JPH06128515A - インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器 - Google Patents
インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器Info
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- JPH06128515A JPH06128515A JP20702093A JP20702093A JPH06128515A JP H06128515 A JPH06128515 A JP H06128515A JP 20702093 A JP20702093 A JP 20702093A JP 20702093 A JP20702093 A JP 20702093A JP H06128515 A JPH06128515 A JP H06128515A
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Abstract
中性紙の普通紙に対し印字記録を行った場合に、印字記
録物の画像品位に悪影響を与えることなく、印字記録物
が十分な耐水性を有し、且つ長期間の保存に対しても何
ら問題がなく、更に目詰まりに対しても問題のない高品
位な印字を可能にすることの出来るインク、これを用い
たインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機
器を提供すること。 【構成】 少なくとも色材とこれを溶解又は分散する液
媒体とを含有するインクにおいて、pHが4〜10の範
囲内に粘度の最大ピークを有することを特徴とするイン
ク。
Description
インクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
に関し、更に詳しくは、一般のオフィス等で使用されて
いる酸性紙、中性紙等のいわゆる普通紙に対する印字記
録物の耐水性に優れ、且つ高画質の記録を行うことが出
来るインク、これを用いたインクジェット記録方法及び
かかるインクを用いた機器に関する。
水性ボールペン等)用インク及びインクジェット用イン
クについては、実に様々な組成のものが報告されてい
る。中でも近年はオフィスで一般に使用されているコピ
ー用紙、レポート用紙、ノート、便箋等の普通紙に対し
ての印字記録物の耐水性の要望が高まっており、インク
の組成及び物性等の多様な面から詳細な研究開発が為さ
れている。例えば、特開平2−296878号公報及び
特開平2−255876号公報には、水性インク組成物
にポリアミンを含有させることにより、印字記録物の耐
水性を向上させることが提案されている。
上記の様なインクにおいては、耐水性を向上させるメカ
ニズムが基本的に染料の親水基部に対する増塩によると
ころが大きい為、目詰まりやインクの安定性が損なわれ
る場合がある。このことから、上記の様なインクにおい
ては、インクの安定性を向上させる目的で溶解安定剤を
インク中に含有させることも考えられているが、この場
合、インク中に含有させる溶解安定剤を多量に入れなけ
ればならない為、かかるインクを使用して形成された印
字記録物の画像品位が低下する。特に、インクジェット
記録においては、普通紙等の被記録材に記録されたイン
クの定着は、被記録材に対する自然浸透及び蒸発による
ところが大きい為、画像品位の低下の発生が問題とな
る。
は、インク中に両性界面活性剤を含有させ、印字記録物
の耐水性を向上させる方法が提案されている。しかしな
がら、上記のインクは、被記録材の種類によって印字記
録物の耐水性が左右されるものであった。即ち、被記録
材の表面pH、サイズ材種、セルロースの種類等によっ
て、耐水性の良い被記録材もあれば、文字の汚れがひど
く、耐水性に劣る被記録材もある。又、上記インクは記
録物の耐水性が良好でも、インクが粘調になったり、目
詰まり等が発生したりし、実用性に劣るものであった。
又、一般に両性界面活性剤はその成分中に多くの不純物
を含む為、インクの信頼性や画質等を低下させるという
問題点もあった。以上の様に、印字記録物の品位、耐水
性及び実用性に優れ、且つインクの信頼性にも優れ、
又、被記録物の材質に拘らず耐水性の良好な印字物を与
えるインクは未だ発見されていない。
等で使用されている酸性紙、中性紙等の、いわゆる普通
紙に対し印字記録を行った場合に、印字記録物の画像品
位に悪影響を与えることなく、印字記録物が十分な耐水
性を有し、且つ長期間の保存に対しても何ら問題がな
く、更に目詰まりに対しても問題のない高品位な印字を
可能にすることの出来るインク、これを用いたインクジ
ェット記録方法及びかかるインクを用いた機器を提供す
ることにある。
明によって達成される。即ち、本発明は、少なくとも色
材とこれを溶解又は分散する液媒体とを含有するインク
において、pHが4〜10の範囲内に粘度の最大ピーク
を有することを特徴とするインク、これを用いたインク
ジェット記録方法、及びかかるインクを用いた機器であ
る。
の耐水性の向上の為、様々なインク組成について鋭意検
討を行った結果、少なくとも色材とこれを溶解又は分散
する液媒体とからなるインクを、pHが4〜10の範囲
内に粘度の最大ピークを有する様にすることによって、
該インクを使用して画像形成を行う際に、形成される画
像品位を損なうことなく、例えば、通常のインクを用い
た場合にはフェザリングが発生する普通紙においても、
フェザリングが発生せずに画像を形成することが出来、
又、カラー画像を形成する場合にも、異なった色調のイ
ンクの付与領域間で発生する境界滲みを防止することが
出来、且つ得られる印字記録物の耐水性の向上が達成さ
れ、又、インクを長期保存した後でもインクの品質が損
なわれることなく良好であることを知見して本発明を完
成した。更に、かかるインクをインクジェット記録に使
用した場合も、インクジェット記録システムの信頼性を
損なうことがないことを知見して本発明を完成した。
物を与える理由は未だ明白ではないが、あえて推論すれ
ば以下の様なことが考えられる。 一般に広く利用されている被記録材は、表面のpH
が酸性から中性の範囲にある。従って、本発明のインク
がこれらの被記録材上に付与されて印字記録されると、
インク中の揮発成分の蒸発に伴い、速やかに増粘現象が
発生して、被記録材上に残留するインク中の各成分と被
記録材成分との間で結合状態を形成する。この時、色材
は、上記結合状態の一部を担い、結合状態の内部、例え
ば、網目構造の空間にトラップされる。この為、色材は
流動性を失い、印字記録の際におけるフェザリングが防
止され且つ耐水性が良好となる。更に、異なった色調の
インクの付与領域間における境界滲みの発生も防止され
る。 又、印字記録物の耐水性について別の見方をする
と、本発明のインクが被記録材上に印字記録されて定着
した後に水がかかったとしても、一般に使用されている
水や雨水はそのpHが弱酸性から中性付近にある為、印
字記録物を形成している本発明のインク成分はこれらの
水との界面において、粘度が高く、流動性の低い、例え
ば、耐水性の膜の様なものを形成し、印字記録物の耐水
性を良好にする。
発明を更に詳しく説明する。本発明のインク、即ち、p
Hが4〜10の範囲内に粘度の最大ピークを有するイン
クは、例えば、インクに塩酸や酢酸等の酸性化合物を添
加し、pHを変化させた場合、図7の様な粘度特性を示
すインクである。又、本発明の好ましい実施態様におい
て、使用されるインクのpHが4〜10の範囲で溶解性
の最小ピークを有する化合物としては、例えば、インク
中に溶解させた場合に、図8に示した様な溶解度特性を
示す化合物である。以上の様な化合物の中で構造的に好
ましいのは、第2級アミン又は第2級アミンの誘導体、
第3級アミン又は第3級アミンの誘導体及び夫々の複合
物からなる化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物
であり、且つ該化合物は、アルキル基、カルボキシル
基、カルボキシル基の塩、スルホン基及びスルホン基の
塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有
する化合物である。この様な化合物のなかで、特に好ま
しいのは、下記一般式(I)で示される化合物である。
子を表し、R2は(CH2)a−X1又は水素原子を表し、
aは1〜4の整数とする。R3は(CH2)b−X2又はR
4−Y又は水素原子を表し、bは1〜4の整数とする。
R4は炭素数1〜48のアルキル基又は水素原子とす
る。Zは(NR5ClH2l)c(NHCnH2n)dを表し、
l(エル)及びnは2〜4の整数、c+dは0〜50の
整数とする。Yは(NR6CmH2m)e(NHCpH2p)f
を表し、m及びpは2〜4の整数、e+fは0〜50の
整数とする。R5は(CH2)g−X3を表し、gは1〜4
の整数とする。R6は(CH2)h−X4を表し、hは1〜
4の整数とする。X1 、X2 、X 3及びX4は、夫々カル
ボキシル基、カルボキシル基の塩、スルホン基、スルホ
ン基の塩又は水素原子から選ばれる。又、R2及びR3が
夫々水素原子である時、c及びeが共に0になることは
なく、又X1、X2、X3及びX4が全て水素原子になるこ
ともない。)
ク性能の安定性等を考えると、特にX1、X2、X3及び
X4が夫々、カルボキシル基の塩、スルホン基の塩又は
水素原子からなる郡から選ばれることが好ましい。この
理由は、X1、X2、X3及びX4が夫々、カルボキシル基
又はスルホン基から選ばれると、一般式(I)の化合物
は、環状化合物を形成し、インクの性能や信頼性を低下
させ易くなる為である。以下に、一般式(I)に含まれ
る好ましい化合物を列挙したが、本発明はこれらの化合
物に限定されるものではなく、又、これらの化合物は2
種以上を同時に使用することも出来る。
NHCH2COONa (化合物8) C15H31NHC2H4COOLi (化合物9) C3H7(NHC2H4)2NHCH2COO
Na (化合物10)C12H25NHC2H4COONa (化合物11)C12H25(NHC2H4)NHCH2CO
OLi
HC2H4SO3Li (化合物13)C15H31(NHC2H4)NHCH2SO3
Na (化合物14)C20H41(NHC2H4)NHCH2SO3
NH4 (化合物15)C15H31(NHC2H4)2NHC2H4C
OONH4 (化合物16)C25H51(NHC2H4)3 NHCH2S
O3Li (化合物17)C15H31(NHC2H4)NHCH2SO3
H・N(CH2CH3)3
NHCH2H4COOH・NH(CH2CH3)2 (化合物19)C12H25(NHC2H4)2NHCH2CO
ONH4 (化合物20)C5H11(NHC2H4)2NHCH2CO
ONa (化合物21)C7H15(NHC2H4)2C2H4COON
a (化合物22)C12H25(NHC2H4)4NHCH2CO
ONa
H2COONH4 (化合物26)C12H25NHC3H6NHC2H4COON
a (化合物27)C8H17N(CH3)C2H4N(CH3)
C2H4NHC2H4COONa (化合物28)C12H25NHC3H6N(CH3)C2H4
COOLi
される上記した様な化合物のインク中での含有量として
は、用途、目的、色材種、インク組成に依存するところ
が大きいが、好ましくは、0.01〜20重量%の範
囲、更に好ましくは0.1〜10.0重量%の範囲であ
る。
は、特に限定されることなく、各種の染料及び顔料等の
色材が使用される。この中で、インク化の容易性、及び
インクの安定性を考えると、例えば、酸性染料、塩基性
染料及び直接染料が使用し易く、特に有効な色材は直接
性のある染料である。又、直接性を持つ染料がスルホン
基を有すると特に好ましい。又、直接性を持つ染料が、
2価の有機連結基を除いた部分で窒素原子を有するもの
も好ましい。これらの中で、特に好ましくは、色材が少
なくともアミノ基又は窒素原子と共に5又は6員環を形
成する環状化合物を有する染料である。以上の色材につ
いて、具体的には、例えば、ダイレクトブラック16
8、ダイレクトブラック154、ダイレクトイエロー1
42、ダイレクトイエロー86、ダイレクトレッド22
7、ダイレクトブルー199及び、下記の遊離酸の形で
一般式(II)及び(III)の色材も考えられるが、これ
らに限定されるものではない。
3は各々独立に、H、アルキル基、置換アルキル基、ア
ルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基又は置換
アラルキル基を表す。Lは2価の有機連結基を表す。X
は、夫々独立に、カルボニル基又は下記(2)〜(4)
式で示される基を表す。
OR6を表し、各Yは夫々独立にH、Cl、Z、SR7又
はOR7を表し、各Eは夫々独立に、Cl又はCNを表
す。R4、R5、R6及びR7は各々独立に、H、アルキル
基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ア
ラルキル基又は置換アラルキル基を表し、R4及びR5は
窒素原子と共に5又は6員環を形成する。Gは1又は2
個のCOSH又はCOOHで置換された無色有機残基を
表し、t+qは3〜4の整数とする。)
例えば、以下の様なものが挙げられる。
リール基であって、Ar1とAr2の少なくとも1つが独
立にCOOHとCOSHから選ばれる置換基を1個以上
有する。R1及びR2 は独立に、H、アルキル基、置換ア
ルキル基、アルケニル基又は置換アルケニル基を表し、
Lは2価の有機連結基を表し、nは0又は1を表す。X
は夫々独立に、カルボニル基、又は下記(2)〜(4)
式で示される基を表す。
は夫々独立に、H、Cl、Z、SR6又はOR6を表し、
Eは夫々独立に、Cl又はCNを表す。R3、R4、R5
及びR6は夫々独立に、H、アルキル基、置換アルキル
基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置
換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基を表
し、R3又はR4は窒素原子と共に5又は6員環を形成す
る。又、一般式(III)で表される化合物は、少なくと
もSO3Hと同数のCOOH又はCOSHから選ばれた
基を有する。)
具体的には、例えば、以下の様なものが挙げられる。
が、一般的にはインクの全重量に対して0.1〜15重
量%の範囲が好適で、より好適には0.1〜10重量%
である。
する場合、特に印字記録性を良好にするのならば、イン
クのpHをインクの最大粘度ピークよりアルカリ性側に
調整するのが好ましい。又、pH調整剤には、各種塩基
性成分又は酸性成分が用いられるが、特に良好なのは、
アンモニア、アミン等の揮発性のある塩基性成分であ
る。酸性成分を用いる場合には、硫酸、酢酸及び塩酸等
が用いられる。尚、本発明のインクは、上記成分の他に
必要に応じて水溶性有機溶剤、界面活性剤、防錆剤、防
腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進
剤、キレート化剤、水溶性ポリマー等の種々の添加剤を
含有してもよい。
有機溶剤との混合物であることが好ましい。具体的な水
溶性有機溶剤の例としては、例えば、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン等
のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、
トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオ
ール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエ
チレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原
子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレ
ングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエ
チレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、
トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エー
テル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N
−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、
ジメチルサルフォキサイド、2−ピロリドン、ε−カプ
ロラクタム等の環状アミド化合物及びスクシンイミド等
のイミド化合物等が挙げられる。
インクの全重量に対して重量%で1%〜40%が好まし
く、より好ましくは3%〜30%の範囲である。又、イ
ンク中の水の含有量は、30〜95重量%の範囲で使用
される。30重量%より少ないと色材の溶解性等が悪く
なり、インクの粘度も高くなる為好ましくない。一方、
95重量%より多いと蒸発成分が多すぎて、十分な固着
特性を満足することが出来ない。
ンクの発泡現象によりインクを吐出させるタイプのイン
クジェット記録方法に適用する場合に特に好適であり、
吐出が極めて安定となり、サテライトドットの発生等が
生じないという特徴がある。但し、この場合には、熱的
な物性値(例えば、比熱、熱膨張係数、熱伝導率等)を
調整する場合もある。更に、本発明のインクは普通紙等
に記録した場合の印字記録物のインクの耐水性の問題を
解決すると同時に、インクジェット用ヘッドに対するマ
ッチングを良好にする面から、インク自体の物性として
25℃における表面張力が30〜68dyne/cm、
粘度が15cP以下、好ましくは10cP以下、より好
ましくは5cP以下に調整されることが望ましい。従っ
て、上記物性にインクを調整し、普通紙における問題を
解決する為には、本発明のインク中に含有される水分量
としては50重量%以上98重量%以下、好ましくは6
0重量%以上95重量%以下とされるのが好適である。
より液滴を吐出させて記録を行うインクジェット記録方
法にとりわけ好適に用いられるが、一般の筆記用具とし
ても使用出来る。本発明のインクを用いて記録を行うの
に好適な方法及び装置としては、記録ヘッドの室内のイ
ンクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エ
ネルギーにより液滴を発生させる方法及び装置が挙げら
れる。
1、図2及び図3に示す。ヘッド13はインクを通す溝
14を有するガラス、セラミックス又はプラスチック板
等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘ
ッドが示されているが、これに限定されるものではな
い)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリ
コン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17
−1、17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層
18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性のよい基盤20
とによりなっている。インク21は吐出オリフィス(微
細孔)22まできており、圧力Pによりメニスカス23
を形成している。今、電極17−1、17−2に電気信
号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急
激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生
し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が
吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり、被記
録材25に向かって飛翔する。図3には図1に示すヘッ
ドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチ
ヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に
説明したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作さ
れている。尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド13
の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断図であ
る。
ジェット記録装置の一例を示す。図4において、61は
ワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブ
レード保持部材によって保持されて固定端となり、カン
チレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによ
る記録領域に隣接した位置に配設され、又、本例の場
合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持され
る。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホ
ームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂
直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを
行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接して
設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、
記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。
上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって
吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体6
3によってインク吐出口面の水分、塵埃等の除去が行わ
れる。
出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐
出して記録を行う記録ヘッドであり、66は記録ヘッド
65を搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリ
ッジである。キャリッジ66はガイド軸67と慴動可能
に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68によって
駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これ
によりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可
能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接
した領域の移動が可能となる。51は被記録材を挿入す
る為の給紙部、52は不図示のモータにより駆動される
紙送りローラである。これらの構成によって記録ヘッド
の吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録
が進行するにつれて排紙ローラ53を配した排紙部へ排
紙される。
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接
してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出する様に移動する。記録ヘッド6
5がホームポジションから記録開始位置へ移動する場
合、キャップ62及びブレード61は上述したワイピン
グ時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動に
おいても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされ
る。上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、
記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記
録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域
に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴っ
て上記ワイピングが行われる。
チューブを介して供給されるインクを収容したインクカ
ートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用
インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であ
り、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。こ
の栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク
袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44
は廃インクを受容する吸収体である。インク収容部とし
ては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエ
チレンで形成されているものが本発明にとって好まし
い。本発明で使用されるインクジェット記録装置として
は、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体と
なったものに限らず、図6に示す如きそれらが一体にな
ったものにも好適に用いられる。
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。イン
ク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロース又
はポリビニルアセタールを用いることが本発明にとって
好ましい。72は記録ユニット内部を大気に連通させる
為の大気連通口である。この記録ユニット70は、図4
で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、キ
ャリッジ66に対して着脱自在になっている。
具体的に説明する。尚、文中、部及び%とあるのは特に
断りのない限り重量基準である。
サイズが0.45μmのフロロポアフィルター(商品
名:住友電工(株)製)にて加圧濾過し、本発明のイン
クを夫々調製した。又、夫々の化合物の塩成分でpHを
約9.5に調整した。
般式(I)で示される化合物を除き、その不足分を純水
で補ったものを夫々比較例1〜比較例7のインクとし
た。 比較例8 実施例8の化合物15を、ジメチルドデシルベタインに
代え、比較例8のインクとした。
と比較例1〜比較例8のインクを用い、インクジェット
記録装置として発熱素子をインクの吐出エネルギー源と
して利用したオンデマンド型インクジェットプリンター
を使用して印字試験を行い、(1)耐水性、(2)周波
数応答性、(3)印字品位の評価及び(4)カラー画像
における異なった色調のインクの付与領域間での境界滲
みの評価を下記の基準に従って夫々行った。又、得られ
た結果を後記表1〜表3に示す。尚、上記のインクジェ
ット記録装置の印字条件としては、駆動電圧26V、発
熱抵抗体の抵抗値150Ω及び周波数4KHzで行っ
た。
英数文字及びベタ部を印字した後、プリントを停止し、
印字物を1時間以上放置後、印字濃度をマクベスRD9
15(商品名:マクベス社製)にて測定を行う。その
後、印字物を水を満たした容器に3分間以上浸漬した
後、放置、乾燥して再度印字濃度を測定し、印字物濃度
の残存率を求め、耐水性の評価とした。 ○:印字物濃度の残存率が80%以上。 △:印字物濃度の残存率が66%以上〜79%以下。 ×:印字物濃度の残存率が65%以下。 耐水性(B) プリンターに所定のインクを充填して、市販の中性紙に
英数文字及びベタ部を印字した後、プリントを停止し、
印字物を1時間以上放置後、印字濃度をマクベスRD9
15(商品名:マクベス社製)にて測定を行う。その
後、印字物を水を満たした容器に3分間浸漬した後、放
置、乾燥して再度印字濃度を測定し、印字物濃度の残存
率を求め、耐水性の評価とした。 ○:印字物濃度の残存率が80%以上。 △:印字物濃度の残存率が66%以上〜79%以下。 ×:印字物濃度の残存率が65%以下。
びスブラッシュやヨレ等の着弾点不良状態を肉眼で観察
し、評価した。 ○:周波数に対するインクの追従状態は、ほぼ良好であ
り、キャラクタ印字ではカスレや白抜け、着弾点不良が
見られないが、ベタ印字において僅かにカスレが見られ
る。 △:キャラクタ印字ではカスレや白抜けは見られない
が、一部に着弾点不良が見られる。又、ベタ印字ではカ
スレ、白抜けがベタ印字全体の1/3程度で見られる。 ×:ベタ印字ではカスレ、白抜けが多く、又、キャラク
タ印字においてもカスレや着弾点不良が多数見られる。
を1時間以上放置した後、顕微鏡及び目視で文字のシャ
ープさや文字より発生するヒゲ状の滲みの度合いを評価
した。 ◎:文字がシャープでヒゲ状の滲みがない。 ○:文字がシャープであるが、ヒゲ状の滲みが少し発
生。 △:文字にシャープさがない。又は、ヒゲ状の滲みが少
し多い。 ×:文字にシャープさがなく、ヒゲ状の滲みも多い。 印字品位の評価(B) プリンターで市販の中性紙に英数文字を印字し、印字物
を1時間以上放置した後、顕微鏡及び目視で文字のシャ
ープさや文字より発生するヒゲ状の滲みの度合いを評価
した。 ◎:文字がシャープでヒゲ状の滲みがない。 ○:文字がシャープであるが、ヒゲ状の滲みが少し発
生。 △:文字にシャープさがない。又は、ヒゲ状の滲みが多
い。 ×:文字にシャープさがなく、ヒゲ状の滲みも多い。
インクの付与領域間での境界滲みの発生 実施例4、実施例5及び実施例6のインクを組み合わせ
て実施例9のインクとし、インクジェットカラープリン
ターBJC800(商品名;キヤノン(株)製)で異な
った色調のインクの付与領域間での境界滲みの評価を行
った。又、比較例1、比較例4及び比較例5のインクを
組み合わせて比較例9のインクとしての同様の評価を行
った。基準は、以下の通りにした。 ○:異なった色調のインクの付与領域間での境界がシャ
ープであり、境界滲みが見られない。 ×:異なった色調のインクの付与領域間での境界がぼや
け、境界滲みが見られる。
ス等で使用されている酸性紙及び中性紙等の、いわゆる
普通紙に対して印字記録をした場合、印字記録物の印字
品位等に悪影響を与えることなく良好にし、印字記録物
の耐水性を向上させ得るインクを提供することが出来
る。更に、本発明によれば、長期間の保存後も安定性が
良好であり、インクジェット記録システムに用いても何
ら問題のない信頼性の高い記録を行い得るインクを提供
することが出来る。
である。
である。
観斜視図である。
ある。
ある。
関係を示す図である。
Claims (25)
- 【請求項1】 少なくとも色材とこれを溶解又は分散す
る液媒体とを含有するインクにおいて、pHが4〜10
の範囲内に粘度の最大ピークを有することを特徴とする
インク。 - 【請求項2】 pHが4〜10の範囲において溶解性の
最小ピークを有する化合物を含有する請求項1に記載の
インク。 - 【請求項3】 pHが4〜10の範囲において、溶解性
の最小ピークを有する化合物が、第2級アミン、第2級
アミンの誘導体、第3級アミン、第3級アミンの誘導体
及び夫々の複合物からなる化合物から選ばれる少なくと
も1種の化合物であって、且つ該化合物がアルキル基、
カルボキシル基、カルボキシル基の塩、スルホン基及び
スルホン基の塩からなる群から選ばれる少なくとも1種
の基を有する化合物である請求項2に記載のインク。 - 【請求項4】 pHが4〜10の範囲において溶解性の
最小ピークを有する化合物が、下記一般式(I)で示さ
れる化合物である請求項3に記載のインク。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜48のアルキル基又は水素原
子を表し、R2は(CH2)a−X1又は水素原子を表し、
aは1〜4の整数とする。R3は(CH2)b−X2又はR4
−Y又は水素原子を表し、bは1〜4の整数とする。R
4は炭素数1〜48のアルキル基又は水素原子を表す。
Zは(NR5ClH2l)c(NHCnH2n)dを表し、l
(エル)及びnは2〜4の整数、c+dは0〜50の整
数とする。Yは(NR6CmH2m)e(NHCpH2p)fを
表し、m及びpは2〜4の整数、e+fは0〜50の整
数とする。R5は(CH2)g−X3を表し、gは1〜4の
整数とする。R6は(CH2)h−X4を表し、hは1〜4
の整数とする。X1 、X2 、X3及びX4は、夫々、カル
ボキシル基、カルボキシル基の塩、スルホン基、スルホ
ン基の塩又は水素原子からなる郡から選ばれる。又、R
2及びR3が夫々水素原子である時、c及びeが共に0に
なることはなく、又、X1、X2、X3及びX4が全て水素
原子になることもない。) - 【請求項5】 一般式(I)の化合物のX1、X2、X3
及びX4が夫々カルボキシル基の塩、スルホン基の塩又
は水素原子からなる郡から選ばれる請求項4に記載のイ
ンク。 - 【請求項6】 一般式(I)の化合物のR1及びR4が夫
々炭素数1〜32のアルキル基、c+d及びe+fが夫
々0〜16の整数、a、b、g及びhが夫々1〜2の整
数である請求項4に記載のインク。 - 【請求項7】 色材が直接性のある染料である請求項1
に記載のインク。 - 【請求項8】 色材がスルホン基を有する染料である請
求項7に記載のインク。 - 【請求項9】 色材が2価の有機連結基を除いた部分で
窒素原子を有する染料である請求項7に記載のインク。 - 【請求項10】 粘度の最大ピークを示すpHよりもア
ルカリ側に調整してなる請求項1に記載のインク。 - 【請求項11】 インク滴を記録信号に応じてオリフィ
スから吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット
記録方法において、上記インクが請求項1に記載のイン
クであることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 【請求項12】 インクに熱エネルギーを作用させてイ
ンク滴を吐出させる請求項11に記載のインクジェット
記録方法。 - 【請求項13】 インクを収容したインク収容部、該イ
ンクをインク滴として吐出させる為のヘッド部を備えた
記録ユニットにおいて、前記インクが請求項1に記載の
インクであることを特徴とする記録ユニット。 - 【請求項14】 ヘッド部が、インクに熱エネルギーを
作用させてインク滴を吐出させるヘッドである請求項1
3に記載の記録ユニット。 - 【請求項15】 インク収容部が、内部にインク吸収体
を含有している請求項11に記載の記録ユニット。 - 【請求項16】 インク収容部が、ポリウレタン又はセ
ルロース又はポリビニルアセテートで形成されている請
求項13に記載の記録ユニット。 - 【請求項17】 インクを収容したインク収容部を備え
たインクカートリッジにおいて、前記インクが請求項1
に記載のインクであることを特徴とするインクカートリ
ッジ。 - 【請求項18】 インク収容部がポリオレフィンで形成
された接液面を有する請求項17に記載のインクカート
リッジ。 - 【請求項19】 インクを収容したインク収容部と、該
インクをインク滴として吐出させる為のヘッド部を有す
る記録ユニットを備えたインクジェット記録装置におい
て、前記インクが請求項1に記載のインクであることを
特徴とするインクジェット記録装置。 - 【請求項20】 ヘッド部が、インクに熱エネルギーを
作用させてインク滴を吐出させるヘッドである請求項1
9に記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項21】 インク収容部が、内部にインク吸収体
を含有している請求項19に記載のインクジェット記録
装置。 - 【請求項22】 インク収容部が、ポリウレタン又はセ
ルロース又はポリビニルアセテートで形成されている請
求項19に記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項23】 インク滴を吐出する為の記録ヘッド、
インクを収容したインク収容部を有するインクカートリ
ッジ及び該インクカートリッジから記録ヘッドにインク
を供給する為のインク供給部を備えたインクジェット記
録装置において、前記インクが請求項1に記載のインク
であることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 【請求項24】 記録ヘッドが、インクに熱エネルギー
を作用させてインク滴を吐出させるヘッドである請求項
23に記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項25】 インク収容部がポリオレフィンで形成
された接液面を有する請求項23に記載のインクジェッ
ト記録装置。
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