JPH06134155A - 電子サイクルミシン - Google Patents

電子サイクルミシン

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JPH06134155A
JPH06134155A JP28632392A JP28632392A JPH06134155A JP H06134155 A JPH06134155 A JP H06134155A JP 28632392 A JP28632392 A JP 28632392A JP 28632392 A JP28632392 A JP 28632392A JP H06134155 A JPH06134155 A JP H06134155A
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sewing machine
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JP28632392A
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English (en)
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Masanori Takeshita
昌徳 竹下
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Juki Corp
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Juki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子サイクルミシンによって、従来の模様デ
ータ作成装置及び模様データの構造を変更することな
く、刺しゅう縫いを行なうための模様データの糸密度補
正を必要に応じて行ない、模様を拡大・縮小した場合の
見栄えをよくする。 【構成】 電子サイクルミシン用模様データ中に本来存
在するXY制御データ以外の制御データのうちのC1,
C2を糸密度補正が必要なXY制御データの始めと終り
を示す識別子として挿入して模様データを作成し、糸密
度補正処理を行なう際に、その制御データC1,C2を
検出して糸密度補正処理の対象区間と非対象区間を判別
し、糸密度値が「0」でないときに、C1を検出した後
C2を検出するまでの間のXY制御データに対してのみ
糸密度補正演算を行なって補正データを作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電子サイクルミシンに
関し、特にその模様データ(縫いデータ)の糸密度補正
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】予め記憶した各種の模様データに基づい
て刺しゅう縫いを自動的に行なう自動刺しゅうミシンが
ある。一方、電子サイクルミシンは、やはり予め記憶し
た縫いデータに基づいてカン止め,ボタン付け,縁かが
り等の同じ縫いを大量に行なうのに適したミシンであ
る。
【0003】自動刺しゅうミシンにおいて、刺しゅうす
る模様を拡大あるいは縮小させると、刺しゅう模様を構
成する縫い目の間隔もそれに伴って広がったり縮んだり
してしまう。そうなると、縫い上った刺しゅう模様の美
観を著しく損なうため、従来から一部の刺しゅうミシン
には、模様の拡大あるいは縮小に応じて模様データの糸
密度を補正・変更する機能が備わっている。
【0004】しかし、模様データ中には、例えば図11
に示すように糸密度を補正すべき箇所と糸密度補正の不
必要な箇所(一般に前者を「表縫い」、後者を「下縫
い」あるいは「走り縫い」などと呼ぶ)が混在するた
め、糸密度を補正する機能を実現するためには、模様デ
ータ中にミシンの制御部がそれを識別できる記号が必要
になる。したがって、このような模様データを作成する
データ作成装置には、模様データ中にこれらの記号を盛
り込める機能が不可欠になる。
【0005】ところで、自動刺しゅうミシンはX−Y駆
動構造をもち、その構造によりX,Y座標に変換した模
様データに基づいて被縫製物をミシン針に対してXY方
向に自在に相対移動させ、それによって縫い目の形成方
向を制御して多数の縫い目による模様形状を形成するよ
うにしている。
【0006】この構造は電子サイクルミシンの基本構造
と同一であり、したがって電子サイクルミシンにおいて
も刺しゅうのように縫い目による模様を形成することが
できる。このことにより、電子サイクルミシンを刺しゅ
う用に利用している例も多数あり、当然、電子サイクル
ミシンでも自動刺しゅうミシンと同様に糸密度の補正を
行ないたいという要求が強い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子サ
イクルミシンはその生い立ちが閂止めミシンであり、刺
しゅう模様形成を目的として開発されたものではないた
め、電子サイクルミシンには糸密度補正機能のような刺
しゅう機能に適合した機能は備わっておらず、結果とし
てその模様データ作成装置も、前述のように糸密度補正
処理を行なうのに必要なデータ中の記号を盛り込める機
能は持っていない。
【0008】したがって、電子サイクルミシンにおいて
は、従来の模様データ作成装置及び模様データの構造を
変更せずに糸密度補正処理を実現することはできなかっ
た。また、電子サイクルミシンでは刺しゅう以外の用途
に使用する場合も多く、その場合の縫製パターンは、糸
密度補正を行なうと不具合が生じる場合がある。例えば
閂止めの場合には、針落ち点も考慮されているため、図
11に示したように間が補間されるとよくない。
【0009】この発明は上記のような現状に鑑みてなさ
れたものであり、電子サイクルミシンによって、従来の
模様データ作成装置及び模様データの構造を変更するこ
となしに、刺しゅう縫いを行なうための模様データの糸
密度補正を実現できるようにすること、及びその糸密度
補正を有効にするか無効にするかを任意に設定できるよ
うにするを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、次の(1)及び(2)の電子サイクルミ
シンを提供する。
【0011】(1)電子サイクルミシン用模様データ中
に本来存在するXY制御データ以外の複数の制御データ
を、以降に続くXY制御データに対し糸密度補正を行な
う区間の始まりを示す識別子と、以降に続くXY制御デ
ータに対し糸密度補正を行なわない区間の始まりを示す
識別子の2種類に分類し、これらの制御データを挿入し
た模様データを記憶する記憶手段と、それに記憶された
模様データを読み出す読出手段と、その読み出された模
様データに対して、該模様データ中に上記識別子として
挿入された制御データを検出して糸密度補正処理の対象
区間と非対象区間を判別し、対象区間であると判別した
XY制御データに対してのみ糸密度補正演算を行なって
補正データを作成することにより糸密度補正処理を行な
う手段と、該手段による糸密度補正処理の有効/無効を
任意に設定する切換設定手段とを備えた電子サイクルミ
シン。
【0012】(2)電子サイクルミシン用模様データ中
に本来存在する表縫いと下縫いのXY制御データを区分
する制御データを検出し、その検出毎に糸密度補正処理
の実行と非実行を切り換えることにより、上記表縫いの
XY制御データに対してのみ糸密度補正演算を行なって
補正データを作成することにより糸密度補正処理を行な
う手段と、該手段による糸密度補正処理の有効/無効を
任意に設定する切換設定手段とを備えたことを特徴とす
る電子サイクルミシン。
【0013】これらの電子サイクルミシンにおいて、任
意の糸密度値を指令するための糸密度値指令手段を備え
ている場合、上記切換設定手段を、前記密度値指令手段
によって設定できる特別な値を判別したときに上記糸密
度補正処理を行なう手段による糸密度補正処理を無効に
設定する手段とすることができる。
【0014】あるいは、上記切換設定手段を、上記糸密
度補正処理を行なう手段による糸密度補正処理の有効と
無効の設定をスイッチによって切り換える手段とした
り、上記模様データ中に予め盛り込まれた識別子を識別
したときに上記糸密度補正処理を行なう手段による糸密
度補正処理を無効に設定する手段とすることもできる。
【0015】
【作用】電子サイクルミシン用の模様データ(縫いデー
タ)中には、一般に被縫製物をミシン針に対してXY方
向に相対移動させるためにXY駆動装置を移動制御する
XY制御データ(一般にこれは1縫い目毎に1データ存
在し、これを相対データなどと称す)のほかに、その他
の駆動装置等の制御データ(例えばミシン主モータの回
転速度制御データ、外部装置のオン・オフ制御データな
ど)や、サイクル動作中には意味を持たないが、模様デ
ータの拡大縮小機能のために必要なデータの区切り記号
など、幾つかの意味を持ったデータ(制御コマンド)が
混在している。
【0016】糸密度補正処理は、上記XY制御データに
対して糸密度補正をした新たなXY制御データを作成す
ることであるが、問題となるのはその処理対象と非対象
の区間を判別しなければならないことであった。そこ
で、この発明による電子サイクルミシンでは、上記模様
データ中に存在するXY制御データ以外の制御データに
着目し、糸密度補正処理手段がそれを利用して糸密度補
正処理の対象となる区間と非対象となる区間を判別して
処理する。
【0017】この糸密度補正処理対象の区間を設定する
制御データは、糸密度処理対象区間の始まりと非対象区
間の始まり(対象区間の終わり)を示す識別子を、従来
から定義されているXY制御データ以外の制御データを
2種類に分類して定めてもよいし、一般に表縫いと下縫
いは交互に表れることから、1種類の制御データ(区切
りデータ)が表れる度に糸密度補正処理と非補正処理を
交互に切り換えるようにしてもよい。また、パラメータ
を取る制御データを利用できるなら、このパラメータを
糸密度補正処理の変換パラメータとして利用することも
できる。
【0018】したがって、従来の模様データ作成装置及
び模様データの構造を何ら変更することなしに、模様デ
ータの糸密度補正を行なうことができ、電子サイクルミ
シンによって刺しゅう縫いの模様を拡大あるいは縮小す
る際などに、模様の美観を損なわないようにすることが
できる。
【0019】さらに、各種の切換設定手段によって糸密
度補正処理の有効/無効を任意に設定することができる
ので、糸密度補正処理を施さない方がよい場合には、そ
れを無効に設定して、糸密度補正処理を行なわないよう
にすることができる。
【0020】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて具
体的に説明する。図3は、この発明による模様データの
糸密度補正方法を実施して刺しゅう縫いを行なえる電子
サイクルミシンの一例をい示す外観斜視図である。
【0021】この電子サイクルミシンは、テーブル1上
にミシン頭部2が設置されると共に、操作ボックス3及
び糸立てポール4が配設されている。ミシン頭部2には
外押さえ5がXY駆動機構に取り付けられて設けられて
おり、刺しゅうされる布を保持してミシン針6に対して
XY方向に自在に相対移動できる。7は非常停止スイッ
チである。
【0022】テーブル1の下側には、ミシンモータ8,
電源スイッチ9,制御ボックス10,及びスタートペダ
ル11,外押さえペダル12,マニュアル押さえペダル
13が配設されている。
【0023】ミシンモータ8は、図示しない駆動プーリ
とベルトを介してミシン頭部2内の主軸を回転させ、ミ
シン針6を上下動させると共にそれに連動する各部を駆
動させる。制御ボックス10は、この電子サイクルミシ
ン全体を制御すると共に、フロッピディスク・ドライブ
装置(FDD)等の外部記憶装置を備え、模様データ
(縫いデータ)を格納したフロッピディスク等の記憶媒
体からのデータの読み出し、新らたに作成あるいは補正
・変更したデータの書き込みが可能であり、その模様デ
ータに対するこの発明による糸密度補正処理もここで行
なう。
【0024】操作ボックス3の前面には、図4に示すよ
うに各種の設定スイッチ群31と各種の表示を行なう表
示部群32を備えた操作パネル30が設けられている。
この操作パネル30の操作により、設定スイッチ群31
のパターンNoキー34とテンキー33によって模様デ
ータのパターンNoを指定し、X拡大縮小率キー35及
びY拡大縮小率キー36とテンキー33によってX方向
及びY方向の拡大あるいは縮小率を設定し、密度設定キ
ー37とテンキー33によって糸密度値(濃度)を設定
することができる。
【0025】そして、表示部群32のパターンNo表示
部38,X拡大縮小率表示部39,Y拡大縮小率表示部
40,及び密度設定表示部41に、それぞれ指定された
パターンNo,設定されたX方向及びY方向の拡大ある
いは縮小率,及び設定された糸密度値が表示される。
【0026】図5はこの電子サイクルミシンのこの発明
に係る機能部分のブロック構成図である。模様データ記
憶手段21は、前述したFDD等の外部記憶装置あるい
はROM及びRAM等の内部メモリで、各種パターンの
模様データを格納しておくものである。糸密度値指令手
段22は、図4に示した操作パネルの密度設定キー37
及びテンキー33に相当する模様の表縫い部分の糸密度
値を指定する手段である。
【0027】補正対象区間判別手段23と糸密度補正値
演算手段24は、この発明による糸密度補正処理及びそ
のその有効/無効を任意に設定するための切換設定手段
の機能を行なう部分であり、図3に示した制御ボックス
10内に設けられているCPU,ROM,RAM等から
なるマイクロコンピュータによって実行される機能であ
る。
【0028】すなわち、模様データ記憶手段21に記憶
されている各種パターンの模様データから、指定された
パーターンNoの模様データを読み出し、補正対象区間
判別手段23が、その模様データ中に本来存在する予め
決めた制御データを検出して糸密度補正処理の対象区間
と非対象区間を判別する。
【0029】それによって対象区間であると判別された
XY制御データに対してのみ、糸密度補正値演算手段2
4が糸密度値指令手段22からの指令に基づいて糸密度
補正値を演算し、補正データを作成して模様データの糸
密度を補正する。その際、模様データの縦横の比率を拡
大縮小させる演算を施すことも可能である。なお、糸密
度値指令手段22に設定された糸密度値が特別な値(こ
の例では0)のときには、糸密度補正値演算手段24が
それを判断して、糸密度補正演算を無効にする。
【0030】糸密度補正を行なった場合には、その模様
データによって直ちに刺しゅう縫いを実行することもで
きるし、その実行前あるいは実行後に、その糸密度補正
した模様データを模様データ記憶手段21に送ってフロ
ッピディスク等の記憶媒体あるいは内部メモリに再度格
納することもできる。その場合、補正前の模様データを
残して別に記憶させるようにしてもよいし、補正前の模
様データの代わりに記憶させるようにしてもよい。
【0031】次に、このような電子サイクルミシンによ
るこの発明の第1実施例について説明する。図6はこの
発明の第1実施例に使用する模様データの例を示す図で
あり、STARTはデータ列の先頭のデータ(コマン
ド)、XYはXYテーブルを駆動制御するためのXY制
御データ(次の針落ち点へのx,y移動量を示すデー
タ)、ENDはデータ列の終端のデータである。
【0032】この実施例での模様データには、制御デー
タとしてSTART,END,及びXY制御データ以外
に2つの制御データ(コマンド)C1,C2が定義され
ているいるものであり、糸密度補正の対象区間の始まり
を示す識別子としてC1を、糸密度補正の非対象区間の
始まりを示す識別子としてSTARTとC2をそれぞれ
分類して割り当て、これらの制御データをXY制御デー
タ中にそれぞれ挿入して、模様データを作成する。
【0033】なお、これらの各制御データは電子サイク
ルミシン用模様データ中に本来使用できるように定義さ
れているものであるから、この模様データを作成するた
めの入力装置としては、従来の装置をそのまま使用でき
る。実際には、十数種類の制御データが定義されている
ので、多くの制御データを使用する場合にも、それらを
糸密度補正の対象区間の始まりを示す識別子と糸密度補
正の非対象区間の始まりを示す識別子とに分類して使用
する。
【0034】図1及び図2は、この図6に示したような
構造の模様データに対して図5に示した補正対象区間判
別手段23と糸密度補正値演算手段24によって糸密度
補正を行なう第1実施例の処理を示すフローチャートで
ある。
【0035】図1の処理を開始すると、図5の模様デー
タ記憶手段21から図6に示したような模様データを順
次読み込み、その各制御データが、START,C1,
C2,ENDのいずれかを判断し、STATあるいはC
2であれば糸密度補正なしのサブルーチンの処理を実行
する。C1であれば、図5の糸密度値指令手段22から
の糸密度値が「0」か否かを判別し、「0」であれば糸
密度補正なしのサブルーチンの処理を実行するが、
「0」でなければが糸密度補正のサブルーチンの処理を
実行する。またENDであれば処理を終了し、いずれで
もなければ異常処理(警告表示,警報など)を行なった
後に処理を終了する。
【0036】糸密度補正処理は図2の(A)に示すよう
に、次の制御データがXYデータ(前述のXY制御デー
タを略称する)か否かを判断し、そうであれば奇数番目
及び偶数番目ごとに続く2つのXYデータから密度補正
したXYデータを作成し、補正後のXYデータを記憶装
置に転送する。次の制御データがXYデータでなければ
図1のメインルーチンへ戻る。
【0037】糸密度補正なしの処理は図2の(B)に示
すように、次の制御データがXYデータか否かを判断
し、そうであればXYデータをそのまま記憶装置に転送
し、XYデータでなければ図1のメインルーチンへ戻
る。
【0038】したがって、この実施例によれば、STA
RTが検出されてからC1が検出されるまでのXYデー
タに対しては糸密度補正を行なわず、C1が検出される
とXYデータに対する糸密度補正を開始し、その後C2
が検出されると糸密度補正をやめて以後のXYデータは
そのまま記憶装置に転送し、ENDが検出されると処理
を終了する。しかし、糸密度指令手段22からの糸密度
値、すなわち図4の密度設定キー37とテンキー33に
よって設定される糸密度値が「0」のときには、糸密度
補正処理を無効に設定することになる。
【0039】なお、糸密度補正値の演算に関しては、例
えば特公昭61−16193号公報にも見られる公知の
方法を実施すればよいので詳細な説明は省略するが、そ
の一例を簡単に説明する。例えば、あるジクザクパター
ンの模様データを、X方向及びY方向にそれぞれ3倍に
拡大して図7の(A)にその一部を示すような模様デー
タになったと仮定し、その糸密度を1/3に補正して同
図の(B)に示すような模様データにしたい場合につい
て説明する。
【0040】図7の(A)に示した元の模様データの針
落ち点P1,P2,P3,P4の各XYデータである座
標値がそれぞれ次のとうりであったとする。 P1:(x1,y1) P2:(x2,y2) P3:(x3,y3) P4:(x4,y4)
【0041】そして、図7の(B)に糸密度補正によっ
て新たに生じる針落ち点Pa,Pb,Pc,Pdの各X
Yデータである座標値を次のようにする。 Pa:(xa,ya) Pb:(xb,yb) Pc:(xc,yc) Pd:(xd,yd)
【0042】すると、点Pa,Pcは奇数番目同士で続
く2つの点P1とP3の間を3等分する点となり、点P
b,Pdは偶数番目同士で続く2つの点P2とP4の間
を3等分する点となる。すなわち、xa〜xd及びya〜
ydの値は次の数1によって算出される。
【0043】
【数1】
【0044】このようにして、例えば図8の(A)に示
すようなラベル等の縁かがりの模様縫いを行なう模様デ
ータを、同図(B)に示すような模様縫いになるように
糸密度補正することができる。
【0045】次に、前述した同じ電子サイクルミシンと
同じハード構成の電子サイクルミシン(図5に示した補
正対象区間判別手段23の機能が異なる)によって、模
様データの糸密度補正を行なうこの発明の第2実施例に
ついて説明する。この実施例は、図9に示すように電子
サイクルミシン用模様データ中に本来存在する表縫いと
下縫いのXY制御データを区分する制御データDを検出
し、その検出毎に糸密度補正処理の実行と非実行を切り
換えることにより、前記表縫いのXY制御データに対し
てのみ糸密度補正演算を行なって補正データを作成す
る。
【0046】図10は、この図9に示したような構造の
模様データに対して図5に示した補正対象区間判別手段
23と糸密度補正値演算手段24によって糸密度補正を
行なう第2実施例の処理を示すフローチャートである。
【0047】この図10の処理を開始すると、先ずスイ
ッチフラグSWを“0”にした後、図5の模様データ記
憶手段20から図9に示した模様データを順次読み込
み、その各制御データが、START,D,ENDのい
ずれかを判断し、STARTであれば糸密度補正なしの
サブルーチンの処理を実行する。Dであれば、糸密度値
指令手段22からの糸密度値が「0」か否かを判別し
て、「0」であれば糸密度補正なしのサブルーチンの処
理を実行する。「0」でなければ、スイッチフラグSW
を反転(0→1又は1→0)した後、SWが“0”か否
かを判断する。
【0048】その結果が、“0”であれば糸密度補正な
しのサブルーチンの処理を実行するが、“0”でなけれ
ば(“1”ならば)糸密度補正のサブルーチンを実行す
る。そして、ENDを検出すると処理を終了するが、制
御データがSTART,D,ENDのいずれでもなけれ
ば異常処理(警告表示,警報など)を行なった後に処理
を終了する。糸密度補正処理及び糸密度補正なしの処理
は、それぞれ図2の(A)及び(B)に示したサブルー
チンと同じである。
【0049】したがって、この実施例によれば、STA
RTが検出されてからDが検出されるまでのXYデータ
に対しては糸密度補正を行なわず、Dが検出されるとX
Yデータに対する糸密度補正を開始し、その後再びDが
検出されると糸密度補正をやめて以後のXYデータはそ
のまま記憶装置に転送し、ENDが検出されると処理を
終了する。
【0050】すなわち、制御データDが検出される毎に
糸密度補正の実行と非実行を切り換え、それによって表
縫いのXY制御データに対してのみ糸密度補正演算を行
なって補正データを作成する。但し、指定された糸密度
値が「0」の場合には、糸密度補正処理を無効に設定し
て、常に糸密度補正なしのサブルーチンの処理を実行す
る。
【0051】次に、パラメータをとる制御データを利用
するようにしたこの発明の第3実施例について説明す
る。制御データ(コマンド)は、模様データ中に単独で
存在するものだけではなく、それに続くデータ(1つの
場合もあれば複数の場合もある)を、その制御データの
動作時のパラメータとするようなものも存在する。
【0052】たとえば、Eという制御コマンドがデータ
として定義されており、その本来の意味合いが拡張のた
めの外部機器とのインタフェース用の出力端子を反転さ
せるというものであったとすると、一般に、このような
出力端子は1つだけではなく複数存在するから、各出力
端子に1つのコマンドを割り当てていたのでは大変なの
で、Eという制御コマンドに続くデータを出力端子に割
り当てられた番号を指すパラメータと定義したとする。
【0053】例えば、図12に示すように、コマンドE
に続くパラメータが1であれば出力端子の1番を反転さ
せる制御を行なうものと解釈される。すなわち、コマン
ドEとパラメータ1の2つで1つのコマンドとして解釈
される。このような場合、いずれの出力端子にも何の外
部機器も接続されていなければ、このコマンドを糸密度
補正処理の切り換えコマンドとして割り当てることがで
きる。(拡張用出力端子であれば、標準では何も接続さ
れていないはずである。)
【0054】この場合のコマンドに続くパラメータは、
操作パネルから入力していた糸密度(濃度)の設定値と
して代用することも可能になる。たとえば、コマンドE
に続くパラメータが「0」から始まる数値であった場
合、パラメータが「0」の場合を糸密度補正なしの指定
に、「0」以外の数値を糸密度補正処理を行なうと解釈
することにより、パラメータを模様パターン中に予め盛
り込んだ識別子として、糸密度補正処理の実効・非実行
を切り換えることができる。
【0055】さらに、コマンドEのパラメータが「0」
以外の数値であった場合、その数値を糸密度値の設定値
として使用することにより、糸密度補正処理の実行・非
実行を切り換えるほかに、糸密度を模様データの途中で
変更することも可能である。
【0056】図13は、その場合の模様データの一例を
示す図であり、aの区間のSTARTに続くXYデータ
は糸密度補正しない。bの区間のXYデータは糸密度濃
度3で糸密度処理をする。cの区間のXYデータは糸密
度処理をしない(糸密度値が「0」なので)。dの区間
のXYデータは糸密度濃度5で糸密度処理をする。
【0057】図14は、このような処理を図5の補正対
象区間判別手段23及び糸密度補正値演算手段24が実
行する際のフローチャートである。この場合、Eのパラ
メータである糸密度値を全て「0」にしておけば、糸密
度補正処理は全く実行されなくなるので、無効に設定し
たことになる。
【0058】これらのいずれの実施例によっても、従来
から電子サイクルミシン用模様データ中に本来存在する
制御データを利用して、糸密度補正の対象区間と非対象
区間を判別するようにしたので、従来の模様データ作成
装置(入力装置)及び模様データの構造を変更すること
なく、図5に示した糸密度値指令手段22,補正区間判
別手段23,及び糸密度補正値演算手段24の機能を付
加するだけで、模様データを拡大した場合などに、適切
な糸密度補正を行なうことができる。
【0059】また、糸密度補正を有効/無効にする設定
が簡便にできるため、糸密度補正の要否に応じて、糸密
度補正処理の有効/無効を切り換え、電子サイクルミシ
ンを常に有効に活用することができる。さらに、この糸
密度補正処理の有効/無効を切換設定する手段してスイ
ッチを用いてもよい。
【0060】模様の縮小を行なった場合には、上述の場
合とは逆に補正対象区画の隣接するXYデータの間隔を
広げるように、すなわちXYデータを縮小倍率に応じて
間引くように補正することになる。
【0061】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明の電
子サイクルミシンによれば、次のような効果が得られ
る。 (1) 電子サイクルミシンで、刺しゅう模様を拡大または
縮小しても、縫い目の間隔を刺しゅう模様の美観を損わ
ない所望の値に指定できる。
【0062】(2) 従来の模様データの構造を変更せず、
糸密度処理後のデータ形式も従来のデータの構造と変り
ないから、従来からある電子サイクルミシン用の模様デ
ータ作成装置をそのまま利用でき、しかも所要の区間の
XY制御データにのみ糸密度補正を行なうことができ
る。
【0063】(3) この発明の電子サイクルミシンで糸密
度補正した模様データを、そのほかの処理装置や糸密度
処理機能を持たない電子サイクルミシンに利用しても弊
害がない。 (4) 糸密度補正を有効/無効にする設定が簡便にできる
ため、糸密度補正の要否に応じて、糸密度補正処理の有
効/無効を切り換え、電子サイクルミシンを広範な用途
に有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3〜図5に示した電子サイクルミシンによる
この発明の第1実施例の糸密度補正を行なう場合の処理
のメインルーチンを示すフロー図である。
【図2】同じく図1の糸密密度補正及び糸密度補正なし
の各サブルーチンの処理を示すフロー図である。
【図3】この発明の一実施例である電子サイクルミシン
の外観斜視図である。
【図4】図3に示した操作ボックスに備える操作パネル
の拡大図である。
【図5】同じく図3の電子サイクルミシンにおけるこの
発明に係る機能部分のブロック構成図である。
【図6】この発明の第1実施例に使用する模様データの
例を示すデータ構成図である。
【図7】この実施例における糸密度補正値の算出例を説
明するための説明図である。
【図8】この実施例による糸密度補正例を示す縫い模様
の図である。
【図9】この発明の第2実施例に使用する模様データの
例を示すデータ構成図である。
【図10】図3〜図5に示した電子サイクルミシンによ
るこの発明の第2実施例の糸密度補正を行なう場合の処
理のメインルーチンを示すフロー図である。
【図11】模様データにおける表縫いと下縫いの説明図
である。
【図12】パラメータをとる制御データ(コマンド)の
例を示す説明図である。
【図13】同じくパラメータをとる制御データ(コマン
ド)を利用したこの発明の第3実施例による模様データ
の例を示すデータ構成図である。
【図14】同じくその模様データによって糸密度補正を
行なう場合の処理のメインルーチンを示すフロー図であ
る。
【符号の説明】
2 ミシン頭部 3 操作ボックス 8
ミシンモータ 10 制御ボックス 21 模様データ記
憶手段 22 糸密度値指令手段 23 補正対象区間
判別手段 24 糸密度補正値演算手段 30 操作パネル 31 設定スイッチ群 32 表示部群

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子サイクルミシン用模様データ中に本
    来存在するXY制御データ以外の複数の制御データを、
    以降に続くXY制御データに対し糸密度補正を行なう区
    間の始まりを示す識別子と、以降に続くXY制御データ
    に対し糸密度補正を行なわない区間の始まりを示す識別
    子の2種類に分類し、これらの制御データを挿入した模
    様データを記憶する記憶手段と、 該記憶手段に記憶された模様データを読み出す読出手段
    と、 該読出手段によって読み出された模様データに対して、
    該模様データ中に前記識別子として挿入された制御デー
    タを検出して糸密度補正処理の対象区間と非対象区間を
    判別し、対象区間であると判別したXY制御データに対
    してのみ糸密度補正演算を行なって補正データを作成す
    ることにより糸密度補正処理を行なう手段と、 該手段による糸密度補正処理の有効/無効を任意に設定
    する切換設定手段とを備えたことを特徴とする電子サイ
    クルミシン。
  2. 【請求項2】 電子サイクルミシン用模様データ中に本
    来存在する表縫いと下縫いのXY制御データを区分する
    制御データを検出し、その検出毎に糸密度補正処理の実
    行と非実行を切り換えることにより、前記表縫いのXY
    制御データに対してのみ糸密度補正演算を行なって補正
    データを作成することにより糸密度補正処理を行なう手
    段と、 該手段による糸密度補正処理の有効/無効を任意に設定
    する切換設定手段とを備えたことを特徴とする電子サイ
    クルミシン。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電子サイクルミシ
    ンにおいて、任意の糸密度値を指令するための糸密度値
    指令手段を備え、前記切換設定手段が、前記密度値指令
    手段によって設定できる特別な値を判別したときに前記
    糸密度補正処理を行なう手段による糸密度補正処理を無
    効に設定する手段であることを特徴とする電子サイクル
    ミシン。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の電子サイクルミシ
    ンにおいて、前記切換設定手段が、前記糸密度補正処理
    を行なう手段による糸密度補正処理の有効と無効の設定
    をスイッチによって切り換える手段であることを特徴と
    する電子サイクルミシン。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の電子サイクルミシ
    ンにおいて、前記切換設定手段が、前記模様データ中に
    予め盛り込まれた識別子を識別したときに前記糸密度補
    正処理を行なう手段による糸密度補正処理を無効に設定
    する手段であることを特徴とする電子サイクルミシン。
JP28632392A 1992-10-23 1992-10-23 電子サイクルミシン Pending JPH06134155A (ja)

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