JPH06122863A - 経時間表示剤組成物 - Google Patents

経時間表示剤組成物

Info

Publication number
JPH06122863A
JPH06122863A JP29915892A JP29915892A JPH06122863A JP H06122863 A JPH06122863 A JP H06122863A JP 29915892 A JP29915892 A JP 29915892A JP 29915892 A JP29915892 A JP 29915892A JP H06122863 A JPH06122863 A JP H06122863A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
organic compound
compound
developer
electron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29915892A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsue Ito
達栄 伊藤
Michiyo Tsutsumi
みちよ 堤
Hiroyuki Segawa
裕之 瀬川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Earth Corp
Original Assignee
Earth Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Earth Chemical Co Ltd filed Critical Earth Chemical Co Ltd
Priority to JP29915892A priority Critical patent/JPH06122863A/ja
Publication of JPH06122863A publication Critical patent/JPH06122863A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有色、あるいは発色性有機化合物などの色調
変化を利用した経時間表示剤組成物において、その色調
変化を与える反応が環境条件により影響を受けることが
なく、またその色調変化が時間の経過に良く関連して、
製品の有効期間に正しく対応するようにする。 【構成】 顕色剤、電子供与性呈色性有機化合物及び減
感剤からなる経時間表示剤組成物。特に、減感剤として
グリコールモノエーテル類を用いたもの、あるいは、顕
色剤として塩化ビニリデン系高分子化合物を用いたも
の。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色調変化を利用した経
時間表示剤組成物に関し、さらに詳しくは色素を用い、
その色調変化によって特に殺虫剤、殺ダニ剤、忌避剤、
防虫剤、芳香剤、防菌防黴剤、消臭剤、脱臭剤、化粧
品、医薬品等の有効期間の限られた製品の有効期間を目
視判別するための経時間表示剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より色調変化を有する物質を経時間
表示剤組成物として用いることに各種の検討が加えられ
ている。例えば、水及びアルコール可溶性の塩基又は酸
指示薬と助色剤として水溶性の塩基性又は酸性剤を添加
したインジケーター付きの揮発性防虫シート(特開昭6
0−51101号)、液体が付着している間は乾燥時と
異なる色に変わる表面を有する材料に液体を付着させ、
この液体の揮発により変色する期間表示具(特開昭57
−158682号)、可変色素として塩基指示薬とアル
カリ性物質とを共存させるタイムインジケーター(特開
昭57−104884号)、下地色を呈する油透過性の
基板材とその一部の面に油透過性で低屈折率の地色層か
らなる基材に油性物を含有する表示器(特開昭60−2
24603号)、透明合成樹脂フイルムの片面にあるア
ルミニウム箔面の一部を防食処理面を被覆するように吸
水性素材をのせ、当該吸水性素材の周囲にヒートシール
ラッカーを施した時間経時インジケーター(特開昭61
−176879号)、及び空気中の物質又は他の物質と
反応して蛍光性又は光吸収性を発生又は変化せしめる色
素を用いる積算実効経時表示方法(特開昭62−294
992号)が開示されているが、本発明に関する事項は
何ら示されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
はいずれもその色調変化に複雑な反応機構を用いてお
り、これらの反応が環境条件、例えば温度、光などに重
大な影響を受けることを考えると、その色調の変化が製
品の有効期間と正しく対応せず、本来の目的である有効
期間を示すことができない。しかも、製造、保存にも煩
雑な操作などを必要とし、これがコストの増大にもつな
がり、経済的にも不利であった。さらに一般に特定の大
きさに限定されており、実用時に任意の大きさに切断す
ることも場合によってはできず、その使用形態が限られ
ていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、発色する
顕色剤と電子供与性呈色性有機化合物との組み合わせに
減感剤を添加することからなる組成物において、減感剤
が消失することで変色することを利用して、本発明を完
成した。すなわち、本発明は下記のとおりである。 (1) 顕色剤、電子供与性呈色性有機化合物及び減感
剤の混合物からなることを特徴とする経時間表示剤組成
物。 (2) 前記減感剤がグリコールモノエーテル類である
ことを特徴とする(1)項記載の経時間表示剤組成物。 (3) 前記顕色剤が塩化ビニリデン系高分子化合物で
あることを特徴とする前記(1)項記載の経時間表示剤
組成物。
【0005】以下、本発明を詳しく説明する。本発明に
用いられる顕色剤は、電子供与性呈色性有機化合物との
反応で前記化合物を発色できるものはいずれも用いるこ
とができる。その中、有機化合物としては、例えば2,
2´−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)プロパン、
3,3´−チオジプロピオン酸ジミリスチル、2,2´
−メチレンビス(4−クロルフェノール)、4,4´−
メチレンビス−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、
2,4,6−トリス(3´−5´−ジ−t−ブチル−4
´−ヒドロキシベンジル)メシチレン、4,4´−チオ
ジフェノール、4,4´−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ブチリデンビス−6−t−ブチル−m−
クレゾール、p−フェニルフェノール、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフ
ェニル)ブタン、3,5−ジ−t−ブチルカラコール、
カテコール、p−t−ブチルカテコール、没食子酸メチ
ル、サリチル酸フェニル、サリチルアニリド、サリチル
酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−t−ブチルフ
ェニル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2´,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,2´−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、β−ナ
フトール、p−クレゾール、ハイドロキノン、ブチルヒ
ドロキシアニソール、6−t−ブチル−2,4−キシレ
ノール、p−ヒドロキシベンジルアルコール、o−t−
ブチルフェノール、t−ブチルハイドロキノン、2−t
−ブチル−6−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブ
チルハイドロキノン、p−ヒドロキシ安息香酸プロピ
ル、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン及び1,2,
3−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0006】さらに無機あるいは鉱物粉体としては、例
えばクレー、ケイ石粉、タルク、酸性白土、活性白土、
ベントナイト、カオリン、ゼオライト、ケイソウ土、パ
ーライト、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マ
グネシウム及びシリカゲル、などがあげられ、特にケイ
酸を含むものが好ましいが、これらに限定されるもので
はない。
【0007】そして、顕色剤としては、前記の有機化合
物、無機粉体及び鉱物粉体より選択した1種以上の化合
物を組み合わせて使用できる。また、前記無機あるいは
鉱物粉体を基材に処理するときに、基材への粉体の保持
性を良くするためや、印刷又は塗布時の作業性を良くす
るために、セルロース系、アミド系、アクリル酸系及び
同エステル、酢酸ビニル系及びその共重合体、塩化ビニ
ル系及びその共重合体、ウレタン系、オレフィン系、エ
ステル系、アクリルアミド系並びに塩化ビニリデン系高
分子化合物を併用することができる。特に後述するよう
に、塩化ビニリデン系高分子化合物の1種である「クレ
ハロン」(呉羽化学工業社製)はその高分子化合物自体
も顕色性を有しており、他の高分子化合物に比して有効
である。また無機あるいは鉱物粉体又は塩化ビニリデン
系高分子化合物が基材中にあれば、基材に電子供与性呈
色性有機化合物、グリコールモノエーテル類を保持させ
る事で経時間表示材を作りうる。
【0008】本発明に用いられる電子供与性呈色性有機
化合物は発色性の色素であれば特に限定はない。例えば
マラカイトグリーンラクトン、クリスタルバイオレット
ラクトン、3−ジエチルアミノ−6、5−ジメチルフル
オラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオ
ラン、2−メチル−6−(N−p−トリル−N−エチル
アミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル
−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メ
トキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ベンジル
オキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(N,N−
ジベンジルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−クロロアニリノフルオラン、3−ピロリジノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−8ジエチ
ルアミノ)−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオ
ラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−
γ−(4 −ニトロアニリノ)ラクタム、3−(N−シ
クロヘキシル−N−エチルアミノ)6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、2,3−ブチレン−6−ジ−n−ブ
チルアミノフルオラン、3−ジエチル−7−(p−トル
イジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−
メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メトキシフルオラン、1,2−ベンズ−6−ジエチル
アミノフルオラン、3,6−ジエトキシフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン、
1,2−ベンズ−6−ジエチルアミノフルオラン、N−
フェニルロ−ダミンラクタム、2−〔3,6−ビス(ジ
エチルアミノ)−9−(o−クロロアニリノ)キサンチ
ル〕安息香酸ラクタム、2−(フェニルイミノエタンジ
リデン)−3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロ
ピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ−2,2´
−スピロ−6´−ニトロ−8´−メトキシベンゾピラ
ン、1,3,3−トリメチル−インドリノ−7´−クロ
ル−β−ナフトスピロピラン、ベンゾ−β−ナフトイソ
スピロピラン、キサント−β−ナフトスピロピラン、N
−アセチルオーラミン、N−フェニルオーラミン、ロー
ダミンBラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、
エチルロイコメチレンブルー、メトキシベンゾイルロイ
コメチレンブルー、2−N,N−ジベンジルアミノ−6
−ジエチルアミノフルオラン、6−ジエチルアミノ−ベ
ンゾ〔α〕−フルオラン、1,3−ジメチル−6−ジエ
チルアミノフルオラン、3,6−ビス(ジエチルアミ
ノ)フルオラン、γ−(4´−ニトロ)アニリノラクタ
ム、2−(2−クロロアリニノ)−6−ジブチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エ
チル−N−フルフリルアミノ)フルオラン、N−3,3
−トリメチルインドリノベンゾスピロラン、ジ−β−ナ
フトスピロピラン、メチルロイコメチレンブルーなどが
例示できる。
【0009】そして、電子供与性呈色性有機化合物とし
ては、前記化合物より選ばれた1種以上の化合物を組み
合わせても利用できると同時に、更に他の色素とも併用
することができる。例えば、黄色の色素と6−ジエチル
アミノ−ベンゾ〔α〕−フルオランと併用すれば、最初
黄色で、一定時間経過後は赤味の強い橙色となる。上記
電子供与性呈色性有機化合物の使用量は、前記表示剤組
成物の変色前と変色後の色調の差が鮮明になるように適
宜決定され、経時間表示剤組成物を保持する基材の材
質、性状及び厚みにより異なるが、通常適用基材100
cm2 当たり0.01〜100mg程度の範囲から選択
されるのが望ましい。例えば濾紙(No.2)100c
2 当たりでは1〜5mg程度の使用量が例示できる。
【0010】本発明において減感剤としては、グリコー
ルモノエーテル類が例示でき、特にエチレングリコール
モノエーテル類あるいはプロピレングリコールモノエー
テル類が例示できるが、顕色剤、特に有機化合物、無機
あるいは鉱物粉体及び塩化ビニリデン系高分子化合物の
顕色剤に対し、減感作用を有する物であれば何ら限定は
ない。エチレングリコールモノエーテル類は、一般に次
式(1)で表される。
【0011】式(1) R1 −O−(CH2 CH2 O)n −OH (上記式(1)において、R1 が炭素数1から12まで
のアルキル基、アルケニル基、炭素数6から12までの
フェニル基、ベンジル基を示し、nが1から4までのも
のである。)上記の式の化合物としては、エチレングリ
コールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコール
モノ−iso−ブチルエーテル、エチレングリコールモ
ノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−
2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ
−n−ドデシルエーテル、エチレングリコールモノフェ
ニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノ−iso−プルピルエーテル、ジエチレングリ
コールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノ−iso−ブチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコール
モノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモ
ノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−
ブチルエーテルなどが例示できる。
【0012】さらに、プロピレングリコールモノエーテ
ル類は、一般に次式(2)で表される。 式(2) R2 −(O−CH(CH3 )CH2 m −OH (上記式(2)において、R2 が炭素数1から12まで
のアルキル基、アルケニル基、炭素数6から12までの
フェニル基、ベンジル基を表し、mが1から2までの整
数を表す。)上記の式(2)の化合物としては、例え
ば、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、
プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピ
レングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノ−n−ブチルエーテル等が例示される。
【0013】更に、本発明の減感剤として、ノニルアル
コール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコー
ル、ゲラニオール、シトロネロール等のアルコール類、
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸−n−
プロピル、フタル酸ジ−iso−プロピル、フタル酸ジ
−n−ブチル、フタル酸ジ−iso−ブチル、アジピン
酸ジメチル、アジピン酸ジ−n−ブチル、アジピン酸−
iso−ブチル、セバチン酸ジメチル、セバチン酸ジエ
チル、安息香酸−n−ブチル、安息香酸−n−アミル、
安息香酸−n−ヘキシル、安息香酸ベンジル、安息香酸
−iso−アミル、ラウリン酸−n−ブチル、ラウリン
酸−iso−ブチル、ラウリン酸−n−アミル、ラウリ
ン酸−iso−アミル、カプリン酸−n−アミル、カプ
リン酸−n−ヘプチル、ミリスチン酸メチル、酢酸ゲラ
ニル、トリブチリン等のエステル類、ジペンチルケト
ン、ブチロフェノン等のケトン類、ジヘキシルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテ
ル類も例示できる。
【0014】そして、本発明の減感剤としては、グリコ
ールモノエーテル類及びその他の減感剤からなる化合物
の群より選ばれる1種以上の化合物を組み合わせて使用
することができる。上記減感剤の使用量は、先の電子供
与性呈色性有機化合物に対する作用の強さ、あるいは発
色を抑える期間によって適宜決定され、先の電子供与性
呈色性有機化合物の使用量に合わせて0.01mg〜1
0g/m2 程度の範囲から選択できる。
【0015】更に、前記の減感剤とともに従来から知ら
れている常温で揮散する有機化合物を加えてもよい。こ
のような有機化合物は顕色剤を被覆するためか、電子供
与性呈色性有機化合物の発色反応が生じるのを遅らせよ
うであって、減感作用を有しているので併用することが
有効である。そのような有機化合物としては、常圧にお
いて沸点が120〜400℃のものがよく、例えばN・
N−ジエチル−m−トルアミド等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。そして、これらは1種又
は2種以上を選択して用いることができる。また、併用
するこれらの既知の減感作用をする有機化合物の種類及
び使用量は、適用される製品の有効期間に合わせて適宜
選択すればよい。
【0016】本発明の経時間表示剤組成物には、殺虫活
性、殺ダニ活性、殺菌活性、忌避活性等の有害生物防除
活性を有する化合物を添加することができる。このよう
な化合物の代表例としては、エンペンスリン、フェンフ
ルスリン、ベンフルスリン、テフルスリン、DDVP等
の殺虫剤、N,N−ジエチル−m−トルアミド等の忌避
剤、4−クロロフェニル−3´−ヨードプロパギルフオ
ルマール等の防黴剤、安息香酸ベンジル、サリチル酸フ
ェニル等の殺ダニ剤等を例示できる。これらを使用すれ
ば本発明の経時間表示剤組成物を兼ね備えた所望の防虫
シートや忌避シートが得られる。但し、有害生物防除活
性を有する化合物の使用量は安全性、経済性等から決定
するのが適当である。
【0017】本発明の経時間表示剤組成物を保持する基
材は、特定の材料に限定されるものではなく、従来より
防虫シート、忌避シート等に用いられている各種の材料
と同じものでもよく、通常は紙、不織布、布、木、皮
革、無機繊維あるいは有機繊維シートないし合成樹脂、
金属シート、これらの材料からなる積層シート等を例示
できるが、特に前記の経時間表示剤組成物を吸収し易い
ものが好ましい。そして、これら基材は、本発明に従い
色調変化が目視判断容易な色を有しているものが望まし
く、特に白色が好ましい。更に基材自体が無機あるいは
鉱物粉体からなっておったり、これらを含むものであれ
ば、それらを顕色剤として用いることができる。
【0018】得られた本発明の経時間表示剤組成物を保
持した前記の基材は、そのまま又は使用時に任意の手段
にて切断するか、予め任意の大きさに入れられたミシン
目に従い切断して有効期間を有する薬剤又はそれを保持
する薬材に適用でき、その適用は防虫剤、忌避剤、殺虫
剤、殺ダニ剤、消臭剤、脱臭剤、芳香剤、防菌防バイ
剤、化粧品、医薬品等の使用において有効期間のある製
品の包装材料としてもよく、またシール等として上記製
品に貼りつけたり、製品に添付して適用することができ
る。また、有害生物防除活性を有する化合物を添加した
該経時間表示剤組成物を保持した基材の場合は、該基材
自体を直接必要場所に適用すれば良い。すなわち、有害
生物が衣類用害虫であるイガの場合、タンスに直接防虫
活性を有する該経時間表示材組成物を保持した基材を必
要枚数設置するなどが例示できる。更に本発明の経時間
表示剤組成物は、揮散性を有する常温で液体の有機化合
物の揮散を調節するために、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレンビニルアセテートなどのフィ
ルムで被覆する等の調節手段を適用することができる。
【0019】本発明の経時間表示剤組成物は、例えば前
述の電子供与性呈色性有機化合物及び減感剤の混合物
を、無機あるいは鉱物粉体で文字や模様などを印刷ある
いは塗布された基材に滴下、含浸することにより作製さ
れる。ここに用いられる基材は、前述したとおりの材料
であって、特定の材料に制限されるものではなく、従来
より防虫シート、忌避シート等に用いられている各種の
材料と同じものでよいが、特に前記混合物を吸収し易い
ものが好ましい。そのさい、前記混合物は溶媒に溶解あ
るいは分散して用いる。
【0020】
【作用】本発明の経時間表示剤組成物は、その使用開始
時には基材、あるいは顕色剤に由来する色、つまり実質
的には無色を示しており、経時的にグリコールモノエー
テル類をはじめとする減感剤が揮散して、ある一定の揮
散量に達すると、減感剤による減感作用が弱まり、その
結果顕色剤の顕色作用が強まり、電子供与性呈色性有機
化合物の着色が始まり、更に減感剤の揮散が続けば着色
が濃くなる。即ち前記経時間表示剤組成物に用いる前記
エーテル類の揮散によって一定時間の経過が判別でき
る。その一定の経過時間は用いる減感剤の種類、使用量
に応じて容易に変化調節できる。従って本発明の経時間
表示剤組成物は、これを有効期間のある各種製品に適用
して、その製品の持つ有効期間を正確に目視、判別する
ことができる。そのさい、顕色剤として、無機あるいは
鉱物粉体、及び/又は塩化ビニリデン系高分子化合物を
用いると、顕色作用が強く、大きな発色濃度が得られ、
目視、判別が容易になる。本発明の経時間表示剤組成物
は、従来用いられていた顕色剤のフェノール性水酸基を
有する化合物が存在しない条件下で用いるのがよい。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び試験例を挙げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。以下の実施例に用いる電子供与性呈色性有機化
合物の各略号を示す。 O−DCF 1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノ
フルオラン(商品名:フルオラン系化合物O−DCF、
保土谷化学工業社製) P−DCF 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオ
ラン−γ−(4´−ニトロ)−アニリノラクタム(商品
名:フルオラン系化合物P−DCF、保土谷化学工業社
製) G−DCF 2−N・N−ジベンジルアミノ−6−ジ
エチルアミノフルオラン(商品名:フルオラン系化合物
G−DCF、保土谷化学工業社製) R−DCF 6−ジエチルアミノ−ベンゾ〔α〕−フ
ルオラン(商品名:R−DCF、保土谷化学工業社製) CVL クリスタルバイオレッドラクトン(商品
名:フルオラン系化合物CVL、保土谷化学工業社製) R−L ローダミンBラクタム(商品名:フルオ
ラン系化合物R−L、保土谷化学工業社製) TH−107 2−(2−クロロアニリノ)−6−ジエ
チルアミノフルオラン(商品名:フルオラン系化合物T
H−107、保土谷化学工業社製) CF−51 2−アニリノ−3−メチル−6−(N−
エチル−N−フルフリルアミノ)フルオラン B−63 (商品名:ブルーの63、ヤマモト化学
社製) LMG (ロイコマラカイトグリーン、東洋化成
社製) 実施例1〜10 表1に示す電子供与性呈色性有機化合物(成分A)1m
gとグリコールモノエーテル類(成分B)100mgを
含むアセトン溶液1mlを、顕色剤として無水ケイ酸2
%を含有したアセトン懸濁液で模様が書いてある直径7
cmの濾紙(東洋濾紙社製No.2)に含浸させ、風乾
して本発明の経時間表示剤組成物を保持した経時間表示
材を作成した。これらを40℃の恒温室に吊り下げ、そ
の時間の経過に伴う色調変化を目視により測定した。そ
の測定結果をハッキリと識別できるものを「◎」、容易
に識別できるものを「○」で、表1に示す。なお、この
測定においては、温度を40℃と高くした加速試験によ
るものであるから、実際の常温における発色時間は、表
1の値よりかなり長いものとなる。
【0022】
【表1】
【0023】実施例11〜20 表2に示す電子供与性呈色性有機化合物(成分A)2m
g、減感剤としてグリコールモノエーテル類(成分B)
200mg、顕色剤として塩化ビニリデン樹脂(商品
名:クレハロン)0.4gを含むアセトン溶液2ml
を、直径7cmの濾紙(東洋濾紙社製No.2)に含浸
させ、風乾して本発明の経時間表示剤組成物を保持した
経時間表示材を作成した。これらを40℃の恒温室に吊
り下げ、その時間の経過に伴う色調変化を目視により測
定した。その測定結果をハッキリと識別できるものを
「◎」、容易に識別できるものを「○」で、表2に示
す。
【0024】
【表2】
【0025】実施例21、22 本発明の防虫機能を持った経時間表示材として、表3記
載の組成(mg)を含むアセトン溶液1mlを2×3.
5cm(厚さ2.8mm)のリンターパルプ製のプレー
トに均一に含浸して作製した。このプレート2種類を衣
類を収納している和ダンスの引出に設置し、色調の変化
を観察した。その結果経時間表示材は約5カ月で変色
し、その時防虫活性を有する化合物であるエンペントリ
ンもほぼ揮散していた。
【0026】 表 3 化 合 物 名 経時間表示剤組成物の組成(mg) 実施例21 実施例22 エンペントリン 25 25 クレハロン 65 65 B−63 0.25 0.25 ジエチレングリコール モノヘキシルエーテル 35 ジエチングリコール モノ−2−ヘキシルエーテル 30
【0027】
【発明の効果】本発明では、顕色剤、電子供与性呈色性
有機化合物及び減感剤からなる経時間表示剤組成物を構
成することにより、減感剤の減感作用が経時的に減るこ
とで呈色を変化させるので、時間の経過を充分に目視に
より確認することができる。このため、実用性の高い経
時間表示剤組成物であって、基材に保持することによ
り、経時間表示を必要とする各種薬剤、例えば防虫剤な
どに使用することができる。この組成物は、経過した時
間と呈色との関係が良いので、経過した時間を的確に表
示することができ、このため、製品の有効期間と正しく
対応させることができる。
【0028】特に、本発明では、減感剤としてグリコー
ルモノエーテル類を用いる場合にはり、その減感作用が
大きいため当初顕色剤による電子供与性呈色性有機化合
物の発色がよく抑えられ、時間の経過による前記グリコ
ールモノエーテル類の揮散により前記の発色が生じて、
それによる色の濃度の変化が大きいので、経過した時間
との対応関係が非常によく、経時間表示剤としての作用
が優れている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顕色剤、電子供与性呈色性有機化合物及
    び減感剤の混合物からなることを特徴とする経時間表示
    剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記減感剤がグリコールモノエーテル類
    であることを特徴とする請求項1記載の経時間表示剤組
    成物。
  3. 【請求項3】 前記顕色剤が塩化ビニリデン系高分子化
    合物であることを特徴とする請求項1記載の経時間表示
    剤組成物。
JP29915892A 1992-10-13 1992-10-13 経時間表示剤組成物 Pending JPH06122863A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29915892A JPH06122863A (ja) 1992-10-13 1992-10-13 経時間表示剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29915892A JPH06122863A (ja) 1992-10-13 1992-10-13 経時間表示剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06122863A true JPH06122863A (ja) 1994-05-06

Family

ID=17868885

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29915892A Pending JPH06122863A (ja) 1992-10-13 1992-10-13 経時間表示剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06122863A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002046743A3 (en) * 2000-12-05 2002-11-07 Firmenich & Cie Compositions able to indicate when they become inefficient in use

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002046743A3 (en) * 2000-12-05 2002-11-07 Firmenich & Cie Compositions able to indicate when they become inefficient in use
US7033990B2 (en) 2000-12-05 2006-04-25 Firmenich Sa Compositions able to indicate when they become inefficient in use

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06122863A (ja) 経時間表示剤組成物
JP3901243B2 (ja) 防虫剤及び防虫剤の色調変化調整方法
JP2607361B2 (ja) 薬効指示性組成物及び薬効指示性薬剤保持体
JP2919853B2 (ja) タイムインジケーター
JP3191328B2 (ja) 経時間表示材
US20020110498A1 (en) Compositions able to indicate when they become inefficient in use
US4920091A (en) Recording material
JPS63101301A (ja) 薬剤包装体
JPH08188766A (ja) 経時間表示剤組成物
JPS62179640A (ja) 薬効終点指示方法
JP3718754B2 (ja) 水消去性マーキングペン用インキ組成物
JP2810696B2 (ja) タイムインジケーター
JPH07324003A (ja) 防虫剤用インジケーター
JP3086462B2 (ja) タイムインジケーター
JP2928568B2 (ja) 蒸散方法および蒸散器
JPH0789114B2 (ja) 間接薬効終点指示体
JP2607365B2 (ja) 薬効指示性組成物
KR930021729A (ko) 효능-지시성 수지 조성물
JPS63212364A (ja) 揮散経過の表示体
JP3278986B2 (ja) タイムインジケーター
JPH06116544A (ja) 表示材および表示方法
JPH05281654A (ja) 感光記録体
JPH0688887B2 (ja) 薬効指示性防虫剤
JPH07149042A (ja) 電子供与性呈色有機化合物用顕色剤、経時間表示材、示温材、記録材料および感熱用記録材
JPH06434B2 (ja) 感熱記録体