JPH0611600Y2 - チツプ部品自動マウント装置用治具板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、チップ部品を印刷配線基板等の所定の位置
に配置し、搭載するチップ部品自動マウント装置におい
て、チップ部品を収受する部品収納孔が設けられた治具
板に関する。

〔従来の技術〕

この種のチップ部品自動マウント装置の概要を、第６図
により説明すると、同装置は、チップ部品ａ、ａ…を収
納した複数のホッパ１、１…、部品供給パイプ２、２…
を介して上記ホッパ１、１…に連結された分配制御部
３、複数の部品供給パイプ５、５…を組み合わせたディ
ストリビュータ４、及び各々所定の位置に配置された複
数の部品収納凹部７（第５図参照）を有する治具板６か
らなる。

ホッパ１、１…から排出されたチップ部品ａ、ａ…は、
分配制御部３において、ディストリビュータ４の各部品
供給パイプ５、５…に１つずつタイミングを計って送り
出される。ディストリビュータ４では、上記チップ部品
ａ、ａ…を各々所定の位置に導くよう部品供給パイプ
５、５…が配管され、これらの下端が第５図で示すよう
に、治具板６の部品収納凹部７に連結されている。従っ
て、上記分配制御部３、３…から１つずつ送り出された
チップ部品ａ、ａ…は、ディストリビューター４で導か
れ、各々所定の部品収納凹部７に収受される。

その後、上記部品収納凹部７に収納されたチップ部品
ａ、ａ…を、サクションヘッド（図示せず）で吸着し、
その配置のまゝ上記部品ａ、ａ…の配置に合わせて予め
表面に接着剤を塗布した配線基板（図示せず）の上に移
し、接着する。そして、これらチップ部品ａ、ａ…を配
線基板の表面に形成された電極に半田付けする。

以上のような動作により、上記ホッパ１、１…の中に収
納した各種類のチップ部品ａ、ａ…を、それぞれ印刷配
線基板上の所定の位置に搭載することができる。

上記自動マウント装置では、第５図で示すように、チッ
プ部品ａが部品供給パイプ５から治具板６のチップ部品
収納凹部７に直立姿勢で落とし込まれる。このため、チ
ップ部品ａを配線基板へ移す前に、チップ部品ａをチッ
プ部品収納凹部７の中で倒伏させなければならない。

このため、従来では、部品供給パイプ５をチップ部品収
納凹部７の一端側に偏らせて連結すると共に、該チップ
部品収納凹部７に排気孔８を連結し、ここから強制排気
することによって、チップ部品収納凹部７に落ちたチッ
プ部品ａの下端を、第５図において左へと吸引する手段
がとられている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記従来の治具板では、部品供給パイプ５から
部品収納凹部７を通って排気孔８へと抜ける空気が、第
５図において矢印で示すように、チップ部品ａの脇を上
下に流れてしまう。このため、チップ部品ａが倒され
ず、部品収納凹部７の中で立ったまゝの状態で次の工程
に入ってしまうことが多々ある。

このようなトラブルが部品収納凹部７の一つにでも生じ
ると、次の工程で、チップ部品ａをサクションヘッドで
吸着できなかったり、さらにはチップ部品ａが破損した
り、チップ部品ａが治具板の部品収納凹部７に残り、そ
の後のサイクルに支障を来す。このため、印刷配線基板
上に部品の欠品が生じたり、マウント装置が停止してし
まう等、マウント工程の生産上重大な問題が生じる。

この考案は、従来のチップ部品自動マウント装置用治具
板における上記の問題点を解決するためなされたもので
ある。

〔問題を解決するための手段〕

即ち、この考案によるチップ部品自動マウント装置用治
具板は、第１図〜第４図で示すように、部品供給パイプ
１３の部品落下口１６を部品収納凹部１２の一方に偏ら
せて配置し、該部品落下口１６が配置された部品収納凹
部１２の一端側の側面下部に部品収納凹部１２内に空気
を吹き込む空気吹込口１４を開設し、同部品収納凹部１
２の他端側に、同部品収納凹部１２から空気を排気する
排気口１５を開設したものである。

〔作用〕

上記チップ部品自動マウント装置用治具板では、空気吹
込口１４から空気を部品収納凹部１２の中に強制的に吹
き出させるか、またはこれと反対側に開設された排気口
１５側から強制的に排気することによって、部品収納凹
部１２の中では、第１図において矢印で示すように、部
品落下口１６側の端部から他方の端部に向けて空気の流
れが形成される。即ち、チップ部品ａが落とし込まれる
部品収納凹部１２の一端側の下部に開設された空気吹出
口１４から空気が導入され、これが他端側に開設された
排気口１５へと流れて排気される。従って、部品落下口
１６から部品収納凹部１２に収納されたチップ部品ａの
下端がこの空気の流れによって、部品収納凹部１２の中
に落下した位置から、同収納凹部１２の他端側へと押さ
れ、該部品ａが第１図に二点鎖線で示すように倒伏す
る。

〔実施例〕

次に、第１図〜第４図を参照しながら、この考案の実施
例と望ましい実施態様について説明する。

チップ部品自動マウント装置によって、印刷配線基板等
に搭載されるチップ部品は、円筒形、角形等、種々の形
状のものがあるが、ここでは便宜上円筒形のチップ部品
ａを扱う場合を中心として説明する。

各図面に示すように、治具板本体１１に形成された部品
収納凹部１２は、チップ部品ａの直径（角形のチップ部
品ａの場合はその厚みや高さ）よりやゝ深さがあり、か
つ同チップ部品の長さよりやゝ長く形成されている。第
２図では部品収納凹部１２が平面矩形に形成されている
が、平面形状は例えば長円形状等であっても差支えな
い。

この治具板本体１１の上面を覆うようにディストリビュ
ータ１７が配置され、このフレーム１８に直立するよう
部品供給パイプ１３の下端が固定され、該下端の部品落
下口１６が各チップ部品部品収納凹部１２の上面に配置
されている。これら部品落下口１６、１６…は、何れの
部品収納凹部１２、１２…に対しても、その一端側へ偏
って配置されている。

部品収納凹部１２の上記部品落下口１６が配置された側
の側面の下部に、空気吹出口１４が開設され、また、部
品収納凹部１２の他端側に排気口１５が開設されてい
る。第１図と第２図で示す実施例では、排気口１５が部
品収納凹部１２の端の底面に開設されているのに対し、
第３図で示した実施例では、同収納凹部１２の側面の下
部に、また、第４図で示した実施例では、同収納凹部１
２の端の上面に開設されている。

上記空気吹出口１４と排気口１５には、空気を給排気す
る給気手段と排気手段（何れも図示せず）を連結する。
これらの給排気手段は、何れか一方を用いれば足りる
が、双方の手段を併用し、空気吹出口１４からの空気の
吹き出し量と排気口１５からの排気量とを、ほゞ等しく
調整するのが最も望ましい。この場合は、空気の流れに
よって部品収納凹部１２の中が周囲より若干負圧とな
り、部品供給パイプ１３の中で部品ａの落下を妨げるよ
うな上昇気流が生じない。

既に述べたように、上記実施例におけるチップ部品自動
マウント装置用治具板では、部品落下口１６が配置され
た側の底部の側面に開口した空気吹出口１４から、部品
収納凹部１２の中に空気が吹き出され、同収納凹部１２
の他端側の排気口１５から排気される。このため、部品
収納凹部１２の底部のみに第１図、第３図、第４図にお
いて何れも右から左への空気の流れが形成される。これ
によってチップ部品ａの下端が同方向に押され、チップ
部品が第１図において二点鎖線で示すように転倒する。

〔考案の効果〕

以上説明した通り、この考案による自動マウント装置用
治具板では、部品収納凹部１２の中に一方に偏って落下
したチップ部品ａの下端が、部品収納凹部１２の底部の
空気の流れによって、他端側へ押されるため、チップ部
品ａを部品収納凹部１２の長手方向に沿って確実に転倒
させることができるようになる。これにより、印刷配線
基板上の部品の欠品やマウント装置の不慮の停止といっ
た重大なトラブルを未然に回避できるという効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例を示すチップ部品自動マウ
ント装置用治具板の縦断側面図、第２図は、第１図のＡ
−Ａ線拡大断面図、第３図と第４図は、他の実施例を示
すチップ部品自動マウント装置用治具板の縦断側面図、
第５図は、チップ部品自動マウント装置用治具板の従来
例を示す縦断側面図、第６図は、同治具板を使用するチ
ップ部品自動マウント装置の概略を示す説明図である。 １１……治具板本体、１２……部品収納凹部 １３……部品供給パイプ、１４……空気吹出口 １５……排気口、１６……部品落下口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上側に配置される部品供給パイプ１３の部
   品落下口１６の位置に対応させて治具板本体１１に部品
   収納凹部１２を設けてなるチップ部品自動マウント装置
   用治具板において、部品供給パイプ１３の部品落下口１
   ６を部品収納凹部１２の一方に偏らせて配置し、該部品
   落下口１６が配置された部品収納凹部１２の一端側の側
   面下部に部品収納凹部１２内に空気を吹き込む空気吹込
   口１４を開設し、同部品収納凹部１２の他端側に、同部
   品収納凹部１２から空気を排気する排気口１５を開設し
   たことを特徴とするチップ部品自動マウント装置用治具
   板。