JPH0612141B2 - 車両用油圧作動式変速機の制御装置 - Google Patents

車両用油圧作動式変速機の制御装置

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JPH0612141B2
JPH0612141B2 JP63124470A JP12447088A JPH0612141B2 JP H0612141 B2 JPH0612141 B2 JP H0612141B2 JP 63124470 A JP63124470 A JP 63124470A JP 12447088 A JP12447088 A JP 12447088A JP H0612141 B2 JPH0612141 B2 JP H0612141B2
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oil passage
oil
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speed
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隆文 酒井
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、各別の油圧係合要素により確立される前進用
の複数の伝動系と、これら前進用伝動系のうちの所定の
伝動系と油圧係合要素を共用する後進伝動系と、該所定
の伝動系を確立する前進側と後進伝動系を確立する後進
側とに切換自在なセレクタギアとを備える車両用油圧作
動式変速機の制御装置に関する。
(従来の技術) 従来、この種変速機の制御装置として、前進レンジと後
進レンジとに切換操作自在なマニアル弁を備える油圧回
路に、セレクタギアを前進側に切換える前進位置とこれ
を後進側に切換える後進位置とに切換自在なサーボ弁を
設け、マニアル弁を前進レンジに切換操作したときは、
該サーボ弁が前進位置に切換えられ、マニアル弁を後進
レンジに切換操作したときは、該後進レンジにおいて油
圧源に接続される第1の油路を介して入力されるライン
圧により該サーボ弁が後進位置に切換えられると共に、
該サーボ弁の後進位置において該第1の油路に接続され
る第2の油路を介して前進用の所定の伝動系と後進伝動
系の共用油圧係合要素に給油され、セレクタギアの後進
側えの切換えと共用油圧係合要素の係合とにより後進伝
動系が確立されるようにしたものは知られている。
又、所定車速以上での前進中はマニアル弁を後進レンジ
に切換えても後進伝動系が確立されないよう、第4図に
示す如く、前記第1の油路aに、該油路を連通する右方
の開位置とこれを遮断する左方の閉位置とに切換自在な
開閉弁bを介設し、該開閉弁bを車速に応じたガバナ圧
により閉位置側に押圧して、マニアル弁の後進レンジへ
の切換時車速が所定値に低下するまでは該開閉弁bが閉
位置に切換保持され、サーボ弁cの右方の後進位置への
切換えが阻止されるようにしたものも知られている(昭
和62年 5月 2日発行の「自動車工学」臨時増刊ニューテ
クノロジィ′86〜′87第257頁参照)。第4図でdは前
記第2の油路を示す。
ところで、この開閉弁bは、これを開位置側に付勢する
ばねb1の付勢力を小さくして、閉位置に切換わる車速を
できるだけ低く設定することが望まれるが、これでは停
車してからマニアル弁を後進レンジに切換えても、開閉
弁bがばねb1の付勢力不足から閉位置に留まって後進伝
動系が確立されなくなることがあり、そこでこのもので
は開閉弁bにこれを開位置側に押圧する第1の油室b2
形成して、マニアル弁を前進レンジに切換えたとき、該
第1の油室b2に該前進レンジにおいて油圧源に接続され
る第3の油路eを介してライン圧が入力されて開閉弁b
が開位置に切換保持され、マニアル弁の後進レンジへの
切換時、該第1の油室b2からの排油が行なわれて、車速
が所定値以上のとき開閉弁bが開位置から閉位置に切換
えられ、所定値以下のときは開位置にそのまま保持され
るようにしている。又、後進中に車速が所定値以上にな
っても開閉弁bが閉位置に切換わることのないよう、開
閉弁bにこれを開位置側に押圧する第2の油室b3を形成
して、該第2の油室b3を第1の油路aの下流側部分に接
続し、開閉弁bを介して該下流側部分に給油されたとき
は、該第2の油室b3に入力される油圧で開閉弁bが開位
置に保持されるようにしている。
(発明が解決しようとする課題) 上記のものでは、低温で油の粘性が高くなると、マニア
ル弁を前進レンジから後進レンジに切換えたとき、第3
の油路eからの排油に多少とも時間がかかり、第1の油
室の残圧により開閉弁bの閉位置への切換えに遅れを生
じ、その間に第1の油路aの下流側部分から第2の油室
b3に多少とも圧油が流入して、この流入油圧により開閉
弁bを開位置側に押圧する力が若干増加し、開閉弁bが
閉位置に切換わる車速、即ち後進伝動系の確立を阻止す
るインヒビタ車速が僅かではあるが上記所定値よりも高
くなってしまう。
本発明は、以上の点に鑑み、油温変化によるインヒビタ
車速のばらつきを生じないようにした装置を提供するこ
とをその目的としている。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成すべく、本発明では、各別の油圧係合要
素により確立される前進用の複数の伝動系と、これら前
進用伝動系のうちの所定の伝動系と油圧係合要素を共用
する後進伝動系と、該所定の伝動系を確立する前進側と
該後進伝動系を確立する後進側とに切換自在なセレクタ
ギアとを備える車両用油圧作動式変速機の油圧回路に、
前進レンジと後進レンジとに切換操作自在なマニアル弁
と、前記セレクタギアを前進側に切換える前進位置とこ
れを後進側に切換える後進位置とに切換自在な前後進切
換用のサーボ弁とを設け、該マニアル弁を前進レンジに
切換操作したときは、該サーボ弁が前進位置に切換えら
れ、該マニアル弁を後進レンジに切換操作したときは、
該後進レンジにおいて油圧源に接続される第1の油路を
介して入力されるライン圧により該サーボ弁が後進位置
に切換えられると共に、該サーボ弁の後進位置において
該第1の油路に接続される第2の油路を介して前記所定
の伝動系と後進伝動系の共用油圧係合要素に給油される
ようにし、更に該第1の油路に、該第1の油路を連通す
る開位置と、これを遮断する閉位置とに切換自在な開閉
弁を介設し、該開閉弁を車速に応じたガバナ圧により閉
位置側に押圧して、前記マニアル弁の後進レンジへの切
換時車速が所定値に低下するまでは該開閉弁が閉位置に
切換保持されるようにすると共に、該開閉弁にこれを開
位置側に押圧する第1の油室を形成し、該マニアル弁を
前進レンジに切換えたとき、該第1の油室に該前進レン
ジにおいて油圧源に接続される第3の油路を介してライ
ン圧が入力されて該開閉弁が開位置に切換保持されるよ
うにしたものにおいて、該開閉弁にこれを開位置側に押
圧する第2の油室を形成して、該第2の油室を前記第2
の油路に接続した。
(作 用) 開閉弁の第2油室に圧油が流入するのは、開閉弁を通過
した油が第1の油路の下流側部分を介してサーボ弁に到
達し、更に該サーボ弁が油圧によって前進位置から後進
位置に移動して、第1の油路から第2の油路に油が供給
されるようになってからであり、マニアル弁の後進レン
ジへの切換後十分に時間を費すため、その間に第1の油
室内の油は譬え低温で油の粘性が高くても完全に排出さ
れ、車速が所定値以上であれば、開閉弁は第2の油室に
圧油が流入する前に確実に閉位置に切換えられ、インヒ
ビタ車速が油温によってばらつくことはない。
尚、車速が所定値以下であれば、開閉弁は開位置に保持
され、サーボ弁が後進位置に切換えられて、第2の油室
にライン圧が入力され、以後車速が所定値以上になって
も開閉弁は開位置に拘束され、マニアル弁を後進レンジ
から他のレンジに切換操作するまで後進伝動系が継続し
て確立される。
(実施例) 第1図を参照して、(1)は前進4段後進1段の変速を行
う変速機を示し、該変速機(1)はエンジン(2)に流体トル
クコンバータ(3)を介して連結される入力軸(1a)と、車
両の駆動輪(4)にデフギア(5)を介して連結される出力軸
(1b)との間に前進用の1速乃至4速の伝動系(G1)(G2)(G
3)(G4)と後進伝動系(GR)とを備え、前進用の各伝動系(G
1)(G2)(G3)(G4)に油圧係合要素たる1速乃至4速の各油
圧クラッチ(C1)(C2)(C3)(C4)を介入して、該各油圧クラ
ッチ(C1)(C2)(C3)(C4)の係合により該各伝動系(G1)(G2)
(G3)(G4)を選択的に確立させるようにし、又後進伝動系
(GR)は、4速伝動系(G4)と入力軸(1a)上の4速油圧クラ
ッチ(C4)を共用するものとし、該両伝動系(G4)(GR)は、
出力軸(1b)上のセレクタギア(6)の図面で左方の前進側
と右方の後進側とへの切換動作で該ギア(6)を該各伝動
系(G4)(GR)のカウンタギア(G4a)(GRa)に噛合させること
により選択的に確立されるようにした。
図面で(7)は1速伝動系(G1)に介入したワンウェイクラ
ッチで、出力軸(1b)側のオーバー回転を許容すべく作動
する。
前記各油圧クラッチ(C1)(C2)(C3)(C4)は、第2図に示す
油圧回路によりその給排油を制御されるもので、これを
詳述するに、該油圧回路は、油圧源(8)と、パーキング
レンジたる「P」、後進レンジたる「R」、ニュートラル
レンジたる「N」、前進レンジたる3つのレンジ、即ち
1速乃至4速の自動変速用レンジたる「D4」、1速乃至
3速の自動変速用レンジたる「D3」、2速保持レンジた
る「2」の計6レンジに切換操作自在なマニアル弁(9)
と、車速とスロットル開度とに応じて切換動作されるシ
フト弁(10)と、前記セレクタギア(6)をこれに係合する
シフトフォーク(6a)を介して連結した前後進切換用のサ
ーボ弁(11)とを備え、マニアル弁(9)の「D4」レンジで
は、油圧源(8)に連なる第1油路(L1)がシフト弁(10)に
連なる第2油路(L2)に接続され、該シフト弁(10)を介し
て2速乃至4速の油圧クラッチ(C2)(C3)(C4)への給油
と、該第2油路(L3)から分岐した第3油路(L3)にオリフ
ィス(12)を介して接続される第4油路(L4)を介して1速
油圧クラッチ(C1)への給油とが行なわれるようにした。
尚、1速油圧クラッチ(C1)が係合していても、2速油圧
クラッチ(C2)への給油で2速伝動系(G2)が確立される
と、ワンウェイクラッチ(7)の働きで1速伝動系(G1)を
介してのトルク伝達は自動的に停止され、1速から2速
にシフトアップされる。
前記シフト弁(10)は、上流側の1速−2速変速用の第1
シフト弁(101)と、これに第5油路(L5)を介して接続さ
れる中間の2速−3速変速用の第2シフト弁(102)と、
これに第6油路(L6)を介して接続される下流側の3速−
4速変速用の第3シフト弁(103)とから成り、該各シフ
ト弁(101)(102)(103)の右端にガバナ弁(13)からの車速
に応じたガバナ圧と、左端に第1スロットル弁(141)か
らのスロットル開度に応じたスロットル圧とを各作用さ
せ、車速の増加によればガバナ圧により先ず第1シフト
弁(101)が右側の1速位置から左側の2速位置に切換動
作されて、第2油路(L2)が第5油路(L5)を介して第2シ
フト弁(102)の流出側の第7油路(L7)に接続され、マニ
アル弁(9)の「D4」レンジで該第7油路(L7)に接続され
る第8油路(L8)を介して2速油圧クラッチ(C2)に油圧源
(8)からの圧油が給油されて1速から2速にシフトアッ
プされ、更に車速が増加すると、第2シフト弁(102)が
右側の2速位置から左側の3速位置に切換動作されて、
第5油路(L5)が第7油路(L7)から第6油路(L6)に切換接
続され、第3シフト弁(103)の流出側の第9油路(L9)を
介して3速油圧クラッチ(C3)への給油と、第7油路(L7)
が第2シフト弁(102)を介して第1排油路(LD1)に接続さ
れて2速油圧クラッチ(C2)からの排油とが行なわれ、2
速から3速にシフトアップされ、更に車速が増加する
と、第3シフト弁(103)が右側の3速位置から左側の4
速位置に切換動作されて、第6油路(L6)が第9油路(L9)
から第10油路(L10)に切換接続され、第10油路(L10)にマ
ニアル弁(9)の「D4」レンジで接続される第11油路(L11)
を介して4速油圧クラッチ(C4)への給油と、第9油路(L
9)が第3シフト弁(103)を介して第2排油路(LD2)に接続
されて3速油圧クラッチ(C3)からの排油とが行われ、3
速から4速にシフトアップされるようにした。
又、減速によれば、第3シフト弁(103)が右側の3速位
置に復帰して、第10油路(L10)が該第3シフト弁(103)を
介して第3排油路(LD3)と、第9油路(L9)が上記の如く
第6油路(L6)とに接続され、4速油圧クラッチ(C4)から
の排油と3速油圧クラッチ(C3)への給油とが行われて4
速から3速にシフトダウンされ、更に車速が減少する
と、第2シフト弁(102)が右側の2速位置に復帰して、
第9油路(L9)が第6油路(L6)と該第2シフト弁(102)と
を介して第4排油路(LD4)と、第7油路(L7)が上記の如
く第5油路(L5)とに接続され、3速油圧クラッチ(C3)か
らの排油と2速油圧クラッチ(C2)への給油とが行われて
3速から2速にシフトダウンされるようにし、かくて第
3図示の如き変速特性を得られるようにした。第3図で
X1、X2、X3は夫々1速→2速、2速→3速、3速→4速
のシフトアップ特性線、Y1、Y2、Y3は夫々2速→1速、
3速→2速、4速→3速のシフトダウン特性線を示す。
図面で(15)は油圧源(8)からの給油圧を一定のライン圧
に調圧するレギュレータ弁、(16)は第1スロットル弁(1
41)の上流側に設けたモジュレータ弁、(A1)(A2)(A3)(A
4)は各油圧クラッチ(C1)(C2)(C3)(C4)の給排油時におけ
る急激な圧変化を緩衝すべく設けたアキュムレータを示
し、2速乃至4速用のアキュムレータ(A2)(A3)(A4)に第
2スロットル弁(142)からのスロットル開度に応じたス
ロットル圧を背圧として作用させ、又第2油路(L2)に該
スロットル圧で右方の開き側に押圧される減圧弁(17)を
介入し、スロットル開度の低開度領域では該第2油路(L
2)の下流側への供給圧を低下させるようにした。尚、該
減圧弁(17)は特開昭59−166750号で公知であり、その詳
細な説明は省略する。
前記1乃至第3排油路(LD1)(LD2)(LD3)には、変速時に
係合側の油圧クラッチの油圧で開き側に押される排油制
御弁(181)(182)(183)を介設し、解放側の油圧クラッチ
の油圧の降圧特性に係合側の油圧クラッチの油圧の上昇
に応じて緩急の差がつけられ、エンジンの吹上りや必要
以上の共噛みによるエンジンストールを生ずることなく
円滑な変速が行なわれるようにした。尚、4速油圧クラ
ッチ(C4)に対応する第3排油路(LD3)に介設する第3排
油制御弁(183)は、4速→3速と4速→2速の何れのシ
フトダウンにも対処し得るように、3速と2速の油圧ク
ラッチ(C3)(C2)の油圧で開き側に押されるようにし、又
該第3排油制御弁(183)と、2速油圧クラッチ(C2)に対
応する第1排油路(LD1)に介設した第1排油制御弁(181)
とを、夫々解放側の4速油圧クラッチ(C4)の油圧と2速
油圧クラッチ(C2)の油圧により閉じ側に押圧されて、解
放側の油圧クラッチの油圧と係合側の油圧クラッチの油
圧との差圧が所定値以下になったとき開かれる公知の差
圧応動型弁の排油制御弁に構成した(特開昭61-82051号
参照)。
又、スロットル開度の低開度領域でのシフトダウンに際
しては、解放側の油圧クラッチの油圧を速やかに降下さ
せた方が円滑な変速が行なわれ、そこで第4排油路(LD
4)に低開度領域で開かれる第4排油制御弁(184)と第3
排油路(LD3)に前記第3排油路制御弁(183)と並列に低開
度領域で開かれる第5排油制御弁(185)とを介入した。
尚、第4第5排油制御弁(184)(185)は夫々第2スロット
ル弁(142)と第1スロットル弁(141)のスロットル連動レ
バー(14a)に応動するプランジャで構成されている。
又、第3シフト弁(103)にガバナ圧を入力する第12油路
(L12)に、特開昭61-233248号で知られているように2速
油圧クラッチ(C2)の油圧で左方の閉じ側に押圧される第
1シフト制御弁(191)を介設し、2速→4速のシフトア
ップ時、2速油圧クラッチ(C2)の油圧が所定値に低下す
るまで第3シフト弁(102)へのガバナ圧の入力を断って
該第3シフト弁(103)を3速位置に保持し、エンジンの
吹上りを生ずることなく2速→4速への円滑なシフトア
ップが行なわれるようにした。
更に、第2シフト弁(102)が3速位置に存するときに該
弁(102)の左側の環状溝(102a)にスロットル圧を入力す
る第13油路(L13)に、スロットル圧により左方の開き側
に押圧される第2シフト制御弁(192)を介設し、スロッ
トル開度の高開度領域では該第2シフト制御弁(192)が
開かれて前記環状溝(102a)にスロットル圧が入力される
ようにし、該環状溝(102a)の右側のランド径を左側のラ
ンド径より若干大きくして、3速位置に存する第2シフ
ト弁(102)に、高開度領域では該環状溝(102a)に入力さ
れるスロットル圧による2速位置側への押圧力が作用さ
れるようにし、2速3速のシフトアップとシフトダウ
ンのヒステリシスを高開度領域においてそれ以下の領域
に比し小さく設定し、比較的高車速域でも4速→2速及
び3速→2速のキックダウンを行ない得られるようにし
て、ドライバビリティを向上させた。
マニアル弁(9)の「D3」レンジでは、上記と同様第1油
路(L1)が第2油路(L2)に接続されるが、ガバナ圧(13)の
出力側の第14油路(L14)と前記第12油路(L12)との連通が
断たれ、第3シフト弁(103)にガバナ圧が入力されなく
なって、該第3シフト弁(103)は3速位置に保持され、
1速乃至3速の自動変速が行なわれる。
ところで、第1シフト弁(101)の流入側には、前記第2
油路(L2)とは別に、該第1シフト弁(101)の1速位置で
第5油路(L5)に連通する第15油路(L15)が設けられてお
り、前記第3油路(L3)に該第15油路(L15)を制御弁(20)
を制御弁(20)を介して接続し、マニアル弁(9)の「N」
レンジから「D4」「D3」レンジへの切換当初、1速油圧
クラッチ(C1)に加え一時的に2速油圧クラッチ(C2)にも
給油するようにした。
これを詳述するに、該制御弁(20)は、第3油路(L3)と第
15油路(L15)とを連通する右方の第1位置(図示の位
置)と、前記オリフィス(12)に並列に設けた第4油路(L
4)の側路(L4a)を第3油路(L3)に連通すると共に、第15
油路(L15)を排給ポート(20a)に連通する左方の第2位置
とに切換自在に構成され、該制御弁(20)の右端の油室(2
0b)に1速油圧クラッチ(C1)の油圧(以下1速圧と記
す)を入力して、1速圧が所定圧に上昇したとき、該制
御弁(20)が左端のばね(20c)に抗して第1位置から第2
位置に切換えられるようにした。
かくて、マニアル弁(9)を「D4」「D3」レンジに切換え
て発進するときは、先ず第3油路(L3)→オリフィス(12)
→第4油路(L4)経路で1速油圧クラッチ(C1)に給油され
ると共に、第3油路(L3)→第15油路(L15)→第5油路(L
5)→第7油路(L7)→第8油路(L8)の経路で2速油圧クラ
ッチ(C2)にも給油され、1速伝動系(G1)に介入したワン
ウェイクラッチ(7)の働きにより2速伝動系(G2)を介し
てトルク伝達が行なわれ、次いで1速圧が所定圧に上昇
すると、制御弁(20)が第1位置から第2位置に切換えら
れて、2速油圧クラッチ(C2)からの排油が行なわれると
共に、側路(L4a)を介して1速油圧クラッチ(C1)への給
油により1速圧が急速に上昇して1速伝動系(G1)を介し
てのトルク伝達が開始され、駆動輪(4)に作用する駆動
トルクが段階的に立上り、マニアル弁(9)の切換時のシ
ョックが低減される。
マニアル弁(9)を「D4」「D3」レンジから他のレンジに
切換えたときは、オリフィス(12)に並列の排油用の一方
向弁(21)を介して1速油圧クラッチ(C1)からの排油が行
なわれ、1速圧の低下により制御弁(20)は第1位置に復
帰する。
マニアル弁(9)の「2」レンジでは、第1油路(L1)と第
2油路(L2)との連通が断たれ、第1油路(L1)に連通する
第16油路(L16)から分岐した分岐路(L16a)に第8油路(L
8)が接続されて、2速油圧クラッチ(C2)のみに給油され
る。
又、マニアル弁(9)の「R」レンジでは、第1油路(L1)に
サーボ弁(11)の左端の第1油室(11a)に連なる第17油路
(L17)が接続され、該第1油室(11a)にライン圧が入力さ
れてサーボ弁(11)が後進位置に押動され、セレクタギア
(6)が後進側に切換わると共に、第17油路(L17)が該油室
(11a)に連なるサーボ弁(11)の軸孔(11b)を介して第18油
路(L18)に接続される。該第18油路(L18)は、マニアル弁
(9)の「R」レンジで4速油圧クラッチ(C4)に連なる第11
油路(L11)に接続されており、かくて4速油圧クラッチ
(C4)への給油とセレクタギア(6)の後進側への切換えと
で後進伝動系(GR)が確立される。
ここで、第17油路(L17)には、該油路(L17)を連通する右
方の開位置(図示の位置)と、該油路(L17)を遮断する
左方の閉位置とに切換自在な開閉弁(22)が介設されてお
り、該開閉弁(22)の右端の油室(22a)に第14油路(L14)を
介してガバナ圧を入力し、マニアル弁(9)の「R」レン
ジへの切換時車速が所定値(例えば15km/時)以上のと
きは、該開閉弁(22)がガバナ圧により左端のばね(22b)
に抗して閉位置に切換えられて、サーボ弁(11)の前記第
1油室(11a)へのライン圧の入力が阻止され、係止部材
(11c)によりサーボ弁(11)が前進位置に保持されて、後
進伝動系(GR)の確立が阻止されるようにした。
又、該開閉弁(22)には、これを開位置側即ち右方に押圧
する第1と第2の1対の油室(22c)(22d)が形成されてお
り、第1の油室(22c)に第16油路(L16)を接続して、マニ
アル弁(9)を前進レンジ(「D4」「D3」「2」)に切換
えたときは、該第1の油室(22c)に第16油路(L16)を介し
てライン圧が入力されて、開閉弁(22)が開位置に切換保
持され、停車後にマニアル弁(9)を前進レンジから
「R」レンジに切換えたときは、開閉弁(22)が開位置に
そのまま留まって、後進伝動系(GR)が確実に確立される
ようにし、又前記第2の油室(22d)を第18油路(L18)を接
続して、後進伝動系(GR)が確立された後は車速が所定値
以上になっても、第18油路(L18)を介して該第2の油室
(22d)に入力されるライン圧により、開閉弁(22)が開位
置に保持されるようにした。
ところで、マニアル弁(9)を前進レンジから「R」レン
ジに切換えると、第1の油室(22c)の油が第16油路(L16)
を介してマニアル弁(9)から排出され、車速が所定値以
上であれば、開閉弁(22)が閉位置に切換わるが、低温時
には油の粘性が高くなって第16油路(L16)からの排油速
度が遅くなり、開閉弁(22)の閉位置への切換えに遅れを
生ずることがある。然し、かかる遅れを生じても、サー
ボ弁(11)が後進位置に切換わって第18油路(L18)から第
2の油室(22d)に油が流入するまでには時間がかかるた
め、第2の油室(22d)に油が流入する前に第1の油室(22
c)の油が完全に排出されて開閉弁(22)は確実に閉位置に
切換えられ、後進伝動系(GR)の確立を阻止するインヒビ
タ車速は、油温の如何にかかわらず上記所定値に一定に
保持される。
又、実施例では、第18油路(L18)の下流端部分に、オリ
フィス(23)と並列に、前記制御弁(20)が左方の第2位置
に存するときに連通する側路(L18a)を設け、マニアル弁
(9)の「D4」「D3」レンジから「R」レンジへの切換え
で該制御弁(20)が第1位置に復帰するまでの間、オリフ
ィス(23)に加え該側路(L18a)を介して給油が行なわれる
ようにした。これによれば、4速油圧クラチ(C4)への給
油量が、該クラッチ(C4)のピストンが動き始めて係合を
開始するまでの期間では多くその後減少され、該クラッ
チ(C4)が迅速且つスムーズに係合されて、後進伝動系(G
R)が迅速且つスムーズに確立される。図中(24)はオリフ
ィス(23)と並列に設けた排油用の一方向弁を示す。
マニアル弁(9)を「R」レンジから「D4」「D3」「2」レ
ンジに切換えたときは、サーボ弁(11)に前記第1油室(1
1a)に対向させて形成した第2油室(11d)に第16油路(L1
6)から分岐した第19油路(L19)を介してライン圧を入力
して、該サーボ弁(11)を前進位置に押動させるが、本実
施例では該第19油路(L19)にサーボ制御弁(25)を介設し
て、該制御弁(25)を1速圧及び2速圧で左方の開位置に
押圧し、マニアル弁(9)の「R」レンジから「D4
「D3」「2」レンジへの切換後、1速圧や2速圧が所定
値に上昇するまでは該制御弁(25)が閉位置(図示の位
置)に保持され、第2油室(11d)へのライン圧の入力が
阻止されてサーボ弁(11)が係止手段(11c)により後進位
置に保持され、1速圧や2速圧が所定値以上になったと
き、該制御弁(25)が左端のばね(25a)に抗して開位置に
切換えられ、第2油室(11d)にライン圧が入力されてサ
ーボ弁(11)が前進位置に切換えられるようにした。かく
て、アクセルペダルを踏込んだ状態でマニアル弁(9)を
「R」レンジから「D4」「D3」「2」レンジに切換えた
場合でもサーボ弁(11)の切換時点では1速圧や2速圧の
所定値への上昇による1速や2速の伝動系(G1)(G2)を介
しての正転方向へのトルク伝達で出力軸(1b)の逆転方向
への回転が制止された状態となり、セレクタギア(6)と
4速伝動系(G4)のカウンタギア(G4a)とが大きな相対回
転を生じない状態で円滑に噛合して、両ギア(6)(G4a)の
噛合部の摩耗が防止される。
ところで、サーボ制御弁(25)が異物のかみ込み等で閉位
置にロックされたり又該制御弁(25)が開位置に切換わっ
てもサーボ弁(11)が後進位置にロックされたりすると、
マニアル弁(9)を「R」レンジから「D4」「D3」「2」レ
ンジに切換えてもセレクタギア(6)は後進側に残り、4
速油圧クラッチ(C4)に給油されると後進伝動系(GR)が確
立されてしまうため、第2シフト弁(102)の左端の油室
(102b)に連なる第20油路(L20)をサーボ制御弁(25)の閉
位置で第19油路(L19)の上流側部分に接続し、更に、サ
ーボ弁(11)の後進位置で前記第2油室(11d)に該弁(11)
の切欠溝(11e)を介して連通する第21油路(L21)を設け
て、サーボ制御弁(25)の開位置で第21油路(L21)と第20
油路(L20)とが接続されるようにし、上記異常を生じた
ときは、第2シフト弁(102)の前記油室(102b)に第20油
路(L20)を介してライン圧が入力されて該第2シフト弁
(102)が右方の2速位置に保持され、4速油圧クラッチ
(C4)への給油が阻止されるようにした。
尚、サーボ制御弁(25)は後進時第17油路(L17)を介して
入力されるライン圧により閉位置に確実に復帰されるよ
うにし、又4速油圧クラッチ(C4)に対応する前記第3排
油路(LD3)に、前記第3排油制御弁(183)と並列に第20油
路(L20)の油圧で右方の開位置に押圧される第6排油制
御弁(186)を介設し、マニアル弁(9)の「R」レンジから
「D4」「D3」「2」レンジへの切換当初、閉位置に存す
るサーボ制御弁(25)と第20油路(L20)とを介して入力さ
れるライン圧により第6排油制御弁(186)を開弁し、4
速油圧クラッチ(C4)の油が早く排出されるようにした。
図中(26)は流体トルクコンバータ(3)にその入力側と出
力側とを機械的に連結すべく設けたクラッチ、(27)は該
クラッチ(26)の制御用の油圧回路を示し、該回路(27)に
は、1対の電磁弁(281)(282)を設けて、該両弁(281)(28
2)を図外の電子制御回路により開閉し、該クラッチ(26)
の作動を制御するようにした。
尚、この油圧回路は、特開昭61-242173号で公知のもの
と特に異らず、その詳細な説明は省略する。
(発明の効果) 以上の如く本発明によるときは、マニアル弁を前進レン
ジから後進レンジに切換えたとき、開閉弁の開位置から
閉位置への切換えに遅れを生じても、車速が所定値以上
であれば、第2の油室に圧油が流入する前に開閉弁は確
実に閉位置に切換えられ、インヒビタ車速を常に一定の
値に保持できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用する変速機の1例の線図、第2図
はその油圧回路図、第3図はその変速特性を示す線図、
第4図は従来技術の開閉弁部分の油圧回路図である。 (G4)……4速伝動系(所定の伝動系) (GR)……後進伝動系 (C4)……4速油圧クラッチ(共用油圧係合要素) (6)……セレクタギア (8)……油圧源 (9)……マニアル弁 (11)……サーボ弁 (22)……開閉弁 (22c)……第1の油室 (22d)……第2の油室 (L16)……第16油路(第3の油路) (L17)……第17油路(第1の油路) (L18)……第18油路(第2の油路)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各別の油圧係合要素により確立される前進
    用の複数の伝動系と、これら前進用伝動系のうちの所定
    の伝動系と油圧係合要素を共用する後進伝動系と、該所
    定の伝動系を確立する前進側と該後進伝動系を確立する
    後進側とに切換自在なセレクタギアとを備える車両用油
    圧作動式変速機の油圧回路に、前進レンジと後進レンジ
    とに切換操作自在なマニアル弁と、前記セレクタギアを
    前進側に切換える前進位置とこれを後進側に切換える後
    進位置とに切換自在な前後進切換用のサーボ弁とを設
    け、該マニアル弁を前進レンジに切換操作したときは、
    該サーボ弁が前進位置に切換えられ、該マニアル弁を後
    進レンジに切換操作したときは、該後進レンジにおいて
    油圧源に接続される第1の油路を介して入力されるライ
    ン圧により該サーボ弁が後進位置に切換えられると共
    に、該サーボ弁の後進位置において該第1の油路に接続
    される第2の油路を介して前記所定の伝動系と後進伝動
    系の共用油圧係合要素に給油されるようにし、更に該第
    1の油路に、該第1の油路を連通する開位置と、これを
    遮断する閉位置とに切換自在な開閉弁を介設し、該開閉
    弁を車速に応じたガバナ圧により閉位置側に押圧して、
    前記マニアル弁の後進レンジへの切換時車速が所定値に
    低下するまでは該開閉弁が閉位置に切換保持されるよう
    にすると共に、該開閉弁にこれを開位置側に押圧する第
    1の油室を形成し、該マニアル弁を前進レンジに切換え
    たとき、該第1の油室に該前進レンジにおいて油圧源に
    接続される第3の油路を介してライン圧が入力されて該
    開閉弁が開位置に切換保持されるようにしたものにおい
    て、該開閉弁にこれを開位置側に押圧する第2の油室を
    形成して、該第2の油室を前記第2の油路に接続したこ
    とを特徴とする車両用油圧作動式変速機の制御装置。
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