JPH11507636A - 新規なクリプトフィシン - Google Patents

新規なクリプトフィシン

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JPH11507636A
JPH11507636A JP9501938A JP50193897A JPH11507636A JP H11507636 A JPH11507636 A JP H11507636A JP 9501938 A JP9501938 A JP 9501938A JP 50193897 A JP50193897 A JP 50193897A JP H11507636 A JPH11507636 A JP H11507636A
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JP9501938A
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イー. ムーア,リチャード
ディー. スミス,チャールズ
エム.エル. パターソン,グレゴリー
エル. ムーベリー,スーザン
エィチ. コーベット,トマス
エイ. バレリオート,フレデリック
ゴラコティ,トリムルトル
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ユニバーシティ オブ ハワイ
ウエイン ステート ユニバーシティ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は構造(I)を有する新規なクリプトフィシンを提供する。本発明はまたラン藻(青緑色細菌)のノストックsp.から新規のクリプトフィシンを製造する方法も提供する。本発明は、超増殖性の細胞の増殖を阻害するために新規なクリプトフィシンを使用する方法とともに新規なクリプトフィシンを含む薬剤も提供する。本発明は薬剤耐性表現型を有する超増殖性の細胞の増殖を阻害しそして新生物のような病的状態を治療するために新規なクリプトフィシンを使用する方法をさらに提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 新規なクリプトフィシン 本発明は1993年12月21日に受理され、現在は放棄されている同時係属 中の出願番号08/172,632の継続出願である、1994年5月27日に 受理された同時係属中の出願番号08/249,955の部分継続出願である、 1994年12月21日に受理された同時係属中の国際出願番号PCT\US9 4\14740の部分継続出願である。 本発明はDepartment of Health and Human Services のThe National Cancer Institute からの補助金CA12623号の下で米国政府の支援を部分的にうけ て成しとげられた。従って米国政府は本発明にいくらかの権利を有するであろう 。発明の背景 細胞生長の正常な制御に服さない細胞増殖を特徴とする腫瘍性疾患はヒトの死 の主因をなす。癌の化学療法での臨床的経験から、この疾患を治療するための新 規かつ一層効果的な薬剤への欲求が明らかとなっている。このような臨床的経験 から、細胞骨格の微小管系を分断する薬剤が腫瘍性細胞の増殖を阻害するのに有 効でありうることも明らかになっている。 真核細胞の微小管系は細胞骨格の主な構成物でありまた集合しまた分散すると いう動的状態にある。すなわちチューブリンのヘテロダイマーが重合されそして 微小管が形成される。この微小管は細胞の構造、新陳代謝、および分裂を制御す るのに鍵となる役割を果たし、また微小管の動的な性質はそれが細胞内で正常に 機能するのに不可欠である。例えば細胞分裂に関しては、微小管が新生され、つ まりチューブリンから重合されて有糸分裂の紡錘体が形成される。有糸分裂紡錘 体の利用が果されると、紡錘体内に含まれる微小管が引き続いて解重合される。 細胞内の微小管の重合または解重合のいずれかを中断すると有糸分裂を阻害しそ れによって細胞の増殖を阻害することができる。 細胞の微小管の動的状態を阻害することにより細胞の増殖を阻害しうるであろ う作用剤は、細胞が異常に大きい速度で増殖することを特徴とする疾患である癌 を治療するのに役立つであろう。実際、このような作用剤は今日臨床的に使用さ れる最も有効な癌の化学療法剤のいくつかをなしている。 これらの有糸分裂阻害剤または有糸分裂阻害毒はそれらの分子的作用のメカニ ズムに基いて三つの群に分類される。コルヒチンおよびコルセミド(colcemid)を 含む第1の群はチューブリンを隔離することにより微小管の形成を阻害する。ビ ンブラスチンおよびビンクリスチンを含む第2の群はチューブリンのパラ結晶性 (paracrystalline)集合体の形成を誘発する。これら二つの作用剤の作用は、有 糸分裂紡錘体の微小管を分断することにより超増殖性細胞の増殖を優先的に阻害 する。タクソールを含む第3の群はチューブリンの重合を促進することにより微 小管の重合および解重合の動的状態を混乱させる。 しかしながら、有糸分裂阻害毒として活性を有する作用剤は、腫瘍細胞におい てもあるいは薬剤耐性の表現型を有する腫瘍細胞においても、それがこのような 作用を示すという結論を与えない。例えば、ビンブラスチンおよびビンクリスチ ンのようなビンカアルカロイドは腫瘍形成性細胞および腫瘍に対して効果的であ るが、薬剤耐性のあるいくつかの腫瘍および細胞に対しては活性を欠く。腫瘍形 成性細胞が薬剤耐性(DR)あるいは多剤耐性(MDR)を示す原理はP−グリ コプロテインの過発現を通じてである。P−グリコプロテインの輸送に関して劣 る基質である化合物はこのようなMDR表現型を回避するのに役立つにちがいな い。 従って多くの腫瘍細胞によるDRまたはMDR表現型の発揮、および腫瘍形成 性細胞に対抗する微小管阻害剤の臨床的に証明された作用の様態のため、薬剤耐 性のない腫瘍形成性細胞に対して細胞毒性があるとともに薬剤耐性の表現型を有 する腫瘍形成性細胞に対して細胞毒性がある微小管阻害剤の開発が必要になる。 背景となる技術 ノストック(Nostoc)属のラン藻(青緑色細菌)から単離されるあるいはこれ の単離物から合成される、選ばれたクリプトフィシン化合物のジオキサ−ジアザ シクロヘキサデセンテトロンは、糸状菌、特にそのアスペルジラス(Aspergillus )、ペニシリウム(Penicillium)およびフォーマ(Phom)種に対する活性を有する 抗菌剤として特徴づけられるが、その作用メカニズムは未知であ る。本明細書でクリプトフィシン(Cryptophycin)1、3、5、13および15 と称する5つのクリプトフィシン化合物は米国特許第4,946,835号、第 4,845,085号、第4,845,086号および第4,868,208号 中に開示された。このような化合物はMB5357と称されるノストックsp.株 から単離されているかあるいはこのような単離された化合物から合成されている 。 発明の概要 本発明は次の構造: (式中、R1はHまたはハロゲンであり; R2はH、ケトンの酸素またはOHであるか;あるいは R1およびR2はエポキシド環を一緒に形成するとされてよく、またはR1および R2はエピサルファイド環を一緒に形成するとされてよく; R3はH、または低級アルキル基であり; R4はHまたはOHであり; R5はHまたはOHであるか;あるいは R4およびR5は第二の結合を一緒に形成するとされてよく; R6はHまたはハロゲンであるが、 ただしここで R1およびR2がエポキシド基を一緒に形成するとし、 R4およびR5が第二の結合を一緒に形成するとしかつR6が塩素である場合、R3 はメチルでない)を有する新規なクリプトフィシン化合物を提供する。 本発明によりさらに提供されるのは、ラン藻(青緑色細菌)のノストックsp. から新規なクリプトフィシン化合物をつくる方法である。正常なそして超増殖性 の哺乳類細胞の増殖を阻害するために新規なクリプトフィシン化合物を使用する 方法と同様に、新規なクリプトフィシン化合物を含む薬剤組成物がやはり本発明 によって提供される。本発明は、多剤耐性表現型を有するものを含めて薬剤耐性 を有する超増殖性の哺乳類細胞の増殖を阻害する新規なクリプトフィシン化合物 を使用する方法もまた提供する。さらに腫瘍形成のような病的状態を治療するの に新規なクリプトフィシン化合物を使用する方法が本発明により提供される。 図面の簡単な説明 図1は本発明の選ばれたクリプトフィシン化合物の一般的構造および選択され た態様におけるヒドロキシ酸単位AおよびDと二つのアミノ酸単位BおよびCに 関する番号付与システムを示す。 図2はジャーカット(Jurkat)細胞の増殖および細胞周期の進行に対するクリ プトフィシン化合物およびビンブラスチンの影響をグラフにより示す。ジャーカ ット細胞は表示されている濃度のクリプトフィシン化合物(A)またはビンブラ スチン(B)で24時間培養された。各試料について実験の部に記載するように 生存する細胞の数(■)と分裂指数(□)とを測定した。数値は類似する三つの 実験の一つにおける三重の試料に関する平均±標準偏差(sd)を表わす。 図3はビンブラスチン、クリプトフィシンおよびタクソールの細胞生長に対す る影響の可逆性をグラフで表わす。SKOV3細胞は時刻0において0.1nMの ビンブラスチン(□)、0.1nMのクリプトフィシン(■)または1nMのタクソ た。24時間児、細胞を洗浄しそして表示する時間にわたって薬剤を含まない媒 体中で培養した。細胞の密度は実験の部で記載するようにスルホローダミンB( SRB)染色により測定されそして三つの実験の一つにおける三重の試料に関し て560nmでの吸光度の平均±標準偏差として表わされる。 図4は細胞増殖に対するビンブラスチンとクリプトフィシンの合併した影響に 関するアイソボログラム(Isobologram)を示す。SKOV3細胞はビンブラスチ ン(0〜600pM)およびクリプトフィシン(1〜100pM)で48時間処理し た。次に実験の部に記載するようにSRB染色により細胞の数、そしてIC50( ■)およびビンブラスチン化合物とクリプトフィシン化合物との併用に関する加 成性の線(----)を測定した。数値はそれぞれ三重の試料が含まれる二つの実験 に対する平均値を表わす。 発明の詳細な説明 本発明は以下の構造: 〔式中、R1はH、OH、ハロゲン、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキ シル基または低級アルキルであり; R2はH、OH、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキシル基または低級ア ルキルであるか;あるいは R1およびR2はエポキシド環、アジリデン環、サルファイド環またはC10とC11 との間の第二の結合を一緒に形成するとされてよく;あるいは R1およびR4はテトラヒドロフラン環を一緒に形成するとされてよく; R3はHまたは低級アルキル基であり; R4はOH、低級アルカノイルオキシ基または低級α−ヒドロキシアルカノイル オキシ基であり; R5はHまたはOHであり; R6はHであるか;あるいは R5およびR6はC5とC6との間の第二の結合を一緒に形成するとされてよく; R7はベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、ハロヒドロキシベン ジル、ジハロヒドロキシベンジル、ハロメトキシベンジルまたはジハロメトキシ ベンジル基であり; R8はOH、低級β−アミノ酸であってC1がβ−アミノ酸のNに結合しているも のまたはエステル化された低級β−アミノ酸であってC1がエステル化低級β− アミノ酸基のNに結合しているものであり; R4およびR8は、低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合した低級β−アミノ酸か らなるジデプシペプチド基を一緒に形成するとされてよく;また R5およびR8は、低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合した低級β−アミノ酸 からなるジデプシペプチド基を一緒に形成するとされてよく; ただしここで R2がOH、ケトン基のO、NH2、SHである場合に限ってR1はH、低級アル キル基または低級アルコキシル基であり; R1がOH、ケトン基のO、NH2、SHである場合に限ってR2はH、低級アル キル基または低級アルコキシル基であり; R1がOH、R2がOH、R3がメチルである場合、R5およびR6はC5 ++とC6と の間の第二の結合を一緒に形成するとし、 またR4およびR8は構造X: (式中、XのO1はR4に対応し、XのN8はR8に対応し、R9はメチルでありま たR10はイソブチルであり、R7は3−クロロ−4−メトキシベンジルでない) を有するジデプシペプチド基を一緒に形成するとし; R1およびR2がエポキシド環を一緒に形成するとする時、R3はメチルであり、 R5およびR6がC5とC6との間の第二の結合を一緒に形成するとされ、R4およ びR8は構造Xを有するジデプシペプチドを一緒に形成するとし、R9はメチルで あり、またR10はイソブチルであり、R7は3−クロロ−4メトキシベンジルで なく; R1およびR2がC10とC11との間の第二の結合を一緒に形成するとする時、R3 はメチルであり、R5およびR6はC5とC6との間の第二の結合を一緒に形成する とし、R4およびR8は構造Xを有するジデプシペプチドを一緒に形成するとし、 R9はメチルであり、またR10はイソブチルであり、R7は3−クロロ−4−メト キシベンジルでなく;そして R1およびR2がエポキシド基を一緒に形成する時、R31はメチルであり、R5お よびR6はC5とC6との間の第二の結合を一緒に形成するとし、R4はロイシン酸 のカルボキシ末端に結合しまたR8は3−アミノ−2−メチルプロピオン 酸のまたは3−アミノ−2−メチルプロピオン酸メチルエステルの窒素末端に結 合し、R3は3−クロロ−4−メトキシベンジルでない〕を有する新規なクリプ トフィシン化合物を提供する。 本発明はC2、C8、C9、C10およびC11に結合する基の少くとも一つがR立 体化学を有するクリプトフィシン化合物をさらに提供する。本発明の別な態様で はC2、C8、C9、C10およびC11に結合する基の少くとも一つがS立体化学を 有する。 本発明はR4またはR5がR8と一緒に形成するとされるジデプシ構造が、以下 の構造: (式中XのO1はR4またはR5に相当し、XのN8はR8に相当し、R9はHまたは 低級アルキル基でありまたR10はHまたは低級アルキル基である)である、上記 の構造に従うクリプトフィシン化合物をさらに提供する。 本明細書で用いる場合、「低級β−アミノ酸」とは3〜8個の炭素を有しそし て線状または非線状の炭化水素鎖を含む任意のβ−アミノ酸、例えば3−アミノ −2−メチルプロピオン酸を意味する。本明細書で用いる場合、「エステル化低 級β−アミノ酸」とはカルボン酸基の水素がメチル基で置換されている、3〜5 個の炭素を有する任意のβ−アミノ酸、例えば3−アミノ−2−メチルプロピオ ン酸メチルエステルを意味する。本明細書で用いる場合、「低級アルカノイルオ キシ基」とは、1〜7個の炭素を有しまた線状または非線状の炭化水素鎖を含む アルカノイルオキシ基を意味する。本明細書で用いる場合、「低級α−ヒドロキ シアルカノイルオキシ基とは2〜7個の炭素原子を有しまた線状および非線状の 炭化水素鎖を含むα−ヒドロキシアルカノイルオキシ基、例えば2−ヒドロキシ −4−メチル吉草酸を意味する。 本明細書で用いる場合、「低級アルコキシル基」とは1〜5個の炭素が酸素原 子に結合している任意のアルキル基を意味する。本明細書で用いられる場合、「 低級アルキル基」とは1〜5個の炭素を有するアルキル基を意味しまた線状また は非線状の炭化水素鎖を含む。 本明細書で用いる場合、「エポキシド環」とはバックボーンが2つの炭素と一 つの酸素原子とからなる3員環を意味する。本明細書で用いる場合、「アジリジ ン環」とはバックボーンが二つの炭素と一つの窒素原子とからなる三員環を意味 する。本明細書で用いる場合、「サルファイド環」とはバックボーンが二つの炭 素と一つの硫黄原子とからなる三員環を意味する。 本明細書で用いる場合、「ハロゲン」とは周期律表上で歴史的にハロゲンとし て知られる群に属するものをさす。ハロゲン化の方法には、ハロゲン化水素の付 加、高温での置換、フォハロゲン化(phohalogenation)などがあるがこれに限ら れはせず、そしてこのような方法は当技術に普通に熟達する者によって知られて いる。 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の例は、R1およびR2がエポキシド環 を一緒に形成するとされ、R3がメチルであり、二重結合があるようにR5および R6がC5とC6との間の結合を一緒に形成するとされ、R7が4−メトキシベンジ ルであり、またR9がメチルでそしてR10がイソブチルである構造Xを有するジ デプシペプチドをR4およびR8が一緒に形成する場合である。このクリプトフィ シン化合物、クリプトフィシン2の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、二重結合があるように、 R1およびR2がC10炭素とC11炭素との間に第二の結合を一緒に形成するとされ 、R3がメチルであり、二重結合があるようにR5およびR6がC5とC6との間に 第二の結合を一緒に形成するとされ、R7が−4−メトキシベンジルでありそし てR9がメチルであり、R10がイソブチルである構造Xを有するジデプシ ペプチドをR4およびR8が一緒に形成するとされる化合物である。このクリプト フィシン化合物、クリプトフィシン4の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR4がテトラヒ ドロフラン環を一緒に形成するとされ、R2がOHであり、R3がメチルであり、 二重結合があるようにR5およびR6がC5とC6との間の第二の結合を一緒に形成 するとされ、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジルであり、またR8が(2− カルボメトキシプロピル)アミノ基である場合である。このクリプトフィシン化 合物、クリプトフィシン6の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR4がテトラヒ ドロフラン環を一緒に形成するとされ、R2およびR8がOH基であり、R3がメ チルであり、二重結合があるようにR5およびR6がC5とC6との間に第二の結合 を一緒に形成するとされ、そしてR7が3−クロロ−4−メトキシベンジルであ る場合である。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン7の構造は以下 のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がクロロ基であり、 R2がOH基であり、R3がメチルであり、二重結合があるようにR5およびR6が C5とC6との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、R7が3−クロロ−4− メトキシベンジルであり、そしてR9メチルであり、R10がイソブチルである構 造Xを有するジデプシペプチドをR4およびR8が一緒に形成するとされる場合で ある。。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン8の構造は以下のとお りである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がメトキシ基であり 、R2がOH基であり、R3がメチルであり、二重結合があるようにR5およびR6 がC5とC6との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、R7が3−クロロ−4 −メトキシベンジルであり、R9がメチルであり、R10がイソブチルである構造 Xを有するジデプシペプチドをR4およびR8が一緒に形成するとされる場合であ る。。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン9の構造は以下のとおり である: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がメトキシであり、 R2およびR4がOH基であり、R3がメチルであり、二重結合があるようにR5お よびR6がC5およびC5との間に一緒に第二の結合を形成するとされ、R7が3− クロロ−4−メトキシベンジルであり、またR8が(2−カルボキシプロピル) アミノ基である場合である。。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン 10の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR4がテトラヒ ドロフラン環を一緒に形成するとされ、R2がOH基であり、R3がメチルであり 、二重結合があるようにR5およびR6がC5とC6との間に第二の結合を一緒に形 成するとされ、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジルであり、またR8が(2 −カルボキシプロピル)アミノ基である場合である。。このクリプトフィシン化 合物、クリプトフィシン12の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、二重結合があるようにR1 およびR2がC10炭素とC11炭素との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、 R3がメチルであり、R4がOH基であり、二重結合があるようにR5およびR6が C5とC6との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、R7が3−クロロ−4− メトキシベンジルでありまたR8が(2−カルボキシプロピル)アミ ノ基である場合である。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン14の 構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR2がエポキシ ド基を一緒に形成するとされ、R3がメチルであり、二重結合があるようにR5お よびR6がC5とC6との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、R7が3−クロ ロ−4−ヒドロキシベンジルであり、そしてR9がメチルであり、R10がイソブ チルである構造Xを有するジデプシペプチドをR4およびR8が一緒に形成すると される場合である。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン16の構造 は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、二重結合があるようにR1 およびR2がC10炭素とC11炭素との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、 R3がメチルであり、二重結合があるようにR5およびR6がC5とC6との間に第 二の結合を一緒に形成するとされ、R7が3−クロロ−4−ヒドロキシベンジル であり、そしてR9がメチルでR10がイソブチルである構造Xを有するジデプシ ペプチドをR4およびR8が一緒に形成するとされる場合である。このクリプトフ ィシン化合物、クリプトフィシン17の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、二重結合があるようにR1 およびR2がC10炭素とC11炭素との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、 R3がメチルであり、二重結合があるようにR5およびR6がC5とC6との間に第 二の結合を一緒に形成するとされ、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジルで あり、そしてR9がメチルでR10が第二−ブチルである構造Xを有するジデプシ ペプチドをR4およびR8が一緒に形成するとされる場合である。このクリプトフ ィシン化合物、クリプトフィシン18の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、二重結合があるようにR1 およびR2がC10炭素とC11炭素との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、 R3がメチルであり、二重結合があるようにR5およびR6がC5とC6との間に第 二の結合を一緒に形成するとされ、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジルで あり、そしてR9がメチルでR10がイソプロピルである構造Xを有するジデプシ ペプチドをR4およびR8が一緒に形成するとされる場合である。このクリプトフ ィシン化合物、クリプトフィシン19の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR2がエポキシ ド基を一緒に形成するとされ、R3がメチルであり、二重結合があるようにR5お よびR6がC5とC6との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、R7が3−クロ ロ−4−メトキシベンジルであり、そしてR9が水素で、R10がイソブチルであ る構造Xを有するジデプシペプチドをR4およびR8が一緒に形成するとされる場 合である。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン21の構造は以下の とおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR2がエポキシ ド基を一緒に形成するとされ、R3がメチルであり、二重結合があるようにR5お よびR6がC5とC6との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、R7が3,5− ジクロロ−4−ヒドロキシベンジルであり、そしてR9がメチルで、R10がイソ ブチルである構造Xを有するジデプシペプチドをR4およびR8が一緒に形成する とされる場合である。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン23の構 造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR2がエポキシ ド基を一緒に形成するとされ、R3がメチルであり、二重結合があるようにR5お よびR6がC5とC6との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、R7が4−メト キシベンジルであり、そしてR9が水素で、R10がイソブチルである構造Xを有 するジデプシペプチドをR4およびR8が一緒に形成するとされる場 合である。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン24の構造は以下の とおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、二重結合があるようにR1 およびR2がC10炭素とC11炭素との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、 R3がメチルであり、R4がヒドロキシであり、R6が水素であり、R7が3−クロ ロ−4−メトキシベンジルであり、そしてR9がメチルで、R10がイソブチルで ある構造Xを有するジデプシペプチドをR5およびR8が一緒に形成するとされる 場合である。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン26の構造は以下 のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、二重結合があるようにR1 およびR2がC10炭素とC11炭素との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、 R3が水素であり、二重結合があるようにR5およびR6がC5とC6との間に第二 の結合を一緒に形成するとされ、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジルであ り、そしてR9がメチルでR10がイソブチルである構造Xを有するジデプシペプ チドをR4およびR8が一緒に形成するとされる場合である。このクリプトフィシ ン化合物、クリプトフィシン28の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、二重結合があるようにR1 およびR2がC10炭素とC11炭素との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、 R3がメチルであり、二重結合があるようにR5およびR6がC5とC6との間に第 二の結合を一緒に形成するとされ、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジルで あり、そしてR9が水素でR10がイソブチルである構造Xを有するジデプシペプ チドをR4およびR8が一緒に形成するとされる場合である。このクリプトフィシ ン化合物、クリプトフィシン29の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、二重結合があるようにR1 およびR2がC10炭素とC11炭素との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、 R3がメチルであり、R5がヒドロキシであり、R6が水素であり、R7が3−クロ ロ−4−メトキシベンジルであり、そしてR9がメチルで、R10がイソブチルで ある構造Xを有するジデプシペプチドをR4およびR8が一緒に形成するとされる 場合である。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン30の構造は以下 のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR2がエポキシ ド基を一緒に形成するとされ、R3がメチルであり、二重結合があるようにR5お よびR6がC5とC6との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、R7が3,5− ジクロロ−4−メトキシベンジルであり、そしてR9がメチルで、R10がイソブ チルである構造Xを有するジデプシペプチドをR4およびR8が一緒に形成すると される場合である。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン31の構造 は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR2がエポキシ ド基を一緒に形成するとされ、R3がメチルであり、R5が水素であり、R6が水 素であり、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジルであり、そしてR9がメチル で、R10がイソブチルである構造Xを有するジデプシペプチドをR4およびR8が 一緒に形成するとされる場合である。このクリプトフィシン化合物、クリプトフ ィシン35の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR2がエポキシ ド基を一緒に形成するとされ、R3が水素であり、二重結合があるようにR5およ びR6がC5とC6との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、R7が3−クロロ −4−メトキシベンジルであり、そしてR9がメチルで、R10がイソブチルであ る構造Xを有するジデプシペプチドをR4およびR8が一緒に形成するとされる場 合である。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン40の構 造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、二重結合があるようにR1 およびR2がC10炭素とC11炭素との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、 R3がメチルであり、二重結合があるようにR5およびR6がC5とC6との間に第 二の結合を一緒に形成するとされ、R7が3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシベ ンジルであり、そしてR9がメチルでR10がイソブチルである構造Xを有するジ デプシペプチドをR4およびR8が一緒に形成するとされる場合である。このクリ プトフィシン化合物、クリプトフィシン45の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR2がエポキシ ド基を一緒に形成するとされ、R3がメチルであり、二重結合があるようにR5お よびR6がC5とC6との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、R7が3−クロ ロ−4−メトキシベンジルであり、そしてR9がメチルで、R10がプロピルであ る構造Xを有するジデプシペプチドをR4およびR8が一緒に形成するとされる場 合である。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン49の構造は以下の とおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、二重結合があるようにR1 およびR2がC10炭素とC11炭素との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、 R3がメチルであり、二重結合があるようにR5およびR6がC5とC6との間に第 二の結合を一緒に形成するとされ、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジルで あり、そしてR9がメチルで、R10がプロピルである構造Xを有するジデプシペ プチドをR4およびR8が一緒に形成するとされる場合である。このクリプトフィ シン化合物、クリプトフィシン50の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR2がエポキシ ド基を一緒に形成するとされ、R3がメチルであり、二重結合があるようにR5お よびR6がC5とC6との間に第二の結合を一緒に形成するとされ、R7が3−クロ ロ−4−メトキシベンジルであり、そしてR9がメチルで、R10が第二−ブチル である構造Xを有するジデプシペプチドをR4およびR8が一緒に形成するとされ る場合である。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン54の構造は以 下のとおりである: 本発明は半合成的な径路を経て生成されている追加的なクリプトフィシンをさ らに提供する。これらの化合物は以下のクリプトフィシン亜属(subgenus)の構 造によって表わすことができる: 本発明は、構造: (式中、R1はHまたはハロゲンであり; R2はH、ケトンの酸素またはOHであるか;あるいは R1およびR2はエポキシド環を一緒に形成するとされてよく、またはR1および R2はエピサルファイド環を一緒に形成するとされてよく; R3はH、または低級アルキル基であり; R4はHまたはOHであり; R5はHまたはOHであるか;あるいは R4およびR5は第二の結合を一緒に形成するとされてよく; R6はHまたはハロゲンであるが、 ただしここで R1およびR2がエポキシド基を一緒に形成するとされ、 R4およびR5が第二の結合を一緒に形成するとしかつR6が塩素である場合、R3 はメチルでない)を有するクリプトフィシンをさらに提供する。 本発明は次の構造: (式中、R1はHまたはハロゲンであり; R2はH、ケトンの酸素またはOHであるか;あるいは R1およびR2はエポキシド環を一緒に形成するとされてよく、またはR1および R2はエピサルファイド環を一緒に形成するとされてよく; R3はH、または低級アルキル基であり; R4はHまたはOHであり; R5はHまたはOHであるか;あるいは R4およびR5は第二の結合を一緒に形成するとされてよく; R6はHまたはハロゲンであるが、 ただしここで R1およびR2がエポキシド基を一緒に形成するとされ、 R4およびR5が第二の結合を一緒に形成するとしかつR6が塩素である場合、R3 はメチルでない)を有するクリプトフィシンを製造する方法をさらに提供する。 本発明は次の構造: (式中、R1はHまたはハロゲンであり; R2はH、ケトンの酸素またはOHであるか;あるいは R1およびR2はエポキシド環を一緒に形成するとされてよく、またはR1および R2はエピサルファイド環を一緒に形成するとされてよく; R3はH、または低級アルキル基であり; R4はHまたはOHであり; R5はHまたはOHであるか;あるいは R4およびR5は第二の結合を一緒に形成するとされてよく; R6はHまたはハロゲンであるが、 ただしここで R1およびR2がエポキシド基を一緒に形成するとされ、 R4およびR5が第二の結合を一緒に形成するとしかつR6が塩素である場合、R3 はメチルでない)を有する有効量の化合物を薬剤として許容できる担体とともに 含む、超増殖性の哺乳類細胞の増殖を阻害するのに有用な薬剤組成物をさらに提 供する。 本発明の好ましい態様では、薬剤組成物は追加的な腫瘍形成阻害剤を少くとも 一つさらに含む。本発明は、微小管の重合および解重合の動的状態を攪乱して細 胞の有糸分裂を停止することによって細胞の増殖を阻害するのに十分な量の上記 に示したクリプトフィシン化合物を哺乳類の細胞に接触させることからなる、哺 乳類細胞の増殖を阻害する方法をさらに提供する。好ましい態様においてこの方 法は、追加的な少くとも一つの腫瘍形成阻害剤を細胞と接触させることをさらに 含む。追加の好ましい一態様では、哺乳類細胞は超増殖性を有する。本発明の好 ましい態様において超増殖性細胞はヒトのそれである。 本発明は超増殖性細胞の増殖を阻害するのに有効な量の前述した薬剤組成物を 患者に投与することからなる、超増殖性の哺乳類細胞によって惹起される病的状 態を軽減するための方法をさらに提供する。好ましい態様において哺乳類細胞は ヒトのそれである。追加的な好ましい一態様においてこの方法は、病的状態を軽 減するための少くとも一つの追加的な療法を患者に施すことを含む。好ましい態 様において病的状態は新生物の形成によって特徴づけられる。新生物は乳腺の、 小細胞肺(small-cell lung)、非小細胞肺、結腸直腸、白血病、黒色腫、膵臓腺 癌、中枢神経系(CNS)、卵巣の、前立腺の、軟かい組織または骨、頭および 首の肉腫、膵臓のおよび食道のを含めて胃部の、胃、骨髄腫、袋状組織、腎臓の 、甲状腺を含む神経性内分泌腺、非ホジキン病およびホジキン病新生物からなる 群から選ばれる。 以下に追加的なクリプトフィシンを示すが、これらの置換基は以下の構造に基 づく: (式中、R1はHまたはハロゲンであり; R2はH、ケトンの酸素またはOHであるか;あるいは R1およびR2はエポキシド環を一緒に形成するとされてよく、またはR1および R2はエピサルファイド環を一緒に形成するとされてよく; R3はH、または低級アルキル基であり; R4はHまたはOHであり; R5はHまたはOHであるか;あるいは R4およびR5は第二の結合を一緒に形成するとされてよく; R6はHまたはハロゲンであるが、 ただしここで R1およびR2がエポキシド基を一緒に形成するとし、 R4およびR5が第二の結合を一緒に形成するとしかつR6が塩素である場合、R3 はメチルでない) 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の例は、R1が水素であり、R2がケト ン基の酸素であり、R3がS−メチルであり、R4およびR5が第二の結合を一緒 に形成するとされ、そしてR6がクロロである場合である。このクリプトフィシ ン化合物、クリプトフィシン20の構造は以下の通りである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がS−ブロモであり 、 R2がR−ヒドロキシであり、R3がS−メチルであり、R4およびR5が第二の結 合を一緒に形成するとされそしてR6がクロロである場合である。このクリプト フィシン化合物、クリプトフィシン25の構造は以下の通りである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がR−クロロであり 、R2がR−ヒドロキシであり、R3がS−メチルであり、R4およびR5が第二の 結合を一緒に形成するとされそしてR6がクロロである場合である。このクリプ トフィシン化合物、クリプトフィシン27の構造は以下の通りである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR2がR,R− エポキシド環を一緒に形成するとされ、R3がS−メチルであり、R4およびR5 が水素でありそしてR6がクロロである場合である。このクリプトフィシン化合 物、クリプトフィシン32の構造は以下の通りである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1,R4およびR5が水 素であり、R2がS−ヒドロキシであり、R3がR−メチルでありそしてR6がク ロロである場合である。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン33の 構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例はR1,R2,R4およびR5が 水素であり、R3がR−メチルでありそしてR6が水素である場合である。このク リプトフィシン化合物、クリプトフィシン34の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がR−ブロモであり 、R2がR−ヒドロキシであり、R3がS−メチルであり、R4およびR5が第二の 結合を一緒に形成するとされそしてR6がクロロである場合である。このクリプ トフィシン化合物、クリプトフィシン37の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR2がS,S− エポキシド環を一緒に形成するとされ、R3がS−メチルであり、R4およびR5 が第2の結合を一緒に形成するとされそしてR6がクロロである場合である。こ のクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン38の構造は以下のとおりである 。 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR2がS,R− エポキシド環を一緒に形成するとされ、R3がS−メチルであり、R4およびR5 が第2の結合を一緒に形成するとされそしてR6がクロロである場合である。こ のクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン39の構造は以下のとおりである 。 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR2がR,R− エポキシド環を一緒に形成するとされ、R3がS−メチルであり、R4がS−ヒド ロキシであり、R5がR−ヒドロキシでありそしてR6がクロロである場合である 。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン41の構造は以下のとおりで ある。 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR2がR,R− エポキシド環を一緒に形成するとされ、R3がS−メチルであり、R4がR−ヒド ロキシであり、R5がS−ヒドロキシでありそしてR6がクロロである場合である 。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン42の構造は以下のとおりで ある: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1が水素であり、R2が S−ヒドロキシであり、R3がR−メチルであり、R4およびR5が第二の結合を 一緒に形成するとされそしてR6がクロロである場合である。このクリプトフィ シン化合物、クリプトフィシン48の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がS−クロロであり 、R2がR−ヒドロキシであり、R3がS−メチルであり、R4およびR5が水素 でありそしてR6がクロロである場合である。このクリプトフィシン化合物、ク リプトフィシン59の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1およびR2がS,S− エピサルファイド環を一緒に形成するとされ、R3がS−メチルであり、R4およ びR5が第2の結合を一緒に形成するとされそしてR6がクロロである場合である 。このクリプトフィシン化合物、クリプトフィシン60の構造は以下のとおりで ある。 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がS−クロロであり 、R2がR−ヒドロキシであり、R3が水素であり、R4およびR5が第二の結合を 一緒に形成するとされそしてR6がクロロである場合である。このクリプトフィ シン化合物、クリプトフィシン63の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がR−クロロであり 、R2がR−ヒドロキシであり、R3がS−メチルであり、R4およびR5が水素で ありそしてR6がクロロである場合である。このクリプトフィシン化合物、クリ プトフィシン64の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がR−クロロであり 、R2がS−ヒドロキシであり、R3がS−メチルであり、R4およびR5が第二の 結合を一緒に形成するとされそしてR6がクロロである場合である。このクリプ トフィシン化合物、クリプトフィシン69の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がS−クロロであり 、R2がS−ヒドロキシであり、R3がS−メチルであり、R4およびR5が第二の 結合を一緒に形成するとされそしてR6がクロロである場合である。このクリプ トフィシン化合物、クリプトフィシン70の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がR−ブロモであり 、R2がS−ヒドロキシであり、R3がS−メチルであり、R4およびR5が第二の 結合を一緒に形成するとされそしてR6がクロロである場合である。このクリプ トフィシン化合物、クリプトフィシン71の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がS−ブロモであり 、R2がS−ヒドロキシであり、R3がS−メチルであり、R4およびR5が第二の 結合を一緒に形成するとされそしてR6がクロロである場合である。このクリプ トフィシン化合物、クリプトフィシン72の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がS−クロロであり 、R2がS−ヒドロキシであり、R3がS−メチルであり、R4およびR5が第二の 結合を一緒に形成するとされそしてR6がクロロである場合である。このクリプ トフィシン化合物、クリプトフィシン73の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がS−クロロであり 、R2がR−ヒドロキシであり、R3がS−メチルであり、R4およびR5が第二の 結合を一緒に形成するとされそしてR6が水素である場合である。このクリプト フィシン化合物、クリプトフィシン74の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がS−フルオロであ り、R2がR−ヒドロキシであり、R3がS−メチルであり、R4およびR5が第二 の結合を一緒に形成するとされそしてR6がクロロである場合である。このクリ プトフィシン化合物、クリプトフィシン75の構造は以下のとおりである: 本発明の新規なクリプトフィシン化合物の別な例は、R1がR−フルオロであ り、R2がR−ヒドロキシであり、R3がS−メチルであり、R4およびR5が第二 の結合を一緒に形成するとされそしてR6がクロロである場合である。この クリプトフィシン化合物、クリプトフィシン76の構造は以下のとおりである: 上記の化合物のうち、クリプトフィシン2,4,16〜19,21,23,24 ,26,28〜31,40,43,45,49,50、および54は培養されて きたラン藻(青緑色細菌)のノストックsp、株により産生される代謝物であり、 これはこの培養基から引続いて単離される。クリプトフィシン6および7は、単 離手続にメタノールを含有する溶媒を利用する場合に生成される人工物である。 クリプトフィシン8,9,10〜12,14,20,25,27,32〜35, 37,38,41,42,48,59,60,63,64および69〜76は、 本出願の実験の部に述べる方法で、例示した化合物および例示してない化合物を 創出する、技術上普通に熟達する者にとって利用できる別な方法で、化学的に修 飾されている、天然に産生するこれらの代謝物の誘導体である。 本発明はノストックsp.株を培養することにより上記のクリプトフィシン化合 物をつくる方法を提供する。ラン藻(青緑色細菌)の形態学的特徴は、米国特許 第4,946,835号に示されているようにに、それがフィラメント状であり かつ栄養細胞からなるということである。より長いフィラメントにあっては、異 質細胞が、間にはさまった位置に時に認められる。アキネートは認められない。 再生は毛状体の不規則的分断によるのに加えて連鎖体による。ノストックsp.の 同定の基準はJ.Gen.Micro.,111:1〜61(1979)中に見ることがで きる。 本発明はノストックsp.が培養されうることそして新規なクリプトフィシン代 謝物、およびすでに開示されたクリプトフィシン代謝物がこの培養基から単離さ れうることをさらに提示する。本発明の好ましい態様では、GSV224と称さ れるノストックsp.株は培養された株であり、これから以下の構造: (式中、R1はH、OH、ハロゲン、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキ シル基または低級アルキルであり; R2はH、OH、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキシル基または低級ア ルキル基であるか;あるいは R1およびR2はエポキシド環、アジリデン環、サルファィド環またはC10とC11 との間の第二の結合を一緒に形成するとされてよく;あるいは R1およびR4はテトラヒドロフラン環を一緒に形成するとされてよく; R3はHまたは低級アルキル基であり; R4はOH、低級アルカノイルオキシ基または低級α−ヒドロキシアルカノイル オキシ基であり; R5はHまたはOH基であり; R6はHであるか;あるいは R5およびR6はC5とC6との間の第二の結合を一緒に形成するとされてよく; R7はベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、ハロヒドロキシベン ジル、ジハロヒドロキシベンジル、ハロメトキシベンジルまたはジハロメトキシ ベンジル基であり; R8はOH、低級β−アミノ酸であってC1がβ−アミノ酸のNに結合しているも のまたはエステル化された低級β−アミノ酸であってC1がエステル化低級β− アミノ酸基のNに結合しているものであり; R4およびR8は、低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合した低級β−アミノ酸か らなるジデプシペプチド基を一緒に形成するとされてよく;また R5およびR8は、低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合した低級β−アミノ酸か らなるジデプシペプチド基を一緒に形成するとされてよく; ただしここで R2がOH、ケトン基のO、NH2、SHである場合に限ってR1はH、低級アル キル基または低級アルコキシ基である)によって表わされる化合物が単離される 。 本発明の好ましい態様において、上記の方法で単離されたクリプトフィシン代 謝物を化学的に修飾すると、この構造を有する別々の化合物が得られる。本発明 の範囲に入る追加的な化合物をつくるためにクリプトフィシン化合物を化学的に 修飾する方法は、当技術に普通に熟達する者にとって利用可能である。さらに、 本出願の実験の部には追加の方法がより詳細に記載される。 本発明の新規なクリプトフィシン化合物に加えて、本発明はすでに開示した以 下のクリプトフィシン化学種、クリプトフィシン1,3,5,13および15を 含め上記の構造をつくり、またそれを使用する新規な方法を提供する。これらの 化合物の構造は以下のとおりである: ここに提供する本発明は、クリプトフィシン化合物を生成するためのノストッ クsp.の何らかの株、望ましくはノストックsp.GSV224株に関する。この 目的から、特許手続きを目的とする微生物の国際的寄託に関するブタペスト條約 に従ってATCC受託番号55483の下で、12301 Parklawn Drive,Roc kville,Maryland 20852 U.S.A.のPatent Culture Depository of the Am erican Type Culture Collection に1993年10月7日に寄託した。 Merck and CO.によってATCC受託No.53789の下ですでに寄託されてい るノストックsp.の他の株特にMB5357株は本発明を実施するのに利用する ことの企図される株である。 他の生物体の場合のように、ノストックsp.の特性は変化する。例えば特定さ れた株の組換え体、変異体、または突然変異体は、紫外線、X線、ガンマ線、お よびN−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジンのような既知の様々な 物理的および化学的な変異原での処理により得ることができる。クリプトフィシ ン化合物を生成する特性を保持する、特定された株の天然のおよび誘発されたあ らゆる変異体、突然変異体および組換え体はここに請求する本発明の範囲に属す ると考えられる。 本発明のクリプトフィシン化合物は、実質的な抗菌活性が生まれるまで、好適 な培養基内で深部好気性條件下でノストックsp.株を培養することによりつくる ことができる。この化合物をつくるのに固化培地上での表面生長のような別な培 養技術もまた使用できる。特定された株を生長させるのに使用する培養基には当 技術に普通に熟達する者の知る、多くの窒素源および炭素源ならびに無機塩のい ずれか一つが含まれてよい。使用すべき炭素源および窒素源を選定する時に考慮 すべき要素は、製造上の経済性、最適収率、および生成物の単離の容易さである 。培養基中に含ませることのできる無機栄養塩のうちには、鉄、カリウム、ナト リウム、マグネシウム、カルシウム、アンモニウム、塩素、炭酸塩、燐酸塩、硫 酸塩、硝酸塩などのイオンを生み出すことのできる慣用的な可溶塩がある。 生物体を生長させまた発育させるのに必要な痕跡量の必須元素もまた培養基中 に含ませるべきである。このような痕跡量の元素は、生物体の生長上の必要を満 足するのに十分な量で培地の他の成分中に不純物として普通存在する。発泡が問 題となるならば、大規模な培養基にポリプロピレングリコール(分子量約200 0)のような発泡防止剤を少量(すなわち0.2ml/l)添加するのが好ましい であろう。 クリプトフィシン化合物を相当な量で製造するには、タンク内での深部好気性 培養を使用することができる。振盪フラスコ培養によるとするなら少量しか得ら れないであろう。大型タンクに生物体を接種することに通常伴う代謝物の産生の 時間的遅れのため、栄養性の接種材料を使用するのが好ましい。栄養性接種材料 は、新鮮で、活発に生長する生物体の培養基を得るために、栄養性の毛様体また は異質細胞を含む形の生物体の断片を少容積の培養基に接種することによりつく られる。栄養性接種材料は次いでより大型のタンクに移し入れられる。栄養性接 種材料のために使用する培地はより大規模な培養または醗酵に使用するのと同じ ものであってよいが、他の培地もまた使用できる。 生物体は約20℃〜30℃の温度および約100〜200μモル光子/m2・秒 の入射照射強度(光合成的活性のある放射線)で生長される。 この種の好気的な深部培養法において常套的であるように、培養基に吹込まれ る無菌の空気を添加することにより二酸化炭素ガスが培養基に導入される。クリ プトフィシン化合物を効率的に生成するため、二酸化炭素の割合は約1%(24 ℃および1気圧で)であるべきである。 先行する技術殊に米国特許第4,946,835号はノストックsp.を培養す る方法を提供し、この特許の内容は参照によって本明細書に含められている。 クリプトフィシン化合物の生成は、これらの抗生物質に対して敏感であること の知られた生物体に対して肉汁の試料を試験することによって培養時に追跡する ことができる。有用なアッセイ用生物体の一つはカンジダアルビカンス(Candida albicans)である。 本発明のクリプトフィシン化合物は、それを好気性の深部培養條件下で生成し た後、当技術に普通に熟達する者の知る方法により培養菌からおよび培養基から 回収することができる。一般に回収は、培養基をまず濾過して藻細胞を分離し次 いで分離された細胞を凍結乾燥することにより達せられる。凍結乾燥した藻はエ タノール、メタノール、イソプロパノールまたはジクロロメタンのような好適な 溶媒で抽出することができる。クリプトフィシンはこの抽出物と培養基とを逆相 カラム上での急速クロマトグラフィーにかけることにより分離することができる 。クリプトフィシンは逆相の高性能液クロマトグラフィー(HPLC)により精 製することができる。 クリプトフィシン化合物はその構造から明らかとなるように、化学的に修飾で きる基を有する。本発明の属化合物には腫瘍形成阻害活性を示すクリプトフィシ ンが考えられる。例えば本発明が意図する誘導体には、図1の単位AのC−7お よびC−8上にあるエポキシド酸素基またはヒドロキシ基をあるいは単位Bのロ イシン酸基を有する化合物が含まれる。所望の腫瘍形成阻害活性を示す新規なそ してすでに開示されている化合物のこのような誘導体はここに特許請求する発明 に属する。さらに、クリプトフィシン化合物の構造と腫瘍形成阻害活性との関係 は後記する実験の部で示される。 選ばれたクリプトフィシン化合物は本発明の藻によって産生される代謝物であ ることが知られているが、他のクリプトフィシン化合物例えばクリプトフィシン 8〜15は、当技術に普通に熟達する者の知る公知の技術、例えば,参照によっ て内容が本記載に含められている米国特許第4,868,208号、第4,84 5,086号および4,845,085号中に開示されている合成を用いること により、あるいは当技術に普通に熟達する者の知る他の方法を利用することによ り、代謝物から誘導することができる。さらにまた、本発明では実験の部におい て誘導体をつくる方法が示される。 本発明の新規なクリプトフィシン化合物およびすでに開示されているクリプト フィシン化合物は腫瘍形成阻害剤として治療上使用されることができ、これによ り腫瘍形成性疾患を治療する方法において使用することができる。本明細書で用 いる場合、「腫瘍形成性」とは異常生長にあたる腫瘍形成に関わり、このような 生長は通常の生長限界に従わない細胞の増殖のため起きる。本明細書で用いる場 合、「腫瘍形成阻害剤」とは細胞の腫瘍形成性の表現型を阻害し、除去し、遅延 しあるいは逆転させる何らかの化合物、組成物、混合物共−混合物または配合物 である。 癌を治療するのに化学療法、外科手術、放射線療法、生物学的応答調節剤によ る療法、および免疫療法が目下用いられている。各々の治療方式は技術上普通に 熟達する者の知る特定的な徴候を示し、また腫瘍形成性細胞を完全に破壊しよう として、一つまたはすべてが用いられるであろう。本発明は一つ以上のクリプト フィシンを利用する化学療法を提供する。さらに組み合わせ的療法は単一の腫瘍 形成阻害剤を使用するのより一般に一層効果的であるので、クリプトフィシンを 他の腫瘍形成剤と組み合わせて利用する化学療法である組合わせ的化学療法もま た本発明によって提供される。従って本発明の別な局面では、上記に述べた治療 上の利益を与えるのに役立つ、本発明の新規なクリプトフィシン化合物を、その 非毒性の付加塩を含めて少くとも一つ治療上有効な量含有する組成物が提供され る。このような組成物は生理学的に許容される液体、ゲルまたは固体の担体、稀 釈剤、アジュバントおよび賦形剤とともにやはり提供されうる。このような担体 、稀釈剤、アジュバントおよび賦形剤はメリーランド州、RockvilleのU.S.Pharm acopeia Convention,Inc.1989年刊のUnited States Pharmacopeia 、XXII巻 およびNotional FormularyXVII にみることができ、その内容は参照によって 本記載に含められている。追加的な処理方式はAmerican Hospital Formulary Se rviceによるAHFS Drug Informationの522〜660ページに示されており、そ の内容は参照によって本記載に含められている。 本発明では、腫瘍形成性疾患を治療するのに使用される薬剤組成物が少くとも 一つのクリプトフィシン化合物と少くとも一つの追加的な腫瘍形成阻害剤を含有 する。クリプトフィシンと組み合わせて利用されてよい腫瘍形成阻害化合物には Merck & Co.,Inc.1989年刊のThe Merck Index(11版)、Ther−16〜1 7ページに示されているものが含まれ、これの内容は参照により本記載に含まれ る。本発明の別な態様では、腫瘍形成阻害剤は代謝拮抗物質であってよく、これ にはメトトレキセート、5−フルオロウラシル、6−メルカプトプリン、シトシ ンアラビノサイド、ヒドロキシ尿素および2−クロロデオキシアデノシンが含ま れるが、これらに限定されない。本発明の別な態様で企図される腫瘍形成阻害剤 はアルキル化剤であり、これにはシクロホスホアミド、メルファラン(Melphalan )、ブズルファン、パラプラチン、クロランブシル、およびナイトロジェンマス タードがあるが、これらには限定されない。本発明のさらに別な態様では腫瘍形 成阻害剤は植物アルカロイドであり、これにはビンクリスチン、ビンブラスチン 、タクソールおよびエトポシドが含まれようが、これらには限らない。本発明の 別な態様で企図される腫瘍形成阻害剤は抗生物質であり、これにはドキソルビシ ン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン、マイトマイシンC、およびブレオマ イシンが含まれようが、これらには限らない。本発明のさらに別な態様で企図さ れる腫瘍形成阻害剤はホルモンであり、これにはカルステロン(calusteron)、ジ オモスタボロン(diomostavolone)、プロピオネート、エピチオスタノール(epi tiostanol)、メピチオスタン(mepitiostane)、テストラクトン (testolactone)、タモキシフェン(tamoxifen)、ポリエストラジオール(polyestr adiol)ホスフェート、メゲステロール(megesterol)アセテート、フルタミド(flu tamide)、ニルタミド(nilutamide)およびトリロタン(trilotane)が含まれようが 、これらには限らない。本発明のさらに別な態様で企図される腫瘍形成阻害剤に はL−アスパラギナーゼまたはアムサクリン(amsacrine)を含んでよいがこれに は限らないアミノアクリジン誘導体が含まれてよいがこれには限らない。追加的 な腫瘍形成阻害剤にはLittle Brown & Co.1991年刊のHandbook of Cancer C hemotherapy (第3版)のSkeel,Roland T.の「Antineoplastic Drugs and Biol ogic Response Modifier: Classification,Use and Toxity of Clinically Use ful Agents」中に示されているものがあり、これの内容は参照によって本記載に 含められている。 これらの化合物および組成物は他の治療剤と似た方法で家畜のためのような獣 医学的用途で哺乳類に投与されてよくまたヒトでの臨床的使用に投与されてよい 。一般に治療上の効能にとって必要な投与量は用途の種類および投与の方法、な らびに個々の受容者の特定的要求に従って変化するであろう。通常、投与量は受 容者の体重1kgあたり約0.001〜100mg、より普通には0.01〜10mg の範囲であろう。あるいは別に、治療上所望の利益が得られるまで、これらの範 囲内にある投与量が通常24時間を越える長時間にわたって定常的注入によって 投与されることができる。実際、薬剤投与量および投与の径路は、相対的有効性 、相対的毒性、腫瘍の生長特性ならびに細胞周期、薬剤の薬物速度論、年令、性 別、患者の身体的状態、および既往の処置に対するクリプトフィシンの及ぼす影 響に基いて選定されねばならない。 追加的な腫瘍形成阻害剤を含むあるいは含まないクリプトフィシン化合物はそ のままの形あるいは塩の形で治療用組成物中に処方されてよい。薬剤として許容 できる無毒性の塩には、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アン モニウム、水酸化カルシウムまたは水酸化第二鉄のような無機塩基、およびイソ プロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン 、プロカインなどのような有機塩基から誘導されうる塩基付加塩(遊離のカルボ キシル基または他の陰イオン基とともにつくられる)がある。このような塩は任 意 の遊離陽イオン基との酸付加塩としてやはり生成されてよく、また一般に例えば 塩酸または燐酸のような無機酸、あるいは酢酸、蓚酸、酒石酸、マンデル酸など のような有機酸とともに生成されよう。本発明がさらに提供する追加的な賦形剤 は当技術に通常に熟達する者の入手できるもの例えば、メリーランド州、Rockvi lleのU.S.Pharmacopeia Convention,Inc.のUnited States Pharmacopeia 、2 2巻およびNational Formulary、17巻 中にあるものがあり、これらは参考のた めに本記載に含められている。 所与の治療用組成物中に含ませる特定の担体の好適性は好ましい投与径路に依 存する。例えば腫瘍形成阻害組成物は径口投与のために処方されてよい。このよ うな組成物は液状の溶液または懸濁液としてあるいは固体状で典型的に製造され る。径口処方物には、結合剤、充填剤、担体、保存剤、安定化剤、乳化剤、緩衝 剤および賦形剤例えば薬剤等級のマンニトール、ラクトース、澱粉、ステアリン 酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、セルロース、炭酸マグネシウムなどの ような普通に使用される添加剤がある。これらの組成物は溶液、懸濁液、錠剤、 丸薬、カプセル、持続的放出処方物、または粉末の形をとりそして1〜95%、 望ましくは2〜70%の活性成分を典型的に含有する。 本発明の組成物は液状の溶液、懸濁液または乳濁液のいずれかとして注射可能 なものとして製造されてもよく;注射前に液体中に溶解しあるいは懸濁するのに 好適な固体状のものが製造されてよい。このような注射可能なものは、皮膚下に 、静脈内に、腹腔内に、筋肉内に、包膜内に(intrathecally)、あるいは肋膜内 に投与されてよい。一以上の活性成分は、生理学的に許容できかつこれらの活性 成分との親和性のある稀釈剤また賦形剤としばしば混合される。好適な稀釈剤お よび賦形剤は例えば水、塩水、デキストローズ、グリセロールまたはこれらに類 するものおよびこれらの組み合わせである。加えて、組成物は所望なら湿潤剤も しくは乳化剤、安定化剤もしくはpH緩衝剤のような補助的物質を少量含有してよ い。 本発明は、哺乳類の細胞の増殖を阻害するのに十分な量のクリプトフィシン化 合物に哺乳類の細胞を接触することにより、この細胞の増殖を阻害するために、 属の構造によって包含されるクリプトフィシン化合物を使用する方法をさらに提 供する。好ましい態様は超増殖性の哺乳類細胞の増殖を阻害する方法である。本 発明の目的に関して、「超増殖性哺乳類細胞」とは特長的な生長限界、例えばプ ログラムされた細胞死(アポトーシス)に従わない哺乳類細胞である。さらに好 ましい態様は哺乳類細胞がヒトのものである場合である。本発明は哺乳類細胞を 少くとも一つのクリプトフィシン化合物および追加の少くとも一つの腫瘍形成阻 害剤と接触することをさらに提供する。企図される腫瘍形成阻害剤は前記に開示 したものと同じである。 本発明は、多剤耐性表現型を有するものを含めて薬剤耐性表現型を有する超増 殖性の細胞を、超増殖性の哺乳類細胞の増殖を阻害するのに十分な量のクリプト フィシン化合物に接触させることにより、この超増殖性細胞の増殖を阻害するた めに、属(genus)構造によって包含されるクリプトフィシン化合物を使用する方 法をさらに提供する。好ましい態様は哺乳類細胞がヒトのものである場合である 。本発明は哺乳類細胞を一つのクリプトフィシン化合物および追加の少くとも一 つの腫瘍形成防止剤と接触することをさらに提供する。企図される腫瘍形成性阻 害剤は前記に開示したものと同じである。 本発明は超増殖性細胞の増殖を阻害するのに有効な量の前述した薬剤組成物を 患者に投与することにより、超増殖性の哺乳類細胞によって惹起される病的状態 例えば腫瘍形成を軽減するための方法をさらに提供する。本明細書で用いる場合 、「病的状態」とは細胞の通常の生長限界に従わない哺乳類細胞の増殖に由来す るあらゆる異常をさす。細胞のこのような増殖は新生物によるであろうが、これ には次の新生物すなわち乳腺の、小細胞肺(small-cell lung)、非小細胞肺、結 腸直腸、白血病、黒色腫、中枢神経系(CNS)、卵巣の、前立腺の、軟組織ま たは骨、頭および首の肉腫、膵臓のおよび食道のを含めて胃部の、胃、骨髄腫、 袋状組織、腎臓の、甲状腺およびリンパ腫をふくむ神経性内分泌の、非ホジキン 病およびホジキン病のものが含まれるが、これらに限られない。本発明の別な態 様では、腫瘍形成性細胞はヒトのそれである。本発明は別な治療法および別な腫 瘍形成阻害剤と組み合わせてクリプトフィシンを利用してこういった病的状態を 軽減する方法をさらに提供する。このような治療法および様々な腫瘍形成に対す るその適当さはLippincott Co.1993年刊のDeVita,V.,Hellman,S.,および Rosenberg,S編のCancer Principles and Practice of Oncology、第4版に見出 すことができ、これの内容は参照により本記載に含められている。 本開示では、クリプトフィシン化合物が培養される細胞内の微小管構造を強力 に分断することが示される。加えて、そしてビンカ(Vinca)アルカロイドとは対 照的に、クリプトフィシン化合物は薬剤−流出ポンプP−グリコプロテインのた めには劣悪な基質であるように思われる。クリプトフィシン1は、GSV224 と称されるラン藻(青緑色細菌)ノストックsp.株において主要な細胞毒であり 、そしてマウスに植えつけた腫瘍に対抗する優れた活性を示す。このサイクリッ クジデプシペプチド(didepsipeptide)はATCC受託番号53787のノストッ クsp.から抗菌剤としてすでに単離されておりそしてその総体的な構造は以前決 定された。この潜在的に重要な薬剤の相対的および絶対的立体化学は化学的技術 とスペクトル技術との組み合わせを用いて現在確立されている。24の追加的な クリプトフィシン化合物つまりクリプトフィシン2〜7,16〜19,21,2 3,24,26,28〜31,40,43,45,49,50および54もまた GSV224から単離されており、またこれらの全体的構造および細胞毒が知ら れている。いくつかの誘導体および劣化生成物がともに化学的および薬理学的に 記述されている。 以下の実施例は本発明の好ましいいくつかの態様および局面を例示するための ものでありまた本発明の範囲を限定するものと解されるべきでない。実験の部 以下の実験の開示では、別記しないかぎりすべての重量はグラム(g)、ミリ グラム(mg)、マイクログラム(μg)、ナノグラム(ng)、ピコグラム(pg)ま たはモル(mol)で表示され、すべて濃度は容積百分率(%)、モル濃度(M)、 ミリモル濃度(mM)、マイクロモル濃度(μM)、ナノモル濃度(nM)またはピコ モル濃度(pM)、規定濃度(N)で表示されまたすべての体積はリットル(L) 、ミリリットル(mL)またはマイクロリットル(μL)で表示され、またミリメート ル(mm)で計測される。 以下の実施例ではクリプトフィシン化合物の単離および合成ならびに本発明に よる治療剤としてのその使用が例証される。 1000を越えるラン藻(青緑色細菌)の抽出物抗腫瘍活性についてスクリー ニングをするうちに、ノストックsp.GSV224は細胞毒性が強く3、ヒトの 上咽頭癌の細胞系たるKBに対しては0.24ng/mLの、そしてヒトの結腸直腸 腺癌の細胞系たるLoVoに対しては6ng/mLの最小阻害濃度(MIC)を示す ことが判明した。一層重要なのは、この抽出物がコルベット(Corbett)アッセイ において顕著な腫瘍選択的な細胞毒性を示したことである4,5。藻の抽出物をバ イオアッセイでモニターされる逆相クロマトグラフィーにかけるとMerckの研究 者によってノストックsp.ATCC53789からすでに単離されている強力な 殺菌剤であるクリプトフィシン1が優勢を占める画分がえられ6,7、そしてクリ プトコカス(Cryptococcus)株に対する活性が極めて高いことが判明した。 クリプトフィシン1はノストックsp.GSV224の藻の粗製の抽出物の細胞 毒活性のほとんど荷っておりまた純粋な化合物はKBおよびLoVoに対するI C50値それぞれ3pg/mLおよび5pg/mLを示した。コルベットアッセイではクリ プトフィシン1は腫瘍選択性が大きくまた薬剤感受性の腫瘍細胞および薬剤耐性 の腫瘍細胞に対して等しく細胞毒性を有することが判った。免疫蛍光法アッセイ によるとクリプトフィシン1はビンブラスチンの細胞標的に似たそれに干渉する が、作用時間がより長くまたパラ結晶性体を生成しないという点でビンブラスチ ンとは異なることが示された。予備的な生体内実験ではクリプトフィシン1はマ ウスに植えつけた腫瘍に対して有望な活性を示した。 ノストックsp.GSV224には他のいくつかのクリプトフィシン化合物が少 量存在した。これらのうちの21は1:5のジクロロメタン/アセトニトリで藻 を抽出しそして抽出物を逆相HPLCにかけることにより、構造決定および生体 内での抗腫瘍評価にとって十分な量で単離することができた。クリプトフィシン 2,3,4,16,17,18,19,21,23,24,26,28,29, 30,31,40,43,45,49,50および54は、65:35のアセト ニトリル/水で逆相フラッシュカラムから溶離した画分中にクリプトフィシン1 を伴った。クリプトフィシン2,3,4,5,6および7は、藻をメタノールで 抽出しそしてメタノール/水を用いて逆相クロマトグラフィーを実施する時に見 出される唯一の化合物であった。クリプトフィシン2,3,4,5および6は3 :1のメタノール/水で溶離され、またクリプトフィシン7は1:3のメタノ ール/水で溶離された細胞毒性のより低い画分中に以前に発見された。非環式の クリプトフィシン5,6および7は単離手続中にクリプトフィシン1の分解によ って生成される人工物であるように思われる。 クリプトフィシン3および5はMerckの研究者によってクリプトフィシン1か らつくられた半合成的な殺菌性化合物と同一であるように思われた8,9。クリプ トフィシン3はクリプトフィシン1を亜鉛−銅カップルまたは四沃化二燐で処理 することによりつくられた。クリプトフィシン5はクリプトフィシン1のメタノ ール分解によってつくられた9実施例1 構造決定 新規なクリプトフィシンおよびすでに開示されたものの構造決定は、技術的に 訓練されている者にとって周知である方法を用いて直接的な仕方で実施された。 質量スペクトルデータは分子状組成物と合致した。COSY、MHQC、HMB CおよびNOESYから得られた陽子NMRおよび炭素NMRのデータはこれら のデプシペプチド(depsipeptide)型化合物の全体的構造をすべて集約することを 可能にした。各化合物中に種々のヒドロキシ単位およびアミノ酸単位が存在する ことは、ガスクロマトグラフィー的な質量スペクトル分析によって確認された。 絶対的立体化学を含めて全体の構造は、クリプトフィシン化合物の適当な誘導体 に対して化学的分解技術と特別な分析技術とを組合わせて用いることにより決定 された。実施例2 構造−活性関係(SAR) 活性を最適とするために必要なクリプトフィシン1の構造的特徴を探るために 、本明細書中に記載するすべての化合物を、KB(ヒトの鼻咽腔の癌腫)、Lo Vo(ヒトの結腸の癌腫)およびSKOV3(ヒトの卵巣の癌腫)の各細胞系に 対する細胞毒性について評価した。IC50値を表1および表2に示す。細胞毒性 を比較すると、クリプトフィシン1の完全なマクロライド環、7,8−エポキシ −5−ヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2−オクテン酸単位(図1の単 位A)中のエポキシ基およびメチル基ならびに二重結合、3−(3−クロロ−4 −メトキシフェニル)アラニン単位(単位B)中の塩素基およびO−メチル基、 3−アミノ−2−メチルプロピオン酸単位(単位C)中のメタル基およびロイシ ン 酸単位(単位D)中のイソブチル基が、最適な細胞毒性にとって必要である。ク リプトフィシン8の強力な細胞毒性はマスクされたエポキシドとして働くクロロ ヒドリン官能性による蓋然性が極めて大きい。 コルベットアッセイ2、つまり抗カビ試験および抗菌試験で普通に使用される ものに似せてモデル化されたディスク拡散アッセイを用いて、異なる4つの細胞 の種類すなわちネズミ白血病(L1210またはP388)、ネズミの固形腫瘍 (結腸腺癌38、膵臓管腺癌03、乳腺腺癌M16/M17)、ヒトの固形腫瘍 (結腸CX−1、HCT8、H116;肺H125;乳腺MX−1、MCF−7 )、および低悪性の繊維芽細胞(LML)に対する選択的細胞毒性に関して最も 活性的である化合物もまた評価した。図1に示す結果によると、クリプトフィシ ン1〜5および8は固形腫瘍選択性でも白血病選択性でもないが、むしろ、M1 7のような薬剤耐性のあるものを含めて腫瘍細胞系に対して同等な活性を有する ことが示された。そこに示されている化合物のいづれも、白血病細胞系に関する 阻害帯域より大きい、固形腫瘍細胞系のいづれにも関する阻害帯域、すなわち3 250帯域単位つまり37.5mmを示さなかった。しかしながらクリプトフィシ ン1〜5および8は繊維芽細胞LMLに関する阻害帯域と比較すると、腫瘍細胞 系のすべてに関して著るしくより大き阻害帯域(3400帯域単位)を示した。 診断によると、LMLは臨床的に役立つ細胞毒性剤に関して、腫瘍細胞よりむし ろ正常細胞のように振舞うことが判っている(表1の5−フルオロウラシル、エ トポシドおよびタクソールに関するコルベットアッセイのデータを参照)。細胞 毒性の差は>250帯域単位であったので、クリプトフィシン1〜5および8は 腫瘍選択的であった。従ってこれらの化合物は生体内試験のための候補となった 。 クリプトフィシン1は、薬剤耐性のあるものを含めてマウスに植えつけられた 広範囲にわたるマウスおよびヒトの腫瘍に対して活性を有する(表3)。クリプ トフィシン1は初期段階の5つのマウス腫瘍すなわち結腸腺癌#38および#5 1、タクソール感受性およびタクソール薬剤耐性の乳腺#16/C/RP、およ び膵臓管腺癌#03、SCIDマウスで試験した初期段階の二つのヒトの腫瘍す なわちMX−1胸およびH125アデノスクアマス(adenosquamous)肺に対する 優れた活性を示し、10%より小さい腫瘍負荷T/C(処置した動物での平均腫 瘍負荷/処置されていない動物での平均腫瘍負荷)値を示した。 42%より小さいT/C値はNCI標準によると活性的であると考えられ;1 0%より小さいT/C値はNCI標準によると優れた活性と潜在的臨床活性を有 すると考えられる9。二つの試験は総体(gross)(腫瘍細胞)対数致死値(log Kil l value)2.0を示した。総体対数致死はT−C/312Td(ただしTは処置 された群の腫瘍が750mgに達するための、日数表示の中位数時間(日)であり 、Cは対照群の腫瘍が750mgに達する、日数表示の中位数時間であり、またT dは腫瘍が2倍に達する時間である)と定義される。薬剤処理期間が5〜20日 の場合に、>2.8,2.0〜2.8,1.3〜1.9,0.5〜0.8,およ び<0.5である総体対数致死値は、それぞれ++++、+++、++、+およ び−(不活性)と採点される。マウスに移植された固形腫瘍のほとんどが100 〜300mgの大きさの重量で、部分的または完全な減退を起させるには、臨床活 性を示す+++〜++++の活性評点が必要である。 クリプトフィシン8もまたマウスに植えつけた広い範囲の腫瘍に対して活性を 有する(表4)。クリプトフィシン8は今日まで試験したすべての腫瘍に対して 優れた活性を示しており、腫瘍負荷T/C値<10%を示すが、一層重要なのは +++〜++++の総体対数致死活性の評点といくらかの治癒とを示すことであ る。 今日まで続いている一つの試験においてクリプトフィシン35に良好な生体内 活性も認められた。 クリプトフィシン1および8の試験に際して認められた致死的な毒性は、臨床 的に使用されるすべての抗腫瘍薬剤にとって普通である白血球減少症に帰せられ た。 a L=白血病選択的(例,ZL1210−ZC38および ZL1210−ZH8≧250zu) M=ネズミの固形腫瘍選択(例,Zc38−ZL1210≧250zu) H=ヒトの固形腫瘍選択性(例,ZH8−ZL1210≧250zu) E=白血病および固形腫瘍細系に対して同等な細胞毒性(阻害帯域≧250zu) T=腫瘍選択的(例,ZL1210−ZLML,ZC38−ZLML,および ZH8−ZLML≧250zu) I=不活性(阻害帯域<250)b N=腫瘍(白血病)細胞および正常細胞(CFU-GM)系に対し非選択的 LL=リンパ球白血病選択的(ZL1210−ZCFU-GM≧250zu) ML=急性骨髄性白血病(AML)選択性(ZAML−ZCFU-GM≧250zu)c 薬剤感受性および耐薬性の細胞系に対して選択的(Zc38−ZLML,ZM17− ZLMLおよび ZH8−ZLMLd 薬剤感受性細胞系だけに対して選択的 実施例3 培養條件 ノストックsp.GSV224はミシガン州立大学のMSU−DOE Plant Re search Laboratory の C.P.Wolk教授から入手した。ノストックsp.ATCC 53789はAmerican Type Culture Collectionから購入した。NaOHでpHが 7.0に調整されている、変性されたBG−113と称される無機培地の入った 、オートクレーブにかけた20lのガラスのカーボイに接種するために、1lの フラスコの藻の培地を使用した。クール−ホワイト色の蛍光管の群から200μ モル光子/m2秒の入射強度(光合成活性のある放射線)で培養基を連続的に照明 しそして24+1℃の温度において、空気中の0.5%CO2混合物を用いて5 L/分の割合で通気した。典型的に、培養菌は21日後に濾過により採取した。 凍結乾燥したノストックsp.GSV224およびATCC53789の平均収率 はそれぞれ培養基1Lあたり0.61gおよび0.3gであった。実施例4 単離 凍結乾燥したノストックsp.GSV224(50g)を1:5のCH2Cl2/ CH3CN 2Lで48時間抽出しそして抽出物を真空濃縮し暗緑色の固形物を 得た。残留物(1g;KBMIC0.24ng/mL)をODSでコートしたシリカ カラム(55g、7×5cm)にいれ、そして1:3のCH3CN/H2O(0.8 L)、1:1のCH3CN/H2O(0.8L)、65:35のCH3CN/H2O (1.0L)、MeOH(0.8L)およびCH2Cl2(0.5L)を用いてフ ラッシュクロマトグラフィーにかけた。65:35のCH3CN/H2Oで溶離さ れた画分(420mg;KBMIC 14pg/mL)を逆相HPLC(Econosil C18、10μm、25cm×21.5mm、250nmでのUV検出、65:35のC H3CN/H2O、流量6mL/分)にかけてクリプトフィシン1(tR49.3分 、220mg)と多数の純粋でない画分を得た。Econosil C18カラムからtR2 8.8分において溶離された画分を順相HPLC(Econosil シリカ5mカート リッジ、250×4.6mm、6:4のエチルアセテート/ヘキサン、3mL/分) によりさらに精製し、クリプトフィシン16(3.0mg)を得た。Econosil C18ラムからtR32.5分に溶離された画分を、3mL/分の55:45のエチ ルアセテート/ヘキサンを用いるEconosil シリカカラム上のHPLCにかけて クリプトフィシン24(0.8mg)を得た。Econosil C18カラムからtR35 .5分に溶離された画分を、1回目は3mL/分の1:1のエチルアセテート/ヘ キサンをそして2回目は2.5mL/分の4:6のエチルアセテート/メチレンク ロライドを使用してEconosil シリカカラム上で2回HPLCにかけてクリプト フィシン23(1.2mg)とクリプトフィシン43(0.1mg)とを得た。Eco nosil C18カラムからtR39.5分に溶離された画分を3mL/分の1:1エチ ルアセテート/ヘキサンを用いるEconosil シリカカラム上でHPLCにかけて クリプトフィシン2(6mg)とクリプトフィシン21(14mg)とを得、そして tR32.5分に溶離されたクリプトフィシンの複合混合物を得た。400mgの 乾燥した藻から貯めこんだこの最後 の画分を、35:65の水/アセトニトリルを用い半調製用のカラム(パルティ シル(partisil)C18、250×9.4mm、10m)上および1.3mL/分の 5:4:1の水/アセトニトリル/メタノールを用いる逆相分析カラム(Econo sil、150×4.6mm、5m)上で逐次クロマトグラフにかけクリプトフィシン 50(tR34.8分、0.4mg)とクリプトフィシン40(tR38.8分、0 .3mg)とを得た。Econosil C18カラムからtR44.5分に溶離した画分 を3mL/分の1:1のエチルアセテート/ヘキサンを用いるEconosil シリカカ ラム上でのHPLCにかけてクリプトフィシン17(0.3mg)を得た。クリプ トフィシン1のショルダーとしてEconosil C18カラムからtR54.5分に 溶離した画分を順相HPLCで1:1のエチルアセテート/ヘキサンにより精製 すると、クリプトフィシン45(tR6.7分、0.1mg)、クリプトフィシン 26(tR8.9分、0.5mg)およびクリプトフィシン54(tR19.8分、 <0.1mg)を得た。巾広のピークとしてEconosil C18カラムから溶離さ れた区分(tR58〜70分)を2.5mL/分の43:57のエチルアセテート /ヘキサンによるEconosil シリカカラム上のHPLCにかけ、クリプトフィシ ン4(tR19.6分、1.5mg)、クリプトフィシン31(tR9.4分、0. 8mg)、クリプトフィシン19(tR25.8分、0.3mg)、クリプトフィシ ン49(tR28分、0.1mg)、クリプトフィシン28(tR29.0分、0. 5mg)ならびに純粋でないクリプトフィシン29(tR52.5分、2.0mg) およびクリプトフィシン30(tR49分、3.0mg)を得た。クリプトフィシ ン29および30は逆相HPLC(Econosil C18、10m、250×10m m、3:1のメタノール/水)を行った後、純粋に得られた。Econosil C18 カラムからtR78.9分に溶離された画分をEconosil シリカカラム上のHP LCにかけクリプトフィシン3(tR16.4分、3.0mg)を得た。Econosil C18カラムからtR82.8分に溶離された画分を3mL/分の45:55の エチルアセテート/ヘキサンを用いるEconosil シリカカラム上のHPLCにか けクリプトフィシン18(tR、19.2分、0.8mg)を得た。方法B 凍結乾燥したノストックsp.GSV(12.23g)をそれぞれ700mLおよ び400mLのMeOHで12時間および5時間にわたって2回抽出した。抽出物 を一緒にして真空濃縮して1.84gの暗緑色の固体を得、これは水とCH2Cl2 とに分配した。親油性の部分(0.65g;KBMIC0.24mg/mL)をO DSでコートされたシリカカラム(55g、7×5cm)に入れそして1:3のM eOH/H2O(0.8L)、1:1のMeOH/H2O(0.8L)、3:1の MeOH/H2O(0.8L)、MeOH(0.8L)およびCH2Cl2(0. 5L)を用いるフラッシュクロマトグラフィーにかけた。3:1のMeOH/H2 Oで溶離され、細胞毒活性を事実上すべて荷う画分を、溶離剤として1:5の MeOH/H2Oを使用する逆相HPLC(Econosil C18、10μU、25c m×10mm、250nmでのUV検出、流量3mL/分)にかけ、クリプトフィシン 7(tR7.6分、0.2mg)、5(tR15.4分、2.3mg)、2(tR16 .0分、1.0mg)、1(tR19.0分、12.0mg)、4(tR26.5分、 1.2mg)および3(tR30.2分、1.4mg)を得た。培養基の一つからの 、1:3のMeOH/H2Oを用いるフラッシュカラムから溶離される画分はよ り穏和な細胞毒性(KB MIC 2μg/mL)を示した。溶離剤として2:3 のMeOH/H2Oを使用してHPLC上で精製すると、クリプトフィシンG( 7、tR6.0分、2.4mg)を得た。実施例5 クリプトフィシン1〜7に関するスペクトルデータ スペクトルデータ中のイタリック体の太字は図1の単位A〜Dを表わす。クリプトフィシン1 [α]D+33.8°(MeOH,cl.83);UV λmax(ε)208(42,400),218(33,700),228(23,80 0),280(2,210);CD[θ]302+15,900,[θ]206+64,900,[θ]214+26,900,[θ]224+4 6,300,[θ]237+10,500.IR(CHCl3max3125,2963,1751,1719,1677,1502,1259cm-1 .EIMS m/z(相対強度)654/656(20/9),412/414(33/12),280/282(31/12),227( 80),195/197(92/44),91(100); 高分解能 EIMS n/z 65.42665(C35H43ClN2O8とし て算出,誤差4.3mmu.1H NMR(CDCl3):アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素 位置、多重度;Hz単位のJ)7,8−エポキシ−5−ヒドロ キシ−6−メチル−8−フェニル−2−オクテン酸(A)5.74(2,dt;15.5および0.9 ),6.68(3,ddd;15.5,9.6および5.2),2.54(4,ddd;14.2,11.1および9.6),2.55(4, brdd;14.2および5.2),4.16(5,ddd;11.1,4.9および1.9),1.80(6,m),1.14(6-Me,d ;7.1),2.92(7,dd;7.5および2.0),3.69(8,d;2.0),7.25(10/14,m),7.34-7.39(11/ 12/13,m);ロイシン酸(D)4.83(2,dd;6.8および3.3),1.70(3,m),1.36(3,m),1.70(4 ,m),0.86(5,d;6.6),0.85(5',d;6.6); 3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2 .71(2,m),1.22(2-Me,d;7.1),3.30(3,ddd;13.4,5.8および3.8),3.48(3,ddd;13.4, 6.3および5.8),6.93(3-NH,brt;5.8);3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニ ン(B)4.80(2,ddd;8.7,7.3および5.4),5.61(2-NH,d;8.7);3.03(3,dd;14.4および7 .3),3.13(3,dd;14.4および5.4),7.21(5,d;2.1),3.87(7-OCH3,s),6.83(8,d;8.5), 7.07(9,dd;8.5および2.1).13C NMR(CDCl3):単位δ(炭素位置)A 165.3(1),125. 3(2),141.0(3),36.7(4),76.2(5),40.6(6,13.5(6-Me),63.0(7),24.5(4),22.9(5), 21.3(5');C 175.6(1),38.2(2),14.1(2-Me),41.1(3);B 170.9(1),53.6(2),35.0(3 ),129.7(4),131.0(5),122.4(6),154.0(7),56.1(7-OCH3),112.2(8),128.4(9).クリプトフィシン2 [α]D+20.4°(MeOH,c0.54);UV λmax(ε)206(43,800),218(37,500),232(22,90 0),278(2,410);CD[θ]203+54,100,[θ]212+16,500,[θ]225+53,600, [θ]236 -14,000.IR(CHCl3max3423,3029,2961,1742,1724,1678,1512,1258cm-1.EIMS m/z(相対強度,帰属)620(11,M+),431(3),378(8),377(6),311(11),246(10),244 (8),227(14),195(17),161(84,CH3O-C6H4-CH=CH=CO+),121(79,CH3O-C6H4-CH+),91 (100);高分解能 EIMS n/z 620.3094(C35H44N2O8として算出,誤差0.3mmu);161.0 605(C10H9O2として算出,誤差-0.2mmu);121.0658(C8H9Oとして算出,誤差-0.4mm u).1H NMR(CDCl3): アミノ酸またはヒドロキシ酸 δ単位(炭素位置、多重度; Hz単位のJ)7,8−エポキシ−5−ヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2 −オクテン酸(A)5.71(2,dd;15.4および1.3),6.70(3,ddd;15.4,10.2および5.0) ,2.45(4,m),2.55(4,m),5.18(5,ddd;11.3,4.8および2.0),1.79(6,m),1.14(6-Me, d;7.0),2.92(7,dd;7.7および2.0),3.68(8,d;2.0),7.24(10/14,m),7.34-7.39(111 2/13,m);ロイシン酸(D)4.82(2,dd;10.1および3.7),1.70(3, m),1.70(3,m),1.33(3,m),1.70(4,m),0.86(5,d;6.4),0.84(5',d;6.4);3−アミノ −2−メチルプロピオン酸(C)2.68(2,m),1.23(2-Me,d;7.3),3.39(3-H2,m),7.02( 3-NH,brt;6.0); O−メチルチロシン(B)4.79(2,ddd;8.1,7.0および5.7),5.55(2- NH,d;8.1);3.07(3,dd;14.5および7.0),3.13(3,dd;14.5および5.7),7.10(5/9,d;8 .6),6.81(6/8,d;8.6),3.78(7-OCH3,s).13C NMR(CDCl3): δ単位(炭素位置)A 1 65.1(1),125.1(2),141.1(3),36.7(4),76.0(5),40.7(6),13.6(6-Me),63.0(7),59. 0(8),136.7(9),125.6(10/14),128.7(11/13),128.5(12);D170.6(1),71.3(2),39.4 (3),24.5(4),21.3(5),22.9(5');C176.0(1),38.1(2),14.2(2-Me),40.7(3);B 171. 1(1),53.9(2),35.3(3),131.0(4),130.2(5/9),114.1(6/8),158.6(7),55.2(7-OCH3 ).クリプトフィシン3 [α]D+20.3°(MeOH,cl.13); UV λmax(ε)206(51,700),218(31,200),230(22,9 00),246(18,800),280(3,230); CD[θ]205+50,000,[θ]212-390,[θ]218-47,200 ,[θ]233-100,[θ]251+33,400,[θ]271+4,310.IR(CHCl3max3417,2926,174 2,1721,1676,1499,1336cm-1.EIMS m/z(相対強度)638/640(2/0.7,M+),412/414 (63/19),280/282(15/5),227(100),195(63),91(98); 高分解能 EIMS m/z 638.276 4(C35H43ClN2O7として算出,誤差-0.5mmu); 412.1516(C30H27ClNO6として算出, 誤差1.1mmu);227.1293(C15H17NOとして算出,誤差0.1mmu).1H NMR(CDCl3):アミ ノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)5−ヒドロ キシ−6−メチル−8−フェニル−2,7−オクタジエン酸(A)5.77(2,d;15.5); 6.68(3,ddd;15.5,9.5および5.3),2.37(4,m),2.54(4,m),5.01(5,ddd;11.4,6およ び1.5),2.56(6,m),1.14(6-Me,d;7.0),6.01(7,dd;15.8および8.8),6.41(8,d;15.8 ),7.28-7.34(10/11/13/14,m),7.23(12,m); ロイシン酸(D)4.84(2,dd;10.1および 3.6),1.62(3,m),1.36(3,m),1.62(4,m),0.77(5,d;6.5),0.73(5',d;6.3); 3−ア ミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.71(2,m),1.22(2-Me,d;7.3),3.28(3,dt;13.5 および7.0),3.50(3,ddd;13.5,4.9および4),6.93(3-NH,brt;6.3);3−クロロ−4 −メトキシフェニルアラニン(B)4.82(2,m),5.64(2-NH,d;8.8),3.05(3,dd;14.5お よび7.0),3.13(3,dd;14.5および5.5),7.22(5,d;2.2),3.87(7-OCH3,s),6.84(8,d; 8.5),7.08(9,dd;8.5および2.2).13C NMR(CDCl3):単位δ(炭素 位置)A 165.4(1),125.2(2),141.4(3),36.5(4),77.1(5),42.3(6),17.3(6-Me),13 0.1(7),130.0(8),136.7(9),126.1(10/14),128.6(11/13),128.4(12);D170.1(1),7 1.6(2),39.5(3)24.5(4),21.2(5),22.7(5');C175.6(1),38.3(2),14.0(2-Me),41.2 (3);B 170.9(1),53.5(2),35.1(3),129.8(4),131.0(5),122.4(6),154.0(7),56.1( 7-OCH3),112.2(8),127.6(9).クリプトフィシン4 [α]D+36.7°(MeOH,cl.93);UV λmax(ε)206(41,800),228(25,000),240(21,20 0),248(22,500),280(3,000),290(1,230);CD[θ]205+63,900,[θ]211+3,040,[θ ]218-71,900,[θ]229-11,700,[θ]234-130,[θ]252+47,500,[θ]270+5,400. IR(CHCl3max3410,2962,2917,1741,1718,1678,1511,1251 cm-1.EIMS m/z(相 対強度)604(2,M+),378(74),246(11),227(46),161(100),91(96);高分解能 EIMS m/z 604.3127(C35H44N2O7として算出,誤差2.2mmu),378.1910(C20H28NO6として 算出,誤差0.7mmu),227.129(C15H17NOとして算出,誤差1.7mmu),161.0605(C10H9 O2として算出,誤差-0.2mmu).1H NMR(CDCl3): アミノ酸またはヒドロキシ酸 単 位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)5−ヒドロキシ−6−メチル−8−フェニ ル−2,7−オクタジエン酸(A)5.74(2,dd;15.3および1.2),6.71(3,ddd;15.3,10 .3および5.0),2.37(4,m),2.53(4,m),5.03(5,ddd;11.2,6.4および2.0),2.55(6,m ),1.13(6-Me,d;6.8),6.01(7,dd;15.8および8.8),6.40(8,d;15.8),7.28-7.37(10/ 11/12/13/14,m),7.22(12,m); ロイシン酸(D)4.84(2,dd;10.1および3.6),1.65(3, m),1.34(3,m),1.65(4,m),0.75(5,d;6.5),0.72(5',d;6.3);3−アミノ−2−メチ ルプロピオン酸(C)2.69(2,m),1.22(2-Me,d;7.5),3.39(3-H2,m),7.03(3-NH,brt;6 .0); メチルチロシン(B)4.79(2,m),5.61(2-NH,d;7.8),3.08(3,dd;14.5および7.0 ),3.13(3,dd;14.5および5.3),7.11(5/9,d;8.8),3.78(7-OCH3,s).13C NMR(CDCl3) : 単位δ(炭素位置)A 165.3(1),125.1(2),141.5(3),36.5(4),77.1(5),42.3(6) ,17.3(6-Me),130.1(7),131.8(8),136.7(9),126.2(10/14),128.7(11/13),127.6(1 2);D170.8(1),71.6(2),39.5(3),24.5(4),21.2(5),22.7(5');C175.9(1),38.2(2), 14.2(2-Me),40.9(3);B 171.2(1),53.8(2),35.3(3),131.0(4),130.2(5/9),114.1( 6/8),158.6(7),55.2(7-OCH3).1クリプトフィシン5 [α]D+36.0°(MeOH,c0.55);UV λmax(ε)206(45,600),218(37,700),280(3,790 ),286(3,480),325(2,080);CD[θ]203+7,710,[θ]206+29,000,[θ]210+21,400, [θ]222+59,800,[θ]234+12,800,[θ]241+13,700.IR(CHCl3max3426,2958,1 728,1672,1502,1259cm-1.EIMS m/z(相対強度)686/688(0.1510.05),655/657(1 /0.3),654/656(1.5/0.5),311/313(75/27),195(66),155(54),121(51),91(100); 高分解能 EIMS m/z 686.2983(C36H47ClN2O9として算出,誤差-1.3mmu).1H NMR(C DCl3):アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)7 ,8−エポキシ−5−ヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2−オクテン酸 (A)5.87(2,d;15.3),6.72(3,dt;15.3および6.8),2.60(4,m),2.52(4,ddd;15.2,7.8 および6.8),5.11(5,ddd;12.3,7.8および7.1),1.87(6,m),1.12(6-Me,d;7.1),2.91 (7,dd;7.3および2.1),3.70(8,d;2.1),7.24(10/14,brd;7.4),7.29-7.36(11/12/13 ,m); ロイシン酸(D)4.09(2,m),2.86(2-OH,brd,6.1),1.83(3,m),1.42(3,m),1.86( 4,m),0.90(5,d;6.6),0.87(5',d;6.8);3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)3 .64(I-OCH3,s),2.60(2,m),1.07(2-Me,d;7.3),3.27(3,ddd;13.5,8.0および5.5),3 .39(3,m),6.32(3-NH,t;5.4);3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.5 9(2,dt;6および7.5),6.30(2-NH,d;7.5);2.95(3,dd;13.6および7.5),3.0(3,dd;13 .6および6.0),7.2(5,d;2.1),3.86(7-OCH3,s),6.84(8,d;8.5),7.05(9,dd,8.5;2.1 ).13C NMR(CDCl3):単位δ(炭素位置)A 164.8(1),126.5(2),139.2(3),34.4(4), 75.5(5),39.2(6),12.9(6-Me),63.3(7),58.7(8),136.8(9),125.7(10/14),128.6(1 1/13),128.4(12);D175.1(1),69.2(2),43.2(3),24.3(4),21.2(5),23.2(5');C175. 4(1),51.9(1-Me),39.1(2),14.7(2-Me),41.6(3);D 170.6(1),54.6(2),37.4(3),12 9.5(4),131.0(5),122.4(6),154.1(7),56.1(7-OMe),112.2(8),128.4(9).クリプトフィシン6 [α]D+17.1°(MeOH,c1.1); UV λmax(ε)206(40,000),218(30,100),228(21,40 0),282(2,430); CD[θ]203+37,700,[θ]210-5,430,[θ]213-1,260,[θ]221+24, 100,[θ]232+8,480,[θ]240+13,400,[θ]254+790.IR(CHCl3max3425,3006 ,2956,1726,1672,1641,1502,1462,1259cm-1.FABMS(チオグリセロール)m/z( 相対強度)573/575(13/6)[M-H2O]+,217(26),91(100).1H NMR (CDCl3):アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ) 5,7,8−トリヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2−オクテン酸(A)5 .92(2,dt;15.0および1.5),6.94(2,dt;15および7.5),2.51(4,m),2.64(4,m),3.97( 5,ddd;9.3,6.5および4.5),2.03(6,m),1.10(6-Me,d;6.5),3.70(7,dd;9.0および7. 5),4.64(8,d;7.5),7.33-7.39(10/11/13/14,m),7.28(12,tt;6.5および2.0); 3− クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.60(2,td;8.0および6.0),6.09(2-NH ,brd;8.0),2.96(3,dd;13.8および8.0),3.02(3,dd;13.8および6.0),7.22(5,d;2.0 ),3.86(7-OCH3,s),6.84(8,d;8.5),7.07(9,dd;8.5および2.0)3−アミノ−2−メ チルプロピオン酸(C)3.63(1-OCH3,s),2.58(2,m),1.07(2-Me,d;7.0),3.24(3,ddd; 13.8,8および6.5),3.41(3,ddd;13.8,6.5および4.8),6.21(3-NH,brt;6.5).13C NM R(CDCl3):単位δ(炭素位置)A 165.2(1),125.6(2),141.3(3),36.9(4),82.5(5), 46.3(6),14.3(6-Me),85.1(7),84.8(8),140.9(9),125.8(10/14),128.6(11/13),12 7.8(12);B170.6(1),54.5(2),37.3(3),129.6(4),131.0(5),122.5(6),154.1(7),56 .1(7-OCH3),112.2(8),128.5(9)C52.0(1-OCH3),175.4(1),39.2(2),14.7(2-Me),41 .6(3).クリプトフィシン7 [α]D-51.9°(MeOH,c0.89); UV λmax(ε)206(23,400),220(14,900),282(1,67 0);CD[θ]302+35,400,[θ]206-1,730,[θ]211-19,200,[θ]220-15,800,[θ]26 3 +2,040.IR(CHCl3max3426,2946,1732,1675,1501,1258cm-1.EIMS m/z(相対 強度)455/457(1/0.3,[M-2H2O]+),105(100),77(98); FABMS m/z(マジックビュ レットマトリックス(magic bullet matrix))496/498([M-H2O+Na]+(チオグリセ ロール基質)474/476[M-H2Ol+H]+1H NMR(CD3OHD): アミノ酸またはヒドロキシ 酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)5,7,8−トリヒドロキシ−6− メチル−8−フェニル−2−オクテン酸(A)6.06(2,ddd;15.5,1.3および1.0),6.8 0(3,dt;15.5および7.5),2.49(4,m),2.59(4,m),3.92(5,ddd;9.5,6.3および4.7),1 .95(6,m),1.08(6-Me,d;6.7),3.59(7,dd;9.0および7.8),4.56(8,d;7.8),7.37(10/ 14,brd;7.3),7.31(11/13,brt;7.3),7.24(12,tt;7.3および1.5); 3−クロロ−4 −メトキシフェニルアラニン(B)4.52(2,dd;6.9および5.0),2.93(3,dd;13.8およ び6.9),3.15(3,dd;13.8 および5.0),7.20(5,d;2.2),3.78(7-OC H3,s),6.88(8,d;8.4),7.08(9,dd;8.4および2.2).13C NMR(CD3OD): 単位δ(炭 素位置)A 167.4(1),127.6(2),140.9(3),37.9(4),84.0(5),47.6(6),14.4(6-Me), 86.0(7),85.8(8),142.9(9),127.1(10/14),129.3(11/13),128.5(12);B177.6(1),5 7.3(2),38.2(3),132.8(4),132.1(5),122.9(6),155.0(7),56.5(7-OCH3),113.2(8) ,130.1(9).5クリプトフィシン16 [α]D+41.3°(MeOH,c 5.2);UV λmax(ε)242(4963),280(2430),286(2212);IR( neat)νmax3402,3270,2960,1748,1724,1676 1514,1466,1343,1239,1177cm-1; EI MS m/z(相対強度)640/642(66/27),398/400(47/16),265(55),227(93),181(100) ; 高分解能 EIMS m/z 640.25676(C34H41ClN2O8として算出,誤差-1.6mmu).1H N MR(CDCl3):アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;H2単位のJ )7,8−エポキシ−5−ヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2−オクテ ン酸(A)5.74(2,d;16),6.67(3,ddd;15.3,9.7および5.5),2.45(4,dt;14.3および10 .4),2.55(4,brdd;14.3および5.3),5.15(5,ddd;11.2,4.8および1.8),1.8(6-m),1. 14(6-Me,d;7.0),2.92(7,dd;7.5および2.0),3.69(8,d;2.0),7.24-7.26(10/14,m), 7.33-7.39(11/12/13,m);3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルアラニン(B)4.8(2 ,m),5.64(2-NH,d;8.8),3.03(3,dd;14.5および7.0),3.11(3,dd;14.4および5.6),7 .17(5,d;2.2),5.61(7-OH,s),6.91(8,d;8.3),7.0(9,dd;8.3および2.2); 3−アミ ノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.71(2,m),1.22(2-Me,d;7.3),3.28(3,dt;13.6お よび6.8),3.49(3,ddd;13.6,5および4.1),6.92(3-NH,br t;6.1); ロイシン酸(D)4 .83(2,dd;10.1および3.3),1.36(3,m),1.67-1.75(3,m),1.67-1.75(4,m),0.85(5,d ;7.5),0.86(5',d;6.8).13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素位置)A 165.3(1),125.3(2) ,141.0(3),36.7(4),76.2(5),40.6(6),13.5(6-Me),63.0(7),59.0(8),136.8(9),12 5.6(10/14),128.7(11/13),128.6(12);B170.9(1),53.6(2),35.1(3),129.9(4),129 .6(5),120.0(6),150.4(7),116.4(8),129.2(9);C175.6(1),38.3(2),14.1(1-Me),4 1.1(3):D170.8(1),71.3(2),39.4(3),24.6(4),21.3(5),22.9(5').クリプトフィシン17 [α] D+27.8°(CHCl3 c.0.37);UV λmax(ε)248(14740),268(8100),278 (3400),284(2840); IR(ニート)νmax3412,2958,1750,1723,1668,1504 1463,12 90,1177,751cm-1; EIMS m/z(相対強度)624/626(10/3),398/400(96/35),284(10 0),149(95);高分解能 EIMS m/z 624.26161(C34H41ClN2O7として算出,誤差-1.4m mu).1H NMR(CDCl3):アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度; Hz単位のJ)5−ヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2,7−オクテジエン 酸(A)5.77(2,d;15.4),6.67(3,ddd;15.4,9.5および5.3),2.37(4,m),4.99(5,ddd;1 1.2,6.3および1.6),2.54(6,m),1.14(6-Me,d;6.7),6.01(7,dd;15.7および8.7),6. 41(8,d;15.9),7.28-7.34(10/11//13/14,m),7.23(12,m); 3−クロロ−4−ヒド ロキシフェニルアラニン(B)4.82(2,m),5.63(2-NH,d;8.7),3.12(3,dd;14.7および 5.6),3.03(3',dd;14.7および7.1),7.18(5,d;2.0),5.47(7-OH,br s),6.91(8,d;8. 3),7.02(9,dd;8.3および2.0); 3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.71(2, m),1.21(2-Me,d'6.9),3.25(3,m),3.52(3',m),1.62(4,m),0.77(5,d'6.5),0.73(5, d';6.5);13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素位置)A 165.4(1),125.3(2),141.3(3),36. 5(4),77.1(5),42.3(6),17.3(6-Me),130.0(7),129.9(8),136.7(9),126.2(10/14), 128.6(11/13),127.6(12);B170.9(1),53.5(2),35.1(3),129.6(4),131.9(5),126.2 (6),150.3(7),116.3(8),127.6(9);C175.9(1),38.4(2),13.9(2-Me),41.3(3);D170 .9(1),71.6(2),39.5(3),24.5(4),21.2(5),22.7(5').クリプトフィシン18 [α] D+54.9°(MeOH,c 0.93);UV λmax(ε)250(20518),284(3857); IR(ニー ト)νmax3411,3271,2966,1746,1728,1668 1505,1463,1258,1178Cm-1; EIMS m/z (相対強度)638/640(4.5/1.1),412/414(59/19),280(17),227(100); 高分解能 E IMS m/z 638.272934(C35H43ClN2O7として算出、誤差2.9mmu).1H NMR(CDCl3):ア ミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)5−ヒドロ キシ−6−メチル−8−フェニル−2,7−オクテジエン酸(A)5.76(2,d;15.5), 6.65(3,ddd;15.4,9.2および6.2),2.38-2.47(4,m),5.08(5,ddd;10.6,4.9および2. 2),2.58(6,m),1.15(6-Me,d;6.8),6.07(7,dd;15.9および8.5),6.43(8,d;15.9),7. 21-7.35(10/11/12/13/14,m); 3−クロロ−4−メトキシ−フェニルアラニン(B) 4.83(2,m),3.05(3,dd;14.5 および7.1),5.65(2-NH,d;8.7),3.14(3,dd;14.4およ び5.5),7.21(5,d;2.4),3.86(7-OCH3,s),6.83(8,d;8.3),7.08(9,dd; 8.3および2.2); 3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.73(2,m),1.23(2-Me, d;7.2),3.23(3,dt;13.5および6.8),3.56(3,ddd;13.5,5.7および4.0),6.85(3-NH, dd;7.1および6.2); ロイシン酸(D)4.8(2,d;4.6),1.86-1.89(3,m),0.94(3-Me,d;7 .0),1.20-1.26(4,m),1.39-1.44(4,m),0.77(5,d;7.4).13C NMR(CDCl3)単位δ( 炭素位置)A 165.5(1),125.2(2),141.5(3),36.4(4),77.7(5),41.9(6),17.1(6-Me ),129.8(7),131.9(8),136.8(9),128.0(10/14),126.2(11/13),127.6(12);B170.0( 1),53.5(2),35.1(3),129.9(4),131.1(5),122.4(6),153.9(7),56.1(7-OCH3),112. 2(8),128.5(9);C175.3(1),38.6(2),14.0(2-Me),41.4(3);D169.5(1),76.6(2),36. 2(3),15.5(3-Me),24.4(4),14.0(5).クリプトフィシン19 [α]D+62.6°(MeOH,c 0.67);UV(MeOH)λmax(ε)204(44900),230(17000),248(1 5600),280(2500); IR(ニート)νmax3413,3272,2966,1745,1726,1672,1504,125 8,1199,1178,1066,692cm-1; EIMS m/z(相対強度)624/626(3.0/1.4),398/400(5 8/21),280/282(15/5),227(100),195/197(57/22);高分解能 EIMS m/z 624.2585(C34 H41ClN2O7として算出、誤差1.8mmu).1H NMR(CDCl3): アミノ酸またはヒドロ キシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)5−ヒドロキシ−6−メチル− 8−フェニル−2,7−オクタジエン酸(A)5.76(2,d;15.2),6.64(3,ddd;15.4,9. 1および6.2),2.38(4,m),2.47(4,m),5.04(5,ddd;7.1,5.1および1.8),2.57(6,m),1 .15(6-Me,d;6.9),6.05(7,dd;15.8および8.5),6.43(8,d;15.8),7.29-7.35(10/11/ 13/14,m),7.23(12,m); 3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.84(2,m ),5.67(2-NH,d;8.9),3.04(3,dd;14.3および7.1),3.14(3,dd;14.3および5.3),7.2 2(5,d;2.0),3.86(7-OCH3,s),6.83(8,d;8.2),7.08(9,dd;8.2および2.0); 3−ア ミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.75(2,m),1.23(2-Me,d;7.1),3.19(3,m),3.59 (3,m),6.80(3-NH,brt;6.7); 2−ヒドロキシイソ吉草酸(D)4.73(2,d;4.2),2.09( 3,m),0.84(4,d;6.9),0.95(4',d;6.9).13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素位置)A 165 .5(1),125.3(2),141.3(3),36.3(4),77.7(5),42.0(6),17.1(6-Me),129.9(7),131. 9(8),136.8(9),126.1(10/14),128.6(11/13),127.6(12);B171.0(1),53.4(2),35.1 (3),130.0(4),131.1(5),122.4(6),153.9(7),56.1(7-OMe),112.2(8),128.5(9);C1 75.1(1),38.7(2),13.9(2-Me),41.5(3);D169.6(1),76.9(2),29.8(3), 19.0(4),16.7(3-Me).クリプトフィシン21 [α] D+40.2°(CHCl3c.0.72);UV λmax(ε)240(6700),280(2400),288(2100); IR(ニート)νmax3403,3279,2957,1731,1673,1503,1464,1409,1372,1258,1174, 1065,1023,889cm-1; EIMS m/z(相対強度)640/642(10/4),612(5),478(15),398( 40),266(33),227(76),195(95),155(100),127(90);高分解能 EIMS m/z 640.2550( C34H41ClN2O8として算出、誤差0.2mmu).1H NMR(CDCl3): アミノ酸またはヒドロ キシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)7,8−エポキシ−5−ヒドロ キシ−6−メチル−8−フェニルオクタン酸(A)5.737(2,d;15.4),6.68(3,ddd;15 .0,9.9および4.9),2.45(4,m),2.56(4,m),5.19(5,ddd;11.2,5.1および1.5),1.80( 6,m),1.14(6-Me,d;7.1),2.92(7,dd;7.5および2.0),3.68(8,d;1.8),7.25(10/14,m ),7.33-7.38(11/12/13,m);3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.74( 2,ddd;8.2,6.8および6.2),5.68(2-NH,d;8.6),2.98(3,dd;14.3および7.7),3.14(3 ,dd;14.3および5.6),7.21(5,d;2.0),3.86(7-OMe,s),6.83(8,d;8.4),7.07(9,dd;8 .4および2.0); 3−アミノプロピオン酸(C)2.56(2,m),3.51(3,m),3.45(3,m),6.9 0(3-NH,br t;5.8);ロイシン酸(D)4.89(2,dd;10.0および3.3),1.67(3,m),1.31(3, m),1.67(4,m),0.84(5,d;6.4),0.83(5',d;6.4);13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素位置 )A 165.5(1),125.3(2),141.0(3),36.7(4),75.9(5),40.6(6),13.5(6-Me),63.0(7 ),59.0(8),136.7(9),125.6(10/14),128.7(11/13),128.5(12);B170.7(1),53.9(2) ,35.0(3),129.8(4),130.9(5),122.4(6),153.9(7),56.1(7-OMe),112.2(8),128.3( 9);C172.6(1),32.4(2),34.4(3),D170.5(1),71.2(2),39.5(3),24.4(4),22.8(5),2 1.2(5').クリプトフィシン23 [α] D+47°(MeOH,c 1.55);UV λmax(ε)240(4571),282(2174),290(2177);IR (ニート)νmax3284,2960,1747,1724,1653,1540,1490,1339,1272,1174cm-1; EI MS m/z(相対強度)674/675/678(47/35/8),432/434/436(11/5/2),299/301/303(3 9/30/7),227(64),215/217/219(31/20/8),141(100);高分解能 EIMS m/z 674.2164 3(C35H4Cl2N2O8として算出,誤差-0.3mmu).1H NMR(CDCl3):アミノ酸またはヒド ロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)7,8−エポキシ −5−ヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2−オクテン酸(A)5.77(2,d;15 .4),6.65(3,ddd;15.4,9.3および6.0),2.47(4,dt;14.2および10.2),2.55(4,br dd ;14.2および5.6),5.13(5,ddd;11.0,4.6および1.6),1.81(6,m),1.15(6-Me,d;6.9) ,2.93(7,dd;7.6および2.0),3.7(8,d;2.0),7.22-7.26(10/14,m),7.32-7.39(11/12 /13,m); 3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニルアラニン(B)4.81(2,m),5.6 9(2-NH,d;8.6),3.11(3,dd;14.5および5.6),3.50(3,dd;14.3および7.0),7.13(5/9 ,s),5.78(7-OH,s); 3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.73(2,m),1.22(2- Me,d;7.1),3.19(3,dt;13.4および6.9),3.58(3,ddd;13.6,5.8および4.1),6.82(3- NH,br t;5.9); ロイシン酸(D)4.84(2,dd;9.9および3.2),1.38(3,m),1.68-1.75(4 ,m),0.86(4-Me,d;6.7),0.87(5,d;6.7).13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素位置)A165 .4(1),125.4(2),140.9(3),36.7(4),76.3(5),40.6(6),13.5(6-Me),63.0(7),136.7 (9),125.6(10/14),128.7(11/13),128.6(12);B170.7(1),53.3(2),35.0(3),130.3( 4),129.0(5/9),121.0(6/8),146.7(7);C175.3(1),38.4(2),13.9(2-Me),41.5(3);D 170.8(1),71.3(2),39.4(3),24.6(4),21.3(3-Me),22.9(5).クリプトフィシン24 [α]D+48.8°(CHCl3,c 0.63);UV λmax(ε)228(19006),242(8249),274(2351); IR(ニート)νmax3400,3284,2959,1732,1678,1652,1514,1248,1178cm-1; EIMS m/z(相対強度,帰属)606(2,M+),364(7),161(55,CH3O-C6H4-CH=CH=CO+),121( 100,CH3O-C6H4-CH2 +),91(68);高分解能 EIMS m/z606.2954(C34H42N2O8として算 出,誤差-1.3mmu);1H NMR(CDCl3): アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素 位置、多重度;Hz単位のJ)7,8−エポキシ−5−ヒドロキシ−6−メチル−8 −フェニル−2−オクテン酸(A)5.70(2,dd;15.2および1.3),6.70(3,ddd;15.2,10 .3および4.7),2.43(4,dt;14.3および10.9),2.56(4,m),5.20(5,ddd;11.3,5.1お よび2.0),1.79(6,m),1.14(6-Me,d;7.0),2.92(7,dd;7.5および2.0),3.68(8,d;2.0 ),7.23-7.38(10/11/12/13/14,m); O−メチルチロシン(B)4.73(2.m),5.58(2-NH, d;8.3),3.03(3,dd;14.5および7.5),3.14(3,dd;14.5および5.7)、7.11(5/9,d;8.6 ),6.81(6/8,d;8.6),3.78(7-OMe,s);3−アミノプロピオン酸(C)2.55(2-H2,m),3. 42(3,m),3.53(3,m),6.97(3-NH,br t;5.7);ロイシン酸(D)4.89(2,dd;9.9および3. 5),1.29(3.m),1.62-1.70(3/4,m),0.83(5,d;5.9),0.84(5',d; 6.1);13C NMR(CDCl3):単位δ(炭素位置)A 165.4(1),125.3(2),141.0(3),36.7( 4),75.9(5),40.6(6),13.4(6-Me),63.0(7),59.0(8),136.7(9),125.6(10/14),128. 7(11/13),128.5(12);B170.7または/70.6(1),54.1(2),35.2(3),128.5(4),130.2(5 /9),114.1(6/8),158.6(7),55.2(7-OMe);C172.8(1),32.5(2),34.2(3);D170.6 or 170.7(1),71.2(2),39.5(3),24.4(4),21.3(5),22.8(5').クリプトフィシン26 [α]D+28.2°(CHCl3,c 1.31);UV λmax(ε)254(14615),284(2949; IR(ニート )νmax3299,2960,1732,1644,1504,1258,1209cm-1; EIMS m/z (相対強度)656/ 658(0.5/0.1,M+),638/640(1.7/1.0),525/527(3.71/1.8),412/414(10/4),2.80/2 82(12/11),227(20),195(48),131(68); 高分解能 EIMS m/z 656.2836(C35H45ClN2 O8として算出、誤差2.8mmu),638.2712(C35H43ClN2O7として算出、誤差4.7mmu):1 H NMR(CDCl3)アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位 のJ)3,5−ジヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−7−オクテン酸(A)2.4 6(2,dd;14.8および7.8),2.58(2,dd;14.8および3.0),5.46(3,m),1.86-1.90(4-H2, m),3.61(5,m),2.37(6,m),1.14(6-Me,d;6.8),6.06(7,dd;16および8.7),6.47(8,d; 16),7.37(10/14、br d;7.9),7.32(11/13,br t;7.6),7.22-7.28(12,m);3−クロ ロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.73(2,BR DT;6.4および8.1),6.14(2-NH, d;8.6),2.84(3,dd;14.4および8),3.18(3,dd;14.4および6.3),7.21(5,d;2.2),3.8 5(7-OMe,s),6.82(8,d;8.6),7.08(9,dd;8.6および2.2); 3−アミノ−2−メチル プロピオン酸(C)2.87(2,m),1.19(2-Me,d;7.0),3.01(3,ddd;13.4,10.6および4.9) ,3.73(3,ddd;13.4,8.2および4.7),6.72(3-NH,br dd;7.3および5.2); ロイシン酸 (D)4.95(2,dd;9.7および4.2),1.62-1.72(3,m),1.79-1.84(3,m),1.62-1.72(4,m), 0.90(4-Me,d;6.4),0.95(5,d;6.4).13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素位置)A 170.0(1 ),41.5(2),71.4(3),37.3(4),71.9(5),71.9または71.8(5),43.6(6)1,16.6(6-Me), 130.8(7),132.5(8),136.8(9),126.2(10/14),128.6(11/13),127.6(11/13),127.6( 12);B170.9(1),53.2(2),34.7(3),130.3(4),131.1(5),122.6(6),153.8(7),56.1(7 -OMe),112.2(8),128.5(9);C174.3(1),40.1(2),14.4(2-Me),42.5(3):D170.0(1),7 1.8または71.9(2),38.9(3),24.6(4),21.6(4-Me),22.9(5). クリプトフィシン28 [α]D+65.6°(MeOH,c 0.93); UV λmax(ε)204(48000),230(19300),248(18700 )4,280(3400); IR(ニート)νmax3413,3270,2958,1745,1726,1665,1504,1258,1 197,1175,1066,694cm-1; EIMS m/z(相対強度)624/626(3.0/1.3),412/414(70/2 4),280/282(13/6),213(100),195/197(86/40);高分解能 EIMS m/z 624.2626(C34H41 ClN2O7として算出、誤差-2.4mmu): 1H NMR(CDCl3)アミノ酸またはヒドロキシ 酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)5−ヒドロキシ−8−フェニル−2 ,7−オクタジエン酸(A)5.78(2,d;15.6),6.71(3,ddd;15.6,9.9および5.4),2.40 (4,m),2.53(4,m),5.17(5,m),2.53(6-H2,br t;6.7),6.07(7,dt;15.8および7.4),6 .44(8,d;15.8),7.27-7.38(10/11/13/14,m),7.22(12,m);3−クロロ−4−メトキ シフェニルアラニン(B)4.82(2,m),5.72(2-NH,d;8.5),3.04(3,dd;14.5および7.2) ,3.14(3,dd;14.5および5.4),7.22(5,d;2.0),3.87(7-OMe,s),6.84(8,d;8.5),7.08 (9,dd;8.5および2.0); 3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.72(2,m),1.21 (2-Me,d;7.2),3.29(3,dt;13.5および7.0),3.49(3,ddd;13.5,4.9および3.8),6.97 (3-NH,br t;5.6); ロイシン酸(D)4.82(2,m),1.40(3,m),1.62(3,m),1.62(4,m),0. 76(4-Me,d;6.3),0.74(5,d;6.3);13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素位置)A 165.4(1), 125.2(2),141.2(3),38.5(4),73.5(5),38.6(6),124.7(7),133.8(8),136.7(9),126 .1(10/14),128.6(11/13),127.6(12);B170.9(1),53.6(2),35.1(3),129.8(4),131. 0(5),122.4(6),154.0(7),56.1(7-OMe),112.3(8),128.4(9);C175.6(1),38.3(2),1 4.0(2-Me),41.2(3);D170.9(1),71.6(2),39.6(3),24.5(4),21.5(4-Me),22.6(5).クリプトフィシン29 [α]D+22.2°(CHCl3,c 1.13); UV λmax(ε)250(17000),284(3300); IR(ニー ト)νmax3415,3272,2960,1744,1674,1504,1259,1197,1174,1067,694cm-1; EIMS m/z(相対強度)624/626(2.6/1.1),398/400(44/15),227(100),195/197(50/16), 155/157(59/20),131(63),91(95);高分解能 EIMS m/z624.2607(C34H41ClN2O7とし て算出、誤差-0.5mmu):1H NMR(CDCl3)アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭 素位置、多重度;Hz単位のJ)5−ヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2, 7−オクタジエン酸(A)5.75(2,dd;15.3および1.1),6.69(3,dd d;15.3,10.1および5.3),2.36(4,m),2.54(4,m),5.03(5,ddd;11.0,6.4および1.8), 2.56(6,m),1.14(6-Me,d;6.8),6.01(7,dd;15.8および8.8),6.41(8,d;15.8),7.28- 7.33(10/11/13/14,m),7.22(12,m);3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニン( B)4.76(2,m),5.67(2-NH,d;8.6),3.0(3,dd;14.4および10.2),3.14(3,dd;14.4およ び5.9),7.22(5,d;2.2),3.87(7-OMe,s),6.83(8,d;8.4),7.08(9,dd;8.4および2.2) ; 3−アミノプロピオン酸(C)2.55(2-H2,m),3.44(3,m),3.55(3,m),6.89(3-NH,br t;5.7);ロイシン酸(D)4.90(2,dd;9.9および3.5),1.34(3,ddd;15.4,10.3および3 .5),1.63(3,m),1.63(4,m),0.76(4-Me,d;6.4),0.72(5,d;6.4);13C NMR(CDCl3)単 位δ(炭素位置)A 165.5(1),125.2(2),141.5(3),36.4(4),77.1(5),42.3(6),17. 3(6-Me),130.1(7),131.8(8),136.7(9),126.2(10/14),128.6(11/13),127.6(12);B 170.9(1),53.8(2),34.9(3),129.9(4),131.0(5),122.4(6),153.9(7),56.1(7-OMe) ,112.2(8),128.4(9);C172.6(1),32.4(2),34.5(3);D170.4(1),71.5(2),39.7(3),2 4.4(4),21.2(4-Me),22.6(5).クリプトフィシン30 [α]D-12.3°(CHCl3,c 1.53); UV λmax(ε)254(17200),284(3600); IR(ニー ト)νmax3414,3306,2961,1738,1729,1660,1504,1258,1205,1183,1066,695cm-1; EIMS m/z(相対強度)656/658(1.0/0.3),638/640(3.0/1.0),525/527(3.8/1.3), 412/414(10.5/3.6),280/282(10.3/3.8),227(29),195/197(48/17),155/157(74/21 ),131(100); 高分解能 EIMS m/z 656.2852(C35H45ClN2O8として算出、誤差1.3mm u):1H NMR(CDCl3): アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度; Hz単位のJ)3,5−ジヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−7−オクテン酸 (A)2.25(2,dd;16.0および9.6),2.64(2,brd;16.0)3.89(3,m),2.51(3-OH,d;6.4),1 .77(4,ddd;14.3,9.8および2.1),1.88(4,ddd;14.3,11.3 および3.8),4.88(5,ddd; 11.3,6.2および2.1),2.53(6,m),1.10(6-Me,d;6.8),5.99(7,dd;15.9および9.0),6 .40(8,d;15.9),7.28-7.33(10/11/13/14,m),7.23(12,m);3−クロロ−4−メトキ シフェニルアラニン(B)4.60(2,m),6.61(2-NH,d;8.1),3.09(3,dd;14.2および5.6) ,3.15(3,dd;14.2および7.3),7.22(5,d;2.1),3.86(7-OMe,s),6.83(8,d;8.3),7.07 (9,dd;8.3および2.1); 3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.67(2,m),1.21 (2-Me,d;7.3),3.26(3,ddd;13.6,7.3および6.4),3.63(3,ddd;13.6,6.2 および3.9),6.75(3-NH,br t;6.3);ロイシン酸(D)4.83(2,dd;9.6,4.1),1.42(3,m) ,1.64(4,m),0.79(4-Me,d;6.4),0.76(5,d;6.4);13 CNMR(CDCl3)単位δ(炭素位置 )A 171.6(1),42.4(2),66.0(3),41.3(4),76.0(5),42.0(6),17.3(6-Me),130.0(7) ,131.9(8),136.7(9),126.1(10/14),128.6(11/13),127.6(12);B170.8(1),54.3(2) ,35.1(3),130.1(4),131.1(5),122.2(6),153.8(7),56.1(7-OMe),112.1(8),128.7( 9);C175.6(1),39.7(2),13.8(2-Me),41.5(3);D171.9(1),72.1(2),39.1(3),24.6(4 ),21.4(4-Me),22.7(5).クリプトフィシン31 [α]D+50.6°(MeOH,c 1.13); UV λmax(ε)242(3800),284(700); IR(ニート )νmax3412,3272,2961,1745,1725,1678,1537,1481,1270,1196,1176,1000,698cm-1 ; EIMS m/z(相対強度)688/690(1.2/1.0/0.4),446/448/450(7.9/6.7/3.1),31 4/316/318(17/11/13),91(100); 高分解能 EIMS m/z 688.2336(C35H42Cl2N8とし て算出、誤差-1.8mmu):1H NMR(CDCl3)アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭 素位置、多重度;Hz単位のJ)7,8−エポキシ−5−ヒドロキシ−6−メチル− 8−フェニル−2−オクテン酸(A)5.78(2,d;15.5),6.66(3,ddd;15.5,9.4および6 .0),2.47(4,ddd;14.1,10.8および9.4),2.56(4,m),5.14(4,ddd;10.8,4.7および1. 7),1.82(6,m),1.15(6-Me,d;7.1),2.93(7,dd;7.5および1.9),3.70(8,d;1.9),7.24 -7.26(10/14,m),7.34-7.39(11/12/13,m);3,5−ジクロロ−4−メトキシフェ ニルアラニン(B)4.83(2,m),5.68(2-NH,d;9.0),3.0(3,dd;14.4および7.3),3.14(3 ,dd;14.4および5.6),7.16((5/9,s),3.87(7-OMe,s);3−アミノ−2−メチルプロ ピオン酸(C)2.74(2,m),1.22(2-Me,d;7.1),3.20(3,m),3.58(3,ddd;13.5,5.6およ び4.1),6.82(3-NH,br t;5.6); ロイシン酸(D)4.83(2,m),1.38(3,m),1.72(3,m),1 .72(4,m),0.87(4-Me,d;6.8),0.86(5,d;6.8);13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素位置 )A 165.4(1),125.4(2),141.0(3),36.7(4),76.3(5),40.6(6),13.5(6-Me),63.0( 7),58.9(8),136.7(9),125.6(10/14),128.7(11/13),128.6(12);B170.8(1),53.3(2 ),35.2(3),129.3(4),139.6(5/9)),134.5(6/8),151.2(7),60.6(7-OMe);C175.3(1) ,38.3(2),13.9(2-CH3),41.5(3),D170.6(1),71.3(2),39.4(3),24.6(4),22.9(4-Me ),21.3(5).クリプトフィシン40 [α]D+41.6°(CHCl3,c 0.31); UV λmax(ε)242(4974),266(3911),286(2359), 328(511);IR(ニート)νmax3415,2959,1748,1723,1667,1505,1463,1289,1176cm-1 ; EIMS m/z(相対強度)640/642(5/2),280/282(7/3),213(13),195/197(51/17) ,155(29),141(32),121(28),91(100),69(47);高分解能 EIMS m/z 640.2570(C34H4 1 ClN2O8として算出、誤差-1.8mmu):1H NMR(CDCl3)アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)7,8−エポキシ−5−ヒドロキシ− 8−フェニル−2−オクテン酸(A)5.77(2,d;15.1),6.72(3,ddd;15.1,9.7および4 .9),2.42(4,m),2.58(4,m),5.33(4,m),1.89(6,ddd;12.9,8.1および5.0),2.13(6,d dd;12.9,9.3および5.0),2.98(7,ddd;6.7,4.5および1.9),3.64(8,d;1.9),7.31-7. 39(10/11/13/14,m),7.22(12,m); 3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B )4.83(2,m),5.64(2-NH,d;8.6),3.03(3,dd;14.3および7.5),3.14(3,dd;14.3およ び5.4),7.21(5,d;2.0),3.87(7-OMe,s),6.84)8,d;8.3),7.08(9,dd;8.3および2.0) ; 3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.72(2,m),1.23(2-Me,d;7.3),3.31(3 ,dt:13.8および6.9),3.50(3,ddd;13.6,5.7および3.9),6.96(3-NH,br t:6.0);ロ イシン酸(D)4.85(2,dd;6.7,3.4),1.42(3,m),1.72(3,m),1.72(4,m),0.86(4-Me,d; 3.7),0.87(5,d;3.7);13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素位置)A 165.3(1),125.2(2),1 40.9(3),39.0(4),72.0(5),37.3(6),59.0(7),58.7(8),140.9(9),125.6(10/14),12 8.7(11/13),128.5(12):B170.9(1),53.6(2),35.1(3),129.8(4),131.0(5),122.5(6 ),157.0(7),56.1(7-OMe),112.3(8),128.4(9):C175.6(1),38.3(2),14.1(2-Me),41 .1(3);D170.9(1),71.4(2),39.4(3),24.5(4),21.5(4-Me),22.8(5).クリプトフィシン43 [α]D+20°(CHCl3c 0.2); UV λmax(ε)250(20512),282(4083),294(1734);IR (ニート)νmax3400,3272,2927,1727,1660,1516,1455,1242,175cm-1; EIMS m/z (相対強度)533(24),484(3),445(14),398(9),364(29),227(59),149(67),91(100 ); 高分解能 EIMS m/z 590.3044(C34H41N2O7として算出,誤差-5.2mmu):1H NMR( CDCl3)アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)5 −ヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2,7−オクタジエン酸(A)5.75(2, d;15.3),6.69(3,ddd;15.3,9.9および5.3),2.37(3,dt,14.2および10.4),2.52(4,m ),5.01(5,ddd;11.2,6.4および1.8),2.55(6,m),1.13(6-Me, d;6.9),6.01'7,dd;15.8および8.9),6.41(8,d;15.8),7.21-7.34(10/11/12/13/14, m); 4−メトキシフェニルアラニン(B)4.80(2,m),5.64(2-NH,d;8.4),3.06(3,dd; 14.5および7.2),3.13(3,dd;14.4および5.3),7.06(5/9,d;8.4),6.74(6/8,d;8.4); 3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.69(2,m),1.22(2-Me,d;7.3),3.33(3, m),3.44(3,dt;14.0および4.7),7.0(3-NH,m); ロイシン酸(D)4.84(2,dd;10.0およ び3.6),1.60-1.67(3,m),1.35(3,m),1.60-1.67(4,m),0.76(5,d;6.4),0.73(5',d;6 .7);13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素位置)A 125.2(2),141.5(3),36.5(4),77.5(5), 42.3(6),17.3(6-Me),130.1(7),131.8(8),136.8(9),126.2(10/14),128.6(11/13), 127.6(12);B53.8(2),35.3(3),129.8(4),130.5(5/9),115.6(6/8),154.6(7);C38.3 (2),14.1(2-Me),41.0(3);D71.6(2),39.6(3),24.5(4),21.2(5),22.9(5').試料の 大きさが小さいのでカルボニル炭素の信号を認めることはできなかった。クリプトフィシン45 [α]D+72.0°(MeOH,c 0.122); UV λmax(ε)250(25500),284(5300);IR(ニー ト)νmax3407,3239,2958,1743,1727,1667,1538,1469,1242,1196,1177,694cm-1; EIMS m/z(相対強度)658/660/662(2.1/1.4/0.3),483(7.6),432/434/436(9.5/6 .4/1.8),300/302/304(8.0/5.5/1.2),227(100),91(87);高分解能 EIMS m/z 658.2 207(C34H40Cl2N2O7として算出、誤差0.6mmu):1H NMR(CDCl3): アミノ酸またはヒ ドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)5−ヒドロキシ−6−メチ ル−8−フェニル−2,7−オクタジエン酸(A)5.80(2,d;14.7),6.66(3,ddd;14. 7,8.5および5.5),2.38(4,m),2.53(4,m),4.97.01(5,br dd;10.4 および6.2),2.57 (6,m),1.14(6-Me,d;6.7),6.01(7,dd;15.9および8.7),6.41(8,d;15.9),7.28-7.34 (10/11/12/13/14,m),7.22(12,m); 3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル アラニン(B)4.82(2,m),5.73(2-NH,d;8.7),3.02(3,dd;14.3および6.2),3.10(3,dd ;14.3および5.2),7.14(5/9,s),5.79(7-OH,s);3−アミノ−2−メチルプロピオ ン酸(C)2.73(2,m),1.21(2-Me,d;7.0),3.17(3,m),3.60(3,m),6.81(3-NH,br t;6. 7);ロイシン酸(D)4.84(2,dd;10.0および3.2),1.38(3,ddd;14.9,10.2および3.2), 1.65(3,m),1.65(4,m),0.78(4-Me,d;6.5),0.73(5,d;6.5);13C NMR(CDCl3)単位δ (炭素位置)A 165.5(1),125.4(2),141.2(3),36.4(4),77.6(5),4 2.3(6),17.3(6-Me),130.0(7),131.9(8),136.7(9),126.2(10/14),128.6(11/13),1 27.6(12);BI71.0(1),53.2(2),35.0(3),130.4(4),129.1(5/9),121.0(6/8),146.7( 7);C175.2(1),38.5(2),13.9(2-Me),41.6(3);D170.7(1),71.5(2),39.5(3),24.6(4 ),22.7(4-Me),21.2(5).クリプトフィシン49 [α]D+68.1°(MeOH,c 0.075); UV λmax(ε)246(25500),284(5200);IR(ニー ト)νmax3401,3282,2962,1744,1728,1668,1540,1505,1464,1258,1198,1177,106 6,694cm-1; EIMS m/z(相対強度)624/626(0.8/0.3),398/400(43/14),227(78),1 95/197(58/26),91(100); 高分解能 EIMS m/z 624.2650(C34H41ClN2O7として算出 、誤差-4.8mmu):1H NMR(CDCl3):アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置 、多重度;Hz単位のJ)5−ヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2,7−オ クタジエン酸(A)5.77(2,d;14.1),6.67(3,m),2.38(4,m),2.50(4,m),5.01(5,m),2. 56(6,m),1.13(6-Me,d;6.5),6.03(7,dd;15.8および8.6),6.42(8,d;15.8),7.29-7. 35(10/11/13/14,m),7.23(12,m); 3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B )4.82(2,m),5.64(2-NH,m),3.06(3,m),3.13(3,m),7.22(5,m),3.87(7-OMe,s),6.83 (8,m),7.08(9,m);3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.72(2,m),1.22(2-Me ,d;6.7),3.26(3,m),3.53(3,m),6.90(3-NH,m);2−ヒドロキシ吉草酸(D)4.81(2, dd;8.8および3.9),1.63(3,m),1.68(3,m),1.33(4-H2,m),0.74(5,t;7.3).クリプトフィシン50 [α]D+32.0°(CHCl3,c 0.44); UV λmax(ε)242(4933),262(3996),274(3719), 286(2430),332(359);IR(ニート)νmax3412,3274,2958,1752,1724,1676,1648,1 503,1465,1258,1177,1066,753cm-1; EIMS m/z(相対強度)640/642(4/2),398/40 0(11/4),280(10/3),227(17),195/197(57/18),157(20),141(31),91(100); 高分解 能 EIMS m/z 640.2531(C34H41ClN2O8として算出、誤差2.1mmu):1H NMR(CDCl3): アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)7,8− エポキシ−5−ヒドロキシ−6−メチル−8−フェニルオクタン酸(A)5.73(2,d; 15.7),6.67(3,ddd;15.7,9.7および5.4),2.45(4,m),2.55(4,m),5.13(5,ddd;11.2, 5.0および1.7),1.78(6,m),1.15(6-Me,d;6.9),2.91(7,dd;7.5および1.9),3. 68(8,d;1.7),7.25(10/14,m),7.33-7.38(11/12/13;m),3−クロロ−4−メトキシ フェニルアラニン(B)4.80(2,ddd;8.3,7.1および5.4),5.61(2-NH,d;8.3),3.03(3, dd;14.4および7.3),3.13(3,dd;14.4および5.6),7.21(5,d;1.9),3.87(7-OMe,s),6 .83(8,d;8.4),7.07(9,dd;8.4および2.2); 3−アミノ−2−メチルプロピオン酸 (C)2.71(2,m),1.22(2-Me,d;7.3),3.29(3,dt;13.65および6.9),3.49(3,ddd;13.6, 6.7および5.0),6.92(3-NH,br t;6.7); 2−ヒドロキシペンタン酸(D)4.75(2,dd; 9.2および3.7),1.55(3,m),1.65(3,m),1.33(4-H2,m),0.84(5,t;7.3);13C NMR(CDC l3)単位δ値(炭素位置)A 165.3(1),125.3(2),141.0(3),36.9(4),76.3(5),40.8 (6),13.6(6-Me),63.2(7),59.1(8),136.8(9),125.5(10/14),128.7(11/13),128.5( 12);B170.9(1),53.6(2),35.1(3),129.8(4),131.0(5),122.5(6),154.0(7);56.1(7 -OMe),112.3(8),128.5(9);C175.6(1),38.4(2),14.1(2-Me),41.2(3);D170.4(1),7 2.4(2),32.7(3),18.4(4),13.5(5).クリプトフィシン54 EIMS m/z(相対強度)654/656(17/10),493(5),411/413(12/4),280(16),227(25 ),195/197(45/25),141(30),91(100);高分解能 EIMS m/z654.2686(C35H43ClN2O8 として算出、誤差2.2mmu);1H NMR(CDCl3): アミノ酸またはヒドロキシ酸単位δ( 炭素位置、多重度;Hz単位のJ)5−ヒドロキシ−6−メチル−7−オキソ−8− フェニル−2−オクテン酸(A)5.73(2,d;15.4),6.66(3,ddd;15.4,9.7,5.7),2.46( 4,m),2.53(4,m),5.16(5,ddd;11.0,4.2,1.7),1.79(6,m),1.14(6-Me,d;6.8),2.89( 7,dd;7.4,1.8),3.69(8,d;1.9),7.25(10/14,m),7.30-7.38(11/12/13,m),(B)4.81( 2,m),5.63(2-NH,d;8.6),3.03(3,dd;14.5,7.3),3.13(3,dd;14.5,5.5),7.21(5,d;2 .2),3.87(7-OMe,s),6.83(8,d;8.4),7.07(9,dd;8.4,2.2);(C)2.73(2,m),1.22(2-M e,d;7.3),3.26(3,ddd;13.4,6.8,6.8),3.51(3,ddd;13.4,6.8,5.3),6.88(3-NH,br t;6.8);(D)4.73(2,d;4.2),1.78-1.82(3,m),0.92(3-Me,d;6.8),1.36-1.41(4,m),1 .18-1.20(4,m),0.80(5,t;7.5);13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素位置)A165.3(1),12 5.4(2),141.0(3),36.6(4),76.3(5),40.6(6),13.2(6-Me),63.1(7),58.7(8),136.7 (9),125.4(10/14),128.6(11/13),128.5(12);B170.9(1),53.5(2),35.0(3),129.8( 4),131.0(5),125.2(6),153.9(7),56.1(7-OMe),112.2(8),128.4(9);C175.4(1),38 .5(2),14.0(2-Me),41.3(3);D169.4(1),76.5(2),36.1(3),15.6(3-Me), 24.0(4),11.2(5).実施例6 クリプトフィシン誘導体の合成 クリプトフィシン8 2:1の1,2−ジメトキシエタン/水1.5ml中の3.8mgのクリプトフィ シン1溶液に1NのHClを9μL添加した。溶液を室温で4時間撹拌し、炭酸 カリウムで中和しそして蒸発した。残留物を水とCH2Cl2とに分別した。CH2 Cl2可溶性物質を逆相HPLCにより精製し純粋なクリプトフィシンを3.3 mg得た。 EIMS m/z(相対強度)690/692/694(0.8/0.5/0.2).高分解能 EIMS m/z 690.25 33(C35H44Cl2N2O8として算出,誤差-5.8mmu);1H NMR(CDCl3):アミノ酸またはヒ ドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)8−クロロ−5,7−ジヒ ドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2−オクテン酸(A)5.79(2,d;15.4),6.69 (3,ddd;15.4,9.7および5.6),2.68(4,ddt;14.0,5.5および1.8),2.38(4,m),5.11(5 ,ddd;10.8,8.6および1.8),2.51(6,m),1.05(6-Me,d;7.0),4.01(7,dd;9.6,および1 .9),4.65(8,d;9.6),7.36-7.41(10/11/12/13/14,m); ロイシン酸(D)4.92(2,dd;10 .1および3.5),1.76(3/3,m),1.45(3,m),0.94(5,d;6.6),0.94(5',d;6.4);3−アミ ノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.73(2,m),1.22(2-Me,d;7.2),3.25(3,ddd;13.6, 6.8および6.1),3.54(3,ddd;13.5,6.1および3.4),6.91(3-NH,brt;6.1);3−クロ ロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.82(2,ddd;8.8,7.2および5.6),5.64(2-N H,d;8.8),3.03(3,dd;15.4および7.2),3.16(3,dd;15.4および5.6),7.23(5,d;2.2) ,3.88(7-OCH3,s),6.85(8,d;8.5),7.09(9,dd;8.5および2.2).クリプトフィシン9 1mlの無水メタノール中の10mgのクリプトフィシン1の溶液に10μLのメ タノール性HCl(1.25gの塩化チオニルに25mLのMeOHを処理するこ とによって得た)を添加した。4時間攪拌した後、溶媒を真空下で除去しそして 試料を真空下に12時間放置した。逆相HPLCにより純粋なクリプトフィシン 9を8mg得た。 1H NMR(CDCl3):アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz 単位のJ)5−ジヒドロキシ−8−メトキシ−6−メチル−8−フェニル−2−オ クテン酸(A)5.76(2,d;15.5),6.67(3,ddd;15.5,9.5および5.6),2.34(4,ddd;14.1, 11.1および9.5),2.62(4,dddd;14.1,5.6,1.8および1.5),5.09(5,ddd;11.1,7.8お よび1.8),2.24(6,dqd;7.8,7.0および2.2),1.03(6-Me,d;7.0),3.71(7,dd;8.3およ び2.2),4.03(8,d;8.3),3.20(8-OCH3,a),7.31-7.40(10/11/12/13/14,m);ロイシン 酸(D)4.86(2,dd;9.8および3.5),1.71(3/4,m),1.41(3,m),0.89(5/5',d;6.4);3− アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.71(2,ddq;6.8,3.9および7.2),1.21(2-Me, d;7.2),3.23(3,ddd;13.5,6.8および6.0),3.52(3,ddd;13.5,6.0および3.9),6.90( 3-NH,br t;6.0); 3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.82(2,ddd;8. 8,7.4および5.7),5.66(2-NH,d;8.8),3.02(3,dd;14.4,7.4),3.15(3,dd;14.4およ び5.5),7.23(5,d;2.2),3.87(7-OCH3,s),6.84(8,d;8.5),7.08(9,dd;8.5 および2. 2).クリプトフィシン10 1mLのアセトンおよび0.3mLの水中の7mgのクリプトフィシン9の溶液を攪 拌して2NのNaOHを8μL添加した。溶液を4時間攪拌した後、溶液を1N のHClでpH7まで中和しそして溶媒を減圧下で除去した。残留物を7:3のM eOH/H2Oを用いる逆相HPLCにかけて純粋なクリプトフィシン10(5m g)を得た。 1H NMR(CD3OD):アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;H2 単位のJ)5,7−ジヒドロキシ−8−メトキシ−6−メチル−8−フェニル−2 −オクテン酸(A)5.99(2,d;15.4および1.3),6.82(3,dt:15.4 および7.3),2.30(4, m),2.50(4,m),3.66(5,td;7.8および3.5),2.05(6,五重項;1.8.および7.0),0.96( 6-Me,d;7.0),4.04(7,dd;8.8および2.0),4.01(8,d;8.8),3.12(8-OCH3,s),7.26-7. 36(10/11/12/13/14,m); 3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.50(2,m),1.0 2(2-Me,d;7.3),3.16(3,ddd;13.4および6.9),3.82(3,dd;13.4および6.6); 3−ク ロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.57(2,dd;8.5および6.5),2.82(3,dd;1 3.9および8.6),3.03(3,dd;13.9 および6.5),7.25(5,d;2.2),3.82(7-OCH3,s),6.9 6(8,d;8.6),7.13(9,dd;8.6および2.2);13C NMR(CD3OD):δ179.5,173.4,168.2,15 5.4,143.7,141.7,131.9,131.7,129.8,129.3(2C),129.2(2C),128.8,126.2,123.2, 113.4,85.9,74.5,74.1,56.8,56.6,56.3,43.3,41.2,40.2,38.8,38.0,15.5,9. 9.クリプトフィシン12 4:1のアセトン/水1mL中の5mgのクリプトフィシン1,5または8の溶液 に2NのNaOHを15μL添加した。室温で5時間攪拌した後、反応混合物1N のHClでpH7まで中和しそして蒸発した。CH2Cl2に可溶な物質をCH2C l2、1:1のEtOAc/CH2Cl2およびEtOAcとともに小型のシリカ −カートリッジに通過した。EtOAcで溶離した画分は純粋なクリプトフィシ ン12を含んだ。 1H NMR(CD3OD):アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;H2 単位のJ)5,7,8−トリヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2−オクテ ン酸(A)6.07(A)(2,ddd;15.5,1.3および1.2),6.40(3,dt;15.5および7.3),2.49(4, m),2.60(4,m),3.92(5,ddd;9.3,6.7および4.5),1.94(6,m),1.07(6-Me,d;6.6),3.6 1(7,dd;8.9および7.6),4.56(8,d;7.6),7.36(10/14,dd;7.4および1.5),7.32(11/1 3,brt;7.5),7.25(12,m); 3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.54(2,ddq;7 .0,6.6および7.0),1.02(2-Me,d;7.0),3.14(3,dd;13.5および7.0),3.42(3,dd;13. 4および6.6); 3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.57(2,dd;8.4お よび6.7),2.83(3,dd;13.8および8.4),3.02(3,dd;13.8および6.6),7.25(5,d;2.1) ,3.82(7-OCH3,s),6.95(8,d;8.5),7.12(9,dd;8.5および2.1).クリプトフィシン 12をジアゾメタンでメチル化するとクリプトフィシン6が生成した。クリプトフィシン14 1mLの3:1のアセトン/H2O中の3mgの溶液に2NのNaOHを5μLを添 加した。5時間攪拌した後、反応混合物を1NのHClでpH7まで中和し、次い で蒸発乾固した。残留物を逆相HPLCにかけてクリプトフィシン14を2.4 mg得た。 1H NMR(CD3OD):アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;H2 単位のJ)5−ヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2,7−オクタジエン酸 (A)5.98(2,d;15.3),6.78(3,dt;15.3および7.5),2.35(4,m),3.64(5,td;7.2および 4.8),2.47(6,m),1.14(6-Me,d;6.9),6.22(7,dd;15.9および8.1),6.39(8,d;15.9), 7.24-7.36(10/11/12/13/14,m);; 3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.35 (2,m),1.02(2-Me,d;6.9),3.18(3,dd;13.2および6.6),3.36(3,dd;13.2および4.5) ; 3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.58(2,dd;8.7および6.3),2.8 0(3,dd;13.8および9.0),3.05(3,dd;13.8および6.3),7.25(5,d;2.1),3.82(7-OCH3 ,s),6.95(8,d;8.4),7.13(9,dd;8.4および2.1).クリプトフィシン35 0.5mlのCH2Cl2の入ったフラスコに接触量のPtO2をフラスコに添加 した。フラスコ内の空気を排除し、H2を導入し、そして混合物を室温で20分 攪拌した。最少量のCH2Cl2中の10mgのクリプトフィシン1の溶液を添加し そして混合物を室温で45分攪拌した。セライト/綿を通じて濾過して触媒を除 去しそして溶媒を蒸発した。C18カラム上で残留物を逆相HPLCにかけ、ク リプトフィシン35を6.5mg得た。 EIMS m/z(相対強度)656/658(25/10),412/414(25/12),280/282(20/10),195/1 97(78/25),141(58),91(100);高分解能 EIMS m/z 656.2864(C35H45ClN2O8として 算出,誤差0.0mmu);1H NMR(CDCl3): アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素 位置、多重度;H2単位のJ)2,3−ジヒドロ−7,8−エポキシ−5−ヒドロキ シ−6−メチル−8−フェニル−2−オクタン酸(A)2.32(2,ddd;14.5,9.2,5.8), 2.10(2,ddd;14.5,9.2,6.2),1.5-1.8(3/4 overlapping m),5.07(5,ddd;12.5,5.6, 2.0),1.80(6,m),1.2(6-Me,d;7.0),2.90(7,dd;7.4,1.8),3.67(8,d;1.8),7.24(10/ 14,m),7.32-7.38(11/12/13,m); 3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B) 4.71(2,ddd;8.7,6.46.3),5.62(2-NH,d;8.7),3.03(2H-3,brd;6.4),7.19(5,d;2.0) ,3.87(7-OMe,s),6.83(8,d;8.5),7.07(9,dd;8.4,2.0);3−アミノ−2−メチルプ ロピオン酸(C)2.72(2,m),1.18(2-Me,d;6.9),3.12(3,ddd;11.4,10.6,5.6),3.70(3 ,dd),6.76(3-NH,br t,6.0); ロイシン酸(D)4.83(2,dd;9.9,3.8),1.39(3,m),1.72 (4,m),0.87(4-Me,d;5.3),0.85(5,d;5.3);1H NMR(CDCl3):単位δ値(炭素位置)A 172.4(1),36.2(2),32.0(3),21.1(4),76.6(5),40.2(6),13.6(6-Me),63.3(7),59.2 (8),136.8(9),125.6(10/14),128.7(11/13),128.6(12);B170.7(1),53.7(2),35.5( 3),130.0(4),131.1(5),122.2(6),153.8(7),56.1(7-OMe),112.1(8),128.5(9);C17 5.2(1),38.2(2),13.6(2-Me),42.1(3);D171.9(1),71.7(2),39.6(3),24.5(4),22.9 (4-OMe),21.4(5). クリプトフィシン20 1:1のジクロロメタン/エチルエーテル(1.5ml)中のクリプトフィシン (4.3mg)を室温で3時間塩化第2鉄(3mg)で処理した。反応混合物を水洗 しそして有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥しそして蒸発した。残留物をAllte ch超清浄シリカカラム(500mg/2.8mL)上でクロマトグラフィーにかけそ して画分をジクロロメタンおよびエチルアセテートを用いて収集した。エチルア セテート画分を蒸発しそして残留物をEconosil シリカカートリッジ(250× 4.6mm、5μ)上で45:55のエチルアセテート/ヘキサンを用いてHPL C精製にかけてクリプトフィシン20(3.5mg)を生成した:EIMS m/z(相対 強度)654/656(0.8/0.5),433/435(1.2/0.7),411/413(1.4/0.8),153(100);高分解 能 EIMS m/z654.2718(C35H43ClN2O8,Δ-1.0mmu).1H NMR(CDCl3):アミノ酸また はヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;H2単位のJ)5−ヒドロキシ−6− メチル−7−オキソ−8−フェニル−2−オクテン酸(A)5.74(2,d;15.3),6.66(3 ddd;15.3,10.0および5.3),2.25(4,dt;14.2および10.7),2.53(4,brdd;14.3およ び5.2),5.27(5,ddd;11,8.9および1.9),2.94(6,m),1.13(6-Me,d;7.1),3.72(8,s), 7.17(10/14,brd;8.4),7.31-7.34(11/3,m),7.28(12,m); 3−クロロ−4−メトキ シフェニルアラニン(B)4.82(4,dt;5.8および7.8),5.63(2-NH,d;8.6),3.03(3,dd; 14.4および7.3),3.14(3,dd;14.4および5.5),7.21(5,d;2.0),3.87(7-OMe,s),6.84 (8,d;8.4),7.08(9,dd;8.4および2.2); 3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C) 2.71(2,m),1.22(2-Me,d;7.3),3.30(3,dt;13.7および6.8),3.43(3,dt;13.7および 4.4); ロイシン酸(D)4.72(2,dd;10.3および3.2),1.63-1.71(3,m),1.16-1.22(3,m ),1.63-1.71(4,m),0.83(4-Me,d;6.4),0.88(5,d;6.4),13C NMR(CDCl3):単位δ( 炭素位置)(A)165.3(1),125.3(2),140.9(3),35.8(4),74.6(5),49.1(6),13.6(6-M e),207.4(7),49.4(8),133.2(9),128.8(10/14),129.5(11/13),128.4(12);B170.9( 1),53.6(2),35.0(3),129.9(4),131.0(5),122.4(6),154.0(7),56.2(7-OCH3),112. 3(8),127.3(9);C175.7(1),38.3(2),14.1(2-Me),41.1(3);D170.1(1),71.3(2),39. 0(3),24.6(4),21.3(4-Me),23.0(5).クリプトフィシン25および37 方法I 酢酸中の30%の臭化水素が150μl添加された反応用ガラス瓶中にある1 .5mLのジメトキシエタンにクリプトフィシン1(20mg)を溶解した。反応混 合物を100℃で48時間攪拌した。次に内容物を周囲温度まで冷却し、1Mの 炭酸カリウムでpH7まで中和しそして水とエチルアセテートとの間で分配した。 有機層を蒸発しそして残留物を順次に順相カラムクロマトグラフィーおよび55 %エチルアセテート/ヘキサンを使用するシリカ上のHPLCにかけて25(9 mg)と37(7mg)とを得た。方法II 1.0mLの無水アセトン(K2CO3から留出したもの)中のクリプトフィシン 8(20mg)の溶液に20mgのLiBrを添加した。混合物を90℃で24時間 攪拌した。室温まで冷却した後、溶媒を蒸発しそして残留物を50/50のEt OAc/ヘキサンを使用する順相HPLCにかけてクリプトフィシン25(5. 2mg)とクリプトフィシン37(4.25mg)を得た。クリプトフィシン25のスペクトル特性 EIMS m/z(相対強度)654/656(0.5/.3,M+-HBr),412/414(1.4/0.4),195/197(11 /3),91(100);1H NMR(CDCl3):アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、 多重度;H2単位のJ)8−ブロモ−5,7−ジヒドロキシ−6−メチル−8−フェ ニル−2−オクテン酸(A)5.80(2,d;15.3),6.70(3,ddd;15.3,9.7および5.5),2.38 (4,m),2.66(4,brdd;14.3,5.5),5.11(4,brdd;14.3,5.5),5.11(5,tdd;9.8および1. 8),2.58(6,m),1.03(6-Me,d;7.0),4.09(7,brd;9.9),4.73(8,d;9.9),7.32-7.42(10 /11/12/13/14,m); 3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.81(2,m),5. 68(2-NH,d;8.5),3.03(3,dd;14.4および7.4),3.16(3,dd;14.5および5.5),7.23(5, d;2.2),3.88(7-OCH3,s),6.85(8,d;8.3),7.09(9,dd;8.4および2.2); 3−アミノ −2−メチルプロピオン酸(C)2.71(2,m),1.23(2-Me,d;7.2),3.26(3,dt;13.6,6.8 ),3.53(3,m),6.90(3-NH,brt;5.8);ロイシン酸(D)4.93(2,dd;10.1および3.1),1.7 4-1.63(3/4,m),1.49(3,m),0.95(4-Me/5,d;6.6);13C NMR(CDCl3):単位δ(炭素位 置)A 165.6(1),125.2(2),141.6(3),36.3(4),76.4(5),39.1(6),8.6(6-Me),73.5( 7),53.8(8),133.7(9),128.3(10/14),129.1(11/12/13);B 171.1(1),53.7(2),35.0 (3),130.0(4),131.5(5),122.4(6),153.9(7),56.1(7-OCH3),112.2(8),12 8.4(9);C 175.3(1),38.2(2),14.1(2-Me),41.2(3);D 170.6(1),71.3(2),39.7(3), 24.7(4),21.5(4-Me),23.1(5).クリプトフィシン37のスペクトル特性 EIMS m/z(相対強度)654/656(3.4/2.3,M+-HBr),598/600(3/1),412/414(6/2) ,195/197(27/9),80(100);1H NMR(CDCl3):アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ( 炭素位置、多重度;H2単位のJ)8−ブロモ−5,7−ジヒドロキシ−6−メチル −8−フェニル−2−オクテン酸(A)5.72(2,d;15.6),6.65(3,ddd;15.1,9.9およ び5.3),2.14(4,dt;14.5および10.7),2.54(4,m),5.07(5,td;9.7および1.7),2.52( 6,m),0.90(6-Me,d;6.8),4.24(7,brd;9.9),5.02(8,d;10.1),7.32-7.39(10/11/12/ 13/14,m);3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.79(2,m),5.59(2-NH, d;8.5),3.03(3,dd;14.5および7.2),3.13(3,dd;14.5および5.5),7.21(5,d;2.0),3 .87(7-OCH3,s),6.83(8,d;8.3),7.07(9,dd;8.4および2.0); 3−アミノ−2−メ チルプロピオン酸(C)2.73(2,m),1.23(2-Me,d;7.2),3.29(3,dt;13.4,6.8),3.50(3 ,m),6.93(3-NH,brt;6.0);ロイシン酸(D)4.87(2,dd;9.8および3.6),1.5(3,m),1.5 5(3,m),1.70(4,m),0.9(5,d;6.6);13C NMR(CDCl3): 単位δ(炭素位置)A 165.4( 1),125.1(2),141.5(3),36.2(4),76.2(5),38.3(6),8.4(6-Me),74.1(7),62.4(8),1 38.1(9),127.6(10/14),129.2(11/12/13);B 171.0(1),53.6(2),35.0(3),129.9(4) ,131.0(5),122.4(6),154.0(7),56.1(7-OCH3),112.2(8),128.4(9);C 175.5(1),38 .3(2),14.1(2-Me),41.2(3);D 170.4(1),71.4(2),39.7(3),24.8(4),21.7(4-Me),2 3.1(5).クリプトフィシン27 方法I 3mLの1,2−ジメトキシエタン中のクリプトフィシン1(500mg)の溶液 に60μLの濃HClを添加した。混合物を室温で18時間攪拌し、炭酸カリウ ム(50mg)を添加し、そして混合物をさらに2時間攪拌し、次いで濾過しそし て蒸発した。残留物を3:1のMeCN/H2Oを使用する逆相HPLC(Allte ch Econosil C18、250mm×22mmカラム、流量5mL/分、注入1回あた り20mg、254nmでのUV検出)にかけ433mgのクリプトフィシン(tR2 5分)と16mgのクリプトフィシン(tR21分)を得た。方法II 1.0mLの無水アセトン(K2CO3から留出したもの)中のクリプトフィシン 8(20mg)の溶液に20mgのLiClを添加した。混合物を100℃で3日間 攪拌し、室温に冷却し、そして蒸発した。残留物を82/18のMeOH/H2 Oを用いる逆相HPLCにかけてクリプトフィシン27(6.8mg)を得そして クリプトフィシン8(10.1mg)を回収した。クリプトフィシン27のスペクトル特性 EIMS m/z(相対強度)690/692/694(0.7/0.4/0.14),654/656(8.35/5.4),412/41 4(27/11),280/282(23/8),227(14),195/197(100/33),155/157(90/28);高分解能 E IMS m/z 690.2491(C35H44Cl2N2O8,Δ-1.6mmu).654.2705(C35H43ClN2O8,Δ0.3mm u).1H NMR(CDCl3): アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度; H2単位のJ)8−クロロ−5,7−ジヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2 −オクテン酸(A)5.70(2,dd;15.4および1.1),6.64(3,ddd;15.4,9.8および5.4),2. 14(4,m),2.53(4,m),5.06(5,ddd;10.8,8.0および1.7),1.45(6,m),0.94(6-Me,d;6. 7),4.07(7,dr;9.6および2.0),2.63(7-OH,広い巾),4.88(8,d;9.6),7.31(10/14,m ),7.36-7.40(11/12/13,m);3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.79( 2,m),5.64(2-NH,d;8.5),3.02(3,dd;14.4および7.4),3.13(3,dd;14.4および5.4), 7.21(5,d;2.2),3.86(7-CH3,s),6.83(8,d;8.4),7.09(9,dd;8.4および2.2);3−ア ミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.73(2,m),1.23(2-CH3,d;7.3),3.27(3,m),3.5 1(3,ddd;13.7,5.2および3.9),6.91(3-NH,brt;6.1);ロイシン酸(D)4.85(2,dd;9.8 および3.7),1.50(3,ddd;14.2,7.6および3.7),1.84(3,ddd;14.2,9.8および5.0),1 .69(4,m),0.97(4-Me,d;6.7),0.94(5,d;6.7).13C NMR(CDCl3):単位δ(炭素位置 )A 165.4(1),125.1(2),141.5(3),36.1(4),76.1(5),38.4(6),8.7(6-Me),74.5(7) ,68.6(8),137.6(9),127.4(10/14),129.1(11/13),129.2(12);B171.0(1),53.6(2), 35.0(3),129.9(4),131.0(5),122.4(6),153.9(7),61.1(7-OCH3),112.2(8),128.4( 9);C175.5(1),38.3(2),14.1(2-CH3),41.2(3);D170.4(1),71.4(2),39.7(3),24.8( 4),23.1(4-Me),21.7(5).クリプトフィシン322下で20分攪拌されている、0.5mLのCH2Cl2中の接触量の PtO2の混合物に0.2mLのCH2Cl2中のクリプトフィシン1(4mg)の溶 液を添加した。混合物を室温においてH2下で45分間攪拌した。CH2Cl2( 3mL)をさらに添加し、混合物を綿/セライトを通じて濾過し、そして溶媒を蒸 発した。逆相HPLCで精製した後、34mg(消費された出発物質に基き94% )の32を得た。EIMS m/z(相対強度)642/644(10/14),398(24),266/268(20/7) ,195/197(60/20),184/186(80/20),127(60),91(100); 高分解能 EIMS m/z 642.2 704(C3H43ClN2O8として算出,Δ0.4mmu).1H NMR(CDCl3): アミノ酸またはヒド ロキシ酸 単位δ値(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)2,3−ジヒドロ−7,8 −エポキシ−5−ヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2−オクタン酸(A)2 .29(2,dd;14.7,7.4,5.5),2.06(2,ddd;-14.7,9.3,6.2),1.5-1.8(3/4,4H,重なりあ う多重項),5.05(5,ddd;10.1,8.1,2.9),1.70(6,m),1.12(6-Me,d;6.9),2.90(7,dd; 7.7,1.9),3.67(8,d;1.9),7.25(10/14,m),7.36-7.40(11/12/13,m); 3−クロロ− 4−メトキシフェニルアラニン(B)4.62(2,ddd;8.6,6.6,6.0),5.62(2-NH,d;8.6), 3.06(3,dd;-14.1,6.0),3.13(3,dd;-14.1,6.6),7.19(5,d;2.0),3.87(7-OMe;s),6. 83(8,d;8.4),7.06(9,dd;8.4,2.0); 3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.5 5(2,m),3.58(3,m),3.48(3,m),6.87(NH,br t;6.2);ロイシン酸(D)4.83(2,dd;9.8, 4.1),1.34(3,m),1.70(3,m),1.70(4,m),0.86(4-Me,d;4.3),0.85(5,d;4.3).13C N MR(CDCl3): 単位δ値(炭素位置)A 172.7(1),36.3(2),32.0(3),21.4(4),76.6(5 ),40.2(6),13.6(6-Me),63.4(7),59.2(8),136.8(9),125.6(10/14),128.7(11/13), 128.5(12);B170.6(1),54.5(2),35.4(3),130.0(4),131.0(5),122.2(6),153.8(7), 56.1(7-OMe),112.1(8),128.7(9);C173.0(1),33.2(2),34.9(3);D171.7(1),72.1(2 ),39.1(3),24.4(4),22.8(4-Me),21.4(5).クリプトフィシン33 10mgのクリプトフィシン1と0.5mLのCH2Cl2中の10%Pd/C0. 5mgとの混合物を室温において水素雰囲気下で2時間攪拌した。2mLのCH2C l2をさらに添加しそして混合物を綿/セライトを通じて濾過しそして濾液を蒸 発した。CH3CNの65%水溶液を用いてC18上で残留物を逆相HPLCで精 製してクリプトフィシン33を8.5mgを得た(85%)。EIMS m/z(相対強度 )658/660(8/3),567/569(18/7),412/414(15/6),280/282(20/11),195/ 197(84/29)155/157(50/19),121(42),91(100); 高分解能 EIMS m/z 658.3017(C3 5 H47ClN2O8,Δ+0.4mmu);1H NMR(CDCl3):アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ 値(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)5,7−ジヒドロキシ−6−メチル−8−フ ェニルオクタン酸(A)2.339(2,ddd;-14.6,8.1,5.7),2.10(2,ddd;-14.6,8.9,6.6), 1.5-1.8(3/4,4H,重なりあう多重項),5.04(5,ddd;9.7,,5.2,2.5),1.75(6,m),1.00 (6-Me,d;7.0),3.92(7,ddd;8.6,4.8,2.3),2.80(8,dd;-13.7,8.6),2.68(8,dd;-13. 7,4.8),7.25(10/14,m),7.34-7.39(11/12/13,m); 3−クロロ−4−メトキシフェ ニルアラニン(B)4.69(2,ddd;8.8,8.6,6.6),5.67(2-NH,d;8.8),3.09(3,2H,m),7.2 0(5,d;2.1),3.87(7-OMe;s),6.83(8,d;8.4),7.07(9,dd;8.4,2.3); 3−アミノ− 2−メチルプロピオン酸(C)2.74(2,m),1.18(2-Me,d;7.1),3.09(3,ddd;B-3と重な る),3.67(3,ddd;13.5,8.1,4.3),6.75(3-NH,br t;6.6); ロイシン酸(D)4.89(2,dd ;9.7,4.1),1.4-1.8(3/4,m),0.93(4-Me,d;6.6),0.90(5,d;6.6);13C NMR(CDCl3)単 位δ値(炭素位置)A 172.6(1),36.1(2),31.4(3),39.3(4),76.9(5),41.0(6),9.3 (6-Me),71.6(7),42.2(8),138.5(9),128.6(10/14),129.1(11/13),130.2(12);B170 .8(1),53.8(2),35.4(3),130.2(4),131.2(5),122.2(6),153.8(7),56.1(7-OMe),11 2.1(8),129.1(9);C174.9(1),39.7(2),13.6(2-OMe),42.2(3);D172.0(1),71.7(2), 21.0(3),24.8(4),22.9(4-Me),21.6(5).クリプトフィシン34 2.5mgのクリプトフィシン4と0.3mLのCH2Cl2中の10%Pd/C0 .1mgとの混合物を室温において水素雰囲気下で1時間攪拌した。追加の溶媒( 2mL)を加えそして混合物を綿/セライトを通じて濾過しそして濾液を蒸発しそ して、逆相HPLCで精製の後、2.1mgのクリプトフィシン34を2.1mgを 得た(84%)。EIMS m/z(相対強度)608(10),377(35),333(10),232(38),161( 100),121(85),91(65);高分解能 EIMS m/z 608.3474(C35H48N2O7,Δ-1.2mmu);1 H NMR(CDCl3): アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単 位のJ)5−ヒドロキシ−6−メチル−8−フェニルオクタン酸(A)1.20(6-Me,d,7 .2),2.55(6,m);4−メトキシフェニルアラニン(B)4.74(2,ddd;8.6,8.5,6.2),5.5 9(NH,d;8.5),7.11(5/9,d,8.5),6.81(6/8,d,8.6),3.78(7-OMe;s);3−アミノ−2 −メチルプロピオン酸(C)2.69(2,m),1.21(2-Me,d;7.2),3.18(3,m),3.64 (3',m),6.81(3-NH,dd;9.4,5.2);ロイシン酸(D)4.89(2,dd;9.4,4.7),1.34(3,m),1 .65(4,m),0.93(5,d,6.5),0.90(5',d,6.5);13C NMR(CDCl3)δ(炭素位置)A172.6 (1),36.3(2),33.1(3),39.5(4),78.2(5),41.9(6),13.6(6-Me),39.3(7),41.9(8),1 47.0(9),128.2(10/14),128.4(11/13),125.2(12);B171.0(1),53.8(2),35.7(3),12 8.8(4),130.4(5/9),114.0(6/8),158.4(7),55.2(7-OMe);C175.3(1),36.3(2)*,15. 5(2-OMe),30.6(3)*;D171.9(1),71.9(2),22.8(3),24.7(4),21.4(5),21.7(5').クリプトフィシン38 1.5mlの無水のCH2Cl2中のクリプトフィシン3(22mg)とm−クロロ 過安息香酸(純度60%、22mg)との溶液を60℃で90分攪拌した。反応混 合物を周囲温度にしそして100μLのジメチルサルファイドを添加して過剰の パーオキシ酸をクエンチしそしてpH8の0.1燐酸ナトリウム緩衝液(2×2mL )と一緒にして攪拌を継続して3−クロロ安息香酸を除去した。リトマス紙およ び沃化澱粉の両方に関して陰性であると試験された有機層を窒素下で蒸発しそし て濃厚物を1晩減圧下に保った。残留物を3:7のH2O/CH3CNを用いて逆 層HPLC(Econosil C18、250×22mm、10μ)により精製してク リプトフィシン−1(10.4mg)とクリプトフィシン38(tR39.8分、 5.9mg)とを得た。EIMS m/z(相対強度);高分解能 EIMS m/z(C35H43ClN2O8 ,Δmmu 誤差).1H NMR(CDCl3): アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位 置、多重度;Hz単位のJ)7,8−エポキシ−5−ヒドロキシ−6−メチル−8 −フェニル−2−オクテン酸(A)5.82(2,d;15.4),6.70(3,ddd;15.4,9.9および5.4 ),2.57(4,brdd;14.5および5.4),2.67(4,dt;14.5および10.6),5.14(5,ddd;11.2,5 .0および1.6),1.77(6,m),1.05(6-Me,d;7.1),2.90(7,dd;7.8および2.0),3.60(8,d ;2.0),7.22-7.26(10/14,m),7.30-7.38(11/12/13,m);3−クロロ−4−メトキシ フェニルアラニン(B)4.83(2,m),5.72(2-NH,d;8.7),3.05(3,dd;14.4および7.4),3 .15(3,dd;14.4および5.5),7.24(5,d;2.1),3.88(7-OCH3,s),6.85(8,d;8.4),7.09( 9,dd;8.4および2.1); 3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.73(2,m),1.24( 2-Me,d;7.4),3.31(3,dt;13.9および6.7),3.51(3,dt;13.9および4.4),6.98(3-NH, br t;5.9); ロイシン酸(D)4.92(2,dd;10.0および3.3),1.51(3,m),0.89(4-Me,d;6 .7),0.91(5,d;6.5);13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素位置)A165.5 (1),125.3(2),141.4(3),36.7(4),76.9(5),41.1(6),13.4(6-Me),63.2(7),56.1(8) ,137.1(9),125.4(10/14),128.6(11/13),128.3(12);B171.0(1),53.6(2),35.1(3), 129.9(4),131.0(5),122.5(6),154.0(7),56.3(7-OCH3),112.3(8),128.4(9);C175. 6(1),38.3(2),14.1(2-Me),41.1(3);D170.8(1),71.5(2),39.3(3),24.7(4),21.4(4 -Me),23.1(5).クリプトフィシン39 方法I 1.0mLの無水アセトン中のクリプトフィシン27(6.0mg)の溶液を15 mgの炭酸カリウムにより処理した。24時間後、反応混合物を濾過しそして濾液 を蒸発した。残留物を50/50のEtOAc/ヘキサンを使用するシリカ上の 順相HPLCにかけてクリプトフィシン39(3.2mg)を得た。方法II 1.0mLの無水アセトン中のクリプトフィシン37(5.0mL)の溶液を15 mgの炭酸カリウムによって65℃で処理した。12時間後に反応混合物を濾過し そして濾液を蒸発して粗クリプトフィシン39(4.2mg)を得た。クリプトフィシン39のスペクトル特性 EIMS m/z(相対強度)654/656(6.9/3.3),412/414(28/11),280/282(18/7),227( 17),195/197(100/51); 高分解能 EIMS m/z654.2711(C35H43ClN2O8,Δ-0.3mmu) .1H NMR(CDCl3): アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz 単位のJ)7,8−エポキシ−5−ヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2 −オクテン酸(A)5.67(2,d;15.5),6.52(3,ddd;15.5,9.9および5.3),1.79(4,m),2. 77(4,dt;14.5および10.8),4.86(5,m),1.79(6,m),1.15(6-Me,d;6.8),3.20(7,dd;9 .4および3.7),4.17(8,d;3.7),7.25(10/14,brd;7.0),7.35(11/13,brt;7.0),7.30( 12,brt;7.0);3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.80(2,m),5.59(2- NH,d;8.3),3.04(3,dd;14.5および7.40,3.12(3,dd;14.5および5.5),7.21(5,d;2.2 ),3.88(7-OCH3,s),6.84(8,d;8.6),7.07(9,dd;8.4および2.2); 3−アミノ−2− メチルプロピオン酸(C)2.72(2,m),1.22(2-Me,d;7.2),3.28(3,dt;13.6および6.8) ,3.50(3,dt;13.6,4.4),6.89(3-NH,brt;4.6);ロイシン酸(D)4.86(2,dd;10.1およ び3.5),1.48(3,m),1.79(3,m),1.70(4,m),0.96(4-Me,d;6.8),0.93(5, d;6.4).13C NMR(CDCl3): 単位δ(炭素位置)A 165.2(1),125.0(2),141.1(3),3 6.6(4),76.2(5),34.2(6),14.7(6-Me),60.2(7),58.7(8),135.0(9),126.3(10/14), 128.3(11/13),128.0(12);B170.9(1),53.5(2),35.0(3),129.8(4),131.0(5),122.4 (6),154.0(7),56.1(7-OCH3),112.3(8),128.4(9);C175.6(1),38.3(2),14.1(2-Me) ,41.1(3);D170.6(1),71.4(2),39.6(3),24.7(4),23.1(4-Me),21.4(5).クリプトフィシン59および64 0.9mlの無水のジメトキシエタン中の32mg(0.05ミリモル)のクリプ トフィシン35の溶液に4μLの濃HClを添加した。混合物を室温で12時間 攪拌し、固体炭酸カリウムで中和しそして濾過した。濾液を蒸発しそして残留物 を3mL/分の流量のCH3CNの65%水溶液を使用するC18(10μm、10× 250mmのカラム)上での逆相HPLCにかけた。tR25.2分に純粋なクリ プトフィシン59(24.4mg、73%)が溶離した。tR20.6分に純粋な クリプトフィシン64(4.6mg、14%)が溶離した。クリプトフィシン59のスペクトル特性 EIMS m/z(相対強度)692/694(4/1),656/658(14/5),412/414(23/8),280/282(1 7/8),184(56),155(64),91(100);高分解能 EIMS m/z 692.2679(C35H46Cl2N2O8 として算出、Δ-4.8mmu);1H NMR(CDCl3):アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ( 炭素位置、多重度;Hz単位のJ)8−クロロ−5,7−ジヒドロキシ−6−メチル −8−フェニルオクタン酸(A)2.32(2,m),2.13(2,m),1.48-1.65(3/4,重なりあう 多重度),5.04(5,brt;8.8),2.43(6,m),0.99(6-Me,d;7.0),3.99(7,dd;9.6,2.0),4. 65(8,d;9.6),7.34-7.41(10/11/12/13/14,m); 3−クロロ−4−メトキシフェニ ルアラニン(B)4.68(2,m),5.84(2-NH,m),3.08(3,2H,m),7.20(5,d;2.0),3.86(7-OM e,s),6.82(8,d;8.6),7.07(9,dd;8.6,2.0); 3−アミノ−2−メチルプロピオン 酸(C)2.74(2,2H,m),1.18(2-Me,d;7.0),3.08(3,m),3.68(3,m),6.79(3-NH,br t;6. 1); ロイシン酸(D)4.93(2,dd;9.6,3.7),1.81(3,m),1.58(3,m),1.81(4,m),0.94(4 -Me,d;6.6),0.96(5,d;6.6).13C NMR(CDCl3): 単位δ(炭素位置)A 172.6(1),3 6.1(2),31.6(3),20.9(4),76.7(5),38.1(6),8.6(6-Me),74.0(7),62.1(8),138.7(9 ),128.0(10/14),128.9(11/13),129.0(12);B171.9(1),53.8(2),35.3(3),130.3(4) ,131.1(5),122.2(6),153.8(7),56.1(7-OMe),112.1(8),128.6(9);C174.9(1), 39.4(2),13.5(2-Me),42.2(3);D170.9(1),71.7(2),39.7(3),24.8(4),21.7(4-Me), 23.0(5).クリプトフィシン64のスペクトル特性 1H NMR(CDCl3):アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz 単位のJ)8−クロロ−5,7−ジヒドロキシ−6−メチル−8−フェニルオクタ ン酸(A)2.29(2,ddd;-14.6,9.9,5.0),2.05(2,ddd;-14.6,9.3,8.2),1.40(3,m),1.6 1(3,m),1.40(4,m),4.98(5,brt;8.0),1.61(6,m),0.88(6-Me,d;6.9),4.05(7,dd;8. 5,1.7),4.88(8,d;8.5),7.30-7.38(10/11/12/13/14,m); 3−クロロ−4−メトキ シフェニルアラニン(B)4.67(2,dt;8.7,6.5),5.73(2-NH,,8.7),3.08(3,d;6.5),7. 18(5,d;2.2),3.85(7-OMe,s),6.81(8,d;8.4),7.05(9,dd;8.4,2.2);3−アミノ− 2−メチルプロピオン酸(C)2.72(2,m),1.19(2-Me,d;6.5),3.67(3,ddd;-13.4,6.8 ,4.3),3.12(3,ddd;-13.4,9.1,6.8),6.77(3-NH,brt;6.8);ロイシン酸(D)4.89(2,d d;9.5,4.1),1.87(3,m),1.75(3,m),1.53(4,m),1.01(4-Me,d;6.5),0.96(5,d;6.5) .13C NMR(CDCl3): 単位δ(炭素位置)A 172.5(1),35.9(2),31.3(3),20.8(4),7 6.2(5),38.0(6),8.8(6-Me),74.3(7),68.5(8),137.8(9),127.4(10/14),129.0(11/ 13),129.1(12);B171.1(1),53.8(2),35.2(3),130.2(4),131.1(5),122.2(6),153.8 (7),56.1(7-OMe),112.1(8),128.6(9);C174.9(1),39.4(2),13.5(2-Me),42.2(3);D 170.8(1),71.7(2),39.7(3),24.8(4),21.8(4-Me),23.0(5).クリプトフィシン60 0.5mlの無水のベンゼン中のクリプトフィシン1(7mg、0.01ミリモル )とトリフェニルホスフィンサルファイド(6mg、0.02ミリモル)との溶液 にベンゼン中の溶液としてのトリフルオロ酢酸(1.2mg、0.8μL、0.0 1ミリモル)を添加した。溶液を室温で20時間攪拌し、次いで炭酸ナトリウム を添加し、混合物をさらに5分間攪拌し次いで5μのフィルターを通じて濾過し そして溶媒を真空下で除去した。残留物をアセトニトリル中に取り込みそしてh plc(ODS、10μ、250×10mm、MeCN/H2O(4:1)、3mL /分)によって精製してエピサルファイド(クリプトフィシン60、3.7mg、 51%)を無色の無定形固体としてとり戻した。 [α]D−6.4(c=1.5,CHCl3);UV(MeOH)λmax(ε)204(32400),226(14100),284 (1050)nm;IR(NaCl)νmax3406,3270,2950,1751,1722,1671,1640,1500,1255,1189 ,1061,752cm-11H NMR(500MHz,CDCl3)δ単位A:7.25-7.33(10/11/12/13/14-H,m) ,6.71(3-H,ddd,15.2,9.7,5.4),5.80(2-H,d,15.2),5.21(5-H,ddd,11.2,4.3,1.9), 3.58(8-H,d,5.2),2.84(7-H,dd,8.8,5.2),2.65(4-Hb,ddd,14.5,11.2,9.7), d,7.1),単位B:7.23(5-H,d,2.2),7.09(9-H,dd,8.6,2.2),6.85(8-H,d,8.6),5.68( NH,d,8.4),4.82(2-H,ddd,8.4,7.3,5.7),3.87(7-OCH3,s),3.15(3-Hb,dd,14.5,5. z,CDCl3)δ単位A:165.4(1),141.3(3),138.5(9),128.7(11/13),127.8(12),126.9( 10/14),125.3(2),77.0(5),44.6(6),44.0(7),41.1(8),35.6(4),16.3(6-Me),単位B :170.9(1),154.0(7),131.0(5),129.8(4),128.4(9),122.5(6),112.3(8),56.1(7-O Me),53.6(2),35.1(3),単位C:175.5(1),41.1(3),38.4(2),14.1(2-Me),単位D:170 .6(1),71.4(2),39.5(3),24.7(4),22.9+(4-Me),21.5+(5);MS(EI)m/z 670/672(M+ ,<<1),638/640(M+-S,4/2),618/620(6/4),452/454(15/10),412/414(53/31),280( 18),227(87),207(71),195/197(59/21),155/157(100/31),129(52),91(93),77(35) ;HRMS,測定したm/z 638.2719,C35H43N2O7 35Cl(Δ4.0mmu),測定したm/z 618.246 5 C35H39N2O6 35Cl(Δ3.2mmu). (上付記号の同じ共鳴は入れかえ可能である)クリプトフィシン63 0.2mLの無水のジメトキシエタン中の1.3mgのクリプトフィシン40の溶 液に1μLの濃HClを添加した。溶液を室温で30分間攪拌し、固体炭酸カリ ウムで中和し、そして濾過した。濾液を蒸発しそして残留物を逆相HPLC(C18 、10μm、10×250mmカラム、CH3CNの65%水溶液、流量3mL/分 )にかけて純粋なクリプトフィシン63(tR16分)を0.8mg(62%)を 得た。1H NMR(CDCl3): アミノ酸またはヒドロキシ酸単位δ(炭素位置、多重度 ;Hz単位のJ)8−クロロ−5,7−ジヒドロキシ−8−フェニル−2− オクテン酸(A)5.75(2,d;15.7),6.68(3,ddd;15.1,9.3,5.1),2.45(4,m),2.37(4,m) ,5.32(5,br t;10.0),2.13(6,m),1.80(6,m),3.90(7,m),4.77(8,d;6.2),7.36-7.39 (10/11/12/13/14,m);3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.81(2,m) ,5.62(2-NH,d;8.0),3.15(3,dd;-14.5,5.5),3.02(3,dd;-14.5,7.1),7.22(5,d;1.5 ),3.87(7-OMe,s),6.84(8,d;8.2),7.08(9,dd;8.2,1.5);3−アミノ−2−メチル プロピオン酸(C)2.72(2,m),1.22(2-Me,d;7.1),3.51(3,ddd;-13.3,8.6,5.9),3.27 (3,ddd;-13.6,6.6,5.9),6.92(3-NH,br t;5.9),ロイシン酸(D)4.86(2,dd;9.3,3. 8),1.73(3,m),1.48(3,m),1.80(4,m),0.96(4-Me,d;6.7),0.93(5,d;6.7).クリプトフィシン69および70 0.5mLのジメトキシエタン中の6.0mgのクリプトフィシン38の溶液を2 μLの濃HClにより室温で処理した。12時間後、過剰の酸を20mgの固体炭 酸カリウムとともに攪拌することにより中和した。反応混合物を濾過しそして溶 媒を蒸発して残留物を得、これを逆相HPLC(C18、10μm、22×250m mのカラム、3:1のCH3CN/H2O、流量3mL/分)にかけて4.3mgのク リプトフィシン69(tR25.6分)と1.1mgのクリプトフィシン70(tR 24分)とを得た。クリプトフィシン69のスペクトル特性 EIMS m/z(相対強度);高分解能 EIMS m/z(C35H44Cl2N2O8,Δmmu).1H NMR(CD Cl3)アミノ酸またはヒドロキシ酸単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)8− クロロ−5,7−ジヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2−オクテン酸(A )5.75(2,d;15.2),6.69(3,ddd;15.2,9.8,および5.3),2.37(4,dt;14.4および10.6) ,2.58(4,brdd;14.4および5.4),5.40(5,m),1.83(6,m),1.06(6-Me,d;7.0),3.76(7, t;5.8),5.08(8,d;5.8),7.31-7.40(10/11/12/13/14,m);3−クロロ−4−メトキ シフェニルアラニン(B)4.81(2,m),5.69(2-NH,d;8.5),3.04(3,dd;14.4および7.2) ,3.12(3,dd;14.4および5.4),7.21(5,d;2.2),3.87(7-OCH3,s),6.84(8,d;8.3),7.0 7(9,dd;8.3および2.2);3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.71(2,m),1.2 3(2-Me,d;7.4),3.32(3,dt;13.2および6.7),3.48(3,m),6.97(3-NH,brd;6.1);ロイ シン酸(D)4.81(2,dd;9.5および4.6),1.68(3,m),1.43(3,m),1.59(4,m),0.86(4-Me ,d;6.7),0.91(5,d;6.7).13C NMR(CDCl3):単位δ(炭素位置)A 165.5(1), 125.0(2),142.0(3),34.6(4),74.3(5),39.7(6),12.9(6-Me),77.7(7),67.1(8),138 .2(9),127.6(10/14),128.9(11/13),128.9(12);B 171.0(1),53.6(2),35.1(3),129 .9(4),131.0(5),122.4(6),154.0(7),56.1(7-OCH3),112.3(8),128.4(9);C 175.5( 1),38.4(2),14.1(2-Me),4.12(3);D 170.3(1),71.5(2),39.4(3),24.6(4),21.7(4- Me),22.7(5).クリプトフィシン70のスペクトル特性 EIMS m/z(相対強度);高分解能 EIMS m/z(C35H44Cl2N2O8,Δmmu).1H NMR(CD Cl3)アミノ酸またはヒドロキシ酸単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)8 −クロロ−5,7−ジヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2−オクテン酸 (A)5.77(2,d;15.2),6.69(3,ddd;15.2,9.8,および5.3),2.43(4,dt;14.4および10. 4),2.54(4,brdd;14.4および5.5),5.43(5,m),1.88(6,m),1.02(6-Me,d;7.2),3.93( 7,dd;7.4および5.4),4.94(8,d;5.4),7.31-7.48(10/11/12/13/14,m);3−クロロ −4−メトキシフェニルアラニン(B)4.82(2,m),5.66(2-NH,d;8.8),3.05(3,dd;14 .4および7.1),3.15(3,dd;14.4および4.9),7.22(5,d;2.2),3.87(7-OCH3,s),6.84( 8,d;8.3),7.08(9,dd;8.3および2.2);3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2 .71(2,m),1.22(2-Me,d;7.6),3.28(3,dt;13.5および6.8),3.50(3,m),6.93(3-NH, brt;6.6);ロイシン酸(D)4.83(2,dd;10.1および4.9),1.56-1.72(3,m),1.50(3,m) ,1.56-1.72(4,m),0.85(4-Me,d;6.7),0.88(5,d;6.7).13C NMR(CDCl3):単位δ( 炭素位置)A 165.5(1),125.0(2),142.0(3),34.4(4),74.7(5),39.4(6),11.9(6-Me ),77.0(7),64.5(8),136.9(9),128.6(10/14),128.8(11/13),129.1(12);B 171.0(1 ),53.5(2),35.1(3),129.9(4),131.1(5),122.4(6),154.0(7),56.2(7-OCH3),112.3 (8),128.5(9);C 175.5(1),38.5(2),14.1(2-Me),41.3(3);D 170.4(1),71.5(2),39 .4(3),24.6(4),21.7(4-Me),22.6(5).クリプトフィシン71および72 1mLのジメトキシエタン中の7mgのクリプトフィシン38の溶液を酢酸中の3 0%HBr10mLにより50℃で18時間処理した。混合物を周囲温度にし、そ して粉末化された乾燥した炭酸カリウム20mgとともに3時間攪拌した。溶液を 濾過し、溶媒を蒸発しそして残留物をEconosil シリカカラム(250×10mm 、5μ、1:1のエチルアセテート/ヘキサン、3mL/分)上でのHPLCにか け て3.3mgのクリプトフィシン71(tR49.6分)と2.8mgのクリプトフ ィシン72(tR46分)を得た。クリプトフィシン71のスペクトル特性 EIMS m/z(相対強度);高分解能 EIMS m/z(C35H44ClBrN2O8,Δmmu).1H NMR( CDCl3)アミノ酸またはヒドロキシ酸単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)8 −ブロモ−5,7−ジヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2−オクテン酸 (A)5.75(2,d;15.3),6.69(3,ddd;15.3,9.6および5.4),2.35(4,dt;14.6および10.6 ),2.61(4,brdd;14.6および5.3),5.38(5,ddd,11.2,3.9および1.5),1.78(6,m),1.0 6(6-Me,d;7.0),3.76(7,t;5.8),5.18(8,d;5.8),7.41(10/14,dd;8.1および1.3),7. 29-7.37(11/12/13,m);3−クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.82(2,m) ,5.64(2-NH,brd;7.4),3.06(3,dd;14.6および7.1),3.12(3,dd;14.6および5.6),7. 22(5,d;2.0),3.87(7-OCH3,s),6.84(8,d;8.5),7.08(9,dd;8.5および2.0);3−ア ミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.71(2,m),1.24(2-Me,d;7.4),3.32(3,dt;13.4 および6.7),3.49(3,dt;13.4および4.2),6.96(3-NH,brt;5.8);ロイシン酸(D)4.79 (2,dd;9.5および4.5),1.40(3,m),1.66(3,m),1.55(4,m),0.85(4-Me,d;6.6),0.90( 5,d;6.6).13C NMR(CDCl3):単位δ(炭素位置)A 165.5(1),124.9(2),142.0(3), 34.9(4),74.0(5),40.0(6),13.2(6-Me),77.6(7),61.6(8),138.6(9),128.1(10/14) ,129.0(11/13),129.0(12);B 171.0(1),53.6(2),35.1(3),129.8(4),131.0(5),122 .4(6),154.0(7),56.1(7-OCH3),112.3(8),128.4(9);C 175.6(1),38.4(2),14.1(2- Me),41.1(3);D 170.3(1),71.5(2),39.4(3),24.6(4),21.7(4-Me),22.7(5).クリプトフィシン72のスペクトル特性 EIMS m/z(相対強度);高分解能 EIMS m/z(C35H44ClBrN2O8,Δmmu).1H NMR( CDCl3)アミノ酸またはヒドロキシ酸単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)5 −ヒドロキシ−6−メチル−7−オキソ−8−フェニル−2−オクテン酸(A)5.7 7(2,d;15.3),6.69(3,ddd;15.3,9.6,および5.6),2.43(4,dt;14.1および10.4),2. 52(4,brdd;14.1および5.5),5.43(5,m),1.89(6,m),0.98(6-Me,d;6.9),4.01(7,dd; 7.8および4.9),5.10(8,d;4.9),7.52(10/14,d;7.7および1.9),7.32-7.37(11/12/1 3,m);3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルアラニン(B)4.83(2,m),5.63(2-NH,b rd;8.7),3.06(3,dd;14.5および7.0),3.13(3,dd;14.5 および5.4),7.22(5,d; 2.1),3.88(7-OCH3,s),6.84(8,d;8.4),7.08(9,dd;8.4および2.1);3−アミノ− 2−メチルプロピオン酸(C)2.71(2,m),1.22(2-Me,d;7.4),3.28(3,dt;13.6および 6.7),3.50(3,dt;13.6および4.6),6.93(3-NH,brt;6.0);ロイシン酸(D)4.83(2,dd; 9.2および4.9),1.50(3,m),1.68(3,m),1.54-1.63(4,m),0.85(4-Me,d;6.5),0.87(5 ,d;6.7).13C NMR(CDCl3):単位δ(炭素位置)A 165.5(1),125.0(2),141.9(3), 34.2(4),74.7(5),39.6(6),11.9(6-Me),77.2(7),57.5(8),137.4(9),128.8(10/14) ,129.0(11/13),129.1(12);B 171.0(1),53.5(2),35.1(3),129.9(4),131.1(5),122 .4(6),154.0(7),56.1(7-OCH3),112.3(8),128.5(9);C 175.5(1),38.4(2),14.0(2- Me),41.2(3);D 170.4(1),71.5(2),39.4(3),24.6(4),21.8(4-Me),22.6(5).クリプトフィシン73 1.0mlのCHCl中の5mgのクリプトフィシン−21の溶液を−60℃に冷 却しそして10μlのトリメチルシリルクロライドを添加した。混合物を−60 ℃で15分間攪拌したところ反応が完結したと判断された。逆相HPLC(C18 、10μm、10×250mm、5ml/分のCH3CNの65%水溶液)により精製 して純粋な73を4.5mg得た。1H NMR(CD3OD):アミノ酸またはヒドロキシ酸 単位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)8−クロロ−5,7−ジヒドロキシ− 6−メチル−8−フェニル−2−オクテン酸(A)5.91(2,dd;-15.3,1.8),6.70(3,d dd;-15.3,11.2,4.2),2.50(4,m),2.33(4,m),5.10(5,m),2.50(6,m),1.01(6-Me,d;7 .0),4.10(7,dd;9.7,2.0),4.76(8,d;9.7),7.29-7.41(10/11/12/13/14,m);3−ク ロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.50(2,dd;10.3,4.8),3.14(3,dd;-14.1 ,4.8),2.77(3,dd;-14.1,10.3),7.27(5,d;2.2),3.83(7-OMe,s),6.96(8,d;8.3),7. 15(9,dd;8.3,2.2);3−アミノプロピオン酸(C)2.73(2,m),2.63(2,m),3.55(3,dd d;-13.8,7.7,3.9),3.36(3,ddd;-13.8,11.8,3.1);ロイシン酸(D)5.10(2,m),1.75 (3,m),1.56(3,m),1.75(4,m),0.97(4-Me,d;6.3),0.96(5,d;6.3).13C NMR(CD3OD) 単位δ(炭素位置)A 168.4(1),123.2(2),143.8(3),36.2(4),77.3(5),41.4(6),8 .8(6-Me),74.6(7),63.9(8),141.3(9),129.4*(10/14),129.5*(11/13),129.6(12) ;B 173.1(1),56.6(2),35.0(3),131.6(4),132.2(5),115.3*(6),155.2(7),57.0(7 -OMe),113.5*(8),125.6(9);C 174.0(1),33.3(2),37.8(3);D 172.2(1),72.5(2),4 0.4(3),25.9(4),23.4(4-Me),22.0(5). クリプトフィシン74 1.0mlのCHCl中の4mgのクリプトフィシン−2の溶液を−60℃に冷却 しそして10μlのトリメチルシリルクロライドを添加した。混合物を−60℃ で15分間攪拌したところ反応が完結したと判断された。逆相HPLC(C18、 10μm、10×250mm、5ml/分のCH3CNの65%水溶液)により精製し て純粋な74を3.7mg得た。1H NMR(CDCl3):アミノ酸またはヒドロキシ酸単 位δ(炭素位置、多重度;Hz単位のJ)8−クロロ−5,7−ジヒドロキシ−6 −メチル−8−フェニル−2−オクテン酸(A)5.77(2,d;15.0),6.71(3,ddd;15.0, 9.9,4.6),2.68(4,m),2.37(4,m),5.13(5,ddd,11.0,5.1,2.0),2.49(6,m),1.04(6-M e,d;7.0),4.01(7,dd;9.6,1.5),4.65(8,d;9.6),7.34-7.40(10/11/12/13/14,m);4 −メトキシフェニルアラニン(B)4.79(2,m),5.73(2-NH,d;7.4),3.16(3,dd;-14.2, 5.1),3.04(3,dd;-14.2,7.0),7.12(5/9,d;8.2),6.82(6/8,d;8.2),3.78(7-OMe,s) ;3−アミノプロピオン酸(C)2.70(2,m),1.22(2-Me,d;7.2),3.44(3,brd;-13.0), 3.23(3,ddd;-13.0,5.5,3.4),7.02(3-NH,m);ロイシン酸(D)4.93(2,dd;9.6,3.7),1 .74(3/4,m),1.44(3,m),0.93(4-Me/5,d;6.6);13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素位置) A 165.4(1),125.1(2),141.7(3),36.4(4),76.2(5),38.2(6),8.6(6-Me),74.1(7),6 2.0(8),138.4(9),128.0(10/14),129.0(11/13),129.2(12);B 171.3(1),53.9(2),3 5.3(3),128.6(4),130.2(5),114.1(6),158.6(7),55.2(7-OMe),114.1(8),130.2(9) ;C 175.6(1),38.4(2),14.1(2-Me),40.9(3);D 170.6(1),71.3(2),39.7(3),24.7(4 ),23.0(4-Me),21.5(5).クリプトフィシン75および76 1mLのジメトキシエタン中の10mgのクリプトフィシン1と2μLのHFとの 溶液を5℃で4時間そして室温で8時間攪拌し、次いで固体炭酸カリウムで中和 した。反応混合物を濾過し、溶媒を蒸発しそして残留物をEconosil C18、HP LCカラム(250×22mm、10μ、3:7のH2O/CH3CN、5mL/分) 上で精製して、クリプトフィシン15と22との混合物(2mg)、クリプトフィ シン20(4mg)、クリプトフィシン(2mg、tR30.6分)およびクリプト フィシン76(1.2mg、tR26分)を得た。クリプトフィシン75のスペクトル特性 1H NMR(CDCl3)アミノ酸またはヒドロキシ酸単位δ(炭素位置、多重度;Hz単 位のJ)8−フルオロ−5,7−ジヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2 −オクテン酸(A)5.78(2,d;15.3),6.68(3,ddd;15.3,9.7および5.5),2.38(4,dt;14 .1および10.5),2.63(4,brdd;14.1および5.3),5.12(5,m),2.25(6,m),1.09(6-Me,d ;6.9),3.89(7,m),5.24(8,dd;46.8および8.7),7.35-7.43(10/11/12/13/14,m);3 −クロロ−4−メトキシフェニルアラニン(B)4.79(2,m),5.78(2-NH,m),3.00(3,d d;14.4および7.6),3.15(3,dd;14.4および5.6),7.22(5,d;2.0),3.87(7-OCH3,s),6 .84(8,d;8.4),7.08(9,dd;8.4および2.0);3−アミノ−2−メチルプロピオン酸 (C)2.72(2,m),1.21(2-Me,d;7.1),3.24(3,dt;13.7および6.7),3.52(3,dt;13.7お よび4.5),6.93(3-NH,brt;5.7);ロイシン酸(D)4.89(2,dd;10.0 および3.6),1.39- 1.45(3,m),1.66-1.78(3,m),1.66-1.78(4,m),0.90(4-Me,d;6.4),0.91((5,d;6.4).13 C NMR(CDCl3):単位δ(炭素位置)A 165.5(1),125.2(2),141.5(3),35.0(4),76 .5(5),37.8(6),9.0(6-Me),72.3(7),92.9(8),137.2(9),126.5(10/14),128.8(11/1 3),129.3(12);B 171.0(1),53.6(2),36.1(3),130.0(4),131.0(5),122.4(6),153.9 (7),56.1(7-OCH3),112.3(8),128.4(9);C 175.3(1),38.3(2),14.0(2-Me),41.2(3) ;D 170.7(1),71.3(2),39.7(3),24.7(4),21.5(4-Me),23.0(5).クリプトフィシン76のスペクトル特性 1H NMR(CDCl3)アミノ酸またはヒドロキシ酸単位δ(炭素位置、多重度;Hz単 位のJ)8−フルオロ−5,7−ジヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2 −オクテン酸(A)5.72(2,dd;15.3および1.0),6.63(3,ddd;15.3,9.7および5.5),2. 18(4,dt;14.1および10.6),2.54(4,brdd;14.1および5.5),5.07(5,m),1.41-1.50(6 ,m),1.03(6-Me,d;7.0),4.0(7,ddd;15.4,8.1および1.6),5.32(8,dd;48.1および8. 1),7.29-7.31(10/14,m),7.39-7.42(11/12/13,m);3−クロロ−4−メトキシフェ ニルアラニン(B)4.79(2,m),5.66(2-NH,d;8.5),3.01(3,dd;14.5および7.4),3.14( 3,dd;14.5および5.6),7.21(5,d;2.2),3.86(7-OCH3,s),6.83(8,d;8.3),7.07(9,dd ;8.3および2.2);3−アミノ−2−メチルプロピオン酸(C)2.72(2,m),1.22(2-Me ,d;7.2),3.26(3,dt;13.6および6.7),3.51(3,ddd;13.6,5.3および3.8),6.90(3-NH ,brt;5.9);ロイシン酸(D)4.82(2,dd;10.0および3.6),1.41-1.50(3,m),1.80(3,m ),1.68(4,m),0.90(4-Me,d;6.6),0.95((5,d;6.8).13C NMR(CDCl3):単位δ (炭素位置)A 165.4(1),125.1(2),141.4(3),35.0(4),75.9(5),38.1(6),9.4(6-M e),73.3(7),96.5(8),136.0(9),126.6(10/14),128.9(11/13),129.5(12);B 171.0( 1),53.6(2),35.9(3),129.9(4),131.0(5),122.4(6),153.9(7),56.1(7-OCH3),112. 2(8),128.4(9);C 175.4(1),38.3(2),14.0(2-Me),41.2(3);D 170.4(1),71.3(2),3 9.6(3),24.7(4),21.6(4-Me),23.0(5).実施例10 クリプトフィシンの微小管を解重合する活性 材料 ビンブラスチン、サイトカラシンB、テトラメチルローダミンイソチオシアネ ート(TRITC)−ファロイジン、スルホローダミンB(SRB)ならびに、 β−チューブリンおよびビメンチン(vimentin)に対する抗体はSigma Chemical Companyから入手した。アール(Earle)塩を含有するBasal Medium Eagle(BME )はGibcoから、そしてFetal Bovine Serum(FBS)はHyclone Laboratories から購入した。細胞系 ジュルカットT細胞白血病系およびA−10ラット大動脈平滑筋細胞をAmeric an Type Culture Collectionから入手しそして10%のFBSと50μg/mlの ゲンタマイシンサルフェートとを含有するBME中で培養した。ヒトの卵巣の癌 腫細胞(SKOV3)および、ビンブラスチンへの耐性に関して選ばれている亜 系(SKVLB1)はOntario Cancer InstituteのVictor Ling博士から好意的 に提供された。これら両細胞系は10%のFBSと50μg/mlのゲンタマイシ ンサルフェートとを含有するBME中で保存した。継代接種の後24時間たった SKVLB1細胞に、最終濃度が1μg/mlとなるまでビンブラスチンを添加し 、P−グリコプロティン−過発現細胞のための選択圧を維持した。細胞増殖アッセイおよび周期停止アッセイ Skehan11らによって述べられているように細胞増殖アッセイを実施した。Jurk at細胞については、Skehan11によって述べられているように、培養基を指示され ている薬剤によって処理しそして血球計算器内で数えることにより細胞の全数を 知った。有糸分裂中にある細胞の百分率は、PBS中の0.4%のGiensaで 染色し続いてPBSで3回迅速に洗浄することにより測定した。1回の処理につ き少くとも1000の細胞について有糸分裂の相の存在につき評価しそして有糸 分裂相を有する細胞と数えあげ細胞の全数との比として分裂指数を算出した。免疫蛍光アッセイ カバーガラス上のBME/10%FBS内でA−10細胞をほとんど集密的に なるまで生長させた。指示された最終的濃度となるまでPBS中の化合物を添加 しそして細胞をさらに24時間培養した。微小管および中間フィラメントを染色 するために細胞を冷メタノールで固定しそして仔牛の血清を10%含有するPB Sで培養して、非特異的な結合部位を遮断した。次にモノクローナル抗−β−チ ューブリンまたはモノクローナル抗−ビメンチンのいずれかを製造者の推奨する 稀釈度で使用して細胞を37℃で60分培養した。引続いて、結合した1次抗体 をフルオレセインと共役したウサギの抗マウスIgGとともに45分培養するこ とにより可視化した。カバーガラスを顕微鏡スライド上に載せそして蛍光パター ンを検査しそしてフルオレセイン用のエピフルオレセイン光学系を装備したZeis s社のPhotomicroscope IIIを使用して写真撮影した。マイクロフィラメントを染 色するために、細胞を3%のパラホルムアルデヒドで固定し、0.2%のTriton X-100を用いて浸透させ、そして硼水素化ナトリウム(1mg/ml)により化 学的に還元した。次に、100nMのTRITC−ファロイジンを含有するPBS を添加しそして混合物を37℃で45分間定温放置した。細胞を迅速にPBSで 3回洗浄した後、カバーガラスを載せそして上述したように直ちに写真撮影した 。Jurkat 細胞の増殖および細胞周期に対するクリプトフィシンおよびビンブラスチ ンの影響 細胞増殖および有糸分裂中の細胞の百分率に対するクリプトフィシン化合物お よびビンブラスチンの影響に関して、投与量−応答曲線をそれぞれ図2Aおよび 図2Bに示す。処理されていない細胞のうち3%より少ないものが有糸分裂の相 を示した。クリプトフィシン化合物およびビンブラスチンはともに、有糸分裂中 と認められる細胞の百分率を投与量に応じて増大させた。分裂指数の増大は細胞 増殖の減少と密接に相関した。すなわち細胞の50%を有糸分裂に集積させるク リプトフィシン化合物およびビンブラスチンの濃度は細胞の増殖を50%まで阻 害する濃度と事実上等しかった。クリプトフィシン化合物およびビンブラスチン のこれらの作用に関するIC50はそれぞれ0.2nMおよび0.8nMであった。サイトカラシンB、ビンブラスチンおよびクリプトフィシンの細胞骨格に対する 作用 大動脈平滑筋(A−10)細胞をカバーガラス上で生長させそしてPBS、2 μMのサイトカラシンB、100nMのビンブラスチンまたは10nMのクリプトフ ィシン化合物で処理した。24時間後、微小管およびビメンチン中間フィラメン トを間接免疫蛍光法により可視化しそしてTRITC−ファロイジンを用いてマ イクロフィラメントを染色した。各薬剤の形態学的作用を調べた。処理されてい ない細胞は、微小管を組織化する中心を核周辺に備えた広範囲にわたる微小管の 網状構造を示した。ビメンチン中間フィラメントもまた細胞質に平均にゆきわた って分布したが、マイクロフィラメントの束は細胞の主軸に沿って集中した。サ イトカラシンBはパラ結晶性レムナントの集積に沿ってマイクロフィラメントの 解重合を完全にした。この化合物は微小管または中間フィラメントのいずれの分 布にも影響を及ぼさなかった。ビンブラスチンおよびクリプトフィシン化合物は ともに微小管を顕著に減少させた。両化合物ともマイクロフィラメントの組織化 に影響を与えなかったが、ビメンチン中間フィラメントは潰れ、ビンブラスチン またはクリプトフィシン化合物のいずれかで処理された細胞の核の周囲に同心円 状の環を形づくった。タクソールで安定化された微小管に対するクリプトフィシンおよびビンブラスチ ンの作用 PBS、100nMのビンブラスチンまたは10nMのクリプトフィシン化合物を 添加する前に、0または10μMのタクソールでA−10細胞を3時間処理した 。24時間後、上記したように免疫蛍光法により微小管の組織化を調べた。対照 用細胞中での微小管と比較すると、タクソールで処理した細胞中の微小管は特に 細胞の極の領域において広範囲に束になっていた。前と同様に、ビンブラスチン は予め処理されていない細胞中での微小管の完全な解重合を惹起した。しかしな がら、タクソールでの処理は、ビンブラスチンに呼応する微小管の解重合を防止 し た。同様にタクソールでの予備処理により、クリプトフィシンで誘導される解重 合に対して微小管が完全に安定化された。ビンブラスチンおよびクリプトフィシンによる微小管の解重合の可逆性 100nMのビンブラスチンまたは10nMのクリプトフィシンでA−10細胞を 24時間処理した結果、微小管が完全に解重合された。次に細胞を洗浄しそして 薬剤の入っていない媒体中で1時間または24時間培養した。ビンブラスチンの 除去の後、微小管は急速に再び重合し、1時間後にかなりの水準の微小管を示し また24時間たつと形態上の完全な回復が示された。対照的に化合物の除去の後 1時間または24時間すると、クリプトフィシン化合物で処理された細胞内に微 小管は現われなかった。細胞増殖のクリプトフィシン−、ビンブラスチン−およびタクソール−阻害の可 逆性 ビンブラスチン、クリプトフィシン化合物またはタクソールを用い予め決めた IC50投与量(すなわち、表5に要約する、実験で決めた値)でSKOV3細胞 を24時間処理した。この際、細胞密度は0.4から0.5±0.05に吸光度 単位が増大し(図3)、三つの処理すべてについて細胞数が25%増加すること が示された。薬剤を除去した結果、ビンブラスチンで処理した細胞が急速に生長 し、細胞数は24時間で約3倍に増加した。対照的に、クリプトフィシン化合物 またはタクソールで処理した細胞は生長が停止されたままにとどまり、薬剤除去 後24時間してただの0.2〜0.4倍しか増加しなかった。クリプトフィシン またはタクソールで処理された細胞の増殖能力は後になって回復した。なぜなら 細胞は次の24時間で倍増したからである。ビンブラスチンとクリプトフィシンとの組み合わせの細胞増殖に対する影響 SKOV3をクリプトフィシンとビンブラスチンとの組み合わせで48時間処 理した。次に、生き残る細胞の百分率を知りそして各々の組み合わせについてI C50を算出した。これらの組み合わせによる処理および単一の薬剤による処理の 影響をアイソボログラム(図4)として描出する。クリプトフィシン化合物とビ ンブラスチンとの組み合わせに対するIC50は加成性を示す線に極めて接近した が、このことはこれら二つの薬剤が細胞増殖に関して加成的な阻害しか生まない ことを示す。SKOV3細胞およびSKVLB1細胞に対するクリプトフィシン、ビンブラス チンおよびタクソールの毒性 SKVLB1細胞はそれのP−グリコプロティンの過発現のため天然産の抗癌 薬に耐性がある12。タクソール、ビンブラスチンおよびクリプトフィシン化合物 のSKOV3細胞およびSKVLB1細胞の生長を阻害する能力を表5に要約す る。タクソールは両方の細胞系の増殖の投与量に依存する阻害を惹起し、SKO V3細胞およびSKVL1細胞に関するIC50はそれぞれ1nMおよび8000nM であった。ビンブラスチンもまた両方の細胞系の生長を阻害し、SKOV3細胞 およびSKVLB1細胞に関するIC50はそれぞれ0.35nMおよび4200nM であった。クリプトフィシンはSKOV3細胞およびSKVLB1細胞に対して それぞれ7pMおよび600pMのIC50を示した。化合物に対して得られるSKV LB1細胞の耐性係数はSKVLB1に対するIC50として算出した。SKOV 3に関するIC50もまた表5に示す。 以上から、本発明は細胞の増殖の有力な阻害剤であり、微小管の網状構造の分 断および有糸分裂の阻害により作用を行なう、新規なクリプトフィシン化合物、 ならびにすでに開示されているクリプトフィシン化合物を提供する。クリプトフ ィシン化合物は微小管の組織化を攪乱し従って有糸分裂を含めて細胞の正常な機 能を攪乱する。 コルヒチンおよびビンカ(Vinca)アルカロイドのような古典的な微小管阻害剤 は有糸分裂の際の細胞の分裂を停止する。細胞の増殖に対するこれらの作用剤の 影響をクリプトフィシン化合物と比較するのが好適であるように思われた。この 目的から、ビンカアルカロイドビンブラスチンを古典的な微小管阻害剤の代表と して選んだ。従って、ジュルカットT−細胞白血病細胞系の増殖および細胞周期 の進行に対するクリプトフィシン化合物およびビンブラスチンの影響を比較した 。両方の化合物は、細胞増殖および有糸分裂での細胞の集積に関し投与量に並行 して依存する阻害を惹起した。 有糸分裂阻害効果は、有糸分裂紡維体中の微小管の分断により普通仲介される ので、細胞骨格構造に対するクリプトフィシン化合物の作用は、蛍光検鏡により 特性把握した。クリプトフィシン化合物またはビンブラスチンのいずれかで処理 した細胞の免疫蛍光法染色により、両化合物とも微小管の完全な消失を惹起する ことを示した。SKOV3での類似する検査により、クリプトフィシン化合物の 微小管阻害作用は平滑筋細胞にとって独特ではないことが立証される。サイトカ ラシンBにより容易に誘発されるように、両薬剤はともに微小管束のレベルまた は分布に影響を与えず、微小管の消失は非特異性メカニズム例えばプロテアーゼ の活性化、またはエネルギー投入の低下によらないであろうことを示す。ビンブ ラスチンおよびクリプトフィシン化合物はともに、ビメンチン中間フィラメント の顕著な崩壊もまた促進し、細胞核のまわりに明るく染色された環が形づくられ る。 培養基からビンブラスチンを除去すると、微小管の再重合が急速に起きた。対 照的に、クリプトフィシン化合物で処理された細胞は、この化合物が培養基から 除去された後少くとも24時間にわたって、微小管が除去されたままであった。 本発明はP−グリコプロティンで仲介される多剤耐性をクリプトフィシン化合 物が回避することを立証する。P−グリコプロティンによる輸送は天然産の抗癌 薬の、先天的なまたは新生の薬剤耐性を有する腫瘍の生長を阻害する能力を限定 する。ビンカアルカロイドは化学療法の初期過程で極めて有用であるが、P−グ リコプロティンによる輸送のための極めて良い基質であり、従ってP−グリコプ ロティンで仲介されるMDR腫瘍に対しては極めて限定された有用性をもつ。従 って、多剤耐性を克服する作用剤を同定すると、有用かつ新規な抗癌剤の開発に つながるであろう。本発明のクリプトフィシン化合物は、P−グリコプロティン で仲介される輸送に対する基質としては劣るので、この化合物はこのような作用 剤であるように思われる。この事実は、ビンブラスチン、タクソールおよび他の 天然産の薬剤と比較してクリプトフィシン化合物の細胞耐性係数が低いことに反 映する。 本明細書に引用されてはいるが参照によって個々にそして特定的にそこに含め られてはいないすべての公刊物および特許出願は、それらが参照によって特定的 かつ個別的にそこに含められるようにあたかも指示されているように、参照によ って本明細書中に含められている。 以上の発明は明瞭性と理解を目的として例示および実施例によってある程度詳 細に記述されてきたが、本発明の趣意または範囲から逸脱することなくいくつか の変更および修正を本発明に対してなしうることは、本発明の教示に照らすなら ば、当技術に普通に熟達する者にとって明らかとなろう。参照文献 1.Eglof,G.,Organic Chemistry; An Advanced Treatise,Gilmarら( 編),pp.31-46,John Wiley&Sons(1943). 2.Kemp,et al.,Organic Chemistry,Worth Publishers,Inc.(1980). 3.Patterson,G.M.L.ら.J.Phycol.27:530-6(1991). 4.Corbett,T.H.ら.Cytotoxic Anticancer Drugs: Models and Conc epts for Drug Discovery and Development, pp 35-87; Kluwer Academic Publishers: Norwell,1992. 5.Valeriote,F.A.ら.Discovery and Development of Anticancer Ag ents ; Kluwer Academic Publishers: Norwell,1993; 印刷中 6.Schwartz,R.E.ら.J.Ind.Microbiol.5:113-24(1990). 7.Hirsch,C.F.ら.米国特許第4,946,835号1990年8月7日発行 8.Sesin,D.F.米国特許第4,845,085号1989年7月4日発行 9.Sesin,D.F.;Liesch,J.M.米国特許第4,868,208号1989年11月19日発行 10.Sesin,D.F.米国特許第4,845,086号1989年7月4日発行 11.Skehan,P.ら.J.Natl.Cancer Inst.82: 1107-1112(1990). 12.Bradley,G.ら.Cancer Res.49.2790-2796(1989). 13.Endicott,J.A.ら.Ann.Rev.Biochem.58: 137-171(1989). 14.Beck,W.T.Biochem.Pharm.36: 2879-2887(1987). 15.Moscow,J.A.ら.J.Natl.Cancer Inst.80.14-20(1988).
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12P 13/02 C12R 1:89) (C12P 17/14 C12R 1:89) C07M 7:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),AM,AT,AU,BB,BG,BR,B Y,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI ,GB,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M W,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 スミス,チャールズ ディー. アメリカ合衆国 19053 ペンシルバニア 州 フィースタービル,カティー ドライ ブ 280 (72)発明者 パターソン,グレゴリー エム.エル. アメリカ合衆国 96734 ハワイ州 ホノ ルル,ケオル ドライブ 659 (72)発明者 ムーベリー,スーザン エル. アメリカ合衆国 96734 ハワイ州 ホノ ルル,ケオル ドライブ 659 (72)発明者 コーベット,トマス エィチ. アメリカ合衆国 48230 ミシガン州 グ ロスポイント,グレイトン 1259 (72)発明者 バレリオート,フレデリック エイ. アメリカ合衆国 48316 ミシガン州 シ ェリータウンシップ,セブン オークス ドライブ 52623 (72)発明者 ゴラコティ,トリムルトル アメリカ合衆国 96822 ハワイ州 ホノ ルル,ハシンガー ストリート 1125,ア パートメント シー 304

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.構造: (式中、R1はHまたはハロゲンであり; R2はH、ケトンの酸素またはOHであるか;あるいはR1およびR2は一緒にな ってエポキシド環を形成してもよく、またはR1およびR2は一緒になってエピサ ルファイド環を形成してもよく; R3はH、または低級アルキル基であり; R4はHまたはOHであり; R5はHまたはOHであるか;あるいは R4およびR5は一緒になって第二の結合を形成してもよく; R6はHまたはハロゲンであるが、 ただしここで R1およびR2が一緒になってエポキシド基を形成し、 R4およびR5が一緒になって第二の結合を形成し、かつR5が塩素である場合、 R3はメチルでない)を有するクリプトフィシン。 2.以下の構造: (式中、R1はHまたはハロゲンであり; R2はH、ケトンの酸素またはOHであるか;あるいはR1およびR2は一緒に なってエポキシド環を形成してもよく、またはR1およびR2は一緒になってエピ サルファイド環を形成してもよく; R3はH、または低級アルキル基であり; R4はHまたはOHであり; R5はHまたはOHであるか;あるいは R4およびR5は一緒になって第二の結合を形成してもよく; R6はHまたはハロゲンであるが、 ただしここで R1およびR2が一緒になってエポキシド基を形成し、 R4およびR5が一緒になって第二の結合を形成し、かつR6が塩素である場合、 R3はメチルでない)を有するクリプトフィシンを製造する方法。 3.以下の構造: (式中、R1はHまたはハロゲンであり; R2はH、ケトンの酸素またはOHであるか;あるいはR1およびR2は一緒にな ってエポキシド環を形成してもよく、またはR1およびR2は一緒になってエピサ ルファイド環を形成してもよく; R3はH、または低級アルキル基であり; R4はHまたはOHであり; R5はHまたはOHであるか;あるいは R4およびR5は一緒になって第二の結合を形成してもよく; R6はHまたはハロゲンであるが、 ただしここで R1およびR2が一緒になってエポキシド基を形成するとされ、 R4およびR5が一緒になって第二の結合を形成するとし、かつR6が塩素であ る場合、R3はメチルでない)を有する化合物を有効量含む、超増殖性の哺乳類 細胞の増殖を阻害するのに有用な薬剤組成物。 4.少くとも一つの追加的な抗腫瘍薬をさらに含む請求の範囲第3項記載の薬 剤組成物。 5.微小管の重合および解重合の動的状態を攪乱して細胞の有糸分裂を停止さ せることにより細胞の増殖を阻害するのに十分な量の請求の範囲第1項記載のク リプトフィシン化合物を哺乳類細胞と接触させることからなる、哺乳類細胞の増 殖を阻害する方法。 6.少くとも一つの追加的な抗腫瘍薬を細胞と接触させることをさらに含む請 求の範囲第5項記載の方法。 7.哺乳類細胞が超増殖性である請求の範囲第5項記載の方法。 8.超増殖性細胞がヒトの細胞である請求の範囲第8項記載の方法。 9.細胞の増殖を阻害するのに有効な量の請求の範囲第3項記載の薬剤組成物 を患者に投与することからなる、超増殖性の哺乳類細胞によって惹起される病的 状態を軽減する方法。 10.哺乳類細胞がヒトの細胞である請求の範囲第9項記載の方法。 11.病的状態を軽減するための少くと一つもの追加的な療法を患者に施すこと をさらに含む請求の範囲第10項記載の方法。 12.病的状態が新生物の形成を特徴とする請求の範囲第9項記載の方法。 13.新生物が乳腺の、小細胞肺(small-cell lung)、非小細胞肺、結腸直腸、 白血病、黒色腫、膵臓腺癌、中枢神経系(CNS)、卵巣の、前立腺の、軟かい 組織または骨、頭および首の肉腫、膵臓のおよび食道のを含めて胃部の、胃、骨 髄腫、袋状組織、腎臓の、甲状腺を含む神経性内分泌腺の、非ホジキン病および ホジキン病新生物からなる群から選ばれる請求の範囲第12項記載の方法。
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