JPH0613120Y2 - キャップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、液体注出容器に用いられるキャップに関す
る。

「従来の技術」 この種キャップとして、キャップ本体後部に蓋体後部を
三点ヒンジ等により蓋体の弾性反転が可能に結合して、
キャップ本体頂部に開口させた注出孔を蓋体裏面から垂
設した栓体で開閉するようにしたものがある。

「考案が解決しようとする課題」 上記キャップは、所定位置まで開蓋或いは閉蓋させると
自動的に三点ヒンジの作用で開蓋或いは閉蓋し、開蓋状
態或いは閉蓋状態を安定的に維持出来て取り扱いが便利
であるとともに、合成樹脂の一体成形により形成できる
ため安価に製造できる優れたものであるが、開蓋の際、
比較的開蓋角度の広い位置まで蓋体を開けなければヒン
ジ機構が開蓋方向へ作用せず、従って、容器体をもった
片手のみで蓋体を開くことが比較的難しかった。また、
蓋体が垂直方向に回動して開蓋状態では蓋体大部分がキ
ャップ本体の側外方に突出するため、蓋体が他物に干渉
したり、注出時にはキャップ回りにある程度のスペース
が必要となるなどで使用が面倒であった。

更に、上記キャップは、蓋体と本体とを複数の薄肉ヒン
ジにより連結しているため、その部分が若干耐久性に劣
るものである。

本考案は上記した従来技術の欠点を解消するもので、開
蓋状態で蓋体が他物に干渉したり、注出時にキャップ回
りに殆どスペースを必要とすることなく、しかもヒンジ
結合部分を省いて耐久性を向上させるとともに、ワンハ
ンドでの開蓋操作を行える優れたキャップを提案するも
のである。

「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本考案に係るキャップは容
器体口頚部嵌合用周壁２を垂設する頂壁３の前部に注出
孔４を穿設するとともに、頂壁の後部上面から支持棒５
を起立したキャップ本体１と、上記頂壁上面を覆う頂板
９の後部に嵌合孔10を穿設して該嵌合孔内に上記支持棒
を上下動自在でかつ回動可能に嵌挿させるとともに、頂
板の前部下面から垂設する棒状栓11を上記注出孔４内へ
強制着脱が可能に嵌合させた蓋体８と、上記頂板下方の
支持棒部分に巻装されて上記蓋体を上方へ付勢させたコ
イルばね16とからなり、上記蓋体前部を押上げして棒状
栓11を注出孔４から離脱させることで、上記付勢により
蓋体が支持棒５上を上昇して該支持棒を中心に水平方向
への旋回が可能に設けたことを特徴とする。

「作用」 常時は棒状栓11が注出孔４内へ強制着脱が可能に嵌合さ
れているため、装着した容器体が誤って倒れる等しても
注出孔からの液の漏出はない。

また、蓋体８前部を押し上げして棒状栓11を注出孔４か
ら離脱させると、コイルバネの付勢により蓋体が支持棒
に案内されて上昇し、次いで継続して蓋体前部を所定方
向へ注出孔４が開放されるまで回動すれば開蓋する。従
って、装着した容器を握ってのワンハンド開蓋操作が可
能である。この際、蓋体は注出孔４が開放される位置ま
で回動させれば良いため、蓋体８のキャップ本体１から
の突出部分は少なくて済み、従って、開蓋状態での他物
への干渉等が少なくて済む。

尚、上昇した蓋体はコイルばねの上方付勢力によりその
状態で維持され、その場から回動された場合も回動位置
に係止される。

「実施例」 以下添付図面に基づいて、本考案に係るキャップの一実
施例を説明する。

第１図乃至第４図において、１はキャップ本体で、その
容器体口頚部嵌合用周壁２を垂設する頂壁３の前部に注
出孔４を穿設するとともに、頂壁３の後部上面から支持
棒５を起立してなる。図示例では、上記頂壁３の後部上
面に円形の凹部６が穿設され、該凹部６の中央部下面か
ら上記支持棒５が起立している。また、上記支持棒５の
上端には鍔部７が周設されている。

８は蓋体で、上述した頂壁３上面を覆う頂板９の後部に
嵌合孔10を穿設して該嵌合孔10内に上述した支持棒５を
上下動自在でかつ回動可能に嵌挿させるとともに、頂板
９の前部下面から垂設する棒状栓11を上述した注出孔４
内へ強制着脱が可能に嵌合させてなる。図示例では、上
記頂板９の周縁から短周壁12が垂設され、該短周壁12の
前部下端に指掛片13が付設されている。また、上記頂板
９の後部には円形の凹陥部14が形成され、該凹陥部14の
底壁に、外周一部を除いて、上記嵌合孔10が穿設されて
いる。さらに、上記棒状栓11の下端には係合突条15が周
設され、該係合突条15が上記注出孔４の下端開口縁に係
合している。

16はコイルばねで、上述した頂板９下方の支持棒５部分
に巻装されて上述した蓋体８を上方へ付勢させてなる。
図示例では、コイルばね16のキャップ本体側部分が上述
した凹部６内に収納されている。

そして、上述した指掛片13を介して蓋体８前部を押上げ
て棒状栓11を注出孔４から離脱させることで、コイルば
ね16の付勢により蓋体８が支持棒５上を上昇して該支持
棒５を中心に水平方向への旋回が可能にとなる。次い
で、注出孔４が露出する位置まで蓋体８を回動させれば
注出が可能となる。

図示例では、上記コイルばね16として単なる圧縮ばねを
用いているが、この圧縮ばねとねじりばねとを兼備した
ものを用いて、蓋体８が支持棒５上を上昇すると同時に
自動的に所定方向へ旋回するようにしてもよい。

その際は、例えばキャップ本体１の頂壁３に蓋体回動係
止用の突起を突設する等すると良い。

なお、上記実施例にてコイルばねを除き各部は適宜合成
樹脂材で成形製作される。

「考案の効果」 以上説明した如く本考案キャップは既述構成としたこと
により、装着した容器をもってキャップ前部を上方へ押
し上げた後側方所定位置まで回動させれば注出孔が開口
するためワンハンドでの開蓋操作を行えるものである。
また、開いた蓋体はキャップ本体からの突出部分が少な
く、蓋体の他物との干渉等を回避して容器使用が容易と
なる。更に、ヒンジによる連結構造を有していないた
め、耐久性にも優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案キャップの一実施例を示す縦断面図、第
２図はその斜視図、第３図は開蓋状態を示す縦断面図、
第４図はその斜視図である。 １…キャップ本体、８…蓋体 16…コイルばね

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器体口頚部嵌合用周壁２を垂設する頂壁
   ３の前部に注出孔４を穿設するとともに、頂壁の後部上
   面から支持棒５を起立したキャップ本体１と、上記頂壁
   上面を覆う頂板９の後部に嵌合孔10を穿設して該嵌合孔
   内に上記支持棒を上下動自在でかつ回動可能に嵌挿させ
   るとともに、頂板の前部下面から垂設する棒状栓11を上
   記注出孔４内へ強制着脱が可能に嵌合させた蓋体８と、
   上記頂板下方の支持棒部分に巻装されて上記蓋体を上方
   へ付勢させたコイルばね16とからなり、上記蓋体前部を
   押上げして棒状栓11を注出孔４から離脱させることで、
   上記付勢により蓋体が支持棒５上を上昇して該支持棒を
   中心に水平方向への旋回が可能に設けたことを特徴とす
   るキャップ。