JP4049830B2 - 外殻模様縫い機能を有する刺繍縫いミシン - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は外殻模様縫い機能を有する刺繍縫いミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の刺繍縫いミシンにおいては、模様を形成するための縫い目データをメーカ側で予め製作しておき、この縫い目データをユーザが選択して縫製するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし刺繍縫いが可能なミシンが普及するに伴い、ユーザにより自分の好みに適合する模様を刺繍したいというニーズが高まっており、従来のミシンではこのようなユーザの要求に応えることは出来なかった。
本発明は上記した従来技術の問題点を解決することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の単位模様に対応する縫い目を形成するためのデータを与える手段と、該複数の単位模様の中から所望の単位模様を選択する手段と、該選択された単位模様を複数個配置するための複数の外殻線に関する情報を与える手段と、前記外殻線に関する情報を図形として表示する手段と、該表示された外殻線に関する情報を選択する手段と、前記選択された単位模様を前記選択された外殻線に対する配置の態様を設定する単位模様配置設定手段と、前記選択された単位模様の縫い目を形成するためのデータに基づいて、該単位模様を前記選択された外殻線に関する情報と設定された配置の態様に基づく位置に刺繍縫いするための手段と、を備えたことを特徴とする外殻模様縫い機能を有する刺繍縫いミシンとすることで、課題を解決することができた。
また本発明は、前記外殻線に関する情報が、模様を配列させるための線を表す情報である、請求項1に記載の外殻模様縫い機能を有する刺繍縫いミシンとすることで、課題を解決することができた。
また本発明は、前記模様を配列させるための線の線上、線の外側、線の内側の中の1又は1以上の位置に前記単位模様を配設されるように設定する手段を更に備えた、請求項2に記載の外殻模様縫い機能を有する刺繍縫いミシンとすることで、課題を解決することができた。
また本発明は、前記単位模様の配置角度が変更可能である、請求項1又は2又は3に記載の外殻模様縫い機能を有する刺繍縫いミシン。とすることで、課題を解決することができた。
また本発明は、複数の単位模様に対応する縫い目を形成するためのデータを与える手段と、該複数の単位模様の中から所望の模様を選択する手段と、該選択された単位模様を複数個配置するための複数の外殻線に関する情報を与える手段と、前記外殻線に関する情報を図形として表示する手段と、該表示された外殻線に関する情報を選択する手段と、前記選択された単位模様を前記選択された外殻線に対する配置の態様を設定する単位模様配置設定手段と、前記選択された縫い目を形成するためのデータと前記選択された外殻線に関する情報と設定された配置の態様とを記憶する手段と、を備えたことを特徴とする外殻模様縫いデータの生成装置とすることで、課題を解決することができた。
【0005】
【実施例】
以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1において、外殻データ付与手段1からは外殻を表すデータが与えられる。この外殻データ付与手段1は外殻データを記憶したメモリや他のデータ生成手段等であり、例えば図5の(A)に示すような線のデータを付与するようになっている。図5の(A)では、丸型、ハート型、盾型、菱型等の線による外殻を与えるようになっており、ユーザが任意に選択できるようになっている。外殻データ付与手段1からのデータは表示手段7において表示されると共に、縫い目形成制御手段3に入力するようになっている。
【0006】
同様に単位模様データ付与手段2からは単位模様を表すデータが与えられる。この単位模様データ付与手段2も模様データを記憶したメモリや他の模様データ生成手段等である。模様データは前記したように、図形や文字や記号等を含み、場合により色に関する情報も含んでいる。
図5の(B)に示す例では、ひし形、丸、星型、長円、ハート型、三角形等の単位模様が用意されており、ユーザがこれらを任意に選択できるようになっている。この単位模様データ付与手段2からの信号も表示手段7に送られて表示されると共に、縫い目形成制御手段3に送られる。
【0007】
縫い目形成制御手段3は単位模様データ付与手段2からの模様データを縫い目形成手段6に送り、ここで縫い目を形成させるようになっている。この際に、外殻データ付与手段1からの外殻データに基づいて、模様を該外殻に沿って配置させて縫いを実行させるようになっている。
図6は模様配置の一例を示すもので、ここでは外殻線Lの線上に単位模様Mを配置する場合、外殻線Lの内側に単位模様Mを配置する場合、外殻線Lの外側に単位模様Mを配置する場合、及びこれらの組み合わせで配置する場合を示している。この実施例では単位模様配置設定手段4により配置の態様を設定できるようになっており、縫い目形成制御手段3は設定された配置態様により縫い目形成手段6に模様縫いを実行させるようになっている。
【0008】
図6の例では、外殻線Lに沿って単位模様Mを配置する位置を予め設定しておき、また外殻線Lと単位模様Mの相対的な大きさも予め決めてあり、外殻線Lと単位模様M及び配置態様が決定されれば一義的に単位模様Mの配列が決定されるようになっている。
【0009】
また図6では、一種類の単位模様Mを複数配列させているが、これに限定されるものではなく、多種類の単位模様Mを配設させることも可能である。また文字を用いて文章を形成すること等も可能である。
【0010】
また、単位模様Mの方向は図6では一定であるが、この実施例では単位模様角度設定手段5により単位模様Mの方向を変更できるようになっている。
図7に単位模様Mの方向の変化の例を示す。aは常に一定方向のもの、bは放射状に方向を変えるもの、cは90゜毎に方向を変えるもの、dはx軸又はy軸を基準として方向を変えるものを示している。縫い目形成制御手段3は単位模様角度設定手段5により指定された単位模様Mの角度に対応して縫い目形成手段6に縫い目形成を実行させるようになっている。
【0011】
縫い目形成制御手段3からの信号は表示手段7に入力され、選択された単位模様Mを選択された外殻線Lに沿って、且つ選択された配置形態で、また選択された角度で単位模様Mを表示するようになっている。
【0012】
なお、外殻線Lとして上記では単一の線を表すものを示したが、図8に示すように複数の外殻線Lと外殻線L’により所定の面積を有する外殻を設定することも可能であり、この外殻内に単位模様Mを配置するようにしても良い。図8の例では外殻の幅が変化するようになっており、それに合わせて単位模様Mの大きさも変化するようになっている。
このような構成により更に変化に富んだ刺繍模様を形成することが可能になる。
【0013】
また、図9に示すように単位模様Mを白黒反転させた単位模様M’とすることが可能なように構成しても良い。ここで単位模様M’は単位模様M部分を囲む背景を有し、単位模様M部分を白抜きとなるように縫い目形成されるようになっている。
【0014】
次にマイクロコンピュータを用いた具体的な構成を説明する。図2はブロック図、図3はミシン本体の外観図である。
最初に図3により本発明のミシンの一実施例の外観を説明する。
ミシン機枠X上にキャリッジ118とこれに支持された刺繍枠119及び針棒120と針121とが設けられている。該刺繍枠119には布を装着し、キャリッジ118のxy方向の移動と針棒120及び針121の上下動により刺繍縫いを行うように構成されている。この刺繍縫いは縫いモード選択釦104により選択できるようになっており、刺繍縫いを行わない場合には通常縫いモードとし、前記した針棒120と針121の上下動及び送り装置(図示せず)による布送りにより通常縫いを実行するようになっている。また刺繍縫いの中、縫い目データ記憶装置50に記憶された縫い目データに基づいた通常の刺繍縫いと、後述する外殻データ記憶装置10と単位模様データ記憶装置11に記憶されたデータに基づく外殻縫いも縫いモード選択釦104により選択出来るようになっている。
【0015】
図2はハード的な構成を示すブロック図であり、図3と合わせて更にこの実施例を詳細に説明する。
CPU100はプログラム記憶装置101に記憶されたプログラムに従ってミシンの制御を行っており、足踏み式等の速度コントローラである回転速度指令装置103により指示された速度でミシンモータ駆動回路110を制御して、ミシンモータ111を回転させ、該指示速度に応じた縫い速度で縫目形成機構112を駆動するようになっている。縫目形成機構112は図3に示すように針棒120と針121及び図示しない布送り機構により構成され所定の縫いを実行するようになっている。ミシンモータ111の回転数はモータ回転検出センサ113により検出され、CPU100にフィードバックされて速度制御に使用されるようになっている。
刺繍縫い可能なミシンはミシンモータ駆動回路110に加えてXYモータ駆動回路115とXYモータ116及びXY移動機構117を備えており、縫い目データ記憶装置50に記憶され模様選択釦52で選択されて読み出された縫い目データに基づいて模様縫いを実行するようになっている。XY移動機構117は図3に示すようにキャリッジ118と刺繍枠119を備えており、刺繍枠119に取り付けた布をX−Y方向に移動させて刺繍縫いを実行させるようになっている。
タイミング信号発生装置114はミシン本体の上軸の回転位相を検出して、針121の上下動を検出し、XYモータ駆動回路115によるX−Y方向の駆動のタイミングを採るために用いられる。CPU100は該タイミング信号を入力して、XYモータ駆動回路115を制御するようになっている。
上記した刺繍縫いと通常縫いは縫いモード選択釦104の操作によりなされるようなっている。この縫いモード選択釦104は図3に示すようにミシン機枠Xのフロント部に設けられている。
該フロント部には更に表示装置106が設けられており、図2に示すように表示制御装置105によりCPU100からの指令に応じて種々の表示を行うようになっている。
また51は一時記憶装置である。
【0016】
縫いモード選択釦104により外殻縫いが選択されると、CPU100は外殻データ記憶装置10と単位模様データ記憶装置11に格納された外殻線Lと単位模様M及び配置形態記憶装置12に格納された配置形態を読み込んで、表示データ生成プログラム記憶装置15に記憶されたプログラムに従って表示装置106に表示するようになっている。外殻データ記憶装置10には外殻線Lのデータとその表示データが記憶されており、単位模様データ記憶装置11には単位模様Mの縫い目データと表示データとが格納されている。また配置形態記憶装置12には配置形態に関するデータとその表示用のデータが格納されている。
図5に外殻線Lと単位模様M及び配置形態の表示例を示す。ユーザは表示装置106を見ながら外殻選択釦20と単位模様選択釦21及び模様配置形態設定釦22により単位模様Mと外殻線L及び配置形態を選択するようになっている。この選択された単位模様Mと外殻線L及び配置形態は一時記憶装置51に一時記憶されるようになっている。
【0017】
更に、模様角度設定釦23が操作された場合には、CPU100は角度制御プログラム記憶装置13から角度制御プログラムを読み出して、選択した単位模様Mの配置角度を調整し、一時記憶装置51に記憶するようになっている。また、反転指定釦24が操作された場合には、模様反転プログラム記憶装置14に記憶されたプログラムに対応して図9に示すような白黒反転を行い、このデータを一時記憶装置51に記憶するようになっている。
【0018】
単位模様M及び外殻線Lの選択、更に他のオプションの選択が終了すると、CPU100はミシンモータ駆動回路110を制御して一時記憶装置51に一時記憶された単位模様M及び外殻線L、配置形態、又模様角度設定釦23により設定された角度或いは反転指定釦24により設定された白黒反転に従って縫い目を形成するように構成されている。
【0019】
図4により動作を説明する。
縫いモード選択釦104の操作により刺繍縫いモードとされ、更に外殻縫いモードになると(ステップS1)、CPU100は外殻データ記憶装置10から外殻の表示データを読み出して、図5の(A)に示すように表示装置106に表示させる(ステップS2)。ユーザが外殻選択釦20を操作して外殻の選択を行い(ステップS3)、確認が終了すると(ステップS4)、CPU100は選択された外殻データを一時記憶装置51に記憶させる(ステップS5)。
次にCPU100は単位模様データ記憶装置11から単位模様の表示データを読み出して、図5の(B)に示すように表示装置106に表示させ(ステップS6)、ユーザが単位模様選択釦21を操作して単位模様の選択を行い(ステップS7)、確認が終了すると(ステップS8)、CPU100は選択された単位模様データを一時記憶装置51に記憶させる(ステップS9)。
更にCPU100は配置形態記憶装置12から配置形態の表示データを読み出して、図5の(C)に示すように表示装置106に表示させ(ステップS10)、ユーザが模様配置形態設定釦22を操作して配置形態の選択を行い(ステップS11)、確認が終了すると(ステップS12)、CPU100は選択された単位模様データを一時記憶装置51に記憶させる(ステップS13)。
そしてCPU100は更に模様角度設定釦23の操作があったか否か確認し(ステップS14)、操作があった場合には、模様の角度変更に関する情報を一時記憶装置51に記憶させる(ステップS15)。
またCPU100は反転指定釦24の操作があったか否か確認し(ステップS16)、操作があった場合には、単位模様の白黒反転処理を実行し、該データを一時記憶装置51に記憶させる(ステップS17)。
そして、CPU100は選択の変更があるか否かチェックし(ステップS18)、変更があればステップS2に戻り、上記動作を繰り返す。
変更がない場合には、一時記憶装置51に記憶された単位模様M、外殻線L及び配置形態、或いは単位模様Mの角度や白黒反転の指示に従って刺繍縫いを実行し(ステップS19)、作業の終了を確認して(ステップS20)、終了する。
【0020】
以上説明した実施例の構成によれば、与えられた単位模様Mを外殻線Lに対応して配置させて刺繍縫いを行うことができる。また単位模様Mや外殻線Lの種類はユーザが選択でき、単位模様Mの角度変更や白黒反転等も可能であるから、ユーザの希望に適合した刺繍縫いを実現できる効果がある。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の外殻模様縫い機能を有する刺繍縫いミシンは、複数の模様に対応する縫い目を形成するためのデータを与える手段と、該複数の模様の中から所望の模様を選択する手段と、該選択された模様を複数個配置するための複数の配置位置に関する情報を与える手段と、前記配置位置を図形として表示する手段と、
該表示された配置位置を選択する手段と、前記選択された模様の縫い目を形成するためのデータに基づいて、該模様を前記選択された配置位置に関する情報に基づく位置に刺繍縫いするための手段と、を備えているため、模様と配置位置を選択するだけで多様な模様を刺繍縫いすることが可能になる効果がある。
また模様の角度変更を可能とすることにより更に多様な刺繍縫いを行うことが可能になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の一実施例をマイクロコンピュータを主体に構成した例を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施例を示す外観斜視図。
【図4】本発明の一実施例の動作を説明するフローチャート図。
【図5】本発明の一実施例における外殻線、単位模様及び配置形態の表示例の説明図。
【図6】本発明の一実施例における配置形態の説明図。
【図7】本発明の一実施例における単位模様の角度変更の説明図。
【図8】本発明の一実施例における外殻線の他の態様の説明図。
【図9】本発明の一実施例における単位模様の白黒反転の説明図。
【符号の説明】
1:外殻データ付与手段、2:単位模様データ付与手段、3:縫い目形成制御手段、4:単位模様配置設定手段、5:単位模様角度設定手段、6:縫い目形成手段、7:表示手段、10:外殻データ記憶装置、11:単位模様データ記憶装置、12:配置形態記憶装置、13:角度制御プログラム記憶装置、14:模様反転プログラム記憶装置、15:表示データ生成プログラム記憶装置、20:外殻選択釦、21:単位模様選択釦、22:模様配置形態設定釦、23:模様角度設定釦、24:反転指定釦、50:縫い目データ記憶装置、51:一時記憶装置、52:模様選択釦、100:CPU、101:プログラム記憶装置、103:回転速度指令装置、104:縫いモード選択釦、105:表示制御装置、106:表示装置、110:ミシンモータ駆動回路、111:ミシンモータ、112:縫目形成機構、113:モータ回転検出センサ、114:タイミング信号発生装置、115:XYモータ駆動回路、116:XYモータ、117:XY移動機構、118:キャリッジ、119:刺繍枠、120:針棒、121:針。
Claims (5)
- 複数の単位模様に対応する縫い目を形成するためのデータを与える手段と、該複数の単位模様の中から所望の単位模様を選択する手段と、該選択された単位模様を複数個配置するための複数の外殻線に関する情報を与える手段と、前記外殻線に関する情報を図形として表示する手段と、該表示された外殻線に関する情報を選択する手段と、前記選択された単位模様を前記選択された外殻線に対する配置の態様を設定する単位模様配置設定手段と、前記選択された単位模様の縫い目を形成するためのデータに基づいて、該単位模様を前記選択された外殻線に関する情報と設定された配置の態様に基づく位置に刺繍縫いするための手段と、を備えたことを特徴とする外殻模様縫い機能を有する刺繍縫いミシン。
- 前記外殻線に関する情報が、模様を配列させるための線を表す情報である、請求項1に記載の外殻模様縫い機能を有する刺繍縫いミシン。
- 前記模様を配列させるための線の線上、線の外側、線の内側の中の1又は1以上の位置に前記単位模様を配設されるように設定する手段を更に備えた、請求項2に記載の外殻模様縫い機能を有する刺繍縫いミシン。
- 前記単位模様の配置角度が変更可能である、請求項1又は2又は3に記載の外殻模様縫い機能を有する刺繍縫いミシン。
- 複数の単位模様に対応する縫い目を形成するためのデータを与える手段と、該複数の単位模様の中から所望の模様を選択する手段と、該選択された単位模様を複数個配置するための複数の外殻線に関する情報を与える手段と、前記外殻線に関する情報を図形として表示する手段と、該表示された外殻線に関する情報を選択する手段と、前記選択された単位模様を前記選択された外殻線に対する配置の態様を設定する単位模様配置設定手段と、前記選択された縫い目を形成するためのデータと前記選択された外殻線に関する情報と設定された配置の態様とを記憶する手段と、を備えたことを特徴とする外殻模様縫いデータの生成装置。
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