JPH06116159A - ネンジュモ抽出物 - Google Patents

ネンジュモ抽出物

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JPH06116159A
JPH06116159A JP4238625A JP23862592A JPH06116159A JP H06116159 A JPH06116159 A JP H06116159A JP 4238625 A JP4238625 A JP 4238625A JP 23862592 A JP23862592 A JP 23862592A JP H06116159 A JPH06116159 A JP H06116159A
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JP
Japan
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nostoc commune
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nostoc
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JP4238625A
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English (en)
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Akio Kobayashi
林 昭 雄 小
Kazuyoshi Kawazu
津 一 儀 河
Hiroshi Kanzaki
崎 浩 神
Kunifumi Inawaka
若 邦 文 稲
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MAX FUAKUTAA KK
Original Assignee
MAX FUAKUTAA KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 Nostoc属に属する藍藻植物からアルカノール
抽出によって得ることができる、ネンジュモ抽出物。 【効果】 この抽出物は抗菌活性、胞子発芽阻害活性、
有糸分裂阻害活性および種子発芽阻害活性を有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の背景]
【産業上の利用分野】本発明は、Nostoc communeから得
られる抗菌活性を有する抽出物およびその抽出物から得
られる新規化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】抗微生物剤は、細菌のような微生物の増
殖または生殖を害しまたは抑制する性質を有するもので
ある。このような活性を有する化合物は多数知られてお
り、特に抗菌剤としては非常に様々な天然物(抗生物
質)、合成または半合成の化合物が知られている。
【0003】これら抗菌剤の作用メカニズムは様々であ
るが、一般には次の4種の様式の1以上を阻害すること
によって機能すると考えられる。すなわち、細胞壁合成
またはその修復の阻害;細胞壁透過性の変化;タンパク
質合成の阻害;そして核酸合成の阻害である。例えば、
β−ラクタム系抗菌剤は、細菌において細胞壁合成に関
与する必須ペニシリン結合蛋白質(PBP)を阻害する
ことにより作用する。また、キノロン類は細菌DNA合
成を阻害して細菌の複製を妨害することにより作用す
る。
【0004】また、抗菌剤の薬理学的特徴並びにいずれ
か所定の臨床的使用におけるそれらの連合性も著しく多
用である。例えば、各種類の抗菌剤(および各種類にお
ける構成物質)は、異なるタイプの菌に対して様々な相
対的効力及び菌耐性の獲得に対する感受性を有する。こ
れらの抗菌剤は、それらの生物学的利用能および生物学
的分布のような薬理学的特徴に関して異なっているであ
ろう。
【0005】菌耐性の獲得は適切な抗菌剤の選択にあた
っての一要因であって、医科学上の関心が増大してい
る。この”耐性”とは、所定の微生物種の固体群におい
て、所定の抗微生物剤の作用を受けにくい生物の生存と
して定義される。このような耐性株は特定の抗微生物剤
の作用メカニズムを破壊するか、またはそれが作用しよ
うとする前に抗微生物剤を化学的に分解する。例えば、
β−ラクタム系抗菌剤に対する細菌耐性は、抗菌剤を分
解するβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌株の発生に
より生じる。このような多数の高度に耐性な細菌株の一
部は、抗菌剤の長期にわたる集中的使用の結果であると
されている。
【0006】さらに抗菌剤の一部はヒトにアレルギー反
応を起こし、最悪の場合死に至らしめる。
【0007】以上のような背景にあって、広範囲の病原
微生物に対して有効な抗菌活性を有し、かつ、抗微生物
活性スペクトル、効力、微生物耐性の回避並びに毒性低
下などの面で、公知の抗菌剤と比較して有利な化合物が
望まれているといえる。
【0008】さて、自然界において藻類などにみられる
共生という現象は、相利的共生の場合、共生者は宿主か
ら生活の場の提供を受け、共生者は宿主に対して栄養を
提供するといった関係のほかに、両者の相互作用により
新しい物質を生産することがある。
【0009】本発明者らは、さまざまな生物と共生する
ことが知られている藍藻に着目し、いくつかの藍藻につ
いて有用物質の探索を行った結果、Nostoc communeから
の抽出物が抗菌活性をはじめとする有用な生理活性を示
すことを見出し、本発明を完成させた。
【0010】[発明の概要]
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、有用
な生理活性、具体的には抗菌活性、胞子発芽阻害活性、
有糸分裂阻害活性、種子発芽阻害活性および細胞分裂阻
害活性、を有する藍藻からの抽出物を提供することを目
的としている。
【0012】また本発明は、抗菌活性を有する新規物質
およびそれを有効成分とする抗癌剤を提供することを目
的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によるネンジュモ
抽出物は、藍藻植物であるNostoc communeからアルカノ
ール抽出によって得ることができるもの、である。
【0014】また、本発明化合物は、下記の一般式
(I)で表される化合物およびその薬学上許容される塩
ならびに生物学的に不安定なそのエステルである。
【0015】
【化3】 (式中、Rは水酸基またはエステル基を表し、R
水素原子またはアシル基を表し、AおよびBはそれそれ
酸素原子を表すか、もしくは、AとBは一緒になって下
記基(II):
【0016】
【化4】 を表す。)本発明による前記ネンジュモ抽出物および一
般式(I)で表される化合物は、有用な生理活性、具体
的には抗菌活性、胞子発芽阻害活性、有糸分裂阻害活
性、種子発芽阻害活性および細胞分裂阻害活性、を有し
ていることから、その生理活性を利用した種々の用途、
例えば抗菌剤、抗癌剤として利用することができる。
【0017】[発明の具体的説明]本発明によるネンジ
ュモ抽出物は、藍藻植物であるNostoc communeからアル
カノール抽出によって得ることができるものである。こ
のNostoc communeは、イシクラゲともよばれ、世界中に
広く分布する藍藻植物で、庭園、グランド、校庭、路地
などの湿地に見出され、特に梅雨期などの湿度が高く恒
温の時期に盛んに増殖して、緑褐色、黄緑色のキクラゲ
状の群体として出現する。
【0018】抽出は、Nostoc communeとアルカノールと
を接触させて、植物からアルカノール溶解成分を抽出す
る。以下の理論に拘束されるわけではないが、この活性
成分は植物体の表面に共生している微生物との共生の結
果、植物体自信または共生微生物が産生しているものと
推定される。従って、アルカノールによる抽出は、植物
体表面とアルカノールとを接触させることによって実施
されるのが好ましいが、植物体を破砕し、その破砕物か
らアルカノールによって抽出された抽出物も本発明に包
含される。
【0019】好ましいアルカノールとしては、一価の低
級アルコールが挙げられ、より好ましくは一価のC
1〜4アルコールであり、最も好ましくはメタノールで
ある。
【0020】本発明によるネンジュモ抽出物は種々の生
理活性を有しており、具体的には抗菌活性、胞子発芽阻
害活性、有糸分裂阻害活性、種子発芽阻害活性および細
胞分裂阻害活性を有している。特に、後述するように本
発明によるネンジュモ抽出物はウニ卵細胞に対し、前核
融合阻害に基づくと思われる細胞分裂阻害活性を有して
いる。ここで、本発明によるネンジュモ抽出物と同様に
細胞分裂活性を有するコルヒチンが抗癌活性を有するこ
とが知られており(Cancer, vol 3, 124(1950))、従っ
て、本発明によるネンジュモ抽出物も抗癌剤としての利
用が期待される。
【0021】これらの活性は分離することができ、例え
ば本発明による抽出物からさらに酢酸エチルエステルで
抽出した成分はいずれの活性も有し、さらにブタノール
で抽出された成分は抗菌活性、種子発芽阻害活性ととも
に優れた有糸分裂阻害活性を有し、また水によって抽出
された成分は特に優れた種子発芽阻害活性を有してい
る。
【0022】本発明によるネンジュモ抽出物は、その生
理活性を利用して、種々の用途に利用することができ
る。例えば、抗菌剤、抗癌剤、抗菌作用を有する医薬部
外品、農薬などとして利用することができ、一般のビヒ
クル、担体、賦形剤、防腐剤、安定剤、香料等と共に種
々の形態に処方されてよい。また、一般に、ネンジュモ
属の藻体抽出物は保湿作用、紫外線遮断作用、美白作用
などを持つことが知られていることから、抗菌作用を含
め種々の有益な効果を持つ化粧料として利用することが
できる。また、細胞分裂阻害活性を利用した、細胞分裂
阻害機構の研究するための試薬として有用であると期待
される。
【0023】本発明によるネンジュモ抽出物を抗菌剤ま
たは抗癌剤として利用する場合、経口および非経口(例
えは、静注、筋注、皮下投与、直腸投与、経皮投与)の
いずれかの投与経路で、ヒトおよびヒト以外の動物に投
与することができる。
【0024】従って、本発明による化合物を有効成分と
する医薬組成物は、投与経路に応じた適当な剤形とさ
れ、具体的には主として静注、筋注などの注射剤、カプ
セル剤などの経口剤などに調製することができる。これ
らの各種製剤は通常用いられている賦形剤、増量剤、結
合剤、湿潤化剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤、分散
剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭
剤、無痛化剤、安定化剤などを用いて常法により製造す
ることができる。使用可能な無毒性の上記添加剤として
は、例えば乳糖、果糖、ブドウ糖、でん粉、ゼラチン、
炭酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウム、タルク、
ステアリン酸マグネシウム、メチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロースまたはその塩、アラビアゴム、ポ
リエチレングリコール、シロップ、ワセリン、グリセリ
ン、エタノール、プロピレングリコール、クエン酸、塩
化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウムなどが
挙げられる。
【0025】投与量は症状や年齢、性別などを考慮し
て、個々の場合に応じて適宜決定されるが、通常成人1
日当たり約0.1〜1000mg程度であり、これを一
日1回または数回に別けて投与する。
【0026】さらに本発明の第二の態様によれば、先の
一般式(I)で表される新規化合物が提供される。
【0027】一般式(I)において、Rが表すエステ
ル基とは生体内において例えば酵素の作用によって容易
に水酸基を形成するようなエステルをいう。具体的な例
としては、例えばC1〜6(好ましくはC1〜4)アル
キルカルボニルオキシ基が挙がられる。
【0028】また、一般式(I)においてRが表すア
シル基としては、例えばC1〜6アルキルカルボニル基
が好ましくは、より好ましくはC1〜4アルキルカルボ
ニル基である。
【0029】この一般式(I)で表される化合物は、そ
の塩とすることができる。その好ましい塩としては、医
学上許容される非毒性塩が挙げられ、好適にはナトリウ
ム塩、カリウム塩またはカルシウム塩のようなアルカリ
金属またはアルカリ土類金属の塩、フッ化水素酸塩、塩
酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン
化水素塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩など
の無機酸塩、メタスルホン酸塩、トリフルオロメタンス
ルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルキル
スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンス
ルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、フマール酸
塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、
マレイン酸塩などの有機酸塩、および、グルタミン酸
塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩を挙げること
ができる。
【0030】この一般式(I)で表される化合物のうち
がOHである化合物は、本発明によるネンジュモ抽
出物から得ることができる(具体的な抽出条件は後記す
る実施例を参照されたい)。
【0031】さらに、Rがエステル基である化合物
は、RがOHである化合物と所望の構造を有するカル
ボン酸とをエステル結合形成条件下で反応させることに
より得ることができる。また、AおよびBが前記基(I
I)で表される化合物は、AおよびBが酸素原子である
化合物とο−フェニレンジアミンとを、適当な溶媒(例
えばベンゼン)中で酸存在下、室温〜加熱下反応させる
ことにより得ることができる。
【0032】この化合物は抗菌活性、胞子発芽阻害活
性、有糸分裂阻害活性、種子発芽阻害活性および細胞分
裂阻害活性を有しており、ネンジュモ抽出物と同様の用
途および使用態様において利用することができる。特
に、前記したように細胞分裂阻害活性を有することか
ら、この化合物は抗癌活性を有すると考えられ、抗癌剤
としての利用することができる。抗癌剤として利用する
場合には、先に記載したのと同様の投与経路および投与
形態で利用することができる。また、その投与量も症状
や年齢、性別などを考慮して、個々の場合に応じて適宜
決定されるが、通常成人1日当たり約0.1〜1000
mg程度であり、これを一日1回または数回に別けて投
与する。
【0033】
【実施例】実施例1 抽出物の調製 野生に生育しているNostoc commune3.2kgを水洗い
し、これに3.4lのメタノールを加えて抽出を行い、
濾紙(TOYO No.2 )でろ過し、エバポレータで濃縮し
た。その後、300mlの酢酸エチルを加えて激しく振と
うし、酢酸エチル層と水層に分離した。酢酸エチル層
は、エバポレータで減圧乾固し、精製物Aを得た。
【0034】また、水層に更にブタノール300mlを加
えて激しく振とうし、ブタノール層と水層に分離し、そ
れぞれエバポレータで減圧乾固し、ブタノール層からは
精製物Bを、水層からは精製物Cを得た。
【0035】実施例2 最小発育阻止濃度(MIC)試
験 実施例1で調製した精製物A、BおよびCの、次の表に
記載されている被検生物に対する最小発育阻止濃度を求
めた。まず、精製物A、BおよびCをそれぞれ滅菌水で
いくつかの所定の濃度に希釈した。それを、滅菌された
肉エキス10g、ペプトン10g 、NaCl 5g/l を
含む寒天培地(pH6.8)に添加し、さらに次の表に
記載されている被検生物を接種して、25〜37℃で培
養した。増殖の有無、胞子発芽を観察し、そのMIC値
を求めた。その結果は次の表に示される通りである。
【0036】 第1表 被検生物 MIC(μg/ml) 精製物A 精製物B 精製物C Bacillus subtilis 80 640 >2500 Escherichia coli 40 320 >2500 Aspergillus candidus >5000 80 >25000 Cladosporium herbarum >5000 160 >25000 以上より、精製物Aには芽胞性細菌であるBacillus sub
tilis および腸内細菌であるEscherichia coliに有効で
あり、また精製物Bは前記細菌の発育を阻害することに
加えて、糸状菌であるAspergillus candidusおよびClad
osporium herbarum に対する胞子発芽阻害活性が観察さ
れた。
【0037】実施例3 ウニ分裂阻害活性試験 実施例1で調製した精製物A、BおよびCの、ウニの卵
の分裂阻害活性を調べた。まず、精製物A、BおよびC
をそれぞれ海水でいくつかの所定の濃度に希釈した。そ
れを、受精直後のウニの卵が入ったシャーレに添加し、
シャーレを密閉し、卵の分裂を偏向顕微鏡で観察した。
分裂阻害を引き起こす濃度は次の表に示される通りであ
る。
【0038】 第2表 MIC(μg/ml) 精製物A 精製物B 精製物C Sea urchin embryo 12.5 >100 >100 精製物Aによれば、卵の分裂が阻害され、微小管の無秩
序配列が引き起こされた。
【0039】実施例4 アルファルファ種子発芽阻害活
性 実施例1で調製した精製物A、BおよびCの、アルファ
ルファ種子発芽阻害活性を調べた。シャーレの底に脱脂
綿を敷き、その上にアルファルファ種子を置き、精製水
で所定の濃度に希釈した精製物A、BまたはCをそれぞ
れ添加した。その後25℃で培養し、種子の発芽の有無
を観察した。種子の発芽を阻害する濃度は次の表に示さ
れる通りである。
【0040】 第3表 MIC(μg/ml) 精製物A 精製物B 精製物C Medicago sativa 2500 2500 1000 実施例5 活性成分の同定 野生に生育しているNostoc commune3.2kgを水洗い
し、これに3.4lのメタノールを加えて抽出を行い、
濾紙(TOYO No.2 )でろ過し、エバポレータで濃縮し
た。その後、300mlの酢酸エチルを加えて激しく振と
うし、酢酸エチル層と水層に分離した。酢酸エチル層を
LH−20カラムに通し、クロロホルムで溶出させ、さ
らにそれをシリカゲルカラムに通し、ベンゼン:酢酸エ
チル(2:8)で溶出させた。溶出物を減圧乾固させ、
前記した式(I)(但し、R=OH)で表される化合
物を得た。さらに、次に示すような条件のHPLCによ
ってさらに精製した。
【0041】HPLC分析 カラム:Intertsil ODS-2 (Φ 4.6×250mm, GL Scienc
es) 溶出:HO/MeOH 40/60 −0/100 40min 直線濃
度勾配 速度:0.8m/min 検出:UV 254nm、HITACH L-4200 こうして得られた前記化合物を、p−トルエンスルホニ
ルアルコールに溶解し、これに無水酢酸を加え、60℃
で3時間反応させた。メタノールで抽出し、それを蒸発
乾固させた。生成物をシリカゲルカラムクロマトクラフ
ィー(ベンゼン:酢酸エチルエステル=9:1)で精製
して、一般式(I)の化合物(但し、R=CHCO
O)である化合物(1.38mg)を得た。
【0042】この化合物の諸物性は以下に示される通り
である。
【0043】分子量:EI−ME(m/z):331
(M) 紫外部吸収スペクトル:λmax(EtOH)nm (logε);270
(66800), 360(12000),273(79800), 407(13100) 赤外部吸収スペクトル:νmax(KBr)cm-1;3433, 2922,
2886, 17301 H−NMR(500MHz,CDCl3 )σ 2.36(3H,S), 7.29
(2H,D,J=8.7Hz), 7.35(1H,dd,J=6.0,7.9Hz), 7.44(1H,d
d,J=6.0,7.9Hz), 7.48(1H,S), 7.58(1H,d,J=6.0), 7.65
(2H,d,J=8.7), 8.06(1H,d,J=7.8), 9.05(1H,bs) また、一般式(I)(但し、R=OH)で表される化
合物をベンゼンに溶解し、ο−フェニレンジアミンと酢
酸とを加え、80℃で3時間反応させた。反応後、pH
を5.0に調整した後、水で洗浄し、減圧濃縮した。生
成物をシリカゲルカラムクロマトクラフィー(ベンゼ
ン:エタノール=9:1)で精製して、一般式(I)の
化合物(但し、AおよびBが一緒になって基(II)を表
す)である化合物(410μg)を得た。
【0044】この化合物の諸物性は以下に示される通り
である。
【0045】赤外部吸収スペクトル:νmax(KBr)cm-1
3429, 2960, 2926, 2851, 1657(W),1639(W), 1624(W),
1601, 1579, 1262, 1160, 10751 H−NMR(500MHz,CDCl3 )σ 7.05(2H,d,J=8.6H
z), 7.27-7.32(2H,m),7.38(1H,dd,J=9.1,2.1), 7.44(1
H,s), 7.55(1H,ddd,J=6.8,6.8,1.5), 7.63(1H,ddd,J=6.
7,6.8,1.4), 7.68(2H,d,J=8.6), 8.00(1H,dd,J=6.8,1.
4), 8.06(1H,d,J=9.1,1.2), 8.19(1H,d,J=6.7,1.5), 9.
57(1H,bs)実施例6 式(I)の化合物の生理活性 式(I)で表される化合物(但し、R=OH)の種々
の生理活性を実施例2〜4と同様にして調べた。その結
果は、次の表に示される通りである。
【0046】第4表 被検生物 MIC(μg/ml) Bacillus subtilis >100 Escherichia coli >100 Aspergillus candidus >100 Cladosporium herbarum >100 Medicago sativa >1000 Sea urchin embryo 10
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】抽出は、Nostoc communeと
アルカノールとを接触させて、植物からアルカノール溶
解成分を抽出する。以下の理論に拘束されるわけではな
いが、この活性成分は植物体の表面に共生している微生
物との共生の結果、植物体自身または共生微生物が産生
しているものと推定される。従って、アルカノールによ
る抽出は、植物体表面とアルカノールとを接触させるこ
とによって実施されるのが好ましいが、植物体を破砕
し、その破砕物からアルカノールによって抽出された抽
出物も本発明に包含される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】本発明によるネンジュモ抽出物は種々の生
理活性を有しており、具体的には抗菌活性、胞子発芽阻
害活性、有糸分裂阻害活性、種子発芽阻害活性および細
胞分裂阻害活性を有している。特に、後述するように本
発明によるネンジュモ抽出物はウニ卵細胞に対し、前核
融合阻害に基づくと思われる細胞分裂阻害活性を有して
いる。ここで、本発明によるネンジュモ抽出物と同様に
細胞分裂阻害活性を有するコルヒチンが抗癌活性を有す
ることが知られており(Cancer,vol3,12
4(1950))、従って、本発明によるネンジュモ抽
出物も抗癌剤としての利用が期待される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】HPLC分析 カラム:Intertsil ODS−2(Φ4.6×
250mm,GL Sciences) 溶出:HO/MeOH 40/60−0/100 4
0min 直線濃度勾配 速度:0.8m/min 検出:UV 254nm、HTACH L−4200 こうして得られた前記化合物を、p−トルエンスルホン
酸を含む無水酢酸液に溶解し、60℃で3時間反応させ
た。メタノールで抽出し、それを蒸発乾固させた。生成
物をシリカゲルカラムクロマトクラフィー(ベンゼン:
酢酸エチルエステル=9:1)で精製して、一般式
(1)の化合物(但し、R=CHCOO)である化
合物(1.38mg)を得た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】分子量:EI−ME(m/z):331
(M) 紫外部吸収スペクトル:λmax(EtOH)nm(l
ogε);270(66800),360(1200
0),273(79800),407(13100) 赤外部吸収スペクトル:νmax(KBr)cm−1
3433,2922,2886,1730 H−NMR(500MHz,CDCl)σ 2.3
6(3H,S),7.29(2H,D,J=8.7H
z),7.35(1H,dd,J=6.0,7.9
),7.44(1H,dd,J=6.0,7.9H
z),7.48(1H,S),7.58(1H,d,J
=6.0),7.65(2H,d,J=8.7),8.
06(1H,d,J=7.8),9.05(1H,b
s) また、一般式(I)(但し、R=OH)で表される化
合物をベンゼンに溶解し、ο−フェニレンジアミンと酢
酸とを加え、80℃で3時間反応させた。反応後、pH
を5.0に調整した後、水で洗浄し、減圧濃縮した。生
成物をシリカゲルカラムクロマトクラフィー(ベンゼ
ン:エタノール=9:1)で精製して、一般式(I)の
化合物(但し、AおよびBが一緒になって基(II)を
表す)(410μg)を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 209/60 9284−4C 487/04 140 7019−4C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Nostoc communeからアルカノール抽出によ
    って得ることができる、ネンジュモ抽出物。
  2. 【請求項2】抗菌活性、胞子発芽阻害活性、有糸分裂阻
    害活性、種子発芽阻害活性および細胞分裂阻害活性から
    選択される1以上の活性を有する、請求項1記載の抽出
    物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の抽出物を有効成分
    として含有してなる、抗菌剤。
  4. 【請求項4】下記の一般式(I)で表される化合物およ
    びその薬学上許容される塩ならびに生物学的に不安定な
    そのエステル。 【化1】 (式中、 Rは水酸基またはエステル基を表し、 Rは水素原子またはアシル基を表し、 AおよびBはそれそれ酸素原子を表すか、もしくは、A
    とBは一緒になって下記基(II): 【化2】 を表す。)
  5. 【請求項5】請求項4記載の化合物を有効成分として含
    有してなる、抗癌剤。
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