JPH06110153A - ハロゲン化銀カラー感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー感光材料

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JPH06110153A
JPH06110153A JP26037592A JP26037592A JPH06110153A JP H06110153 A JPH06110153 A JP H06110153A JP 26037592 A JP26037592 A JP 26037592A JP 26037592 A JP26037592 A JP 26037592A JP H06110153 A JPH06110153 A JP H06110153A
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JP
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group
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acid
silver halide
present
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JP26037592A
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English (en)
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Masaru Iwagaki
賢 岩垣
Fumiyoshi Fukazawa
文栄 深沢
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カール特性、皮膜物性および保存特性に優れ
たハロゲン化銀カラー感光材料を提供することにある。 【構成】 透明支持体上の一方の側に、それぞれ少なく
とも一層の赤感性、緑感性、青感性感光性層および非感
光性層からなる写真構成層を有するハロゲン化銀カラー
感光材料において、 (1) 透明支持体が平衡含水量の異なるポリエステル層を
積層してなるものであり、かつ写真構成層の少なくとも
一層が、下記一般式〔1〕で示される化合物を少なくと
も一つ含有する。 (2) 前記平衡含水量の異なるポリエステル層のうち、少
なくとも一層のポリエステルが、金属スルホネート基を
有する芳香族ジカルボン酸をモノマー成分とする共重合
ポリエステルである。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀カラー感光
材料に関し、更に詳しくは、カール特性、皮膜物性およ
び保存特性を改良したハロゲン化銀カラー感光材料(以
下、単に感光材料と記すことがある)に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラの小型化、簡便化が進み、
携帯性が向上して写真撮影の機会が大幅に増大してきて
いる。しかしながら、更なる小型化がユーザーから望ま
れており、高画質を維持したままでの小型化が広く検討
されてきている。一般用のいわゆる135サイズのロール
フィルムは、定型規格パトローネに装填されているため
に、カメラの薄型化の障害となっているのが現状であ
る。該パトローネを小型化するためには、フィルム即ち
感光材料を薄くすることが最も有効かつ簡便であり、感
光材料のプラスチックフィルム支持体の厚さを従来より
も薄くすることによってその達成が可能である。
【0003】一方、135サイズの定型規格パトローネ
は、現在36枚撮りが限界である。1本のパトローネに、
より多くの画像情報を入れたいという要望があり、これ
についても感光材料の支持体の厚さを従来よりも薄くす
ることによってその達成が可能である。
【0004】ところで、従来感光材料に使用されている
プラスチックフィルム支持体としては、トリアセチルセ
ルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)が代表的である。
【0005】ロール状フィルムに主に用いられているT
ACフィルムは、光学的に異方性がなく透明度が高いと
いう性質を有しており、さらに現像処理後に巻きぐせが
とれるという優れた性質を有する。しかしながらTAC
フィルムはもともと機械的強度が小さいという欠点があ
るので厚みを薄くできないのが現状である。
【0006】一方、PETフィルムは優れた生産性、機
械的強度、寸度安定性を有するため、レントゲン用フィ
ルムなどのシート状の形態のフィルムに主に用いられて
いる。しかしながら写真感光材料として、広く用いられ
ているロール形態では、現像処理後も巻きぐせがとれに
くく、取扱い性が悪いという欠点があり、その適用範囲
が制限されている。
【0007】PETフィルムの巻きぐせ回復性を改良す
る方法としては、金属スルホネート基を有する芳香族ジ
カルボン酸を共重合成分とすることにより親水性を付与
した共重合PETフィルムが提案されている(特開平1-
244446号公報)。しかし、この方法では、十分な巻きぐ
せ回復性を得るためには共重合成分を多量に含有させな
ければならず、PET本来の優れた機械的強度、寸度安
定性などの性質が失われてしまうため、TACに対する
優位性が失われてしまう。
【0008】さらに特開平4-93937号明細書には、含水
率の異なるポリエステルを積層することにより、巻きぐ
せ回復性、及び引き裂き強度、耐折度などの機械的性質
に優れた写真感光材料が提案されている。
【0009】また特開平4-235036号には、多層構造を有
するポリエステルフィルムにより、透明性、吸水性、機
械的特性、耐熱性を改良する提案がなされている。
【0010】しかしながら、これらの支持体上に写真構
成層を設けてハロゲン化銀カラー感光材料を作成し、試
験をした結果、感光材料を乾燥状態で、あるいは低温下
で折り曲げたりした部分にひび割れが発生しやすいとい
う欠点が明らかになった。
【0011】また上記感光材料は、未現像の状態で長時
間あるいは高温、高湿雰囲気下に保存すると、写真感度
の低下やカブリの上昇が著しいという欠点も明らかにな
った。
【0012】
【発明の目的】従って、本発明の目的は、カール特性、
皮膜物性および保存特性に優れたハロゲン化銀カラー感
光材料を提供することにある。
【0013】
【発明の構成】本発明の目的は以下により達成された。
即ち、透明支持体上の一方の側に、それぞれ少なくとも
一層の赤感性、緑感性、青感性感光性層および非感光性
層からなる写真構成層を有するハロゲン化銀カラー感光
材料において、該透明支持体が平衡含水量の異なるポリ
エステル層を積層してなるものであり、かつ該写真構成
層の少なくとも一層が、下記一般式〔1〕で示される化
合物を少なくとも一つ含有することを特徴とするハロゲ
ン化銀カラー感光材料であり、好ましくは、前記平衡含
水量の異なるポリエステル層のうち少なくとも一層のポ
リエステル層が、金属スルホネート基を有する芳香族ジ
カルボン酸をモノマー成分とする共重合ポリエステルで
あるハロゲン化銀カラー感光材料である。
【0014】
【化2】
【0015】式中、R1およびR2はそれぞれ水素原子ま
たは置換基を表し、R3は水素原子またはアルキル基を
表す。Zは水素原子、アルキル基、アリール基、−SO2R
4または−SO2N(R4)(R5)を表す。R4はアルキル基、アリ
ール基またはヘテロ環基を表し、R5は前記R3と同義で
ある。R3とZは互いに結合して環を形成してもよい。
【0016】本発明において平衡含水量とは、試料の一
定重量中に平衡状態で含まれる水分量を試料重量に対す
る百分率で表わしたものである。
【0017】具体的な求め方としては、試料を110℃雰
囲気下に6時間放置して乾燥させ秤量した後、23℃55%
相対湿度下に一週間放置して秤量し、重量増加分を水分
とみなして平衡含水量を求める方法がある。
【0018】本発明において平衡含水量が異なるとは、
0.1%以上、好ましくは0.2%以上、特に好ましくは0.3
%以上2.0%以下の平衡含水量の差をもったポリエステ
ル層のことを言う。更に好ましくは、少なくとも一層の
ポリエステル層の平衡含水量が0.5%以上であり、他の
少なくとも一層のポリエステル層が0.5%未満である。
平衡含水量の調整はいかなる方法を用いてもよいが、エ
ステルモノマーの種類、構成比、重合度によるのが好ま
しい。
【0019】本発明においては、前記平衡含水量の異な
るポリエステル層のうち、少なくとも一層のポリエステ
ル層が金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸
をモノマー成分とする共重合ポリエステルであればよ
く、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸モ
ノマーを含んでいるが添加量比が異なることによって平
衡含水量が異なるポリエステル層からなるものであって
もよい。特に平衡含水量が高い方のポリエステル層が金
属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸をモノマ
ー成分とする。あるいはモノマー成分を多く含有する共
重合ポリエステルであることが好ましい。以下、金属ス
ルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸をモノマー成
分とする共重合ポリエステル層を単に“共重合ポリエス
テル層”と言う。
【0020】(A)ポリエステル層 この発明のポリエステル層に用いられるポリエステルと
しては、特に制限はなく種々のそれ自体公知のポリエス
テルを挙げることができるが、中でも機械的強度の優れ
る、芳香族二塩基酸およびグリコールを主構成成分とす
るポリエステルが好ましい。
【0021】前記芳香族二塩基酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸等を挙
げることができ、前記グリコールとしてはエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノー
ル、p-キシリレングリコール等を挙げることができる。
これらの中でも芳香族二塩基酸としてテレフタル酸が好
ましく、グリコールとしてはエチレングリコールが好ま
しい。
【0022】また、前記ポリエステル層はポリエステル
本来の機械的強度に優れる等の良好な性質を損なわない
範囲で、これらの主たる繰返し単位が85モル%以上の共
集合体であってもよいし、他のポリマーがブレンドされ
ていてもよい。さらに必要に応じて、リン酸、亜リン
酸、若しくはそれらのエステル、無機粒子(例えば、シ
リカ、カリオン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、
二酸化チタンなど)、染料、紫外線吸収剤、または酸化
防止剤等を含有することができる。
【0023】この発明におけるポリエステル層は、公知
の方法により、単数の層で形成された層でもよいし、複
数の層で形成された層でもよい。
【0024】なお、この発明においては、前記ポリエス
テル層として上記のポリエステルの他に市販のポリエス
テルフィルムあるいはシートを用いることもできる。
【0025】ポリエステル層の厚みの総和(d2)とし
ては、50μm以下であり、好ましくは50〜20μmであり、
さらに好ましくは40〜25μmである。前記ポリエステル
層の厚みが50μmを越えると、写真用支持体の厚みを薄
くすることができないので好ましくなく、一方、20μm
未満であると、写真用支持体として必要な機械的強度を
維持することができなくなることがある。
【0026】(B)共重合ポリエステル この発明における共重合ポリエステルとしては、金属ス
ルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を共重合成分
とし、芳香族二塩基酸とグリコールとを主構成成分とす
る共重合ポリエステルを好適に挙げることができる。
【0027】前記芳香族二塩基酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸等を挙
げることができ、前記グリコールとしてはエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノー
ル、p-キシリレングリコール等を挙げることができる。
これらの中でも芳香族二塩基酸としてテレフタル酸、2,
6-ナフタレンジカルボン酸が好ましく、グリコールとし
てはエチレングリコールが好ましい。
【0028】共重合ポリエステルにおける好ましい例と
しては、テレフタル酸とエチレングリコールを主成分と
する共重合ポリエステルや、2,6-ナフタレンジカルボン
酸とエチレングリコールとを主成分とする共重合ポリエ
ステルを挙げることができる。
【0029】前記金属スルホネート基を有する芳香族ジ
カルボン酸としては、5-ナトリウムスルホイソフタル
酸、2-ナトリウムスルホイソフタル酸、4-ナトリウムス
ルホイソフタル酸、4-ナトリウムスルホ-2,6-ナフタレ
ンジカルボン酸、もしくは、下記に示す芳香族ジカルボ
ン酸、およびこれらのナトリウムを他の金属例えばカリ
ウム、リチウムなどで置換した化合物を挙げることがで
きる。
【0030】
【化3】
【0031】これらの中でも、5-ナトリウムスルホイソ
フタル酸、4-ナトリウムスルホ-2,6-ナフタレンジカル
ボン酸が好ましい。
【0032】この発明におけるモノマーユニットとして
金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を有す
る共重合ポリエステルは、これを加水分解することによ
り検出されるところの、金属スルホネート基を有する芳
香族ジカルボン酸の量は、全エステル結合単位に対して
2〜7モル%であり、好ましくは3〜6モル%であり、
さらに好ましくは4〜5モル%である。金属スルホネー
ト基を有する芳香族ジカルボン酸の量が2モル%未満で
あると写真フィルムの巻きぐせを十分に回復することが
できないことがあり、7モル%を越えると機械的強度の
劣る写真用支持体となることがある点で好ましくない。
【0033】さらに、この発明における共重合ポリエス
テルは、この発明の目的を阻害しない限りにおいて、ポ
リアルキレングリコールを共重合成分として含有しても
よい。
【0034】前記ポリアルキレングリコールとしては、
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル等を挙げることができる。この発明において重要なこ
とは、ポリアルキレングリコールの中でも、この内ポリ
エチレングリコールが好ましい。また、その分子量とし
ては、特に限定されないが通常200〜20,000であり、好
ましくは400〜5,000で、特に好ましくは1,000〜5,000で
ある。
【0035】ポリアルキレングリコールの含有量として
は、反応生成物の全重量に対して3〜10重量%であり、
好ましくは4〜8重量%である。3重量%未満では十分
な巻きぐせ回復性が得られず、7重量%を越えると機械
的強度が劣化する点で好ましくない。
【0036】この発明に使用される共重合ポリエステル
は、この発明の目的を阻害しない限り、さらに他の種類
のモノマーユニットを有していても、他のポリマーがブ
レンドされてもよい。
【0037】モノマーユニットとして金属スルホネート
基を有する芳香族ジカルボン酸を有する共重合ポリエス
テルは、その製造方法につき特に限定があるわけではな
いが、例えばエステル交換反応後重縮合反応する場合、
エステル交換反応時に、ポリエチレングリコールや金属
スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸類等の共重
合成分を添加し、続けて重縮合をしても良いし、エステ
ル交換反応後これらの共重合成分を添加し、重縮合反応
を行っても良い。
【0038】このエステル交換時に用いる触媒として
は、マンガン、カルシウム、亜鉛、コバルト等の金属の
酢酸塩、脂肪酸塩、炭酸塩等を挙げることができる。こ
れらの中でも、酢酸マンガン、酢酸カルシウムの水和物
が好ましく、さらにこれらを混合したものが好ましい。
【0039】前記エステル交換時および/または重縮合
時に反応を阻害したりポリマーを着色したりしない範囲
で水酸化物や脂肪族カルボン酸の金属塩、第四級アンモ
ニウムなどを添加することも有効であり、中でも水酸化
ナトリウム、酢酸ナトリウム、テトラエチレンヒドロキ
シアンモニウムが好ましく、特に酢酸ナトリウムが好ま
しい。
【0040】この発明に用いられる共重合ポリエステル
は、重合段階で適宜に添加される、リン酸、亜リン酸、
およびそれらのエステルならびに無機粒子(例えばシリ
カ、カオリン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、二
酸化チタンなど)を含有していても良いし、また重合後
に適宜に添加される前記無機粒子を含有していても良
い。
【0041】また、この重合ポリエステルは、エステル
交換反応段階、重合段階および重合後のいずれかの段階
で適宜に添加された種々の染料、紫外線吸収剤、酸化防
止剤等を含有していても差し支えない。
【0042】この酸化防止剤はその種類につき特に限定
されるものではなく、具体的には、ヒンダードフェノー
ル系化合物、アリルアミン系化合物、ホスファイト系化
合物、チオエステル系酸化防止剤等を挙げることができ
る。これらの中でもヒンダードフェノール系化合物が好
ましい。
【0043】透明支持体における酸化防止剤の含有量
は、通常、共重合ポリエステルに対して0.01〜2重量
%、好ましくは0.1〜0.5重量%である。酸化防止剤の含
有量が0.01重量%未満であると写真性能の効果が劣り、
2重量%を越えると共重合ポリエステルの濁度が増大し
透明支持体としては好ましくないことがある。なお、酸
化防止剤はその一種単独で使用することもできるし、ま
たその二種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0044】また、この発明における透明支持体は、写
真乳剤層を塗設した透明支持体に光がエッジから入射し
たとき起こるライトパイピング現象(ふちカブリ)を防
止する目的で、この写真支持体中に染料を含有させるこ
とが好ましい。このような目的で配合される染料として
は、その種類に特に限定があるわけではないが、フィル
ムの製膜工程上、耐熱性に優れた染料が好ましく、例え
ばアンスラキノン系化学染料などを挙げられることがで
きる。また、透明支持体の色調としては、一般の感光材
料に見られるようにグレー染色か好ましく、一種類もし
くは二種類以上の染料を混合して用いることもできる。
これらの染料として、住友化学株式会社製のSUMIPAST、
三菱化成株式会社製のDiaresin、Bayer社製のMACROLEX
等の染料を単独で、あるいは適宜に混合して用いること
ができる。
【0045】−写真用支持体の製造− この発明の写真用支持体の製造方法としては、例えば、
前記ポリエステルと共重合ポリエステルとを別々の押出
機、フィルターおよび口金などを通じて溶融押出した
後、溶融ポリマーの導管内または押出し口金内において
層流状で接合せしめて押出し、回転する冷却ドラム上で
冷却固化し、未延伸フィルムを得る。その後に、その未
延伸フィルムを縦方向および横方向に二軸延伸し熱固定
する共押出法、もしくは、押出し機から溶融押出し、冷
却ドラム上で冷却固化した未延伸フィルム、または該未
延伸フィルムを一軸延伸した一軸配向フィルムの面に、
必要に応じてアンカー剤、接着剤等をコーティングした
後にその上に共重合ポリエステルをエクストルージョン
ラミネートし、次いで二軸延伸を行なった後に熱固定す
るエクストルージョンラミネート法等を挙げることがで
きる。これらの中でも製造工程の簡便性の点で共押出法
が好ましい。
【0046】フィルムの延伸条件は共重合ポリエステル
の共重合組成により変化するので一律に規定することが
できるないが、縦方向に共重合ポリエステルのガラス転
移温度(Tg)からTg+100℃の温度範囲で延伸倍率
2.5〜6.0倍、横方向にTgからTg+100℃K温度範囲
で延伸倍率2.5〜5.0倍の範囲である。以上のようにして
得られた二軸延伸フィルムは、通常150℃〜250℃で熱固
定し冷却される。この場合に、必要であれば縦方向およ
び/または横方向に緩和しても良い。
【0047】かくして得られたこの発明の写真用支持体
の厚みは、写真用支持体としての用途に必要な機械的強
度を有していれば特に限定されるものではないが、通常
30〜125μmであり、好ましくは40〜120μmであり、さら
に好ましくは50〜100μmである。
【0048】支持体を構成する層は何層積層してもかま
わないが製造設備が複雑化する等の点から一般的には2
層ないし4層が好ましく、特に3層が好ましい。3層の
場合は内層の場合は内層にポリエステル層、外層に共重
合ポリエステル層でもよいし、内層に共重合ポリエステ
ル層、外層にポリエステル層でもよいが、前者が好まし
い。
【0049】また、写真用支持体の弾性率は、450Kg/m
m2以上が好ましく、さらに好ましく500Kg/mm2以上であ
る。弾性率が450Kg/mm2よりも低くなると写真用支持体
ポリエステルで構成した意味が薄れ、ポリエステル本来
の特長である腰の強さを失うことがある点で好ましくな
い。
【0050】さらに、写真用支持体の巻きぐせ回復率
は、通常50%以上であり、好ましくは80%以上である。
50%よりも低くなると、写真フィルムとした際、現像処
理における搬送性が悪く、実用性に欠けることがある点
で好ましくない。
【0051】(C)写真用支持体としての特に好ましい
条件 この発明の写真用支持体は、ポリエステル層の厚みをd
2とし、前記ポリエステル層における両方の表面にn層
ずつ積層された共重合ポリエステル層につき、一方の表
面における、全体の厚み、n層の全体が含有する全酸成
分に対する芳香族ジカルボン酸の平均含有率(モル
%)、および、ポリアルキレングリコールの反応生成物
の全重量に対する平均含有率(重量%)をそれぞれ、d
1、S1、およびP1とし、他方の表面についてはそれ
ぞれ、d3、S3およびP3としたとき、以下の条件式
1、2および3を同時に満足することが特に好ましい。
【0052】条件式1;d2≦50(μm) 条件式2;0.7≦{(d1+d3)/d2}≦3 条件式3;{(S1×P1×d1)/(S3×P3×d
3)}≧1.5 (ただし、前記n、d1、S1、P1、d3、S3、お
よびP3は、それぞれ以下の通りである。
【0053】n;n≧1であり、かつ自然数である。
【0054】d1;ポリエステル層の一方の表面にn層
積層された共重合ポリエステル層における各層の厚みを
それぞれ、d11、d12、d13、・・・・d1n-1、d
nとすると、
【0055】
【数1】
【0056】である。したがって、この式によると、d
1は、ポリエステル層の一方の表面にn層積層された共
重合ポリエステル層の厚み総和であると言える。
【0057】S1;ポリエステル層の表面にn層積層さ
れた共重合ポリエステル層の各層における、金属スルホ
ネート基を有する芳香族ジカルボン酸の全酸成分に対す
る含有率(モル%)をそれぞれ、S11、S12、S
3、・・・・、S1n-1、S1nとすると、
【0058】
【数2】
【0059】である。したがって、この式によると、S
1は、ポリエステル層の単位厚みあたりにおける金属ス
ルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸の全酸成分に
対する含有率(モル%)であると言える。
【0060】P1;ポリエステル層の表面にn層積層さ
れた共重合ポリエステル層の各層における、ポリアルキ
レングリコールの反応生成物の全重量に対する含有率
(重量%)をそれぞれ、P11、P12、P13、・・・
・、P1n-1、P1nとすると、
【0061】
【数3】
【0062】である。したがって、この式によると、P
1は、共重合ポリエステル層の単位厚み当たりにおけ
る、ポリアルキレングリコールの反応生成物の全重量に
対する含有率(重量%)であると言える。
【0063】また、d3、S3およびP3は、ポリエス
テル層の他方の表面にn層積層された共重合ポリエステ
ルについてそれぞれd1、S1およびP3に対応するも
のである。
【0064】d3;
【0065】
【数4】
【0066】S1;
【0067】
【数5】
【0068】P1;
【0069】
【数6】
【0070】である。
【0071】この発明においては、上記の条件式1、2
および3を同時に満足しつつ、さらに以下に示す条件式
4、5および6のうち少なくとも一つを満足する写真用
支持体がより好ましく、さらに好ましくは上記の条件式
1、2および3を満足し、かつ、以下に示す条件式4、
5および6を満足する写真用支持体である。
【0072】条件式4;d2≦40(μm) 条件式5;1.5≦{(d1+d3)/d2}≦2.5 条件式6;{(S1×P1×d1)/(S3×P3×d
3)}≧2 (ただし、前記n、d1、S1、P1、d3、S3、お
よびP3は、上述の通りである。)透明支持体の厚みの
局所的バラツキは5μm以内であることが好ましく、よ
り好ましくは4μm以内、特に好ましくは3μm以下であ
る。透明支持体の厚みさの局所的なバラツキが5μm以
内であることによって、写真構成層を塗布するときに塗
布ムラの発生や乾燥ムラの発生を防止することができ
る。
【0073】−下引き層− 本発明の透明支持体の写真構成層を形成する表面には、
必要に応じて、写真構成層の形成に先んじてコロナ放電
等の表面活性化処理および/または下引き層を塗設する
ことができる。
【0074】この下引き層としては、例えば特開昭59-1
9941号、同59-77439号、同59-224841号の各公開公報及
び特公昭58-53029号公報にそれぞれ記載の下引き層を好
適例として挙げることができる。写真構成層とは反対側
の透明支持体の表面に設けられる下引き層はバック層と
も称される。
【0075】本発明に用いる一般式〔1〕で示される化
合物について説明する。
【0076】
【化4】
【0077】式中、R1およびR2はそれぞれ水素原子又
は置換基を表し、R3は水素原子又はアルキル基を表
す。Zは水素原子、アルキル基、アリール基、-SO2R4
又は-SO2N(R4)(R5)を表す。R4はアルキル基、アリール
基又はヘテロ環基を表し、R5は前記R3と同義である。
3とZは互いに結合して環を形成してもよい。
【0078】以下、本発明について具体的に説明する。
【0079】一般式〔I〕において、R1で表される置
換基の例としては、炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアル
キル基(例えばメチル、エチル、ドデシル等の各基)、
炭素数5〜7のシクロアルキル基(例えばシクロペンチ
ル、シクロヘキシル等の各基)、アリール基(例えばフ
ェニル、ナフチル等の各基)、5員又は6員のヘテロ環
基(例えばピリジル、ピリミジル、ピロリル、ピラゾリ
ル、イミダゾリル、トリアゾリル、フリル、チエニル、
チアゾリル、ピペリジノ等の各基)又は以下に示す各基
【0080】
【化5】
【0081】(ここでR6はアルキル基、アリール基、
又はヘテロ環基を表し、R7は水素原子又はアルキル基
を表し、R8は水素原子、アルキル基、アリール基又は
ヘテロ環基を表す。)などが挙げられる。
【0082】これらの置換基はさらに置換基を有するこ
とができ、これらの置換基の例としては、アルキル基、
アルコキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カ
ルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニ
ル基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキ
シル基、スルホ基又はハロゲン原子等が挙げられ、これ
らのうち、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基
が最も好ましい。
【0083】R1としては水素原子、アルキル基、アリ
ール基、アルキルスルホニル基、アシル基、カルバモイ
ル基、アルコキシカルボニル基が好ましい。
【0084】R2で表される置換基の例としては、炭素
数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基(例えばメチル、
エチル、ウンデシル等の各基)、炭素数5〜7のシクロ
アルキル基(例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等
の各基)、アリール基(例えばフェニル、ナフチル等の
各基)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ等の
各基)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、
アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、
エトキシカルボニル等の各基)、アリールオキシカルボ
ニル基(例えばフェノキシカルボニル基等)、カルバモ
イル基(例えばジメチルカルバモイル、ジエチルカルバ
モイル等の各基)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾ
イル等の各基)、アミノ基、アルキルアミノ基(例えば
メチルアミノ、ジメチルアミノ等の各基)、アリールア
ミノ基(例えばアニリノ基等)、アシルアミノ基(例え
ばアセチルアミノ、ベンツアミンド等の各基)、スルホ
ンアミド基(例えばメタンスルホンアミド、ベンゼンス
ルホンアミド等の各基)、カルバモイルアミノ基(例え
ばジメチルカルバモイルアミノ基等)、スルファモイル
アミノ基(例えばジメチルスルファモイルアミノ基
等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシ
カルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ等の各
基)、環状アミノ基(例えばモルホリノ、ピペリジノ、
ピロリジノ等の各基)、カルボキシル基又はシアノ基な
どが挙げられる。
【0085】これらの置換基はさらに置換基を有するこ
とができ、これら置換基の例としては、R1において述
べたものと同様のものが挙げられる。
【0086】R2としては水素原子、アルキル基、アル
コキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、
アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルホンアミ
ド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシオキシカル
ボニルアミノ基が好ましく、特に好ましいのは、アルキ
ル基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルホ
ンアミド基、アルコキシカルボニルアミノ基である。R
3で表されるアルキル基の例としては、炭素数1〜18の
直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。これらはさら
に、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、
スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ニトロ
基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スル
ホ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ
基等により置換されていてもよい。
【0087】Zは水素原子、アルキル基、アリール基、
−SO2R4又は−SO2N(R4)(R5)(R4はアルキル基、アリー
ル基又はヘテロ環基を表し、R5は前記R3と同義であ
る。)を表し、これらの例としてはメチル基、エチル
基、ブチル基、メトキシメチル基、シアノエチル基、フ
ェニル基、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、
ブチルスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、ジメチル
スルファモイル基、ジエチルスルファモイル基等が挙げ
られる。Zは好ましくはアルキル基、アルキルスルホニ
ル基である。
【0088】以下に一般式〔I〕で示される化合物の代
表例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0089】
【化6】
【0090】
【化7】
【0091】
【化8】
【0092】上記化合物I−1〜I−24は、ベリヒテ・
デア・ドイッチェン・ケミシェン・ゲゼルシャフト・
(Berichte der Deutschen Chemischen gesellschaft)
57,332(1924)、アンナーレン・デア・ケミー(Annal
en der Chemie)52,622(1936)、同397,119(1913)、
同568,227(1950)、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカ
ン・ソサイェティ(Journal of the American Soiety)
734,664(1951)等に記載の方法に準じ容易に合成でき
る。
【0093】上記の化合物は、ハロゲン化銀カラー写真
感光材料のマゼンタカプラーを含有する層より上側に写
真構成層が存在する如き感光材料の場合には、該マゼン
タカプラーを含有する層及び/又は該マゼンタカプラー
含有層の上側に位置する写真構成層の少なくとも一層
に、1種又は2種以上を組合せて含有させることができ
る。そしてこれら化合物が含有される最も好ましい層と
しては、感光材料の最も外気に近い層、例えば保護層が
効果的である。
【0094】本発明でいう前記の写真構成層とは、感光
材料を形成する、例えば光学的又は化学的に増感された
感光性を有するハロゲン化銀乳剤層を始めとして、非感
光性層としての中間層、紫外線吸収層、黄色フィルター
層、保護層その他の補助層等を包含するものである。
【0095】上記の化合物を、これらの層中に添加、含
有せしめるには、層を形成するための塗布液中に、例え
ば水、メタノール等の適当な溶媒に溶解して添加すれば
よく、その添加時期も任意の段階でよい。例えばハロゲ
ン化銀乳剤中に添加する際にはその製造工程の何如なる
時期を選んでもよいが、一般には塗布する直前に添加す
るのが好ましい。また、その添加量はカラー写真感光材
料1m2当たり0.01〜5.0gが好ましいが、特に0.1〜2.0
gの添加が最も好ましい。
【0096】また、上記化合物中でCOOH基やSO3H基を有
する化合物は、NaOHの如きアルカリで中和し塩にしてか
ら塗布液中に添加することが特に好ましい。
【0097】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
に用いられるハロゲン化銀乳剤として沃化銀含有率の異
なる2相以上の相から構成されているハロゲン化銀粒子
であって、該平均沃化銀含有率が該粒子の外縁相の沃化
銀含有率よりも高いハロゲン化銀粒子を含有するハロゲ
ン化銀乳剤であることが好ましい。
【0098】粒子の平均沃化銀含有率が粒子の外縁相の
沃化銀含有率よりも高いことは以下の方法によって測定
できる。
【0099】ハロゲン化銀乳剤が、粒径/粒子の厚さの
平均値が5未満であるハロゲン化銀粒子を含む乳剤の場
合、蛍光X線分折法によって求めた平均沃化銀含有率
(J1)とX線光電子分光法で求めた粒子表面の沃化銀
含有率(J2)を比べたときJ1>J2なる関係を満足す
るものである。
【0100】ここでいう粒径は粒子の投影面積が最大と
なる面の外接円の直径である。
【0101】X線光電子分光法について説明する。
【0102】X線光電子分光法による測定に先立って、
乳剤を以下のように前処理する。まず、乳剤にプロナー
ゼ溶液を加え、40℃でl時間撹拌してゼラチン分解を行
う。次に遠心分離して乳剤粒子を沈降させ、上澄み液を
除去した後、プロナーゼ水溶液を加え、上記の条件で再
度ゼラチン分解を行う。この試料を再び遠心分離し、上
澄み液を除去した後、蒸留水を加え乳剤種子を蒸留水中
に再分散させ、遠心分離し、上澄み液を除去する。この
水洗操作を3回繰返した後、乳剤粒子をエタノール中に
再分舷散させる。これを鏡面研磨したシリコンウェハ上
に薄く塗布して測定試料とする。
【0103】X線光電子分光法による測定には、装置と
してPHI社製ESCA/SAM560型を使用し、励起用X
線にMg−Kα線、X線源電圧l5KV、X線源電流40m
A、パスエネルギー50eVの条件で行う。
【0104】表面ハライド組成を求めるためにAg3
d,BrЗd,I3d3/2電子を検出する。
【0105】組成比の算出は.各ピークの積分強度を用
いて、相対感度係数法により行う。Ag3d,8r3
d,I3dЗ/2相対感度係数としてそれぞれ5.10,0.
18,4.592を使用することにより、組成比を原子パーセ
ントを単位として与えられる。
【0106】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤が粒径/粒子の厚さの平均値が5未満である粒子を含
む場合には粒子サイズ分布が単分散性であることが好ま
しい。単分散性ハロゲン化銀乳剤とは、平均粒径を中心
に±20%の粒径範囲内に含まれるハロゲン化銀重量が全
ハロゲン化銀粒子重量の60%以上であるものを言い、好
ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上である。
【0107】ここに、平均粒径は、粒径riを有する粒
子の頻度niとri3との積ni×ri3が最大となるときの
粒径riと定義する(有効数字3桁、最小桁数字は4捨
5入する)。
【0108】ここで言う粒径とは、球状のハロゲン化銀
粒子の場合は、その直径、また球状以外の形状の粒子の
場合は、その投影像を同面積の円像に換算した時の直径
である。
【0109】粒径は例えば該粒子を電子顕微鏡でl万倍
から5万倍に拡大して撮影し、そのプリント上の粒子直
径又は投影時の面積を実測することによって得ることが
できる(測定粒子個数は無差別に1000個以上ある事とす
る。) 本発明の特に好ましい高度の単分散乳剤は (標準偏差/平均粒径)×100=分布の広さ(%) によって定義した分布の広さが20%以下のものであり、
更に好ましくは15%以下のものである。
【0110】ここに平均粒粒径及び粒径標準偏差は前記
定義のriから求めるものとする。
【0111】粒径/粒子の厚さの平均値が5未満である
本発明のハロゲン化銀乳剤におけるX線光電子分光法に
よる粒子表面の沃化銀含有率(J2)は6〜0モルであ
ることが好ましく、より好ましくは5〜0モル%であ
り、特に好ましくは4〜0.01モル%である。
【0112】前述の粒径/粒子の厚さの平均値が5未満
であるハロゲン化銀乳剤は単分散性であることが好まし
く、コア/シェル型であることが好ましい。
【0113】粒径/粒子の厚さの平均値が5未満である
コア/シェル型ハロゲン化銀乳剤は、沃化銀含有率の異
なる2相以上の相から構成されている粒子構造からな
り、沃化銀の含有率が最高である相(コアと称する)が
最表面層(シェルと称する)以外であるハロゲン化銀粒
子から成るものである。
【0114】最高の沃化銀含有率を有する内部相(コ
ア)沃化銀含有率は6〜40モル%のものを好ましく用い
得るが、より好ましくは8〜38モル%、特に好ましくは
10〜25モル%である。最表面相の沃化銀含有率は6モル
%未満が好ましく、さらに好ましくは0〜4.0モル%で
ある。
【0115】コア/シェル型ハロゲン化銀粒子のシェル
部が占める割合は体積で10〜80%が好ましく、より好ま
しくは15〜70%、特に好ましくは20〜60%である。
【0116】またコア部の占める割合は体積で粒子全体
の10〜80%とするのが好ましく、20〜50%が更に好まし
い。
【0117】ハロゲン化録粒子の沃化銀含有率の高いコ
ア部と含有率の低いシェル部との含有率差は、シャープ
な境界を有するものでもよく、また境界の必ずしも明白
でない連続して変化するものであってもよい,またコア
部とシェル都の中間の沃化銀含有率を有する中間相をコ
アとシェルの間にもつものも好ましく用いられる。
【0118】前記中間層を有するコア/シエル型ハロゲ
ン化銀粒子からなる場合、中間層の体積は粒子全体の5
〜60%更には20〜55%がよい,シェルと中間層、中間層
とコアの沃化銀含有率差はそれぞれ3モル%以上あるこ
とが好ましく、シェルとコアの沃化銀含有率差は6モル
%以上であることが好ましい。
【0119】コア/シェル型ハロゲン化銀乳剤は沃臭化
銀であることが好ましく、その平均沃化銀含有率は4〜
20モル%が好ましく、より好ましくは5〜15モル%であ
る。また本発明の効果を損なわない範囲で塩化銀を含有
してもよい。
【0120】コア/シェル型ハロゲン化銀乳剤は特開昭
59-177535、同60‐138538、同59-52238、同60-143331、
同60-35726及び同60-258536号等に開示された公知の方
法によって製造することができる。
【0121】特開昭60-138538号実施例記載の方法のよ
うにコア/シェル型ハロゲン化銀乳剤を種粒子から出発
して成長させる場合、粒子中心部にコアとは異なるハロ
ゲン組成領域をもつことがありうる。
【0122】このような場合種粒子のハロゲン組成は臭
化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀、塩臭化銀、塩化銀等の任
意の組成のものを用いうるが、沃化銀含有率が15モル%
以下の沃臭化銀又は臭化銀が好ましい。
【0123】また種粒子の全ハロゲン化銀に占める割合
は体積で50%以下が好ましく10%以下が特に好ましい。
【0124】上記コア/シエル型ハロゲン化銀粒子にお
ける沃化銀の分布状態は、各種の物理的測定法によって
検知することができ、例えば日本写真学会、昭和56年度
年次大会講演要旨集に記載されているような、低温での
ルミネッセンスの測定やX線回折法によって調べること
ができる。
【0125】コア/シェル型ハロゲン化銀粒子は、立方
体、l4面体、8面体のような正常晶でもよく、双晶か
ら成っていてもよく、またこれらの混合物であってもよ
いが正常晶であることが好ましい。
【0126】ハロゲン化銀乳剤が粒径/粒子の厚さの平
均値が5以上である平板状ハロゲン化銀乳剤の場合、前
述の蛍光X線分析法によって求めた平均沃化銀含有率
(J1)とX線マイクロアナリシス法を用いハロゲン化
銀粒子の粒径方向に対して中心部より80%以上離れたハ
ロゲン化銀結晶上で測定した沃化銀含有率の測定値の平
均値(J3)を比べたときJ1>J3なる関係を満足する
ものである。
【0127】X線マイクロアナリシス法について説明す
る。
【0128】エネルギー分散型X線分析装置を電子顕微
鏡に装置した電子顕微鏡観察用グリッドにハロゲン化銀
粒子を分散し、液体窒素冷却にて1粒子がCRT視野に
入るように倍率を設定し、一定時間AgLα,ILα線
の強度を積算する。ILα/AgLαの強度比とあらか
じめ作成しておいて検量線を用いて沃化銀含有率を算出
することができる。
【0129】粒径/粒子の厚さの平均値が5以上である
平板状ハロゲン化銀乳剤において粒径/粒子の厚さの平
均値は6以上100以下がより好ましく7以上20以下が特
に好ましい。
【0130】粒径/粒子の厚さの平均値が5以上である
平板状ハロゲン化銀乳剤において粒径/粒子厚さの平均
値は6以上100以下がより好ましく、7以上20以下かが
特に好ましい。
【0131】粒径/粒子の厚さの平均値が5以上である
本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤におけるX線マイクロ
アナリシス法によるハロゲン化銀粒子の粒径方向に対し
て中心部より80%以上離れたハロゲン化銀結晶上で測定
した沃化銀含有率の測定値の平均値(J3)は6ないし
0モル%であることが好ましく、より好ましくは5〜0
モル%であり、特に好ましくは4〜0.01モル%である。
平板状ハロゲン化銀粒子の平均厚さは0.5〜0.01μmが
好ましく、特に好ましくは0.3〜0.05μmである。平板
状ハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の平均
粒径は0.5〜30μmが好ましく、より好ましくは1.0〜20
μmである。
【0132】前述の粒径/粒子の厚さの平均値が5以上
である平板状ハロゲン化銀乳剤は沃化銀が粒子中心部に
局在したものであることが好ましい。
【0133】粒径/粒子の厚さの平均値が5以上であっ
て沃化銀が粒子中心部に局在している平板状ハロゲン化
銀乳剤において、中心部の高沃度含有相は粒子の全体積
の80%以下が好ましく、特に60〜10%が好ましい。中心
部の沃化銀含有率は5〜40モル%が好ましく、特に10〜
35モル%が好ましい。中心部の高沃度含有相をとりまく
低沃度含有相(周辺部)は沃化銀の含有率が0〜10モル
%、より好ましくは0.1〜6.0モル%である沃臭化銀から
成ることが好ましい。
【0134】沃化銀が中心部に局在している平板状ハロ
ゲン化銀乳剤は特開昭59-99433号等に開示された公知の
方法によって得ることができる。
【0135】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
において、ネガ用ハロゲン化銀写真感光材料中の全ハロ
ゲン化銀乳剤の平均の沃化銀含有率は0.1〜15モル%で
あることが好ましく、より好ましくは0.5〜12モル%で
あり特に好ましくは4〜10モル%である。
【0136】ハロゲン化銀カラー感光材料中の全ハロゲ
ン化銀乳剤の平均粒径は2.0μm以下が好ましく、より
好ましくは0.1〜1.0μm以下である。
【0137】本発明において、ハロゲン化銀乳剤が双晶
である場合は、主平面に対して平行な2枚の双晶面を有
する粒子を含有する乳剤が好ましく、その平均アスペク
ト比は5未満である乳剤が好ましい。このような乳剤で
ある場合、主平面の形状が、最大隣接辺比率が1.0〜2.0
である乳剤が好ましく、8面体である乳剤も好ましく用
いられる。
【0138】ハロゲン化銀粒子の沃化銀含有率の高いコ
ア部と含有率の低いシェル部との含有率差は,特開昭60
-143331に開示された乳剤のように明確な境界を有する
ものでもよいし、特開平2-943,3-202848に開示された乳
剤のように連続的に沃化銀含有率を変化させて作られた
乳剤でもよいが、特に好ましくはハロゲン化銀乳剤のX
線回折のシグナルパターンが実質的に1つのピークを示
すようにコントロールされた乳剤が好ましい。このよう
な例としては特開平3-l68734の特許請求の範囲に記載さ
れている乳剤等がある。
【0139】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤製造時の親水性コロイドとしては一般的な写真用ゼラ
チンが好ましく用いられ、該ゼラチンのチロシン含有量
が乾燥ゼラチン1gあたり30マイクロモル以下であるゼ
ラチンはさらに好ましい。本発明において用いられるハ
ロゲン化銀乳剤は、公知の方法で作られたものも好まし
く用いられる。例えば、その粒子成長条件はいわゆる酸
性法,アンモニア法、中性法のいずれの環境で作られて
も構わないし,成長中の銀電位,温度も必要に応じ、ど
んな値をとることもできる。主に双晶からなる乳剤の製
法としては核発生工程、オストワルド熟成工程を経て粒
子形成を行なうことが好ましい。この場合の核発生温度
は40度以下であることが好ましく、また、pBr1.0〜2.5
であることが好ましい。
【0140】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤は、該粒子の各頂点が丸みを帯びていてもよい。
【0141】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤のうち全部又は1部の粒子の頂点又は頂点近傍、稜線
又は稜線近傍で現像が開始されるように制御されている
ことが好ましい。特に双晶粒予の場合には該双晶面と稜
線の交点から、現像が開始するように制御されているこ
とが好ましい。
【0142】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤の製造方法において反応容器中での添加液の平均混合
時間は、10秒以内であることが望ましい。
【0143】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤は、常法によって脱塩されるが、いわゆる凝集剤を用
いることは粒子表面や近傍に凝集剤が残留することから
あまり好ましくない。これらはたとえば通常行われるよ
うに粒子形成後、粒子上に増感色素や化学増感剤の吸着
を施す際に障害となるという問題を引き起こす。
【0144】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤は、特開昭60-254032、同60-143332号の特許請求の範
囲と同様に、個々の粒子の沃化銀含有率の相対標準偏差
が20%以下であることが望ましく、特開平3-182738の特
許請求範囲と同様に沃化銀を20モル%以上含む沃臭化銀
からなるコアを有する乳剤であることがさらに望まし
い。
【0145】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤が平板状である場合は、特開昭63-163451の特許請求
範囲と同様に平板状粒子が有する平行な2以上の双晶面
間の最も長い距離(a)と粒子厚み(b)の比が5以上
である粒子が全平板粒子の50%以上であることが望まし
く、願3-353043の特許請求範囲と同様双晶面距離が10Å
〜100Åであることがさらに望ましい。
【0146】本発明用いるハロゲン化銀乳剤が2種以上
のハロゲンを有する粒子を含有する場合は、特開平2-16
7537号特許請求範囲と同様に粒子成長過程の少なくとも
一期間、成長中のハロゲン化銀粒子よりも溶解度積の小
さいハロゲン化銀粒子の存在下に成長せしめられたハロ
ゲン化銀粒子を含有する乳剤であることが望ましく、溶
解度積の小さいハロゲン化銀粒子としては沃化銀を用い
ることが特に好ましい。
【0147】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤は、特開平1-183417、同1-183644、同1-183645等に開
示された粒子と同様にハロゲン化銀微粒子を用いて粒子
成長を行うことも好ましい。特に特願平3-218608の特許
請求範囲のように粒子成長に用いるハロゲン化銀微粒子
は、2種以上であり、そのうちの少なくとも1種が1種
類のハロゲン元素のみからなることが好ましい。
【0148】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤は、特開平3-196135、同3-196138等に開示された粒子
と同様に粒子成長中に銀に対する酸化剤を添加すること
が好ましい。特に特願平4-15845の特許請求範囲の方法
のように種粒子を用いて製造される場合には種粒子の成
長前に添加されることが好ましい。また、酸化剤として
はハロゲン元素や硝酸などの無機酸が好ましい。
【0149】これらのハロゲン化銀乳剤は、活性ゼラチ
ン;硫黄増感剤、例えばアリルチオカルバミド、チオ尿
素、シスチン等の硫黄増感剤;セレン増感剤;還元増感
剤例えば第1スズ塩、二酸化チオ尿素、ポリアミンアス
コルビン酸等;貴金属増感剤、例えば金増感剤、具体的
にはカリウムオーリチオシアネート、カリウムクロロオ
ーレート、2-オーロチオ‐3-メチルベンゾチアゾリウム
クロライド等あるいは例えばルテニウム、パラジウム、
白金、ロジウム、イリジウム等の水溶性基の増感剤、具
体的にはアンモニウムクロロパラデート、カリウムクロ
ロプラチネート及びナトリウムクロロパラデート(これ
らの或る種のものは量の大小によって増感剤あるいはカ
ブリ抑制剤等として作用する。)等により単独であるい
は適宜併用(例えば金増感剤と硫黄増感剤の併用、金増
感剤とセレン増感剤との併用等)して化学的に増感され
てもよい。
【0150】ハロゲン化銀乳剤は、含硫黄化合物を添加
して化学熟成し、この化学熟成する前、熟成中、または
熟成後、少なくともl種のヒドロキシテトラザインデン
及びメルカプト基を有する含窒素ヘテロ環化合物の少な
くともl種を含有せしめてもよい。
【0151】ハロゲン化銀は、各々所望の感光波長域に
感光性を付与すろために、適当な増感色素をハロゲン化
銀lモルに対して5×10-5〜3×10-3モル添加して光学
増惑させてもよい。増感色素としては種々のものを用い
ることができ、また各々増感色素をl種または2種以上
組合せて用いることができる。
【0152】本発明において有利に使用される増感色素
としては、例えば次の如きものを挙げることができる。
【0153】即ち、青感性ハロゲン化銀乳剤に用いられ
る増感色素としては、例えば西独特許929,080号、米国
特許2,231,658号、同2,493,748号、同2,503,776号、同
2,519,001号、同2,912,329号、同3,656,959号、同3,67
2,897号、同3,694,217号、同4,025,349号、同4,046,572
号、英国特許l,242,588号、特公昭44―14030号、同52-2
4844号等に記載されたものを挙げることができる。特
に、特願平3-343348号に開示された色素が好ましく用い
られる。
【0154】また緑感性ハロゲン化銀乳剤に用いられる
増感色素としては、例えば米国特許l,939,201号、同2,0
72,908号、同2,7З9,149号、同2,945,763号、英国特詩5
05,979号等に記載されている如きシアニン色素、メロシ
アニン色素または複合シアニン色素をその代表的なもの
として挙げることができる。
【0155】更に、赤感性ハロゲン化銀乳剤に用いられ
る増感色素としは、例えば米国特詩2,269,234号、同2,2
70,378号、同2,442,710号、同2,454,629号、同2,776,28
0号等に記載されている如きシアニン色素、メロシアニ
ン色素または複合シアニン色素をその代表的なものとし
て挙げることができる。更にまた米国特許2,2l3,995
号、同2,493,748号、同2,519,001号、西独特許929,080
号等に記載されている如きシアニン色素、メロシアニン
色素または複合シアニン色素を緑感性ハロゲン化銀乳剤
または赤感性ハロゲン化銀乳剤に有利に用いることがで
きる。
【0156】これらの増感色素は単独で用いてもよく、
またこれらを組合せて用いてもよい。
【0157】必要に応じてシアニン或いはメロシアニン
色素の単用または組合せによる分光増感法にて所望の波
長域に光学増感がなされていてもよい。
【0158】特に好ましい分光増感法として代表的なも
のは例えば、ベンズイミダゾロカルボシアニンとベンゾ
オキサゾロカルボシアニンとの組合せに関する特公昭43
-4936号、同43-22884号、同45-18433号、同47-37443
号、同48-28293号、同49-6209号、同53-12375号、特開
昭52-23931号、同52-51932号、同54-80118号、同58-153
926号、同59-116646号、同59-116647号等に記載の方法
が挙げられる。
【0159】また、ベンズイミダゾール核を有したカル
ボシアニンと他のシアニン或いはメロシアニンとの組合
せ関するものとしては例えば特公昭45-25831号、同47-1
1114号、同47-25379号、同48-38406号、同48-38407号、
同54-34535号、同55-l569号、特開昭50-33220号、同50-
38526号、同51-l07127号、同51-1l5820号、同51-135528
号、同52-104916号、同52-1049l7号等が挙げられる。
【0160】更にべンゾオキサゾロカルボシアニン(オ
キサ・カルボシアニン)と他のカルボシアニンとの組合
せに関するものとしては、例えば特公昭44-32753号、同
46-11627号、特開昭57-1483号、メロシアニンに関する
ものとしては例えば特公昭48-38408号、同48-41204号、
同50-40662号、特開昭56-25728号、同58-10753号、同58
-91445号、同59-116645号、同50-33828号等が挙げられ
る。
【0161】また、チアカルボシアニンと他のカルぼシ
アニンとの組合せに関するものとしては、例えば特公昭
43-4932号、同43-4933号、同45-26470号、同46-l8107
号、同47-8741号、特開昭59-114533号等があり、更にゼ
ロメチンまたはジメチンメロシアニン、モノメチンまた
はトリメチンシアニン及びスチリール染料を用いる特公
昭49-6207号に記載の方法を有利に用いることができ
る。
【0162】これらの増感色素を添加するには予め色素
溶液として例えばメチルアルコール、エチルアルコー
ル、アセトン、ジメチルフォルムアミド、或いは特公昭
50―40659号記載のフッ素化アルコール等の親水性有機
溶媒に溶解して用いられる。
【0163】添加の時期はハロゲン化銀乳剤の化学熟成
開始時、熟成中、熟成終了時の任意の時期でよく、場合
によって乳剤塗布直前の工程に添加してもい。
【0164】本発明において特に好ましい増感色素の組
合せは、特願平3-109171に開示の組合せである。すなわ
ち、非対称型シアニン色素のうち少なくとも1種と前記
色素を構成する複素環核のそれぞれを有する対称型シア
ニン色素との組合せが好ましい。
【0165】本発明のカラー感光材料には種々のハロゲ
ン化銀乳剤を用いることができる。ハロゲン化銀乳剤の
製造方法及び製造において使用される添加剤は、リサー
チ・ディスクロージャーNo.17643、同No.18716及び同N
o.308119(それぞれ、以下RD17643、RD18716及びRD3081
19と略す)に記載されている。以下にRD308119について
の記載内容と記載箇所を示す。
【0166】 〔項 目〕 〔RD308119の頁〕 沃度組成 993 I−A項 製造方法 993 I−A項 及び 994 E項 晶癖 正常晶 993 I−A項 双晶 993 I−A項 エピタキシャル 993 I−A項 ハロゲン組成 一様 993 I−B項 一様でない 993 I−B項 ハロゲンコンバージョン 994 I−C項 ハロゲン置換 994 I−C項 金属含有 994 I−D項 単分散 995 I−F項 溶媒添加 995 I−F項 潜像形成位置 表面 995 I−G項 内部 995 I−G項 適用感材ネガ 995 I−H項 ポジ(内部カブリ粒子含) 995 I−H項 乳剤を混合して用いる 995 I−J項 脱塩 995 II−A項 本発明において用いるハロゲン化銀乳剤は、物理熟成、
化学熟成及び分光増感を行うことができる。このような
工程で使用される添加剤は、RD17643、RD18716及びRD30
8119に記載されている。以下にその記載箇所を示す。
【0167】 〔項 目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 〔RD18716〕 化学増感剤 996 III−A項 23 648 分光増感剤 996 IV−A-A,B,C,D,H,I,J項 23〜24 648〜9 強色増感剤 996 IV−A−E,J項 23〜24 648〜9 カブリ防止剤 998 VI 24〜25 649 安定剤 998 VI 24〜25 649 本発明に使用できる公知の写真用添加剤も上記リサーチ
・ディスクロージャに記載されている。以下にその関連
のある記載箇所を示す。
【0168】イエロー色素形成カプラーとしては、公知
のアシルアセトアニリド系カプラーを好ましく用いるこ
とができる。これらのうち、ベンゾイルアセトアニリド
系及びピバロイルアセトアニリド系化合物は有利であ
る。
【0169】用い得る黄色カプラーの具体例は、英国特
許1,077,874号、 特公昭45‐40757号、特開昭47‐1031号、
同47‐26133号、 同48‐94432号、 同50‐87650号、 同51
‐3631号、同52‐115219号、 同54‐99433号、 同54‐133
329号、 同56‐30127号、 米国特許2,875,057号、同3,25
3,924号、同3,265,506号、 同3,408,194号、同3,551,155
号、同3,551,156号、 同3,664,841号、同3,725,072号、
同3,730,722号、 同3,891,445号、同3,900,483号、同3,9
29,484号、 同3,933,500号、同3,973,968号、同3,990,89
6号、 同4,012,259号、同4,022,620号、同4,029,508号、
同4,057,432号、同4,106,942号、同4,133,958号、 同4,2
69,936号、同4,286,053号、同4,304,845号、同4,314,023
号、同4,336,327号、同4,356,258号、 同4,386,155号、
同4,401,752号等に記載されたものである。
【0170】マゼンタ色素形成カプラとしては、5─ピ
ラゾロン系カプラー、ピラゾロベンツイミダゾール系カ
プラー、ピラゾロアゾール系カプラー、開鎖アシルアセ
トニトリル系カプラーを好ましく用いることができる。
【0171】有利に用い得るマゼンタカプラーの具体例
は、特願昭58-164882号、 同58-167326号、 同58-206321
号、 同58-214863号、 同58-217339号、 同59-24653号、 特
公昭40―6031号、 同40-6035号、 同45-40757号、 同47-27
411号、 同49―37854号、特開昭50―13041号、 同51―265
41号、 同51―37646号、同51―105820号、 同52―42121
号、 同53―123129号、 同53―125835号、 同53―129035
号、 同54―48540号、 同56-29236号、 同56-75648号、 同5
7-17950号、 同57―35858号、 同57―146251号、 同59―99
437号、 英国特許1,252,418号、 米国特許2,600,788号、
同3,005,712号、同3,062,653号、 同3,127,269号、同3,2
14,437号、同3,253,924号、 同3,311,476号、同3,419,39
1号、同3,519,429号、 同3,558,319号、同3,582,322号、
同3,615,506号、 同3,658,544号、同3,705,896号、同3,7
25,067号、 同3,758,309号、同3,823,156号、同3,834,90
8号、 同3,891,445号、同3,907,571号、同3,926,631号、
同3,928,044号、同3,935,015号、同3,960,571号、 同4,0
76,533号、同4,133,686号、同4,237,217号、 同4,241,16
8号、同4,264,723号、同4,301,235号、 同4,310,623号等
に記載されたものである。
【0172】特に好ましいマゼンタカプラーとしては、
下記一般式〔M−I〕で示されるものである。
【0173】
【化9】
【0174】〔式中、R1及びR2は水素原子または置換
基を表す。
【0175】X1は水素原子または発色現像主薬の酸化
体との反応により離脱しうる基を表す〕本発明に係る前
記一般式〔M−I〕で表されるマゼンタカプラーについ
て詳しく説明する。
【0176】一般式〔M−I〕において、R1及びR2
水素原子または置換基を表す。
【0177】R1及びR2の表す置換基としては特に制限
はないが、代表的には、アルキル、アリール、アニリ
ノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、ア
リールチオ、アルケニル、シクロアルキル等の各基が挙
げられるが、この他にハロゲン原子及びシクロアルケニ
ル、アルキニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、
ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、
シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、
シロキシ、アシルオキシ、カルバモイルオキシ、アミ
ノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイ
ルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキ
シカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリール
オキシカルボニル、複素環チオの各基、ならびにスピロ
化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等も挙げられる。
【0178】R1及びR2で表されるアルキル基として
は、炭素数1〜32のものが好ましく、直鎖でも分岐でも
よい。R1及びR2で表されるアリール基としては、フェ
ニル基が好ましい。
【0179】R1及びR2で表されるアシルアミノ基とし
ては、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニ
ルアミノ基等が挙げられる。
【0180】R1及びR2で表されるスルホンアミド基と
しては、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホ
ニルアミノ基等が挙げられる。
【0181】R1及びR2で表されるアルキルチオ基、ア
リールチオ基におけるアルキル成分、アリール成分は上
記Rで表されるアルキル基、アリール基が挙げられる。
1及びR2で表されるアルケニル基としては、炭素数2
〜32のもの、シクロアルキル基としては炭素数3〜12、
特に5〜7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖でも
分岐でもよい。
【0182】R1及びR2で表されるシクロアルケニル基
としては、炭素数3〜12、特に5〜7のものが好まし
い。
【0183】R1及びR2で表されるスルホニル基として
はアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等;ス
ルフィニル基としてはアルキルスルフィニル基、アリー
ルスルフィニル基等;ホスホニル基としてはアルキルホ
スホニル基、アルコキシホスホニル基、アリールオキシ
ホスホニル基、アリールホスホニル基等;アシル基とし
てはアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基等;
カルバモイル基としてはアルキルカルバモイル基、アリ
ールカルバモイル基等;スルファモイル基としてはアル
キルスルファモイル基、アリールスルファモイル基等;
アシルオキシ基としてはアルキルカルボニルオキシ基、
アリールカルボニルオキシ基等;カルバモイルオキシ基
としてはアルキルカルバモイルオキシ基、アリールカル
バモイルオキシ基等;ウレイド基としてはアルキルウレ
イド基、アリールウレイド基等;スルファモイルアミノ
基としてはアルキルスルファモイルアミノ基、アリール
スルファモイルアミノ基等;複素環基としては5〜7員
のものが好ましく、具体的には2-フリル基、2-チエニル
基、2-ピリミジニル基、2-ベンゾチアゾリル基等;複素
環オキシ基としては5〜7員の複素環を有するものが好
ましく、例えば3,4,5,6-テトラヒドロピラニル-2-オキ
シ基、1-フェニルテトラゾール-5-オキシ基等;複素環
チオ基としては、5〜7員の複素環チオ基が好ましく、
例えば2-ピリジルチオ基、2-ベンゾチアゾリルチオ基、
2,4−ジフェノキシ−1,3,5-トリアゾール-6-チオ基等;
シロキシ基としてはトリメチルシロキシ基、トリエチル
シロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基等;イミド基と
してはコハク酸イミド基、3-ヘプタデシルコハク酸イミ
ド基、フタルイミド基、グルタルイミド基等;スピロ化
合物残基としてはスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル等;有
橋炭化水素化合物残基としてはビシクロ[2.2.1]ヘプ
タン-1-イル、トリシクロ[3.3.1.137]デカン-1-イ
ル、7,7-ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-イル
等が挙げられる。
【0184】X1の表す発色現像主薬の酸化体との反応
により離脱しうる基としては、例えばハロゲン原子(塩
素原子、臭素原子、弗素原子等)及びアルコキシ、アリ
ールオキシ、複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニル
オキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシ
カルボニル、アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオ
キザリルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環
チオ、アルキルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミ
ノ、スルホンアミド、N原子で結合した含窒素複素環、
アルキルオキシカルボニルアミノ、アリールオキシカル
ボニルアミノ、カルボキシル等の各基が挙げられる。
【0185】以下に一般式〔M−I〕で表されるマゼン
タカプラーの代表的具体例を示す。
【0186】
【化10】
【0187】
【化11】
【0188】一般式〔M−I〕で表されるマゼンタカプ
ラー(以下、マゼンタカプラー〔M−I〕というはジャ
ーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイアティ(Journal
of the Chemical Society)、パーキン(Perkin)I(1
977)、2047〜2052、米国特許3,725,067号、特開昭59-9
9437号、同58-42045号、同59-162548号、同59-171956
号、同60-33552号、同60-43659号、同60-172982号、同6
0-190779号、同62-209457号及び同63-307453号等を参考
にして合成することができる。
【0189】マゼンタカプラー〔M−I〕は、通常ハロ
ゲン化銀1モル当り1×10-3モル〜1モル、好ましくは
1×10-2モル〜8×10-1モルの範囲で用いることができ
る。本発明において、マゼンタカプラー〔M−I〕は緑
感性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層に含有され
る。
【0190】マゼンタカプラー〔M−I〕をハロゲン化
銀乳剤層中に含有せしめるためには、従来公知の方法、
例えば公知のジブチルフタレート、トリクレジルホスフ
ェート等のごとき高沸点溶媒と酢酸ブチル、酢酸エチル
等のごとき低沸点溶媒の混合液にマゼンタカプラー〔M
−I〕を単独で、あるいは2種以上併用して溶解せしめ
た後、界面活性剤を含むゼラチン水溶液と混合し、次い
で高速回転ミキサーまたはコロイドミルもしくは超音波
分散機を用いて乳化分散させた後、乳剤中に直接添加す
る方法を採用することができる。また、上記乳化分散液
をセットした後、細断し、水洗した後、これを乳剤に添
加してもよい。
【0191】シアン色素形成カプラーとしては、 ナフト
ール系カプラー、フェノール系カプラーを好ましく用い
ることができる。
【0192】有利に用い得るシアンカプラーの具体例
は、英国特許1,038,331号、 同1,543,040号、 特公昭48―
36894号、 特開昭48―59838号、 同50―137137号、同51―
146828号、 同53-105226号、 同54-115230号、同56-29235
号、 同56―104333号、同56―126833号、 同57―133650
号、 同57―155538号、 同57―204545号、同58―118643
号、同59―31953号、 同59―31954号、 同59―59656号、 同
59―124341号、 同59―166956号、 米国特許2,369,929号、
同2,423,730号、 同2,434,272号、同2,474,293号、 同2,6
98,794号、 同2,772,162号、同2,801,171号、 同2,895,82
6号、同3,253,924号、同3,311,476号、同3,458,315号、
同3,476,563号、同3,591,383号、同3,737,316号、同3,7
58,308号、同3,767,411号、 同3,790,384号、同3,880,66
1号、同3,926,634号、 同4,004,929号、同4,009,035号、
同4,012,258号、 同4,052,212号、同4,124,396号、同4,1
34,766号、 同4,138,258号、同4,146,396号、同4,149,88
6号、 同4,178,183号、同4,205,990号、同4,254,212号、
同4,264,722号、同4,288,532号、同4,296,199号、 同4,2
96,200号、同4,299,914号、同4,333,999号、 同4,334,01
1号、同4,386.155号、同4,401,752号、 同4,427,767号等
に記載されたものである。
【0193】特に好ましいシアンカプラーとしては、ウ
レイドフェノール系シアンカプラーである。
【0194】ウレイドフェノール系シアンカプラとは、
2位にウレイド基を有するフェノール系シアンカプラを
いい、下記一般式〔CU〕で表されるものが好ましい。
【0195】
【化12】
【0196】一般式〔CU〕 式中、X1は水素原子又は芳香族第1級アミン発色現像
主薬とのカップリングにより離脱しうる基を表す。R1
はアリール基又はヘテロ環基を表し、R2は脂肪族基又
はアリール基を表し、R1又はR2で表される各基は置換
基を有するものを含み、R1又はR2により2量体以上の
多量体を形成するものを含み、R1,R2は単独で又は共
同して、一般式〔CU〕で表されるカプラー及び該カプ
ラーから形成される色素に耐拡散性を付与するに必要な
形状又は大きさを有する。
【0197】R1又はR2で表されるアリール基として
は、例えばフェニル基及びナフチル基が挙げられる。
【0198】R1又はR2で表される基の置換基として
は、例えばハロゲン原子ならびにニトロ、シアノ、アル
キル、アリール、アミノ、ヒドロキシ、アシル、アルコ
キシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキル
スルホニル、アリールスルホニル、アルコキシスルホニ
ル、アリールオキシスルホニル、カルバモイル、スルフ
ァモイル、アシルオキシ、カルボンアミド、スルホンア
ミドの各基が挙げられ、該置換基の数は1〜5が好まし
く、2以上のとき、各置換基は同じでも異なってもよ
い。
【0199】R1への置換基として好ましいのは、ハロ
ゲン原子、アルキルスルホニル基、シアノ基である。
【0200】R2として好ましいのは、下記一般式〔C
U―II〕で示されるものである。
【0201】
【化13】
【0202】式中、Jは酸素原子又は硫黄原子を表す。
kは0〜4の整数、lは0又は1を示し、kが2以上の
場合、複数個のR4は同一でも異なっていてもよい。R3
はアルキレン基を表し、R4は置換基を表す。
【0203】R4で表される置換基としては、例えば、
アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヒ
ドロキシ、アシルオキシ、アルキルカルボニルオキシ、
アリールカルボニルオキシ、カルボキシ、アルコキシカ
ルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキルチオ、
アシル、アシルアミノ、スルホンアミド、カルバモイ
ル、スルファモイル等の各基が挙げられる。
【0204】X1で表される離脱基としては、例えばハ
ロゲン、酸素原子又は窒素原子が直接カップリング位に
結合しているアリールオキシ基、アルコキシ基、アシル
オキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、スルホン
アミド基、コハク酸イミド基等が挙げられ、更には具体
的な例としては、米国特許3,476,563号、 同3,749,735
号、 特開昭47‐37425号、 特公昭48‐36894号、 特開昭50
‐10135号、 同50‐117422号、 同50‐130441号、 同51‐1
08841号、 同50‐120334号、 同52‐18315号、 同53-10522
6号等に記載されているものが挙げられる。2位にウレイ
ド基を有するフェノール系シアンカプラは、他のシアン
カプラと併用してもよく、その際の使用比率は10モル%
以上であることが好ましい。
【0205】次に2位ウレイド基を有するフェノール系
カプラの具体例を示すが、これに限定されるものではな
い。
【0206】
【化14】
【0207】
【化15】
【0208】上記例示した以外の、ウレイド基を有する
フェノール系カプラのその他の具体例としては、例えば
特開昭56‐65134号、 同57‐204543号、 同57‐204544号、
同57‐204545号、 同58‐33249号、 同58‐33253号、 同5
8‐98731号、 同58‐118643号、 同58‐179838号、 同58‐
187928号、 同59‐65844号、 同59‐71051号、 同59‐8604
8号、 同59‐105644号、 同59‐111643号、 同59‐111644
号、 同59‐131939号、同59‐165058号、 同59‐177558号、
同59‐180559号、同59‐198455号、 同60‐35731号、 同
60‐37557号、同60‐49335号、 同60‐49336号、 同60‐5
0533号、 同60‐91355号、同60‐107649号、 同60‐10765
0号、同61‐2757号、同61-18948号、同61-20039号、同6
1-42658号、同61-56348号、同61-65241号、同61-72244
号、同61-72245号、同61-75350号、同61-75351号、同62
-173467号、同63-33745号、同63-159848号、同63-16145
0号、同63-161451号、特開平1-172751号、同1-172952
号、同1-172953号、同1-172954号、同1-219747号、同1-
253738号、同1-253739号、同1-253740号、同1-253741
号、同1-253742号、同1-253743号、同1-254756号RD-30,
164等の各公報に記載のものが挙げられる。ウレイド基を
有するフェノール系カプラの添加量は、 通常好ましくは
ハロゲン化銀1モル当り1.0×10-3モル〜1.0モル、 より
好ましくは5.0×10-3モル〜8.0×10-1モルの範囲であ
る。本発明においては、写真構成層中にカラードカプラ
ーを添加して主にマスキング特性を調整することができ
る。カラードカプラーとしては公知のものがすべて利用
できるが、カラードマゼンタカプラーとしては特公昭55
-30615号、米国特許5,001,262号、特開平4-16939号に示
されるようなピラゾロン環の1位に5つの塩素原子で置
換されたフェニル基を有するものが好ましく、特に下記
一般式〔CM〕で示されるものが好ましい。
【0209】
【化16】
【0210】〔式中、R1は置換基を表し、R3はハロゲ
ン原子又はアルコキシ基を表し、R2はカルボキシアミ
ド基、スルホンアミド基、イミド基、カルバモイル基、
スルファモイル基、アルコキシカカルボニル基又はアル
コキシカルボキシアミド基を表す。mは0〜5、nは0
〜4の整数を表す。
【0211】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0212】R1で表される置換基としては、例えばア
ルキル基、アルコキシ基、アリール基、アシルアミノ
基、スルホンアミド基、ヒドロキシル基、ハロゲン原
子、スルファモイル基、カルボキシル基等が挙げられ、
これらの基はさらに置換基を有してもよい。
【0213】R1は好ましくはアルキル基、アルコキシ
基、ヒドロキシルル基又はアシルアミノ基であり、最も
好ましくはアルコキシ基である。
【0214】R3で表されるハロゲン原子としては、例
えば塩素原子、臭素原子、弗素原子であり、又、アルコ
キシ基としては例えばメトキシ基、ドデシル基を挙げる
ことができる。R3としては好ましくは塩素原子であ
る。
【0215】R2で表されるカルボキシアミド基として
は、例えば2,4-ジ-t-ペンチルフェノキシアセトアミド
基があり、又、スルホンアミド基としては、例えば4-ド
デシルオキシフェニルスルホンアミド基、例えばオクダ
デセニルサクシンイミド基があり、カルバモイル基とし
ては、例えば4-(2,4-ジ-t-ペンチルフェノキシ)ブチル
アミノカルボニル基が挙げられ、スルファモイル基とし
ては、例えばテトラデカンスルファモイル基が挙げら
れ、アルコキシカルボニル基としては、例えばテトラデ
カンオキシカルボニル基が挙げられ、又アルコキシカル
ボキシアミド基としては、例えばドデシルオキシカルボ
キシアミド基を挙げることができる。
【0216】R2として好ましくはカルボキシアミド基
であり、R3に対してp位に置換している。又、mは好
ましくは1又は2であり、nは1である。
【0217】以下、本発明に係る前記一般式〔CM〕で
示される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれによ
り限定されるものではない。
【0218】
【化17】
【0219】
【化18】
【0220】
【化19】
【0221】本発明においては、写真構成中に含フッ素
界面活性剤を添加することが好ましく、特に表面保護層
にアニオン型含フッ素界面活性剤とカチオン型含フッ素
界面活性剤を組合せて添加することが好ましい。
【0222】本発明に於いて好ましく用いられる含フッ
素アニオン界面活性剤としては次の一般式〔FA〕で示
されるものが挙げられる。
【0223】
【化20】
【0224】式中、Cfは少なくとも3個のフッ素原子
と少なくとも2個の炭素原子を含むn価の基で表し、Y
は-COOM-,-SO3M,-OSO3M又は-P(=O)(OM)2を表し、こ
こでMは水素原子、又はアルカリ金属原子、もしくはア
ンモニウム基を表し、lは1又は2である。
【0225】さらに好ましく用いられる含フッ素アニオ
ン界面活性剤としては次の一般式〔FA′〕で示される
ものが挙げられる。
【0226】
【化21】
【0227】式中Rfは炭素原子数3〜30のフッ素置換
アルキル基又はアリール基を表し、Dは-O-,-COO-,-C
ON(R1)-又は-SO2N(R1)-なる結合を少なくとも一つ含む
炭素原子数1〜12の2価の基を表し、ここでR1は炭素
原子数1〜5のアルキル基を表し、tは1又は2であ
り、そしてYは-COOM-,-SO3M,-OSO3M又は-P(=O)(OM)
2を表しここでMは水素原子又はアルカリ金属原子もし
くはアンモニウム基を表す。
【0228】次に化合物の具体例を挙げるが、本発明は
これらに限定されない。
【0229】
【化22】
【0230】本発明に用いられる含フッ素カチオン界面
活性剤は下記一般式〔FK〕で表される化合物である。
【0231】一般式〔FK〕 Rh−T−X+- ただし、Rhは炭素数1〜20個の炭化水素基であり、少
なくとも1つの水素原子はフッ素原子で置換されてい
る。Tは化学結合手または2価基を表す。X+はカチオ
ン性基、Z-はカウンターアニオンを表す。
【0232】Rhの例としては−CnF2n+1,(n=1〜1
0,特に3〜12),HCmF2m−,−CmF2m-1,−C3mF6m
-1(m=1〜4)を挙げることができる。
【0233】Tの例としては、
【0234】
【化23】
【0235】を挙げることができる。
【0236】又、X+の例としては、
【0237】
【化24】
【0238】を挙げることができる。
【0239】R′は水素原子又はヒドロキシル基で置換
されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
【0240】A′はアルキレン基、アリーレン基を表
し、pは0〜6、qは1〜20を表す。
【0241】Z-の例としては、
【0242】
【化25】
【0243】を挙げることができる。
【0244】以下に本発明の好ましく用いられる含フッ
素カチオン性界面活性剤の具体例を挙げる。
【0245】
【化26】
【0246】本発明では特に難溶性のスルホンアミドタ
イプの含フッ素界面活性剤をアニオン界面活性剤と同一
層に使用することがさらに好ましい。ここで難溶性とは
23℃の100ccの純水に該界面活性剤を2g添加し、1時
間撹拌し、23℃で24時間放置した後に沈澱物を生じた
り、浮遊物が観察されたときに難溶性とする。例えばF
K−1,FK−8、FK−15、FK−16等が相当する
が、これらに限られるわけではなく上記のテストにより
分けることができる。
【0247】本発明にかかる含フッ素アニオン界面活性
剤あるいは本発明にかかる含フッ素カチオン界面活性剤
は、例えば米国特許2,559,751号、同2,567,011号、 同2,
732,398号、 同2,764,602号、 同2,806,866号、 同2,809,9
98号、 同2,915,376号、 同2,915,528号、 同2,934,450号、
同2,937,098号、 同2,957,031号、 同3,472,894号、 同3,
555,089号、 同2,918,501号、 英国特許1,143,927号、 同
1,130,822号、 特公昭45-37304号、 特開昭47-9613号、 同
50-121243号、 同50-117705号、 同49-134614号、同50-117
727号、 同52-41182号、 同51-12392号の各明細書、英国
化学会誌(J.Chem.Soc.)1950年第2789頁、 同1957年第2
574頁及び第2640頁、米国化学会誌(J.Amer.Chem.Soc.)
79巻第2549頁(1957年)、 油化学(J.Japan.Oil Chemists
Soc.)第12巻653頁、有機化学会誌(J.Org.Chem.)第3
0巻3524頁(1965年)等に記載された方法によって合成
することができる。
【0248】本発明にかかるこれらの含フッ素界面活性
剤のうち、ある種のものは大日本インキ化学工業社から
メガファック(Megafac)Fなる商品名で、ミネソタ マ
イニングアンド マニファクチュア リング カンパニー
社からフルオラッド(Fluorad)FCなる商品名で、 イ
ンペリアル ケミカル インダストリー社からモンフロー
ル(Monflor)なる商品名で、イー・アイ・デュポン
(E.I.Dupont)ネメラス アンド カンパニー社からゾニ
ルス(Zonyls)なる商品名でまたはファルベベルケヘキ
スト社からリコベット(Licowet)VPFなる商品名で
それぞれ市販されている。
【0249】本発明に使用される含フッ素カチオン性界
面活性剤と含フッ素アニオン性界面活性剤のトータルの
使用量は1m2当たり0.1〜1000mgが良く、好ましくは0.
5〜300mg、さらに好ましくは1.0〜150mgが良い。併用す
る時にそれぞれ含フッ素カチオン性界面活性剤も含フッ
素アニオン性界面活性剤も2種以上ずつ併用しても構わ
ない。その他に含フッ素ノニオン性界面活性剤、含フッ
素ベタイン界面活性剤、炭化水素系界面活性剤を併用し
ても良い。
【0250】また本発明の含フッ素アニオン性界面活性
剤と含フッ素カチオン性界面活性剤の添加割合はモル比
で1:10〜10:1が好ましく、さらには3:7〜7:3
が好ましい。
【0251】本発明の含フッ素アニオン性界面活性剤及
び含フッ素カチオン性界面活性剤の添加場所は特に制限
はないが、表面保護層であることが好ましく、又、中間
製品の表面層でもよく、又、バック層を設ける場合には
バック層側表面層でもよい。ハロゲン化銀カラー写真感
光材料の写真感光材料の写真構成層(全親水性コロイド
層)の乾燥膜厚の総和(以下乳剤面の膜厚と記す)の下
限は、含まれるハロゲン化銀乳剤、カプラー、油剤、添
加剤などにより限界があり、好ましい乳剤面の膜厚は5
μm〜25μmであり、更に好ましくは10μm〜20μmであ
る。また、乳剤面の最表面から支持体に最も近い乳剤層
の下端までは14μm以下が好ましく、該乳剤層と感色性
が異なり該乳剤層の次に支持体に近い乳剤層の下端まで
は10μm以下が好ましい。
【0252】カラー感光剤料の薄層化の方法としては、
バインダーである親水性コロイドを減量する方法があ
る。ハロゲン化銀や高沸点溶剤申に溶解されているカプ
ラー微小油滴等を保持し、また機械的なストレスによる
カブリ上昇を防ぐ、また層間の現像主薬酸化体の拡散に
よる色濁りを防ぐ等の目的で親水性コロイドが添加され
ているため、それらの目的を損なわない範囲で減量する
ことが出来る。
【0253】薄層化の他の方法として、高発色性のカプ
ラーまたは分子吸光係数の高いカプラーを使用する方法
がある。
【0254】薄層化の他の方法として、高沸点溶剤を減
量する方法、異なる感色牲を有する層間の中間層に現像
主薬酸化体のスカベンジャーを添加する事により中間層
を薄層化する方法等が挙げられる。
【0255】ハロゲン化銀カラー写真感光材料の全乳剤
層中に含まれる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるハ
ロゲン化銀の総和は、10.0g/m2以下が好ましく、より
好ましくは2.5〜9.0g/m2、さらに好ましくは3.0〜8.
0g/m2、特に好ましくは3.5〜6.5g/m2である。
【0256】ハロゲン化銀カラー写真感光材料の支持体
上の乳剤層側に塗設された全親水性保護コロイド層現像
時の膨潤膜厚が乾燥時の膜厚の180%〜350%であること
が好ましく、特に好ましくは200%〜300%である。
【0257】この膨潤膜厚を調節する技術は当業者では
よく知られており、例えば硬膜剤の量、種類を適宜選択
することにより、行うことができる。
【0258】硬膜剤としては、アルデヒド系、アジリジ
ン系、(例えばPBレポート19,921、米国特許2,950,197
号、同2,964,404号、同2,983,311号、同3,271,175号の
各明細書、特公昭46-40898号、特開昭50-91315号の各公
報に記載のもの)、イソオキサゾール系(例えば米国特
許331,609号明細書に記載のもの)、エポキシ系(例え
ば米国特許3,047,394号、西独特許1,085,663号、英国特
許1,033,518号の各明細書、特公昭48-35495号公報に記
載のもの)、ビニールスルホン系(例えば、PBレポート
19,920号、西独特許1,100,942号、同2,337,412号、同2,
545,722号、同2,635,518号、同2,635,518号、同2,742,3
08号、同2,749,260号、英国特許1,251,091号、特願昭45
-54236号、同48-ll0996号、米国特許3,539,644号、同3,
490,911号の各明細書に記載のもの)、アクリロイル系
(例えば特願昭48-27949号、米国特許3,640,720号の各
明細書に記載のもの)、カルボジイミド系(例えば、米
国特許2,938,892号、同4,043,818号、同4,061,499号の
各明細書、特公昭46-38715号公報、特願昭49-15095号明
細書に記載のもの)、トリアジン系(例えば、西独特許
2,4l0,973号、同2,553,915号、米国特許3,325,287号の
各明細書、特開昭52-l2722号公報に記載のもの)、高分
子型(例えば、英国特許822,061号、米国特許3,623,878
号、同3,396,029号、同3,226,234号の各明細書、特公昭
47-18578号、同18579号、同47-48896号の各公報に記載
のもの)、その他マレイミド孫、アセチレン系、メタン
スルホン酸エステル系、(N-メチロール系;)の硬膜剤
が単独または組合せて使用できる。有用な組合わせ技術
として、例えば西独特許2,447,587号、同2,505,746号、
同2,514,245号、米国特許4,047,957号、同3,832,181
号、同3,840,370号の各明細書、特開昭48-43319号、同5
0-63062号、同52-l27329号、特公昭48-32364号の各公報
に記載の組合せが挙げられる。
【0259】本発明においては、カルボキシ活性型硬膜
剤によって硬膜されることが好ましい。カルボキシ活性
型硬膜剤については、特公昭56-12853号、同58-32699
号、特開昭49-51945号、同51-59625号、同61-9641号に
示されるカルバモイルアンモニウム塩系硬膜剤、ベルギ
ー特許825,726号に示されるカルバモイルオキシアンモ
ニウム塩系硬膜剤、特開昭60-225148号に示されるアミ
ジニウム系硬膜剤、特開昭51-126125号、同52-48311号
に示されるカルボジミド系硬膜剤、特公昭58-50699号、
特開昭57-44140号、同57-46538号、同52-54427号に示さ
れるピリジニウム塩型硬膜剤、その他特開昭50-38540
号、同52-93470号、同56-43353号、同58-113929号、米
国特許3,321,313号に記載された化合物なども好まし
い。
【0260】以下に、特に好ましいカルボキシ活性型硬
膜剤の具体例を示す。他の好ましい具体例としては、特
開平2-214852公報P.489〜495に示されるH−1〜H−8
2がある。
【0261】
【化27】
【0262】本発明において硬膜剤の使用量は、目的に
応じて任意に選ぶことができる。通常は乾燥ゼラチンに
対して0.01から20重量%までの範囲の割合で使用でき
る。とくに好ましくは0.05から15重量%までの範囲の割
合で使用する。
【0263】本発明において硬膜剤を用いる写真層には
ゼラチン含有層であれば特に限定はなく、ハロゲン化銀
乳剤層はもとより非感光性層、例えば下塗り層、バック
層、フィルター層、中間層、オーバーコート層等のいか
なるゼラチン含有写真層にも用いることができる。
【0264】上記硬膜剤は単独で用いてもよく、また2
種以上を混合して用いてもよい。またこれまでに知られ
ている他の硬膜剤と併用して用いてもさしつかえない。
【0265】硬膜剤を含有するゼラチン含有層を含む写
真層を塗布して得られたハロゲン化銀写真感光材料は、
その保存条件によって硬膜速度が変化し、15℃〜45℃の
温度範囲とすることが好ましい。また感光材料の含水率
は、相対湿度50〜80%の平衡含水率になるように調節す
るのが好ましい。
【0266】上記保存温度と感光材料の含水率が低すぎ
ると硬膜速度が遅くなり好ましくない。逆に、温度と含
水率が高くなりすぎると写真特性に影響を与えることが
ある。 本発明において現像時の膨潤膜厚とは、38℃に
保温された下記の溶液中に3分間浸漬した後の厚さと定
義される。
【0267】 膨潤度測定用溶液 (発色現像液) 4‐アミノ‐3‐メチル‐N‐エチル‐N‐ (β‐ヒドロキシエチル) アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩(1水塩) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1リットルとする。
【0268】膨潤膜厚の測定は例えばエイ・グリーン・ア
ンド・アイ・ビー・レーベンソン・ジャーナル・オブ・フォト
グラフィック・サイエンス(J.Photogr.Sci.),20,205(1
972)記載の方法により測定できる。
【0269】乾燥膜厚とは、23℃,55%調湿下で測定し
た膜厚を意味する。また、各膜厚については、乾燥試料
の断面を操作型電子顕微鏡で拡大撮影し、各層の膜厚を
測定する。
【0270】上述の全親水性保護コロイド層としては、
前記の少なくとも1層ずつある青感性、緑感性及び赤感
性のハロゲン化銀乳剤層がある他、必要に応じて塗設さ
れる保護層、ハレーション防止層、イエロー フィルタ
ー層、中間層などが含まれる。
【0271】本発明による効果を特に発揮しうるハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料の層構成は支持体から順次コ
ロイド銀ハレーション防止層(中間層)赤感性層(中間
層)緑感性層(中間層)コロイド銀黄色フィルター層青
感性層(中間必層)保護層を塗布したものさらには支持
体から順次コロイド銀ハレーション防止層(中間層)赤
感性層(中間層)赤感性層(中間層)緑感性層(コロイ
ド銀黄色フィルター層)青感性層(中間層)保護層を塗
布した層構成である。
【0272】なお、( )中の層は省略していても良
い。
【0273】上記赤感性層、緑感性層及び青感性層の各
層は低感度と高感度の層に各々分割されていることが好
ましい。
【0274】また、特公昭49-15495号公報に記載されて
いる様な赤感性層、緑感性層、青感性層の少なくとも1
つを3つの部分層の分けた層構成、特開昭51-49027号公
報に記載されている様な高感度乳剤層単位と低感度乳剤
層単位に分けた層構成並びに西独公開公報2,622,922
号、同2,622,923号、同2,622,924号、同2,704,826号及
び同2,704,797号に記載されている様な層構成等が挙げ
られる。
【0275】また本発明においては、特開昭57-177551
号、同59-177552号、同59-180555号の各公報記載の層構
成を適用することも可能である。
【0276】ハロゲン化銀カラー写真感光材料の写真構
成層には、水溶性または発色現像液で脱色する染料(A
I染料)を添加することができ、該AI染料としては、
オキソノール染料、ヘミオキソノール染料、メロシアニ
ン染料及びアゾ染料が包含される。中でもオキソノール
染料、ヘミオキソノール染料及びメロシアニン染料等が
有用である。用い得るAI染料の例としては、英国特許
584,609号、同1,277,429号、特開昭48-85130号、同49-9
9620号、 同49-114420号、 同49-129537号、 同52-108115
号、同59-25845号、 同59-111640号、 同59-111641号、 米
国特許2,274,782号、 同2,533,472号、 同2,956,079号、
同3,125,448号、 同3,148,187号、 同3,177,078号、 同3,2
47,127号、 同3,260,601号、 同3,540,887号、 同3,575,70
4号、 同3,653,905号、 同3,718,472号、 同4,070,352号に
記載されているものを挙げることができる。
【0277】これらのAI染料は、一般に乳剤層中の銀
1モル当り2×10-3〜5×10-1モル用いることが好まし
い。
【0278】本発明において用いられるDIR化合物は
発色現像主薬の酸化体と反応して現像抑制剤を放出する
ことができる化合物である。
【0279】このようなDIR化合物の代表的なものと
しては、活性点から離脱したときに現像抑制作用を有す
る化合物を形成し得る基をカプラーの活性点に導入せし
めたDIRカプラーがあり、例えば英国特許935,454号、
米国特許3,227,545号、 同4,095,984号、 同4,149,886号
等に記載されている。上記のDIRカプラーは、発色現
像主薬の酸化体とカップリング反応した際に、カプラー
母核は色素を形成し、一方、現像抑制剤を放出する性質
を有する。また本発明では米国特許3,652,345号、同3,92
8,041号、 同3,958,993号、 同3,961,959号、同4,052,213
号、 特開昭53-110529号、 同54-13333号、 同55-161237号
等に記載されているような発色現像主薬の酸化体とカッ
プリング反応したときに、 現像抑制剤を放出するが、 色
素は形成しない化合物も含まれる。 更にまた、特開昭54-145135号、 同56-114946号及び同57
-154234号に記載のある如き発色現像主薬の酸化体と反
応したときに、 母核は色素あるいは無色の化合物を形成
し、一方、離脱したタイミング基が分子内求核置換反応
あるいは離脱反応によって現像抑制剤を放出する化合物
である所謂タイミングDIR化合物も本発明に含まれ
る。
【0280】また特開昭58-160954号、 同58-162949号に
記載されている発色現像主薬の酸化体と反応したとき
に、 完全に拡散性の色素を生成するカプラー母核に上記
の如きタイミング基が結合しているタイミングDIR化
合物を用いることができる。
【0281】更にDIR化合物以外に、現像にともなっ
て現像抑制剤を放出する化合物も本発明に用いることが
でき、例えば米国特許3,297,445号、 同3,379,529号、西
独特許出願(OLS)2,417,914号、特開昭52-15271号、 同
53-9116号、 同59-123838号、59-127038号等に記載のも
のが挙げられる。
【0282】感光材料に含有されるDIR化合物の量
は、銀1モルに対して1×10-4モル〜10×10-1モルの範
囲が好ましく用いられる。
【0283】本発明においては、コロイド銀を用いるこ
とによって、より良い効果を得ることができる。コロイ
ド銀としては、写真用で公知のものをすべて利用するこ
とができ、黄色コロイド銀、赤色コロイド銀、黒色コロ
イド銀等がある。
【0284】コロイド銀の添加位置は、感光材料中の感
光性層でも非感光性層でもよいが、低非感光性層が好ま
しい。コロイド銀の感光材料中における塗布量は0.001g
〜1.0g/m2、好ましくは0.005g/m2〜0.5g/m2、特に好ま
しくは0.01g/m2〜0.3g/m2である。
【0285】紫外線吸収剤としては下記一般式〔U〕で
示されるものが好ましい。
【0286】
【化28】
【0287】(上記一般式〔U〕において、R1,R2
びR3はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ルケニル基、ニトロ基又は水酸基を表す。)R1〜R3
表される各基は置換基を有するものも含む。
【0288】R1及びR2で表される基のうち、水素原
子、アルキル基、アルコキシ基及びアリール基が好まし
く、特に水素原子、アルキル基及びアルコキシ基が好ま
しい。R3で表される基のうち、特に水素原子、ハロゲ
ン原子、アルコキシ基が好ましい。
【0289】R1〜R3のうち、少なくとも1つはアルキ
ル基であることが好ましい。又、R1〜R3の少なくとも
1つは分岐アルキル基であることが好ましい。
【0290】代表的具体例を示す。
【0291】
【化29】
【0292】本発明においては、常温で液体の紫外線吸
収剤を用いることが有効である。これについては特開平
3-175443号公報P,323の一般式〔a〕で示される2-(2′
-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール系化合物が
好ましい。具体的化合物としては同公報P.323の例示化
合物a−1Lからa−27Lまでの27種が特に好ましい。
また同公報に示されるように、液体の紫外線吸収剤の少
なくとも1つと一般式〔I〕及び一般式〔II〕で示され
る紫外線吸収剤の少なくとも1とを組合せて用いること
はハロゲン化銀カラー感光材料の物理的特性を劣化させ
ることなく紫外線吸収効果を高めることができるという
点で本発明にも有効である。
【0293】一般式〔U〕で示される化合物の添加量
は、該化合物を添加する層のバインダーに対して0.1〜3
00重量%が好ましく、更に1〜200重量%が好ましい。
【0294】本発明のハロゲン化銀乳剤のバインダー
(又は保護コロイド)としては、ゼラチンを用いるのが
有利であるが、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子
のグラフトポリマー、それ以外の蛋白質、糖誘導体、セ
ルロース誘導体、単一あるいは共重合体の如き合成親水
性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができ
る。
【0295】ゼラチンとしては前述の各種ゼラチンを用
いることができる。
【0296】ゼラチン誘導体としては、ゼラチンに例え
ば酸ハライド、酸無水物、イソシアナート類、ブロモ酢
酸、アルカンサルトン類、ビニルスルホンアミド類、マ
レインイミド化合物類、ポリアルキレオンキシド類、エ
ポキシ化合物等、種々の化合物を反応させて得られるも
のが用いられる。その具体例は米国特許2,614,928号、同
3,132,945号、 同3,186,846号、 同3,312,553号、 英国特
許861,414号、同1,033,189号、 同1,005,784号、 特公昭4
2-26845号などに記載されている。本発明においては、前
述の如くゼラチンの中でもカルシウム含有量が少ない低
カルシウムゼラチンを用いることが好ましい。
【0297】蛋白質としては、アルブミン、カゼイン、
セルロース誘導体としては、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルロースの硫酸エ
ステル、又、糖誘導体としてはアルギン酸ナトリウム、
澱粉誘導体が好ましい。
【0298】前記ゼラチンと他の高分子のグラフトポリ
マーとしてはゼラチンにアクリル酸、メタアクリル酸そ
れらのエステル、アミドなどの誘導体、アクリロニトリ
ル、スチレンなどの如きビニル系モノマーの単一(ホモ)
又は共重合体をグラフトさせたものを用いることができ
る。殊に、ゼラチンと或る程度相溶性のあるポリマー、
例えばアクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、ヒドロキシアルキルメタクリレート等の重合体との
グラフトポリマーが好ましい。これらの例は、米国特許
2,763,625号、 同2,831,767号、 同2,956,884号などに記
載されている。代表的な合成親水性高分子物質は、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセター
ル、ポリ─N─ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポ
リメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミ
ダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一あるいは共重
合体等であり、例えば西独特許出願(OLS)2,312,708号、
米国特許3,620,751号、 同3,879,205号、 特公昭43-7561
号に記載のものである。本発明のハロゲン化銀乳剤を用
いた感光材料の写真乳剤層、その他の親水性コロイド層
は、バインダー(又は保護コロイド)分子を架橋させ、
膜強度を高める硬膜剤を1種又は2種以上用いることに
より硬膜することができる。硬膜剤は、処理液中に硬膜
剤を加える必要がない程度に感光材料を硬膜できる量添
加することができるが、処理液中に硬膜剤を加えること
も可能である。
【0299】硬膜剤としては、アルデヒド系、アジリジ
ン系(例えば、PBレポート19921号、米国特許2,950,197
号、同2,964,404号、同2,983,311号、同3,271,175号、
特公昭46‐40898号、特開昭50‐91315号に記載のも
の)、イソオキサゾール系(例えば、米国特許331,609号
に記載のもの)、エポキシ系(例えば米国特許3,047,394
号、西独特許1,085,663号、英国特許1,033,518号、特公
昭48‐35495号に記載のもの)、ビニールスルホン系(例
えば、PBレポート19920、西独特許1,100,942号、同2,33
7,412号、同2,545,722号、同2,635,518号、同2,742,308
号、同2,749,260号、英国特許1,251,091号、特願昭45‐
54236号、同48‐110996号、米国特許3,539,644号、同3,
490,911号に記載のもの)、アクリロイル系(例えば、
特願昭48‐27949号、米国特許3,640,720号に記載のも
の)、カルボジイミド系(例えば、米国特許2,938,892
号、同4,043,818号、同4,061,499号、特公昭46‐38715
号、特願昭49‐15095号に記載のもの)、トリアジン系
(例えば、西独特許2,410,973号、同2,553,915号、米国
特許3,325,287号、特開昭52‐12722号に記載のもの)、
高分子型(例えば、英国特許822,061号、米国特許3,62
3,878号、同3,396,029号、同3,226,234号、特公昭47‐1
8578号、同18579号、同47‐48896号のに記載のもの)、
その他マレイミド系、アセチレン系、メタンスルホン酸
エステル系、N‐メチロール系の硬膜剤が単独又は組み
合わせて使用できる。
【0300】有用な組合せ技術として、例えば西独特許
2,447,587号、同2,505,746号、同2,514,245号、米国特
許4,047,957号、同3,832,181号、同3,840,370号、特開
昭48‐43319号、同50‐63062号、同52‐127329号、特公
昭48‐32364号に記載の組合せが挙げられる。
【0301】本発明においては、特にビニルスルホン系
硬膜剤を用いることによって効果が高められる。
【0302】ビニルスルホン系硬膜剤とは、スルホニル
基に結合したビニル基或いはビニル基を形成しうる基を
有する化合物であり、好ましくはスルホニル基に結合し
たビニル基又はビニル基を形成しうる基を少なくとも二
つ有している。例えば、下記一般式〔VS―I〕で示さ
れる化合物が、本発明において好ましく用いられる。
【0303】一般式〔VS―I〕 L−(SO2−X)m 上記一般式〔VS―I〕において、Lはm価の連結基を
表し、Xは―CH=CH2又は―CH2CH2Yであり、Yは塩基に
よってHYの形で脱離しうる基、例えばハロゲン原子、ス
ルホニルオキシ基、スルホオキシ基(塩を含む)、3級
アミンの残基等を表す。mは2〜10の整数を表すが、m
が2以上の時―SO2―X は同じでも互いに異なっていて
もよい。
【0304】m価の連結基Lは、例えば脂肪族炭化水素
基(例えば、アルキレン、アルキリデン、アルキリジン
等、あるいはこれらが結合して形成される基)、芳香族
炭化水素基(例えば、アリーレン等、或いは、これらが
結合して形成される基)―O―,―NR′―(R′は水素原
子又は好ましくは1〜15個の炭素原子を有するアルキル
基を表す)、―S―,―N<,―CO,―SO―,―SO2―又は―SO
3―で示される結合を一つ、或いは複数組み合わせるこ
とにより形成されるm価の基であり、―NR′―を二つ以
上含む場合、それらのR′同士が結合して環を形成して
もよい。連結基Lは更に、ヒドロキシル基、アルコキシ
基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキル基又
はアリール基等の置換基を有するものも含む。
【0305】Xの具体例としては、―CH2=CH2又は―CH
2CH2Cl等が好ましい。
【0306】以下に、ビニルスルホン系硬膜剤の代表的
具体例を示す。
【0307】
【化30】
【0308】本発明に用いられるビニルスルホン系硬膜
剤は、例えば独国特許1,100,942号及び米国特許3,490,9
11号等に記載されている如き芳香族系化合物、特公昭44
‐29622号、同47‐25373号、同47‐24259号等に記載さ
れている如きヘテロ原子で結合されたアルキル化合物、
特公昭47‐8736号等に記載されている如きスルホンアミ
ド、エステル系化合物、特開昭49‐24435号等に記載さ
れている如き1,3,5‐トリス〔β‐(ビニルスルホニル)
プロピオニル〕‐ヘキサヒドロ‐s‐トリアジン或いは
特公昭50‐35807号、特開昭51‐44164号等に記載されて
いる如きアルキル系化合物及び特開昭59‐18944号等に
記載されている化合物等を包含する。
【0309】これらのビニルスルホン系硬膜剤は、水又
は有機溶剤に溶解し、バインダー(例えばゼラチン)に
対して0.005〜20重量%、好ましくは0.02〜10重量%用
いられる。
【0310】写真層への添加はバッチ方式或いはインラ
イン添加方式等が採用される。
【0311】これらの硬膜剤の写真層への添加の層は特
に限定されるものでは無く、例えば最上層1層、最下層
1層、或いは全層に添加してもよい。
【0312】本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材
料の写真乳剤層及び/又は他の親水性コロイド層には、
塗布性改良、帯電防止、スベリ性改良、乳化分散、接着
防止、写真特性(現像促進、硬膜化、増感等)改良等を
目的として、種々の界面活性剤を用いることができる。
【0313】アニオン性界面活性剤としては、例えばア
ルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、アルキル硫酸エステル類、アルキル燐酸エステル
類、N‐アシル‐N‐アルキルタウリン類、スルホコハク
酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキル
燐酸エステル類などのような、カルボキシル基、スルホ
基、ホスホ基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸
性基を含むものが好ましい。
【0314】両性界面活性剤としては、例えばアミノ酸
類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸
又は燐酸エステル類、アルキルベタイン類、アミンオキ
シド類等が好ましい。
【0315】カチオン性界面活性剤としては、例えばア
ルキルアミン塩類、脂肪族あるいは芳香族第4級アンモ
ニウム塩類、ピリジニウム、イミダゾリウムなどの複素
環第4級アンモニウム塩類及び脂肪族又は複素環を含む
ホスホニウム又はスルホニウム塩類等が好ましい。
【0316】ノニオン性界面活性剤としては、例えばサ
ポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体
(例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール/ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエチレン
グリコールアルキルエーテル類又はポリエチレングリコ
ールアルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコ
ールエステル類、ポリエチレングリコールソルビタンエ
ステル類、ポリアルキレングリコールアルキルアミン又
はアミド類、シリコンのポリエチレンオキサイド付加物
類)、グリシドール誘導体(例えばアルケニルコハク酸
ポリグリセリド、アルキルフェノールポリグリセリ
ド)、多価アルコールの脂肪酸エステル類、糖のアルキ
ルエステル類等が好ましい。
【0317】本発明においてはアニオン性界面活性剤が
より好ましく、特に前記S−1〜S−12に示されるもの
が特に好ましい。
【0318】本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた写真感
光材料の塗布に際して、塗布性を向上させるために増粘
剤を用いてもよい。
【0319】本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材
料には、フィルター層、ハレーション防止層、及び/又
はイラジエーション防止層等の補助層を設けることがで
きる。これらの層中及び/又は乳剤層中には現像処理中
に感光材料から流出するか、もしくは漂白される染料が
含有させられてもよい。
【0320】フィルター染料、あるいはイラジエーショ
ン防止その他種々の目的で用いられる染料には、オキサ
ノール染料、ヘミオキサノール染料、メロシアニン染
料、シアニン染料、スチリル染料、アゾ染料が含有され
る。なかでもオキサノール染料、ヘミオキサノール染料
及びメロシアニン染料が有用である。
【0321】用い得る染料の具体例は西独特許616,007
号、英国特許584,609号、同1,177,429号、特公昭26‐77
77号、同39‐22069号、同54‐38129号、特開昭48‐8513
0号、同49‐99620号、同49‐114420号、同49‐129537
号、同50‐28827号、同52‐108115号、同57‐185038
号、米国特許1,878,961号、同1,884,035号、同1,912,79
7号、同2,098,891号、同2,150,695号、同2,274,782号、
同2,298,731号、同2,409,612号、同2,461,484号、同2,5
27,583号、同2,533,472号、同2,865,752号、同2,956,87
9号、同3,094,418号、同3,125,448号、同3,148,187号、
同3,177,078号、同3,247,127号、同3,260,601号、同3,2
82,699号、同3,409,433号、同3,540,887号、同3,575,70
4号、同3,653,905号、同3,718,472号、同3,865,817号、
同4,070,352号、同4,071,312号、PBレポート74175号、P
HOTO.ABS. 1 28('21)等に記載されたものである。本発明
においては、感光材料のバインダーの膜物性を向上させ
たり、塗膜の接着性を向上させたり、寸度安定性を向上
させたり、更には現像特性を向上させる目的で、種々の
ポリマーラテックスを添加するのが好ましい。特に乳化
重合によって合成された水分散液型のものが好ましい。
【0322】ポリマーラテックスとして、モノマー化合
物が1種類のホモポリマーであってもよいが、異なる2
種類以上から成るいわゆるコポリマーの方が、その組合
せによってポリマーラテックスの特性をコントロールし
易いという点で好ましい。
【0323】本発明に用いるポリマーラテックスを構成
するモノマー化合物としては、エチレン性モノマー化合
物が好ましい。
【0324】これらのモノマー化合物について更に具体
的に示すと、アクリル酸エステル類としては、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、i-プロピルアクリレ
ート、n‐ブチルアクリレート、t‐ブチルアクリレー
ト、ヘキシルアクリレート、2‐エチルヘキシルアクリ
レート、シアノエチルアクリレート、2‐アセトキシエ
チルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、2
‐ヒドロキシエチルアクリレートなど;メタクリル酸エ
ステル類の例としては、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、n‐プロピルメタクリレート、n‐ブチ
ルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート、2‐ヒド
ロキシエチルメタクリレート、4‐ヒドロキシブチルメ
タクリレート、2‐エトキシエチルメタクリレートな
ど;ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテー
ト、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、安息香
酸ビニル、サリチル酸ビニルなどが挙げられる。
【0325】又、オレフィン類の例としては、ジシクロ
ペンタジエン、エチレン、プロピレン、1‐ブテン、1‐
ペンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、
クロロプレン、ブタジエン、2,3‐ジメチルブタジエン
等を挙げることができる。スチレン類としては、例え
ば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、ト
リメチルスチレン、エチルスチレン、クロロメチルスチ
レン、メトキシスチレンなどが挙げられる。
【0326】クロトン酸エステル類の例としては、クロ
トン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。
【0327】又、イタコン酸ジエステル類としては、例
えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタ
コン酸ジブチルなどが挙げられる。
【0328】マレイン酸ジエステル類としては、例え
ば、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸ジブチルなどが挙げられる。
【0329】フマル酸ジエステル類としては、例えば、
フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチ
ルなどが挙げられる。
【0330】アクリルアミド類としては、アクリルアミ
ド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、プ
ロピルアクリルアミド、ブチルアクリルアミド、ジメチ
ルアクリルアミドなど;メタクリルアミド類としては、
例えば、メタクリルアミド、メチルメタクリルアミド、
エチルメタクリルアミド、プロピルメタクリルアミド、
ブチルメタクリルアミドなど;アリル化合物としては、
例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、ラウリン酸ア
リル、安息香酸アリルなど;ビニルエーテル類として
は、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエー
テル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニル
エーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテルなど;
ビニルケトン類としては、例えば、メチルビニルケト
ン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケト
ンなど;ビニル異節環化合物としては、例えば、ビニル
ピリジン、N‐ビニルイミダゾール、N‐ビニルオキサゾ
リドン、N‐ビニルトリアゾール、N‐ビニルピロリドン
など;グリシジルエステル類としては、例えば、グリシ
ジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなど;不
飽和ニトリル類としては、例えば、アクリロニトリル、
メタクリロニトリルなどが挙げられる。 又、多官能性
モノマー、例えば、ジビニルベンゼン、メチレンビスア
クリルアミド、エチレングリコールジメタクリレートな
ども用いられる。更に、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、マレイン酸などが挙げられる。これらの酸は
アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムなど)又
はアンモニウムイオンの塩であってもよい。更にその他
のモノマー化合物としては、米国特許3,459,790号、同
3,438,708号、同3,554,987号、同4,215,195号、同4,24
7,673号、特開昭57‐205735号等に記載されている架橋
性モノマーを用いることができる。このような架橋性モ
ノマーの例としては、具体的にはN‐(2‐アセトアセト
キシエチル)アクリルアミド、N‐{2‐(2‐アセトアセト
キシエトキシ)エチル}アクリルアミド等を挙げることが
できる。 これらのモノマー化合物のうち、アクリル酸
エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル
類、スチレン類、オレフィン類が好ましく用いられる。
【0331】本発明のラテックスの合成法に関しては、
米国特許2,852,386号、同2,853,457号、同3,411,911
号、同3,411,912号、同4,197,127号、ベルギー特許688,
882号、同691,360号、同712,823号、特公昭45‐5331
号、特開昭60‐18540号、同51‐130217号、同58‐13783
1号、同55‐50240号等に詳しく記載されている。
【0332】本発明のラテックスの平均粒径は0.01〜0.
8μmが特に好ましく、0.005〜2.0μmのものであればい
づれも使用することができる。
【0333】又、分子量の規定は特にはないが、1,000
〜1,000,000、好ましくは2,000〜500,000である。又、
ガラス転移温度は−40〜150℃であり、好ましくは−40
〜20℃である。
【0334】本発明のラテックスは、そのまま或は水に
分散させて写真構成層に含有することができる。該ラテ
ックスの含有量は、写真構成層バインダーに対し5〜60
重量%添加するのが好ましい。添加場所としては感光性
層、非感光性層を問わないが感光性層がより好ましい。
【0335】本発明においては、高沸点溶媒分散物を添
加することが好ましい。
【0336】本発明に使用される高沸点溶媒とは、沸点
150℃以上、好ましくは200℃〜400℃のものである。
本発明において使用される高沸点溶媒としては、例えば
下記に詳述するような無機酸エステル、有機酸エステ
ル、多価アルコールエステル、エポキシ化油類等を挙げ
ることができる。
【0337】無機酸エステル類としては例えば燐酸エス
テルを挙げることができ、具体的にはトリエチルホスフ
ェート、トリブチルホスフェート、トリ‐n‐オクチル
ホスフェート、ジフェニル‐n‐オクチルホスフェー
ト、ブチル‐2‐キシレニルホスフェート、トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2‐エチ
ルヘキシルジフェニルホスフェート等がある。有機酸エ
ステルとしては、まず低級脂肪酸エステルを挙げること
ができ、例えばクエン酸エステルがあり、具体的にはト
リブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、
トリエチルシトレート、アセチルトリエチルシトレー
ト、トリシクロヘキシルシトレート、アセチルトリオク
チルシトレート、アセチルオクチルデシルシトレート等
がある。
【0338】又、有機酸エステルの高級脂肪酸エステル
に属するものとしては、例えばステアリン酸ブチル、オ
レイン酸メトキシエチル、アセチルリシノール酸メチ
ル、アセチルリシノール酸エチル、アセチルリシノール
酸メトキシエチル等を挙げることができる。更に本発明
においては上記有機酸エステルとしては脂肪族、芳香族
の2価の有機酸エステルが含まれる。
【0339】脂肪族の2価の有機酸エステルとしては、
例えばジブチルアジペート、ジ‐2‐エチルヘキシルア
ジペート、ジ‐n‐オクチルアジペート、ジ‐n‐オクチ
ルセバケート、ジブチルセバケート、ジ‐2‐エチルヘ
キシルアゼレート、ジ‐i‐デシルアジペート等があ
り、又、芳香族の2価の有機酸エステルとしては、例え
ばフタール酸エステル類があり、ジメチルフタレート、
ジ-i-イソプロピルフタレート、ジエチルフタレート、
ジブチルフタレート、ジブチルテレフタレート、ブチル
ベンジルフタレート、ジブトキシエチルフタレート、ジ
ヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジ
‐n‐ヘプチルフタレート、ジ‐n‐オクチルフタレー
ト、ジ‐2‐エチルヘキシルフタレート、ジ‐2‐エチル
ヘキシルテレフタレート、ジ-2-エチルヘキシルイソフ
タレート、ジ‐n‐ノニルフタレート、ジ‐n‐ノニルイ
ソフタレート、ブチルシクロヘキシルフタレート、ジブ
チルテトラクロロフタレート、ジブチルイソフタレー
ト、ジカプリルフタレート、ジ‐2‐メトキシエチルフ
タレート、ジイソブチルフタレート等を挙げることがで
きる。
【0340】更には多価アルコールエステルとしては、
例えばグリコールエステル類が主たるもので、具体的に
はエチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリル
ブチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレー
ト等を初めとして、ジエチレングリコールジベンゾエー
ト、ジプロピレングリコールジベンゾエート、更に庶糖
ベンゾエート等を挙げることができる。
【0341】又、エポキシ化油類としては、例えばエポ
キシ化大豆脂、オレイン酸グリシジール、9,10‐エポキ
システアンリン酸アリール、9,10‐エポキシステアリン
酸‐2‐エチルヘキシル、エポキシ化トール油脂肪酸‐2
‐エチルヘキシル、エポキシ化トール油アルキル等を挙
げることができる。
【0342】本発明において、非感光性層に添加される
高沸点溶媒は、1種類の溶媒を単独で用いてもよいし、
異なる2種以上のものを混合して分散し添加してもよい
し、異なる2種以上のものを別々に分散して混合し、添
加してもよい。
【0343】本発明に用いられる高沸点溶媒は、前記非
感光性層の少なくとも1層に添加される場合、一般のハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料と同様に水中油滴型の分
散物として添加されるのが好ましい。即ち、ゼラチン水
溶液のような親水性コロイド溶液と高沸点溶媒を、界面
活性剤の存在下で混合し、超音波ホモジナイザー、ホモ
ミキサー、加圧噴出機等で分散して分散物を得ることが
できる。
【0344】本発明において、感光材料における高沸点
溶媒の塗布量は、0.05〜5.0g/m2の範囲が好ましく、
特に0.2〜2.0g/m2の範囲が好ましい。本発明におい
て、高沸点溶媒を含有する非感光性層中には、必要に応
じて更に、紫外線吸収剤、帯電防止剤、ステイン防止
剤、イラジエーション防止染料、硬膜剤等を添加しても
構わない。
【0345】本発明の感光材料の保護層、中間層等の親
水性コロイド層は感光材料が摩擦等で帯電することに起
因する放電によるカブリ防止、画像のUV光による劣化
を防止するために紫外線吸収剤を含んでいてもよい。
【0346】紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン化
合物(例えば特開昭46‐2784号、米国特許3,215,530
号、同3,698,907号に記載のもの)、ブタジエン化合物
(例えば、米国特許4,045,229号に記載のもの)、4‐チ
アゾリドン化合物(例えば、米国特許3,314,794号、同
3,352,681号に記載のもの)、アリール基で置換された
ベンゾトリアゾール化合物(例えば特公昭36‐10466
号、同41‐1687号、同42‐26187号、同44‐29620号、同
48‐41572号、特開昭54‐95233号、同57‐142975号、米
国特許3,253,921号、同同3,533,794号、同3,754,919
号、同3,794,493号、同4,009,038号、同4,220,711号、
同4,323,633号、RD22519号に記載のもの)、ベンゾジ
オキサゾール化合物(例えば、米国特許3,700,455号に
記載のもの)、桂皮酸エステル化合物(例えば、米国特
許3,705,805号、同3,707,375号、特開昭52‐49029号に
記載のもの)を用いることができる。
【0347】更に、米国特許3,499,762号、特開昭54‐4
8535号に記載のものも用いることができる。紫外線吸収
性のカプラー(例えば、α‐ナフトール系のシアン色素
形成カプラー)や、紫外線吸収性のポリマー(例えば、
特開昭58‐111942号、同58-178351号、同58-181041号、
同59‐19945号、同59-23344号に記載のもの)などを用
いることができる。
【0348】これらの紫外線吸収剤は特定の層に媒染さ
れていてもよい。特にベンゾトリアゾール系化合物を併
用した構成が好ましい。
【0349】カラードカプラーとしては、例えば英国特
許937,621号、同1,035,959号、同1,255,111号、特開昭4
8‐22028号、同52‐42121号、特公昭38‐22335号、同44
‐2016号、同44‐15754号、米国特許2,449,966号、同2,
521,908号、同2,543,691号、同2,801,171号、同2,983,6
08号、同3,005,712号、同3,034,892号、同3,061,432
号、同3,419,391号、同3,476,560号、同3,476,563号、
同3,481,741号、同3,519,429号、同3,853,971号、同3,6
22,328号、同3,684,514号、同4,004,929号、同4,070,19
1号、同4,138,258号、同4,138,264号、同4,163,670号、
同4,292,400号、同4,369,248号等に記載ものを使用でき
る。
【0350】特に、イエローカラードマゼンタカプラ
ー、マゼンタカラードシアンカプラー、イエローカラー
ドシアンカプラーを適宜組み合わせて用いるのが好まし
い。
【0351】本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材
料には、色素画像の劣化を防止する画像安定剤を用いる
ことができる。
【0352】画像安定剤としては、例えばハイドロキノ
ン誘導体、没食子酸誘導体、フェノール誘導体及びその
ビス体、ヒドロキシクマラン及びそのスピロ体、ヒドロ
キシクロマン及びそのスピロ体、ピペリジン誘導体、芳
香族アミン化合物、ベンゾジオキサン誘導体、ベンズジ
オキソール誘導体、シリコン原子含有化合物、チオエー
テル化合物等が好ましい。その具体例として米国特許1,
410,846号、特開昭49‐134326号、同52‐35633号、同52
‐147434号、同52‐150630号、同54‐145530号、同55‐
6321号、同55‐21004号、同55‐124141号、同59‐3432
号、同59‐5246号、同59‐10539号、特公昭48‐31625
号、同49‐20973号、同49‐20974号、同50‐23813号、
同52‐27534号、米国特許2,360,290号、同2,418,613
号、同2,675,314号、同2,701,197号、同2,704,713号、
同2,710,801号、同2,728,659号、同2,732,300号、同2,7
35,765号、同2,816,028号、同3,069,262号、同3,336,13
5号、同3,432,300号、同3,457,079号、同3,573,050号、
同3,574,627号、同3,698,909号、同3,700,455号、同3,7
64,337号、同3,935,016号、同3,982,944号、同4,013,70
1号、同4,133,495号、同4,120,723号、同4,155,765号、
同4,159,910号、同4,254,216号、同4,268,593号、同4,2
79,990号、同4,332,886号、同4,360,589号、同4,430,42
5号、同4,452,884号等が挙げられる。
【0353】特にハイドロキノン誘導体型が好ましい。
【0354】本発明では、支持体から最も遠い側に形成
されたハロゲン化銀乳剤層の表面側に形成されたコロイ
ド層が実質的に非感光性の微粒子ハロゲン化銀粒子を含
有している。尚、該コロイド層は一般に写真構成層の保
護層として形成されている。ここで実質的に非感光性の
ハロゲン化銀粒子とは、現像液中で実質的に現像されな
いものをいい、このようなものであれば任意のものを用
いることができるが、更に現像液中で実質的に現像及び
溶解されないことが好ましい。又、微粒子状とは、光散
乱を極力少なくし得る粒子径をいい、0.3μm以下の平均
粒子サイズを有することが好ましく、更に平均粒径0.01
〜0.2μmが好ましく、0.02〜0.15μmであることがより
好ましい。粒子の分布については広くても狭くてよい
が、狭い分布の方が好ましい。
【0355】実質的に非感光性のハロゲン化銀微粒子と
して用いられるハロゲン化銀粒子は、塩化銀、臭化銀、
沃化銀、沃臭化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀等任意のもの
が用いられ、これらのハロゲン化銀は単独でも2種以上
併用してもよい。又、該ハロゲン化銀粒子は溶解度の点
から臭化銀を含有するハロゲン化銀が好ましく、15モル
%以下の沃化銀を含有する沃臭化銀がより好ましく、1
〜10モル%の沃化銀を含有する沃臭化銀が更に好まし
く、2〜8モル%の沃化銀を含有する沃臭化銀が特に好
ましい。該ハロゲン化銀粒子は、ロダンイオン、シアノ
イオン、チオシアナートイオンなどで物理熟成されても
よく、ハロゲン化銀溶剤によってエッチングされていて
もよい。
【0356】これらのハロゲン化銀粒子は中性法、ハー
フアンモニア法、アンモニア法等の種々の製法で製造さ
れ、又、同時混合法、コンバージョン法等の種々の製造
の型で造られる。非感光性層のハロゲン化銀は0.1〜3.0
g/m2塗布するのが好ましく、より好ましくは0.3〜2.0
g/m2、特に好ましくは0.5〜1.0g/m2塗布して用いら
れる。但し、塗布銀量は銀換算したものである。該非感
光性層には、コロイダルシリカ、ポリメチルメタクリレ
ート等のマット剤、高沸点溶媒(例えばトリクレジルホ
スフェート、ジオクチルフタレート等)、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、ハイドロキノン誘導体等の親油性成
分、界面活性剤等の塗布助剤、ゼラチン硬化乳剤等を同
時に用いてもよい。
【0357】非感光性層用のバインダーとして使用され
るものとしてはゼラチンが一般的であるが、ゼラチンの
一部又は全部に替えてコロイド状アルブミン、寒天、ア
ラビアゴム、アルギン酸、セルローズ誘導体等の蛋白
質、糖誘導体、澱粉誘導体も使用することができる。
【0358】感光材料の保存中のホルマリンによるマゼ
ンタ色素形成カプラー等の劣化を防止するために、本発
明の感光材料にホルマリンスカベンジャーを用いること
ができる。
【0359】ホルマリンスカベンジャーとしては、例え
ば特開昭50‐87028号、同57‐133450号、同58‐150950
号、米国特許2,895,827号、同3,652,278号、同3,811,891
号、同4,003,748号、同4,411,987号、同4,414,309号、
同4,418,142号、同4,464,463号、米国防衛特許900,028
号、西独特許3,223,699号、同3,227,961号、同3,227,96
2号、RD10133号等に記載のものを好ましく用いること
がきる。本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の
ハロゲン化銀乳剤層及び/又はその他の親水性コロイド
層に感光材料の光沢の低減、加筆性の改良、感光材料相
互のくっつき防止等を目標としてマット剤を添加でき
る。
【0360】マット剤としては、英国特許1,055,713
号、米国特許1,939,213号、同2,221,873号、同2,268,66
2号、同2,322,037号、同2,376,005号、同2,391,181号、
同2,701,245号、同2,992,101号、同3,079,257号、同3,2
62,782号、同3,443,946号、同3,516,832号、同3,539,34
4号、同3,591,379号、同3,754,924号、同3,767,448号等
に記載されている有機マット剤、西独特許2,529,321
号、英国特許760,775号、同1,260,772号、米国特許1,20
1,905号、同2,192,241号、同3,053,662号、同3,062,649
号、同3,257,206号、同3,322,555号、同3,353,958号、
同3,370,951号、同3,411,907号、同3,437,484号、同3,5
23,022号、同3,615,554号、同3,635,714号、同3,769,02
0号、同4,021,245号、同4,029,504号等に記載されてい
る無機マット剤等を好ましく用いることができる。マッ
ト剤の粒径は0.05〜10μmのものが好ましい。添加する
量は1〜300mg/m2が好ましい。
【0361】本発明において、写真構成層の乾燥膜厚は
16μm以下であることが好ましい。ここで写真構成層と
は、赤感光性ハロゲン化銀乳剤層、緑感光性ハロゲン化
銀乳剤層及び青感光性ハロゲン化銀乳剤層の他、必要に
応じて設けられる中間層、フィルター層、保護層などを
含めた支持体を除いた構成層をいう。又、乾燥膜厚は23
℃、55%調湿下で測定した膜厚で、該膜厚は乾燥試料の
断面を走査型電子顕微鏡で拡大撮影して測定することが
でき、該測定方法によって多層構造における各構成層の
膜厚を個別に求めることができる。
【0362】又、支持体から最も遠い乳剤層の上端面か
ら支持体に最も近い乳剤層の下端面までの厚さは14μm
以下が好ましい。
【0363】本発明の感光材料は下式(1)で示される
吸水率が、170〜230%であることが好ましい。
【0364】 式(1) 吸水率=〔(B−A)/(A−C)〕×100
(%) 式(1)中、A:23℃・55%RHの調温・調湿下における
感光材料の重量B:Aと同温湿条件下において、感光材
料を38℃の下記組成の現像液に3分15秒浸漬した後の感
光材料の重量C:Aと同温湿条件下において、塗設層を
剥離した後の感光材料の重量 現像液組成 水 800ml 炭酸カリウム 30g 炭酸水素ナトリウム 2.5g 亜硫酸カリウム 3.0g 臭化ナトリウム 1.3g 沃化カリウム 1.2mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g 塩化ナトリウム 0.6g 4‐アミノ‐3‐メチル‐N‐エチル‐N‐(β‐ヒドロキシルエチル) アニリン硫酸塩 4.5g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水酸化カリウム 1.2g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウム又は20%硫
酸を用いてpH10.06に調整する。
【0365】本発明のハロゲン化銀材料は、必要に応じ
て支持体表面にコロナ放電、紫外線照射、火焔処理等を
施した後、直接に又は支持体表面の接着性、帯電防止
性、寸法安定性、耐摩耗性、硬さ、ハレーション防止
性、摩擦特性、及び/又はその他の特性を向上するため
の1層以上の下塗層を介して塗布されてもよい。
【0366】ポリエチレンテレフタレートフィルムの下
引層としては、例えば特開昭59‐19941号、同59‐77439
号、同59‐224841号、更には特公昭58‐53029号記載の
下引層を用いることが好ましい。又、セルローストリア
セテートフィルム支持体の下引層としては、米国特許2,
852,378号、特公昭43‐13826号に示されるものなどが好
ましい。
【0367】本発明において相対湿度55%以下の状態で
保存する方法としては、密封包装することが好ましい。
本発明でいう密封包装とは、通常包装の分野でよく知ら
れている防湿性の包装を行うことである。
【0368】包装材料としては、アルミ板、ブリキ板、
アルミ箔などの金属及び金属箔、ガラス、あるいはポリ
エチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリア
ミドなどの高分子、各種ポリマーとセロハン、紙、アル
ミ箔等の素材による複合積層材(包装用語でいうラミネ
ート材料)などが用いられる。
【0369】密封の封縅方法としては各種接着剤を用い
た接着剤法、ヒートシールなどの熱融着法、その他当写
真業界では一般的なパトローネケースを用いた方法など
を用いることができる。これら封縅方法の詳細は「食料
包装技術便覧」日本包装技術協会(編)573〜609頁など
に記載されている。
【0370】本発明における相対湿度55%以下に保存さ
れたハロゲン化銀感光材料とは、25℃・相対湿度55%で
ハロゲン化銀感光材料を開封し30秒以内に測定した重量
1 55と同一条件下に3日間以上保存した後、測定した
重量W2 55との差ΔW55=W2 55−W1 55がゼロ以上であ
ることと定義される。
【0371】本発明の好ましい条件は25℃・相対湿度30
%での重量変化ΔW30が負になることであり、更に好ま
しい条件は25℃・相対湿度35%で重量変化ΔW35が負に
なることである。
【0372】本発明では、ロール型の撮影感光材料では
ポリエチレン、ポリプロピレンなどの高分子でできたパ
トローネケースが好ましく、シート型の撮影感光材料で
はポリエチレンなどをヒートシールしたものなどが好ま
しい。これらの密封包装は二重に行われてもよい。
【0373】相対湿度を本発明のように下げて包装する
方法としては、ハロゲン化銀写真感光材料を低湿の部屋
で包装してもよいし、該感光材料の乾燥時に通常より乾
燥しておく方法でもよく、又、密封される中に例えばシ
リカゲルなどの乾燥剤を入れることにより低湿化しても
よい。
【0374】本発明を実施する際に、低湿化するために
屡々スタチック故障を起こす。このスタチック故障防止
のために、帯電防止剤としてよく知られている。
【0375】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記リサーチ・ディスクロージャに記載されている。以
下にその関連のある記載箇所を示す。
【0376】 〔項 目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 〔RD18716〕 色濁り防止剤 1002 VII−I項 25 650 色素画像安定剤 1001 VII−J項 25 増白剤 998 V 24 紫外線吸収剤 1003 VIIIC,XIII−C項 25〜26 光吸収剤 1003 VIII 25〜26 光散乱剤 1003 VIII フィルター染料 1003 VIII 25〜26 バインダー 1003 IX 26 651 スタチック防止剤 1006 XIII 27 650 硬膜剤 1004 X 26 651 可塑剤 1006 XII 27 650 潤滑剤 1006 XII 27 650 活性剤・塗布助剤 1005 XI 26〜27 650 マット剤 1007 XVI 現像剤(感材中に含有) 1011 XXB項 本発明には種々のカプラーを使用することができ、その
具体例は下記RDに記載されている。以下にその関連ある
記載箇所を示す。
【0377】 〔項 目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 イエローカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 マゼンタカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 シアンカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 カラードカプラー 1002 VII−G項 VII G項 DIRカプラー 1001 VII−F項 VII F項 BARカプラー 1002 VII−F項 その他の有用残基 1001 VII−F項 放出カプラー アルカリ可溶カプラー 1001 VII−E項 本発明に使用する添加剤は、RD308119 1007頁 XIV項に
記載されている分散法などにより、添加することができ
る。
【0378】本発明においては、前述のRD17643 28頁、
RD18716 647〜8頁及びRD308119 1009頁 XIX項に記載さ
れている支持体を使用することができる。
【0379】本発明のカラー感光材料には、前述のRD30
8119 VII−K項に記載されているフィルタ層や中間層等
の補助層を設けることができる。
【0380】本発明のカラー感光材料は、RD308119 VII
−K項に記載されている順層、逆層、ユニット構成等の
様々な層構成をとることができる。
【0381】本発明のカラー感光材料は、一般用もしく
は映画用のカラーネガフィルム、スライド用もしくはテ
レビ用のカラー反転フィルム、カラーペーパー、カラー
ポジフィルム、カラー反転ペーパーに代表される種々の
カラー感光材料に適用することができる。
【0382】本発明に係る処理方法の好ましい具体的処
理工程を以下に示す。
【0383】(1) 発色現像−漂白−定着−水洗 (2) 発色現像−漂白−定着−水洗−安定 (3) 発色現像−漂白−定着−安定 (4) 発色現像−漂白−定着−第1安定−第2安定 (5) 発色現像−漂白−漂白定着−水洗 (6) 発色現像−漂白−漂白定着−水洗−安定 (7) 発色現像−漂白−漂白定着−安定 (8) 発色現像−漂白−漂白定着−第1安定−第2安定 これらの工程の中でもとりわけ (3), (4), (7),
(8)が好ましく、とりわけ特に(3),(4)が好まし
い。
【0384】本発明に係る漂白液及び漂白定着液には、
イミダゾール及びその誘導体又は下記一般式〔I〕〜〔I
X〕で示される化合物の少なくとも一種を含有する際
に、本発明の目的の効果をより良好に奏する。更に、漂
白液中の銀に起因する沈澱も改善する別なる効果もある
ため、本発明においては、より好ましく用いられる。
【0385】
【化31】
【0386】式中、Qは含窒素ヘテロ環(5〜6員の不
飽和環が縮合しているものも含む)を形成するに必要な
原子群を表し、R1は水素原子、炭素原子数1〜6個の
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環
基(5〜6員の不飽和環が縮合しているものも含む)又は
アミノ基を表す。
【0387】
【化32】
【0388】式中、R2及びR3はそれぞれ水素原子、炭
素原子数1〜6のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキ
シ基、アミノ基、炭素原子数1〜3のアシル基、アリー
ル基又はアルケニル基を表す。
【0389】Aは
【0390】
【化33】
【0391】又はn1価のヘテロ環残基(5〜6員の不飽
和環が縮合しているものも含む)を表し、Xは=S、=
O又は=NR″を表す。ここでR及びR′はそれぞれR2
及びR3と同義、X′はXと同義、Zは水素原子、アル
カリ金属原子、アンモニウム基、アミノ基、含窒素ヘテ
ロ環残基、アルキル基、又は−S−B−Y<(R4)(R5)を表
し、Mは2価の金属原子を表し、R″は水素原子、炭素
原子数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、ヘテロ環残基(5〜6員の不飽和環が縮合してい
るものも含む)又はアミノ基を表し、n1〜n6及びm1
5はそれぞれ1〜6の整数を表す。Bは炭素原子数1
〜6のアルキレン基を表し、
【0392】
【化34】
【0393】を表し、R4及びR5はそれぞれR2及びR3
と同義である。但し、R4及びR5はそれぞれ─B─SZ
を表してもよく、又R2とR3、RとR′、R4とR5はそ
れぞれ結合して環を形成してもよい。なお、該式で表さ
れる化合物はエノール化体及びその塩も含む。
【0394】
【化35】
【0395】式中、R6及びR7はそれぞれ水素原子、炭
素原子数1〜6のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキ
シ基、アミノ基、炭素原子数1〜3のアシル基、アリー
ル基、アルケニル基又は―B1―S―Z1を表す。 但し、
6とR7は結合して環を形成してもよい。Y1は>N―又
は>CH−を表し、B1は炭素原子数1〜6のアルキレン基
を表し、Z1は水素原子、アルカリ金属原子、アンモニ
ウム基、アミノ基、含窒素ヘテロ環残基又は−S−B1−Y
1<(R6)(R7)を表す。n7は1〜6の整数を表す。
【0396】
【化36】
【0397】式中、R8及びR9は、それぞれ
【0398】
【化37】
【0399】を表し、R10はアルキル基又は―(CH2)n8S
O3 -を表す。(但し、R10が−(CH2)n8SO3 -のとき、lは
0を表し、アルキル基のとき1を表す。)G-はアニオ
ンを表す。n8は1〜6の整数を表す。
【0400】
【化38】
【0401】
【化39】
【0402】式中、D1、D2、D3及びD4は、それぞれ
単なる結合手、炭素原子数1〜8のアルキレン基又はビ
ニレン基を表し、q1,q2,q3及びq4は、それぞれ0,
1又は2を表す。又、硫黄原子と共に形成する環はさら
に5〜6員飽和又は不飽和の環と縮合してもよい。
【0403】
【化40】
【0404】式中、X2は-COOM′,-OH,-SO3M′,-CON
H2,-SO2NH2,-NH2,-SH,-CN,-CO2R16,-SO2R16,-OR
16,-NR16R17,-SR16,-SO3R16,-NHCOR16,-NHSO
2R16,-OCOR16又は-SO2R16を表し、Y2
【0405】
【化41】
【0406】又は水素原子を表し、m9及びn9は、それ
ぞれ1〜10の整数を表す。R11,R12,R13,R14,R15,
17及びR18は、それぞれ水素原子、低級アルキル基、
アシル基又は
【0407】
【化42】
【0408】R16は低級のアルキル基を表し、R19は-N
R20R21,−OR22又は-SR22を表し、R20及びR21は、そ
れぞれ水素原子又は低級アルキル基を表し、R22はR18
と結合して環を形成するのに必要な原子群を表す。R20
又はR11はR18と結合して環を形成してもよい。M′は
水素原子又はカチオンを表す。
【0409】
【化43】
【0410】式中、Arは2価のアリール基又はアリー
ル基と酸素原子及び/もしくはアルキレン基とを組合わ
せた2価の有機基を表し、B2及びB3は、それぞれ低級
アルキレン基を表し、R23、R24、R25及びR26は、そ
れぞれヒドロキシ置換低級アルキル基を表し、x及びy
は、それぞれ0又は1を表す。G′はアニオンを表し、
zは0、1又は2を表す。
【0411】
【化44】
【0412】式中、R29及びR30は、それぞれ水素原
子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、R
31は水素原子又はアルキル基を表し、R32は水素原子又
はカルボキシ基を表す。
【0413】本発明に好ましく用いられる一般式〔I〕
〜〔IX〕で示される化合物は、一般に漂白促進剤として
用いられる化合物であり、以下、本発明の漂白促進剤と
いう。
【0414】前記一般式〔I〕ないし〔IX〕で示される
本発明の漂白促進剤の代表的具体例としては、例えば次
の如きのものを挙げることができるが、これに限定され
るものではない。
【0415】
【化45】
【0416】
【化46】
【0417】
【化47】
【0418】
【化48】
【0419】
【化49】
【0420】
【化50】
【0421】
【化51】
【0422】
【化52】
【0423】上記で例示した本発明の漂白促進剤の他、
特願昭60‐263568号明細書の第51頁から第115頁に記載
の例示化合物No.も同様に用いることができる。
【0424】これらの漂白促進剤は単独で用いてもよい
し、2種以上を併用してもよく、添加量は一般に漂白液
又は漂白定着液1リットル当たり約0.01〜100gの範囲
で好結果が得られる。しかしながら、 一般には添加量が
過小の時には漂白促進効果が小さく、又、添加量が必要
以上に過大の時には沈澱を生じて処理するハロゲン化銀
カラー写真感光材料を汚染したりすることがあるので、
漂白液又は漂白定着液1リットル当り0.05〜50gが好ま
しく、更に好ましくは0.05〜15gである。
【0425】漂白促進剤を添加する場合には、そのまま
添加溶解してもよいが、水、アルカリ、有機酸等に予め
溶解して添加するのが一般的であり、必要に応じてメタ
ノール、エタノール、アセトン等の有機溶媒を用いて溶
解して添加することもできる。
【0426】本発明の漂白液はpH0.2から8.0で使用で
き、好ましくは1.0以上7.0以下、より好ましくは2.0以
上6.5以下で用いられる。処理の温度は20〜45℃で使用
されるが、望ましくは25〜42℃である。 本発明の漂白
液には、臭化アンモニウムの如きハロゲン化物を通常添
加して用いる。
【0427】なお本発明の漂白液には、硼酸、硼砂、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、酢
酸、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム等の各種の塩
からなるpH緩衝剤を単独であるいは2種以上組み合わ
せて含有せしめることができる。更に又、各種の蛍光増
白剤や消泡剤あるいは界面活性剤や防ばい剤を含有せし
めることもできる。
【0428】本発明に係る漂白液及び漂白定着液に用い
られる漂白剤としては、アミノカルボン酸又はアミノホ
スホン酸の第2鉄錯塩が好ましい。該アミノカルボン酸
及びアミノホスホン酸は、それぞれ少なくとも2個以上
のカルボン酸基を有するアミノ化合物及び少なくとも2
個以上のホスホン酸基を有するアミノ化合物を表し、好
ましくは下記一般式〔XII〕及び〔XIII〕で表される
化合物である。
【0429】
【化53】
【0430】式中、Eは置換又は、未置換のアルキレン
基、シクロアルキレン基、フェニレン基、―R83OR83OR
83―,―R83ZR83― を表し、Zは>NR83−A6,>N−A6
を表し、R79,R83は置換又は未置換のアルキレン基を表
し、A2〜A6は水素原子、−OH,−COOM,−PO3M2を表
し、Mは水素原子、アルカリ金属原子を表す。
【0431】次に、これらの一般式[XII]及び[XIII]
で表される化合物の好ましい具体的例示化合物を以下に
挙げる。
【0432】[例示化合物] [XII‐1]エチレンジアミン四酢酸 [XII‐2]ジエチレントリアミン五酢酸 [XII‐3]エチレンジアミン‐N‐(β‐ヒドロキシエ
チル)‐N,N′,N′‐三酢酸 [XII‐4]1,3‐プロピレンジアミン四酢酸 [XII‐5]トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸 [XII‐6]シクロヘキサンジアミン四酢酸 [XII‐7]1,2‐ジアミノプロパン四酢酸 [XII‐8]1,3‐ジアミノプロパン‐2‐オール四酢酸 [XII‐9]エチルエーテルジアミン四酢酸 [XII‐10]グリコールエーテルジアミン四酢酸 [XII‐11]エチレンジアミンテトラプロピオン酸 [XII‐12]フェニレンジアミン四酢酸 [XII‐13]エチレンジアミン四酢酸ジナトリウム塩 [XII‐14]エチレンジアミン四酢酸テトラ(トリメチル
アンモニウム)塩 [XII‐15]エチレンジアミン四酢酸テトラナトリウム塩 [XII‐16]ジエチレントリアミン五酢酸ペンタナトリウ
ム塩 [XII‐17]エチレンジアミン‐N‐(β‐ヒドロキシエチ
ル)‐N,N′,N′‐三酢酸ナトリウ塩 [XII‐18]プロピレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 [XII‐19]エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸 [XII‐20]シクロヘキサンジアミン四酢酸ナトリウム塩 [XII‐21]ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホ
ン酸 [XII‐22]シクロヘキサンジアミン四メチレンホスホン
酸 [XIII‐1]ニトリロ三酢酸 [XIII‐2]メチルイミノ二酢酸 [XIII‐3]ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 [XIII‐4]ニトリロトリプロピオン酸 [XIII‐5]ニトリロトリメチレンホスホン酸 [XIII‐6]イミノジメチレンホスホン酸 [XIII‐7]ヒドロキシエチルイミノジメチレンホスホ
ン酸 [XIII‐8]ニトリロ三酢酸トリナトリウム塩 これらのアミノカルボン酸及びアミノホスホン酸の中で
本発明の目的の効果の点から特に好ましく用いられる化
合物としては(XII―1),(XII―2),(XII―4),(XII―
6),(XII―7),(XII―10),(XII―19),(XIII―1),(XIII
―5)が挙げられる。これらの中でも本発明の目的の効
果の点からとりわけ特にこのましいものは(XII―4)
である。
【0433】本発明に係る前記有機酸の第2鉄錯塩は、
フリーの酸(水素塩)、ナトリウム塩、カリウム塩、リ
チウム塩等のアルカリ金属塩、もしくはアンモニウム
塩、又は水溶性アミン塩、例えばトリエタノールアミン
塩等として使われるが、好ましくはカリウム塩、ナトリ
ウム塩及びアンモニウム塩が使われる。これらの第2鉄
錯塩は少なくとも1種用いればよいが、2種以上を併用
することもできる。その使用量は任意に選ぶことがで
き、処理する感光材料の銀量及びハロゲン化銀組成等に
よって選択する必要があるが、例えば、漂白液又は漂白
定着液1リットル当たり0.01モル以上で使用でき、好ま
しくは0.05〜1.0モルで使用される。なお、補充液にお
いては濃厚低補充化のために溶解度いっぱいに濃厚化し
て使用することが望ましい。
【0434】本発明に係る漂白液の好ましい補充量はハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料1m2当たり20〜500mlで
あり、 特に好ましくは30〜350mlであり、 更に特に好ま
しくは40〜300ml であり、 最も好ましくは50〜250mlで
ある。本発明に係る定着液及び漂白定着液には、いわゆ
る定着剤が必須である。
【0435】定着剤としては、ハロゲン化銀と反応して
水溶液の錯塩を形成する化合物、例えばチオ硫酸カリウ
ム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムの如き
チオ硫酸塩、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナト
リウム、チオシアン酸アンモニウムの如きチオシアン酸
塩、あるいはチオ尿素、チオエーテル等が挙げられる。
【0436】これら定着剤の他に更に定着液及び漂白定
着液には、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム、重亜
硫酸アンモニウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリ
ウム、メタ重亜硫酸アンモニウム、メタ重亜硫酸カリウ
ム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩や硼酸、硼
砂、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウ
ム、酢酸、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム等の各
種の塩から成るpH緩衝剤を単独あるいは2種以上含む
ことができる。
【0437】更にアルカリハライド又はアンモニウムハ
ライド、例えば臭化カリウム、臭化ナトリウム、塩化ナ
トリウム、臭化アンモニウム等の再ハロゲン化剤を多量
に含有させることが望ましい。又硼酸塩、蓚酸塩、酢酸
塩、炭酸塩、燐酸塩等のpH緩衝剤、アルキルアミン類、
ポリエチレンオキサイド類等の通常定着液及び漂白定着
液に添加することが知られているものを適宜添加するこ
とができる。
【0438】前記定着剤は処理液1l 当たり0.1モル以
上で用いられ、本発明の目的の効果の点から好ましくは
0.6〜4モルの範囲、特に好ましくは0.9〜3.0モルの範
囲、とりわけ特に好ましくは1.1〜2.0モルの範囲で用い
られる。
【0439】本発明においては漂白液又は漂白定着液の
活性度を高める為に処理浴中及び処理補充液貯蔵タンク
内で所望により空気の吹き込み、又は酸素の吹き込みを
行ってよく、あるいは適当な酸化剤、例えば過酸化水
素、臭素酸塩、過硫酸塩等を適宜添加してもよい。
【0440】本発明に係る定着液及び漂白定着液はその
補充量が感光材料1m2当たり800ml以下の際に、本発明
の目的の効果をより良好に奏する。とりわけ感光材料1
2当たり20〜650ml、とりわけ特に30〜400ml の際に良
好な結果を得る。
【0441】又、本発明に係る定着液及び漂白定着液中
に、沃化物 (沃化アンモニウム、沃化カリウム、沃化ナ
トリウム、沃化リチウム等) を0.1l〜10g/l含有する際
には本発明の効果をより助長する。特に0.3〜5g/l、
とりわけ特に0.5〜3g/l、最も好ましくは0.8〜2g/l
の際に良好な結果を得る。
【0442】本発明に係る定着能を有する処理液 (定着
液又は漂白定着液) には下記一般式〔FA〕で示される
化合物又は下記化合物群〔FB〕の化合物を添加して使
用する際には本発明の目的の効果をより良好に奏するば
かりでなく、定着液又は漂白定着液を用いて、少量感材
を長期間にわたって処理する際に発生するスラッジが極
めて少ないという別なる効果も付加されるため、本発明
においては、より好ましく用いられる。
【0443】
【化54】
【0444】〔式中、R′及びR″は、それぞれ水素原
子、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は含窒素
複素環を示す。n′は2又は3を表す。〕一般式〔F
A〕で示される具体的例示化合物を以下に示す。
【0445】
【化55】
【0446】これら、一般式〔FA〕で示される化合物
は米国特許3,335,161号及び同3,260,718号に記載される
ような一般的な方法で合成できる。
【0447】化合物群〔FB〕 FB−1 チオ尿素 FB−2 沃化アンモニウム FB−3 沃化カリウム FB−4 チオシアン酸アンモニウム FB−5 チオシアン酸カリウム FB−6 チオシアン酸ナトリウム FB−7 チオシアノカテコール これら、前記一般式〔FA〕で示される化合物及び化合
物群〔FB〕の化合物は、それぞれ単独で用いてもよ
く、また2種以上組合せて用いてもよい。例えば、チオ
尿素とチオシアン酸アンモニウムと沃化アンモニウム、
チオ尿素とチオシアン酸アンモニウム、(FA−12)とチ
オ尿素、(FA−12)とチオシアン酸アンモニウム、
(FA−12)と沃化アンモニウム、(FA−12)と(F
A−32)、(FA−12)と(FA−38)等が好ましい例と
して挙げられる。
【0448】又、これら一般式〔FA〕で示される化合
物及び化合物群〔FB〕の化合物の添加量は処理液1l
当たり0.1g〜200gの範囲に好結果が得られる。 本発
明に係る定着液及び漂白定着液には、本発明の目的の効
果の点から、亜硫酸付加物が好ましく用いられる。
【0449】前記亜硫酸イオンと安定な亜硫酸付加物を
形成するような化合物としては例えば、アルデヒド基を
有する化合物、環状ヘミアセタールを含有するような化
合物、α‐ジカルボニル基を有する化合物、ニトリル基
を有する化合物などが上げられるが、好ましくは一般式
(A‐I)〜(A‐II)で示される化合物が特に好ましく用
いられる。
【0450】以下に一般式(A‐I)〜(A‐II)で示され
る化合物以外の好ましい具体例を示す。
【0451】
【化56】
【0452】A2,A3,A4,A5は水素原子、炭素数1〜
6のアルキル基、ホルミル基、アシル基又はアルケニル
基を表す。炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖あ
るいは分岐のものを含み、例えばメチル基、エチル基、
n‐プロピル基、iso‐プロピル基、n‐ブチル基、n‐
バレル基、iso‐バレル基、ヘキサン基、イソヘキサン
基等が挙げられ、又、置換されていてもよく、具体的に
はホルミル基(例えばホルミルメチル、2‐ホルミルエ
チル等の各基)、アミノ基(例えばアミノメチル、アミノ
エチル等の各基)、ヒドロキシル基(例えばヒドロキシメ
チル、2‐ヒドロキシエチル、2‐ヒドロキシプロピル等
の各基)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ等の
各基)、ハロゲン原子(例えばクロロメチル、トリクロロ
メチル、ジブロモメチル等の各基)等の置換基が挙げら
れる。
【0453】アルケニル基としては、置換、未置換の基
があり、未置換の基としてはビニル、2‐プロペニル等
の各基があり、置換されたものとしては例えば1,2‐ジ
クロロ‐2‐カルボキシビニル、2‐フェニルビニル等の
基が挙げられる。
【0454】以下に上記一般式で示される化合物の具体
的な例を記載するが、本発明がこれによって限定される
わけではない。
【0455】
【化57】
【0456】AO−11 ホルムアルデヒド重亜硫酸ナト
リウムAO−12 アセトアルデヒド重亜硫酸ナトリウム
AO−13 プロピオンアルデヒド重亜硫酸ナトリウムこ
れら、亜硫酸付加化合物は、処理液1l 当たり、0.1〜8
0gの範囲で好ましく用いられ、より好ましくは0.5〜40
gの範囲である。
【0457】本発明の処理方法においては、漂白液、定
着液及び漂白定着液に強制的液撹拌を付与することが好
ましい。この理由は本発明の目的の効果をより良好に奏
するのみならず、迅速処理適性の観点からである。
【0458】ここに強制的液撹拌とは、通常の液の拡散
移動ではなく、撹拌手段を付加して強制的に撹拌するこ
とを意味する。
【0459】強制的撹拌手段としては、以下の方法が挙
げられる。
【0460】1.高圧スプレー処理法又は吹きつけ撹拌
法 2.エアーバブリング処理法 3.超音波発振処理法 4.バイブレーション処理法 高圧スプレー処理法とは、吐出圧力0.1kg/cm2以上の圧
力をかけてスプレーノズルから処理液を直接処理液中で
感光材料に吹きつけて処理を行う方式を指し、吹きつけ
撹拌法とは、ノズルから吐出圧力0.1kg/cm2以上の圧力
をかけて処理液を直接処理液中で、感光材料に吹きつけ
て処理を行う方式を指し、圧力源としては一般に圧力ポ
ンプや送液ポンプが用いられる。圧力ポンプには、プラ
ントジャーポンプ、ギヤーポンプ、マグネットポンプ、
カスケードポンプがあり、例えば丸山製作所製の15-LPM
型、10-BFM型、20-BFM型、25-BFM型等がその一例として
知られている。
【0461】又、送液ポンプとしては例えば、イワキ社
製のMD-30型、MO-56型、MDH-25型、MDK-32型がある。
【0462】一方ノズル及びスプレーノズルには、直進
型、扇型、円型、全面型、円環型等があって、衝撃力が
強く、処理される感光材料に微振動を与えるほど効果が
ある。スプレーの衝撃力は主として流量(l/min)sスプ
レー圧力(Kg/cm2)によって決定される。従って、効果
を充分に発揮するようスプレーノズルの数に比例して圧
力が調整できる加圧装置が必要とされる。最も好ましい
圧力は0.3〜10kg/cm2で、これより小さいと効果が得ら
れず、大き過ぎると感光材料に傷をつけたり破損したり
することがある。
【0463】次に、エアーバブリング処理法とは、処理
液槽の下部搬送ローラの底部にスパージャーを設置し、
スパージャーに空気又は不活性ガスを送り、その口から
吐出された気泡によって感光材料を振動させ、更に感光
材料の表面、裏面、サイド面に処理液を効果的に接触さ
せる方法である。
【0464】スパージャーの材質としては、硬質塩ビ、
ポリエチレンでコートしたステンレス、焼結金属等の如
き耐腐蝕性のものが適し、又穿孔直径は吐出された気泡
が2ミリから30ミリになるように穿孔し、これを5ミリ
から15ミリになるようにすれば更によい効果が得られ
る。空気を送る方法としてはエアーコンプレッサー、例
えば日立製作所社製ベビコン(0.4KW,BU7TL)や、エアー
ポンプ、例えばイワキ社製エアーポンプ(Ap220型)等が
挙げられる。空気量としては、自動現像機の搬送1ラッ
ク当り2l/min〜30l/minが必要であり、5l/min〜20l/min
では更に好ましい結果が得られる。そして処理液槽の大
きさ、感光材料の量によって空気又は不活性ガスの量を
調整しなければならないが、気泡による感光材料の振動
幅が0.2〜20mmになるように空気又は不活性ガスの量を
送ることが好ましい。次に超音波発振処理法とは、自動
現像機の処理液槽内の底部又は側壁の空間に超音波発振
機を設置して感光材料に超音波を照射して現像促進効率
を高める方法である。超音波発振機としては、例えば超
音波工業社製の磁歪型ニッケル振動子(ホーン型)、磁歪
型チタン酸バリウム振動子(ホルダ型)等が用いられる。
【0465】超音波発振機の振動子周波数としては、5
〜1000KHzのものが用いられるが、特に10〜50KHzのもの
が、本発明の目的の効果及び自動現像機の機材の損傷の
点でも好ましい。超音波の感光材料への照射方法として
は、感光材料に直接照射させても反射板を設けて間接的
に照射させてもよいが、照射距離に比例して超音波が減
衰するので、直接照射させる方が好ましい。照射時間は
少なくとも1秒以上がよい。部分的に照射させる場合
は、処理工程の初期段階、中期段階、後期段階いずれで
もよい。
【0466】更に、バイブレーション処理法とは、自動
現像機処理液槽中の上部ローラと下部ローラの中間で、
感光材料に振動を与えて効果的に浸漬処理を行う方法で
ある。振動源のバイブレーターとしては、例えば神鋼電
機社製のV‐2B、V‐4B型等が一般に使用される。バイブ
レーターの設置方法は自動現像機の浸漬処理槽の上部に
バイブレーターを固定し、振動子を感光材料の裏側から
あてるように設置する。振動子の振動数は100〜10000回
/minが好ましい。最も好ましい範囲は500〜6000回/mi
nである。処理される感光材料の振幅は0.2〜30mm、好ま
しくは1〜20mmである。これ以上低いと効果がなく、
又、大き過ぎると感光材料に傷がついたりする。振動子
の設置数は自動現像機の大きさによって異なるが、処理
槽が多槽からなる場合には、最低処理槽の一槽毎に1ケ
所以上設置すれば好ましい効果が得られる。
【0467】本発明の処理方法における別なる好ましい
態様の一つとして本発明に係わる発色現像液のオーバー
フロー液の一部又は全部を、つづく工程である漂白液に
流入させる方法が挙げられる。これは、漂白液に本発明
に係る発色現像液を一定量流入させると、漂白液中のス
ラッジの発生が改良されるためである。
【0468】更に、上記方式に加えて後工程の安定液の
オーバーフロー液の一部又は全部を漂白定着液ないし定
着液に流し込む際に、銀回収効率が改良される効果を良
好に奏する。
【0469】本発明においては、該発色現像液で上記ハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料を処理する時間は240秒
以下が好ましく、更に好ましくは220秒以下、更に好ま
しくは20〜150秒である。
【0470】本発明では、上記のハロゲン化銀カラー写
真感光材料を短時間で処理することにより、驚くべきこ
とに、本発明の効果を奏するばかりでなく得られる色素
画像の粒状性をも改良できる。
【0471】更に本発明のハロゲン化銀カラー写真感光
材料の処理方法において、発色現像液は、芳香族第1級
アミン系発色現像液主薬を該処理液1リットル当たり好
ましくは5.0×10-3モル以上含む発色現像液である。更
に好ましくは1.0×10-2モル以上であり更に好ましくは
1.5×10-2〜2×10-1モルの上記現像液主薬を含有する発
色現像液がよい。
【0472】このような発色現像主薬を高濃度にして上
記写真感光材料を活性化すると、上述の如き短時間処理
によって鮮鋭性に優れ、粒状性の向上した画像を得るこ
とができる。特にマゼンタ色素画像において顕著であ
る。
【0473】以下、本発明において好ましく用いること
ができる発色現像液の発色現像主薬について説明する。
【0474】上記好ましい発色現像液に用いられる芳香
族第1級アミン系発色現像主薬は、種々のカラー写真プ
ロセスにおいて広範囲に使用されている公知のものが含
有される。これらの現像剤にアミノフェノール系及びp-
フェニレンジアミン系誘導体が含まれる。これらの化合
物は遊離状態より安定のため一般的に塩の形、例えば塩
酸塩又は硫酸塩の形で使用される。
【0475】アミノフェノール系現像剤としては例え
ば、o-アミンフェノール、p-アミノフェノール、5-アミ
ノ-2-オキシトルエン、2-アミノ-3-オキシトルエン、2-
オキキシ-3-アミノ-1,4-ジメチルベンゼン等が含まれ
る。本発明においては、目的の効果をより良好に奏し、
かつ自動現像機の発色現像層内壁への結晶析出性が改良
されるため本発明において、特に有用な芳香族第1級ア
ミン発色現像剤は少なくとも一つの水溶性基を有するア
ミノ基を有した芳香族第1級アミン発色現像剤であり、
特に好ましくは下記一般式〔E〕で示される化合物であ
る。
【0476】
【化58】
【0477】式中、R1は水素原子、ハロゲン原子又は
アルキル基を表し、該アルキル基は直鎖又は分岐の炭素
数1〜5のアルキル基を表し、置換基を有していてもよ
い。R2及びR3は水素原子又はアルキル基又はアリール
基を表すが、これらの基は置換基を有していてもよい。
そしてR2及びR3の少なくとも一つは水酸基、カルボン
酸基、スルホン酸基、アミノ基、スルホンアミド基等の
水溶性基が置換したアルキル基又は−[(CH2)qO]pR4
ある。
【0478】このアルキル基は更に置換基を有していて
もよい。
【0479】尚、R4は水素原子又はアルキル基を表
し、アルキル基としては直鎖又は分岐の炭素数1〜5の
アルキル基を表し、p及びqは1〜5の整数を表す。
【0480】次に上記一般式〔E〕で示される化合物を
挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0481】
【化59】
【0482】これら一般式〔E〕で示されるp-フェニレ
ンジアミン誘導体は有機酸及び無機酸の塩として用いる
ことができ、例えば塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩、p-トルエ
ンスルホン酸塩、亜硫酸塩、蓚酸塩、ベンゼンジスルホ
ン酸塩等を用いることができる。
【0483】本発明に用いる発色現像液に使用して好ま
しい化合物としては亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン、現
像抑制剤がある。
【0484】上記亜硫酸塩としては亜硫酸ナトリウム、
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カ
リウム等があり、0.1〜40g/l の範囲で使用することが
好ましく、更に好ましくは0.5〜10g/l の範囲で使用す
ることである。
【0485】上記ヒドロキシルアミンは塩酸塩、硫酸塩
等に対塩として用いられ、0.1〜40g/l の範囲で使用
することが好ましく、更に好ましくは0.5〜10g/l の範
囲で使用する。
【0486】更に上記発色現像液に好ましく用いられる
現像抑制剤としては塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭
化ナトリウム、臭化カリウム、沃化ナトリウム、沃化カ
リウム等のハロゲン化物の他、有機抑制剤があり、それ
らの添加量は0.005〜30g/lの範囲で使用することが好ま
しく、更に好ましくは0.01〜20g/l の範囲である。本発
明の実施の際に好ましく用いられる上記有機抑制剤とし
ては、含窒素複素環化合物、メルカプト基を含有する化
合物、芳香族化合物、オニウム化合物及び置換基に沃素
原子を有する化合物等を挙げることができ、これらを具
体的に示したものが下記例示化合物である。
【0487】但し、使用できる化合物は、下記化合物に
限定されるものではない。
【0488】
【化60】
【0489】更に本発明を実施する際には、特願昭61‐
12781号96〜100頁に記載された一般式〔R―I〕〜〔R
―XIII〕で表す有機抑制剤を用いることができ、該有機
抑制剤を本発明における上記有機抑制剤と併用すること
によって、本発明の効果が一層有効に奏し得られる。
【0490】又、本発明における有機抑制剤は上記の如
くであるが、更に具体的なものとしては、上記特願昭61
‐12781号明細書中第101頁〜第113頁の(Z―1)〜(Z―
3),(Z―6),(Z―8)〜(Z―13),(Z―15)〜(Z―17),
(Z―19),(Z―22)〜(Z―25),(Z―29),(Z―31)〜(Z
―38),(Z―40),(Z―41),(Z―43)〜(Z―64)及び(Z
―66)〜(Z―73)が挙げられる。
【0491】本発明において用いられる発色現像液に
は、更に通常添加されている種々の成分、例えば水酸化
ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ剤、アルカリ
金属チオシアン酸塩、アルカリ金属ハロゲン化物、ベン
ジルアルコール、水軟化剤及び濃厚化剤及び現像促進剤
等を任意に含有させることもできる。
【0492】上記発色現像液に添加される上記以外の添
加剤としては、ステイン防止剤、スラッジ防止剤、保恒
剤、重層効果促進剤、キレート剤等がある。
【0493】本発明の発色現像液は、pH9以上、特にp
H9〜13で用いられることが好ましい。
【0494】又、発色現像液の処理温度としては、本発
明の目的にかなった効果をより良好に奏するために、38
℃以上が好ましく、特に40〜70℃の範囲が好ましく、最
も好ましいのは43〜60℃の範囲である。
【0495】上記の他、本発明の写真感光材料の処理方
法については特に制限はなく、あらゆる処理方法が適用
できる。
【0496】本発明において発色現像液中に、下記一般
式〔I″〕〜〔V″〕で示されるキレート剤を用いる際に
は本発明の目的の効果をより良好に奏する。
【0497】
【化61】
【0498】一般式〔II″〕及び〔III″〕中、Lはア
ルキレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、─L8
─O─L8─O─L8又は─L9─Z─L9─を表す。ここでZは
【0499】
【化62】
【0500】L1〜L13はそれぞれアルキレン基を表
す。R3〜R13は各々水素原子、水酸基、カルボン酸基
(その塩を含む)又はホスホン酸基(その塩を含む)を表
す。
【0501】但し、R3〜R6のうちの少なくとも2つは
カルボン酸基(その塩を含む)又はホスホン酸基(その塩
を含む)であり、又、R7〜R9のうち少なくとも二つは
カルボン酸基(その塩を含む)又はホスホン酸基(その
塩を含む)である。
【0502】
【化63】
【0503】一般式〔IV″〕及び〔V″〕中、R1,R2,
3及びR4は各々水素原子、ハロゲン原子、スルホン酸
基、炭素原子数1〜7のアルキル基、−OR5,−COOR6
−CON<(R7)(R8)、又はフェニル基です。
【0504】又、R5,R6,R7及びR8は、各々、水素原
子又は炭素原子数1〜18のアルキル基を表す。ただし、
2が─OH 又は水素原子を表す場合、R1はハロゲン原
子、スルホン酸基、炭素原子数1〜7のアルキル基、−
RO5−COOR6,−CON<(R7)(R8)又はフェニル基を表す。た
だしnは1〜3の整数である。
【0505】上記一般式〔I″〕で示される化合物とし
ては、1‐ヒドロキシエチリデン‐1,1‐ジホスホン
酸、1‐ヒドロキシプロピリデン‐1,1‐ジホスホン酸、
1‐ヒドロキシ‐1,1‐ジホスホノメタン等が挙げら
れ、特に好ましくは1‐ヒドロキシエチリデン‐1,1‐
ジホスホン酸が挙げられ、該化合物はアルカリ金属塩、
アンモニウム塩などとしても使用できる。
【0506】上記化合物の添加量は、好ましくは発色現
像液1l 当たり1×10-4モル〜0.5モルの範囲であり、
特に好ましくは4×10-4モル〜0.1モルの範囲である。
【0507】一般式〔II″〕及び〔III″〕において、
Lで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基及びフ
ェニレン基、並びにL1〜L13で表されるアルキレン基
は置換基を有するものも含む。
【0508】次に、これら一般式〔II″〕及び〔II
I″〕で表される化合物の好ましい具体的例示化合物を
以下に挙げる。
【0509】[例示化合物] [II″―1]エチレンジアミン四酢酸 [II″―2]ジエチレントリアミン五酢酸 [II″―3]エチレンジアミン‐N‐(β‐ヒドロキシエ
チル)‐N,N′,N′‐三酢酸 [II″―4]プロピレンジアミン四酢酸 [II″―5]トリエチレンテトラミン六酢酸 [II″―6]シクロヘキサンジアミン四酢酸 [II″―7]1,2‐ジアミノプロパン四酢酸 [II″―8]1,3‐ジアミノプロパン‐2‐オール四酢酸 [II″―9]エチルエーテルジアミン四酢酸 [II″―10]グリコールエーテルジアミン四酢酸 [II″―11]エチレンジアミンテトラプロピオン酸 [II″―12]フェニレンジアミン四酢酸 [II″―13]エチレンジアミン四酢酸ジナトリウム塩 [III― 1]ニトリロ三酢酸 [III─ 2] イミノ二酢酸 [III─ 3] ニトリロトリプロピオン酸 [III─ 4] ニトリロトリメチレンホスホン酸 [III─ 5] イミノジメチレンホスホン酸 [III─ 6] ニトリロ三酢酸トリナトリウム塩 これら本発明のキレート剤の中で、本発明の目的の効果
の点から特に好ましく用いられる化合物としては〔II″
―1〕、〔II″―2〕、〔II″―5〕、〔II″―8〕、〔II″―
19〕、〔III″―1〕、〔III″―4〕が挙げられる。特に
〔II―2〕が経時による沈澱物の発生が少なく好ましく
用いられる。
【0510】これらの本発明のキレート剤の添加量は、
発色現像液1l 当たり、0.1〜20gの範囲で好ましく使
用され、とりわけ本発明の目的の点から0.3〜5gの範
囲が特に好ましく用いられる。
【0511】上記一般式[IV″]及び[V″]式中、R1,R
2,R3及びR4は各々、水素原子、ハロゲン原子、スルホ
ン酸基、炭素原子数1〜7のアルキル基、−RO5−COO
R6,−CON<(R7)(R8)又はフェニル基です。又、R5,R6,
7及びR8は、各々、水素原子又は炭素原子数1〜18の
アルキル基を表す。ただし、R2が─OH 又は水素原子を
表す場合、R1はハロゲン原子、スルホン酸基、炭素原
子数1〜7のアルキル基、−RO5−COOR6,−CON<(R7)(R
8)又はフェニル基を表す。
【0512】前記R1,R2,R3及びR4が表すアルキル基
としては、例えばメチル基、エチル基、i‐プロピル
基、プロピル基、t‐ブチル基、ブチル基、ヒドロキシ
メチル基、ヒドロキシエチル基、メチルカルボン酸基、
ベンジル基等が挙げられ、又R5,R6,R7及びR8が表す
アルキル基としては前記と同義であり、更にオクチル基
等が挙げることができる。
【0513】又、R1,R2,R3及びR4が表すフェニル基
としてはフェニル基、2‐ヒドロキシフェニル基、4‐ア
ミノフェニル基等が挙げられる。
【0514】前記一般式[IV″]又は[V″]で示される化
合物の代表的具体例を以下に挙げるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0515】(IV″―1) 4‐i-プロピル‐1,2‐ジヒド
ロキシベンゼン (IV″―2) 1,2‐ジヒドロキシベンゼン‐3,5‐ジスル
ホン酸 (IV″―3) 1,2,3‐トリヒドロキシベンゼン‐5‐カル
ボン酸 (IV″―4) 1,2,3‐トリヒドロキシベンゼン‐5‐カル
ボキシメチルエステル (IV″―5) 1,2,3‐トリヒドロキシベンゼン‐5‐カル
ボキシ‐n‐ブチルエステル (IV″―6) 5‐t‐ブチル‐1,2,3‐トリヒドロキシベン
ゼン (IV″―7) 1,2-ジヒドロキシベンゼン-3,5,6‐トリス
ルホン酸 (IV″―8) 1,2-ジヒドロキシベンゼン-3,4,6‐トリス
ルホン酸 (V″―1) 2,3-ジヒドロキシナフタレン-6-スルホン酸 (V″―2) 2,3,8-トリヒドロキシナフタレン-6-スルホ
ン酸 (V″―3) 2,3-ジヒドロキシナフタレン-6-カルボン酸 (V″―4) 2,3-ジヒドロキシ-8-イソプロピル-ナフタレ
ン (V″―5) 2,3-ジヒドロキシ-8-クロロ-ナフタレン-6-
スルホン酸 上記化合物中、本発明において特に好ましく用いられる
化合物としては、1,2‐ジヒドロキシベンゼン‐3,5‐ジ
スルホン酸が挙げられ、ナトリウム塩、カリウム塩等の
アルカリ金属塩などとしても使用できる。
【0516】本発明において、前記化合物は現像液1リ
ットル当たり5mg〜20gの範囲で使用することができ、
好ましくは10mg〜10g、更に好ましくは20mg〜3g加
えることによって良好な結果が得られる。
【0517】前記本発明の化合物は単独で用いられて
も、又組み合わされて用いても良い。例えばアミノポリ
カルボン酸、有機ホスホン酸等の組合せが良い。
【0518】本発明の発色現像液中には下記一般式
〔2′〕で示される化合物を含有する際に本発明の目的
の効果をより良好に奏することができるため、本発明の
発色現像液に用いることが好ましい。
【0519】
【化64】
【0520】式中、R1及びR2は各々、アルキル基、ア
ルケニル基、アリール基又は水素原子を表す。ただし、
1及びR2の両方が同時に水素原子であることはない。
又、R1及びR2は環を形成してもよい。
【0521】一般式〔2′〕において、R1及びR2は同
時に水素原子ではない、それぞれ置換、無置換のアルキ
ル基、アリール基又は水素原子を表すが、R1及びR2
表されるアルキル基、アリケニル基は、同一でも異なっ
ていてもよい。R1及びR2のアルキル基、アルケニル
基、アリール基は置換基を有するものも含み、又、R1
及びR2が結合して構成する環としては、例えばピペリ
ジンホリルの如き複素環が挙げられる。
【0522】R1,R2の置換基としてはヒドロキシ基、
アルコキシ基、アルキル基又はアリールスルホン基、ア
ミド基、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、ニトロ
基及びアミノ基である。
【0523】一般式〔2′〕で示されるヒドロキシルア
ミン系化合物の具体的化合物は、米国特許3,287,125
号、同3,293,034号、同3,287,124号等に記載されている
が、以下に特に好ましい具体的例示化合物を示す。
【0524】
【化65】
【0525】
【化66】
【0526】これらのヒドロキシアミン系化合物は、通
常、塩酸塩、硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、蓚酸
塩、燐酸塩、酢酸塩及び塩が付かないもの等の形で用い
られる。発色現像液中の本発明の一般式〔2′〕で示さ
れる化合物の濃度は、通常0.2〜50g/lである。又、これ
ら一般式〔2′〕で示される化合物は単独で用いても、
又、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0527】本発明に使用される安定化液(以下、安定
液ともいう。)には、アルデヒド誘導体が好ましく用い
られる。
【0528】該アルデヒド誘導体は、下記一般式〔I
V′〕〜〔VI′〕で表される化合物である。
【0529】
【化67】
【0530】式中、R16は水素原子、炭素数1〜5のア
ルキル基、ホルミル基、アセチル基、アセトニル基及び
ヒドロキシル基又はアルコキシ基、ホルミル基、アミノ
基、ヒドロキシイミノ基、ハロゲン原子等で置換されて
もよい炭素数1〜5のアルキル基を表す。R17は水素原
子又は炭素数1〜5のアルキル基、R18は置換されてい
てもよい炭素数1〜5のアルキル基、Mはアルカリ金
属、R19,R20は水素原子又は置換されてもよい炭素数
1〜5のアルキル基、nは0〜4の整数を表す。
【0531】以下に上記一般式で示される化合物の具体
的な例を記載するが、本発明がこれによって限定される
わけではない。
【0532】[例示化合物] IV―1 ホルムアルデヒド IV―2 アセトアルデヒド IV―3 プロピオンアルデヒド IV―4 イソブチルアルデヒド IV―5 n―ブチルアルデヒド IV―6 n―バレルアルデヒド IV―7 イソバレルアルデヒド IV―8 メチルエチルアセトアルデヒド IV―9 トリメチルアセトアルデヒド IV―10 n―ヘキサアルデヒド IV―11 メチル―n―プロピルアセトアルデヒド IV―12 イソヘキサアルデヒド IV―13 グリオキザール IV―14 マロンアルデヒド IV―15 コハク酸アルデヒド IV―16 グルタルアルデヒド IV―17 アジプアルデヒド IV―18 メチルグリオキザール IV―19 アセト酢酸アルデヒド IV―20 グリコールアルデヒド IV―21 エトキシアセトアルデヒド IV―22 アミノアセトアルデヒド IV―23 ベタインアルデヒド IV―24 クロラール IV―25 クロロアセトアルデヒド IV―26 ジクロロアセトアルデヒド IV―27 ブロマール IV―28 ジブロモアセトアルデヒド IV―29 ヨードアセトアルデヒド IV―30 α―クロロプロピオンアセトアルデヒド IV―31 α―ブロモプロピオンアセトアルデヒド IV―32 ムコクロール酸 V―1 ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム V―2 アセトアルデヒド重亜硫酸ナトリウム V―3 プロピオンアルデヒド重亜硫酸ナトリウム V―4 ブチルアルデヒド重亜硫酸ナトリウム VI―1 コハク酸アルデヒド重亜硫酸ナトリウム VI―2 グルタルアルデヒドビス重亜硫酸ナトリウム VI―3 β―メチルグルタルアルデヒドビス重亜硫酸ナ
トリウム VI―4 マレイン酸ジアルデヒドビス重亜硫酸ナトリウ
ム 上記アルデヒド誘導体は安定化液1l 当たり一般式(I
V′)で示される化合物は2.0×10-5〜2.0×10-2モルの範
囲で使用するのが好ましく、一般式(V),(VI)で示され
る化合物は2.0×10-5〜8.0×10-2モルである。
【0533】又、上記アルデヒド誘導体の中でも一般式
[V′]で表される化合物が低公害化及び硫化の防止とい
う点で有利に用いられる。次に本発明においても色素画
像の安定性、特にイエローステイン防止の為に安定化液
中にヘキサメチレンテトラミン系、N-メチロール系化合
物が好ましく用いられる。ヘキサメチレンテトラミン系
化合物とはヘキサメチレンテトラミン及びその誘導体で
ある。
【0534】ヘキサメチレンテトラミン誘導体として
は、例えばヘキサメチレンテトラミンのハロゲン付加
物、無機酸付加物、金属塩付加物、フェノール誘導体付
加物、アルキルスルホン酸付加物、アリールスルホン酸
付加物、アルキル硫酸エステル付加物、アルキルカルボ
ン酸付加物、アリールカルボン酸付加物、アルキルハラ
イド付加物などが挙げられる。ヘキサメチレンテトラミ
ン及びその誘導体は、具体的には、バイルシュタインズ
・ハンドブッヒ・デア・オルガニッシェン・ヘミー(Be
ilsteins Handbuch der Organischen Chemie)の第II増
補編の26巻、200〜212頁に記載の化合物を挙げることが
できる。
【0535】これらのうち、本発明では、水に可溶なも
のが好ましい。
【0536】以下にヘキサメチレンテトラミン系化合物
の代表例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0537】
【化68】
【0538】上記化合物は市販品として容易に入手でき
るか、もしくは上記文献に記載の方法を用いて容易に合
成を行なうことができる。
【0539】ヘキサメチレンテトラミン系化合物は単独
で用いても2種以上併用してもよい。その添加量は、安
定化液1l 当たり0.05g以上であることが好ましく、よ
り好ましくは0.3〜20gである。N-メチロール化合物とし
ては、米国特許4,859,574号に示されており、ジメチロ
ールグアニジン、トリメチロール尿素、ジメチロール尿
素、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミ
ン等が挙げられる。添加量は、安定液1リットル当たり
0.05〜20g、好ましくは、0.1〜10g/lであり、この範囲
であれば本発明の効果を有効に奏する。
【0540】安定液は表面張力が8〜60dyne/cm(20℃)
を与えることによって色素画像の安定化が向上する。と
りわけ下記一般式〔I′〕、一般式〔II′〕及び水溶性
有機シロキサン系化合物から選ばれる少なくとも1種の
化合物が効果の点から特に好ましく用いられる。
【0541】本発明の感光材料の処理に用いられる安定
液の表面張力は、「界面活性剤の分析と試験法」(北原文
雄、早野茂雄、原一郎共著、1982年3月1日発行、
(株)講談社発行)等に記載されてある一般的な測定方法
で測定され、本発明では20℃における通常の一般的な測
定方法による表面張力の値である。
【0542】次に本発明に用いられる一般式[I′]、一
般式[II′]及び水溶性有機シロキサン系化合物について
説明すると、
【0543】
【化69】
【0544】式中、R1は一価の有機基、例えば炭素原
子数が6〜20、好ましくは6〜12のアルキル基であり、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウン
デシル又はドデシル等を表す。又は炭素原子数が3〜20
のアルキル基で置換されたアリール基であり、置換基と
して好ましくは炭素原子数が3〜12のアルキル基であ
り、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル又はドデシ
ル等を表す。アリール基としてはフェニル、トリル、キ
シニル、ビフェニル又はナフチル等であり、好ましくは
フェニル又はトリルである。アリール基にアルキル基が
結合する位置としては、オルト、メタ、パラ位いずれで
もよい。R2はエチレン基又はプロピレン基を表し、m
は4〜50の整数を表す。
【0545】X1は水素原子、‐SO3M又は‐PO3M2 を示
し、Mは水素原子、アルカリ金属(ナトリウム、 カリウ
ム又はリチウム等)又は‐NH4を表す。
【0546】
【化70】
【0547】式中、R3,R4,R5及びR6は各々、水素原
子、アルキル基又はフェニル基を示すが、R3,R4,R5
びR6の炭素原子数の合計が3〜50である。X2はハロゲ
ン原子、水酸基、硫酸基、炭酸基、硝酸基、酢酸基又は
p‐トルエンスルホン酸基アニオンを示す。
【0548】次に本発明の一般式[I′],[II′]で表わ
される化合物及び水溶性有機シロキサン系化合物の具体
的代表例を挙げるが本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0549】
【化71】
【0550】
【化72】
【0551】これら、前記一般式[I′],[II′]で表さ
れる化合物及び水溶性有機シロキサン系化合物は、単独
で用いられても、又、組み合わされて用いられてもよ
い。更に、その添加量は、安定液1リットル当たり0.01
〜20gの範囲で使用する際に良好な効果を奏する。0.01
g以下では感材表面の汚れが目立ち、20g以上では有機
シロキサン系化合物が感材表面に大量に付着し、汚れと
なる。
【0552】又、前記一般式[I′]、[II′]で表される
化合物及び水溶性有機シロキサン系化合物の中で本発明
に好ましく用いられる化合物は前記一般式[I′]で表さ
れる化合物であり、硫化銀発生防止に対しても効果が大
きい。
【0553】本発明の水溶性有機シロキサン系化合物
は、例えば、特開昭47‐18333号、特公昭55‐51172号、
特公昭51‐37538号、特開昭49‐62128号及び米国特許3,
545,970号等に記載されてあるが如き一般的な水溶性の
有機シロキサン系化合物を意味する。
【0554】前記水溶性有機シロキサン系化合物の中で
もとりわけ下記一般式[III′]で示される化合物が好ま
しく用いられる。
【0555】
【化73】
【0556】R9,R10及びR11は各々低級アルキル基
(好ましくは炭素原子数が1〜3のアルキル基でメチ
ル、エチル、プロピル等)を表し、前記R9,R10及びR
11は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。l は1〜
4の整数を表し、p及びqは1〜15の整数を表す。
【0557】以下に一般式[III′]で示される化合物の
具体例を示す。
【0558】
【化74】
【0559】本発明に用いる安定液の補充量は処理する
撮影用カラー感光材料の単位面積当たり前浴からの持ち
込み量の1〜80倍であり、2〜60倍であることが必要で
あるが、本発明においては安定液中の前浴成分(漂白定
着液又は定着液)の濃度が安定液槽の最終槽で1/500
以下、好ましくは1/1000以下であるが、低公害及び液
の保存性の面から1/500〜1/100000、好ましくは1
/2000〜1/50000になるように安定化槽の処理槽を構
成することが必要である。
【0560】安定化処理槽は複数の槽より構成され、該
複数の槽は、2〜6槽にすることが好ましい。
【0561】安定化処理槽が2〜6槽の場合であり、し
かもカウンターカレント方式(後浴に供給して前浴から
オーバーフローさせる方式)にすることが本発明の効
果、特に低公害及び画像保存の向上の上からも好まし
い。特に好ましくは2〜3槽、更に好ましくは2槽が好
ましい。
【0562】持ち込み量は感光材料の種類、自動現像機
の搬走速度、搬走方式、感光材料表面のスクイズ方式等
により異なるが、撮影用カラー感材の場合通常カラーフ
ィルム(ロールフィルム)の場合、通常持ち込み量は50〜
150ml/m2であり、この持ち込み量に対する本発明の効
果がより顕著である補充量は50〜4.0l/m2の範囲にあ
り、特に効果が顕著な補充量は200〜1500ml/m2の範囲
にある。
【0563】安定液による処理の処理温度は15〜60℃、
好ましくは20〜45℃の範囲が良い。
【0564】又、安定液中には、下記一般式[VII′]〜
[IX′]で示されるキレート剤を未露光部の白地改良及び
保存後の色素画像のイエローステイン防止のために含有
させることが好ましい。
【0565】
【化75】
【0566】R1〜R6はアルキレン基を表す。
【0567】A1〜A3は各々、─COOM又は─PO3M2を表
し、A4及びA5は各々、水素原子、水酸基、─COOM 又
は─PO3M2 を表す。Mは水素原子又はアルカリ金属原子
を表す。
【0568】
【化76】
【0569】式中、R7はアルキル基、アリール基又は
含窒素6員環基を表す。Mは水素原子又はアルカリ金属
原子を表す。
【0570】
【化77】
【0571】式中、R8,R9及びR10は各々、水素原
子、水酸基、─COOM,─PO3M2又はアルキル基を表し、
1,B2及びB3は各々水素原子、水酸基、―COOM,─PO
3M2又は−N<(J)(J)を表す。Jは水素原子、アルキル基、
―C2H4OH又は─PO3M2を表す。Mは水素原子又はアルカ
リ金属原子を表し、n及びmは各々0又は1を表す。
【0572】以下に一般式[VII′],[VIII′],[IX′]
で表されるキレート剤の具体例の一部を示すが、これに
限定されるものではない。
【0573】
【化78】
【0574】上記安定液に好ましく用いられるキレート
剤は、安定液1リットル当たり、0.01〜100gで用いる
ことが好ましく、より好ましくは0.05〜50gであり、特
に好ましくは0.1〜20gである。
【0575】又、本発明で好ましく用いられる安定液の
pH値としては、本発明の効果の他、画像保存性を向上さ
せる目的でpH4.0〜9.0の範囲が好ましく、より好ましく
は4.5〜9.0の範囲であり、特に好ましくは5.0〜8.5の範
囲である。
【0576】本発明で好ましく用いられる安定液に含有
することができるpH調整剤は、一般に知られているア
ルカリ剤又は酸剤のいかなるものも使用できる。 本発
明で好ましく用いられる安定液には、有機酸塩(クエン
酸、酢酸、コハク酸、蓚酸、安息香酸等)、pH調整剤
(燐酸塩、硼酸塩、塩酸、硫酸塩等)、界面活性剤、防
腐剤、Bi、Mg、Zn、Ni、Al、Sn、Ti、Zr 等の金属塩な
どを添加することができる。これら化合物の添加量は本
発明による安定浴のpHを維持するに必要でかつカラー写
真画像の保存時の安定性と沈澱の発生に対し悪影響を及
ぼさない範囲の量をどのような組合せで使用しても差し
支えない。
【0577】本発明の各安定液に好ましく用いられる防
黴剤は、ヒドロキシ安息香酸エステル化合物、フェノー
ル系化合物、チアゾール系化合物、ピリジン系化合物、
グアニジン系化合物、カルバメイト系化合物、モルホリ
ン系化合物、四級ホスホニウム系化合物、アンモニウム
系化合物、尿素系化合物、イソキサゾール系化合物、プ
ロパーノールアミン系化合物、スルファミド系化合物、
アミノ酸系化合物、活性ハロゲン放出化合物及びベンゾ
トリアゾール系化合物である。
【0578】前記ヒドロキシ安息香酸エステル化合物
は、ヒドロキシ安息香酸のメチルエステル、エチルエス
テル、プロピルエステル、ブチルエステル等があるが、
好ましくはヒドロキシ安息香酸のブチルエステル、i-ブ
チルエステル、プロピルエステルであり、より好ましく
は前記ヒドロキシ安息香酸エステル3種の混合物であ
る。
【0579】本発明で防黴剤として好ましく用いられる
フェノール系化合物はアルキル基、ハロゲン基、ニトロ
基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、フェニル基等を
置換基として有してもよい化合物であり、好ましくはo-
フェニルフェノール、o-シクロヘキシフェノール、フェ
ノール、ニトロフェノール、クロロフェノール、クレゾ
ール、グアヤコール、アミノフェノール等である。
【0580】特に好ましくはオルトフェニルフェノール
がアルデヒド誘導体の重亜硫酸塩付加物との組合せにお
いて顕著な防バイ性を示す。
【0581】チアゾール系化合物は、5員環に窒素原子
及び硫黄原子を持つ化合物であり、好ましくは1,2‐ベ
ンツイソチアゾリン3‐オン、2‐メチル‐4‐イソチア
ゾリン3‐オン、2‐オクチル‐4‐イソチアゾリン3‐オ
ン、5‐クロロ‐2‐メチル‐4‐イソチアゾリン3‐オ
ン、2‐クロロ‐4‐チアゾリル‐ベンツイミダゾールで
ある。
【0582】ピリジン系化合物は具体的には2,6‐ジメ
チルピリジン、2,4,6‐トリメチルピリジン、ソジウム
‐2‐ピリジンチオール‐1‐オキサイド等があるが、好
ましくはソジウム‐2‐ピリジンチオール‐1‐オキサイ
ドである。
【0583】グアニジン系化合物は具体的にはシクロヘ
キシジン、ポリヘキサメチレン、ビグアニジン塩酸塩、
ドデシルグアニジン塩酸塩があり、好ましくは、ドデシ
ルグアニジン及びその塩である。
【0584】カルバメート系化合物は具体的にはメチル
‐1‐(ブチルカルバモイル)‐2‐ベンズイミダゾール
カルバメート、メチルイミダゾールカルバメート等があ
る。
【0585】モルホリン系化合物は具体的には4‐(2‐
ニトロブチル)モルホリン、4‐(3‐ニトロブチル)モ
ルホリン等がある。
【0586】四級ホスホニウム系化合物はテトラアルキ
ルホスホニウム塩、テトラアルコキシホスホニウム塩等
があるが、好ましくはテトラアルキルホスホニウム塩で
あり、更に具体的な好ましい化合物はトリブチル‐テト
ラデシルホスホニウムクロライド、トリフェニル・ニト
ロフェニルホスホニウムクロライドがある。
【0587】四級アンモニウム化合物は具体的にはベン
ザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、テトラアルキルア
ンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩があり、具体的
にはドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリ
ルピリジニウムクロライド等がある。
【0588】尿素系化合物は具体的にはN‐(3,4-ジクロ
ロフェニル)‐N′‐(4‐クロロフェニル)尿素、N‐(3
‐トリフルオロメチル‐4‐クロロフェニル)‐N′‐(4
‐クロロフェニル)尿素等がある。
【0589】イソオキサゾール系化合物は具体的には3
‐ヒドロキシ‐5‐メチルイソオキサゾール等がある。
【0590】プロパノールアミン系化合物は、n‐プロ
パノール類とi-プロパノール類があり、具体的にはDL‐
2‐ベンジルアミノ‐1‐プロパノール、3‐ジエチルア
ミノ‐1‐プロパノール、2‐ジメチルアミノ‐2‐メチ
ル‐1‐プロパノール、 3‐アミノ‐1‐プロパノール、i
-プロパノールアミン、ジ-i-プロパノールアミン、N,N
‐ジメチル‐i-プロパノールアミン等がある。
【0591】スルファミド系化合物としてはo‐ニトロ
ベンゼンスルファミド、p‐アミノベンゼンスルファミ
ド、4‐クロロ‐3,5‐ジニトロベンゼンスルファミド、
α‐アミノ‐p‐トルエンスルファミド等がある。
【0592】アミノ酸系化合物は具体的にはN‐ラウリ
ル‐β‐アラニンがある。
【0593】活性ハロゲン放出化合物としては次亜塩素
酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌール酸ナトリウム、
トリクロロイソシアヌール酸、クロラミンT、クロラミ
ンB、ジクロロジメチルヒダントイン及びクロロブロモ
ジメチルヒダントインが挙げられるが、次亜塩酸ナトリ
ウム、ジクロロイソシアヌール酸ナトリウム、トリクロ
ロイソシアヌール酸が好ましい。
【0594】ベンゾトリアゾール系化合物は具体的には
下記のものが挙げられる。
【0595】
【化79】
【0596】なお、上記防黴剤の中で本発明において好
ましく用いられる化合物はフェノール系化合物、チアゾ
ール系化合物、ピリジン系化合物、グアニジン系化合
物、四級アンモニウム系化合物、活性ハロゲン放出化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物である。更に、特に好
ましくは液保存性の上からフェノール系化合物、チアゾ
ール系化合物活性ハロゲン放出化合物及びベンゾトリア
ゾール系化合物である。安定液への防黴剤の添加量は、
水洗代替安定液1l 当たり0.001g以下では本発明の目
的の効果が少なく、又、50g以上では、コスト的に好ま
しくなく、更に色素画像の保存安定性が逆に劣化するた
め、0.001〜50gの範囲で用いられ、好ましくは、0.005
〜10gの範囲で使用される。
【0597】本発明の感光材料の処理においては安定液
は勿論定着液及び漂白定着液等の可溶性銀塩を含有する
処理液から各種の方法で銀回収してもよい。例えば、電
気分解法(仏国特許2,299,667号記載)、沈澱法(特開
昭52‐73037号記載、西独国特許2,331,220号記載)、イ
オン交換法(特開昭51‐17114号記載、独国特許2,548,2
37号記載)、及び金属置換法(英国特許1,353,805号記
載)等が有効に利用できる。更に銀回収に際し、前記可溶
性銀塩を処理液のオーバーフロー液を回収し前記方法で
銀回収し、残液は廃液として処分してもよいし、再生剤
を添加し、補充液又は槽処理液として使用してもよい。
安定液を定着液又は漂白定着液と混合してから銀回収す
ることは特に好ましい。
【0598】又、安定液をイオン交換樹脂と接触させる
処理、電気透析処理(特願昭59‐96352号参照)や逆浸透
処理(特願昭59‐96352号参照)等を用いることもでき
る。
【0599】又、安定液に使用する水を予め脱イオン処
理したものを使用すると安定液の防バイ性や安定液の安
定性及び画像保存性向上が計れるので好ましく用いられ
る。脱イオン処理の手段としては、処理後の水洗水の導
電率を50μs/cm以下又はCa,Mg イオンを5ppm以下にする
ものであればいかなるものでもよいが、例えばイオン交
換樹脂や逆浸透膜により処理を単独或いは併用すること
が好ましい。 イオン交換樹脂や逆浸透膜については公
開技報87‐1984号に詳細に記載されているが、好ましく
は、強酸性H型カチオン交換樹脂と強塩基性 OH 型アニ
オン交換樹脂を用いるのが好ましい。
【0600】本発明において安定液中の塩濃度が1000pp
m以下、好ましくは800ppm以下であることが水洗効果を
高め、白地の改良や防バイ性に良好である。
【0601】本発明における安定液の処理時間は本発明
の効果、特に処理安定液に対する効果を奏する上で2分
以下、好ましくは1分30秒以下、特に好ましくは1分以
下である。
【0602】本発明は小型パトローネならびにレンズ付
フィルムユニットと称せられる簡易カメラに効果的に使
用することができる。
【0603】このようなカメラにおいては、予め通常カ
メラでいう巻取り軸側にフィルムが巻かれており、使用
時には撮影につれてパトローネ中に巻き戻す形式で使用
される。
【0604】図1はこの様なフィルム巻き取り状況を示
す説明斜視図である。同図においてFはフィルムであっ
て、カメラ使用前に予め、巻き出し軸Sに巻かれてい
る。
【0605】次いで撮影にしたがってパトローネPに順
次巻き取っていく方式である。
【0606】図2において、パトローネ胴部6にはフィ
ルム取り出し口7が軸方向に沿って設けられており、こ
のフィルム取り出し口7の内壁にはフィルム保護のため
のテレンプTが設けられている。
【0607】図2に示すように、このパトローネPの内
壁は、取り出し口7を設けた部分を除いて円筒状内壁と
なっている。このパトローネPの水平断面を見ると、前
記円筒状内壁から内接円8が仮想される。この仮想的な
内接円8を、この発明においては、このフィルムパトロ
ーネ巻取り室内壁の投影図に内接する円と称する。この
円の直径をD1とする時、D1は22mmを越えず、好ましく
は15mm〜21mmであり、特に好ましくは17〜20mmである。
この発明においては、D1が22mmを越えないように設計
されていることを後述するように巻取り軸が小さくとも
6mmであることとによって、この発明の目的を達成する
ことができ、逆に、D1が22を越えると写真用フィルム
カメラの小型化を達成することができない。また、D1
が22mmを越えず、巻取軸6mm未満であっても外見上の写
真用フィルムカメラの小型化を達成することができるの
であるが、フィルムの物性や写真特性が劣化してしま
う。
【0608】図3はこの発明のパトローネの断面図であ
る。同図において1は長ハブ、2は短ハブであって、4
はフランジ、5はキャップを示している。3が巻取り軸
であって、6が胴を表す。巻取り軸3の軸径をD2とす
るときD2の有効直径は細くとも6mmであり、好ましく
は8〜13mmであり、特に好ましくは9〜12mmである。巻
取り軸の軸径が6mm以上であると、この巻取り軸に倦回
する写真フィルムにたとえ巻き癖がついても容易にその
巻き癖が解消されるのであるが、軸径が6mm未満の細さ
であるところの巻き取り軸に倦回する写真フィルムにつ
いた巻癖が容易に解消しないばかりか、写真特性も劣化
する。
【0609】さらにこの発明においては、D/D
3〜2.1であることが好ましい。D1/D2が1.3〜2.1であ
ると、写真用ロールフィルムパトローネの製造におい
て、従来規格のパトローネの製造装置をわずかに改造す
るだけで本発明の写真用ロールフィルムパトローネを製
造することは工業的見地からすると極めて大きなメリッ
トである。また更に、フィルム現像所において、ユーザ
ーから集められた写真用ロールフィルムパトローネを取
り扱う場合にも、D1/D2が上記範囲内であれば従来の
処理機器や処理設備をそのまま、あるいは簡単な治具や
アダプターを用いることによって対処することができる
という大きな利点がある。特にD1/D2が1.3未満であ
るとパトローネの小型化を達成することができないが、
あるいはフィルム収納容積が小さくなり過ぎて実用的で
はないか、あるいはフィルムを極端に薄くしなければな
らず、したがって取り扱いが困難になる。
【0610】また、D1/D2が2.1を超えるとパトロー
ネの小型化を達成することができないがか、あるいは巻
き取り軸が細くなり過ぎて前記巻き癖解消が困難になっ
てり、細い巻き取り軸へのフィルムの接合や巻き上げが
困難になってしまう。
【0611】ここで有効直径とは巻取り軸において、フ
ィルムが巻かれる部分の中で最も太い部分と定義され
る。フィルムベースと乳剤の総厚が80〜140μmの範囲内
にあり、好ましくは90〜138μmである。総厚が80〜140
μmの範囲内にあると、本発明の小型の写真用ロールフ
ィルムパトローネに収納されても、撮影枚数が通常の13
5サイズで広く用いられている「24枚取り」が可能であ
ってユーザーは従来と同じ撮影枚数感覚で安心して撮影
することができるという利点があり、本発明の目的を達
成することができる。総厚が80μmを下回ると、広く市
販されている通常のカメラ内部のフィルムガイド構内で
の位置づれを引き起こし、フィルムの写真構成層がレン
ズのピント面とずれて所謂「ピントの甘い」鮮鋭度の劣
る写真が得られてしまう。
【0612】本発明はレンズ付フィルムユニットに通用
することができ、例えば特願平3-5144号、同3-22926
号、同4-35266号、同4-5854号、同4-5855号,同4-8688
号、同4-7787号、同4-86897号、同4-8690号、同4-6626
号、同4-6627号,同4-8691号、同4-25338 、 同4-2533
9、同4-30964号、同4-41307号、同4-122717号に示され
る。
【0613】技術と組合せて用いることによって効果を
発揮する。特に好ましい具体的レンズ付フィルムユニッ
トとしては図4に示されるものである。
【0614】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。
【0615】実施例−1 (本発明の支持体No.1〜10の作成および比較支持体No.
11,12)テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレング
リコール64重量部に酢酸カルシウム水和物0.1重量部を
添加し、常法によりエステル交換反応を行なった。得ら
れた生成物に5-ナトリウムスルホジ(β−ヒドロキシエ
チル)イソフタル酸のエチレングリコール溶液(濃度35
重量%)28重量部(5モル%/全酸成分)、ポリエチレ
ングリコール(数平均分子量3000)8.1重量部(7重量
%/ポリマー)、三酸化アンチモン0.05重量部、リン酸
トリメチルエステル0.13重量部を添加した。次いで除々
に昇温、減圧にし、280℃,0.5mmHgで重合を行い共重
合ポリエステルを得た。
【0616】この共重合ポリエステル及び市販のポリエ
チレンテレフタレート(固有年度0.65)を各々150℃で
真空乾燥した後、3台の押出機を用いて285℃で溶融押
出し、3層各層が表1に示す素材からなるようにTダイ
内で層状に接合し、冷却ドラム上で急冷固化させ、積層
未延伸フィルムを得た。この時、各素材の押出量を調整
し各層の厚さを表1に示すように変化した。
【0617】次いで85℃でタテ方向に3.5倍延伸し、更
に95℃でヨコ方向に3.5倍延伸した後210℃で熱固定して
厚さ80μmの二軸延伸フィルムを得た。該フィルムの特
性値は表1に示したとおりであり、共重合ポリエステル
およびポリエステルそれぞれ単一の素材からなるフィル
ムは、巻きぐせ回復率、弾性率いずれかの特性に劣る
が、両者を積層したもの、特に各層の比を本発明に規定
の値に調整したものは巻きぐせ回復率、弾性率ともに良
好なフィルムが得られた。
【0618】
【表1】
【0619】ただし、各支持体の特性は以下に従って求
めた。
【0620】〈弾性率〉フィルムを温度23℃、相対湿度
55%に温調された部屋に4時間以上放置した後、試料巾
10mm、長さ200mmに切断し、チェック間100mmにして引張
速度100mm/分で引張試料をして求めた。
【0621】〈透明性〉フィルムのヘーズをJIS K-6
714に従って測定した。写真用支持体としては実用上3
%以下が好ましい。
【0622】〈巻きぐせ回復性〉サンプルサイズ12cm×
35mmのフィルムを直径10mmの巻芯に巻き、55℃,20%R
Hの条件下で3日間処理し、巻きぐせをつける。その後
巻芯から解放し、38℃の純水に15分間浸漬後、50gの荷
重をかけて55℃の熱風乾燥器で3分間乾燥する。荷重を
はずし、サンプルを垂直に吊るし、サンプル両端間の距
離を求め、元の距離12cmに対しどれだけ回復したかを評
価した。
【0623】(下引き層の塗設)前記支持体No.1〜12
の両面に、下記のようにして第1および第2下引き層を
設けた。なお、以下において下引き層を有する透明支持
体を単に透明支持体と称することがある。
【0624】・第1下引き層 下記組成物を乳化重合して得られた下引き層用樹脂液10
0重量部、下記界面活性剤0.2重量部、ヘキサメチレン-
1,6-ビス(エチレンウレア)0.3重量部、水900重量部か
らなる下引き層用塗布液を湿潤膜厚20μmとなるように
塗布し、その後乾燥した。
【0625】 〈組成物〉 2-ヒドロキシエチルメタクリレート 75部 ブチルアクリレート 90部 t-ブチルアクリレート 75部 スチレン 60部 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 6部 過硫酸アンモニウム 1部 水 700部 〈界面活性剤〉
【0626】
【化80】
【0627】・第2下引き層 次にゼラチン10重量部、サポニン0.2重量部、水1,000重
量部よりなる下引き層用塗布液を湿潤膜厚20μmになる
ように塗布し、その後乾燥した。
【0628】(磁性層の塗設)上記支持体の片面に下記
磁性層を設けた。
【0629】 〈磁性層〉 γ−Fe2O3 200mg/m2 (保磁力:330 Oe,比表面積 32m2/g) ゼラチン 3.0g/m2 ジ-(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム 200mg/m2 ビスビニルスルホニルメタン 30mg/m2 WAX−1 60mg/m2 (ハロゲン化銀カラー感光材料の作成)前記の透明支持
体1上に下記に示すような組成の写真構成層を設け、多
層カラー感光材料である試料101を作成した。図1に試
料101の断面を概略図として示す。
【0630】(写真構成層の組成)塗布量はハロゲン化
銀及びコロイド銀については、金属銀に換算してg/m2
単位で表した量を、又、カプラー、添加剤についてはg
/m2単位で表した量を、又増感色素については同一層内
のハロゲン化銀1モル当たりのモル数で示した。
【0631】〈試料101〉 第1層;ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.16 UV吸収剤(UV-1) 0.20 高沸点溶媒(Oil-1) 0.20 ゼラチン 1.23 第2層;中間層 化合物(SC-1) 0.15 高沸点溶剤(Oil-2) 0.17 ゼラチン 1.27 第3層;低感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm)(沃化銀含有率8.0モル%) 0.50 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.27μm)(沃化銀含有率2.0モル%) 0.21 増感色素(SD-1) 2.8×10-4 増感色素(SD-2) 1.9×10-4 増感色素(SD-3) 1.9×10-5 増感色素(SD-4) 1.0×10-4 シアンカプラー(C-1) 0.54 シアンカプラー(C-2) 0.08 カラードシアンカプラー(CC-1) 0.021 DIR化合物(D-2) 0.020 高沸点溶媒(Oil-1) 0.53 ゼラチン 1.30 第4層;中感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.52μm)(沃化銀含有率8.0モル%) 0.62 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm)(沃化銀含有率8.0モル%) 0.27 増感色素(SD-1) 2.3×10-4 増感色素(SD-2) 1.2×10-4 増感色素(SD-3) 1.6×10-5 増感色素(SD-4) 1.2×10-4 シアンカプラー(C-1) 0.25 シアンカプラー(C-2) 0.08 カラードシアンカプラー(CC-1) 0.030 DIR化合物(D-2) 0.013 高沸点溶媒(Oil-1) 0.30 ゼラチン 0.93 第5層;高感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径1.00μm)(沃化銀含有率8.0モル%) 1.27 増感色素(SD-1) 1.3×10−4 増感色素(SD-2) 1.3×10-4 増感色素(SD-3) 1.6×10-5 シアンカプラー(C-1) 0.12 カラードシアンカプラー(CC-1) 0.013 高沸点溶媒(Oil-1) 0.14 ゼラチン 0.91 第6層;中間層 化合物(SC-1) 0.09 高沸点溶媒(Oil-2) 0.11 ゼラチン 0.80 第7層;低感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm)(沃化銀含有率8.0モル%) 0.80 増感色素(SD-4) 7.4×10-5 増感色素(SD-5) 6.6×10-4 マゼンタカプラー(M-1) 0.41 カラードマゼンタカプラー(CM-1) 0.12 高沸点溶媒(Oil-2) 0.33 ゼラチン 1.95 第8層;中感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.52μm)(沃化銀含有率8.0モル%) 0.87 増感色素(SD-5) 2.4×10-4 増感色素(SD-6) 2.4×10-4 マゼンタカプラー(M-2) 0.12 カラードマゼンタカプラー(CM-1) 0.070 DIR化合物(D-2) 0.025 DIR化合物(D-3) 0.002 高沸点溶媒(Oil-2) 0.10 ゼラチン 1.00 第9層;高感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径1.0μm)(沃化銀含有率8.0モル%) 1.27 増感色素(SD-5) 1.4×10-4 増感色素(SD-6) 1.4×10-4 マゼンタカプラー(M-2) 0.10 カラードマゼンタカプラー(CM-1) 0.012 高沸点溶媒(Oil-2) 0.10 ゼラチン 1.00 第10層;イエローフィルター層 黄色コロイド銀 0.08 色汚染防止剤(SC-1) 0.15 ホルマリンスカベンジャー(HS-1) 0.20 高沸点溶媒(Oil-2) 0.19 ゼラチン 1.10 第11層;中間層 ホルマリンスカベンジャー(HS-1) 0.20 ゼラチン 0.60 第12層;低感度青感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm) 0.22 (沃化銀含有率8.0モル%) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.27μm) 0.03 (沃化銀含有率2.0モル%) 増感色素(SD-7) 4.2×10-4 増感色素(SD-8) 6.8×10-5 イエローカプラー(Y-1) 0.75 DIR化合物(D-1) 0.010 高沸点溶媒(Oil-2) 0.30 ゼラチン 1.20 第13層;中感度青感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.59μm) 0.30 (沃化銀含有率8.0モル%) 増感色素(SD-7) 1.6×10-4 増感色素(SD-8) 7.2×10-5 イエローカプラー(Y-1) 0.10 DIR化合物(D-1) 0.010 高沸点溶媒(Oil-2) 0.046 ゼラチン 0.47 第14層;高感度青感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径1.00μm) 0.85 (沃化銀含有率8.0モル%) 増感色素(SD-7) 7.3×10-5 増感色素(SD-8) 2.8×10-5 イエローカプラー(Y-1) 0.11 高沸点溶媒(Oil-2) 0.046 ゼラチン 0.80 第15層;第1保護層 沃臭化銀(平均粒径0.08μm) 0.40 (沃化銀含有率1.0モル%) 紫外線吸収剤(UV-1) 0.026 紫外線吸収剤(UV-2) 0.013 高沸点溶媒(Oil-1) 0.07 高沸点溶媒(Oil-3) 0.07 ホルマリンスカベンジャー(HS-1) 0.40 ゼラチン 1.31 第16層;第2保護層 アルカリ可溶性マット剤(平均粒径2μm) 0.15 ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm) 0.04 滑り剤(WAX-1) 0.04 ゼラチン 0.55 なお上述の感光材料は、さらに、化合物SU−1、Su
−2、粘度調整剤、硬膜剤H−1、H−2、安定剤ST
−1、カブリ防止剤AF−1、AF−2(重量平均分子
量10,000のもの及び1,100,000のもの)、染料AI−1、
AI−2および化合物DI−1(9.4mg/m2)を含有す
る。
【0632】上記のUV−1、Oil−1、SC−1、
Oil−2、Oil−3、SD−1、SD−2、SD−
3、SD−4、C−1、C−2、CC−1、D−1、D
−2、M−1、M−2、CM−1、D−3、SC−2、
HS−1、SD−5、Y−1、SD−6、SD−7、S
D−8、UV−2、WAX−1、SU−1、Su−2、
H−1、H−2、ST−1、AF−2、AI−1、AI
−2および化合物DI−1の構造を下記に示す。
【0633】
【化81】
【0634】
【化82】
【0635】
【化83】
【0636】
【化84】
【0637】
【化85】
【0638】
【化86】
【0639】
【化87】
【0640】
【化88】
【0641】
【化89】
【0642】試料101で用いた第3,4,7,12層の沃
臭化銀乳剤はすべて、内部高沃度型コアシェル構造の十
四面体正常晶単分散乳剤であった。第5,8,9,13,
14層の乳剤は八面体双晶単分散乳剤であった。
【0643】前記正常晶単分散乳剤および双晶単分散乳
剤について以下のとおり化学増感と分光増感を施した。
【0644】〈増感剤1〉チオ硫酸ナトリウム 〈増感剤2〉塩化金酸(0.3mg)及びチオシアン酸アン
モニウム(15mg) 〈増感色素のメタノール溶液〉各感光層に示された増感
色素を含むメタノール溶液 〈安定剤〉ST−1(1.0g) 各ハロゲン化銀乳剤(ハロゲン化銀1モル含有)を55
℃、pAgを8.0に合わせ撹拌を続けながら増感色素のメタ
ノール溶液を添加し、20分間熟成し、次いで増感剤1の
水溶液及び増感剤2の水溶液を順次に添加して90分間の
熟成を行った。次にカブリ防止剤AF−1を加えて温度
を40℃に下げ、最後に安定化剤ST−1を添加した。な
お増感剤1及び増感剤2の使用量は最高の写真感度が得
られるように調整した。
【0645】前記支持体1〜12と表2に示された化合物
とを組み合わせて表2に示すような試料101〜115を作成
した。
【0646】
【表2】
【0647】
【化90】
【0648】(ハロゲン化銀カラー感光材料の撮影現
像)ハロゲン化銀カラー感光材料である各試料101〜115
を135サイズ24枚撮りの規格に裁断し、フィルムパトロ
ーネに収納して図4のカメラに装填した。カメラ内、外
とも25℃,60%RHの雰囲気に調整し、フィルムの巾と同
じ35mmの長さのトラック数26の磁気ヘッドが接触した状
態でセンシトメトリー測定用テストパターンの撮影とフ
ィルム自動巻き上げ給送を行い、終了後下記に示す処理
工程に従って処理をした。
【0649】
【表3】
【0650】表3において、補充量は写真感光材料1m2
当たりの値である。
【0651】発色現像液、漂白液、定着液、安定液及び
その補充液は下記のようにして調製されたものを使用し
た。
【0652】 〈発色現像液〉 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N- (β-ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩(一水塩) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1リットルとし、pH10.1に調整した。
【0653】 〈漂白液〉 エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム塩 100g エチレンジアミン四酢酸二アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150g 氷酢酸 10ml 水を加えて1リットルとし、アンモニア水を用いてpH
6.0に調整した。
【0654】 〈定着液〉 チオ硫酸アンモニウム 175g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1リットルにし、酢酸を用いてpH6.0に調整
した。
【0655】 〈安定液〉 ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(コニカ〔株〕製) 7.5ml 水を加えて1リットルとした。
【0656】 〈発色現像補充液〉 水 800ml 炭酸カリウム 35g 炭酸水素ナトリウム 3g 亜硫酸カリウム 5g 臭化ナトリウム 0.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.1g 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N- (β-ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 6.3g 水酸化カリウム 2g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは20%
硫酸を用いてpH10.18に調整した。
【0657】 〈漂白補充液〉 水 700ml 1/3ジアミノプロパン四酢酸鉄 (III)アンモニウム 175g エチレンジアミン四酢酸 2g 硝酸ナトリウム 50g 臭化アンモニウム 200g 氷酢酸 56g アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.0に調整した後に
水を加えて1リットルにした。
【0658】 〈定着補充液〉 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 150g チオ硫酸アンモニウム 180g 亜硫酸ナトリウム 20g エチレンジアミン四酢酸 2g アンモニウム水又は氷酢酸を用いてpH6.5に調整した後
水を加えて1リットルにした。
【0659】〈安定補充液〉安定液に同じ。
【0660】(皮膜物性の評価)前記撮影とフィルムの自
動巻き上げを、25℃20%RHおよび−10%の雰囲気下で行
い、同様に現像処理した後、各試料を顕微鏡観察(×10
0)してひび割れの発生状況を調べた。ひび割れが発生
していると現像処理して得られた画像中に、ひび割れの
形状に対応してスジ状の濃度ムラが検出される。その程
度を目視観察し、以下の4段階の評価を行い結果を表4
に示した。
【0661】A:ひび割れの発生が全くない B:ひび割れの発生が僅かに見られる C:ひび割れ発生が見られる D:ひび割れ発生が著しい (保存特性の評価)パトローネに収納した未露光、未現
像の試料101〜117をポリエチレン製の容器に23℃、55%
RHの条件下で密閉し、その後55℃、60%RHの雰囲気下に
96時間放置して保存テストを行い終了後、前記と同じ現
像処理を施してマゼンタ画像部の感度低下率ΔS(%)を
調べた。
【0662】(カール特性の評価)前記保存特性の評価
に用いた現像処理済の試料を10cmの長さに切断し、25
℃55%RHの雰囲気下で写真構成層側を下にして水平面に
置き、中央部の盛り上がりの高さl(mm)を測定した。数
値が小さい程カール特性が優れていることを示す。
【0663】上記の各評価結果を表4に示す。
【0664】
【表4】
【0665】表4から明らかなように本発明の試料は、
比較試料に比べて低温、低湿下でのひび割れの発生がな
く、かつ感光材料の経時保存中におけるカブリ発生の少
ないハロゲン化銀カラー写真感光材料であることが分か
る。
【0666】実施例−2 下引層を有する実施例−1の支持体No.6上に、下記組
成の各層を支持体側より順次塗布して、反転カラー写真
感光材料の比較用試料201を作製した。
【0667】各成分の塗布量はg/m2で示す。ただし、ハ
ロゲン化銀については、金属銀に換算した塗布量で示
す。
【0668】 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 0.24 紫外線吸収剤 U−1 0.14 紫外線吸収剤 U−2 0.072 高沸点溶媒 O−1 0.31 高沸点溶媒 O−2 0.098 ポリ-N-ビニルピロリドン 0.15 ゼラチン 2.02 第2層(中間層−1) ゼラチン 0.50 第3層(中間層−2) 表面をカブラせた微粒子沃臭化銀乳剤 (沃化銀1.0モル%,0.06μm) 0.05 化合物Q−1 0.01 ゼラチン 0.50 第4層(低感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層) 赤色増感色素(S−1,S−2)により分光増感された AgBrI(AgI 4.0モル%,平均粒径 0.25μm) 0.55 カプラー C−1 0.3 高沸点溶媒 O−2 0.6 ゼラチン 1.3 第5層(高感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層) 赤色増感色素(S−1,S−2)により分光増感された AgBrI(AgI 2.5モル%,平均粒径 0.6μm) 0.75 カプラー C−1 1.0 高沸点溶媒 O−2 1.2 ゼラチン 1.8 第6層(中間層−3) 2,5-ジ-t-オクチルハイドロキノン 0.1 高沸点溶媒 O−1 0.2 ゼラチン 0.9 第7層(中間層−4) 表面をカブラせた微粒子沃臭化銀乳剤 (沃化銀1.0モル%,0.06μm) 0.05 2,5-ジ-t-オクチルハイドロキノン 0.1 高沸点溶媒 O−3 0.25 マット化剤 0.0091 ゼラチン 0.9 第8層(低感度緑感性ハロゲン化銀乳剤層) 緑色増感色素(S−3,S−4)により分光増感された AgBrI(AgI 3.5モル%,平均粒径 0.25μm) 0.55 カプラー M−1 0.15 カプラー M−2 0.04 高沸点溶媒 O−3 0.25 ゼラチン 1.4 第9層(高感度緑感性ハロゲン化銀乳剤層) 緑色増感色素(S−3,S−4)により分光増感された AgBrI(AgI 2.5モル%,平均粒径 0.6μm) 0.8 カプラー M−1 0.56 カプラー M−2 0.12 高沸点溶媒 O−3 1.0 ゼラチン 1.5 第10層(中間層) 2,5-ジ-t-オクチルハイドロキノン 0.1 高沸点溶媒 O−1 0.2 ホルマリンスカベンジャー HS−1 0.2 ゼラチン 0.9 第11層(イエローフィルタ層) 黄色コロイド銀 0.15 ホルマリンスカベンジャー HS−1 0.2 ゼラチン 0.9 2,5-ジ-t-オクチルハイドロキノン 0.1 高沸点溶媒 O−1 0.2 第12層(低感度青感性ハロゲン化銀乳剤層) 青色増感色素(S−5)により分光増感された AgBrI(AgI 2.5モル%,平均粒径 0.35μm) 0.6 カプラー Y−1(比較) 1.4 高沸点溶媒 O−3 0.6 ゼラチン 1.3 第13層(高感度青感性ハロゲン化銀乳剤層) 青色増感色素(S−5)により分光増感された AgBrI(AgI 2.5モル%,平均粒径 0.9μm) 0.75 カプラー Y−1(比較) 3.5 高沸点溶媒 O−3 1.4 ホルマリンスカベンジャー HS−1 0.4 ゼラチン 2.1 第14層:第1保護層 紫外線吸収剤 U−1 0.3 紫外線吸収剤 U−2 0.4 2,5-ジ-t-オクチルハイドロキノン 0.1 高沸点溶媒 O−3 0.6 ホルマリンスカベンジャー HS−1 0.4 ゼラチン 1.2 第15層:第2保護層 平均粒径 0.08μm、沃化銀1モル%を含む沃臭化銀 からなる非感光性微粒子ハロゲン化銀乳剤 0.3 ポリメチルメタクリレート粒子(直径 1.5μm) 0.06 界面活性剤 SA−1 0.004 ゼラチン 0.7 尚、各層には上記組成物の他にゼラチン硬化剤H−1,
H−2や界面活性剤、防腐剤DI−1を添加した。
【0669】各感光層に用いたハロゲン化銀乳剤は、特
開昭59-178447号の実施例1の方法を参考にして調製し
た。いずれも分布の広さ20%以下の単分散乳剤であっ
た。
【0670】各乳剤は脱塩、水洗した後、チオ硫酸ナト
リウム、塩化金酸及びチオシアン酸アンモニウムの存在
下にて最適な化学熟成を施し、増感色素、4-ヒドロキシ
-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン、1-フェニル-5-
メルカプトテトラゾールを加えた。
【0671】乾燥総膜厚は21.5μであった。
【0672】上記試料に用いた組成物の構造式は次の通
りである。
【0673】
【化91】
【0674】
【化92】
【0675】
【化93】
【0676】
【化94】
【0677】
【化95】
【0678】実施例−1と同様に支持体と、第10層,11
層,14層の化合物を組合せて表5に示すように試料201
〜210を作成した。
【0679】
【表5】
【0680】実施例−1と同様の試料加工、撮影、巻き
上げ給送を行い、以下の現像処理を行った。
【0681】 処理工程 処理時間 処理温度 第1現像 6分 38℃ 水 洗 2分 38℃ 反 転 2分 38℃ 発色現像 6分 38℃ 調 整 2分 38℃ 漂 白 6分 38℃ 定 着 4分 38℃ 水 洗 4分 38℃ 安 定 1分 常 温 乾 燥 上記処理工程に用いた処理液組成は以下の通りである。
【0682】 第1現像液 テトラポリ燐酸ナトリウム 2g 亜硫酸ナトリウム 20g ハイドロキノン・モノスルホネート 30g 炭酸ナトリウム(一水塩) 30g 1-フェニル-4-メチル-4-ヒドロキシメチル-3-ピラゾリドン 2g 臭化カリウム 2.5g チオシアン酸カリウム 1.2g 沃化カリウム(0.1%溶液) 2cc. 水を加えて1000ccに仕上げた。(pH 9.60) 反転液 ニトリロトリメチレンホスホン酸・六ナトリウム塩 3g 塩化第一錫(二水塩) 1g p-アミノフノェール 0.1g 水酸化ナトリウム 8g 氷酢酸 15cc. 水を加えて1000ccに仕上げた。(pH 5.75) 発色現像液 テトラポリ燐酸ナトリウム 3g 亜硫酸ナトリウム 7g 第三燐酸ナトリウム(二水塩) 36g 臭化カリウム 1g 沃化カリウム(0.1%溶液) 90cc. 水酸化ナトリウム 3g シトラジン酸 1.5g N-エチル-N-(β-メタンスルホンアミドエチル)-3-メチル -4-アミノアニリン・硫酸塩 11g 2,2-エチレンジチオジエタノール 1g 水を加えて1000ccに仕上げた。(pH 11.70) コンディショナー 亜硫酸ナトリウム 12g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(二水塩) 8g チオグリセリン 0.4cc. 氷酢酸 3cc. 水を加えて1000ccに仕上げた。(pH 6.15) 漂白液 エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(二水塩) 2g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム(二水塩) 120g 臭化アンモニウム 100g 水を加えて1000ccに仕上げた。(pH 5.56) 定着液 チオ硫酸アンモニウム 80g 亜硫酸ナトリウム 5g 重亜硫酸ナトリウム 5g 水を加えて1000ccに仕上げた。(pH 6.60) 安定液 ホルマリン(37重量%) 5cc. コニダックス(コニカ株式会社製) 5cc. 水を加えて1000ccに仕上げた。(pH 7.00) 上記処理により画像の得られた各試料について結果を表
6に示す。
【0683】
【表6】
【0684】表6から明らかなように本発明の試料は、
比較試料に比べて低温、低湿下でのひび割れの発生がな
く、かつ感光材料の経時保存中におけるカブリ発生の少
ないハロゲン化銀カラー写真感光材料であることが分か
る。
【0685】
【発明の効果】本発明により、カール特性、皮膜物性に
優れ、かつ感光材料の経時保存中にカブリ発生の少ない
ハロゲン化銀カラー感光材料を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムの巻取り状況を示す斜視図である。
【図2】パトローネ胴部の断面図である。
【図3】パトローネの断面図である。
【図4】本発明の実施例で用いたカメラの概略図。
【符号の説明】
P パトローネ S 巻出し軸 T テレンプ 1,2 ハブ 3 巻軸 4 フランジ 5 キャップ 6 胴

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上の一方の側に、それぞれ少
    なくとも一層の赤感性、緑感性、青感性感光性層および
    非感光性層からなる写真構成層を有するハロゲン化銀カ
    ラー感光材料において、該透明支持体が平衡含水量の異
    なるポリエステル層を積層してなるものであり、かつ該
    写真構成層の少なくとも一層が、下記一般式〔1〕で示
    される化合物を少なくとも一つ含有することを特徴とす
    るハロゲン化銀カラー感光材料。 【化1】 〔式中、R1およびR2はそれぞれ水素原子または置換基
    を表し、R3は水素原子またはアルキル基を表す。Zは
    水素原子、アルキル基、アリール基、−SO2R4または−S
    O2N(R4)(R5)を表す。R4はアルキル基、アリール基また
    はヘテロ環基を表し、R5は前記R3と同義である。R3
    とZは互いに結合して環を形成してもよい。〕
  2. 【請求項2】 前記平衡含水量の異なるポリエステル層
    のうち、少なくとも一層のポリエステル層が、金属スル
    ホネート基を有する芳香族ジカルボン酸をモノマー成分
    とする共重合ポリエステルであることを特徴とする請求
    項1記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6492529B1 (en) 2000-01-18 2002-12-10 Boehringer Ingelheim Pharmaceuticals, Inc. Bis pyrazole-1H-pyrazole intermediates and their synthesis

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6492529B1 (en) 2000-01-18 2002-12-10 Boehringer Ingelheim Pharmaceuticals, Inc. Bis pyrazole-1H-pyrazole intermediates and their synthesis

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