JP3009064B2 - インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器 - Google Patents

インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器

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JP3009064B2
JP3009064B2 JP3501091A JP3501091A JP3009064B2 JP 3009064 B2 JP3009064 B2 JP 3009064B2 JP 3501091 A JP3501091 A JP 3501091A JP 3501091 A JP3501091 A JP 3501091A JP 3009064 B2 JP3009064 B2 JP 3009064B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク、これを用いた
インクジェット記録方法、かかるインクを用いた機器に
関し、更に詳しくはインクジェット用に特別に調整され
た塗工紙は勿論、一般にオフィスや家庭で使用されてい
るコピー用紙、レポート用紙、ノート、便箋、ボンド
紙、連続伝票用紙等の非塗工紙、所謂普通紙に対しても
高精細且つ高画質記録が可能なインク、これを用いたイ
ンクジェット記録方法、かかるインクを用いた機器に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来からインクジェット用インクについ
ては、実に様々な組成のものが報告されている。中でも
近年はオフィスで一般に使用されているコピー用紙、レ
ポート用紙、ノート、便箋、ボンド紙、連続伝票用紙等
の普通紙に対しても良好な記録を行うことが出来る様
に、インクの組成及び物性等の多様な面から詳細な研究
開発が為されている。例えば、一般にインク中には乾燥
防止、目詰り防止等の目的でグリコール等の高沸点有機
溶剤が含有されているが、この様なインクを用いてサイ
ズ度の高い普通紙に記録を行った場合には、紙内部へイ
ンクが浸透しにくく、且つ記録部の乾燥性が悪い為、記
録物を手で触れるとインクが手についたり、文字が擦れ
て汚れたりする等の定着性の問題があった。
【0003】これに対して、紙内部へのインクの浸透性
を高める為に、特開昭55−29546号公報にはイン
ク中に多量の界面活性剤を添加する方法が提案されてい
る。しかし、この場合には紙の種類によっては滲みが非
常に多く発生したり、インクをインクジェット用ヘッド
に充填した場合に、ヘッドの構造条件によってはインク
がオリフィス面より後退して吐出が行われなかったり、
逆にオリフィス面全体が濡れてインクが吐出しない等の
トラブルが見られた。更に、特開昭56−57862号
公報にはインクのpHを強アルカリ性にする方法が提案
されているが、この場合はインクに手を触れた場合に危
険であり、又、ある種のサイズ剤を用いた紙、例えば、
中性紙等に対しては滲み、乾燥性の点で共に良好でない
場合がある等の欠点がある。上記以外にも種々の改良が
試みられているが、前記の滲みと乾燥性及びインクの安
全性の問題、更には目詰り性の問題を全て十分に解決す
るというインクは、今迄のところ知られていないのが現
状である。
【0004】
【発明が解決しようとしている問題点】そこで本発明の
目的は、オフィス等で一般に使用されているコピー用
紙、レポート用紙、ノート、便箋、ボンド紙、連続伝票
用紙等の非塗工紙、所謂普通紙に記録した場合のインク
の滲み及び記録物の遅乾性の問題を解決し、印字品位に
優れたインク、これを用いたインクジェット記録方法及
びかかるインクを用いた機器を提供することにある。
又、本発明の別の目的はオフィスや家庭における使用に
おいても安全性の高いインク、これを用いたインクジェ
ット記録方法及びかかるインクを用いた機器を提供する
ことにある。更に本発明の他の目的は、インクジェット
用ヘッドのノズルにおける目詰りを起こしにくい、信頼
性にも優れたインク、これを用いたインクジェット記録
方法及びかかるインクを用いた機器を提供することにあ
る。
【0005】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、記録剤及びこれ
を溶解又は分散する液媒体を含むインクにおいて、下記
一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴と
するインク、これを用いたインクジェット記録方法及び
かかるインクを用いた機器である。
【化2】 (但し式中のR1及びR2は夫々独立して水素原子、炭素
数10以下のアルキル基又はアルコキシ基、スルホン酸
基又はその塩、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基及び
アミノ基又はNHCOCH 3 からなる群から選ばれ、且
つR1及びR2が同時に水素原子であることはない。)
【0006】
【作用】本発明者等は、普通紙上におけるインクの滲
み、乾燥性及び浸透性を改善する為に、様々なインク組
成について鋭意検討の結果、上記一般式(I)で表され
る化合物を含むインクが滲みと浸透性の点でバランスの
とれたものであり、更に目詰り防止性においても悪影響
がなく、且つ安全性の点でも問題の無い信頼性の高いも
のであることを知見し、本発明に至ったものである。即
ち、本発明者等の研究によれば、普通紙上でのインクの
滲み及び浸透性に関しては、通常のインクに使用されて
いる様な界面活性剤を用いた場合には、紙の種類によっ
て良好な場合とそうでない場合が混在し、安定した記録
が得られにくいのに対して、本発明で使用する上記一般
式(I)で表される化合物を用いた場合には、紙の種類
による良否の差が少ない安定した記録が得られるという
極めて良好な結果を得ることが出来る。
【0007】この理由としては、インクの滲みと浸透性
は主としてインク液滴と紙との界面での濡れの現象によ
って大きく支配されるが、界面活性剤を用いた場合に
は、紙に付着したインク液滴の表面部分と内部部分で濡
れに対する性質が異なってしまう為良好な結果が得られ
ないのに対し、本発明のインクの場合、その様なことが
生じにくいこと、更には、本発明のインクは、紙の表面
又は内部に添加されるサイズ剤とインクとの親和性が、
普通紙に対応し得るインクとして、絶妙なバランス関係
にある為と思われる。
【0008】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明で使用し主として本
発明を特徴づける前記一般式(I)で表わされる化合物
は、ベンジルアルコールの誘導体であり、いずれも従来
公知の方法で得られるものである。前記一般式(I)で
表せる化合物の好ましい具体例を上記一般式(I)にお
けるR1及びR2で表せば以下の通りであるが、本発明は
これらの具体例に限定されるものではない。尚、次表に
示すR1及びR2については、R1が水酸基に対してパラ
位に、R2がオルソ位に位置するものとする。
【0009】
【0010】本発明に使用される前記一般式(I)で表
される化合物は、R1及びR2の選択において、本発明者
等が鋭意研究した結果導かれたものである。例えば、炭
素数11以上のアルキル基やアルコキシ基をR1又はR2
として導入した場合は、紙上での浸透性は良好であるも
のの、滲みの点で問題が生じる等、前記一般式(I)の
化合物に比し諸性能が著しく劣るものであった。前記一
般式(I)で表される化合物のインクへの添加量は、使
用する色素や併用する他の液媒体成分等によっても異る
が、インク中で0.01〜30重量%程度、好適には
0.1〜10重量%、より好適には0.2〜5重量%を
占める割合である。
【0011】本発明のインクは、記録剤と共に上記一般
式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする
が、その他従来公知のインクに使用されている水及び一
般的な有機溶剤も併用出来、例えば、有機溶剤として
は、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、sec −ブチルアルコール、tert−ブ
チルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンタノ
ール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;
アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトア
ルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又は
オキシプロピレン付加重合体;エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレ
ングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキ
シレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原
子を含むアルキレングリコール類;チオジグリコール;
グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチ
ル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又は
エチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル
(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アル
キルエーテル類;トリエチレングリコールジメチル(又
はエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチ
ル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジ
アルキルエーテル類;スルホラン、N−メチル−2−
ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
等が挙げられる。上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般
にはインクの全重量に対して重量%で2%〜50%、好
ましくは2%〜30%の範囲である。上記の如き媒体は
単独でも混合物としても使用出来るが、最も好ましい液
媒体組成は、水と1種以上の有機溶媒からなり、該溶剤
が少なくとも1種以上の水溶性高沸点有機溶剤、例え
ば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
グリセリン等の多価アルコールを含有するものである。
【0012】本発明のインクを構成する記録剤として
は、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応
染料、分散染料、建染染料、可溶性建築染料、反応分散
染料、油性染料、各種顔料が挙げられるが、中でも水溶
性の染料はインクの性能上特に好ましいものである。こ
れら記録剤の含有量は液媒体成分の種類、インクに要求
される特性等に依存して決定されるが、一般的にはイン
ク全量中で重量%で約0.2〜20%、好ましくは0.
5〜10%、より好ましくは1〜5%を占める割合であ
る。本発明のインクの主成分は上記の通りであるが、そ
の他各種の分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、表面張力
調整剤、蛍光増白剤等を本発明の目的の達成を妨げない
範囲において必要に応じて添加することが出来る。
【0013】例えば、ポリビニルアルコール、セルロー
ス類、水溶性樹脂等の粘度調整剤;カチオン、アニオン
或いはノニオン系の各種界面活性剤、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等の表面張力調整剤;緩衝液
によるpH調整剤;防カビ剤等を挙げることが出来る。
又、インクを帯電するタイプのインクジェット記録方法
に使用されるインクを調合する為には、塩化リチウム、
塩化アンモニウム、塩化ナトリウム等の無機塩類等の比
抵抗調整剤が添加される。尚、本発明のインクは、熱エ
ネルギーによるインクの発泡現象によりインクを吐出さ
せるタイプのインクジェット記録方法に適用する場合に
特に好適であり、吐出が極めて安定となり、サテライト
ドットの発生等が生じないという特徴がある。但しこの
場合には、熱的な物性値(例えば、比熱、熱膨張係数、
熱伝導率等)を調整する場合もある。
【0014】更に、本発明のインクは普通紙等に記録し
た場合のインクの滲み及び記録物の乾燥性、浸透性の問
題を解決すると同時に、インクジェット用ヘッドに対す
るマッチングを良好にする面から、インク自体の物性と
して25℃における表面張力が30〜68dyne/c
m、粘度が15cP以下、好ましくは10cP以下、よ
り好ましくは5cP以下に調整されることが望ましい。
従って、上記物性にインクを調整し、普通紙における問
題を解決する為には、本発明のインク中に含有される水
分量としては50重量%以上98重量%以下、好ましく
は60重量%以上95重量%以下、更に好ましくは75
重量%以上95重量%以下とされるのが好適である。
【0015】本発明のインクは、熱エネルギーの作用に
より液滴を吐出させて記録を行なうインクジェット記録
方法にとりわけ好適に用いられるが、一般の筆記具用と
しても使用出来ることはいうまでもない。本発明のイン
クを用いて記録を行うのに好適な方法及び装置として
は、記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱
エネルギーを与え、該熱エネルギーにより液滴を発生さ
せる方法及び装置が挙げられる。
【0016】その装置の主要部であるヘッド構成例を図
1、図2及び図3に示す。ヘッド13はインクを通す溝
14を有するガラス、セラミックス又はプラスチック板
等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘ
ッドが示されているが、これに限定されるものではな
い)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリ
コン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17
−1、17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層
18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性の良い基板20
よりなっている。インク21は吐出オリフィス(微細
孔)22まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を
形成している。今、電極17−1、17−2に電気信号
が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激
に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生
し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が
吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり、被記
録材25に向かって飛翔する。図3には図1に示すヘッ
ドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチ
ヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に
説明したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作さ
れている。尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド13
の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面であ
る。
【0017】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の1例を示す。図4において、61は
ワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブ
レード保持部材によって保持されて固定端となり、カン
チレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによ
る記録領域に隣接した位置に配設され、又、本例の場
合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持され
る。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホ
ームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂
直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを
行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接して
設けられる吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘ
ッドの移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブ
レード61、キャップ62、吸収体63によって吐出回
復部64が構成され、ブレード61及び吸収体63によ
ってインク吐出口面に水分、塵埃等の除去が行われる。
【0018】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐
出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を
搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジで
ある。キャリッジ66はガイド軸67と慴動可能に係合
し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動さ
れるベルト69と接続(不図示)している。これにより
キャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能とな
り、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領
域の移動が可能となる。51は被記録材を挿入する為の
給紙部、52は不図示のモータにより駆動される紙送り
ローラである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出
口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行
するにつれて排紙ローラ53を配した排紙部へ排紙され
る。
【0019】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接
してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出する様に移動する。記録ヘッド6
5がホームポジションから記録開始位置へ移動する場
合、キャップ62及びブレード61は上述したワイピン
グ時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動に
おいても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされ
る。上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、
記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記
録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域
に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴っ
て上記ワイピングが行われる。
【0020】図5は、ヘッドにインク供給部材、例えば
チューブを介して供給されるインクを収容したインクカ
ートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用
インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であ
り、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。こ
の栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク
袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44
は廃インクを受容する吸収体である。インク収容部とし
ては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエ
チレンで形成されているものが本発明にとって好まし
い。本発明で使用されるインクジェット記録装置として
は、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体と
なったものに限らず、図6に示す如きそれらが一体にな
ったものにも好適に用いられる。
【0021】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。イン
ク吸収体の材料としては、ポリウレタンを用いることが
本発明にとって好ましい。72は記録ユニット内部を大
気に連通させる為の大気連通口である。この記録ユニッ
ト70は、図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるも
のであって、キャリッジ66に対し着脱自在になってい
る。
【0022】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部及び%とあるのは特に
断りのない限り重量基準である。実施例1〜5 下記の成分を混合して5時間撹拌後、水酸化ナトリウム
の0.1%水溶液にてpH を7.5に調節し、更にポ
アサイズが0.22μmのメンブランフィルター(商品
名 フロロポアフィルター、住友電工製)にて加圧瀘過
し、本発明のインクA〜Eを得た。次に、得られたイン
クA〜Eを用いて、インクジェット記録装置として、発
熱素子をインクの吐出エネルギー源として利用したイン
クジェットプリンターBJ−130(商品名:キヤノン
製)を使用し、市販のコピー用紙及びボンド紙に記録を
行い、得られた記録物の定着性及び滲みの発生率、プリ
ント一時停止後の再プリント時の目詰り性、周波数応答
性を評価した。この結果を表1に示す。
【0023】インクA C.I.ダイレクトイエロー86 2部 ジエチレングリコール 15部 一般式(I)の化合物例1 1.2部 水 81.8部インクB C.I.アシッドレッド35 2部 グリセリン 10部 一般式(I)の化合物例6 1.8部 エチレングリコール 5.5部 水 80.7部インクC C.I.フードブラック2 3部 トリエチレングリコール 10部 N−メチル−2−ピロリドン 2部 一般式(I)の化合物例2 1.2部 水 83.8部インクD C.I.ダイレクトブルー199 2.5部 ポリエチレングリコール(分子量300) 5部 ジエチレングリコール 10部 トリエチレングリコールモノメチルエーテル 2部 トリエタノールアミン 0.5部 一般式(I)の化合物例14 3.5部 水 76.5部インクE C.I.ダイレクトブラック154 2部 チオジグリコール 6部 ジエチレングリコール 9部 一般式(I)の化合物例9 1.2部 水 81.8部
【0024】比較例1〜4 下記成分を夫々用いて、実施例1〜5と同様の方法で、
比較例1〜4のインクF〜Iを得て、実施例と同様に各
種評価を行った。その結果を表1示す。インクF C.I.ダイレクトイエロー86 2部 ジエチレングリコール 15部 水 83部インクG C.I.フードブラック2 3部 ジエチレングリコール 10部 トリエチレングリコール 10部 ノニオン系界面活性剤(商品名 ニッサンノニオンP223、日本油脂製) 0.5部 水 76.5部インクH C.I.アシッドレッド35 2部 グリセリン 10部 一般式(Ι)の化合物(R1=C1123、R2=H) 1.8部 エチレングリコール 5.5部 水 80.7部インクI C.I.フードブラック2 3部 トリエチレングリコール 10部 N−メチル−2−ピロリドン 2部 エタノール 1部 水 84部
【0025】
【0026】 *1 定着性評価 市販のコピー用紙及びボンド紙に印字して10秒後及び
30秒後に印字部を濾紙(商品名:No.5C、東洋濾
紙製)にて擦り、以下の様に評価した(25℃、60%
RHの環境条件下にて評価)。 ◎…10秒でカスレ 無し ○…10秒でカスレ 小 △…30秒でカスレ 小 ×…30秒でカスレ 大 *2 滲み発生率 滲みの発生率については、市販のコピー用紙及びボンド
紙にプリンターで300ドットを不連続になる様に印字
した後、1時間以上放置し、その後顕微鏡で滲みを発生
したドットの数を数え、全ドット数に対する割合を%で
表示し下記の様に評価した(25℃、60%RHの環境
条件下にて印字)。○…10%以下 △…11〜30% ×…31%以上
【0027】 *3 目詰り性 目詰り性とは、プリント一時停止後の再プリント時の目
詰り性をいい、プリンターに所定のインクを充填して1
0分間連続して英数文字を印字した後、プリントを停止
し、キャップ等をしない状態で10分間放置した後、再
び英数文字を印字した場合の文字のカスレ、欠け等の不
良箇所の有無により評価した(25℃、60%RHの環
境条件下にて評価)。 ○…一文字目から不良箇所無し。 △…一文字目の一部がカスレ又は欠ける。 ×…一文字目が全く印字出来ない。 *4 周波数応答性 得られた印字物の印字状態、即ちカスレや白抜け状態及
びスプラッシュやヨレ等の着弾点不良状態を肉眼で観察
し、評価した。 ◎…周波数に対するインクの追従状態は良好であり、ベ
タ印字キャラクタ印字共にカスレや白抜け、着弾点不良
がみられなかった。 ○…周波数に対するインクの追従状態はほぼ良好であ
り、キャラクタ印字ではカスレや白抜け、着弾点不良が
みられないが、ベタ印字において僅かにカスレがみられ
る。 △…キャラクタ印字ではカスレや白抜けはみられないが
一部着弾点不良がみられる。又、ベタ印字ではカスレ、
白抜けがベタ印字全体の1/3程度みられる。 ×…ベタ印字においてカスレ、白抜けが多く、又、キャ
ラクタ印字においてもカスレや着弾点不良がたくさんみ
られる。
【0028】
【発明の効果】以上説明した様に本発明のインクによれ
ば、一般にオフィス等で使用されているコピー用紙、レ
ポート用紙、ノート、便箋ボンド紙、連続伝票用紙等の
普通紙に対しても滲みがなく品位の優れた、且つ定着性
の良好な記録が可能となる。又、本発明によれば、オフ
ィスや家庭における使用においても安全性の高いインク
を得ることが出来る。更に、本発明のインクによれば、
インクジェット用ヘッドのノズルにおける目詰りの発生
しない信頼性の高い記録を行うことが出来、特に熱エネ
ルギーによるインクの発泡現象によってインクを吐出さ
せるタイプの記録においては周波数に対する応答性が格
段に良好となる。又、本発明のインクを用いることによ
り、信頼性の高い機器を提供することが可能である。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面
図。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面
図。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。
【図5】インクカートリッジの縦断面図。
【図6】記録ユニットの斜視図。
【符号の説明】
61:ワイピング部材 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−152680(JP,A) 特開 昭62−256880(JP,A) 特開 平3−255172(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録剤及びこれを溶解又は分散する液媒
    体を含むインクにおいて、下記一般式(I)で表される
    化合物を含有することを特徴とするインク。 【化1】 (但し式中のR1及びR2は夫々独立して水素原子、炭素
    数10以下のアルキル基又はアルコキシ基、スルホン酸
    基又はその塩、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基及び
    アミノ基又はNHCOCH 3 からなる群から選ばれ、且
    つR1及びR2が同時に水素原子であることはない。)
  2. 【請求項2】 インク滴を記録信号に応じてオリフイス
    から吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記
    録方法において、上記インクが請求項1に記載のインク
    であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】 被記録材が非塗工紙である請求項2に記
    載のインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 インクに熱エネルギーを作用させてイン
    ク滴を吐出させる請求項2に記載のインクジェット記録
    方法。
  5. 【請求項5】 インクを収容したインク収容部、該イン
    クをインク滴として吐出させる為のヘッド部を備えた記
    録ユニットにおいて、前記インクが請求項1に記載のイ
    ンクであることを特徴とする記録ユニット。
  6. 【請求項6】 ヘッド部が、インクに熱エネルギーを作
    用させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求項5に
    記載の記録ユニット。
  7. 【請求項7】 インクを収容したインク収容部を備えた
    インクカートリッジにおいて、前記インクが請求項1に
    記載のインクであることを特徴とするインクカートリッ
    ジ。
  8. 【請求項8】 インクを収容したインク収容部と、該イ
    ンクをインク滴として吐出させる為のヘッド部を有する
    記録ユニットを備えたインクジェット記録装置におい
    て、前記インクが請求項1に記載のインクであることを
    特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 ヘッド部が、インクに熱エネルギーを作
    用させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求項8に
    記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 インク滴を吐出する為の記録ヘッド、
    インクを収容したインク収容部を有するインクカートリ
    ッジ及び該インクカートリッジから記録ヘッドにインク
    を供給する為のインク供給部を備えたインクジェット記
    録装置において、前記インクが請求項1に記載のインク
    であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 記録ヘッドが、インクに熱エネルギー
    を作用させてインク滴を吐出させるヘッドである請求項
    10に記載のインクジェット記録装置。
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