JP2681485B2 - 車両用油圧作動式変速機の制御装置 - Google Patents

車両用油圧作動式変速機の制御装置

Info

Publication number
JP2681485B2
JP2681485B2 JP63124471A JP12447188A JP2681485B2 JP 2681485 B2 JP2681485 B2 JP 2681485B2 JP 63124471 A JP63124471 A JP 63124471A JP 12447188 A JP12447188 A JP 12447188A JP 2681485 B2 JP2681485 B2 JP 2681485B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
valve
oil
oil passage
range
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63124471A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01295062A (ja
Inventor
正司 朝付
雅道 加川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP63124471A priority Critical patent/JP2681485B2/ja
Publication of JPH01295062A publication Critical patent/JPH01295062A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2681485B2 publication Critical patent/JP2681485B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、主として自動車に用いられる車両用油圧作
動式変速機の制御装置に関する。
(従来の技術) 従来、特開昭61−84450号公報等に見られるように、
各別の油圧クラッチにより確立される前進用の1速乃至
4速の伝動系と、4速伝動系と4速油圧クラッチを共用
する後進伝動系と、4速伝動系を確立する前進側と後進
伝動系を確立する後進側とに切換自在なセレクタギアと
を備え、且つ1速伝動系に出力側のオーバ回転を許容す
るワンウェイクラッチを介入した車両用油圧作動式変速
機において、低速保持用と自動変速用のレンジを含む前
進レンジと後進レンジとに切換操作自在なマニアル弁を
備える油圧回路に、複数のシフト弁と、セレクタギアを
連結する前後進切換用のサーボ弁とを設け、マニアル弁
を後進レンジに切換操作したとき、該サーボ弁がセレク
タギアを後進側に移動する後進位置に切換えられると共
に4速油圧クラッチに給油されて後進伝動系が確立さ
れ、マニアル弁を前進レンジに切換えたとき、サーボ弁
がセレクタギアを前進側に移動する前進位置に切換えら
れるようにし、自動変速用のレンジにおいて1速油圧ク
ラッチに常時給油すると共に、シフト弁を介して2速乃
至4速の油圧クラッチに選択的に給油して、1速乃至4
速の自動変速を行い、又低速保持用のレンジにおいては
2速油圧クラッチに給油して2速伝動系を確立保持する
ようにしたものは知られている。
又、かかる変速機において、サーボ弁にこれを前進位
置側に押圧する油室を形成し、マニアル弁の前進レンジ
で該油室にライン圧を入力する油路に、該油路を閉じる
拘束位置とこれを開く非拘束位置とに切換自在で且つ1
速油圧クラッチの油圧で非拘束位置に押圧される制御弁
を介設し、マニアル弁を後進レンジから前進レンジに切
換操作したとき、1速油圧クラッチの油圧所定値に上昇
するまでは制御弁により前記油室へのライン圧の入力を
断って、サーボ弁を後進位置に拘束するようにしたもの
も提案されている(特願昭62−231000号)。
ところで、1速伝動系にワンウェイクラッチを介入す
ると、1速伝動系ではエンジンブレーキが効かなくな
り、そのため低速保持レンジでは上記の如く2速伝動系
のみを確立するようにしているが、1速伝動系にワンウ
ェイクラッチを迂回するバイパス経路を設けて、該経路
にこれを確立する1速ホールド油圧クラッチを介入して
おけば、1速油圧クラッチと1速ホールド油圧クラッチ
とへの給油によりワンウェイクラッチをバイパスした状
態で1速伝動系を確立でき、エンジンブレーキを効かし
た1速段での走行を行い得られるようになり、低速保持
レンジにおいて1速油圧クラッチに常時給油すると共
に、シフト弁を介して1速ホールド油圧クラッチと2速
油圧クラッチとに選択的に給油することにより、低速保
持レンジでの1速と2速の変速を行うことが可能とな
る。
(発明が解決しようとする課題) 上記の如くバイパス経路を設ける場合、変速機のコン
パクト化のため、ギアレイアウトによってはバイパス経
路に後進伝動系と油圧クラッチを共用する4速伝動系を
介入せざるを得なくなることがあるが、これによれば以
下の不都合を生ずる。
即ち、マニアル弁を後進レンジから低速保持レンジに
切換えたとき、サーボ弁の前進位置への復帰動作の遅れ
等により、セレクタギアが後進側に残っている状態で1
速ホールド油圧クラッチに給油されることがあり、かく
するときはバイパス経路が4速伝動系ではなく後進伝動
系を介して確立され、同時にワンウェイクラッチを介し
ての1速伝動系による動力伝達も行われるため、1速ホ
ールド油圧クラッチや1速油圧クラッチに無理がかかっ
て、そのクラッチ板の焼損や早期摩耗を生ずる。
本発明は、後進伝動系と油圧クラッチを共用する前進
伝動系を1速伝動系のバイパス経路に介入したものにお
ける上記不具合を解消した装置を提供することをその目
的としている。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成すべく、本発明では、各別の油圧クラ
ッチにより確立される前進用の複数の伝動系と、これら
前進用伝動系のうち最低速段の1速伝動系と2速伝動系
とを除く所定の伝動系と油圧クラッチを共用する後進伝
動系と、該所定の伝動系を確立する前進側と該後進伝動
系を確立する後進側とに切換自在なセレクタギアとを備
え、且つ1速伝動系に出力側のオーバ回転を許容するワ
ンウェイクラッチと、該ワンウェイクラッチを迂回する
バイパス経路とを設けて、該バイパス経路に前記所定の
伝動系と、該バイパス経路を確立する1速ホールド油圧
クラッチとを介入して成る車両用油圧作動式変速機であ
って、該変速機の油圧回路に、低速保持用のレンジを含
む前進レンジと後進レンジとに切換操作自在なマニアル
弁と、複数のシフト弁と、前記セレクタギアを連結する
前後進切換用のサーボ弁とを設け、該マニアル弁を後進
レンジに切換操作したとき、該サーボ弁が該セレクタギ
アを後進側に移動する後進位置に切換えられると共に前
記所定の伝動系の油圧クラッチに給油され、該マニアル
弁の前進レンジへの切換操作で該サーボ弁が該セレクタ
ギアを前進側に移動する前進位置に切換えられ、且つ低
速保持用レンジでは1速伝動系を確立する1速油圧クラ
ッチに常時給油すると共に、所定のシフト弁を介して前
記1速ホールド油圧クラッチと2速伝動系を確立する2
速油圧クラッチとに選択的に給油するようにしたものに
おいては、前記マニアル弁が後進レンジから低速保持用
レンジに切換操作されたとき、前記サーボ弁が前進位置
に切換わるまでの間、前記所定のシフト弁が前記1速ホ
ールド油圧クラッチへの給油を行うシフト位置に切換わ
るのを阻止する手段を設けた。
この場合、阻止手段を電磁式のストッパで構成するこ
とも可能であるが、これではコストが高くなり、そこで
請求項2の発明では、油圧によってシフト弁の切換を阻
止し得るように、前記所定のシフト弁に前記シフト位置
への切換えで体積減少する油室を形成し、前記マニアル
弁が後進レンジから低速保持レンジに切換操作されたと
き、前記サーボ弁が前進位置に切換わるまでの間、該油
室にライン圧を入力する第1の油路を設けた。
又、上記した先願の如く、サーボ弁を前進位置側に押
圧する油室にマニアル弁の前進レンジでライン圧を入力
する第2の油路を設け、これに制御弁を介設する場合
は、請求項3の発明の如く、制御弁が第2の油路を閉じ
る拘束位置に存するとき、該第2の油路の上流側の部分
に前記第1の油路が接続されるようにし、又サーボ弁の
後進位置において該弁の前記油室に接続される第3の油
路を設け、制御弁が第2の油路を開く非拘束位置に存す
るとき、第1の油路に該第3の油路が接続されるように
する。
(作 用) 本発明の作用を請求項3の発明に基いて説明する。
制御弁が異物のかみ込み等で拘束位置にロックされる
と、マニアル弁を後進レンジから低速保持用のレンジに
切換操作しても、サーボ弁の油室にライン圧が入力され
なくなって、サーボ弁は後進位置に保持されるが、この
状態では1速ホールド油圧クラッチと2速油圧クラッチ
とに選択的に給油するシフト弁の油室に第2の油路の上
流側部分から第1の油路を介してライン圧が入力され、
該シフト弁は2速油圧クラッチへの給油を行うシフト位
置にライン圧によって押圧拘束され、1速ホールド油圧
クラッチには給油されず、バイパス経路が後進伝動系を
介して確立されるようなことはない。
又、マニアル弁を後進レンジから低速保持用のレンジ
に切換操作したとき、制御弁が非拘束位置に切換わって
も、サーボ弁が異物のかみ込みによるロック等で後進位
置に残ることがあるが、この場合は第2の油路からサー
ボ弁の油室と第3の油路と第1の油路とを介してシフト
弁の油室にライン圧が入力され、上記と同様に1速ホー
ルド油圧クラッチには給油されない。
サーボ弁が前進位置に切換わると、シフト弁の油室へ
のライン圧の入力が断たれ、シフト弁が1速ホールド油
室クラッチに給油するシフト位置に切換可能となり、該
油圧クラッチへの給油によりバイパス経路が正規の状態
で確立され、エンジンブレーキを効かした1速段での走
行を行い得られるようになる。
(実施例) 第1図を参照して、(1)は前進4段後進1段の変速
を行う変速機を示し、該変速機(1)はエンジンに流体
トルクコンバータ(2)を介して連結される入力軸(1
a)と、車両の駆動輪にデフギア(3)を介して連結さ
れる出力軸(1b)との間に前進用の1速乃至4速の伝動
系(G1)(G2)(G3)(G4)と後進伝動系(GR)とを備
え、前進用の各伝動系(G1)(G2)(G3)(G4)に油圧
係合要素たる1速乃至4速の各油圧クラッチ(C1)(C
2)(C3)(C4)を介入して、該各油圧クラッチ(C1)
(C2)(C3)(C4)の係合により該各伝動系(G1)(G
2)(G3)(G4)を選択的に確立させるようにし、又後
進伝動系(GR)は、4速伝動系(G4)と入力軸(1a)上
の4速油圧クラッチ(C4)を供用するものとし、該両伝
動系(G4)(GR)は、出力軸(1b)上のセレクタギア
(4)の図面で左方の前進側と右方の後進側とへの切換
動作で該ギア(4)を該各伝動系(C4)(GR)のドリブ
ンギア(G4a)(GRa)に噛合させることにより選択的に
確立されるようにした。
1速伝動系(G1)には、出力側のオーバ回転を許容す
るワンウェイクラッチ(5)が入力されており、更に1
速伝動系(G1)と4速伝動系(G4)との配置部に跨るよ
うに設けた中間軸(6)に、1速伝動系(G1)のドライ
ブギア(G1a)に噛合する第1ギア(71)を固設すると
共に、4速伝動系(G4)のドライブギア(G4b)に噛合
する第2ギア(72)を軸支し、第1ギア(71)を1速伝
動系(G1)のドリブンギア(G1b)と等径に、又第2ギ
ア(72)を4速伝動系(G4)のドリブンギア(G4a)と
等径に形成して、これら第1ギア(71)と第2ギア
(72)と4速伝動系(G4)とでワンウェイクラッチ
(5)に並列のバイパス経路を構成した。そして、中間
軸(6)上に第2ギア(72)を該軸(6)に連結する1
速ホールド油圧クラッチ(CH)を設け、該油圧クラッチ
(CH)と1速油圧クラッチ(C1)との係合によりワンウ
ェイクラッチ(5)をバイパスした状態で1速伝動系
(G1)を確立し得るようにした。
前記各油圧ラッチ(C1)(C2)(C3)(C4)(CH)
は、第2図に示す油圧回路によりその給排油を制御され
るもので、これを詳述するに、該油圧回路は、油圧源
(8)と、第3図に明示するようにパーキングレンジた
る「P」、後進レンジたる「R」、ニュートラルレンジ
たる「N」、前進レンジたる3つのレンジ即ち自動変速
用の「D」と「S」、低速保持用の「2」の計6レンジ
に切換操作自在なマニアル弁(9)と、1速−2速切換
用の第1シフト弁(101)と、2速−3速切換用の第2
シフト弁(102)と、3速−4速切換用の第3シフト弁
(103)と、前記セレクタギア(4)をこれに係合する
フォーク(4a)を介して連結した前後進切換用のサーボ
弁(11)とを備え、マニアル弁(9)の「D」レンジで
は、油圧源(8)に連なる給油用の第1油路(L1)が該
弁(9)の環状溝(9a)を介して第1シフト弁(101
に連なる第2油路(L2)と、後記詳述する第14油路(L1
4)とに接続され、第1油路(L1)から第2油路(L2)
と第14油路(L14)とにレギュレータ弁(12)で一定の
ライン圧に調圧された圧油が供給されて、第14油路(L1
4)に接続した第3油路(L3)を介して1速油圧クラッ
チ(C1)への給油と、第2油路(L2)から第1乃至第3
シフト弁(101)(102)(103)を介して2速乃至4速
の油圧クラッチ(C2)(C3)(C4)への給油とが行われ
るようにした。
第1シフト弁(101)はシフトダウン位置たる右方の
1速位置とシフトアップ位置たる左方の2速位置とに切
換自在に、第2シフト弁(102)はシフトダウン位置た
る右方の2速位置とシフトアップ位置たる左方の3速位
置とに切換自在に、第3シフト弁(103)はシフトダウ
ン位置たる右方の3速位置とシフトアップ位置たる左方
の4速位置とに切換自在構成されるもので、第1油路
(L1)に接続したモジュレータ弁(3)からのモジュレ
ータ圧(ライン圧より低い一定圧)を、該弁(3)の出
力側の第4油路(L4)にオリフィス(141)を介して連
なる第5油路(L5)を介して第1シフト弁(101)と第
2シフト弁(102)の右端の油室(101 a)(102 a)
と、第4油路(L4)に別のオリフィス(142)を介して
連なる第6油路(L6)を介して第1シフト弁(101)の
左端の油室(101 b)と第3シフト弁(103)の右端の油
室(103 a)とに入力するようにし、該第5油路(L5)
に電磁式の常閉型第1大気開放弁(151)と、該第6油
路(L6)に電磁式の常閉型第2大気開放弁(152)とを
接続して、該両大気開放弁(151)(152)の開閉により
これらシフト弁(101)(102)(103)を各変速段に対
応して以下の如く切換えるようにした。
即ち、1速段では、第1大気開放弁(151)を開、第
2大気開放弁(152)を閉とするもので、これによれば
第1第2シフト弁(101)(102)の右端の油室(101
a)(102 a)へのモジュレータ圧の入力が断たれ、第1
シフト弁(101)の左端の油室(101 b)と第3シフト弁
(103)の右端の油室(103 a)とにモジュレータ圧が入
力され、第1シフト弁(101)が右端のばね(101 c)に
抗して右方の1速位置と、第2シフト弁(102)が左端
のばね(102 c)の付勢力で右方の2速位置と、第3シ
フト弁(103)が左端のばね(103 c)に抗して左方の4
速位置とに切換動作される。この状態では、第1シフト
弁(101)の流入側の前記第2油路(L2)と第2シフト
弁(102)に連る流出側の第7油路(L7)との連通が断
たれ、第14油路(L14)と第3油路(L3)を介して1速
油圧クラッチ(C1)のみに給油され、1速伝動系(G1)
が確立される。
2速段では、第1第2大気開放弁(151)(152)を共
に開とするもので、これによれば第1シフト弁(101
の左端の油室(101 b)と第3シフト弁(103)の右端の
油室(103 a)とへのモジュレータ圧の入力も断たれ、
第1シフト弁(101)と第3シフト弁(103)とが夫々ば
ね(101 c)(103 c)の付勢力で左方の2速位置と右方
の3速位置に切換動作され、第2シフト弁弁(102)は
上記と同様に2速位置に保持される。この状態では、第
2油路(L2)が第1シフト弁(101)の環状溝(101 d)
を介して第7油路(L7)に接続され、該第7油路(L7)
に第2シフト弁(102)の2速位置で該弁(102)の環状
溝(102 d)を介して接続される第8油路(L8)を介し
て2速油圧クラッチ(C2)に給油され、2速伝動系(G
2)が確立される。この場合、前記ワンウェイクラッチ
(5)の作用により1速伝動系(G1)を介しての動力伝
達は自動的に停止される。
3速段では、第1大気開放弁(151)を閉、第2大気
開放弁(152)を開とするもので、これによれば第1第
2シフト弁(101)(102)の右端の油室(101 a)(102
a)にモジュレータ圧が入力され、第2シフト弁(1
02)がばね(102 c)に抗して左方の3速位置に切換動
作され、第1シフト弁(101)と第3シフト弁(103)は
夫々2速位置と3速位置に保持される。この状態では、
第7油路(L7)が第2シフト弁(102)の環状溝(102
e)を介して第3シフト弁(103)に連なる第10油路(L1
0)に接続され、第3シフト弁(103)の3速位置で該弁
(103)の環状溝(103 d)を介して該第10油路(L10)
に接続される第11油路(L11)を介して3速油圧クラッ
チ(C3)に給油され、又2速油圧クラッチ(C2)に連な
る前記第8油路(L8)が第2シフト弁(102)の環状溝
(102 d)を介して第9油路(L9)に接続され、マニア
ル弁(9)の「D」レンジで該弁(9)の切欠溝(9b)
を介して第9油路(L9)に接続される第1排油路(LD
1)を介して2速油圧クラッチ(C2)からの排油が行わ
れ、3速伝動系(C3)が確立される。
4速段では、第1第2大気開放弁(151)(152)を共
に閉とするもので、これによれば第1シフト弁(101
と第2シフト弁(102)は3速段と同様に夫々2速位置
と3速位置に保持され、第3シフト弁(103)が右端の
油室(103 a)へのモジュレータ圧の入力で左方の4速
位置に切換動作される。尚、第1シフト弁(101)は、
その両端の油室(101 a)(101 b)へのモジュレータ圧
の入力によりモジュレータ圧による左方と右方の押圧力
がバランスして、ばね(101 c)の付勢力により2速位
置に保持される。この状態では、前記第10油路(L10)
が第3シフト弁(103)の環状溝(103 e)を介して第12
油路(L12)に接続され、マニアル弁(9)の「D」レ
ンジで該弁(9)の切欠溝(9c)を介して該第12油路
(L12)に接続される第13油路(L13)を介して4速油圧
クラッチ(C4)に給油され、又3速油圧クラッチ(C3)
に連なる前記第11油路(L11)が第3シフト弁(103)の
環状溝(103 d)を介して第2排油路(LD2)に接続され
て3速油圧クラッチ(C3)からの排油が行われ、4速伝
動系(G4)が確立される。
尚、4速→3速のシフトダウン時は、第12油路(L1
2)が3速位置に存する第3シフト弁(103)の環状溝
(103 e)を介して第3排油路(LD3)に接続されて4速
油圧クラッチ(C4)からの排油が行われ、又3速→2速
のシフトダウン時は、3速位置に存する第3シフト弁
(103)の環状溝(103 d)を介して第11油路(L11)に
接続される第10油路(L10)が2速位置に存する第2シ
フト弁(102)の環状溝(102 e)を介して第4排油路
(LD4)に接続されて3速油圧クラッチ(C3)からの排
油が行われ、又2速→1速のシフトダウン時は、2速段
で上記の如く第2油路(L2)に接続されていた第7油路
(L7)が第1シフト弁(101)の1速位置への切換動作
で該弁(101)の環状溝(101 d)を介して排油ポート
(101 e)に接続され、ここで該第7油路(L7)は2速
段と同様に第8油路(L8)を介して2速油圧クラッチ
(C2)に接続されているため、これら油路(L8)(L7)
を介して2速油圧クラッチ(C2)からの排油が行われ
る。
以上の如くマニアル弁(9)の「D」レンジでは、第
1第2大気開放弁(151)(152)の開閉により1速乃至
4速の伝動系(G1)(G2)(G3)(G4)が選択的に確立
され、第4図示の如きマイクロコンピュータから成る電
子制御回路(16)にエンジンのスロットル開度センサ
(16a)からの信号(エンジン負荷に関係した吸気管負
圧等の他の信号でも良い)と、車速センサ(16b)から
の信号と、マニアル弁(9)のポジジョンセンサ(16
c)からの信号と、後記する1速ホールドスイッチ(16
d)からの信号とを入力し、該制御回路(16)により例
えば第5図に示す如き変速特性が得られるように該両大
気開放弁(151)(152)をそのソレノイド(15a)への
通電及び停止で開閉制御する。
図面で(A1)(A2)(A3)(A4)(AH)は各油圧クラ
ッチ(C1)(C2)(C3)(C4)(CH)の給排油時におけ
る急激な圧変化を緩衝すべく設けたアキュムレータ、
(17)は第1油路(L1)にマニアル弁(9)を介して接
続される第14油路(L14)から入力されるライン圧をス
ロットル開度に応じたスロットル圧に調圧して出力する
スロットル弁を示し、該スロットル弁(17)からのスロ
ットル圧を1速乃至4速用のアキュムレータ(A1)(A
2)(A3)(A4)に背圧として作用させ、更に第2油路
(L2)に該スロットル圧で右方の開き側に押圧される減
圧弁(18)を介入し、スロットル開度の低開度領域では
該第2油路(L2)の下流側への供給圧を低下させるよう
にした。尚、該減圧弁(18)は特開昭59−166750号で公
知であり、その詳細な説明は省略する。
前記各排油路(LD1)(LD2)(LD3)(LD4)には、夫
々排油制御弁(191)(192)(193)(194)とこれに並
列のオリフィス(201)(202)(203)(204)とを介入
し、該各制御弁(191)(192)(193)(194)の閉弁と
開弁とで該各排油路(LD1)(LD2)(LD3)(LD4)の管
路抵抗を増減制御し得るようにした。
これを更に詳述するに、3速→4速のシフトアップ時
に3速油圧クラッチ(C3)に接続される第2排油路(LD
2)に介設した第2排油制御弁(192)は、係合側の4速
油圧クラッチ(C4)の油圧(以下4速圧と記す)で左方
の開き側に押圧され、3速→4速のシフトアップ時に4
速圧の所定圧への上昇で該制御弁(192)が開弁され、
その前後で解放側の3速油圧クラッチ(C3)の油圧(以
下3速圧と記す)の降圧特性に緩急の差がつけられ、3
速油圧クラッチ(C3)の解放タイミングが適切にコント
ロールされて、エンジンの吹上りや必要以上の共噛みに
よるエンジンストールを生ずることなく円滑な変速が得
られるようにした。又、4速→3速のシフトダウン時に
4速油圧クラッチ(C4)に接続される第3排油路(LD
3)に介設した第3排油制御弁(193)は、係合側の3速
圧で左方の開き側に押圧されて3速圧の昇圧で開弁さ
れ、4速→3速のシフトダウンを上記と同様に円滑に行
わせるべく機能する。ところで、走行条件、例えば急激
なアクセル操作等に際し、3速を飛越して2速と4速の
間での変速が行われるように変速特性が設定されること
があり、そこで2速油圧クラッチ(C2)に対応する第1
排油路(LD1)に介設した第1排油制御弁(191)は、2
速→3速のシフトアップと2速→4速のシフトアップと
の何れにも対処し得るよう、特開昭61−84450号で知ら
れる如く3速圧と4速圧とで右方の開き側に押圧される
ものとし、又該制御弁(191)を2速油圧クラッチ(C
2)の油圧(以下2速圧と記す)で左方の閉じ側に押圧
し、2速→3速及び2速→4速のシフトアップ時に解放
側の2速圧の降下と係合側の3速圧や4速圧の上昇とで
その差圧が所定値以下になったとき開弁されるようにし
た。尚、かかる差圧応動型の排油制御弁は特開昭61−82
051号で公知である。
又、3速→2速のシフトダウン時に3速油圧クラッチ
(C3)に接続される第4排油路(LD4)に介設した第4
排油制御弁(194)は係合側の2速圧で左方の開き側に
押圧されるものとし、更に4速→2速のシフトダウンに
も対処し得るよう、4速油圧クラッチ(C4)に接続され
る前記第3排油路(LD3)を該制御弁(194)の共通の流
入ポート(194 a)に分岐路(LD3a)を介して接続して
該第3排油路(LD3)に該制御弁(194)が第3排油制御
弁(193)と並列に介入されるようにし、4速→2速の
シフトダウン時にも係合側の2速圧の上昇で解放側の4
速圧が速やかに降下されるようにした。この場合、3速
→2速のシフトダウン時に、第4排油制御弁(194)の
開弁前に第4排油路(LD4)から流入ポート(194 a)と
第3排油路(LD3)とを介してオリフィス(203)から3
速油圧クラッチ(C3)の油が排出されて、3速圧の降下
が第4排油路(LD4)のオリフィス(204)で規定される
降圧特性よりも急にならないよう、分岐路(LD3a)に第
4排油路(LD4)からの油の逆流を阻止する逆止弁(2
11)を介設し、又同様に第4排油路(LD4)に第3排油
路(LD3)からの油の逆流を阻止する逆止弁(212)を介
設する。
又、スロットル開度の低開度領域でのシフトダウンに
際しては、解放側のクラッチ圧を速やかに降下させた方
が円滑な変速が行われ、そこで特開昭61−127956号で知
られる如く、前記第2排油路(LD3)に第3排油制御弁
(193)と並列に低スロットル開度で開かれる第5排油
制御弁(195)と、前記第4排油路(LD4)に第4排油制
御弁(194)と並列に低スロットル開度で開かれる第6
排油制御弁(196)とを各介設し、ここで該第6排油制
御弁(196)は、前記スロットル弁(17)を押圧するプ
ランジャで構成して、スロットル開度に連動する操作子
(196 a)により左方の閉じ側に押動されるものとし、
第5排油制御弁(195)はスロットル弁(17)からのス
ロットル圧により左方の閉じ側に押動されるものとし、
低スロットル開度では該各制御弁(195)(196)が右方
の開き位置に復帰されて、3速→2速、4速→3速、4
速→2速のシフトダウン時に3速圧や4速圧が該各制御
弁(195)(196)を介しての排油で速やかに降下される
ようにした。
又、3速→1速のシフトダウンが行われた場合、3速
油圧クラッチ(C3)に接続される第2排油路(LD2)に
介設した第2排油制御弁(192)は開弁されず、このま
まではオリフィス(202)のみからの排油が行われて3
速圧の降下が遅くなり、アクセルペダルを踏込んでの3
速→1速へのキックダウン変速時に1速伝動系(G1)が
確立されるまでに時間がかかって加速性が悪くなる。そ
こで、該第2排油路(LD2)を第1シフト弁(101)の1
速位置で該弁(101)に形成した環状溝(101 f)を介し
て排油ポート(101 g)に接続するようにし、かかるキ
ックダウン時には3速油圧クラッチ(C3)の油を該排油
ポート(10g)から絞り抵抗なしに排油し、1速伝動系
(G1)をタイムラグなしに確立し得るようにした。尚、
マニアル弁(9)の「D」レンジで1速油圧クラッチ
(C1)は常時係合されており、3速油圧クラッチ(C3)
が解放された時点で1速伝動系(G1)が確立される。
又、前記4速用のアキュムレータ(A4)には第3シフ
ト弁(103)を介してクロットル圧を入力するように
し、該第3シフト弁(103)の3速位置では該アキュム
レータ(A4)の背圧室を該弁(103)の環状溝(103 f)
を介して排油ポート(103 g)に接続し、シフトアップ
とシフトダウンとでアキュムレータ特性を変えるよえに
した。
以上、マニアル弁(9)の「D」レンジでの油路構成
について説明したが、「S」レンジでも「D」レンジと
同様な油路構成となり、第1第2大気開放弁(151)(1
52)を開閉する電子制御回路(16)に記憶されている変
速特性の切換えにより、例えば第6図に示す如き変速特
性での1速乃至4速の自動変速を行う。第6図の変速特
性は、第5図のものより高速側での変速が行われ、スポ
ーティな走行や山岳走行に適するように設定されてい
る。
マニアル弁(9)の「2」レンジでは、第2油路(L
2)が該弁(9)の切欠溝(9d)を介して排油ポート(9
e)に接続されると共に、第7油路(L7)から分岐した
分岐路(17a)がマニアル弁(9)に形成した径方向の
連通孔(9f)を介して該弁(9)の軸孔から成る排油ポ
ート(9g)に接続され、一方第1油路(L1)にマニアル
弁(9)の切欠溝(9h)を介して接続される第14油路
(L14)が該弁(9)の環状溝(9i)を介して第9油路
(L9)に接続され、第2シフト弁(102)に該第9油路
(L9)を介して給油されるようになる。
そして、該第2シフト弁(102)が2速位置に切換わ
ったとき、該第9油路(L9)に該弁(102)の環状溝(1
02 f)を介して接続される第15油路(L15)を設け、該
第15油路(L15)に前記1速ホールド油圧クラッチ(C
H)を接続した。
又、「2」レンジでは第14油路(L14)から第3油路
(L3)を介して1速油圧クラッチ(C1)に常時給油さ
れ、かくして電子制御回路(16)により第1第2大気開
放弁(151)(152)を共に開として(「D」「S」レン
ジでの2速段の状態)、第2シフト弁(102)を2速位
置に切換えると、第9油路(L9)と第15油路(L15)と
を介して1速ホールド油圧クラッチ(CH)に給油され、
ワンウェイクラッチ(5)をバイパスした状態で1速伝
動系(G1)が確立され、1速伝動系(G1)によるエンジ
ンブレーキを効かした走行を行い得られるようになり、
又第1大気開放弁(151)を閉、第2大気開放弁(152
を開として(「D」「S」レンジでの3速段の状態)、
第2シフト弁(102)を3速位置に切換えると、上記の
如く第9油路(L9)が第8油路(L8)に接続されて2速
油圧クラッチ(C2)の給油と、第15油路(L15)が第2
シフト弁(102)の環状溝(102 f)を介して該弁(1
02)の排油ポート(102 g)に接続されて1速ホールド
油圧クラッチ(CH)からの排油とが行われ、2速伝動系
(G2)が確立される。尚、第2シフト弁(102)の2速
位置では、第8油路(L8)が第7油路(L7)に接続さ
れ、2速油圧クラッチ(C2)からの油が分岐路(L7a)
を介してマニアル弁(9)の排油ポート(9g)から排出
される。
「2」レンジにおけるシフト特性は、1速ホールドス
イッチ(16d)の操作で切換られるようになっており、
該スイッチ(16d)がオフされているときは、第7図の
a線で示す特性に従って1速2速の変速を行い、又該
スイッチ(16d)をオンしたときは、1速伝動系(C1)
を確立保持するようにした。尚、該スイッチ(16d)の
オン時点においてb線より高車速で走行しているとき
は、エンジンのオーバーランを防止するため、先ず2速
伝動系(G2)を確立し、b線より低車速になったとき1
速伝動系(G1)を確立し、以後1速に保持するようにし
た。
ところで、「2」レンジにおける1速走行中に「D」
「S」レンジに切換えたとき、走行状態が「D」「S」
レンジにおける変速特性の2速域に入っていると、第2
シフトバルブ(102)は2速位置に保持されるため、第
7油路(L7)から第8油路(L8)を介して2速油圧クラ
ッチ(C2)に直ちに給油され、この場合1速ホールド油
圧クラッチ(CH)の油は、第15油路(L15)と第9油路
(L9)とを介して第1排油路(LD1)から排出される
が、該排油路(LD1)にはオリフィス(201)が介入され
ているため、1速ホールド油圧クラッチ(CH)の排油が
遅れ、1速伝動系(G1)と2速伝動系(G2)との共噛み
を生じて変速ショックが発生する。
そこで、本実施例では、第15油路(L15)から分岐し
た分岐路(L15a)を設け、「D」「S」レンジでは該分
岐路(L15a)がマニアル弁(9)の連通孔(9f)を介し
て排油ポート(9g)に接続されるようにし、1速ホール
ド油圧クラッチ(CH)からの排油を早めて、共噛みを抑
制し得るようにした。尚、1速ホールド油圧クラッチ
(CH)を2速油圧クラッチ(C2)の係合前に解放して
も、1速油圧クラッチ(C1)は係合されているため、ワ
ンウェイクラッチ(5)を介して1速伝動系(G1)によ
る動力伝達が行われ、エンジンの吹上りを生ずることは
ない。
マニアル弁(9)の「R」レンジでは、第1油路(L
1)がマニアル弁(9)の切欠溝(9j)を介して第1シ
フト弁(101)に連なる第16油路(L16)に接続され、こ
の場合電子制御回路(16)により、第1大気開放弁(15
1)は閉、第2大気開放弁(152)は開となって(「D」
「S」レンジでの3速段の状態)第1シフト弁(101
は左方の2速位置に切換えられているため、該弁(1
01)の環状溝(101 h)を介して第16油路(L16)がサー
ボ弁(11)の左端の第1油室(11a)に連なる第17油路
(L17)に接続され、該サーボ弁(11)が該第17油路(L
17)を介して入力されるライン圧により右方の後進位置
に押動され、該サーボ弁(11)に連結したセレクタギア
(4)が右方の後進側に切換えられると共に、後進位置
で第17図(L17)が該油室(11a)に連なるサーボ弁(1
1)の軸孔(11b)を介してマニアル弁(9)に連なる第
18油路(L18)に接続される。
該第18油路(L18)は、マニアル弁(9)の「R」レ
ンジで切欠溝(9c)を介して4速油圧クラッチ(C4)に
連なる第13油路(L13)に接続されており、かくて4速
油圧クラッチ(C4)への給油とセレクトタギア(6)の
後進側への切換えとで後進伝動系(GR)が確立される。
マニアル弁(9)を「R」レンジから「D」「S」
「2」の前進レンジに切換えたときには、サーボ弁(1
1)に前記第1油室(11a)に対向させて形成した第2油
室(11c)に第14油路(L14)から分岐した第19油路(L1
9)を介してライン圧を入力して、該サーボ弁(11)を
左方の前進位置(図示の位置)に押動させるが、この際
前進レンジへの切換えで最初に給油される1速伝動系
(G1)の油圧クラッチ(C1)の油圧(以下1速圧と記
す)が所定値以上になるまで該サーボ弁(11)を拘束手
段により後進位置に拘束しておくようにした。
これを更に詳述するに、本実施例では拘束手段を第19
油路(L19)に介入した制御弁(22)で構成し、該制御
弁(22)を該第19油路(L19)の上流側部分と下流側部
分とを環状溝(22a)を介して連通する図面で左方の非
拘束位置とこの連通を断つ右方の拘束位置(図示の位
置)とに切換自在とし、該制御弁(22)の右端の油室
(22b)を第3油路(L3)に接続して該油室(22b)に1
速圧を入力すると共に、該制御弁(22)の左端のばね
(22c)を収納したばね室(22d)を第17油路(L17)に
接続し、マニアル弁(9)を「R」レンジに切換えたと
き該ばね室(22d)にライン圧が入力されて、該制御弁
(22)が確実に拘束位置に切換えられるようにし、更に
ばね(23a)で付勢されるボールから成る係止部材(2
3)を設けて、該係止部材(23)により該サーボ弁(1
1)を前進位置と後進位置とに弾力的に係止し得るよう
にした。
以上の構成によれば、マニアル弁(9)の「R」レン
ジでは該制御弁(22)がばね(22c)の力とばね室(22
d)に入力されるライン圧とにより拘束位置に切換保持
され、マニアル弁(9)を「R」レンジから前進レンジ
に切換操作したときも、1速圧が所定値に上昇するまで
は該制御弁(22)が拘束位置に保持され、第19油路(L1
9)を介してのサーボ弁(11)の第2油室(11c)へのラ
イン圧の入力が阻止されて、サーボ弁(11)は係止部材
(23)により後進位置に保持され、次いで1速圧が所定
値以上になったとき、該制御弁(22)がばね(22c)に
抗して非拘束位置に切換えられ、第2油室(11c)にラ
イン圧が入力されてサーボ弁(11)が前進位置に切換え
られる。
かくて、ブレーキを踏んでマニアル弁(9)を「R」
レンジから前進レンジに切換えた場合、サーボ弁(11)
が前進位置に切換えらえる時点では、変速機(1)の入
力軸(1a)がブレーキで回転を停止される出力軸(1b)
に1速伝動系(G1)を介して連結されて、1速油圧クラ
ッチ(C1)の係合力により入力軸(1a)の回転が制止さ
れる状態となり、サーボ弁(11)の切換途中でセレクタ
ギア(4)が後進伝動系(GR)のドリブンギア(GRa)
と4速伝動系(G4)のドリブンギア(G4a)との何れに
も係合しないニュートラル状態になっても入力軸(1a)
は回転せず、結局セレクタギア(4)と4速伝動系(G
4)のドリブンギア(G4a)とが共に回転を停止した状態
で円滑に噛合することになり、両ギア(4)(G4a)の
当りによる異音を生じない。
又、ぬかるみ等から脱出すべくアクセスペダルを踏込
んだ状態でマニアル弁(9)を「R」レンジから前進レ
ンジに切換えた場合でも、サーボ弁(11)の切換時点で
は1速圧の所定値への上昇による1速伝動系(G1)を介
しての正転方向のトルク伝達で出力軸(1b)の逆転方向
への回転が制止された状態となり、セレクタギア(4)
と4速伝動系(G4)のドリブンギア(G4a)とが大きな
相対回転を生じない状態で噛合して、両ギア(4)(G4
a)の噛合部の摩耗が防止される。
ところで、制御弁(22)が異物のかみ込み等で拘束位
置にロックされると、マニアル弁(9)を「R」レンジ
から「D」「S」「2」の前進レンジに切換えてもサー
ボ弁(11)は後進位置に保持されて、セレクタギア
(5)が後進側に残るため、このままでは「2」レンジ
において1速ホールド油圧クラッチ(CH)に給油される
と、1速油圧クラッチ(C1)からワンウェイクラッチ
(5)を介して出力軸(1b)に至る経路と、1速ホール
ド油圧クラッチ(CH)と後進伝動系(GR)とを介して出
力軸(1b)に至る経路とが同時に確立され、これら油圧
クラッチ(C1)(CH)に無理がかかってクラッチ板の焼
損や早期摩耗を生ずる。
そこで、本実施例では、第2シフト室(102)の最右
端の油室(102 h)に連なる第20油路(L20)を設けて、
制御弁(22)が拘束位置に存するときに該弁(22)の環
状溝(22e)を介して該第20油路(L20)が第19油路(L1
9)の上流側部分に接続されるようにし、制御弁(22)
が拘束位置にロックされている状態でマニアル弁(9)
を「2」レンジに切換えたときは、第14油路(L14)か
らのライン圧を第20油路(L20)を介して該油路(102
h)に入力し、第2シフト弁(103)の油室(10a)への
モジュレータ圧の入力が断たれても、該第2シフト弁
(103)が左方の3速位置に保持されれるようにし、1
速ホールド油圧クラッチ(CH)への給油を阻止し得るよ
うにした。
又、マニアル弁(9)「R」レンジから前進レンジへ
の切換時に制御弁(22)が非拘束位置に切換えられて
も、サーボ弁(11)が異物のかみ込み等で後進位置から
動かなくなったり、又低温で油の粘性が高くなると、サ
ーボ弁(11)の前進位置への移動が遅れ、マニアル弁
(9)を「2」レンジに切換えた後もセレクタギア
(4)が後進側に残ることがあり、この状態で1速ホー
ルド油圧クラッチ(CH)に給油されると、上記と同様に
1速伝動系(G1)のバイパス経路が後進伝動系(GR)を
介して確立されてしまう。
そのため、サーボ弁(11)の後進位置で該弁(11)に
形成した切欠溝(11d)を介して前記第2油室(11c)に
接続される第21油路(L21)を設け、該油路(L21)と前
記第20油路(L20)とが制御弁(22)の非拘束位置にお
いて該弁(22)の環状溝(22e)を介して接続されるよ
うにし、マニアル弁(9)の「R」レンジから「2」レ
ンジへの切換時に制御弁(22)が非拘束位置に切換わっ
ても、サーボ弁(22)が前進位置に復帰するまでは、ラ
イン圧が第14油路(L14)→第19油路(L19)→第2油室
(11c)→第21油室(L21)→第20油路(L20)の経路で
第2シフト弁(103)の前記油室(102 h)に入力され
て、第2シフト弁(103)が上記と同様に3速位置に拘
束されるようにした。
又、制御弁(22)やサーボ弁(11)が拘束位置や後進
位置にロックされていると、「D」「S」レンジでの4
速領域で4速油圧クラッチ(C4)に給油したとき、後進
伝動系(GR)が確立されてしまうため、前記第20油路
(L20)を第3シフト弁(103)の左端の油室(103 b)
に接続して、かかる異常状態では該油室(103 b)にラ
イン圧を入力し、第3シフト弁(103)の右端の油室(1
03 a)にモジュレータ圧が入力されても第3シフト弁
(103)が右方の3速位置に拘束され、4速油圧クラッ
チ(C4)への給油が行われないようにした。
尚、「R」レンジで第16油路(L16)、第1シフト弁
(101)、第17油路(L17)を介してサーボ弁(11)に給
油するのは、車両が一定車速以上(出力軸(1b)の回転
数が一定値以上)で前進中に「R」レンジに切換えたと
きは第1シフト弁(101)を1速位置に切換えて両油路
(L16)(L17)の接続を阻止し、サーボ弁(11)を前進
位置に保持して後進伝動系(GR)を確立させないように
するためであり、これによればぬかるみ等から脱出すべ
くアクセルペダルを踏込んだ状態でマニアル弁(9)を
「D」「S」「2」の前進レンジから「R」レンジに切
換えたときも、サーボ弁(11)は前進位置に保持され、
セレクタギア(4)と後進伝動系(GR)のドリブンギア
(GRa)とが相対回転した状態で噛合することを阻止で
きる。
マニアル弁(9)の「N」レンジでは、第1油路(L
1)からモジュレータ弁(13)に給油するだけとし、又
「P」レンジでは、第1油路(L1)をマニアル弁(9)
の切欠溝(9j)を介して第16油路(L16)に接続し、モ
ジュレータ弁(13)とサーボ弁(11)の第1油室(11
a)とに給油するようにした。これは、前進レンジから
「P」レンジに切換えた場合、「R」レンジを通過する
際にサーボ弁(11)が第1油室(11a)への給油で右方
に押され、このままでは「R」レンジの通過速度によっ
て「P」レンジにおけるサーボ弁(11)の位置が変化す
るため、「P」レンジでのサーボ弁(11)の位置を後進
位置に一義的に決めるためである。
図面で(24)は流体トルクコンバータ(3)にその入
力側と出力側とを機械的に連結すべく設けたクラッチ、
(25)は該クラッチ(24)の制御用の油圧回路を示し、
該回路(25)に電磁式の第3第4大気開放弁(153)(1
54)を設け、該両弁(153)(154)を前記電子制御回路
(16)により開閉制御して、該クラッチ(24)の作動を
制御するようにした。尚、この油圧回路(25)は本願出
願人が先に特願昭62−15203号で提案したものと特に異
ならず、その詳細な説明は省略する。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、請求項1の発明によ
れば、マニアル弁を後進レンジから低速保持用レンジに
切換えた際、サーボ弁が後進位置に残っている間シフト
弁は2速油圧クラッチに給油するシフト位置に拘束され
て、1速ホールド油圧クラッチには給油されず、バイパ
ス経路の後進伝動系を介しての確立が阻止され、1速ホ
ールド油圧クラッチに給油されるとき、サーボ弁は必ず
前進位置に復帰しており、バイパス経路は後進伝動系と
油圧クラッチを共用する所定の前進伝動系を介して確立
され、後進伝動系と1速伝動系との同時確立による1速
油圧クラッチや1速ホールド油圧クラッチの焼損や摩耗
といった不具合の発生を確実に阻止できる効果を有す
る。
又、請求項2の発明によれば、サーボ弁が前進位置に
切換わるまでの間シフト弁の油室にライン圧を入力する
ことにより、その間シフト弁が1速ホールド油圧クラッ
チへの給油を行うシフト位置に切換わることを阻止で
き、阻止手段を油圧回路の簡単な変更で安価に構成でき
る効果がある。
更に、請求項3の発明によれば、サーボ弁の後進位置
から前進位置への切換動作を制御する制御弁が拘束位置
にロックしたときや、制御弁が非拘束位置に切換わって
もサーボ弁が後進位置に残っているときは、シフト弁の
油室にライン圧を入力して、1速ホールド油圧クラッチ
への給油を阻止できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用する変速機の1例の縦断面図、第
2図はその油圧回路図、第3図は油圧回路の要部の拡大
図、第4図は電子制御回路のブロック図、第5図乃至第
7図は夫々「D」レンジ、「S」レンジ、「2」レンジ
の変速特性を示す線図である。 (G1)……1速伝動系 (G2)……2速伝動系 (G4)……4速伝動系(所定の伝動系) (GR)……後進伝動系 (C1)……1速油圧クラッチ (C2)……2速油圧クラッチ (C4)……4速油圧クラッチ (CH)……1速ホールド油圧クラッチ (4)……セレクタギア (5)……ワンウェイクラッチ (71)(72)……バイパス経路のギア (8)……油圧源 (9)……マニアル弁 (102)……第2シフト弁(所定のシフト弁) (102 h)……油室、(11)……サーボ弁 (11c)……サーボ弁の油室、(22)……制御弁 (L19)……第19油路(第2の油路) (L20)……第20油路(第1の油路) (L21)……第21油路(第3の油路)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各別の油圧クラッチにより確立される前進
    用の複数の伝動系と、これら前進用伝動系のうち最低速
    段の1速伝動系と2速伝動系とを除く所定の伝動系と油
    圧クラッチを共用する後進伝動系と、該所定の伝動系を
    確立する前進側と該後進伝動系を確立する後進側とに切
    換自在なセレクタギアとを備え、且つ1速伝動系に出力
    側のオーバ回転を許容するワンウェイクラッチと、該ワ
    ンウェイクラッチを迂回するバイパス経路とを設けて、
    該バイパス経路に前記所定の伝動系と、該バイパス経路
    を確立する1速ホールド油圧クラッチとを介入して成る
    車両用油圧作動式変速機であって、該変速機の油圧回路
    に、低速保持用のレンジを含む前進レンジと後進レンジ
    とに切換操作自在なマニアル弁と、複数のシフト弁と、
    前記セレクタギアを連結する前後進切換用のサーボ弁と
    を設け、該マニアル弁を後進レンジに切換操作したと
    き、該サーボ弁が該セレクタギアを後進側に移動する後
    進位置に切換えらえると共に前記所定の伝動系の油圧ク
    ラッチに給油され、該マニアル弁の前進レンジへの切換
    操作で該サーボ弁が該セレクタギアを前進側に移動する
    前進位置に切換えられ、且つ低速保持用レンジでは1速
    伝動系を確立する1速油圧クラッチに常時給油すると共
    に、所定のシフト弁を介して前記1速ホールド油圧クラ
    ッチと2速伝動系を確立する2速油圧クラッチとに選択
    的に給油するようにしたものにおいて、前記マニアル弁
    が後進レンジから低速保持用レンジに切換操作されたと
    き、前記サーボ弁が前進位置に切換わるまでの間、前記
    所定のシフト弁が前記1速ホールド油圧クラッチへの給
    油を行うシフト位置に切換わるのを阻止する手段を設け
    たことを特徴とする車両用油圧作動式変速機の制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記所定のシフト弁に前記シフト位置への
    切換えで体積減少する油室を形成し、前記マニアル弁が
    後進レンジから低速保持レンジに切換操作されたとき、
    前記サーボ弁が前進位置に切換わるまでの間、該油室に
    ライン圧を入力する第1の油路を設けたことを特徴とす
    る請求項1記載の車両用油圧作動式変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】前記サーボ弁にこれを前進位置側に押圧す
    る油室を形成すると共に、前記マニアル弁の前進レンジ
    で該油室にライン圧を入力する第2の油路を設け、該第
    2の油路に、該第2の油路を閉じる拘束位置とこれを開
    く非拘束位置とに切換自在で且つ前記1速油圧クラッチ
    の油圧で非拘束位置に押圧される制御弁を介設するよう
    にした請求項2記載の車両用油圧作動式変速機の制御装
    置において、該制御弁の拘束位置で前記第1の油路が前
    記第2の油路の上流側の部分に接続されるようにし、更
    に前記サーボ弁の後進位置において該サーボ弁の前記油
    室に接続される第3の油路を設け、該制御弁の非拘束位
    置で該第1の油路に該第3の油路が接続されるようにし
    たことを特徴とする車両用油圧作動式変速機の制御装
    置。
JP63124471A 1988-05-21 1988-05-21 車両用油圧作動式変速機の制御装置 Expired - Lifetime JP2681485B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63124471A JP2681485B2 (ja) 1988-05-21 1988-05-21 車両用油圧作動式変速機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63124471A JP2681485B2 (ja) 1988-05-21 1988-05-21 車両用油圧作動式変速機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01295062A JPH01295062A (ja) 1989-11-28
JP2681485B2 true JP2681485B2 (ja) 1997-11-26

Family

ID=14886340

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63124471A Expired - Lifetime JP2681485B2 (ja) 1988-05-21 1988-05-21 車両用油圧作動式変速機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2681485B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2887217B2 (ja) * 1990-10-02 1999-04-26 本田技研工業株式会社 車輌用自動変速機の制御装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61127954A (ja) * 1984-11-27 1986-06-16 Nissan Motor Co Ltd 自動変速機

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01295062A (ja) 1989-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5211082A (en) Control apparatus for automatic transmission
JP2655260B2 (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置
JP2593304B2 (ja) 車両用変速機の制御方法
US5293790A (en) Control apparatus for vehicular automatic transmission
JPS6184450A (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置
JPH1163197A (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置
JP2681485B2 (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置
JP2620874B2 (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置
JPH0771575A (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置
US5591103A (en) Hydraulic control circuit for hydraulically operated vehicular transmission
JPH09229179A (ja) 油圧作動式変速機の制御装置
JP2650027B2 (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置
JP2676240B2 (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置
JP2802624B2 (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置
JP2808109B2 (ja) 車両用変速機における流体トルクコンバータ用クラツチの作動制御方法
JP2676238B2 (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置
JP2860905B2 (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置
JP2676239B2 (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置
JPH056058B2 (ja)
JPH0636358Y2 (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置
JPH02159458A (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置
JP3026256B2 (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置
JP2000035125A (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置
JP2855520B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JPH0612141B2 (ja) 車両用油圧作動式変速機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080808

Year of fee payment: 11