重要な合成中間体である。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例及び参考例を示すが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0017】実施例1 R−(−)−5−オキソ−3−(t−ブチル−ジメチル
シリルオキシ)−6−トリフェニルホスホランジイルヘ
キサン酸メチルエステルの製造 窒素雰囲気下、DMSO20mlに60%水素化ナトリウ
ム0.24g (6m mol )とメチルトリフェニルホスホ
ニウム・ブロミド2.2g (6.2m mol )を加え、5
0℃で3時間撹拌して反応させ、メチレントリフェニル
ホスホラン及びNaBrを含む反応混合物のDMSO溶
液を得た。
【0018】次に、R−(−)−3−(t−ブチル−ジ
メチルシリルオキシ)グルタル酸モノメチルエステルモ
ノエチル炭酸無水物1.05g (3m mol )を含むTH
F10ml溶液に、前記反応混合物を−10℃にて滴下し
た。反応終了後、水中に反応生成物をあけ、イソプロピ
ルエーテルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、こ
の溶液を濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(溶離
液:酢酸エチル)により精製した。標記の化合物1.0
g (収率62.0%)を得た。
【0019】融点:74〜75℃ [α]D 25.0=−5.6(C−1,27,CHCl31 H-NMR(CDCl3)δppm : 0.04(3H,S)、0.83(9H,S)、2.4
〜2.9(m,4H) 、3.64(3H,S)、3.68〜3.81(1H,d,J=26.4H
z)、 4.5〜4.7(1H,m) 、7.4 〜7.8(15H,m)
【0020】参考例 原料化合物:R−(−)−3−(t−ブチル−ジメチル
シリルオキシ)グルタル酸モノメチルエステルモノエチ
ル炭酸無水物の製造
【0021】R−(−)−3−(t−ブチル−ジメチル
シリルオキシ)−グルタル酸モノメチルエステル10g
(36.2m mol )をイソプロピルエーテル60mlに溶
解し、0℃に保ち、トリエチルアミン4.4g (43.
8m mol )に加えて、撹拌下に、この溶液にクロル炭酸
エチル5.9g (54.6m mol )を滴下した。撹拌を
さらに1時間続けて反応を終了した。この反応生成物を
水洗、炭酸ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。次いでイソプロピルエーテルを減圧下
に溜去し、標記化合物12.3g (収率97.5%)を
得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 勝正 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 松下 明生 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 で示されるメチレントリフェニルホスホランおよびハロ
    ゲン化ナトリウムを含むDMSO溶液を、式(II) 【化2】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ低級アルキル基を表
    し、R3 はトリアルキルシリル基を表す)で示される、
    3−トリアルキルシリルオキシグルタル酸モノアルキル
    エステルモノアルキル炭酸無水物のテトラヒドロフラン
    溶液に滴下して反応させて、式(III) 【化3】 (式中、R2 及びR3 は前述と同意義を表す)で示され
    る5−オキソ−3−トリアルキルシリルオキシ−6−ト
    リフェニルホスホランジイルヘキサン酸アルキルエステ
    ルを生成させることを特徴とするグルタル酸誘導体の製
    造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004022307A1 (ja) * 2002-09-05 2004-03-18 Yoshino Kogyosho Co., Ltd. 積層形成体及びその製造方法
JP2009538831A (ja) * 2007-04-18 2009-11-12 テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド ロスバスタチン中間体及びロスバスタチンの調製方法。
CN103483393A (zh) * 2013-09-05 2014-01-01 江苏兰健药业有限公司 一种用于他汀类药物合成的手性中间体的制备方法
CN104292252A (zh) * 2014-09-19 2015-01-21 浙江科技学院 一种1-乙氧羰基-5-甲基-(3r)-叔丁基二甲硅氧基戊二酸酯的合成工艺

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