JP3057247B2 - 写真用ハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

写真用ハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料

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JP3057247B2
JP3057247B2 JP4260376A JP26037692A JP3057247B2 JP 3057247 B2 JP3057247 B2 JP 3057247B2 JP 4260376 A JP4260376 A JP 4260376A JP 26037692 A JP26037692 A JP 26037692A JP 3057247 B2 JP3057247 B2 JP 3057247B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真用ハロゲン化銀乳
剤及びハロゲン化銀写真感光材料に関し、特に長期保存
時の性能劣化が改良された写真用ハロゲン化銀乳剤及び
ハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【発明の背景】近年撮影感光材料及び、医療用感光材料
ともにその需要は増加を続けており、それぞれに対する
様々な性能の要請があり、しかもそれらはよりレベルの
高い要請となってきている。
【0003】用途によって細部の要請項目は異なるが、
共通なものもある。その1つとしては高感度であり、か
つ長期保存時にカブリ上昇や感度低下の生じにくいいわ
ゆる保存性能の優れていることが挙げられる。
【0004】例えば撮影用感光材料の場合、レンズ付フ
ィルムの需要が急速に伸びていることに象徴されるよう
に、より簡便に扱える感光材料が望まれているが、ここ
で望まれる写真性能とは高感度でかつ保存性能の優れて
いることに相当するといえる。このような形体の感光材
料では、露光条件もピントもすべて一定条件であるにも
かかわらず、ユーザーにとってはそれにあまりそぐわな
い状況での撮影も可能であることが望まれるため、感光
材料の高感度化はより望まれる状況が強まってくる。ま
た、通常のカメラよりも簡便であるがためにややもする
とぞんざいに扱われることも多く、さらなる保存性能の
向上も同時に望まれている。
【0005】これまでにも高感度であり、かつ保存性能
の向上した感光材料の検討はなされている。しかしなが
ら、カラー感光材料の改良技術が必ずしも医療用感光材
料に適用できるというわけではなく、その逆の場合もあ
り、同様の目的でありながら、適用できる範囲が限定さ
れている技術がほとんどであった。
【0006】また、これまでの技術はやはり充分ではな
く、より優れたものが望まれている状況である。
【0007】
【発明の目的】従って、本発明の目的は、高感度であっ
て長期保存時に性能劣化の少ない写真感光材料を提供す
ることにある。
【0008】
【発明の構成】本発明者らは、上記目的を以下の構成に
より達成される。
【0009】1.ゼラチンを用いて作られる写真用ハロ
ゲン化銀乳剤において、その乳剤粒子形成過程の全期
おいて該ゼラチンのチロシン含有量がゼラチン1グラ
ムあたり25マイクロモル以下であるゼラチン及びポリア
ルキレンオキサイド型界面活性剤の存在下で作られた写
真用ハロゲン化銀乳剤。
【0010】2.上記1記載の乳剤を含有するハロゲン
化銀写真感光材料。
【0011】以下に本発明についてさらに詳しく説明す
る。
【0012】本発明で用いられるゼラチンについて説明
する。
【0013】本発明に係るゼラチンの含有するチロシン
は、通常の蛋白質の構成アミノ酸の一種である。
【0014】該チロシンの定量には、David S.Field Th
e Journal of Photograpfic Science ,36巻、1988年、
23頁〜28頁に記載の方法等を用いる事ができ、本発明に
は、チロシン含有量が乾燥ゼラチン1グラムあたり、25
マイクロモル以下のものを用いるが、好ましくは、20マ
イクロモル以下、さらには15マイクロモル以下の含有量
のゼラチンを使用することが好ましい。
【0015】次に本発明に係るゼラチンの製造方法につ
いて述べる。
【0016】本発明に係るゼラチンの製造方法を用いる
ことができ、例えば日本写真学会編「写真工学の基礎銀
塩写真編」(コロナ社)P.122〜124に詳しく記載され
ている。
【0017】本発明に係るゼラチンは動物の組合組織の
主成分であるコラーゲンから製造される。写真用ゼラチ
ンの原料としては牛骨,豚皮,魚皮などが挙げられる
が、牛骨,牛皮を用いるのが一般的である。
【0018】またコラーゲンの処理方法として酸処理法
と石灰処理法の2種類の方法があるが、写真用ゼラチン
としては石灰処理法を用いるのが一般的であり、本発明
に係るゼラチンも石灰処理が好ましい。
【0019】一例として牛骨から石灰処理によりゼラチ
ンを製造する場合、その製造のプロセスは、通常脱灰,
石灰処理,抽出,瀘過,濃縮,ゲル化,乾燥の順に行
う。
【0020】脱灰 乾燥した牛骨は無機分が半分以上
を占め、その大部分は燐酸カルシウムである。希塩酸を
用いてこれを除去し、不溶性コラーゲンを主成分とする
オセインを残す。オセインの酸による加水分解損失を少
なくする為に前記希塩酸の濃度を5%程度、温度を15℃
程度に保ち4〜7日程度の処理を施すことが好ましい。
脱灰後のオセインゼラチンは充分に水洗して過剰の酸を
除去し、0.5℃程度の苛性ソーダ或いは0.5%程度の石灰
懸濁液により中和する。
【0021】石灰処理 脱灰によって取り出したオセ
インを2〜5%の消石灰の懸濁液中に70〜100日間浸漬
する。この処理によってコラーゲンの構造や化学組成が
変化しゼラチンが形成される。
【0022】石灰処理後、石灰除去の為に約24時間の水
洗を行う。この後、0.05N程度の希塩酸を用いて約24時
間中和し、再び24〜48時間程度水洗を行い所定の抽出pH
にする。
【0023】抽出 アルカリ処理後の原料は、まず任
意の温度の温水中に浸漬しゼラチンを抽出する。ゼラチ
ンの抽出速度はこのときのpH、温度に依存するが、抽出
速度の低下した段階で浸漬液を第1抽出液として取り出
す。次に抽出残留物に対して第1回目の抽出のときより
も5〜10℃程度高い温水を加え第2回目の抽出行う。以
降遂次高温の温水による抽出を行い合計で5〜6回程度
の抽出を行う。写真用ゼラチンとして用いる場合、目的
に応じて適当な抽出温度を選択することが好ましい。
【0024】瀘過 抽出されたゼラチン溶液は、セル
ロース・パルプを濾材とするフィルタ・プレスで夾雑物
を濾過し、透明度を上げる。
【0025】濃縮 瀘過後のゼラチン溶液は、濃縮し
て以降のゲル化及び乾燥工程における時間短縮及びコス
ト低減が図られる。一般には60℃以下の温度で、減圧に
よる蒸発を用いて15〜24%程度にまで濃縮を行う。
【0026】ゲル化・乾燥 濃縮後のゼラチン溶液
は、冷却、ゲル化し、適当な形状・サイズに細断する。
その後風乾により乾燥させる。ゼラチンの融解防止、乾
燥時間の短縮には、乾燥程度の初期に低温の空気を用
い、その後遂次温度の高い空気を用いて乾燥させことが
好ましい。
【0027】以上アルカリ処理ゼラチンについて述べた
が、本発明では、アルカリ処理ゼラチン或いは酸処理ゼ
ラチンが共に用いられ、更にフタル化ゼラチン等に代表
される修飾ゼラチンを用いてもよい。又、本発明で用い
られるゼラチンはイオン交換樹脂等により脱イオン化さ
れていてもよい。
【0028】ゼラチン中のチロシン含有量を低減させる
為には、ゼラチンの抽出温度を低下させると良い。好ま
しい抽出温度は、65℃以下であり、更に好ましくは、60
℃以下、より好ましくは45℃以下に抽出温度を設定する
事により、本発明に係る低チロシン含有量のゼラチン
を、効率よく得る事ができる。但し、第一抽出ゼラチン
は避けた方がよい。
【0029】ゼラチンの抽出温度以外に、アルカリ処理
の程度を高める事によっても、チロシン含有量の低下が
はかれる。例えば、アルカリ処理の時間を長くしたり、
処理中の撹拌を行ったり、或いは消石灰懸濁液を、処理
中に更新すると良い。具体的には、2〜5重量%の石灰
懸濁液で、80日以上処理するのが好ましく、石灰懸濁液
は、およそ1週間おきに交換すると、更に効果的であ
る。
【0030】本発明に係わるゼラチンは、イオン交換処
理や、過酸化水素処理を施す事は好ましい。
【0031】次に本発明で用いられる界面活性剤につい
て説明する。
【0032】本発明に係る界面活性剤は、ポリアルキレ
ンオキサイド型であれば、構造,分子量等は特に限定さ
れるものではなく、又、水溶液中で、電離する型(いわ
ゆるカチオン,アニオン,又はベタイン型)でも、しな
い型(ノニオン型)でもよい。
【0033】本発明で用いられる界面活性剤は下記一般
式で表される化合物を挙げることができるが本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0034】
【化1】
【0035】上記一般式〔S−1〕において、R1は水
素原子又は炭素数1〜30、好ましくは炭素数4〜24のア
ルキル基、アルケニル基、もしくはアリール基を表し、
これらの基は置換基を有するものも含まれる。
【0036】R1で表されるアルキル基の例としては、
メチル基、エチル基、オクチル基、ドデシル基、トリデ
シル基、ヘキサデシル基、ドコシル基等が挙げられ、こ
のうち、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキ
サデシル基等が好ましい例として挙げられる。
【0037】R1で表されるアルキル基の置換基の例と
しては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、
アルキルチオ基等が挙げられる。
【0038】R1で表されるアルケニル基は、炭素数1
〜30のアルケニル基、好ましくは炭素数4〜24のアルケ
ニル基であり、具体的にはビニル基、アリル基、イソプ
ロペニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基等が
挙げられる。
【0039】又R1で表されるアリール基としては、例
えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0040】アリール基が置換基を有する場合の置換基
の例としてはアルキル基、例えばブチル基、ベンチル
基、オクチル基、ノニル基、ウンデシル基、ベンタデシ
ル基等が挙げられる。
【0041】アリール基は2個以上の置換基を有するこ
とができ、好ましくは2個の置換基を有する場合であ
り、これらは同じでも異なっていてもよく、又、相互の
置換基の結合位置は、例えば2個のときは、フェニル基
については1位、3位又は4位が好ましく、更に好まし
くは1位と3位にそれぞれ置換基を有する場合である。
Aは、二価の連結基を表す。Aで表される連結基として
は、例えば−O−,−S-,-COO−,−OCO−,−N(R12)
−,−CO−N(R12)−,−SO2−N(R12)−又は−O−〔CH(C
H3)(CH2O)l〕(ここで、R12は水素原子又は置換基を有
するものも含むアルキル基を表し、lは1〜20の数を表
す。)等が挙げられる。
【0042】n1はエチレンオキサイドの平均付加モル
数であって、2〜50の数であり、好ましくは5〜30の数
であり、特にこ7〜25の数である。
【0043】上記一般式(S−2)において、R2及び
3は水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はアシル
基を表す。
【0044】R2及びR3で表されるアルキル基として
は、例えばメチル基、エチル基、オクチル基、ノニル基
等が挙げられ、好ましくはオクチル基又はノニル基であ
る。
【0045】R2及びR3で表されるアルコキシ基として
は、例えばメトキシ基、エトキシ基、オクトキシ基等が
挙げられ、好ましくはオクトキシ基である。
【0046】R2及びR3で表されるアシル基としては、
例えばブチリル基、イソブチリル基、バレリル基等が挙
げられ、好ましくはバレリル基である。
【0047】R4及びR5は水素原子又はアルキル基を表
す。
【0048】R4及びR5で表されるアルキル基として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等が挙げら
れ、好ましくはメチル基である。
【0049】mは2〜50の整数であり、好ましくは3な
いし20の整数である。
【0050】n2は前記n1と同様の意味を表す。
【0051】上記一般式(S−3)において、R6及び
7は水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基
を表す。
【0052】R6及びR7で表されるアルキル基として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等が挙げられ、好ましくはメチル基又はエチル基であ
る。
【0053】R6及びR7で表されるアリール基として
は、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、好ま
しくはフェニル基である。
【0054】R6及びR7で表される複素環基としては、
例えばフリル基、チエニル基等が挙げられ、好ましくは
フリル基である。
【0055】R8及びR10はハロゲン原子又はアルキル
基を表す。
【0056】R8及びR10で表されるハロゲン原子とし
ては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げ
られ、好ましくは塩素原子である。
【0057】R8及びR10で表されるアルキル基として
は、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブ
チル基、t-ペンチル基、t-ヘキシル基、t-ヘプチル基、
t-オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オク
タデシル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル
基、イソプロピル基、t-ブチル基、t-ペンチル基、t-ヘ
キシル基、t-オクチル基又はノニル基である。
【0058】R9は水素原子又はアルキル基(例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基等)を表すが、好まし
くは水素原子である。
【0059】R11は水素原子、アルキル基又はアルコキ
シ基を表すが、好ましくは水素原子又はアルコキシ基、
特に好ましくは水素原子を表す。
【0060】R11で表されるアルキル基としては、例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
【0061】R11で表されるアルコキシ基としては、例
えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げら
れ、好ましくはメトキシ基である。
【0062】n3及びn4は同一でも異なってもよく、前
記n1と同様の意味を表す。好ましくはn3とn4は同一
である。
【0063】これらの化合物は、例えば米国特許2,982,
651号、同3,428,456号、同3,457,076号、同3,454,625
号、同3,552,972号、同3,655,387号、特公昭51-9610
号、特開昭53-29715号、同54-89626号、同58-203435
号、同58-208743号、堀口博著「新界面活性剤」(三共
出版1975年)等に記載されている。
【0064】以下に上記記載の具体例を挙げるが本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0065】
【化2】
【0066】
【化3】
【0067】更に本発明においては下記のような化合物
も好ましく用いることができる。
【0068】1.親油性アルキレンオキサイドブロック
よりなる2つの末端部とそれを繋ぐ親水性アルキレンオ
キサイドブロックよりなる連結部(共重合体の分子量の
少なくとも4%に相当する)からなる化合物。
【0069】2.親油性アルキレンオキサイドブロック
よりなる少なくとも3つの末端部とそれを繋ぐ親水性ア
ルキレンオキサイドブロックよりなる連結部(共重合体
の分子量の少なくとも4%に相当する)からなる化合
物。
【0070】3.親水性アルキレンオキサイドブロック
よりなる少なくとも3つの末端部とそれを繋ぐ親油性ア
ルキレンオキサイドブロックよりなる連結部(共重合体
の分子量の少なくとも4%に相当する)からなる化合
物。
【0071】上記1.〜3.について更に詳しく説明す
る。
【0072】親油性アルキレンオキサイドブロックより
なる末端部とそれを繋ぐ親水性アルキレンオキサイドブ
ロックよりなる連結部よりなり、簡単に(S−4)式で
表すことができる。
【0073】 式(S−4) LAO−HAO−LAO ここでLAOは親油性アルキレンオキサイドブロック部
分よりなる末端部を表し、HOLは親水性アルキレンオ
キサイドブロックよりなる連結部を示す。
【0074】一般式(S−4)を満足するものであれ
ば、1個の親水性ポリアルキレンオキサイドブロックと
2個の親油性ポリアルキレンオキサイドブロックだけを
有する化合物でもよく、3価のアミンのような連結基を
介して上記化合物が3つ又は4つ連結した化合物であっ
てもよい。
【0075】ポリアルキレンオキサイドブロックポリマ
ー型界面活性剤の最も簡単な形は、親水性ブロック部分
(HAO)を構成するのにエチレングリコールとエチレ
ンオキサイドを繰り返し単位として1,2-プロピレンオキ
サイドを親油性ブロック部分(LAO)の繰返し単位と
して用いる場合である。親油性ブロックを形成するには
最低6個の1,2-プロピレンオキサイド繰り返し単位が必
要である。これは、次式(S−4−2)で表される。
【0076】式(S−4−2) HO−〔CH(CH3)CH2O〕x
−(CH2CH2O)y−〔CH2CH(CH3)O〕x′−H ここで、x,x′は6〜120或いはそれ以上であり、y
は、界面活性能を有するのに必要な親水性親油性バラン
スを得るように選択されればよく、(S−4−2)の場
合yは4〜96であり、x,x′は2〜300或いはそれ以
上となる。
【0077】一般に界面活性剤としての分散性を示すブ
ロックコポリマーであればどのようなものを用いても良
い。
【0078】本発明に用いる界面活性剤は溶解した状態
で用いても良く、物理的に分散した状態で用いたも良
い。分子量は約16000以下、好ましくは10000以下の界面
活性剤を用いるのが良い。
【0079】親油性アルキレンオキサイドブロックより
なる少なくとも3つの末端部と、それを繋ぐ親水性アル
キレンオキサイドブロックよりなる連結部よりなり、簡
単に(S−5)式で表すことができる。
【0080】(H−LAO)z−HOL−(LAO−H)
z′ ここでLAOは親油性アルキレンオキサイドブロック部
分よりなる末端部を表し、HOLは親水性アルキレンオ
キサイドブロックよりなる連結部を示す。
【0081】zは2を、z′は1、或は2を表す。
【0082】本発明に用いられるポリアルキレンオキサ
イドブロックコポリマー型界面活性剤は(S−5−2)
式に示す構造を取ることもできる。
【0083】 (H−LAO−HAO)z−L−(HAO−LAO−H)z′ ここでHAOは親水性アルキレンオキサイドブロック部
を表し、LAOは親油性アルキレンオキサイドブロック
部分よりなる末端部を表し、Lはアミンやジアミンのよ
うな連結基を表すzは2を、z′は1、或は2を表す。
【0084】連結基Lはどのような形でも良いが、一般
にそれ自体が親水性のものが好ましい。zとz′の和が
3である時は連結基は3価でなければならない。アミン
類は3価の連結基として用いることができる。アミンを
連結基Lとして使用した場合、本発明で用いるポリアル
キレンオキサイドブロックコポリマー型界面活性剤は
(S−5−3)式で表される。
【0085】
【化4】
【0086】ここでR1、R2、R3は、それぞれ個別に
選択された炭化水素よりなる連結基を示し、好ましく
は、フェニレン基、或は炭素数1〜10のアルキレン基よ
りなる。a,b,cは0,或は1である。立体障害を避け
るため、a,b,cのうち少なくとも1つ(好ましくは少
なくとも2つ)が“1”であることが一般的に好まし
い。水酸基を官能基として有するアミン(特に2・3級
アミン)は、式(S−5−3)に示す構造のポリアルキ
レンオキサイドブロックコポリマーの出発化合物として
用いることができる。
【0087】zとz′の和が4の場合、連結基は4価で
なければならず、ジアミン類は4価の連結基として好ま
しい。ジアミンを連結基Lとして使用すると、本発明で
用いるポリアルキレンオキサイドブロックコポリマー型
界面活性剤は(S−5−4)式に示す形をとる。
【0088】
【化5】
【0089】ここでR4,R5,R6,R7は前記、R1
2,R3と同じである。d,e,f,gは0、或は1であ
る。
【0090】ポリアルキレンオキサイドブロックコポリ
マー型界面活性剤の最も簡単な形は、親水性ブロック部
分(HAO)を構成するのにエチレンオキサイドを繰り
返し単位として1,2-プロピレンオキサイドを親油性ブロ
ック部分(LAO)の繰返し単位として用いる場合であ
る。親油性ブロックを形成するには最低3つのプロピレ
ンオキサイドの繰り返し単位が必要とされ、この場合
“H−LAO−HAO−”は以下の(S−5−5)式で
表される。
【0091】 H−〔OCH(CH3)CH22−(OCH2CH2)y− ここでyは少なくとも1(好ましくは少なくとも2)か
ら340、或はそれ以上でありxは界面活性を有する為に
必要な適当な親水性親油性バランスを得るよう選択すれ
ば良い。この為には、親油性ブロック部分の全ブロック
コポリマーに占める割合が重量にして、4〜96%(好ま
しくは20〜80%)となるようにxを選べば良い。この例
の場合は、エチレンオキサイドを繰り返し単位と連結部
位を含む親水性アルキレンオキサイドブロック連結部が
ブロックコポリマーの全重量に占める割合にして4〜96
%(好ましくは20〜90%)となるようにすれば良く、そ
の範囲内でxは3から250、或はそれ以上の値をとって
良い。
【0092】本発明の要求を満たすポリアルキレンオキ
サイドブロックコポリマー型界面活性剤の全分子量は好
ましくは1100以上であり、より好ましくは2000以上であ
る。一般に界面活性剤としての分散性を示すブロックコ
ポリマーであればどのようなものを用いても良い。本発
明に用いる界面活性剤は溶解した状態で用いてよく、物
理的に分散した状態で用いても良い。分子量は約50000
以下、好ましくは30000以下の界面活性剤を用いるのが
良い。
【0093】親水性アルキレンオキサイドブロックより
なる少なくとも3つの末端部と、それを繋ぐ親油性アル
キレンオキサイドブロックよりなる連結部よりなり、簡
単に(S−6)式で表すことができる。
【0094】(H−HAO)z−LOL−(HAO−H)z′ ここでHAOは親水性アルキレンオキサイドブロック部
分よりなる末端部を表し、LOLは親油性アルキレンオ
キサイドブロックよりなる連結部を示す。
【0095】zは2を、z′は1、或は2を表す。
【0096】本発明に用いられるポリアルキレンオキサ
イドブロックコポリマー型界面活性剤は(S−6−2)
式に示す構造を取ることもできる。
【0097】 (H−HAO−LAO)z−L−(LAO−HAO−H)
z′ ここでLAOは親油性アルキレンオキサイドブロック部
を表し、HAOは親水性アルキレンオキサイドブロック
部分よりなる末端部を表し、Lはアミンやジアミンのよ
うな連結基を表す。zは2を、z′は1、或は2を表
す。
【0098】連結基Lはどのような形でも良いが、一般
にそれ自体が親水性のものが好ましい。zとz′の和が
3である時は連結基は3価でなければならない。アミン
類は3価の連結基として用いることができる。アミンを
連結基Lとして使用した場合、本発明で用いるポリアル
キレンオキサイドブロックコポリマー型界面活性剤は
(S−6−3)式で表される。
【0099】
【化6】
【0100】ここでR1、R2、R3は、それぞれ個別に
選択された炭化水素よりなる連結基を示し、好ましく
は、フェニレン基、或は炭素数1〜10のアルキレン基よ
りなる。a,b,cは0,或は1である。立体障害を避け
るため、a,b,cのうち少なくとも1つ(好ましくは少
なくとも2つ)が“1”であることが一般的に好まし
い。水酸基を官能基として有するアミン(特に2・3級
アミン)は、式(S−6−3)に示す構造のポリアルキ
レンオキサイドブロックコポリマーの出発化合物として
用いることができる。
【0101】zとz′の和が4の場合、連結基は4価で
なければならず、ジアミン類は4価の連結基として好ま
しい。ジアミンを連結基Lとして使用すると、本発明で
用いるポリアルキレンオキサイドブロックコポリマー型
界面活性剤は(S−6−4)式に示す形をとる。
【0102】
【化7】
【0103】ここでR4,R5,R6,R7は前記、R1
2,R3と同じであるd,e,f,gは0、或は1であ
る。
【0104】ポリアルキレンオキサイドブロックコポリ
マー型界面活性剤の最も簡単な形は、親水性ブロック部
分(HAO)を構成するのにエチレンオキサイドを繰り
返し単位として1,2-プロピレンオキサイドを親油性ブロ
ック部分(LAO)の繰返し単位として用いる場合であ
る。親油性ブロックを形成するには最低3つのプロピレ
ンオキサイドの繰り返し単位が必要とされ、この場合
“H−HAO−LAO−”は以下の(S−6−5)式で
表される。
【0105】
【化8】
【0106】ここでyは少なくとも1(好ましくは少な
くとも2)から340、或はそれ以上であり、xは界面活
性を有する為に必要な適当な親水性親油性バランスを得
るよう選択すれば良い。この為には、親水性ブロック部
分の全ブロックコポリマーに占める割合が重量にして、
4〜96%(好ましくは20〜80%)となるようにxを選べ
ば良い。この例の場合は、エチレンオキサイドを繰り返
し単位と連結部位を含む親水性アルキレンオキサイドブ
ロック連結部がブロックコポリマーの全重量に占める割
合にして4〜96%(このましくは20〜90%)となるよう
にすれば良く、その範囲内でxは3から250、或はそれ
以上の値をとって良い。
【0107】本発明の要求を満たすポリアルキレンオキ
サイドブロックコポリマー型界面活性剤の全分子量は好
ましくは1100以上であり、より好ましくは2000以上であ
る。一般に界面活性剤としての分散性を示すブロックコ
ポリマーであればどのようなものを用いても良い。
【0108】本発明に用いる界面活性剤は溶解した状態
で用いても良く、物理的に分散した状態で用いても良
い。分子量は約60000以下、好ましくは40000以下の界面
活性剤を用いるのが良い。
【0109】又、上記1〜3の化合物において、LAO
及び、HAOはそれぞれ一種のアルキレンオキサイド繰
り返しユニットより構成され、該繰り返しユニットはそ
れを含むブロックに期待される親水性、親油性の特性に
応じて選択できる。本発明に用いるのに適した界面活性
剤は、市販の界面活性剤の中から親水性親油性バランス
を参考に選択すれば良い。
【0110】一般に親水性ブロック部分:HOLが共重
合体の分子量の4〜96%、好ましくは5〜85%を占める
ようHAOを選ぶのが良い。
【0111】市販のノニオン系ブロックコポリマー型界
面活性剤はエチレンオキサイドと1,2-プロピレンオキサ
イドを繰り返し単位として用いたものが大半であるが、
必要に応じて他のアルキレンオキサイド繰り返し単位を
使用することも可能である。例えばプロピレンオキサイ
ドを含む親油性アルキレンオキサイド繰り返し単位を一
般的に記せば、 −〔OCH(R9)CH2〕− ここでR9は炭化水素等の親油性基を表し、例えば炭素
数1〜10のアルキル基や、フェニル基やナフチル基のよ
うな炭素数6〜10のアリル基である。
【0112】同様にエチレンオキサイドを含む親水性ア
ルキレンオキサイド繰り返し単位を一般的に表現する
と、 −〔OCH(R10)CH2〕− ここでR10は水素、或いは、炭化水素等の親水性基であ
り、炭化水素の場合、一つの以上の極性基(例えば1
つ,2つ,3つ,或いはそれ以上の水酸基及び/又はカ
ルボン酸基)で置換された、例えば炭素数1〜10のアル
キル基や、フェニル基やナフチル基のような炭素数6〜
10のアリル基である。
【0113】さらにWO91/763,764及び1171に開示さ
れたように、いくつかのポリアルキレンオキサイド型界
面活性剤を組み合わせてそれを1種の界面活性剤として
用いることもできる。
【0114】本発明における粒子形成時に存在する界面
活性剤量は、特に限定されないが、粒子形成時全銀量の
0.01〜100g/1molAg,好ましくは0.05〜25g/1molAgであ
る。
【0115】また、上記化合物中でCOOH基やSO3H基を有
する化合物は、NaOHの如きアルカリで中和し塩にしてか
ら塗布液中に添加することが特に好ましい。
【0116】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
に用いられるハロゲン化銀乳剤として沃化銀含有率の異
なる2相以上の相から構成されているハロゲン化銀粒子
であって、該平均沃化銀含有率が該粒子の外縁相の沃化
銀含有率よりも高いハロゲン化銀粒子を含有するハロゲ
ン化銀乳剤であることが好ましい。
【0117】粒子の平均沃化銀含有率が粒子の外縁相の
沃化銀含有率よりも高いことは以下の方法によって測定
できる。
【0118】ハロゲン化銀乳剤が、粒径/粒子の厚さの
平均値が5未満であるハロゲン化銀粒子を含む乳剤の場
合、蛍光X線分折法によって求めた平均沃化銀含有率
(J1)とX線光電子分光法で求めた粒子表面の沃化銀
含有率(J2)を比べたときJ1>J2なる関係を満足す
るものである。
【0119】ここでいう粒径は粒子の投影面積が最大と
なる面の外接円の直径である。
【0120】X線光電子分光法について説明する。
【0121】X線光電子分光法による測定に先立って、
乳剤を以下のように前処理する。まず、乳剤にプロナー
ゼ溶液を加え、40℃でl時間撹拌してゼラチン分解を行
う。次に遠心分離して乳剤粒子を沈降させ、上澄み液を
除去した後、プロナーゼ水溶液を加え、上記の条件で再
度ゼラチン分解を行う。この試料を再び遠心分離し、上
澄み液を除去した後、蒸留水を加え乳剤種子を蒸留水中
に再分散させ、遠心分離し、上澄み液を除去する。この
水洗操作を3回繰返した後、乳剤粒子をエタノール中に
再分舷散させる。これを鏡面研磨したシリコンウェハ上
に薄く塗布して測定試料とする。
【0122】X線光電子分光法による測定には、装置と
してPHI社製ESCA/SAM560型を使用し、励起用X
線にMg−Kα線、X線源電圧l5KV、X線源電流40m
A、パスエネルギー50eVの条件で行う。
【0123】表面ハライド組成を求めるためにAg3
d,BrЗd,I3d3/2電子を検出する。
【0124】組成比の算出は.各ピークの積分強度を用
いて、相対感度係数法により行う。Ag3d,8r3
d,I3dЗ/2相対感度係数としてそれぞれ5.10,0.
18,4.592を使用することにより、組成比を原子パーセ
ントを単位として与えられる。
【0125】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤が粒径/粒子の厚さの平均値が5未満である粒子を含
む場合には粒子サイズ分布が単分散性であることが好ま
しい。単分散性ハロゲン化銀乳剤とは、平均粒径を中心
に±20%の粒径範囲内に含まれるハロゲン化銀重量が全
ハロゲン化銀粒子重量の60%以上であるものを言い、好
ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上である。
【0126】ここに、平均粒径は、粒径riを有する粒
子の頻度niとri3との積ni×ri3が最大となるときの
粒径riと定義する(有効数字3桁、最小桁数字は4捨
5入する)。
【0127】ここで言う粒径とは、球状のハロゲン化銀
粒子の場合は、その直径、また球状以外の形状の粒子の
場合は、その投影像を同面積の円像に換算した時の直径
である。
【0128】粒径は例えば該粒子を電子顕微鏡でl万倍
から5万倍に拡大して撮影し、そのプリント上の粒子直
径又は投影時の面積を実測することによって得ることが
できる(測定粒子個数は無差別に1000個以上ある事とす
る。)本発明の特に好ましい高度の単分散乳剤は (標準偏差/平均粒径)×100=分布の広さ(%) によって定義した分布の広さが20%以下のものであり、
更に好ましくは15%以下のものである。
【0129】ここに平均粒粒径及び粒径標準偏差は前記
定義のriから求めるものとする。
【0130】粒径/粒子の厚さの平均値が5未満である
本発明のハロゲン化銀乳剤におけるX線光電子分光法に
よる粒子表面の沃化銀含有率(J2)は6〜0モルであ
ることが好ましく、より好ましくは5〜0モル%であ
り、特に好ましくは4〜0.01モル%である。
【0131】前述の粒径/粒子の厚さの平均値が5未満
であるハロゲン化銀乳剤は単分散性であることが好まし
く、コア/シェル型であることが好ましい。
【0132】粒径/粒子の厚さの平均値が5未満である
コア/シェル型ハロゲン化銀乳剤は、沃化銀含有率の異
なる2相以上の相から構成されている粒子構造からな
り、沃化銀の含有率が最高である相(コアと称する)が
最表面層(シェルと称する)以外であるハロゲン化銀粒
子から成るものである。
【0133】最高の沃化銀含有率を有する内部相(コ
ア)沃化銀含有率は6〜40モル%のものを好ましく用い
得るが、より好ましくは8〜38モル%、特に好ましくは
10〜25モル%である。最表面相の沃化銀含有率は6モル
%未満が好ましく、さらに好ましくは0〜4.0モル%で
ある。
【0134】コア/シェル型ハロゲン化銀粒子のシェル
部が占める割合は体積で10〜80%が好ましく、より好ま
しくは15〜70%、特に好ましくは20〜60%である。
【0135】またコア部の占める割合は体積で粒子全体
の10〜80%とするのが好ましく、20〜50%が更に好まし
い。
【0136】ハロゲン化録粒子の沃化銀含有率の高いコ
ア部と含有率の低いシェル部との含有率差は、シャープ
な境界を有するものでもよく、また境界の必ずしも明白
でない連続して変化するものであってもよい,またコア
部とシェル都の中間の沃化銀含有率を有する中間相をコ
アとシェルの間にもつものも好ましく用いられる。
【0137】前記中間層を有するコア/シエル型ハロゲ
ン化銀粒子からなる場合、中間層の体積は粒子全体の5
〜60%更には20〜55%がよい,シェルと中間層、中間層
とコアの沃化銀含有率差はそれぞれ3モル%以上あるこ
とが好ましく、シェルとコアの沃化銀含有率差は6モル
%以上であることが好ましい。
【0138】コア/シェル型ハロゲン化銀乳剤は沃臭化
銀であることが好ましく、その平均沃化銀含有率は4〜
20モル%が好ましく、より好ましくは5〜15モル%であ
る。また本発明の効果を損なわない範囲で塩化銀を含有
してもよい。
【0139】コア/シェル型ハロゲン化銀乳剤は特開昭
59-177535、同60‐138538、同59-52238、同60-143331、
同60-35726及び同60-258536号等に開示された公知の方
法によって製造することができる。
【0140】特開昭60-138538号実施例記載の方法のよ
うにコア/シェル型ハロゲン化銀乳剤を種粒子から出発
して成長させる場合、粒子中心部にコアとは異なるハロ
ゲン組成領域をもつことがありうる。
【0141】このような場合種粒子のハロゲン組成は臭
化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀、塩臭化銀、塩化銀等の任
意の組成のものを用いうるが、沃化銀含有率が15モル%
以下の沃臭化銀又は臭化銀が好ましい。
【0142】また種粒子の全ハロゲン化銀に占める割合
は体積で50%以下が好ましく10%以下が特に好ましい。
【0143】上記コア/シエル型ハロゲン化銀粒子にお
ける沃化銀の分布状態は、各種の物理的測定法によって
検知することができ、例えば日本写真学会、昭和56年度
年次大会講演要旨集に記載されているような、低温での
ルミネッセンスの測定やX線回折法によって調べること
ができる。
【0144】コア/シェル型ハロゲン化銀粒子は、立方
体、l4面体、8面体のような正常晶でもよく、双晶か
ら成っていてもよく、またこれらの混合物であってもよ
いが正常晶であることが好ましい。
【0145】ハロゲン化銀乳剤が粒径/粒子の厚さの平
均値が5以上である平板状ハロゲン化銀乳剤の場合、前
述の蛍光X線分析法によって求めた平均沃化銀含有率
(J1)とX線マイクロアナリシス法を用いハロゲン化
銀粒子の粒径方向に対して中心部より80%以上離れたハ
ロゲン化銀結晶上で測定した沃化銀含有率の測定値の平
均値(J3)を比べたときJ1>J3なる関係を満足する
ものである。
【0146】X線マイクロアナリシス法について説明す
る。
【0147】エネルギー分散型X線分析装置を電子顕微
鏡に装置した電子顕微鏡観察用グリッドにハロゲン化銀
粒子を分散し、液体窒素冷却にて1粒子がCRT視野に
入るように倍率を設定し、一定時間AgLα,ILα線
の強度を積算する。ILα/AgLαの強度比とあらか
じめ作成しておいて検量線を用いて沃化銀含有率を算出
することができる。
【0148】粒径/粒子の厚さの平均値が5以上である
平板状ハロゲン化銀乳剤において粒径/粒子の厚さの平
均値は6以上100以下がより好ましく7以上20以下が特
に好ましい。
【0149】粒径/粒子の厚さの平均値が5以上である
平板状ハロゲン化銀乳剤において粒径/粒子厚さの平均
値は6以上100以下がより好ましく、7以上20以下かが
特に好ましい。
【0150】粒径/粒子の厚さの平均値が5以上である
本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤におけるX線マイクロ
アナリシス法によるハロゲン化銀粒子の粒径方向に対し
て中心部より80%以上離れたハロゲン化銀結晶上で測定
した沃化銀含有率の測定値の平均値(J3)は6ないし
0モル%であることが好ましく、より好ましくは5〜0
モル%であり、特に好ましくは4〜0.01モル%である。
平板状ハロゲン化銀粒子の平均厚さは0.5〜0.01μmが
好ましく、特に好ましくは0.3〜0.05μmである。平板
状ハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の平均
粒径は0.5〜30μmが好ましく、より好ましくは1.0〜20
μmである。
【0151】前述の粒径/粒子の厚さの平均値が5以上
である平板状ハロゲン化銀乳剤は沃化銀が粒子中心部に
局在したものであることが好ましい。
【0152】粒径/粒子の厚さの平均値が5以上であっ
て沃化銀が粒子中心部に局在している平板状ハロゲン化
銀乳剤において、中心部の高沃度含有相は粒子の全体積
の80%以下が好ましく、特に60〜10%が好ましい。中心
部の沃化銀含有率は5〜40モル%が好ましく、特に10〜
35モル%が好ましい。中心部の高沃度含有相をとりまく
低沃度含有相(周辺部)は沃化銀の含有率が0〜10モル
%、より好ましくは0.1〜6.0モル%である沃臭化銀から
成ることが好ましい。
【0153】沃化銀が中心部に局在している平板状ハロ
ゲン化銀乳剤は特開昭59-99433号等に開示された公知の
方法によって得ることができる。
【0154】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
において、ネガ用ハロゲン化銀写真感光材料中の全ハロ
ゲン化銀乳剤の平均の沃化銀含有率は0.1〜15モル%で
あることが好ましく、より好ましくは0.5〜12モル%で
あり特に好ましくは4〜10モル%である。
【0155】ハロゲン化銀カラー感光材料中の全ハロゲ
ン化銀乳剤の平均粒径は2.0μm以下が好ましく、より
好ましくは0.1〜1.0μm以下である。
【0156】本発明において、ハロゲン化銀乳剤が双晶
である場合は、主平面に対して平行な2枚の双晶面を有
する粒子を含有する乳剤が好ましく、その平均アスペク
ト比は5未満である乳剤が好ましい。このような乳剤で
ある場合、主平面の形状が、最大隣接辺比率が1.0〜2.0
である乳剤が好ましく、8面体である乳剤も好ましく用
いられる。
【0157】ハロゲン化銀粒子の沃化銀含有率の高いコ
ア部と含有率の低いシェル部との含有率差は,特開昭60
-143331に開示された乳剤のように明確な境界を有する
ものでもよいし、特開平2-943,3-202848に開示された乳
剤のように連続的に沃化銀含有率を変化させて作られた
乳剤でもよいが、特に好ましくはハロゲン化銀乳剤のX
線回折のシグナルパターンが実質的に1つのピークを示
すようにコントロールされた乳剤が好ましい。このよう
な例としては特開平3-l68734の特許請求の範囲に記載さ
れている乳剤等がある。
【0158】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤製造時の親水性コロイドとしては一般的な写真用ゼラ
チンが好ましく用いられ、該ゼラチンのチロシン含有量
が乾燥ゼラチン1gあたり30マイクロモル以下であるゼ
ラチンはさらに好ましい。本発明において用いられるハ
ロゲン化銀乳剤は、公知の方法で作られたものも好まし
く用いられる。例えば、その粒子成長条件はいわゆる酸
性法,アンモニア法、中性法のいずれの環境で作られて
も構わないし,成長中の銀電位,温度も必要に応じ、ど
んな値をとることもできる。主に双晶からなる乳剤の製
法としては核発生工程、オストワルド熟成工程を経て粒
子形成を行なうことが好ましい。この場合の核発生温度
は40度以下であることが好ましく、また、pBr1.0〜2.5
であることが好ましい。
【0159】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤は、該粒子の各頂点が丸みを帯びていてもよい。
【0160】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤のうち全部又は1部の粒子の頂点又は頂点近傍、稜線
又は稜線近傍で現像が開始されるように制御されている
ことが好ましい。特に双晶粒予の場合には該双晶面と稜
線の交点から、現像が開始するように制御されているこ
とが好ましい。
【0161】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤の製造方法において反応容器中での添加液の平均混合
時間は、10秒以内であることが望ましい。
【0162】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤は、常法によって脱塩されるが、いわゆる凝集剤を用
いることは粒子表面や近傍に凝集剤が残留することから
あまり好ましくない。これらはたとえば通常行われるよ
うに粒子形成後、粒子上に増感色素や化学増感剤の吸着
を施す際に障害となるという問題を引き起こす。
【0163】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤は、特開昭60-254032、同60-143332号の特許請求の範
囲と同様に、個々の粒子の沃化銀含有率の相対標準偏差
が20%以下であることが望ましく、特開平3-182738の特
許請求範囲と同様に沃化銀を20モル%以上含む沃臭化銀
からなるコアを有する乳剤であることがさらに望まし
い。
【0164】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤が平板状である場合は、特開昭63-163451の特許請求
範囲と同様に平板状粒子が有する平行な2以上の双晶面
間の最も長い距離(a)と粒子厚み(b)の比が5以上
である粒子が全平板粒子の50%以上であることが望まし
く、願3-353043の特許請求範囲と同様双晶面距離が10Å
〜100Åであることがさらに望ましい。
【0165】本発明用いるハロゲン化銀乳剤が2種以上
のハロゲンを有する粒子を含有する場合は、特開平2-16
7537号特許請求範囲と同様に粒子成長過程の少なくとも
一期間、成長中のハロゲン化銀粒子よりも溶解度積の小
さいハロゲン化銀粒子の存在下に成長せしめられたハロ
ゲン化銀粒子を含有する乳剤であることが望ましく、溶
解度積の小さいハロゲン化銀粒子としては沃化銀を用い
ることが特に好ましい。
【0166】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤は、特開平1-183417、同1-183644、同1-183645等に開
示された粒子と同様にハロゲン化銀微粒子を用いて粒子
成長を行うことも好ましい。特に特願平3-218608の特許
請求範囲のように粒子成長に用いるハロゲン化銀微粒子
は、2種以上であり、そのうちの少なくとも1種が1種
類のハロゲン元素のみからなることが好ましい。
【0167】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤は、特開平3-196135、同3-196138等に開示された粒子
と同様に粒子成長中に銀に対する酸化剤を添加すること
が好ましい。特に特願平4-15845の特許請求範囲の方法
のように種粒子を用いて製造される場合には種粒子の成
長前に添加されることが好ましい。また、酸化剤として
はハロゲン元素や硝酸などの無機酸が好ましい。
【0168】これらのハロゲン化銀乳剤は、活性ゼラチ
ン;硫黄増感剤、例えばアリルチオカルバミド、チオ尿
素、シスチン等の硫黄増感剤;セレン増感剤;還元増感
剤例えば第1スズ塩、二酸化チオ尿素、ポリアミンアス
コルビン酸等;貴金属増感剤、例えば金増感剤、具体的
にはカリウムオーリチオシアネート、カリウムクロロオ
ーレート、2-オーロチオ‐3-メチルベンゾチアゾリウム
クロライド等あるいは例えばルテニウム、パラジウム、
白金、ロジウム、イリジウム等の水溶性基の増感剤、具
体的にはアンモニウムクロロパラデート、カリウムクロ
ロプラチネート及びナトリウムクロロパラデート(これ
らの或る種のものは量の大小によって増感剤あるいはカ
ブリ抑制剤等として作用する。)等により単独であるい
は適宜併用(例えば金増感剤と硫黄増感剤の併用、金増
感剤とセレン増感剤との併用等)して化学的に増感され
てもよい。
【0169】ハロゲン化銀乳剤は、含硫黄化合物を添加
して化学熟成し、この化学熟成する前、熟成中、または
熟成後、少なくともl種のヒドロキシテトラザインデン
及びメルカプト基を有する含窒素ヘテロ環化合物の少な
くともl種を含有せしめてもよい。
【0170】ハロゲン化銀は、各々所望の感光波長域に
感光性を付与すろために、適当な増感色素をハロゲン化
銀lモルに対して5×10-5〜3×10-3モル添加して光学
増惑させてもよい。増感色素としては種々のものを用い
ることができ、また各々増感色素をl種または2種以上
組合せて用いることができる。
【0171】本発明において有利に使用される増感色素
としては、例えば次の如きものを挙げることができる。
【0172】即ち、青感性ハロゲン化銀乳剤に用いられ
る増感色素としては、例えば西独特許929,080号、米国
特許2,231,658号、同2,493,748号、同2,503,776号、同
2,519,001号、同2,912,329号、同3,656,959号、同3,67
2,897号、同3,694,217号、同4,025,349号、同4,046,572
号、英国特許l,242,588号、特公昭44―14030号、同52-2
4844号等に記載されたものを挙げることができる。特
に、特願平3-343348号に開示された色素が好ましく用い
られる。
【0173】また緑感性ハロゲン化銀乳剤に用いられる
増感色素としては、例えば米国特許l,939,201号、同2,0
72,908号、同2,7З9,149号、同2,945,763号、英国特詩5
05,979号等に記載されている如きシアニン色素、メロシ
アニン色素または複合シアニン色素をその代表的なもの
として挙げることができる。
【0174】更に、赤感性ハロゲン化銀乳剤に用いられ
る増感色素としは、例えば米国特詩2,269,234号、同2,2
70,378号、同2,442,710号、同2,454,629号、同2,776,28
0号等に記載されている如きシアニン色素、メロシアニ
ン色素または複合シアニン色素をその代表的なものとし
て挙げることができる。更にまた米国特許2,2l3,995
号、同2,493,748号、同2,519,001号、西独特許929,080
号等に記載されている如きシアニン色素、メロシアニン
色素または複合シアニン色素を緑感性ハロゲン化銀乳剤
または赤感性ハロゲン化銀乳剤に有利に用いることがで
きる。
【0175】これらの増感色素は単独で用いてもよく、
またこれらを組合せて用いてもよい。
【0176】必要に応じてシアニン或いはメロシアニン
色素の単用または組合せによる分光増感法にて所望の波
長域に光学増感がなされていてもよい。
【0177】特に好ましい分光増感法として代表的なも
のは例えば、ベンズイミダゾロカルボシアニンとベンゾ
オキサゾロカルボシアニンとの組合せに関する特公昭43
-4936号、同43-22884号、同45-18433号、同47-37443
号、同48-28293号、同49-6209号、同53-12375号、特開
昭52-23931号、同52-51932号、同54-80118号、同58-153
926号、同59-116646号、同59-116647号等に記載の方法
が挙げられる。
【0178】また、ベンズイミダゾール核を有したカル
ボシアニンと他のシアニン或いはメロシアニンとの組合
せ関するものとしては例えば特公昭45-25831号、同47-1
1114号、同47-25379号、同48-38406号、同48-38407号、
同54-34535号、同55-l569号、特開昭50-33220号、同50-
38526号、同51-l07127号、同51-1l5820号、同51-135528
号、同52-104916号、同52-1049l7号等が挙げられる。
【0179】更にべンゾオキサゾロカルボシアニン(オ
キサ・カルボシアニン)と他のカルボシアニンとの組合
せに関するものとしては、例えば特公昭44-32753号、同
46-11627号、特開昭57-1483号、メロシアニンに関する
ものとしては例えば特公昭48-38408号、同48-41204号、
同50-40662号、特開昭56-25728号、同58-10753号、同58
-91445号、同59-116645号、同50-33828号等が挙げられ
る。
【0180】また、チアカルボシアニンと他のカルぼシ
アニンとの組合せに関するものとしては、例えば特公昭
43-4932号、同43-4933号、同45-26470号、同46-l8107
号、同47-8741号、特開昭59-114533号等があり、更にゼ
ロメチンまたはジメチンメロシアニン、モノメチンまた
はトリメチンシアニン及びスチリール染料を用いる特公
昭49-6207号に記載の方法を有利に用いることができ
る。
【0181】これらの増感色素を添加するには予め色素
溶液として例えばメチルアルコール、エチルアルコー
ル、アセトン、ジメチルフォルムアミド、或いは特公昭
50―40659号記載のフッ素化アルコール等の親水性有機
溶媒に溶解して用いられる。
【0182】添加の時期はハロゲン化銀乳剤の化学熟成
開始時、熟成中、熟成終了時の任意の時期でよく、場合
によって乳剤塗布直前の工程に添加してもい。
【0183】本発明において特に好ましい増感色素の組
合せは、特願平3-109171に開示の組合せである。すなわ
ち、非対称型シアニン色素のうち少なくとも1種と前記
色素を構成する複素環核のそれぞれを有する対称型シア
ニン色素との組合せが好ましい。
【0184】本発明のカラー感光材料には種々のハロゲ
ン化銀乳剤を用いることができる。ハロゲン化銀乳剤の
製造方法及び製造において使用される添加剤は、リサー
チ・ディスクロージャーNo.17643、同No.18716及び同N
o.308119(それぞれ、以下RD17643、RD18716及びRD3081
19と略す)に記載されている。以下にRD308119について
の記載内容と記載箇所を示す。
【0185】 〔項 目〕 〔RD308119の頁〕 沃度組成 993 I−A項 製造方法 993 I−A項 及び 994 E項 晶癖 正常晶 993 I−A項 双晶 993 I−A項 エピタキシャル 993 I−A項 ハロゲン組成 一様 993 I−B項 一様でない 993 I−B項 ハロゲンコンバージョン 994 I−C項 ハロゲン置換 994 I−C項 金属含有 994 I−D項 単分散 995 I−F項 溶媒添加 995 I−F項 潜像形成位置 表面 995 I−G項 内部 995 I−G項 適用感材ネガ 995 I−H項 ポジ(内部カブリ粒子含) 995 I−H項 乳剤を混合して用いる 995 I−J項 脱塩 995 II−A項 本発明において用いるハロゲン化銀乳剤は、物理熟成、
化学熟成及び分光増感を行うことができる。このような
工程で使用される添加剤は、RD17643、RD18716及びRD30
8119に記載されている。以下にその記載箇所を示す。
【0186】 〔項 目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 〔RD18716〕 化学増感剤 996 III−A項 23 648 分光増感剤 996 IV−A-A,B,C,D,H,I,J項 23〜24 648〜9 強色増感剤 996 IV−A−E,J項 23〜24 648〜9 カブリ防止剤 998 VI 24〜25 649 安定剤 998 VI 24〜25 649 本発明に使用できる公知の写真用添加剤も上記リサーチ
・ディスクロージャに記載されている。以下にその関連
のある記載箇所を示す。
【0187】イエロー色素形成カプラーとしては、公知
のアシルアセトアニリド系カプラーを好ましく用いるこ
とができる。これらのうち、ベンゾイルアセトアニリド
系及びピバロイルアセトアニリド系化合物は有利であ
る。
【0188】用い得る黄色カプラーの具体例は、英国特
許1,077,874号、 特公昭45‐40757号、特開昭47‐1031号、
同47‐26133号、 同48‐94432号、 同50‐87650号、 同51
‐3631号、同52‐115219号、 同54‐99433号、 同54‐133
329号、 同56‐30127号、 米国特許2,875,057号、同3,25
3,924号、同3,265,506号、 同3,408,194号、同3,551,155
号、同3,551,156号、 同3,664,841号、同3,725,072号、
同3,730,722号、 同3,891,445号、同3,900,483号、同3,9
29,484号、 同3,933,500号、同3,973,968号、同3,990,89
6号、 同4,012,259号、同4,022,620号、同4,029,508号、
同4,057,432号、同4,106,942号、同4,133,958号、 同4,2
69,936号、同4,286,053号、同4,304,845号、同4,314,023
号、同4,336,327号、同4,356,258号、 同4,386,155号、
同4,401,752号等に記載されたものである。
【0189】マゼンタ色素形成カプラとしては、5─ピ
ラゾロン系カプラー、ピラゾロベンツイミダゾール系カ
プラー、ピラゾロアゾール系カプラー、開鎖アシルアセ
トニトリル系カプラーを好ましく用いることができる。
【0190】有利に用い得るマゼンタカプラーの具体例
は、特願昭58-164882号、 同58-167326号、 同58-206321
号、 同58-214863号、 同58-217339号、 同59-24653号、 特
公昭40―6031号、 同40-6035号、 同45-40757号、 同47-27
411号、 同49―37854号、特開昭50―13041号、 同51―265
41号、 同51―37646号、同51―105820号、 同52―42121
号、 同53―123129号、 同53―125835号、 同53―129035
号、 同54―48540号、 同56-29236号、 同56-75648号、 同5
7-17950号、 同57―35858号、 同57―146251号、 同59―99
437号、 英国特許1,252,418号、 米国特許2,600,788号、
同3,005,712号、同3,062,653号、 同3,127,269号、同3,2
14,437号、同3,253,924号、 同3,311,476号、同3,419,39
1号、同3,519,429号、 同3,558,319号、同3,582,322号、
同3,615,506号、 同3,658,544号、同3,705,896号、同3,7
25,067号、 同3,758,309号、同3,823,156号、同3,834,90
8号、 同3,891,445号、同3,907,571号、同3,926,631号、
同3,928,044号、同3,935,015号、同3,960,571号、 同4,0
76,533号、同4,133,686号、同4,237,217号、 同4,241,16
8号、同4,264,723号、同4,301,235号、 同4,310,623号等
に記載されたものである。
【0191】特に好ましいマゼンタカプラーとしては、
下記一般式〔M−I〕で示されるものである。
【0192】
【化9】
【0193】〔式中、R1及びR2は水素原子または置換
基を表す。
【0194】X1は水素原子または発色現像主薬の酸化
体との反応により離脱しうる基を表す〕本発明に係る前
記一般式〔M−I〕で表されるマゼンタカプラーについ
て詳しく説明する。
【0195】一般式〔M−I〕において、R1及びR2
水素原子または置換基を表す。
【0196】R1及びR2の表す置換基としては特に制限
はないが、代表的には、アルキル、アリール、アニリ
ノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、ア
リールチオ、アルケニル、シクロアルキル等の各基が挙
げられるが、この他にハロゲン原子及びシクロアルケニ
ル、アルキニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、
ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、
シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、
シロキシ、アシルオキシ、カルバモイルオキシ、アミ
ノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイ
ルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキ
シカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリール
オキシカルボニル、複素環チオの各基、ならびにスピロ
化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等も挙げられる。
【0197】R1及びR2で表されるアルキル基として
は、炭素数1〜32のものが好ましく、直鎖でも分岐でも
よい。R1及びR2で表されるアリール基としては、フェ
ニル基が好ましい。
【0198】R1及びR2で表されるアシルアミノ基とし
ては、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニ
ルアミノ基等が挙げられる。
【0199】R1及びR2で表されるスルホンアミド基と
しては、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホ
ニルアミノ基等が挙げられる。
【0200】R1及びR2で表されるアルキルチオ基、ア
リールチオ基におけるアルキル成分、アリール成分は上
記Rで表されるアルキル基、アリール基が挙げられる。
1及びR2で表されるアルケニル基としては、炭素数2
〜32のもの、シクロアルキル基としては炭素数3〜12、
特に5〜7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖でも
分岐でもよい。
【0201】R1及びR2で表されるシクロアルケニル基
としては、炭素数3〜12、特に5〜7のものが好まし
い。
【0202】R1及びR2で表されるスルホニル基として
はアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等;ス
ルフィニル基としてはアルキルスルフィニル基、アリー
ルスルフィニル基等;ホスホニル基としてはアルキルホ
スホニル基、アルコキシホスホニル基、アリールオキシ
ホスホニル基、アリールホスホニル基等;アシル基とし
てはアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基等;
カルバモイル基としてはアルキルカルバモイル基、アリ
ールカルバモイル基等;スルファモイル基としてはアル
キルスルファモイル基、アリールスルファモイル基等;
アシルオキシ基としてはアルキルカルボニルオキシ基、
アリールカルボニルオキシ基等;カルバモイルオキシ基
としてはアルキルカルバモイルオキシ基、アリールカル
バモイルオキシ基等;ウレイド基としてはアルキルウレ
イド基、アリールウレイド基等;スルファモイルアミノ
基としてはアルキルスルファモイルアミノ基、アリール
スルファモイルアミノ基等;複素環基としては5〜7員
のものが好ましく、具体的には2-フリル基、2-チエニル
基、2-ピリミジニル基、2-ベンゾチアゾリル基等;複素
環オキシ基としては5〜7員の複素環を有するものが好
ましく、例えば3,4,5,6-テトラヒドロピラニル-2-オキ
シ基、1-フェニルテトラゾール-5-オキシ基等;複素環
チオ基としては、5〜7員の複素環チオ基が好ましく、
例えば2-ピリジルチオ基、2-ベンゾチアゾリルチオ基、
2,4−ジフェノキシ−1,3,5-トリアゾール-6-チオ基等;
シロキシ基としてはトリメチルシロキシ基、トリエチル
シロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基等;イミド基と
してはコハク酸イミド基、3-ヘプタデシルコハク酸イミ
ド基、フタルイミド基、グルタルイミド基等;スピロ化
合物残基としてはスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル等;有
橋炭化水素化合物残基としてはビシクロ[2.2.1]ヘプ
タン-1-イル、トリシクロ[3.3.1.137]デカン-1-イ
ル、7,7-ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-イル
等が挙げられる。
【0203】X1の表す発色現像主薬の酸化体との反応
により離脱しうる基としては、例えばハロゲン原子(塩
素原子、臭素原子、弗素原子等)及びアルコキシ、アリ
ールオキシ、複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニル
オキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシ
カルボニル、アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオ
キザリルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環
チオ、アルキルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミ
ノ、スルホンアミド、N原子で結合した含窒素複素環、
アルキルオキシカルボニルアミノ、アリールオキシカル
ボニルアミノ、カルボキシル等の各基が挙げられる。
【0204】以下に一般式〔M−I〕で表されるマゼン
タカプラーの代表的具体例を示す。
【0205】
【化10】
【0206】
【化11】
【0207】一般式〔M−I〕で表されるマゼンタカプ
ラー(以下、マゼンタカプラー〔M−I〕というはジャ
ーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイアティ(Journal
of the Chemical Society)、パーキン(Perkin)I(1
977)、2047〜2052、米国特許3,725,067号、特開昭59-9
9437号、同58-42045号、同59-162548号、同59-171956
号、同60-33552号、同60-43659号、同60-172982号、同6
0-190779号、同62-209457号及び同63-307453号等を参考
にして合成することができる。
【0208】マゼンタカプラー〔M−I〕は、通常ハロ
ゲン化銀1モル当り1×10-3モル〜1モル、好ましくは
1×10-2モル〜8×10-1モルの範囲で用いることができ
る。本発明において、マゼンタカプラー〔M−I〕は緑
感性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層に含有され
る。
【0209】マゼンタカプラー〔M−I〕をハロゲン化
銀乳剤層中に含有せしめるためには、従来公知の方法、
例えば公知のジブチルフタレート、トリクレジルホスフ
ェート等のごとき高沸点溶媒と酢酸ブチル、酢酸エチル
等のごとき低沸点溶媒の混合液にマゼンタカプラー〔M
−I〕を単独で、あるいは2種以上併用して溶解せしめ
た後、界面活性剤を含むゼラチン水溶液と混合し、次い
で高速回転ミキサーまたはコロイドミルもしくは超音波
分散機を用いて乳化分散させた後、乳剤中に直接添加す
る方法を採用することができる。また、上記乳化分散液
をセットした後、細断し、水洗した後、これを乳剤に添
加してもよい。
【0210】シアン色素形成カプラーとしては、 ナフト
ール系カプラー、フェノール系カプラーを好ましく用い
ることができる。
【0211】有利に用い得るシアンカプラーの具体例
は、英国特許1,038,331号、 同1,543,040号、 特公昭48―
36894号、 特開昭48―59838号、 同50―137137号、同51―
146828号、 同53-105226号、 同54-115230号、同56-29235
号、 同56―104333号、同56―126833号、 同57―133650
号、 同57―155538号、 同57―204545号、同58―118643
号、同59―31953号、 同59―31954号、 同59―59656号、 同
59―124341号、 同59―166956号、 米国特許2,369,929号、
同2,423,730号、 同2,434,272号、同2,474,293号、 同2,6
98,794号、 同2,772,162号、同2,801,171号、 同2,895,82
6号、同3,253,924号、同3,311,476号、同3,458,315号、
同3,476,563号、同3,591,383号、同3,737,316号、同3,7
58,308号、同3,767,411号、 同3,790,384号、同3,880,66
1号、同3,926,634号、 同4,004,929号、同4,009,035号、
同4,012,258号、 同4,052,212号、同4,124,396号、同4,1
34,766号、 同4,138,258号、同4,146,396号、同4,149,88
6号、 同4,178,183号、同4,205,990号、同4,254,212号、
同4,264,722号、同4,288,532号、同4,296,199号、 同4,2
96,200号、同4,299,914号、同4,333,999号、 同4,334,01
1号、同4,386.155号、同4,401,752号、 同4,427,767号等
に記載されたものである。
【0212】特に好ましいシアンカプラーとしては、ウ
レイドフェノール系シアンカプラーである。
【0213】ウレイドフェノール系シアンカプラとは、
2位にウレイド基を有するフェノール系シアンカプラを
いい、下記一般式〔CU〕で表されるものが好ましい。
【0214】
【化12】
【0215】一般式〔CU〕式中、X1は水素原子又は
芳香族第1級アミン発色現像主薬とのカップリングによ
り離脱しうる基を表す。R1はアリール基又はヘテロ環
基を表し、R2は脂肪族基又はアリール基を表し、R1
はR2で表される各基は置換基を有するものを含み、R1
又はR2により2量体以上の多量体を形成するものを含
み、R1,R2は単独で又は共同して、一般式〔CU〕で
表されるカプラー及び該カプラーから形成される色素に
耐拡散性を付与するに必要な形状又は大きさを有する。
【0216】R1又はR2で表されるアリール基として
は、例えばフェニル基及びナフチル基が挙げられる。
【0217】R1又はR2で表される基の置換基として
は、例えばハロゲン原子ならびにニトロ、シアノ、アル
キル、アリール、アミノ、ヒドロキシ、アシル、アルコ
キシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキル
スルホニル、アリールスルホニル、アルコキシスルホニ
ル、アリールオキシスルホニル、カルバモイル、スルフ
ァモイル、アシルオキシ、カルボンアミド、スルホンア
ミドの各基が挙げられ、該置換基の数は1〜5が好まし
く、2以上のとき、各置換基は同じでも異なってもよ
い。
【0218】R1への置換基として好ましいのは、ハロ
ゲン原子、アルキルスルホニル基、シアノ基である。
【0219】R2として好ましいのは、下記一般式〔C
U―II〕で示されるものである。
【0220】
【化13】
【0221】式中、Jは酸素原子又は硫黄原子を表す。
kは0〜4の整数、lは0又は1を示し、kが2以上の
場合、複数個のR4は同一でも異なっていてもよい。R3
はアルキレン基を表し、R4は置換基を表す。
【0222】R4で表される置換基としては、例えば、
アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヒ
ドロキシ、アシルオキシ、アルキルカルボニルオキシ、
アリールカルボニルオキシ、カルボキシ、アルコキシカ
ルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキルチオ、
アシル、アシルアミノ、スルホンアミド、カルバモイ
ル、スルファモイル等の各基が挙げられる。
【0223】X1で表される離脱基としては、例えばハ
ロゲン、酸素原子又は窒素原子が直接カップリング位に
結合しているアリールオキシ基、アルコキシ基、アシル
オキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、スルホン
アミド基、コハク酸イミド基等が挙げられ、更には具体
的な例としては、米国特許3,476,563号、 同3,749,735
号、 特開昭47‐37425号、 特公昭48‐36894号、 特開昭50
‐10135号、 同50‐117422号、 同50‐130441号、 同51‐1
08841号、 同50‐120334号、 同52‐18315号、 同53-10522
6号等に記載されているものが挙げられる。 2位にウレイド基を有するフェノール系シアンカプラ
は、他のシアンカプラと併用してもよく、その際の使用
比率は10モル%以上であることが好ましい。
【0224】次に2位ウレイド基を有するフェノール系
カプラの具体例を示すが、これに限定されるものではな
い。
【0225】
【化14】
【0226】
【化15】
【0227】上記例示した以外の、ウレイド基を有する
フェノール系カプラのその他の具体例としては、例えば
特開昭56‐65134号、 同57‐204543号、 同57‐204544号、
同57‐204545号、 同58‐33249号、 同58‐33253号、 同5
8‐98731号、 同58‐118643号、 同58‐179838号、 同58‐
187928号、 同59‐65844号、 同59‐71051号、 同59‐8604
8号、 同59‐105644号、 同59‐111643号、 同59‐111644
号、 同59‐131939号、同59‐165058号、 同59‐177558号、
同59‐180559号、同59‐198455号、 同60‐35731号、 同
60‐37557号、同60‐49335号、 同60‐49336号、 同60‐5
0533号、 同60‐91355号、同60‐107649号、 同60‐10765
0号、同61‐2757号、同61-18948号、同61-20039号、同6
1-42658号、同61-56348号、同61-65241号、同61-72244
号、同61-72245号、同61-75350号、同61-75351号、同62
-173467号、同63-33745号、同63-159848号、同63-16145
0号、同63-161451号、特開平1-172751号、同1-172952
号、同1-172953号、同1-172954号、同1-219747号、同1-
253738号、同1-253739号、同1-253740号、同1-253741
号、同1-253742号、同1-253743号、同1-254756号RD-30,
164等の各公報に記載のものが挙げられる。 ウレイド基を有するフェノール系カプラの添加量は、 通
常好ましくはハロゲン化銀1モル当り1.0×10-3モル〜1.
0モル、 より好ましくは5.0×10-3モル〜8.0×10-1モル
の範囲である。本発明においては、写真構成層中にカラ
ードカプラーを添加して主にマスキング特性を調整する
ことができる。カラードカプラーとしては公知のものが
すべて利用できるが、カラードマゼンタカプラーとして
は特公昭55-30615号、米国特許5,001,262号、特開平4-1
6939号に示されるようなピラゾロン環の1位に5つの塩
素原子で置換されたフェニル基を有するものが好まし
く、特に下記一般式〔CM〕で示されるものが好まし
い。
【0228】
【化16】
【0229】〔式中、R1は置換基を表し、R3はハロゲ
ン原子又はアルコキシ基を表し、R2はカルボキシアミ
ド基、スルホンアミド基、イミド基、カルバモイル基、
スルファモイル基、アルコキシカカルボニル基又はアル
コキシカルボキシアミド基を表す。mは0〜5、nは0
〜4の整数を表す。
【0230】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0231】R1で表される置換基としては、例えばア
ルキル基、アルコキシ基、アリール基、アシルアミノ
基、スルホンアミド基、ヒドロキシル基、ハロゲン原
子、スルファモイル基、カルボキシル基等が挙げられ、
これらの基はさらに置換基を有してもよい。
【0232】R1は好ましくはアルキル基、アルコキシ
基、ヒドロキシルル基又はアシルアミノ基であり、最も
好ましくはアルコキシ基である。
【0233】R3で表されるハロゲン原子としては、例
えば塩素原子、臭素原子、弗素原子であり、又、アルコ
キシ基としては例えばメトキシ基、ドデシル基を挙げる
ことができる。R3としては好ましくは塩素原子であ
る。
【0234】R2で表されるカルボキシアミド基として
は、例えば2,4-ジ-t-ペンチルフェノキシアセトアミド
基があり、又、スルホンアミド基としては、例えば4-ド
デシルオキシフェニルスルホンアミド基、例えばオクダ
デセニルサクシンイミド基があり、カルバモイル基とし
ては、例えば4-(2,4-ジ-t-ペンチルフェノキシ)ブチル
アミノカルボニル基が挙げられ、スルファモイル基とし
ては、例えばテトラデカンスルファモイル基が挙げら
れ、アルコキシカルボニル基としては、例えばテトラデ
カンオキシカルボニル基が挙げられ、又アルコキシカル
ボキシアミド基としては、例えばドデシルオキシカルボ
キシアミド基を挙げることができる。
【0235】R2として好ましくはカルボキシアミド基
であり、R3に対してp位に置換している。又、mは好
ましくは1又は2であり、nは1である。
【0236】以下、本発明に係る前記一般式〔CM〕で
示される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれによ
り限定されるものではない。
【0237】
【化17】
【0238】
【化18】
【0239】
【化19】
【0240】本発明においては、写真構成中に含フッ素
界面活性剤を添加することが好ましく、特に表面保護層
にアニオン型含フッ素界面活性剤とカチオン型含フッ素
界面活性剤を組合せて添加することが好ましい。
【0241】本発明に於いて好ましく用いられる含フッ
素アニオン界面活性剤としては次の一般式〔FA〕で示
されるものが挙げられる。
【0242】
【化20】
【0243】式中、Cfは少なくとも3個のフッ素原子
と少なくとも2個の炭素原子を含むn価の基で表し、Y
は-COOM-,-SO3M,-OSO3M又は-P(=O)(OM)2を表し、こ
こでMは水素原子、又はアルカリ金属原子、もしくはア
ンモニウム基を表し、lは1又は2である。
【0244】さらに好ましく用いられる含フッ素アニオ
ン界面活性剤としては次の一般式〔FA′〕で示される
ものが挙げられる。
【0245】
【化21】
【0246】式中Rfは炭素原子数3〜30のフッ素置換
アルキル基又はアリール基を表し、Dは-O-,-COO-,-C
ON(R1)-又は-SO2N(R1)-なる結合を少なくとも一つ含む
炭素原子数1〜12の2価の基を表し、ここでR1は炭素
原子数1〜5のアルキル基を表し、tは1又は2であ
り、そしてYは-COOM-,-SO3M,-OSO3M又は-P(=O)(OM)
2を表しここでMは水素原子又はアルカリ金属原子もし
くはアンモニウム基を表す。
【0247】次に化合物の具体例を挙げるが、本発明は
これらに限定されない。
【0248】
【化22】
【0249】本発明に用いられる含フッ素カチオン界面
活性剤は下記一般式〔FK〕で表される化合物である。
【0250】一般式〔FK〕 Rh−T−X+ ただし、Rhは炭素数1〜20個の炭化水素基であり、少
なくとも1つの水素原子はフッ素原子で置換されてい
る。Tは化学結合手または2価基を表す。X+はカチオ
ン性基、Z-はカウンターアニオンを表す。
【0251】Rhの例としては −CnF2n+1,(n=1〜10,特に3〜12), HCmF2m−,−CmF2m-1,−C3mF6m-1(m=1〜4) を挙げることができる。
【0252】Tの例としては、
【0253】
【化23】
【0254】を挙げることができる。
【0255】又、X+の例としては、
【0256】
【化24】
【0257】を挙げることができる。
【0258】R′は水素原子又はヒドロキシル基で置換
されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
【0259】A′はアルキレン基、アリーレン基を表
し、pは0〜6、qは1〜20を表す。
【0260】Z-の例としては、
【0261】
【化25】
【0262】を挙げることができる。
【0263】以下に本発明の好ましく用いられる含フッ
素カチオン性界面活性剤の具体例を挙げる。
【0264】
【化26】
【0265】本発明では特に難溶性のスルホンアミドタ
イプの含フッ素界面活性剤をアニオン界面活性剤と同一
層に使用することがさらに好ましい。ここで難溶性とは
23℃の100ccの純水に該界面活性剤を2g添加し、1時
間撹拌し、23℃で24時間放置した後に沈澱物を生じた
り、浮遊物が観察されたときに難溶性とする。例えばF
K−1,FK−8、FK−15、FK−16等が相当する
が、これらに限られるわけではなく上記のテストにより
分けることができる。
【0266】本発明にかかる含フッ素アニオン界面活性
剤あるいは本発明にかかる含フッ素カチオン界面活性剤
は、例えば米国特許2,559,751号、同2,567,011号、 同2,
732,398号、 同2,764,602号、 同2,806,866号、 同2,809,9
98号、 同2,915,376号、 同2,915,528号、 同2,934,450号、
同2,937,098号、 同2,957,031号、 同3,472,894号、 同3,
555,089号、 同2,918,501号、 英国特許1,143,927号、 同
1,130,822号、 特公昭45-37304号、 特開昭47-9613号、 同
50-121243号、 同50-117705号、 同49-134614号、同50-117
727号、 同52-41182号、 同51-12392号の各明細書、英国
化学会誌(J.Chem.Soc.)1950年第2789頁、 同1957年第2
574頁及び第2640頁、米国化学会誌(J.Amer.Chem.Soc.)
79巻第2549頁(1957年)、 油化学(J.Japan.Oil Chemists
Soc.)第12巻653頁、有機化学会誌(J.Org.Chem.)第3
0巻3524頁(1965年)等に記載された方法によって合成
することができる。
【0267】本発明にかかるこれらの含フッ素界面活性
剤のうち、ある種のものは大日本インキ化学工業社から
メガファック(Megafac)Fなる商品名で、ミネソタ マ
イニングアンド マニファクチュア リング カンパニー
社からフルオラッド(Fluorad)FCなる商品名で、 イ
ンペリアル ケミカル インダストリー社からモンフロー
ル(Monflor)なる商品名で、イー・アイ・デュポン
(E.I.Dupont)ネメラス アンド カンパニー社からゾニ
ルス(Zonyls)なる商品名でまたはファルベベルケヘキ
スト社からリコベット(Licowet)VPFなる商品名で
それぞれ市販されている。
【0268】本発明に使用される含フッ素カチオン性界
面活性剤と含フッ素アニオン性界面活性剤のトータルの
使用量は1m2当たり0.1〜1000mgが良く、好ましくは0.
5〜300mg、さらに好ましくは1.0〜150mgが良い。併用す
る時にそれぞれ含フッ素カチオン性界面活性剤も含フッ
素アニオン性界面活性剤も2種以上ずつ併用しても構わ
ない。その他に含フッ素ノニオン性界面活性剤、含フッ
素ベタイン界面活性剤、炭化水素系界面活性剤を併用し
ても良い。
【0269】また本発明の含フッ素アニオン性界面活性
剤と含フッ素カチオン性界面活性剤の添加割合はモル比
で1:10〜10:1が好ましく、さらには3:7〜7:3
が好ましい。
【0270】本発明の含フッ素アニオン性界面活性剤及
び含フッ素カチオン性界面活性剤の添加場所は特に制限
はないが、表面保護層であることが好ましく、又、中間
製品の表面層でもよく、又、バック層を設ける場合には
バック層側表面層でもよい。ハロゲン化銀カラー写真感
光材料の写真感光材料の写真構成層(全親水性コロイド
層)の乾燥膜厚の総和(以下乳剤面の膜厚と記す)の下
限は、含まれるハロゲン化銀乳剤、カプラー、油剤、添
加剤などにより限界があり、好ましい乳剤面の膜厚は5
μm〜25μmであり、更に好ましくは10μm〜20μmであ
る。また、乳剤面の最表面から支持体に最も近い乳剤層
の下端までは14μm以下が好ましく、該乳剤層と感色性
が異なり該乳剤層の次に支持体に近い乳剤層の下端まで
は10μm以下が好ましい。
【0271】カラー感光剤料の薄層化の方法としては、
バインダーである親水性コロイドを減量する方法があ
る。ハロゲン化銀や高沸点溶剤申に溶解されているカプ
ラー微小油滴等を保持し、また機械的なストレスによる
カブリ上昇を防ぐ、また層間の現像主薬酸化体の拡散に
よる色濁りを防ぐ等の目的で親水性コロイドが添加され
ているため、それらの目的を損なわない範囲で減量する
ことが出来る。
【0272】薄層化の他の方法として、高発色性のカプ
ラーまたは分子吸光係数の高いカプラーを使用する方法
がある。
【0273】薄層化の他の方法として、高沸点溶剤を減
量する方法、異なる感色牲を有する層間の中間層に現像
主薬酸化体のスカベンジャーを添加する事により中間層
を薄層化する方法等が挙げられる。
【0274】ハロゲン化銀カラー写真感光材料の全乳剤
層中に含まれる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるハ
ロゲン化銀の総和は、10.0g/m2以下が好ましく、より
好ましくは2.5〜9.0g/m2、さらに好ましくは3.0〜8.
0g/m2、特に好ましくは3.5〜6.5g/m2である。
【0275】ハロゲン化銀カラー写真感光材料の支持体
上の乳剤層側に塗設された全親水性保護コロイド層現像
時の膨潤膜厚が乾燥時の膜厚の180%〜350%であること
が好ましく、特に好ましくは200%〜300%である。
【0276】この膨潤膜厚を調節する技術は当業者では
よく知られており、例えば硬膜剤の量、種類を適宜選択
することにより、行うことができる。
【0277】硬膜剤としては、アルデヒド系、アジリジ
ン系、(例えばPBレポート19,921、米国特許2,950,197
号、同2,964,404号、同2,983,311号、同3,271,175号の
各明細書、特公昭46-40898号、特開昭50-91315号の各公
報に記載のもの)、イソオキサゾール系(例えば米国特
許331,609号明細書に記載のもの)、エポキシ系(例え
ば米国特許3,047,394号、西独特許1,085,663号、英国特
許1,033,518号の各明細書、特公昭48-35495号公報に記
載のもの)、ビニールスルホン系(例えば、PBレポート
19,920号、西独特許1,100,942号、同2,337,412号、同2,
545,722号、同2,635,518号、同2,635,518号、同2,742,3
08号、同2,749,260号、英国特許1,251,091号、特願昭45
-54236号、同48-ll0996号、米国特許3,539,644号、同3,
490,911号の各明細書に記載のもの)、アクリロイル系
(例えば特願昭48-27949号、米国特許3,640,720号の各
明細書に記載のもの)、カルボジイミド系(例えば、米
国特許2,938,892号、同4,043,818号、同4,061,499号の
各明細書、特公昭46-38715号公報、特願昭49-15095号明
細書に記載のもの)、トリアジン系(例えば、西独特許
2,4l0,973号、同2,553,915号、米国特許3,325,287号の
各明細書、特開昭52-l2722号公報に記載のもの)、高分
子型(例えば、英国特許822,061号、米国特許3,623,878
号、同3,396,029号、同3,226,234号の各明細書、特公昭
47-18578号、同18579号、同47-48896号の各公報に記載
のもの)、その他マレイミド孫、アセチレン系、メタン
スルホン酸エステル系、(N-メチロール系;)の硬膜剤
が単独または組合せて使用できる。有用な組合わせ技術
として、例えば西独特許2,447,587号、同2,505,746号、
同2,514,245号、米国特許4,047,957号、同3,832,181
号、同3,840,370号の各明細書、特開昭48-43319号、同5
0-63062号、同52-l27329号、特公昭48-32364号の各公報
に記載の組合せが挙げられる。
【0278】本発明においては、カルボキシ活性型硬膜
剤によって硬膜されることが好ましい。カルボキシ活性
型硬膜剤については、特公昭56-12853号、同58-32699
号、特開昭49-51945号、同51-59625号、同61-9641号に
示されるカルバモイルアンモニウム塩系硬膜剤、ベルギ
ー特許825,726号に示されるカルバモイルオキシアンモ
ニウム塩系硬膜剤、特開昭60-225148号に示されるアミ
ジニウム系硬膜剤、特開昭51-126125号、同52-48311号
に示されるカルボジミド系硬膜剤、特公昭58-50699号、
特開昭57-44140号、同57-46538号、同52-54427号に示さ
れるピリジニウム塩型硬膜剤、その他特開昭50-38540
号、同52-93470号、同56-43353号、同58-113929号、米
国特許3,321,313号に記載された化合物なども好まし
い。
【0279】以下に、特に好ましいカルボキシ活性型硬
膜剤の具体例を示す。他の好ましい具体例としては、特
開平2-214852公報P.489〜495に示されるH−1〜H−8
2がある。
【0280】
【化27】
【0281】本発明において硬膜剤の使用量は、目的に
応じて任意に選ぶことができる。通常は乾燥ゼラチンに
対して0.01から20重量%までの範囲の割合で使用でき
る。とくに好ましくは0.05から15重量%までの範囲の割
合で使用する。
【0282】本発明において硬膜剤を用いる写真層には
ゼラチン含有層であれば特に限定はなく、ハロゲン化銀
乳剤層はもとより非感光性層、例えば下塗り層、バック
層、フィルター層、中間層、オーバーコート層等のいか
なるゼラチン含有写真層にも用いることができる。
【0283】上記硬膜剤は単独で用いてもよく、また2
種以上を混合して用いてもよい。またこれまでに知られ
ている他の硬膜剤と併用して用いてもさしつかえない。
【0284】硬膜剤を含有するゼラチン含有層を含む写
真層を塗布して得られたハロゲン化銀写真感光材料は、
その保存条件によって硬膜速度が変化し、15℃〜45℃の
温度範囲とすることが好ましい。また感光材料の含水率
は、相対湿度50〜80%の平衡含水率になるように調節す
るのが好ましい。
【0285】上記保存温度と感光材料の含水率が低すぎ
ると硬膜速度が遅くなり好ましくない。逆に、温度と含
水率が高くなりすぎると写真特性に影響を与えることが
ある。 本発明において現像時の膨潤膜厚とは、38℃に
保温された下記の溶液中に3分間浸漬した後の厚さと定
義される。
【0286】 膨潤度測定用溶液 (発色現像液) 4‐アミノ‐3‐メチル‐N‐エチル‐N‐ (β‐ヒドロキシエチル) アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩(1水塩) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1リットルとする。
【0287】膨潤膜厚の測定は例えばエイ・グリーン・ア
ンド・アイ・ビー・レーベンソン・ジャーナル・オブ・フォト
グラフィック・サイエンス(J.Photogr.Sci.),20,205(1
972)記載の方法により測定できる。
【0288】乾燥膜厚とは、23℃,55%調湿下で測定し
た膜厚を意味する。また、各膜厚については、乾燥試料
の断面を操作型電子顕微鏡で拡大撮影し、各層の膜厚を
測定する。
【0289】上述の全親水性保護コロイド層としては、
前記の少なくとも1層ずつある青感性、緑感性及び赤感
性のハロゲン化銀乳剤層がある他、必要に応じて塗設さ
れる保護層、ハレーション防止層、イエロー フィルタ
ー層、中間層などが含まれる。
【0290】本発明による効果を特に発揮しうるハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料の層構成は支持体から順次コ
ロイド銀ハレーション防止層(中間層)赤感性層(中間
層)緑感性層(中間層)コロイド銀黄色フィルター層青
感性層(中間必層)保護層を塗布したものさらには支持
体から順次コロイド銀ハレーション防止層(中間層)赤
感性層(中間層)赤感性層(中間層)緑感性層(コロイ
ド銀黄色フィルター層)青感性層(中間層)保護層を塗
布した層構成である。
【0291】なお、( )中の層は省略していても良
い。
【0292】上記赤感性層、緑感性層及び青感性層の各
層は低感度と高感度の層に各々分割されていることが好
ましい。
【0293】また、特公昭49-15495号公報に記載されて
いる様な赤感性層、緑感性層、青感性層の少なくとも1
つを3つの部分層の分けた層構成、特開昭51-49027号公
報に記載されている様な高感度乳剤層単位と低感度乳剤
層単位に分けた層構成並びに西独公開公報2,622,922
号、同2,622,923号、同2,622,924号、同2,704,826号及
び同2,704,797号に記載されている様な層構成等が挙げ
られる。
【0294】また本発明においては、特開昭57-177551
号、同59-177552号、同59-180555号の各公報記載の層構
成を適用することも可能である。
【0295】ハロゲン化銀カラー写真感光材料の写真構
成層には、水溶性または発色現像液で脱色する染料(A
I染料)を添加することができ、該AI染料としては、
オキソノール染料、ヘミオキソノール染料、メロシアニ
ン染料及びアゾ染料が包含される。中でもオキソノール
染料、ヘミオキソノール染料及びメロシアニン染料等が
有用である。用い得るAI染料の例としては、英国特許
584,609号、同1,277,429号、特開昭48-85130号、同49-9
9620号、 同49-114420号、 同49-129537号、 同52-108115
号、同59-25845号、 同59-111640号、 同59-111641号、 米
国特許2,274,782号、 同2,533,472号、 同2,956,079号、
同3,125,448号、 同3,148,187号、 同3,177,078号、 同3,2
47,127号、 同3,260,601号、 同3,540,887号、 同3,575,70
4号、 同3,653,905号、 同3,718,472号、 同4,070,352号に
記載されているものを挙げることができる。
【0296】これらのAI染料は、一般に乳剤層中の銀
1モル当り2×10-3〜5×10-1モル用いることが好まし
い。
【0297】本発明において用いられるDIR化合物は
発色現像主薬の酸化体と反応して現像抑制剤を放出する
ことができる化合物である。
【0298】このようなDIR化合物の代表的なものと
しては、活性点から離脱したときに現像抑制作用を有す
る化合物を形成し得る基をカプラーの活性点に導入せし
めたDIRカプラーがあり、例えば英国特許935,454号、
米国特許3,227,545号、 同4,095,984号、 同4,149,886号
等に記載されている。 上記のDIRカプラーは、発色現像主薬の酸化体とカッ
プリング反応した際に、カプラー母核は色素を形成し、
一方、現像抑制剤を放出する性質を有する。また本発明
では米国特許3,652,345号、同3,928,041号、 同3,958,993
号、 同3,961,959号、同4,052,213号、 特開昭53-110529
号、 同54-13333号、 同55-161237号等に記載されている
ような発色現像主薬の酸化体とカップリング反応したと
きに、 現像抑制剤を放出するが、 色素は形成しない化合
物も含まれる。 更にまた、特開昭54-145135号、 同56-114946号及び同57
-154234号に記載のある如き発色現像主薬の酸化体と反
応したときに、 母核は色素あるいは無色の化合物を形成
し、一方、離脱したタイミング基が分子内求核置換反応
あるいは離脱反応によって現像抑制剤を放出する化合物
である所謂タイミングDIR化合物も本発明に含まれ
る。
【0299】また特開昭58-160954号、 同58-162949号に
記載されている発色現像主薬の酸化体と反応したとき
に、 完全に拡散性の色素を生成するカプラー母核に上記
の如きタイミング基が結合しているタイミングDIR化
合物を用いることができる。
【0300】更にDIR化合物以外に、現像にともなっ
て現像抑制剤を放出する化合物も本発明に用いることが
でき、例えば米国特許3,297,445号、 同3,379,529号、西
独特許出願(OLS)2,417,914号、特開昭52-15271号、 同
53-9116号、 同59-123838号、59-127038号等に記載のも
のが挙げられる。
【0301】感光材料に含有されるDIR化合物の量
は、銀1モルに対して1×10-4モル〜10×10-1モルの範
囲が好ましく用いられる。
【0302】本発明においては、コロイド銀を用いるこ
とによって、より良い効果を得ることができる。コロイ
ド銀としては、写真用で公知のものをすべて利用するこ
とができ、黄色コロイド銀、赤色コロイド銀、黒色コロ
イド銀等がある。
【0303】コロイド銀の添加位置は、感光材料中の感
光性層でも非感光性層でもよいが、低非感光性層が好ま
しい。コロイド銀の感光材料中における塗布量は0.001g
〜1.0g/m2、好ましくは0.005g/m2〜0.5g/m2、特に好ま
しくは0.01g/m2〜0.3g/m2である。
【0304】紫外線吸収剤としては下記一般式〔U〕で
示されるものが好ましい。
【0305】
【化28】
【0306】(上記一般式〔U〕において、R1,R2
びR3はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ルケニル基、ニトロ基又は水酸基を表す。)R1〜R3
表される各基は置換基を有するものも含む。
【0307】R1及びR2で表される基のうち、水素原
子、アルキル基、アルコキシ基及びアリール基が好まし
く、特に水素原子、アルキル基及びアルコキシ基が好ま
しい。R3で表される基のうち、特に水素原子、ハロゲ
ン原子、アルコキシ基が好ましい。
【0308】R1〜R3のうち、少なくとも1つはアルキ
ル基であることが好ましい。又、R1〜R3の少なくとも
1つは分岐アルキル基であることが好ましい。
【0309】代表的具体例を示す。
【0310】
【化29】
【0311】本発明においては、常温で液体の紫外線吸
収剤を用いることが有効である。これについては特開平
3-175443号公報P,323の一般式〔a〕で示される2-(2′
-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール系化合物が
好ましい。具体的化合物としては同公報P.323の例示化
合物a−1Lからa−27Lまでの27種が特に好ましい。
また同公報に示されるように、液体の紫外線吸収剤の少
なくとも1つと一般式〔I〕及び一般式〔II〕で示され
る紫外線吸収剤の少なくとも1とを組合せて用いること
はハロゲン化銀カラー感光材料の物理的特性を劣化させ
ることなく紫外線吸収効果を高めることができるという
点で本発明にも有効である。
【0312】一般式〔U〕で示される化合物の添加量
は、該化合物を添加する層のバインダーに対して0.1〜3
00重量%が好ましく、更に1〜200重量%が好ましい。
【0313】本発明のハロゲン化銀乳剤のバインダー
(又は保護コロイド)としては、ゼラチンを用いるのが
有利であるが、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子
のグラフトポリマー、それ以外の蛋白質、糖誘導体、セ
ルロース誘導体、単一あるいは共重合体の如き合成親水
性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができ
る。
【0314】ゼラチンとしては前述の各種ゼラチンを用
いることができる。
【0315】ゼラチン誘導体としては、ゼラチンに例え
ば酸ハライド、酸無水物、イソシアナート類、ブロモ酢
酸、アルカンサルトン類、ビニルスルホンアミド類、マ
レインイミド化合物類、ポリアルキレオンキシド類、エ
ポキシ化合物等、種々の化合物を反応させて得られるも
のが用いられる。その具体例は米国特許2,614,928号、同
3,132,945号、 同3,186,846号、 同3,312,553号、 英国特
許861,414号、同1,033,189号、 同1,005,784号、 特公昭4
2-26845号などに記載されている。 本発明においては、前述の如くゼラチンの中でもカルシ
ウム含有量が少ない低カルシウムゼラチンを用いること
が好ましい。
【0316】蛋白質としては、アルブミン、カゼイン、
セルロース誘導体としては、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルロースの硫酸エ
ステル、又、糖誘導体としてはアルギン酸ナトリウム、
澱粉誘導体が好ましい。
【0317】前記ゼラチンと他の高分子のグラフトポリ
マーとしてはゼラチンにアクリル酸、メタアクリル酸そ
れらのエステル、アミドなどの誘導体、アクリロニトリ
ル、スチレンなどの如きビニル系モノマーの単一(ホモ)
又は共重合体をグラフトさせたものを用いることができ
る。殊に、ゼラチンと或る程度相溶性のあるポリマー、
例えばアクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、ヒドロキシアルキルメタクリレート等の重合体との
グラフトポリマーが好ましい。これらの例は、米国特許
2,763,625号、 同2,831,767号、 同2,956,884号などに記
載されている。 代表的な合成親水性高分子物質は、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ─N─
ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポ
リビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体等であ
り、例えば西独特許出願(OLS)2,312,708号、米国特許3,6
20,751号、 同3,879,205号、 特公昭43-7561号に記載のも
のである。 本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の写真乳剤
層、その他の親水性コロイド層は、バインダー(又は保
護コロイド)分子を架橋させ、膜強度を高める硬膜剤を
1種又は2種以上用いることにより硬膜することができ
る。硬膜剤は、処理液中に硬膜剤を加える必要がない程
度に感光材料を硬膜できる量添加することができるが、
処理液中に硬膜剤を加えることも可能である。
【0318】硬膜剤としては、アルデヒド系、アジリジ
ン系(例えば、PBレポート19921号、米国特許2,950,197
号、同2,964,404号、同2,983,311号、同3,271,175号、
特公昭46‐40898号、特開昭50‐91315号に記載のも
の)、イソオキサゾール系(例えば、米国特許331,609号
に記載のもの)、エポキシ系(例えば米国特許3,047,394
号、西独特許1,085,663号、英国特許1,033,518号、特公
昭48‐35495号に記載のもの)、ビニールスルホン系(例
えば、PBレポート19920、西独特許1,100,942号、同2,33
7,412号、同2,545,722号、同2,635,518号、同2,742,308
号、同2,749,260号、英国特許1,251,091号、特願昭45‐
54236号、同48‐110996号、米国特許3,539,644号、同3,
490,911号に記載のもの)、アクリロイル系(例えば、
特願昭48‐27949号、米国特許3,640,720号に記載のも
の)、カルボジイミド系(例えば、米国特許2,938,892
号、同4,043,818号、同4,061,499号、特公昭46‐38715
号、特願昭49‐15095号に記載のもの)、トリアジン系
(例えば、西独特許2,410,973号、同2,553,915号、米国
特許3,325,287号、特開昭52‐12722号に記載のもの)、
高分子型(例えば、英国特許822,061号、米国特許3,62
3,878号、同3,396,029号、同3,226,234号、特公昭47‐1
8578号、同18579号、同47‐48896号のに記載のもの)、
その他マレイミド系、アセチレン系、メタンスルホン酸
エステル系、N‐メチロール系の硬膜剤が単独又は組み
合わせて使用できる。
【0319】有用な組合せ技術として、例えば西独特許
2,447,587号、同2,505,746号、同2,514,245号、米国特
許4,047,957号、同3,832,181号、同3,840,370号、特開
昭48‐43319号、同50‐63062号、同52‐127329号、特公
昭48‐32364号に記載の組合せが挙げられる。
【0320】本発明においては、特にビニルスルホン系
硬膜剤を用いることによって効果が高められる。
【0321】ビニルスルホン系硬膜剤とは、スルホニル
基に結合したビニル基或いはビニル基を形成しうる基を
有する化合物であり、好ましくはスルホニル基に結合し
たビニル基又はビニル基を形成しうる基を少なくとも二
つ有している。例えば、下記一般式〔VS―I〕で示さ
れる化合物が、本発明において好ましく用いられる。
【0322】一般式〔VS―I〕 L−(SO2−X)m 上記一般式〔VS―I〕において、Lはm価の連結基を
表し、Xは―CH=CH2又は―CH2CH2Yであり、Yは塩基に
よってHYの形で脱離しうる基、例えばハロゲン原子、ス
ルホニルオキシ基、スルホオキシ基(塩を含む)、3級
アミンの残基等を表す。mは2〜10の整数を表すが、m
が2以上の時―SO2―X は同じでも互いに異なっていて
もよい。
【0323】m価の連結基Lは、例えば脂肪族炭化水素
基(例えば、アルキレン、アルキリデン、アルキリジン
等、あるいはこれらが結合して形成される基)、芳香族
炭化水素基(例えば、アリーレン等、或いは、これらが
結合して形成される基)―O―,―NR′―(R′は水素原
子又は好ましくは1〜15個の炭素原子を有するアルキル
基を表す)、―S―,―N<,―CO,―SO―,―SO2―又は―SO
3―で示される結合を一つ、或いは複数組み合わせるこ
とにより形成されるm価の基であり、―NR′―を二つ以
上含む場合、それらのR′同士が結合して環を形成して
もよい。連結基Lは更に、ヒドロキシル基、アルコキシ
基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキル基又
はアリール基等の置換基を有するものも含む。
【0324】Xの具体例としては、―CH2=CH2又は―CH
2CH2Cl等が好ましい。
【0325】以下に、ビニルスルホン系硬膜剤の代表的
具体例を示す。
【0326】
【化30】
【0327】本発明に用いられるビニルスルホン系硬膜
剤は、例えば独国特許1,100,942号及び米国特許3,490,9
11号等に記載されている如き芳香族系化合物、特公昭44
‐29622号、同47‐25373号、同47‐24259号等に記載さ
れている如きヘテロ原子で結合されたアルキル化合物、
特公昭47‐8736号等に記載されている如きスルホンアミ
ド、エステル系化合物、特開昭49‐24435号等に記載さ
れている如き1,3,5‐トリス〔β‐(ビニルスルホニル)
プロピオニル〕‐ヘキサヒドロ‐s‐トリアジン或いは
特公昭50‐35807号、特開昭51‐44164号等に記載されて
いる如きアルキル系化合物及び特開昭59‐18944号等に
記載されている化合物等を包含する。
【0328】これらのビニルスルホン系硬膜剤は、水又
は有機溶剤に溶解し、バインダー(例えばゼラチン)に
対して0.005〜20重量%、好ましくは0.02〜10重量%用
いられる。
【0329】写真層への添加はバッチ方式或いはインラ
イン添加方式等が採用される。
【0330】これらの硬膜剤の写真層への添加の層は特
に限定されるものでは無く、例えば最上層1層、最下層
1層、或いは全層に添加してもよい。
【0331】本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材
料の写真乳剤層及び/又は他の親水性コロイド層には、
塗布性改良、帯電防止、スベリ性改良、乳化分散、接着
防止、写真特性(現像促進、硬膜化、増感等)改良等を
目的として、種々の界面活性剤を用いることができる。
【0332】アニオン性界面活性剤としては、例えばア
ルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、アルキル硫酸エステル類、アルキル燐酸エステル
類、N‐アシル‐N‐アルキルタウリン類、スルホコハク
酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキル
燐酸エステル類などのような、カルボキシル基、スルホ
基、ホスホ基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸
性基を含むものが好ましい。
【0333】両性界面活性剤としては、例えばアミノ酸
類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸
又は燐酸エステル類、アルキルベタイン類、アミンオキ
シド類等が好ましい。
【0334】カチオン性界面活性剤としては、例えばア
ルキルアミン塩類、脂肪族あるいは芳香族第4級アンモ
ニウム塩類、ピリジニウム、イミダゾリウムなどの複素
環第4級アンモニウム塩類及び脂肪族又は複素環を含む
ホスホニウム又はスルホニウム塩類等が好ましい。
【0335】ノニオン性界面活性剤としては、例えばサ
ポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体
(例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール/ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエチレン
グリコールアルキルエーテル類又はポリエチレングリコ
ールアルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコ
ールエステル類、ポリエチレングリコールソルビタンエ
ステル類、ポリアルキレングリコールアルキルアミン又
はアミド類、シリコンのポリエチレンオキサイド付加物
類)、グリシドール誘導体(例えばアルケニルコハク酸
ポリグリセリド、アルキルフェノールポリグリセリ
ド)、多価アルコールの脂肪酸エステル類、糖のアルキ
ルエステル類等が好ましい。
【0336】本発明においてはアニオン性界面活性剤が
より好ましく、特に前記S−1〜S−12に示されるもの
が特に好ましい。
【0337】本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた写真感
光材料の塗布に際して、塗布性を向上させるために増粘
剤を用いてもよい。
【0338】本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材
料には、フィルター層、ハレーション防止層、及び/又
はイラジエーション防止層等の補助層を設けることがで
きる。これらの層中及び/又は乳剤層中には現像処理中
に感光材料から流出するか、もしくは漂白される染料が
含有させられてもよい。
【0339】フィルター染料、あるいはイラジエーショ
ン防止その他種々の目的で用いられる染料には、オキサ
ノール染料、ヘミオキサノール染料、メロシアニン染
料、シアニン染料、スチリル染料、アゾ染料が含有され
る。なかでもオキサノール染料、ヘミオキサノール染料
及びメロシアニン染料が有用である。
【0340】用い得る染料の具体例は西独特許616,007
号、英国特許584,609号、同1,177,429号、特公昭26‐77
77号、同39‐22069号、同54‐38129号、特開昭48‐8513
0号、同49‐99620号、同49‐114420号、同49‐129537
号、同50‐28827号、同52‐108115号、同57‐185038
号、米国特許1,878,961号、同1,884,035号、同1,912,79
7号、同2,098,891号、同2,150,695号、同2,274,782号、
同2,298,731号、同2,409,612号、同2,461,484号、同2,5
27,583号、同2,533,472号、同2,865,752号、同2,956,87
9号、同3,094,418号、同3,125,448号、同3,148,187号、
同3,177,078号、同3,247,127号、同3,260,601号、同3,2
82,699号、同3,409,433号、同3,540,887号、同3,575,70
4号、同3,653,905号、同3,718,472号、同3,865,817号、
同4,070,352号、同4,071,312号、PBレポート74175号、P
HOTO.ABS. 1 28('21)等に記載されたものである。 本発明においては、感光材料のバインダーの膜物性を向
上させたり、塗膜の接着性を向上させたり、寸度安定性
を向上させたり、更には現像特性を向上させる目的で、
種々のポリマーラテックスを添加するのが好ましい。特
に乳化重合によって合成された水分散液型のものが好ま
しい。
【0341】ポリマーラテックスとして、モノマー化合
物が1種類のホモポリマーであってもよいが、異なる2
種類以上から成るいわゆるコポリマーの方が、その組合
せによってポリマーラテックスの特性をコントロールし
易いという点で好ましい。
【0342】本発明に用いるポリマーラテックスを構成
するモノマー化合物としては、エチレン性モノマー化合
物が好ましい。
【0343】これらのモノマー化合物について更に具体
的に示すと、アクリル酸エステル類としては、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、i-プロピルアクリレ
ート、n‐ブチルアクリレート、t‐ブチルアクリレー
ト、ヘキシルアクリレート、2‐エチルヘキシルアクリ
レート、シアノエチルアクリレート、2‐アセトキシエ
チルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、2
‐ヒドロキシエチルアクリレートなど;メタクリル酸エ
ステル類の例としては、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、n‐プロピルメタクリレート、n‐ブチ
ルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート、2‐ヒド
ロキシエチルメタクリレート、4‐ヒドロキシブチルメ
タクリレート、2‐エトキシエチルメタクリレートな
ど;ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテー
ト、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、安息香
酸ビニル、サリチル酸ビニルなどが挙げられる。
【0344】又、オレフィン類の例としては、ジシクロ
ペンタジエン、エチレン、プロピレン、1‐ブテン、1‐
ペンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、
クロロプレン、ブタジエン、2,3‐ジメチルブタジエン
等を挙げることができる。 スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレ
ン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルス
チレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレンなど
が挙げられる。
【0345】クロトン酸エステル類の例としては、クロ
トン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。
【0346】又、イタコン酸ジエステル類としては、例
えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタ
コン酸ジブチルなどが挙げられる。
【0347】マレイン酸ジエステル類としては、例え
ば、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸ジブチルなどが挙げられる。
【0348】フマル酸ジエステル類としては、例えば、
フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチ
ルなどが挙げられる。
【0349】アクリルアミド類としては、アクリルアミ
ド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、プ
ロピルアクリルアミド、ブチルアクリルアミド、ジメチ
ルアクリルアミドなど;メタクリルアミド類としては、
例えば、メタクリルアミド、メチルメタクリルアミド、
エチルメタクリルアミド、プロピルメタクリルアミド、
ブチルメタクリルアミドなど;アリル化合物としては、
例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、ラウリン酸ア
リル、安息香酸アリルなど;ビニルエーテル類として
は、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエー
テル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニル
エーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテルなど;
ビニルケトン類としては、例えば、メチルビニルケト
ン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケト
ンなど;ビニル異節環化合物としては、例えば、ビニル
ピリジン、N‐ビニルイミダゾール、N‐ビニルオキサゾ
リドン、N‐ビニルトリアゾール、N‐ビニルピロリドン
など;グリシジルエステル類としては、例えば、グリシ
ジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなど;不
飽和ニトリル類としては、例えば、アクリロニトリル、
メタクリロニトリルなどが挙げられる。 又、多官能性
モノマー、例えば、ジビニルベンゼン、メチレンビスア
クリルアミド、エチレングリコールジメタクリレートな
ども用いられる。更に、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、マレイン酸などが挙げられる。これらの酸は
アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムなど)又
はアンモニウムイオンの塩であってもよい。更にその他
のモノマー化合物としては、米国特許3,459,790号、同
3,438,708号、同3,554,987号、同4,215,195号、同4,24
7,673号、特開昭57‐205735号等に記載されている架橋
性モノマーを用いることができる。このような架橋性モ
ノマーの例としては、具体的にはN‐(2‐アセトアセト
キシエチル)アクリルアミド、N‐{2‐(2‐アセトアセト
キシエトキシ)エチル}アクリルアミド等を挙げることが
できる。 これらのモノマー化合物のうち、アクリル酸
エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル
類、スチレン類、オレフィン類が好ましく用いられる。
【0350】本発明のラテックスの合成法に関しては、
米国特許2,852,386号、同2,853,457号、同3,411,911
号、同3,411,912号、同4,197,127号、ベルギー特許688,
882号、同691,360号、同712,823号、特公昭45‐5331
号、特開昭60‐18540号、同51‐130217号、同58‐13783
1号、同55‐50240号等に詳しく記載されている。
【0351】本発明のラテックスの平均粒径は0.01〜0.
8μmが特に好ましく、0.005〜2.0μmのものであればい
づれも使用することができる。
【0352】又、分子量の規定は特にはないが、1,000
〜1,000,000、好ましくは2,000〜500,000である。又、
ガラス転移温度は−40〜150℃であり、好ましくは−40
〜20℃である。
【0353】本発明のラテックスは、そのまま或は水に
分散させて写真構成層に含有することができる。該ラテ
ックスの含有量は、写真構成層バインダーに対し5〜60
重量%添加するのが好ましい。添加場所としては感光性
層、非感光性層を問わないが感光性層がより好ましい。
【0354】本発明においては、高沸点溶媒分散物を添
加することが好ましい。
【0355】本発明に使用される高沸点溶媒とは、沸点
150℃以上、好ましくは200℃〜400℃のものである。
本発明において使用される高沸点溶媒としては、例えば
下記に詳述するような無機酸エステル、有機酸エステ
ル、多価アルコールエステル、エポキシ化油類等を挙げ
ることができる。
【0356】無機酸エステル類としては例えば燐酸エス
テルを挙げることができ、具体的にはトリエチルホスフ
ェート、トリブチルホスフェート、トリ‐n‐オクチル
ホスフェート、ジフェニル‐n‐オクチルホスフェー
ト、ブチル‐2‐キシレニルホスフェート、トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2‐エチ
ルヘキシルジフェニルホスフェート等がある。 有機酸エステルとしては、まず低級脂肪酸エステルを挙
げることができ、例えばクエン酸エステルがあり、具体
的にはトリブチルシトレート、アセチルトリブチルシト
レート、トリエチルシトレート、アセチルトリエチルシ
トレート、トリシクロヘキシルシトレート、アセチルト
リオクチルシトレート、アセチルオクチルデシルシトレ
ート等がある。
【0357】又、有機酸エステルの高級脂肪酸エステル
に属するものとしては、例えばステアリン酸ブチル、オ
レイン酸メトキシエチル、アセチルリシノール酸メチ
ル、アセチルリシノール酸エチル、アセチルリシノール
酸メトキシエチル等を挙げることができる。更に本発明
においては上記有機酸エステルとしては脂肪族、芳香族
の2価の有機酸エステルが含まれる。
【0358】脂肪族の2価の有機酸エステルとしては、
例えばジブチルアジペート、ジ‐2‐エチルヘキシルア
ジペート、ジ‐n‐オクチルアジペート、ジ‐n‐オクチ
ルセバケート、ジブチルセバケート、ジ‐2‐エチルヘ
キシルアゼレート、ジ‐i‐デシルアジペート等があ
り、又、芳香族の2価の有機酸エステルとしては、例え
ばフタール酸エステル類があり、ジメチルフタレート、
ジ-i-イソプロピルフタレート、ジエチルフタレート、
ジブチルフタレート、ジブチルテレフタレート、ブチル
ベンジルフタレート、ジブトキシエチルフタレート、ジ
ヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジ
‐n‐ヘプチルフタレート、ジ‐n‐オクチルフタレー
ト、ジ‐2‐エチルヘキシルフタレート、ジ‐2‐エチル
ヘキシルテレフタレート、ジ-2-エチルヘキシルイソフ
タレート、ジ‐n‐ノニルフタレート、ジ‐n‐ノニルイ
ソフタレート、ブチルシクロヘキシルフタレート、ジブ
チルテトラクロロフタレート、ジブチルイソフタレー
ト、ジカプリルフタレート、ジ‐2‐メトキシエチルフ
タレート、ジイソブチルフタレート等を挙げることがで
きる。
【0359】更には多価アルコールエステルとしては、
例えばグリコールエステル類が主たるもので、具体的に
はエチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリル
ブチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレー
ト等を初めとして、ジエチレングリコールジベンゾエー
ト、ジプロピレングリコールジベンゾエート、更に庶糖
ベンゾエート等を挙げることができる。
【0360】又、エポキシ化油類としては、例えばエポ
キシ化大豆脂、オレイン酸グリシジール、9,10‐エポキ
システアンリン酸アリール、9,10‐エポキシステアリン
酸‐2‐エチルヘキシル、エポキシ化トール油脂肪酸‐2
‐エチルヘキシル、エポキシ化トール油アルキル等を挙
げることができる。
【0361】本発明において、非感光性層に添加される
高沸点溶媒は、1種類の溶媒を単独で用いてもよいし、
異なる2種以上のものを混合して分散し添加してもよい
し、異なる2種以上のものを別々に分散して混合し、添
加してもよい。
【0362】本発明に用いられる高沸点溶媒は、前記非
感光性層の少なくとも1層に添加される場合、一般のハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料と同様に水中油滴型の分
散物として添加されるのが好ましい。即ち、ゼラチン水
溶液のような親水性コロイド溶液と高沸点溶媒を、界面
活性剤の存在下で混合し、超音波ホモジナイザー、ホモ
ミキサー、加圧噴出機等で分散して分散物を得ることが
できる。
【0363】本発明において、感光材料における高沸点
溶媒の塗布量は、0.05〜5.0g/m2の範囲が好ましく、
特に0.2〜2.0g/m2の範囲が好ましい。 本発明において、高沸点溶媒を含有する非感光性層中に
は、必要に応じて更に、紫外線吸収剤、帯電防止剤、ス
テイン防止剤、イラジエーション防止染料、硬膜剤等を
添加しても構わない。
【0364】本発明の感光材料の保護層、中間層等の親
水性コロイド層は感光材料が摩擦等で帯電することに起
因する放電によるカブリ防止、画像のUV光による劣化
を防止するために紫外線吸収剤を含んでいてもよい。
【0365】紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン化
合物(例えば特開昭46‐2784号、米国特許3,215,530
号、同3,698,907号に記載のもの)、ブタジエン化合物
(例えば、米国特許4,045,229号に記載のもの)、4‐チ
アゾリドン化合物(例えば、米国特許3,314,794号、同
3,352,681号に記載のもの)、アリール基で置換された
ベンゾトリアゾール化合物(例えば特公昭36‐10466
号、同41‐1687号、同42‐26187号、同44‐29620号、同
48‐41572号、特開昭54‐95233号、同57‐142975号、米
国特許3,253,921号、同同3,533,794号、同3,754,919
号、同3,794,493号、同4,009,038号、同4,220,711号、
同4,323,633号、RD22519号に記載のもの)、ベンゾジ
オキサゾール化合物(例えば、米国特許3,700,455号に
記載のもの)、桂皮酸エステル化合物(例えば、米国特
許3,705,805号、同3,707,375号、特開昭52‐49029号に
記載のもの)を用いることができる。
【0366】更に、米国特許3,499,762号、特開昭54‐4
8535号に記載のものも用いることができる。紫外線吸収
性のカプラー(例えば、α‐ナフトール系のシアン色素
形成カプラー)や、紫外線吸収性のポリマー(例えば、
特開昭58‐111942号、同58-178351号、同58-181041号、
同59‐19945号、同59-23344号に記載のもの)などを用
いることができる。
【0367】これらの紫外線吸収剤は特定の層に媒染さ
れていてもよい。特にベンゾトリアゾール系化合物を併
用した構成が好ましい。
【0368】カラードカプラーとしては、例えば英国特
許937,621号、同1,035,959号、同1,255,111号、特開昭4
8‐22028号、同52‐42121号、特公昭38‐22335号、同44
‐2016号、同44‐15754号、米国特許2,449,966号、同2,
521,908号、同2,543,691号、同2,801,171号、同2,983,6
08号、同3,005,712号、同3,034,892号、同3,061,432
号、同3,419,391号、同3,476,560号、同3,476,563号、
同3,481,741号、同3,519,429号、同3,853,971号、同3,6
22,328号、同3,684,514号、同4,004,929号、同4,070,19
1号、同4,138,258号、同4,138,264号、同4,163,670号、
同4,292,400号、同4,369,248号等に記載ものを使用でき
る。
【0369】特に、イエローカラードマゼンタカプラ
ー、マゼンタカラードシアンカプラー、イエローカラー
ドシアンカプラーを適宜組み合わせて用いるのが好まし
い。
【0370】本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材
料には、色素画像の劣化を防止する画像安定剤を用いる
ことができる。
【0371】画像安定剤としては、例えばハイドロキノ
ン誘導体、没食子酸誘導体、フェノール誘導体及びその
ビス体、ヒドロキシクマラン及びそのスピロ体、ヒドロ
キシクロマン及びそのスピロ体、ピペリジン誘導体、芳
香族アミン化合物、ベンゾジオキサン誘導体、ベンズジ
オキソール誘導体、シリコン原子含有化合物、チオエー
テル化合物等が好ましい。その具体例として米国特許1,
410,846号、特開昭49‐134326号、同52‐35633号、同52
‐147434号、同52‐150630号、同54‐145530号、同55‐
6321号、同55‐21004号、同55‐124141号、同59‐3432
号、同59‐5246号、同59‐10539号、特公昭48‐31625
号、同49‐20973号、同49‐20974号、同50‐23813号、
同52‐27534号、米国特許2,360,290号、同2,418,613
号、同2,675,314号、同2,701,197号、同2,704,713号、
同2,710,801号、同2,728,659号、同2,732,300号、同2,7
35,765号、同2,816,028号、同3,069,262号、同3,336,13
5号、同3,432,300号、同3,457,079号、同3,573,050号、
同3,574,627号、同3,698,909号、同3,700,455号、同3,7
64,337号、同3,935,016号、同3,982,944号、同4,013,70
1号、同4,133,495号、同4,120,723号、同4,155,765号、
同4,159,910号、同4,254,216号、同4,268,593号、同4,2
79,990号、同4,332,886号、同4,360,589号、同4,430,42
5号、同4,452,884号等が挙げられる。
【0372】特にハイドロキノン誘導体型が好ましい。
【0373】本発明では、支持体から最も遠い側に形成
されたハロゲン化銀乳剤層の表面側に形成されたコロイ
ド層が実質的に非感光性の微粒子ハロゲン化銀粒子を含
有している。尚、該コロイド層は一般に写真構成層の保
護層として形成されている。ここで実質的に非感光性の
ハロゲン化銀粒子とは、現像液中で実質的に現像されな
いものをいい、このようなものであれば任意のものを用
いることができるが、更に現像液中で実質的に現像及び
溶解されないことが好ましい。又、微粒子状とは、光散
乱を極力少なくし得る粒子径をいい、0.3μm以下の平均
粒子サイズを有することが好ましく、更に平均粒径0.01
〜0.2μmが好ましく、0.02〜0.15μmであることがより
好ましい。粒子の分布については広くても狭くてよい
が、狭い分布の方が好ましい。
【0374】実質的に非感光性のハロゲン化銀微粒子と
して用いられるハロゲン化銀粒子は、塩化銀、臭化銀、
沃化銀、沃臭化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀等任意のもの
が用いられ、これらのハロゲン化銀は単独でも2種以上
併用してもよい。又、該ハロゲン化銀粒子は溶解度の点
から臭化銀を含有するハロゲン化銀が好ましく、15モル
%以下の沃化銀を含有する沃臭化銀がより好ましく、1
〜10モル%の沃化銀を含有する沃臭化銀が更に好まし
く、2〜8モル%の沃化銀を含有する沃臭化銀が特に好
ましい。該ハロゲン化銀粒子は、ロダンイオン、シアノ
イオン、チオシアナートイオンなどで物理熟成されても
よく、ハロゲン化銀溶剤によってエッチングされていて
もよい。
【0375】これらのハロゲン化銀粒子は中性法、ハー
フアンモニア法、アンモニア法等の種々の製法で製造さ
れ、又、同時混合法、コンバージョン法等の種々の製造
の型で造られる。非感光性層のハロゲン化銀は0.1〜3.0
g/m2塗布するのが好ましく、より好ましくは0.3〜2.0
g/m2、特に好ましくは0.5〜1.0g/m2塗布して用いら
れる。但し、塗布銀量は銀換算したものである。該非感
光性層には、コロイダルシリカ、ポリメチルメタクリレ
ート等のマット剤、高沸点溶媒(例えばトリクレジルホ
スフェート、ジオクチルフタレート等)、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、ハイドロキノン誘導体等の親油性成
分、界面活性剤等の塗布助剤、ゼラチン硬化乳剤等を同
時に用いてもよい。
【0376】非感光性層用のバインダーとして使用され
るものとしてはゼラチンが一般的であるが、ゼラチンの
一部又は全部に替えてコロイド状アルブミン、寒天、ア
ラビアゴム、アルギン酸、セルローズ誘導体等の蛋白
質、糖誘導体、澱粉誘導体も使用することができる。
【0377】感光材料の保存中のホルマリンによるマゼ
ンタ色素形成カプラー等の劣化を防止するために、本発
明の感光材料にホルマリンスカベンジャーを用いること
ができる。
【0378】ホルマリンスカベンジャーとしては、例え
ば特開昭50‐87028号、同57‐133450号、同58‐150950
号、米国特許2,895,827号、同3,652,278号、同3,811,891
号、同4,003,748号、同4,411,987号、同4,414,309号、
同4,418,142号、同4,464,463号、米国防衛特許900,028
号、西独特許3,223,699号、同3,227,961号、同3,227,96
2号、RD10133号等に記載のものを好ましく用いること
がきる。 本発明のハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料のハロゲン
化銀乳剤層及び/又はその他の親水性コロイド層に感光
材料の光沢の低減、加筆性の改良、感光材料相互のくっ
つき防止等を目標としてマット剤を添加できる。
【0379】マット剤としては、英国特許1,055,713
号、米国特許1,939,213号、同2,221,873号、同2,268,66
2号、同2,322,037号、同2,376,005号、同2,391,181号、
同2,701,245号、同2,992,101号、同3,079,257号、同3,2
62,782号、同3,443,946号、同3,516,832号、同3,539,34
4号、同3,591,379号、同3,754,924号、同3,767,448号等
に記載されている有機マット剤、西独特許2,529,321
号、英国特許760,775号、同1,260,772号、米国特許1,20
1,905号、同2,192,241号、同3,053,662号、同3,062,649
号、同3,257,206号、同3,322,555号、同3,353,958号、
同3,370,951号、同3,411,907号、同3,437,484号、同3,5
23,022号、同3,615,554号、同3,635,714号、同3,769,02
0号、同4,021,245号、同4,029,504号等に記載されてい
る無機マット剤等を好ましく用いることができる。 マット剤の粒径は0.05〜10μmのものが好ましい。添加
する量は1〜300mg/m2が好ましい。
【0380】本発明において、写真構成層の乾燥膜厚は
16μm以下であることが好ましい。ここで写真構成層と
は、赤感光性ハロゲン化銀乳剤層、緑感光性ハロゲン化
銀乳剤層及び青感光性ハロゲン化銀乳剤層の他、必要に
応じて設けられる中間層、フィルター層、保護層などを
含めた支持体を除いた構成層をいう。又、乾燥膜厚は23
℃、55%調湿下で測定した膜厚で、該膜厚は乾燥試料の
断面を走査型電子顕微鏡で拡大撮影して測定することが
でき、該測定方法によって多層構造における各構成層の
膜厚を個別に求めることができる。
【0381】又、支持体から最も遠い乳剤層の上端面か
ら支持体に最も近い乳剤層の下端面までの厚さは14μm
以下が好ましい。
【0382】本発明の感光材料は下式(1)で示される
吸水率が、170〜230%であることが好ましい。
【0383】 式(1) 吸水率=〔(B−A)/(A−C)〕×100
(%) 式(1)中、A:23℃・55%RHの調温・調湿下における
感光材料の重量B:Aと同温湿条件下において、感光材
料を38℃の下記組成の現像液に3分15秒浸漬した後の感
光材料の重量C:Aと同温湿条件下において、塗設層を
剥離した後の感光材料の重量 現像液組成 水 800ml 炭酸カリウム 30g 炭酸水素ナトリウム 2.5g 亜硫酸カリウム 3.0g 臭化ナトリウム 1.3g 沃化カリウム 1.2mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g 塩化ナトリウム 0.6g 4‐アミノ‐3‐メチル‐N‐エチル‐N‐(β‐ヒドロキシルエチル) アニリン硫酸塩 4.5g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水酸化カリウム 1.2g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウム又は20%硫
酸を用いてpH10.06に調整する。
【0384】本発明のハロゲン化銀材料は、必要に応じ
て支持体表面にコロナ放電、紫外線照射、火焔処理等を
施した後、直接に又は支持体表面の接着性、帯電防止
性、寸法安定性、耐摩耗性、硬さ、ハレーション防止
性、摩擦特性、及び/又はその他の特性を向上するため
の1層以上の下塗層を介して塗布されてもよい。
【0385】ポリエチレンテレフタレートフィルムの下
引層としては、例えば特開昭59‐19941号、同59‐77439
号、同59‐224841号、更には特公昭58‐53029号記載の
下引層を用いることが好ましい。又、セルローストリア
セテートフィルム支持体の下引層としては、米国特許2,
852,378号、特公昭43‐13826号に示されるものなどが好
ましい。
【0386】本発明において相対湿度55%以下の状態で
保存する方法としては、密封包装することが好ましい。
本発明でいう密封包装とは、通常包装の分野でよく知ら
れている防湿性の包装を行うことである。
【0387】包装材料としては、アルミ板、ブリキ板、
アルミ箔などの金属及び金属箔、ガラス、あるいはポリ
エチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリア
ミドなどの高分子、各種ポリマーとセロハン、紙、アル
ミ箔等の素材による複合積層材(包装用語でいうラミネ
ート材料)などが用いられる。
【0388】密封の封縅方法としては各種接着剤を用い
た接着剤法、ヒートシールなどの熱融着法、その他当写
真業界では一般的なパトローネケースを用いた方法など
を用いることができる。これら封縅方法の詳細は「食料
包装技術便覧」日本包装技術協会(編)573〜609頁など
に記載されている。
【0389】本発明における相対湿度55%以下に保存さ
れたハロゲン化銀感光材料とは、25℃・相対湿度55%で
ハロゲン化銀感光材料を開封し30秒以内に測定した重量
1 55と同一条件下に3日間以上保存した後、測定した
重量W2 55との差ΔW55=W2 55−W1 55がゼロ以上であ
ることと定義される。
【0390】本発明の好ましい条件は25℃・相対湿度30
%での重量変化ΔW30が負になることであり、更に好ま
しい条件は25℃・相対湿度35%で重量変化ΔW35が負に
なることである。
【0391】本発明では、ロール型の撮影感光材料では
ポリエチレン、ポリプロピレンなどの高分子でできたパ
トローネケースが好ましく、シート型の撮影感光材料で
はポリエチレンなどをヒートシールしたものなどが好ま
しい。これらの密封包装は二重に行われてもよい。
【0392】相対湿度を本発明のように下げて包装する
方法としては、ハロゲン化銀写真感光材料を低湿の部屋
で包装してもよいし、該感光材料の乾燥時に通常より乾
燥しておく方法でもよく、又、密封される中に例えばシ
リカゲルなどの乾燥剤を入れることにより低湿化しても
よい。
【0393】本発明を実施する際に、低湿化するために
屡々スタチック故障を起こす。このスタチック故障防止
のために、帯電防止剤としてよく知られている。
【0394】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記リサーチ・ディスクロージャに記載されている。以
下にその関連のある記載箇所を示す。
【0395】 〔項 目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 〔RD18716〕 色濁り防止剤 1002 VII−I項 25 650 色素画像安定剤 1001 VII−J項 25 増白剤 998 V 24 紫外線吸収剤 1003 VIIIC,XIII−C項 25〜26 光吸収剤 1003 VIII 25〜26 光散乱剤 1003 VIII フィルター染料 1003 VIII 25〜26 バインダー 1003 IX 26 651 スタチック防止剤 1006 XIII 27 650 硬膜剤 1004 X 26 651 可塑剤 1006 XII 27 650 潤滑剤 1006 XII 27 650 活性剤・塗布助剤 1005 XI 26〜27 650 マット剤 1007 XVI 現像剤(感材中に含有) 1011 XXB項 本発明には種々のカプラーを使用することができ、その
具体例は下記RDに記載されている。以下にその関連ある
記載箇所を示す。
【0396】 〔項 目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 イエローカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 マゼンタカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 シアンカプラー 1001 VII−D項 VII C〜G項 カラードカプラー 1002 VII−G項 VII G項 DIRカプラー 1001 VII−F項 VII F項 BARカプラー 1002 VII−F項 その他の有用残基 1001 VII−F項 放出カプラー アルカリ可溶カプラー 1001 VII−E項 本発明に使用する添加剤は、RD308119 1007頁 XIV項に
記載されている分散法などにより、添加することができ
る。
【0397】本発明においては、前述のRD17643 28頁、
RD18716 647〜8頁及びRD308119 1009頁 XIX項に記載さ
れている支持体を使用することができる。
【0398】本発明のカラー感光材料には、前述のRD30
8119 VII−K項に記載されているフィルタ層や中間層等
の補助層を設けることができる。
【0399】本発明のカラー感光材料は、RD308119 VII
−K項に記載されている順層、逆層、ユニット構成等の
様々な層構成をとることができる。
【0400】本発明のカラー感光材料は、一般用もしく
は映画用のカラーネガフィルム、スライド用もしくはテ
レビ用のカラー反転フィルム、カラーペーパー、カラー
ポジフィルム、カラー反転ペーパーに代表される種々の
カラー感光材料に適用することができる。
【0401】本発明に係る処理方法の好ましい具体的処
理工程を以下に示す。
【0402】(1) 発色現像−漂白−定着−水洗 (2) 発色現像−漂白−定着−水洗−安定 (3) 発色現像−漂白−定着−安定 (4) 発色現像−漂白−定着−第1安定−第2安定 (5) 発色現像−漂白−漂白定着−水洗 (6) 発色現像−漂白−漂白定着−水洗−安定 (7) 発色現像−漂白−漂白定着−安定 (8) 発色現像−漂白−漂白定着−第1安定−第2安定 これらの工程の中でもとりわけ (3), (4), (7),
(8)が好ましく、とりわけ特に(3),(4)が好まし
い。
【0403】本発明に係る漂白液及び漂白定着液には、
イミダゾール及びその誘導体又は下記一般式〔I〕〜〔I
X〕で示される化合物の少なくとも一種を含有する際
に、本発明の目的の効果をより良好に奏する。更に、漂
白液中の銀に起因する沈澱も改善する別なる効果もある
ため、本発明においては、より好ましく用いられる。
【0404】
【化31】
【0405】式中、Qは含窒素ヘテロ環(5〜6員の不
飽和環が縮合しているものも含む)を形成するに必要な
原子群を表し、R1は水素原子、炭素原子数1〜6個の
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環
基(5〜6員の不飽和環が縮合しているものも含む)又は
アミノ基を表す。
【0406】
【化32】
【0407】式中、R2及びR3はそれぞれ水素原子、炭
素原子数1〜6のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキ
シ基、アミノ基、炭素原子数1〜3のアシル基、アリー
ル基又はアルケニル基を表す。
【0408】Aは
【0409】
【化33】
【0410】又はn1価のヘテロ環残基(5〜6員の不飽
和環が縮合しているものも含む)を表し、Xは=S、=
O又は=NR″を表す。ここでR及びR′はそれぞれR2
及びR3と同義、X′はXと同義、Zは水素原子、アル
カリ金属原子、アンモニウム基、アミノ基、含窒素ヘテ
ロ環残基、アルキル基、又は−S−B−Y<(R4)(R5)を表
し、Mは2価の金属原子を表し、R″は水素原子、炭素
原子数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、ヘテロ環残基(5〜6員の不飽和環が縮合してい
るものも含む)又はアミノ基を表し、n1〜n6及びm1
5はそれぞれ1〜6の整数を表す。Bは炭素原子数1
〜6のアルキレン基を表し、
【0411】
【化34】
【0412】を表し、R4及びR5はそれぞれR2及びR3
と同義である。但し、R4及びR5はそれぞれ─B─SZ
を表してもよく、又R2とR3、RとR′、R4とR5はそ
れぞれ結合して環を形成してもよい。なお、該式で表さ
れる化合物はエノール化体及びその塩も含む。
【0413】
【化35】
【0414】式中、R6及びR7はそれぞれ水素原子、炭
素原子数1〜6のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキ
シ基、アミノ基、炭素原子数1〜3のアシル基、アリー
ル基、アルケニル基又は―B1―S―Z1を表す。 但し、
6とR7は結合して環を形成してもよい。Y1は>N―又
は>CH−を表し、B1は炭素原子数1〜6のアルキレン基
を表し、Z1は水素原子、アルカリ金属原子、アンモニ
ウム基、アミノ基、含窒素ヘテロ環残基又は−S−B1−Y
1<(R6)(R7)を表す。n7は1〜6の整数を表す。
【0415】
【化36】
【0416】式中、R8及びR9は、それぞれ
【0417】
【化37】
【0418】を表し、R10はアルキル基又は―(CH2)n8S
O3 -を表す。(但し、R10が−(CH2)n8SO3 -のとき、lは
0を表し、アルキル基のとき1を表す。)G-はアニオ
ンを表す。n8は1〜6の整数を表す。
【0419】
【化38】
【0420】
【化39】
【0421】式中、D1、D2、D3及びD4は、それぞれ
単なる結合手、炭素原子数1〜8のアルキレン基又はビ
ニレン基を表し、q1,q2,q3及びq4は、それぞれ0,
1又は2を表す。又、硫黄原子と共に形成する環はさら
に5〜6員飽和又は不飽和の環と縮合してもよい。
【0422】
【化40】
【0423】式中、X2は-COOM′,-OH,-SO3M′,-CON
H2,-SO2NH2,-NH2,-SH,-CN,-CO2R16,-SO2R16,-OR
16,-NR16R17,-SR16,-SO3R16,-NHCOR16,-NHSO
2R16,-OCOR16又は-SO2R16を表し、Y2
【0424】
【化41】
【0425】又は水素原子を表し、m9及びn9は、それ
ぞれ1〜10の整数を表す。R11,R12,R13,R14,R15,
17及びR18は、それぞれ水素原子、低級アルキル基、
アシル基又は
【0426】
【化42】
【0427】R16は低級のアルキル基を表し、R19は-N
R20R21,−OR22又は-SR22を表し、R20及びR21は、そ
れぞれ水素原子又は低級アルキル基を表し、R22はR18
と結合して環を形成するのに必要な原子群を表す。R20
又はR11はR18と結合して環を形成してもよい。M′は
水素原子又はカチオンを表す。
【0428】
【化43】
【0429】式中、Arは2価のアリール基又はアリー
ル基と酸素原子及び/もしくはアルキレン基とを組合わ
せた2価の有機基を表し、B2及びB3は、それぞれ低級
アルキレン基を表し、R23、R24、R25及びR26は、そ
れぞれヒドロキシ置換低級アルキル基を表し、x及びy
は、それぞれ0又は1を表す。G′はアニオンを表し、
zは0、1又は2を表す。
【0430】
【化44】
【0431】式中、R29及びR30は、それぞれ水素原
子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、R
31は水素原子又はアルキル基を表し、R32は水素原子又
はカルボキシ基を表す。
【0432】本発明に好ましく用いられる一般式〔I〕
〜〔IX〕で示される化合物は、一般に漂白促進剤として
用いられる化合物であり、以下、本発明の漂白促進剤と
いう。
【0433】前記一般式〔I〕ないし〔IX〕で示される
本発明の漂白促進剤の代表的具体例としては、例えば次
の如きのものを挙げることができるが、これに限定され
るものではない。
【0434】
【化45】
【0435】
【化46】
【0436】
【化47】
【0437】
【化48】
【0438】
【化49】
【0439】
【化50】
【0440】
【化51】
【0441】
【化52】
【0442】上記で例示した本発明の漂白促進剤の他、
特願昭60‐263568号明細書の第51頁から第115頁に記載
の例示化合物No.も同様に用いることができる。
【0443】これらの漂白促進剤は単独で用いてもよい
し、2種以上を併用してもよく、添加量は一般に漂白液
又は漂白定着液1リットル当たり約0.01〜100gの範囲
で好結果が得られる。しかしながら、 一般には添加量が
過小の時には漂白促進効果が小さく、又、添加量が必要
以上に過大の時には沈澱を生じて処理するハロゲン化銀
カラー写真感光材料を汚染したりすることがあるので、
漂白液又は漂白定着液1リットル当り0.05〜50gが好ま
しく、更に好ましくは0.05〜15gである。
【0444】漂白促進剤を添加する場合には、そのまま
添加溶解してもよいが、水、アルカリ、有機酸等に予め
溶解して添加するのが一般的であり、必要に応じてメタ
ノール、エタノール、アセトン等の有機溶媒を用いて溶
解して添加することもできる。
【0445】本発明の漂白液はpH0.2から8.0で使用で
き、好ましくは1.0以上7.0以下、より好ましくは2.0以
上6.5以下で用いられる。処理の温度は20〜45℃で使用
されるが、望ましくは25〜42℃である。 本発明の漂白
液には、臭化アンモニウムの如きハロゲン化物を通常添
加して用いる。
【0446】なお本発明の漂白液には、硼酸、硼砂、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、酢
酸、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム等の各種の塩
からなるpH緩衝剤を単独であるいは2種以上組み合わ
せて含有せしめることができる。更に又、各種の蛍光増
白剤や消泡剤あるいは界面活性剤や防ばい剤を含有せし
めることもできる。
【0447】本発明に係る漂白液及び漂白定着液に用い
られる漂白剤としては、アミノカルボン酸又はアミノホ
スホン酸の第2鉄錯塩が好ましい。該アミノカルボン酸
及びアミノホスホン酸は、それぞれ少なくとも2個以上
のカルボン酸基を有するアミノ化合物及び少なくとも2
個以上のホスホン酸基を有するアミノ化合物を表し、好
ましくは下記一般式〔XII〕及び〔XIII〕で表される
化合物である。
【0448】
【化53】
【0449】式中、Eは置換又は、未置換のアルキレン
基、シクロアルキレン基、フェニレン基、―R83OR83OR
83―,―R83ZR83― を表し、Zは>NR83−A6,>N−A6
を表し、R79,R83は置換又は未置換のアルキレン基を表
し、A2〜A6は水素原子、−OH,−COOM,−PO3M2を表
し、Mは水素原子、アルカリ金属原子を表す。
【0450】次に、これらの一般式[XII]及び[XIII]
で表される化合物の好ましい具体的例示化合物を以下に
挙げる。
【0451】[例示化合物] [XII‐1]エチレンジアミン四酢酸 [XII‐2]ジエチレントリアミン五酢酸 [XII‐3]エチレンジアミン‐N‐(β‐ヒドロキシエ
チル)‐N,N′,N′‐三酢酸 [XII‐4]1,3‐プロピレンジアミン四酢酸 [XII‐5]トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸 [XII‐6]シクロヘキサンジアミン四酢酸 [XII‐7]1,2‐ジアミノプロパン四酢酸 [XII‐8]1,3‐ジアミノプロパン‐2‐オール四酢酸 [XII‐9]エチルエーテルジアミン四酢酸 [XII‐10]グリコールエーテルジアミン四酢酸 [XII‐11]エチレンジアミンテトラプロピオン酸 [XII‐12]フェニレンジアミン四酢酸 [XII‐13]エチレンジアミン四酢酸ジナトリウム塩 [XII‐14]エチレンジアミン四酢酸テトラ(トリメチル
アンモニウム)塩 [XII‐15]エチレンジアミン四酢酸テトラナトリウム塩 [XII‐16]ジエチレントリアミン五酢酸ペンタナトリウ
ム塩 [XII‐17]エチレンジアミン‐N‐(β‐ヒドロキシエチ
ル)‐N,N′,N′‐三酢酸ナトリム塩 [XII‐18]プロピレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 [XII‐19]エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸 [XII‐20]シクロヘキサンジアミン四酢酸ナトリウム塩 [XII‐21]ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホ
ン酸 [XII‐22]シクロヘキサンジアミン四メチレンホスホン
酸 [XIII‐1]ニトリロ三酢酸 [XIII‐2]メチルイミノ二酢酸 [XIII‐3]ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 [XIII‐4]ニトリロトリプロピオン酸 [XIII‐5]ニトリロトリメチレンホスホン酸 [XIII‐6]イミノジメチレンホスホン酸 [XIII‐7]ヒドロキシエチルイミノジメチレンホスホ
ン酸 [XIII‐8]ニトリロ三酢酸トリナトリウム塩 これらのアミノカルボン酸及びアミノホスホン酸の中で
本発明の目的の効果の点から特に好ましく用いられる化
合物としては(XII―1),(XII―2),(XII―4),(XII―
6),(XII―7),(XII―10),(XII―19),(XIII―1),(XIII
―5)が挙げられる。これらの中でも本発明の目的の効
果の点からとりわけ特にこのましいものは(XII―4)
である。
【0452】本発明に係る前記有機酸の第2鉄錯塩は、
フリーの酸(水素塩)、ナトリウム塩、カリウム塩、リ
チウム塩等のアルカリ金属塩、もしくはアンモニウム
塩、又は水溶性アミン塩、例えばトリエタノールアミン
塩等として使われるが、好ましくはカリウム塩、ナトリ
ウム塩及びアンモニウム塩が使われる。これらの第2鉄
錯塩は少なくとも1種用いればよいが、2種以上を併用
することもできる。その使用量は任意に選ぶことがで
き、処理する感光材料の銀量及びハロゲン化銀組成等に
よって選択する必要があるが、例えば、漂白液又は漂白
定着液1リットル当たり0.01モル以上で使用でき、好ま
しくは0.05〜1.0モルで使用される。なお、補充液にお
いては濃厚低補充化のために溶解度いっぱいに濃厚化し
て使用することが望ましい。
【0453】本発明に係る漂白液の好ましい補充量はハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料1m2当たり20〜500mlで
あり、 特に好ましくは30〜350mlであり、 更に特に好ま
しくは40〜300ml であり、 最も好ましくは50〜250mlで
ある。 本発明に係る定着液及び漂白定着液には、いわゆる定着
剤が必須である。
【0454】定着剤としては、ハロゲン化銀と反応して
水溶液の錯塩を形成する化合物、例えばチオ硫酸カリウ
ム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムの如き
チオ硫酸塩、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナト
リウム、チオシアン酸アンモニウムの如きチオシアン酸
塩、あるいはチオ尿素、チオエーテル等が挙げられる。
【0455】これら定着剤の他に更に定着液及び漂白定
着液には、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム、重亜
硫酸アンモニウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリ
ウム、メタ重亜硫酸アンモニウム、メタ重亜硫酸カリウ
ム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩や硼酸、硼
砂、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウ
ム、酢酸、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム等の各
種の塩から成るpH緩衝剤を単独あるいは2種以上含む
ことができる。
【0456】更にアルカリハライド又はアンモニウムハ
ライド、例えば臭化カリウム、臭化ナトリウム、塩化ナ
トリウム、臭化アンモニウム等の再ハロゲン化剤を多量
に含有させることが望ましい。又硼酸塩、蓚酸塩、酢酸
塩、炭酸塩、燐酸塩等のpH緩衝剤、アルキルアミン類、
ポリエチレンオキサイド類等の通常定着液及び漂白定着
液に添加することが知られているものを適宜添加するこ
とができる。
【0457】前記定着剤は処理液1l 当たり0.1モル以
上で用いられ、本発明の目的の効果の点から好ましくは
0.6〜4モルの範囲、特に好ましくは0.9〜3.0モルの範
囲、とりわけ特に好ましくは1.1〜2.0モルの範囲で用い
られる。
【0458】本発明においては漂白液又は漂白定着液の
活性度を高める為に処理浴中及び処理補充液貯蔵タンク
内で所望により空気の吹き込み、又は酸素の吹き込みを
行ってよく、あるいは適当な酸化剤、例えば過酸化水
素、臭素酸塩、過硫酸塩等を適宜添加してもよい。
【0459】本発明に係る定着液及び漂白定着液はその
補充量が感光材料1m2当たり800ml以下の際に、本発明
の目的の効果をより良好に奏する。とりわけ感光材料1
2当たり20〜650ml、とりわけ特に30〜400ml の際に良
好な結果を得る。
【0460】又、本発明に係る定着液及び漂白定着液中
に、沃化物 (沃化アンモニウム、沃化カリウム、沃化ナ
トリウム、沃化リチウム等) を0.1l〜10g/l含有する際
には本発明の効果をより助長する。特に0.3〜5g/l、
とりわけ特に0.5〜3g/l、最も好ましくは0.8〜2g/l
の際に良好な結果を得る。
【0461】本発明に係る定着能を有する処理液 (定着
液又は漂白定着液) には下記一般式〔FA〕で示される
化合物又は下記化合物群〔FB〕の化合物を添加して使
用する際には本発明の目的の効果をより良好に奏するば
かりでなく、定着液又は漂白定着液を用いて、少量感材
を長期間にわたって処理する際に発生するスラッジが極
めて少ないという別なる効果も付加されるため、本発明
においては、より好ましく用いられる。
【0462】
【化54】
【0463】〔式中、R′及びR″は、それぞれ水素原
子、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は含窒素
複素環を示す。n′は2又は3を表す。〕一般式〔F
A〕で示される具体的例示化合物を以下に示す。
【0464】
【化55】
【0465】これら、一般式〔FA〕で示される化合物
は米国特許3,335,161号及び同3,260,718号に記載される
ような一般的な方法で合成できる。
【0466】化合物群〔FB〕 FB−1 チオ尿素 FB−2 沃化アンモニウム FB−3 沃化カリウム FB−4 チオシアン酸アンモニウム FB−5 チオシアン酸カリウム FB−6 チオシアン酸ナトリウム FB−7 チオシアノカテコール これら、前記一般式〔FA〕で示される化合物及び化合
物群〔FB〕の化合物は、それぞれ単独で用いてもよ
く、また2種以上組合せて用いてもよい。例えば、チオ
尿素とチオシアン酸アンモニウムと沃化アンモニウム、
チオ尿素とチオシアン酸アンモニウム、(FA−12)とチ
オ尿素、(FA−12)とチオシアン酸アンモニウム、
(FA−12)と沃化アンモニウム、(FA−12)と(F
A−32)、(FA−12)と(FA−38)等が好ましい例と
して挙げられる。
【0467】又、これら一般式〔FA〕で示される化合
物及び化合物群〔FB〕の化合物の添加量は処理液1l
当たり0.1g〜200gの範囲に好結果が得られる。 本発
明に係る定着液及び漂白定着液には、本発明の目的の効
果の点から、亜硫酸付加物が好ましく用いられる。
【0468】前記亜硫酸イオンと安定な亜硫酸付加物を
形成するような化合物としては例えば、アルデヒド基を
有する化合物、環状ヘミアセタールを含有するような化
合物、α‐ジカルボニル基を有する化合物、ニトリル基
を有する化合物などが上げられるが、好ましくは一般式
(A‐I)〜(A‐II)で示される化合物が特に好ましく用
いられる。
【0469】以下に一般式(A‐I)〜(A‐II)で示され
る化合物以外の好ましい具体例を示す。
【0470】
【化56】
【0471】A2,A3,A4,A5は水素原子、炭素数1〜
6のアルキル基、ホルミル基、アシル基又はアルケニル
基を表す。炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖あ
るいは分岐のものを含み、例えばメチル基、エチル基、
n‐プロピル基、iso‐プロピル基、n‐ブチル基、n‐
バレル基、iso‐バレル基、ヘキサン基、イソヘキサン
基等が挙げられ、又、置換されていてもよく、具体的に
はホルミル基(例えばホルミルメチル、2‐ホルミルエ
チル等の各基)、アミノ基(例えばアミノメチル、アミノ
エチル等の各基)、ヒドロキシル基(例えばヒドロキシメ
チル、2‐ヒドロキシエチル、2‐ヒドロキシプロピル等
の各基)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ等の
各基)、ハロゲン原子(例えばクロロメチル、トリクロロ
メチル、ジブロモメチル等の各基)等の置換基が挙げら
れる。
【0472】アルケニル基としては、置換、未置換の基
があり、未置換の基としてはビニル、2‐プロペニル等
の各基があり、置換されたものとしては例えば1,2‐ジ
クロロ‐2‐カルボキシビニル、2‐フェニルビニル等の
基が挙げられる。
【0473】以下に上記一般式で示される化合物の具体
的な例を記載するが、本発明がこれによって限定される
わけではない。
【0474】
【化57】
【0475】AO−11 ホルムアルデヒド重亜硫酸ナト
リウムAO−12 アセトアルデヒド重亜硫酸ナトリウム
AO−13 プロピオンアルデヒド重亜硫酸ナトリウム これら、亜硫酸付加化合物は、処理液1l 当たり、0.1
〜80gの範囲で好ましく用いられ、より好ましくは0.5
〜40gの範囲である。
【0476】本発明の処理方法においては、漂白液、定
着液及び漂白定着液に強制的液撹拌を付与することが好
ましい。この理由は本発明の目的の効果をより良好に奏
するのみならず、迅速処理適性の観点からである。
【0477】ここに強制的液撹拌とは、通常の液の拡散
移動ではなく、撹拌手段を付加して強制的に撹拌するこ
とを意味する。
【0478】強制的撹拌手段としては、以下の方法が挙
げられる。
【0479】1.高圧スプレー処理法又は吹きつけ撹拌
法 2.エアーバブリング処理法 3.超音波発振処理法 4.バイブレーション処理法 高圧スプレー処理法とは、吐出圧力0.1kg/cm2以上の圧
力をかけてスプレーノズルから処理液を直接処理液中で
感光材料に吹きつけて処理を行う方式を指し、吹きつけ
撹拌法とは、ノズルから吐出圧力0.1kg/cm2以上の圧力
をかけて処理液を直接処理液中で、感光材料に吹きつけ
て処理を行う方式を指し、圧力源としては一般に圧力ポ
ンプや送液ポンプが用いられる。圧力ポンプには、プラ
ントジャーポンプ、ギヤーポンプ、マグネットポンプ、
カスケードポンプがあり、例えば丸山製作所製の15-LPM
型、10-BFM型、20-BFM型、25-BFM型等がその一例として
知られている。
【0480】又、送液ポンプとしては例えば、イワキ社
製のMD-30型、MO-56型、MDH-25型、MDK-32型がある。
【0481】一方ノズル及びスプレーノズルには、直進
型、扇型、円型、全面型、円環型等があって、衝撃力が
強く、処理される感光材料に微振動を与えるほど効果が
ある。スプレーの衝撃力は主として流量(l/min)sスプ
レー圧力(Kg/cm2)によって決定される。従って、効果
を充分に発揮するようスプレーノズルの数に比例して圧
力が調整できる加圧装置が必要とされる。最も好ましい
圧力は0.3〜10kg/cm2で、これより小さいと効果が得ら
れず、大き過ぎると感光材料に傷をつけたり破損したり
することがある。
【0482】次に、エアーバブリング処理法とは、処理
液槽の下部搬送ローラの底部にスパージャーを設置し、
スパージャーに空気又は不活性ガスを送り、その口から
吐出された気泡によって感光材料を振動させ、更に感光
材料の表面、裏面、サイド面に処理液を効果的に接触さ
せる方法である。
【0483】スパージャーの材質としては、硬質塩ビ、
ポリエチレンでコートしたステンレス、焼結金属等の如
き耐腐蝕性のものが適し、又穿孔直径は吐出された気泡
が2ミリから30ミリになるように穿孔し、これを5ミリ
から15ミリになるようにすれば更によい効果が得られ
る。空気を送る方法としてはエアーコンプレッサー、例
えば日立製作所社製ベビコン(0.4KW,BU7TL)や、エアー
ポンプ、例えばイワキ社製エアーポンプ(Ap220型)等が
挙げられる。空気量としては、自動現像機の搬送1ラッ
ク当り2l/min〜30l/minが必要であり、5l/min〜20l/min
では更に好ましい結果が得られる。そして処理液槽の大
きさ、感光材料の量によって空気又は不活性ガスの量を
調整しなければならないが、気泡による感光材料の振動
幅が0.2〜20mmになるように空気又は不活性ガスの量を
送ることが好ましい。 次に超音波発振処理法とは、自動現像機の処理液槽内の
底部又は側壁の空間に超音波発振機を設置して感光材料
に超音波を照射して現像促進効率を高める方法である。
超音波発振機としては、例えば超音波工業社製の磁歪型
ニッケル振動子(ホーン型)、磁歪型チタン酸バリウム振
動子(ホルダ型)等が用いられる。
【0484】超音波発振機の振動子周波数としては、5
〜1000KHzのものが用いられるが、特に10〜50KHzのもの
が、本発明の目的の効果及び自動現像機の機材の損傷の
点でも好ましい。超音波の感光材料への照射方法として
は、感光材料に直接照射させても反射板を設けて間接的
に照射させてもよいが、照射距離に比例して超音波が減
衰するので、直接照射させる方が好ましい。照射時間は
少なくとも1秒以上がよい。部分的に照射させる場合
は、処理工程の初期段階、中期段階、後期段階いずれで
もよい。
【0485】更に、バイブレーション処理法とは、自動
現像機処理液槽中の上部ローラと下部ローラの中間で、
感光材料に振動を与えて効果的に浸漬処理を行う方法で
ある。振動源のバイブレーターとしては、例えば神鋼電
機社製のV‐2B、V‐4B型等が一般に使用される。バイブ
レーターの設置方法は自動現像機の浸漬処理槽の上部に
バイブレーターを固定し、振動子を感光材料の裏側から
あてるように設置する。振動子の振動数は100〜10000回
/minが好ましい。最も好ましい範囲は500〜6000回/mi
nである。処理される感光材料の振幅は0.2〜30mm、好ま
しくは1〜20mmである。これ以上低いと効果がなく、
又、大き過ぎると感光材料に傷がついたりする。振動子
の設置数は自動現像機の大きさによって異なるが、処理
槽が多槽からなる場合には、最低処理槽の一槽毎に1ケ
所以上設置すれば好ましい効果が得られる。
【0486】本発明の処理方法における別なる好ましい
態様の一つとして本発明に係わる発色現像液のオーバー
フロー液の一部又は全部を、つづく工程である漂白液に
流入させる方法が挙げられる。これは、漂白液に本発明
に係る発色現像液を一定量流入させると、漂白液中のス
ラッジの発生が改良されるためである。
【0487】更に、上記方式に加えて後工程の安定液の
オーバーフロー液の一部又は全部を漂白定着液ないし定
着液に流し込む際に、銀回収効率が改良される効果を良
好に奏する。
【0488】本発明においては、該発色現像液で上記ハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料を処理する時間は240秒
以下が好ましく、更に好ましくは220秒以下、更に好ま
しくは20〜150秒である。
【0489】本発明では、上記のハロゲン化銀カラー写
真感光材料を短時間で処理することにより、驚くべきこ
とに、本発明の効果を奏するばかりでなく得られる色素
画像の粒状性をも改良できる。
【0490】更に本発明のハロゲン化銀カラー写真感光
材料の処理方法において、発色現像液は、芳香族第1級
アミン系発色現像液主薬を該処理液1リットル当たり好
ましくは5.0×10-3モル以上含む発色現像液である。更
に好ましくは1.0×10-2モル以上であり更に好ましくは
1.5×10-2〜2×10-1モルの上記現像液主薬を含有する発
色現像液がよい。
【0491】このような発色現像主薬を高濃度にして上
記写真感光材料を活性化すると、上述の如き短時間処理
によって鮮鋭性に優れ、粒状性の向上した画像を得るこ
とができる。特にマゼンタ色素画像において顕著であ
る。
【0492】以下、本発明において好ましく用いること
ができる発色現像液の発色現像主薬について説明する。
【0493】上記好ましい発色現像液に用いられる芳香
族第1級アミン系発色現像主薬は、種々のカラー写真プ
ロセスにおいて広範囲に使用されている公知のものが含
有される。これらの現像剤にアミノフェノール系及びp-
フェニレンジアミン系誘導体が含まれる。これらの化合
物は遊離状態より安定のため一般的に塩の形、例えば塩
酸塩又は硫酸塩の形で使用される。
【0494】アミノフェノール系現像剤としては例え
ば、o-アミンフェノール、p-アミノフェノール、5-アミ
ノ-2-オキシトルエン、2-アミノ-3-オキシトルエン、2-
オキキシ-3-アミノ-1,4-ジメチルベンゼン等が含まれ
る。本発明においては、目的の効果をより良好に奏し、
かつ自動現像機の発色現像層内壁への結晶析出性が改良
されるため本発明において、特に有用な芳香族第1級ア
ミン発色現像剤は少なくとも一つの水溶性基を有するア
ミノ基を有した芳香族第1級アミン発色現像剤であり、
特に好ましくは下記一般式〔E〕で示される化合物であ
る。
【0495】
【化58】
【0496】式中、R1は水素原子、ハロゲン原子又は
アルキル基を表し、該アルキル基は直鎖又は分岐の炭素
数1〜5のアルキル基を表し、置換基を有していてもよ
い。R2及びR3は水素原子又はアルキル基又はアリール
基を表すが、これらの基は置換基を有していてもよい。
そしてR2及びR3の少なくとも一つは水酸基、カルボン
酸基、スルホン酸基、アミノ基、スルホンアミド基等の
水溶性基が置換したアルキル基又は−[(CH2)qO]pR4
ある。
【0497】このアルキル基は更に置換基を有していて
もよい。
【0498】尚、R4は水素原子又はアルキル基を表
し、アルキル基としては直鎖又は分岐の炭素数1〜5の
アルキル基を表し、p及びqは1〜5の整数を表す。
【0499】次に上記一般式〔E〕で示される化合物を
挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0500】
【化59】
【0501】これら一般式〔E〕で示されるp-フェニレ
ンジアミン誘導体は有機酸及び無機酸の塩として用いる
ことができ、例えば塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩、p-トルエ
ンスルホン酸塩、亜硫酸塩、蓚酸塩、ベンゼンジスルホ
ン酸塩等を用いることができる。
【0502】本発明に用いる発色現像液に使用して好ま
しい化合物としては亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン、現
像抑制剤がある。
【0503】上記亜硫酸塩としては亜硫酸ナトリウム、
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カ
リウム等があり、0.1〜40g/l の範囲で使用することが
好ましく、更に好ましくは0.5〜10g/l の範囲で使用す
ることである。
【0504】上記ヒドロキシルアミンは塩酸塩、硫酸塩
等に対塩として用いられ、0.1〜40g/l の範囲で使用
することが好ましく、更に好ましくは0.5〜10g/l の範
囲で使用する。
【0505】更に上記発色現像液に好ましく用いられる
現像抑制剤としては塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭
化ナトリウム、臭化カリウム、沃化ナトリウム、沃化カ
リウム等のハロゲン化物の他、有機抑制剤があり、それ
らの添加量は0.005〜30g/lの範囲で使用することが好ま
しく、更に好ましくは0.01〜20g/l の範囲である。本発
明の実施の際に好ましく用いられる上記有機抑制剤とし
ては、含窒素複素環化合物、メルカプト基を含有する化
合物、芳香族化合物、オニウム化合物及び置換基に沃素
原子を有する化合物等を挙げることができ、これらを具
体的に示したものが下記例示化合物である。
【0506】但し、使用できる化合物は、下記化合物に
限定されるものではない。
【0507】
【化60】
【0508】更に本発明を実施する際には、特願昭61‐
12781号96〜100頁に記載された一般式〔R―I〕〜〔R
―XIII〕で表す有機抑制剤を用いることができ、該有機
抑制剤を本発明における上記有機抑制剤と併用すること
によって、本発明の効果が一層有効に奏し得られる。
【0509】又、本発明における有機抑制剤は上記の如
くであるが、更に具体的なものとしては、上記特願昭61
‐12781号明細書中第101頁〜第113頁の(Z―1)〜(Z―
3),(Z―6),(Z―8)〜(Z―13),(Z―15)〜(Z―17),
(Z―19),(Z―22)〜(Z―25),(Z―29),(Z―31)〜(Z
―38),(Z―40),(Z―41),(Z―43)〜(Z―64)及び(Z
―66)〜(Z―73)が挙げられる。
【0510】本発明において用いられる発色現像液に
は、更に通常添加されている種々の成分、例えば水酸化
ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ剤、アルカリ
金属チオシアン酸塩、アルカリ金属ハロゲン化物、ベン
ジルアルコール、水軟化剤及び濃厚化剤及び現像促進剤
等を任意に含有させることもできる。
【0511】上記発色現像液に添加される上記以外の添
加剤としては、ステイン防止剤、スラッジ防止剤、保恒
剤、重層効果促進剤、キレート剤等がある。
【0512】本発明の発色現像液は、pH9以上、特にp
H9〜13で用いられることが好ましい。
【0513】又、発色現像液の処理温度としては、本発
明の目的にかなった効果をより良好に奏するために、38
℃以上が好ましく、特に40〜70℃の範囲が好ましく、最
も好ましいのは43〜60℃の範囲である。
【0514】上記の他、本発明の写真感光材料の処理方
法については特に制限はなく、あらゆる処理方法が適用
できる。
【0515】本発明において発色現像液中に、下記一般
式〔I″〕〜〔V″〕で示されるキレート剤を用いる際に
は本発明の目的の効果をより良好に奏する。
【0516】
【化61】
【0517】一般式〔II″〕及び〔III″〕中、Lはア
ルキレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、─L8
─O─L8─O─L8又は─L9─Z─L9─を表す。ここでZは
【0518】
【化62】
【0519】L1〜L13はそれぞれアルキレン基を表
す。R3〜R13は各々水素原子、水酸基、カルボン酸基
(その塩を含む)又はホスホン酸基(その塩を含む)を表
す。
【0520】但し、R3〜R6のうちの少なくとも2つは
カルボン酸基(その塩を含む)又はホスホン酸基(その塩
を含む)であり、又、R7〜R9のうち少なくとも二つは
カルボン酸基(その塩を含む)又はホスホン酸基(その
塩を含む)である。
【0521】
【化63】
【0522】一般式〔IV″〕及び〔V″〕中、R1,R2,
3及びR4は各々水素原子、ハロゲン原子、スルホン酸
基、炭素原子数1〜7のアルキル基、−OR5,−COOR6
−CON<(R7)(R8)、又はフェニル基です。
【0523】又、R5,R6,R7及びR8は、各々、水素原
子又は炭素原子数1〜18のアルキル基を表す。ただし、
2が─OH 又は水素原子を表す場合、R1はハロゲン原
子、スルホン酸基、炭素原子数1〜7のアルキル基、−
RO5−COOR6,−CON<(R7)(R8)又はフェニル基を表す。た
だしnは1〜3の整数である。
【0524】上記一般式〔I″〕で示される化合物とし
ては、1‐ヒドロキシエチリデン‐1,1‐ジホスホン
酸、1‐ヒドロキシプロピリデン‐1,1‐ジホスホン酸、
1‐ヒドロキシ‐1,1‐ジホスホノメタン等が挙げら
れ、特に好ましくは1‐ヒドロキシエチリデン‐1,1‐
ジホスホン酸が挙げられ、該化合物はアルカリ金属塩、
アンモニウム塩などとしても使用できる。
【0525】上記化合物の添加量は、好ましくは発色現
像液1l 当たり1×10-4モル〜0.5モルの範囲であり、
特に好ましくは4×10-4モル〜0.1モルの範囲である。
【0526】一般式〔II″〕及び〔III″〕において、
Lで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基及びフ
ェニレン基、並びにL1〜L13で表されるアルキレン基
は置換基を有するものも含む。
【0527】次に、これら一般式〔II″〕及び〔II
I″〕で表される化合物の好ましい具体的例示化合物を
以下に挙げる。
【0528】[例示化合物] [II″―1]エチレンジアミン四酢酸 [II″―2]ジエチレントリアミン五酢酸 [II″―3]エチレンジアミン‐N‐(β‐ヒドロキシエ
チル)‐N,N′,N′‐三酢酸 [II″―4]プロピレンジアミン四酢酸 [II″―5]トリエチレンテトラミン六酢酸 [II″―6]シクロヘキサンジアミン四酢酸 [II″―7]1,2‐ジアミノプロパン四酢酸 [II″―8]1,3‐ジアミノプロパン‐2‐オール四酢酸 [II″―9]エチルエーテルジアミン四酢酸 [II″―10]グリコールエーテルジアミン四酢酸 [II″―11]エチレンジアミンテトラプロピオン酸 [II″―12]フェニレンジアミン四酢酸 [II″―13]エチレンジアミン四酢酸ジナトリウム塩 [III― 1]ニトリロ三酢酸 [III─ 2] イミノ二酢酸 [III─ 3] ニトリロトリプロピオン酸 [III─ 4] ニトリロトリメチレンホスホン酸 [III─ 5] イミノジメチレンホスホン酸 [III─ 6] ニトリロ三酢酸トリナトリウム塩 これら本発明のキレート剤の中で、本発明の目的の効果
の点から特に好ましく用いられる化合物としては〔II″
―1〕、〔II″―2〕、〔II″―5〕、〔II″―8〕、〔II″―
19〕、〔III″―1〕、〔III″―4〕が挙げられる。特に
〔II―2〕が経時による沈澱物の発生が少なく好ましく
用いられる。
【0529】これらの本発明のキレート剤の添加量は、
発色現像液1l 当たり、0.1〜20gの範囲で好ましく使
用され、とりわけ本発明の目的の点から0.3〜5gの範
囲が特に好ましく用いられる。
【0530】上記一般式[IV″]及び[V″]式中、R1,R
2,R3及びR4は各々、水素原子、ハロゲン原子、スルホ
ン酸基、炭素原子数1〜7のアルキル基、−RO5−COO
R6,−CON<(R7)(R8)又はフェニル基です。 又、R5,R6,R7及びR8は、各々、水素原子又は炭素原
子数1〜18のアルキル基を表す。ただし、R2が─OH 又
は水素原子を表す場合、R1はハロゲン原子、スルホン
酸基、炭素原子数1〜7のアルキル基、−RO5−COOR6,
−CON<(R7)(R8)又はフェニル基を表す。
【0531】前記R1,R2,R3及びR4が表すアルキル基
としては、例えばメチル基、エチル基、i‐プロピル
基、プロピル基、t‐ブチル基、ブチル基、ヒドロキシ
メチル基、ヒドロキシエチル基、メチルカルボン酸基、
ベンジル基等が挙げられ、又R5,R6,R7及びR8が表す
アルキル基としては前記と同義であり、更にオクチル基
等が挙げることができる。
【0532】又、R1,R2,R3及びR4が表すフェニル基
としてはフェニル基、2‐ヒドロキシフェニル基、4‐ア
ミノフェニル基等が挙げられる。
【0533】前記一般式[IV″]又は[V″]で示される化
合物の代表的具体例を以下に挙げるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0534】(IV″―1) 4‐i-プロピル‐1,2‐ジヒド
ロキシベンゼン (IV″―2) 1,2‐ジヒドロキシベンゼン‐3,5‐ジスル
ホン酸 (IV″―3) 1,2,3‐トリヒドロキシベンゼン‐5‐カル
ボン酸 (IV″―4) 1,2,3‐トリヒドロキシベンゼン‐5‐カル
ボキシメチルエステル (IV″―5) 1,2,3‐トリヒドロキシベンゼン‐5‐カル
ボキシ‐n‐ブチルエステル (IV″―6) 5‐t‐ブチル‐1,2,3‐トリヒドロキシベン
ゼン (IV″―7) 1,2-ジヒドロキシベンゼン-3,5,6‐トリス
ルホン酸 (IV″―8) 1,2-ジヒドロキシベンゼン-3,4,6‐トリス
ルホン酸 (V″―1) 2,3-ジヒドロキシナフタレン-6-スルホン酸 (V″―2) 2,3,8-トリヒドロキシナフタレン-6-スルホ
ン酸 (V″―3) 2,3-ジヒドロキシナフタレン-6-カルボン酸 (V″―4) 2,3-ジヒドロキシ-8-イソプロピル-ナフタレ
ン (V″―5) 2,3-ジヒドロキシ-8-クロロ-ナフタレン-6-
スルホン酸 上記化合物中、本発明において特に好ましく用いられる
化合物としては、1,2‐ジヒドロキシベンゼン‐3,5‐ジ
スルホン酸が挙げられ、ナトリウム塩、カリウム塩等の
アルカリ金属塩などとしても使用できる。
【0535】本発明において、前記化合物は現像液1リ
ットル当たり5mg〜20gの範囲で使用することができ、
好ましくは10mg〜10g、更に好ましくは20mg〜3g加
えることによって良好な結果が得られる。
【0536】前記本発明の化合物は単独で用いられて
も、又組み合わされて用いても良い。例えばアミノポリ
カルボン酸、有機ホスホン酸等の組合せが良い。
【0537】本発明の発色現像液中には下記一般式
〔2′〕で示される化合物を含有する際に本発明の目的
の効果をより良好に奏することができるため、本発明の
発色現像液に用いることが好ましい。
【0538】
【化64】
【0539】式中、R1及びR2は各々、アルキル基、ア
ルケニル基、アリール基又は水素原子を表す。ただし、
1及びR2の両方が同時に水素原子であることはない。
又、R1及びR2は環を形成してもよい。
【0540】一般式〔2′〕において、R1及びR2は同
時に水素原子ではない、それぞれ置換、無置換のアルキ
ル基、アリール基又は水素原子を表すが、R1及びR2
表されるアルキル基、アリケニル基は、同一でも異なっ
ていてもよい。R1及びR2のアルキル基、アルケニル
基、アリール基は置換基を有するものも含み、又、R1
及びR2が結合して構成する環としては、例えばピペリ
ジンホリルの如き複素環が挙げられる。
【0541】R1,R2の置換基としてはヒドロキシ基、
アルコキシ基、アルキル基又はアリールスルホン基、ア
ミド基、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、ニトロ
基及びアミノ基である。
【0542】一般式〔2′〕で示されるヒドロキシルア
ミン系化合物の具体的化合物は、米国特許3,287,125
号、同3,293,034号、同3,287,124号等に記載されている
が、以下に特に好ましい具体的例示化合物を示す。
【0543】
【化65】
【0544】
【化66】
【0545】これらのヒドロキシアミン系化合物は、通
常、塩酸塩、硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、蓚酸
塩、燐酸塩、酢酸塩及び塩が付かないもの等の形で用い
られる。発色現像液中の本発明の一般式〔2′〕で示さ
れる化合物の濃度は、通常0.2〜50g/lである。又、これ
ら一般式〔2′〕で示される化合物は単独で用いても、
又、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0546】本発明に使用される安定化液(以下、安定
液ともいう。)には、アルデヒド誘導体が好ましく用い
られる。
【0547】該アルデヒド誘導体は、下記一般式〔I
V′〕〜〔VI′〕で表される化合物である。
【0548】
【化67】
【0549】式中、R16は水素原子、炭素数1〜5のア
ルキル基、ホルミル基、アセチル基、アセトニル基及び
ヒドロキシル基又はアルコキシ基、ホルミル基、アミノ
基、ヒドロキシイミノ基、ハロゲン原子等で置換されて
もよい炭素数1〜5のアルキル基を表す。R17は水素原
子又は炭素数1〜5のアルキル基、R18は置換されてい
てもよい炭素数1〜5のアルキル基、Mはアルカリ金
属、R19,R20は水素原子又は置換されてもよい炭素数
1〜5のアルキル基、nは0〜4の整数を表す。
【0550】以下に上記一般式で示される化合物の具体
的な例を記載するが、本発明がこれによって限定される
わけではない。
【0551】[例示化合物] IV―1 ホルムアルデヒド IV―2 アセトアルデヒド IV―3 プロピオンアルデヒド IV―4 イソブチルアルデヒド IV―5 n―ブチルアルデヒド IV―6 n―バレルアルデヒド IV―7 イソバレルアルデヒド IV―8 メチルエチルアセトアルデヒド IV―9 トリメチルアセトアルデヒド IV―10 n―ヘキサアルデヒド IV―11 メチル―n―プロピルアセトアルデヒド IV―12 イソヘキサアルデヒド IV―13 グリオキザール IV―14 マロンアルデヒド IV―15 コハク酸アルデヒド IV―16 グルタルアルデヒド IV―17 アジプアルデヒド IV―18 メチルグリオキザール IV―19 アセト酢酸アルデヒド IV―20 グリコールアルデヒド IV―21 エトキシアセトアルデヒド IV―22 アミノアセトアルデヒド IV―23 ベタインアルデヒド IV―24 クロラール IV―25 クロロアセトアルデヒド IV―26 ジクロロアセトアルデヒド IV―27 ブロマール IV―28 ジブロモアセトアルデヒド IV―29 ヨードアセトアルデヒド IV―30 α―クロロプロピオンアセトアルデヒド IV―31 α―ブロモプロピオンアセトアルデヒド IV―32 ムコクロール酸 V―1 ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム V―2 アセトアルデヒド重亜硫酸ナトリウム V―3 プロピオンアルデヒド重亜硫酸ナトリウム V―4 ブチルアルデヒド重亜硫酸ナトリウム VI―1 コハク酸アルデヒド重亜硫酸ナトリウム VI―2 グルタルアルデヒドビス重亜硫酸ナトリウム VI―3 β―メチルグルタルアルデヒドビス重亜硫酸ナ
トリウム VI―4 マレイン酸ジアルデヒドビス重亜硫酸ナトリウ
ム 上記アルデヒド誘導体は安定化液1l 当たり一般式(I
V′)で示される化合物は2.0×10-5〜2.0×10-2モルの範
囲で使用するのが好ましく、一般式(V),(VI)で示され
る化合物は2.0×10-5〜8.0×10-2モルである。
【0552】又、上記アルデヒド誘導体の中でも一般式
[V′]で表される化合物が低公害化及び硫化の防止とい
う点で有利に用いられる。 次に本発明においても色素画像の安定性、特にイエロー
ステイン防止の為に安定化液中にヘキサメチレンテトラ
ミン系、N-メチロール系化合物が好ましく用いられる。
ヘキサメチレンテトラミン系化合物とはヘキサメチレン
テトラミン及びその誘導体である。
【0553】ヘキサメチレンテトラミン誘導体として
は、例えばヘキサメチレンテトラミンのハロゲン付加
物、無機酸付加物、金属塩付加物、フェノール誘導体付
加物、アルキルスルホン酸付加物、アリールスルホン酸
付加物、アルキル硫酸エステル付加物、アルキルカルボ
ン酸付加物、アリールカルボン酸付加物、アルキルハラ
イド付加物などが挙げられる。ヘキサメチレンテトラミ
ン及びその誘導体は、具体的には、バイルシュタインズ
・ハンドブッヒ・デア・オルガニッシェン・ヘミー(Be
ilsteins Handbuch der Organischen Chemie)の第II増
補編の26巻、200〜212頁に記載の化合物を挙げることが
できる。
【0554】これらのうち、本発明では、水に可溶なも
のが好ましい。
【0555】以下にヘキサメチレンテトラミン系化合物
の代表例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0556】
【化68】
【0557】上記化合物は市販品として容易に入手でき
るか、もしくは上記文献に記載の方法を用いて容易に合
成を行なうことができる。
【0558】ヘキサメチレンテトラミン系化合物は単独
で用いても2種以上併用してもよい。その添加量は、安
定化液1l 当たり0.05g以上であることが好ましく、よ
り好ましくは0.3〜20gである。 N-メチロール化合物としては、米国特許4,859,574号に
示されており、ジメチロールグアニジン、トリメチロー
ル尿素、ジメチロール尿素、トリメチロールメラミン、
ヘキサメチロールメラミン等が挙げられる。添加量は、
安定液1リットル当たり0.05〜20g、好ましくは、0.1
〜10g/lであり、この範囲であれば本発明の効果を有効
に奏する。
【0559】安定液は表面張力が8〜60dyne/cm(20℃)
を与えることによって色素画像の安定化が向上する。と
りわけ下記一般式〔I′〕、一般式〔II′〕及び水溶性
有機シロキサン系化合物から選ばれる少なくとも1種の
化合物が効果の点から特に好ましく用いられる。
【0560】本発明の感光材料の処理に用いられる安定
液の表面張力は、「界面活性剤の分析と試験法」(北原文
雄、早野茂雄、原一郎共著、1982年3月1日発行、
(株)講談社発行)等に記載されてある一般的な測定方法
で測定され、本発明では20℃における通常の一般的な測
定方法による表面張力の値である。
【0561】次に本発明に用いられる一般式[I′]、一
般式[II′]及び水溶性有機シロキサン系化合物について
説明すると、
【0562】
【化69】
【0563】式中、R1は一価の有機基、例えば炭素原
子数が6〜20、好ましくは6〜12のアルキル基であり、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウン
デシル又はドデシル等を表す。又は炭素原子数が3〜20
のアルキル基で置換されたアリール基であり、置換基と
して好ましくは炭素原子数が3〜12のアルキル基であ
り、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル又はドデシ
ル等を表す。アリール基としてはフェニル、トリル、キ
シニル、ビフェニル又はナフチル等であり、好ましくは
フェニル又はトリルである。アリール基にアルキル基が
結合する位置としては、オルト、メタ、パラ位いずれで
もよい。R2はエチレン基又はプロピレン基を表し、m
は4〜50の整数を表す。
【0564】X1は水素原子、‐SO3M又は‐PO3M2 を示
し、Mは水素原子、アルカリ金属(ナトリウム、 カリウ
ム又はリチウム等)又は‐NH4を表す。
【0565】
【化70】
【0566】式中、R3,R4,R5及びR6は各々、水素原
子、アルキル基又はフェニル基を示すが、R3,R4,R5
びR6の炭素原子数の合計が3〜50である。X2はハロゲ
ン原子、水酸基、硫酸基、炭酸基、硝酸基、酢酸基又は
p‐トルエンスルホン酸基アニオンを示す。
【0567】次に本発明の一般式[I′],[II′]で表わ
される化合物及び水溶性有機シロキサン系化合物の具体
的代表例を挙げるが本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0568】
【化71】
【0569】
【化72】
【0570】これら、前記一般式[I′],[II′]で表さ
れる化合物及び水溶性有機シロキサン系化合物は、単独
で用いられても、又、組み合わされて用いられてもよ
い。更に、その添加量は、安定液1リットル当たり0.01
〜20gの範囲で使用する際に良好な効果を奏する。0.01
g以下では感材表面の汚れが目立ち、20g以上では有機
シロキサン系化合物が感材表面に大量に付着し、汚れと
なる。
【0571】又、前記一般式[I′]、[II′]で表される
化合物及び水溶性有機シロキサン系化合物の中で本発明
に好ましく用いられる化合物は前記一般式[I′]で表さ
れる化合物であり、硫化銀発生防止に対しても効果が大
きい。
【0572】本発明の水溶性有機シロキサン系化合物
は、例えば、特開昭47‐18333号、特公昭55‐51172号、
特公昭51‐37538号、特開昭49‐62128号及び米国特許3,
545,970号等に記載されてあるが如き一般的な水溶性の
有機シロキサン系化合物を意味する。
【0573】前記水溶性有機シロキサン系化合物の中で
もとりわけ下記一般式[III′]で示される化合物が好ま
しく用いられる。
【0574】
【化73】
【0575】R9,R10及びR11は各々低級アルキル基
(好ましくは炭素原子数が1〜3のアルキル基でメチ
ル、エチル、プロピル等)を表し、前記R9,R10及びR
11は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。l は1〜
4の整数を表し、p及びqは1〜15の整数を表す。
【0576】以下に一般式[III′]で示される化合物の
具体例を示す。
【0577】
【化74】
【0578】本発明に用いる安定液の補充量は処理する
撮影用カラー感光材料の単位面積当たり前浴からの持ち
込み量の1〜80倍であり、2〜60倍であることが必要で
あるが、本発明においては安定液中の前浴成分(漂白定
着液又は定着液)の濃度が安定液槽の最終槽で1/500
以下、好ましくは1/1000以下であるが、低公害及び液
の保存性の面から1/500〜1/100000、好ましくは1
/2000〜1/50000になるように安定化槽の処理槽を構
成することが必要である。
【0579】安定化処理槽は複数の槽より構成され、該
複数の槽は、2〜6槽にすることが好ましい。
【0580】安定化処理槽が2〜6槽の場合であり、し
かもカウンターカレント方式(後浴に供給して前浴から
オーバーフローさせる方式)にすることが本発明の効
果、特に低公害及び画像保存の向上の上からも好まし
い。特に好ましくは2〜3槽、更に好ましくは2槽が好
ましい。
【0581】持ち込み量は感光材料の種類、自動現像機
の搬走速度、搬走方式、感光材料表面のスクイズ方式等
により異なるが、撮影用カラー感材の場合通常カラーフ
ィルム(ロールフィルム)の場合、通常持ち込み量は50〜
150ml/m2であり、この持ち込み量に対する本発明の効
果がより顕著である補充量は50〜4.0l/m2の範囲にあ
り、特に効果が顕著な補充量は200〜1500ml/m2の範囲
にある。
【0582】安定液による処理の処理温度は15〜60℃、
好ましくは20〜45℃の範囲が良い。
【0583】又、安定液中には、下記一般式[VII′]〜
[IX′]で示されるキレート剤を未露光部の白地改良及び
保存後の色素画像のイエローステイン防止のために含有
させることが好ましい。
【0584】
【化75】
【0585】R1〜R6はアルキレン基を表す。
【0586】A1〜A3は各々、─COOM又は─PO3M2を表
し、A4及びA5は各々、水素原子、水酸基、─COOM 又
は─PO3M2 を表す。Mは水素原子又はアルカリ金属原子
を表す。
【0587】
【化76】
【0588】式中、R7はアルキル基、アリール基又は
含窒素6員環基を表す。Mは水素原子又はアルカリ金属
原子を表す。
【0589】
【化77】
【0590】式中、R8,R9及びR10は各々、水素原
子、水酸基、─COOM,─PO3M2又はアルキル基を表し、
1,B2及びB3は各々水素原子、水酸基、―COOM,─PO
3M2又は−N<(J)(J)を表す。 Jは水素原子、アルキル基、―C2H4OH又は─PO3M2を表
す。Mは水素原子又はアルカリ金属原子を表し、n及び
mは各々0又は1を表す。
【0591】以下に一般式[VII′],[VIII′],[IX′]
で表されるキレート剤の具体例の一部を示すが、これに
限定されるものではない。
【0592】
【化78】
【0593】上記安定液に好ましく用いられるキレート
剤は、安定液1リットル当たり、0.01〜100gで用いる
ことが好ましく、より好ましくは0.05〜50gであり、特
に好ましくは0.1〜20gである。
【0594】又、本発明で好ましく用いられる安定液の
pH値としては、本発明の効果の他、画像保存性を向上さ
せる目的でpH4.0〜9.0の範囲が好ましく、より好ましく
は4.5〜9.0の範囲であり、特に好ましくは5.0〜8.5の範
囲である。
【0595】本発明で好ましく用いられる安定液に含有
することができるpH調整剤は、一般に知られているア
ルカリ剤又は酸剤のいかなるものも使用できる。 本発
明で好ましく用いられる安定液には、有機酸塩(クエン
酸、酢酸、コハク酸、蓚酸、安息香酸等)、pH調整剤
(燐酸塩、硼酸塩、塩酸、硫酸塩等)、界面活性剤、防
腐剤、Bi、Mg、Zn、Ni、Al、Sn、Ti、Zr 等の金属塩な
どを添加することができる。これら化合物の添加量は本
発明による安定浴のpHを維持するに必要でかつカラー写
真画像の保存時の安定性と沈澱の発生に対し悪影響を及
ぼさない範囲の量をどのような組合せで使用しても差し
支えない。
【0596】本発明の各安定液に好ましく用いられる防
黴剤は、ヒドロキシ安息香酸エステル化合物、フェノー
ル系化合物、チアゾール系化合物、ピリジン系化合物、
グアニジン系化合物、カルバメイト系化合物、モルホリ
ン系化合物、四級ホスホニウム系化合物、アンモニウム
系化合物、尿素系化合物、イソキサゾール系化合物、プ
ロパーノールアミン系化合物、スルファミド系化合物、
アミノ酸系化合物、活性ハロゲン放出化合物及びベンゾ
トリアゾール系化合物である。
【0597】前記ヒドロキシ安息香酸エステル化合物
は、ヒドロキシ安息香酸のメチルエステル、エチルエス
テル、プロピルエステル、ブチルエステル等があるが、
好ましくはヒドロキシ安息香酸のブチルエステル、i-ブ
チルエステル、プロピルエステルであり、より好ましく
は前記ヒドロキシ安息香酸エステル3種の混合物であ
る。
【0598】本発明で防黴剤として好ましく用いられる
フェノール系化合物はアルキル基、ハロゲン基、ニトロ
基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、フェニル基等を
置換基として有してもよい化合物であり、好ましくはo-
フェニルフェノール、o-シクロヘキシフェノール、フェ
ノール、ニトロフェノール、クロロフェノール、クレゾ
ール、グアヤコール、アミノフェノール等である。
【0599】特に好ましくはオルトフェニルフェノール
がアルデヒド誘導体の重亜硫酸塩付加物との組合せにお
いて顕著な防バイ性を示す。
【0600】チアゾール系化合物は、5員環に窒素原子
及び硫黄原子を持つ化合物であり、好ましくは1,2‐ベ
ンツイソチアゾリン3‐オン、2‐メチル‐4‐イソチア
ゾリン3‐オン、2‐オクチル‐4‐イソチアゾリン3‐オ
ン、5‐クロロ‐2‐メチル‐4‐イソチアゾリン3‐オ
ン、2‐クロロ‐4‐チアゾリル‐ベンツイミダゾールで
ある。
【0601】ピリジン系化合物は具体的には2,6‐ジメ
チルピリジン、2,4,6‐トリメチルピリジン、ソジウム
‐2‐ピリジンチオール‐1‐オキサイド等があるが、好
ましくはソジウム‐2‐ピリジンチオール‐1‐オキサイ
ドである。
【0602】グアニジン系化合物は具体的にはシクロヘ
キシジン、ポリヘキサメチレン、ビグアニジン塩酸塩、
ドデシルグアニジン塩酸塩があり、好ましくは、ドデシ
ルグアニジン及びその塩である。
【0603】カルバメート系化合物は具体的にはメチル
‐1‐(ブチルカルバモイル)‐2‐ベンズイミダゾール
カルバメート、メチルイミダゾールカルバメート等があ
る。
【0604】モルホリン系化合物は具体的には4‐(2‐
ニトロブチル)モルホリン、4‐(3‐ニトロブチル)モ
ルホリン等がある。
【0605】四級ホスホニウム系化合物はテトラアルキ
ルホスホニウム塩、テトラアルコキシホスホニウム塩等
があるが、好ましくはテトラアルキルホスホニウム塩で
あり、更に具体的な好ましい化合物はトリブチル‐テト
ラデシルホスホニウムクロライド、トリフェニル・ニト
ロフェニルホスホニウムクロライドがある。
【0606】四級アンモニウム化合物は具体的にはベン
ザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、テトラアルキルア
ンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩があり、具体的
にはドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリ
ルピリジニウムクロライド等がある。
【0607】尿素系化合物は具体的にはN‐(3,4-ジクロ
ロフェニル)‐N′‐(4‐クロロフェニル)尿素、N‐(3
‐トリフルオロメチル‐4‐クロロフェニル)‐N′‐(4
‐クロロフェニル)尿素等がある。
【0608】イソオキサゾール系化合物は具体的には3
‐ヒドロキシ‐5‐メチルイソオキサゾール等がある。
【0609】プロパノールアミン系化合物は、n‐プロ
パノール類とi-プロパノール類があり、具体的にはDL‐
2‐ベンジルアミノ‐1‐プロパノール、3‐ジエチルア
ミノ‐1‐プロパノール、2‐ジメチルアミノ‐2‐メチ
ル‐1‐プロパノール、 3‐アミノ‐1‐プロパノール、i
-プロパノールアミン、ジ-i-プロパノールアミン、N,N
‐ジメチル‐i-プロパノールアミン等がある。
【0610】スルファミド系化合物としてはo‐ニトロ
ベンゼンスルファミド、p‐アミノベンゼンスルファミ
ド、4‐クロロ‐3,5‐ジニトロベンゼンスルファミド、
α‐アミノ‐p‐トルエンスルファミド等がある。
【0611】アミノ酸系化合物は具体的にはN‐ラウリ
ル‐β‐アラニンがある。
【0612】活性ハロゲン放出化合物としては次亜塩素
酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌール酸ナトリウム、
トリクロロイソシアヌール酸、クロラミンT、クロラミ
ンB、ジクロロジメチルヒダントイン及びクロロブロモ
ジメチルヒダントインが挙げられるが、次亜塩酸ナトリ
ウム、ジクロロイソシアヌール酸ナトリウム、トリクロ
ロイソシアヌール酸が好ましい。
【0613】ベンゾトリアゾール系化合物は具体的には
下記のものが挙げられる。
【0614】
【化79】
【0615】なお、上記防黴剤の中で本発明において好
ましく用いられる化合物はフェノール系化合物、チアゾ
ール系化合物、ピリジン系化合物、グアニジン系化合
物、四級アンモニウム系化合物、活性ハロゲン放出化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物である。更に、特に好
ましくは液保存性の上からフェノール系化合物、チアゾ
ール系化合物活性ハロゲン放出化合物及びベンゾトリア
ゾール系化合物である。安定液への防黴剤の添加量は、
水洗代替安定液1l 当たり0.001g以下では本発明の目
的の効果が少なく、又、50g以上では、コスト的に好ま
しくなく、更に色素画像の保存安定性が逆に劣化するた
め、0.001〜50gの範囲で用いられ、好ましくは、0.005
〜10gの範囲で使用される。
【0616】本発明の感光材料の処理においては安定液
は勿論定着液及び漂白定着液等の可溶性銀塩を含有する
処理液から各種の方法で銀回収してもよい。例えば、電
気分解法(仏国特許2,299,667号記載)、沈澱法(特開
昭52‐73037号記載、西独国特許2,331,220号記載)、イ
オン交換法(特開昭51‐17114号記載、独国特許2,548,2
37号記載)、及び金属置換法(英国特許1,353,805号記
載)等が有効に利用できる。 更に銀回収に際し、前記可溶性銀塩を処理液のオーバー
フロー液を回収し前記方法で銀回収し、残液は廃液とし
て処分してもよいし、再生剤を添加し、補充液又は槽処
理液として使用してもよい。安定液を定着液又は漂白定
着液と混合してから銀回収することは特に好ましい。
【0617】又、安定液をイオン交換樹脂と接触させる
処理、電気透析処理(特願昭59‐96352号参照)や逆浸透
処理(特願昭59‐96352号参照)等を用いることもでき
る。
【0618】又、安定液に使用する水を予め脱イオン処
理したものを使用すると安定液の防バイ性や安定液の安
定性及び画像保存性向上が計れるので好ましく用いられ
る。脱イオン処理の手段としては、処理後の水洗水の導
電率を50μs/cm以下又はCa,Mg イオンを5ppm以下にする
ものであればいかなるものでもよいが、例えばイオン交
換樹脂や逆浸透膜により処理を単独或いは併用すること
が好ましい。 イオン交換樹脂や逆浸透膜については公
開技報87‐1984号に詳細に記載されているが、好ましく
は、強酸性H型カチオン交換樹脂と強塩基性 OH 型アニ
オン交換樹脂を用いるのが好ましい。
【0619】本発明において安定液中の塩濃度が1000pp
m以下、好ましくは800ppm以下であることが水洗効果を
高め、白地の改良や防バイ性に良好である。
【0620】本発明における安定液の処理時間は本発明
の効果、特に処理安定液に対する効果を奏する上で2分
以下、好ましくは1分30秒以下、特に好ましくは1分以
下である。
【0621】本発明においては、化学熟成から塗布まで
の過程の中で、微粒子沃化銀が添加されることによっ
て、ハロゲン化銀乳剤が構造されることが好ましい。こ
こで化学熟成から塗布までの過程の間とは、化学熟成中
を含み、かつその後、感光材料を構成するために塗布に
供せられる場合、それ迄の間に微粒子沃化銀が添加され
ることを意味する。
【0622】本発明において用いる微粒子沃化銀につい
て述べる。
【0623】沃化銀に関しては、一般に立方晶系のγ−
AgIと六方晶系のβ−AgIが知られているが、本発明に用
いる微粒子沃化銀としては、いずれの結晶構造であって
もよく、これらの混合物であってもよい。
【0624】本発明で用いる微粒子ハロゲン化銀は単分
散性が良好であることが好ましく、ダブルジェット法に
より、温度、pH、pAgを制御しながら調整することが
好ましい。
【0625】微粒子沃化銀の粒子サイズとしては、0.2
μm以下が好ましく、より好ましくは0.02〜0.1μmで
ある。
【0626】次に、微粒子沃化銀粒子の添加量に関して
述べる。
【0627】微粒子沃化銀粒子の添加量は、本発明の乳
剤の平均粒径をd(μm)としたとき、本発明乳剤1モ
ル当たり1/100dモル以下が好ましく、更には本発明
乳剤1モル当たり1/20000d〜1/300dモルの範囲が
好ましく、最も好ましくは、本発明の乳剤1モル当たり
1/5000d〜1/500dモルである。本発明における微
粒子沃化銀の添加時期は、化学熟成工程から塗布の直前
までのいずれかの工程であればよいが、好ましくは化学
熟成工程での添加である。ここで言う化学熟成工程と
は、本発明の乳剤の物理熟成及び脱塩操作が終了した時
点から、化学増感剤を添加し、その後化学熟成を停止す
るための操作を施した時点までの間を指す。
【0628】尚、化学熟成を終了させる方法としては、
温度を下げる方法、pHを下げる方法、化学熟成停止剤
を用いる方法が知られているが、乳剤の安定性等を考慮
すると、化学熟成停止剤を用いる方法が好ましい。この
化学熟成停止剤としては、ハロゲン化物(例えば臭化カ
リウム、塩化ナトリウム等)、カブリ防止剤又は安定剤
として知られている有機化合物(例えば4-ヒドロキシ-6
-メチル-1,3,3a-7-テトラザインデン等)が知られてい
る。これらは単独でもしくは複数の化合物を併用して用
いられている。
【0629】又、微粒子沃化銀の添加は、時間間隔をと
って数回に分けて行ってもよいし、微粒子沃化銀の添加
後に、更に別の化学熟成済み乳剤を加えてもよい。微粒
子沃化銀を添加する際の本発明の乳剤液の温度は、30〜
80℃の範囲が好ましく、更には40〜65℃の範囲が特に好
ましい。
【0630】又、本発明は添加する微粒子沃化銀が添加
後、塗布直前までの間に一部もしくは全部が消失する条
件で実施されることが好ましく、更に好ましい条件は添
加した微粒子ハロゲン化銀の20%以上が塗布直前におい
て消失していることである。尚、消失量の定量は、微粒
子沃化銀添加後の乳剤又は塗布液を適当な条件で遠心分
離を行った後、上澄み液の吸収スペクトル測定を行い、
既知濃度の微粒子沃化銀液の吸収スペクトルと比較する
ことにより行うことができる。
【0631】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例を述べるか、本
発明の実施の態様はこれらに限定されない。
【0632】〔実施例1〕 [比較用球形種乳剤T−Iの調製]以下に示す方法によ
って、単分散性の球形種乳剤を調製した。
【0633】 A液 オセインゼラチンb 80g 臭化カリウム 47.4g 水で 8.0l B液 硝酸銀 1.2kg 水で 1.6l C液 オセインゼラチン 32.2g 臭化カリウム 840g 水で 1.6l D液 アンモニア水 470ml 40℃で激しく撹拌したA液に、B液とC液をダブルジェ
ット法により11分間で添加し、核の生成を行なった。こ
の間、pBrは1.60に保った。
【0634】その後、12分間かけて、温度を30℃に下
げ、さらに18分間熟成を行なった。さらに、D液を1分
間で添加し、引き続き5分間の熟成を行なった。熟成時
のKBr濃度は0.07mol/l,アンモニア濃度は0.63mol/lであ
った。
【0635】熟成終了後、pHを6.0に調整し、常法に
従って脱塩を行なった。この種乳剤粒子を電子顕微鏡観
察したところ、互いに平行な2枚の双晶面を有する、平
均粒径0.30μmの球形乳剤であった。
【0636】[比較乳剤EM−1の調製]以下に示す7
種類の溶液を用いて、本発明に係わる八面体双晶単分散
乳剤EM−1を調製した。
【0637】 (溶液A) オセインゼラチンb 268.2g 蒸留水 4.0l ポリイソプロピレン-ポリエチレンオキシ -ジこはく酸エステルナトリウム塩10%メタノール溶液 1.5ml 種乳剤(T−1) 0.286モル 28重量%アンモニア水溶液 528.0ml 56重量%酢酸水溶液 795.0ml 0.001モルの沃素を含むメタノール溶液 50.0ml 蒸留水で5930.0mlにする (溶液B) 3.5Nアンモニア性硝酸銀水溶液。
【0638】(但し、硝酸アンモニウムによってpHを9.
0に調整した) (溶液C) 4.0重量%のゼラチンを含む3.5N臭化カリウム水溶液 (溶液D)3wt%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径
0.05μm)から成る微粒子乳剤2.39モル調製法を以下に
示す。0.06モルの沃化カリウムを含む6.0重量%のゼラ
チン溶液5000mlに、7.06モルの硝酸銀と、7.06モルの沃
化カリウムを含む水溶液各々2000mlを、10分間かけて添
加した。微粒子形成中のpHは硝酸を用いて2.0に、温度
は40℃に制御した。粒子形成後に、炭酸ナトリウム水溶
液を用いてpHを6.0に調製した。
【0639】(溶液E)溶液Dで記述した沃化銀微粒子
乳剤と同様にして調製された、1モル%の沃化銀を含有
する沃臭化銀粒子(平均粒径0.04μm)から成る微粒子
乳剤6.24モル但し、微粒子形成中の温度は30℃に制御し
た。
【0640】(溶液F) 臭化カリウム1.75N水溶液 (溶液G) 56重量%酢酸水溶液 反応容器内で70℃に保った溶液Aに、溶液B、溶液C及
び溶液Dを同時混合法によって163分の時間を要して添
加した後、引き続いて溶液Eを12分を要して単独に定速
添加し、種結晶を1.0μm(球換算粒径)まで成長させ
た。
【0641】ここで、溶液B及び溶液Cの添加速度は臨
界成長速度に見合ったように時間に対して関数様に変化
させ、成長している種結晶以外の小粒子の発生及びオス
トワルド熟成により多分散化しないように適切な添加速
度で添加した。溶液D即ち沃化銀微粒子乳剤の供給は、
アンモニア性硝酸銀水溶液との速度比(モル比)を表1
に示すように粒径(添加時間)に対して変化させること
によって、多重構造を有するコア/シェル型ハロゲン化
銀乳剤を作成した。
【0642】また、溶液F,Gを用いることによって、
結晶成長中のpAg,pHを表1に示すように制御した。な
お、pAg,pHの測定は、常法に従い硫化銀電極及びガラ
ス電極を用いて行なった。
【0643】粒子形成後に、特願平3-41314に記載の方
法に従い脱塩処理を施し、その後ゼラチンを加え再分散
し、40℃にてpHを5.80,pAgを8.06に調整した。
【0644】得られた乳剤粒子の走査型電子顕微鏡写真
から、平均粒径1.0μm(球換算粒径)、分布の広さが1
0.3%の八面体双晶単分散乳剤であることが確認され
た。
【0645】
【表1】
【0646】[本発明用球形種乳剤T−2の調] A液のゼラチンをチロシン含有量15μmol/1gゼラチンで
あるゼラチンに変え、また、PLURONIC TM−17R1を銀
1モル当たり1.5g添加した他はT−1と同様に種乳剤
を調した。PLURONIC TM−17R1は米国特許5,14
7,771号明細書のカラム8の15行目の下に記載の
下記一般式IIにおいて、x=15、x′=15、y=4
である化合物である(同明細書のカラム19の62行目
〜64行目に記載)。 一般式II OH−(CH(CH 3 )CH 2 O)x−(CH 2 CH 2 O)
y−(CH 2 CH(CH 3 )O)x′−H
【0647】[本発明乳剤EM−2の調] 本発明用球形種乳剤と同様にA液のゼラチンをチロシン
含有量15μmol/1gゼラチンであるゼラチンに変え、ま
た、PLURONIC TM−17R1を銀1モル当たり1.5g添加
した他はEM−1と同様に乳剤を調した。
【0648】[本発明乳剤EM−5,6の調] 種乳剤T−2のPLURONIC TM−17R1をTETRONIC TM
−90R4に変えた他はT−2と同様T−3を調した。
種乳剤T−2のPLURONIC TM−17R1をTETRONIC TM
−701変えた他はT−2と同様にT−4を調した。T
ETRONIC TM−90R4は、米国特許5,147,772
号明細書のカラム16の38行目〜42行目に記載の
N,N,N′,N′−テトラキス((H(OCH(CH
3 )CH 2 ))x(OCH 2 CH 2 )y−)エチレンジアミ
ン化合物(x=19、y=16)である。TETRONIC T
M−701は米国特許5,147,773号明細書のカラ
ム15の45行目〜49行目に記載のN,N,N′,
N′−テトラキス((H(OCH 2 CH 2 ))y(OCH
(CH 3 )CH 2 )x−)エチレンジアミン化合物(x=
14、y=2)である。
【0649】EM−2の種乳剤をT−3に変え、PLURON
IC TM−17R1をTETRONIC TM−90R4に変えた他は
EM−2と同様にEM−5を調整した。
【0650】EM−2の種乳剤をT−4に変え、PLURON
IC TM−17R1をTETRONIC TM−701に変えた他はE
M−2と同様にEM−6を調整した。
【0651】[比較乳剤EM−3,4の調整]種乳剤T
−1のゼラチンbをチロシン含有量が15μmol/gゼラチ
ンであるゼラチンに変えた以外はT−1と同様に種乳剤
を調整し、EM−1のゼラチンを同様にチロシン含有量
が15μmol/gゼラチンに変え、上記種乳剤を用いてEM
−3を調整した。
【0652】またT−1にPLURONIC TM−17R1を加
えた以外はT−1と同様に種乳剤を調整し、EM−1に
PLURONIC TM−17R1を加えた上記種乳剤を用いてE
M−4を調整した。
【0653】尚、T−1,EM−1,EM−4に用いた
ゼラチンのチロシンの含有量は33μmol/1gゼラチンであ
った。
【0654】多層カラー写真感光材料〔試料101〕の構
成は以下の通りである。
【0655】感光材料中の添加量は特に記載のない限り
1m2当りのグラム数を示す。また、ハロゲン化銀及びコ
ロイド銀は、銀に換算して示し、増感色素はハロゲン化
銀1モル当りのモル数で示した。
【0656】 試料101 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.16 紫外線吸収剤 (UV−1) 0.20 高沸点溶媒(Oil−1) 0.16 ゼラチン 1.23 第2層:中間層 化合物(SC−1) 0.15 高沸点溶媒(Oil−2) 0.17 ゼラチン 1.27 第3層:低感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm,沃化銀含有率 8.0モル%) 0.50 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.27μm,沃化銀含有率 2.0モル%) 0.21 増感色素(SD─1) 2.8×10-4 増感色素(SD─2) 1.9×10-4 増感色素(SD─3) 1.9×10-5 増感色素(SD─4) 1.0×10-4 シアンカプラー(C─1) 0.48 シアンカプラー(C─2) 0.14 カラードシアンカプラー(CC─1) 0.021 DIR化合物 (D─1) 0.020 高沸点溶媒 (Oil─1) 0.53 ゼラチン 1.30 第4層:中感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.52μm,沃化銀含有率 8.0モル%) 0.62 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm,沃化銀含有率 8.0モル%) 0.27 増感色素(SD─1) 2.3×10-4 増感色素(SD─2) 1.2×10-4 増感色素(SD─3) 1.6×10-5 増感色素(SD─4) 1.2×10-4 シアンカプラー(C─1) 0.15 シアンカプラー(C─2) 0.18 カラードシアンカプラー(CC─1) 0.030 DIR化合物 (D─1) 0.013 高沸点溶媒 (Oil─1) 0.30 ゼラチン 0.93 第5層:高感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(EM−1) 1.27 増感色素(SD─1) 1.3×10-4 増感色素(SD─2) 1.3×10-4 増感色素(SD─3) 1.6×10-5 シアンカプラー(C─2) 0.12 カラードシアンカプラー(CC─1) 0.013 高沸点溶媒 (Oil─1) 0.14 ゼラチン 0.91 第6層:中間層 化合物(SC−1) 0.09 高沸点溶媒(Oil−2) 0.11 ゼラチン 0.80 第7層:低感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm,沃化銀含有率 8.0モル%) 0.61 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.27μm,沃化銀含有率 2.0モル%) 0.20 増感色素(SD─4) 7.4×10-5 増感色素(SD─5) 6.6×10-4 マゼンタカプラー(M─1) 0.18 マゼンタカプラー(M─2) 0.44 カラードマゼンタカプラー(CM─1) 0.12 高沸点溶媒 (Oil─2) 0.75 ゼラチン 1.95 第8層:中感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.59μm,沃化銀含有率 8.0モル%) 0.87 増感色素(SD─6) 2.4×10-4 増感色素(SD─7) 2.4×10-4 マゼンタカプラー(M─1) 0.058 マゼンタカプラー(M─2) 0.13 カラードマゼンタカプラー(CM─1) 0.070 DIR化合物 (D─2) 0.025 DIR化合物 (D─3) 0.002 高沸点溶媒 (Oil─2) 0.50 ゼラチン 1.00 第9層:高感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(EM−1) 1.27 増感色素(SD─6) 1.4×10-4 増感色素(SD─7) 1.4×10-4 マゼンタカプラー(M─2) 0.084 マゼンタカプラー(M─3) 0.064 カラードマゼンタカプラー(CM─1) 0.012 高沸点溶媒 (Oil─1) 0.27 高沸点溶媒 (Oil─2) 0.012 ゼラチン 1.00 第10層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 0.08 色汚染防止剤(SC−2) 0.15 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.20 高沸点溶媒(Oil−2) 0.19 ゼラチン 1.10 第11層:中間層 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.20 ゼラチン 0.60 第12層:低感度青感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm,沃化銀含有率 8.0モル%) 0.22 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.27μm,沃化銀含有率 2.0モル%) 0.03 増感色素(SD─8) 4.9×10-4 イエローカプラー(Y−1) 0.75 DIR化合物 (D─1) 0.010 高沸点溶媒 (Oil─2) 0.30 ゼラチン 1.20 第13層:中感度青感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.59μm,沃化銀含有率 8.0モル%) 0.30 増感色素(SD─8) 1.6×10-4 増感色素(SD─9) 7.2×10-5 イエローカプラー(Y─1) 0.10 DIR化合物 (D─1) 0.010 高沸点溶媒 (Oil─2) 0.046 ゼラチン 0.47 第14層:高感度青感性層 沃臭化銀乳剤(EM−1) 0.85 増感色素(SD─8) 7.3×10-5 増感色素(SD─9) 2.8×10-5 イエローカプラー(Y─1) 0.11 高沸点溶媒 (Oil─2) 0.046 ゼラチン 0.80 第15層:第1保護層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.08μm,沃化銀含有率 1.0モル%) 0.40 紫外線吸収剤(UV─1) 0.065 紫外線吸収剤(UV─2) 0.10 高沸点溶媒 (Oil─1) 0.07 高沸点溶媒 (Oil─3) 0.07 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.40 ゼラチン 1.31 第16層:第2保護層 アルカリ可溶性マット剤 (平均粒径2μm) 0.15 ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm) 0.04 滑り剤(WAX−1) 0.04 ゼラチン 0.55 尚、上記の組成物の他に、塗布助剤Su−1,分散助剤
Su−2,粘度調整剤、硬膜剤H−1,H−2,安定剤
ST−1,カブリ防止剤AF−1,重量平均分子量:1
0,000及び重量平均分子量:1,100,000の2種のAF−2
及び防腐剤DI−1を添加した。DI−1の添加量は9.
4mg/m2であった。
【0657】
【化80】
【0658】
【化81】
【0659】
【化82】
【0660】
【化83】
【0661】
【化84】
【0662】
【化85】
【0663】
【化86】
【0664】
【化87】
【0665】次に、上記試料101における第5層、第9
層、第14層で使用した沃臭化銀乳剤EM−1の代わり
に、乳剤EM−2、EM−3、EM−4、EM−5、E
M−6を用いた他は同様にして、各々試料102〜試料106
を作製した。
【0666】以上のように作成した試料101〜106につい
て保存性の評価を行なった。
【0667】但し各試料とも2部に分け、1部は23℃55
%RH条件で試料を1日間保存後、通常のような白色ウ
ェッジ露光を施し以下の処理工程に示すような現像及び
後処理を行ないその試料を用いてセンシトメトリーを得
た。もう1部は40℃80%RH条件で試料を5日間保存
後、同様の手順にてセンシトメトリーを得た。
【0668】 〔処理工程〕 処理工程 処理時間 処理温度 補充量* 発色現像 3分15秒 38± 0.3℃ 780cc. 漂 白 45秒 38± 2.0℃ 150cc. 定 着 1分30秒 38± 2.0℃ 830cc. 安 定 60秒 38± 5.0℃ 830cc. 乾 燥 1分 55± 5.0℃ − *補充量は感光材料1m2当たりの値である。
【0669】発色現像液、漂白液、定着液、安定液及び
その補充液は、以下のものを使用した。
【0670】発色現像液 水 800cc. 炭酸カリウム 30g 炭酸水素ナトリウム 2.5g 亜硫酸カリウム 3.0g 臭化ナトリウム 1.3g 沃化カリウム 1.2mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g 塩化ナトリウム 0.6g 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N- (β-ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 4.5g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水酸化カリウム 1.2g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは20%
硫酸を用いてpH10.06に調整する。
【0671】発色現像補充液 水 800cc. 炭酸カリウム 35g 炭酸水素ナトリウム 3g 亜硫酸カリウム 5g 臭化ナトリウム 0.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.1g 4-アミノ-メチル-N-エチル-N-アニリン硫酸塩 (β-ヒドロキシルエチル) 6.3g 水酸化カリウム 2g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは20%
を用いてpH10.18に調整する。
【0672】漂白液 水 700cc. 1,3ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 125g エチレンジアミン四酢酸 2g 硝酸ナトリウム 40g 臭化アンモニウム 150g 氷酢酸 40g 水を加えて1リットルとし、アンモニア水または氷酢酸
を用いてpH4.4に調整する。
【0673】漂白補充液 水 700cc. 1,3ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 175g エチレンジアミン四酢酸 2g 硝酸ナトリウム 50g 臭化アンモニウム 200g 氷酢酸 56g アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.4に調整後水を加
えて1リットルとする。
【0674】定着液 水 800cc. チオシアン酸アンモニウム 120g チオ硫酸アンモニウム 150g 亜硫酸ナトリウム 15g エチレンジアミン四酢酸 2g アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH6.2に調整後水を加
えて1リットルとする。
【0675】定着補充液 水 800cc. チオシアン酸アンモニウム 150g チオ硫酸アンモニウム 180g 亜硫酸ナトリウム 20g エチレンジアミン四酢酸
2g アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH6.5に調整後水
を加えて1リットルとする。
【0676】安定液及び安定補充液 水 900cc. パラオクチルフェニルポリオキシエチレンエーテル (n=10) 2.0g ジメチロール尿素 0.5g ヘキサメチレンテトラミン 0.2g 1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン 0.1g シロキサン(UCC製L−77) 0.1g アンモニア水 0.5cc. 水を加えて1リットルとした後、アンモニア水又は50%
硫酸を用いてpH8.5に調整する。
【0677】結果を表2にまとめて示す。
【0678】
【表2】
【0679】表2のごとく本発明が比較例に比して優れ
ているいることがわかる。
【0680】〔実施例2〕種乳剤Em−Aの調製 以下に示す溶液を用い、臭化銀から成る種乳剤を調製し
た。
【0681】 〔A1〕 オセインゼラチン(チロシン含有量30μmol/1gゼラチン) 40.0g 臭化カリウム 23.7g 水を加えて 4000ml 〔B1〕 硝酸銀 600g 水を加えて 803ml 〔C1〕 オセインゼラチン(チロシン含有量30μmol/1gゼラチン) 16.1g 臭化カリウム 420 g 水を加えて 803 ml 〔D1〕 アンモニア水(28%) 235 ml 特開昭62-160128号に開示されている装置を用い、混合
用撹拌ペラの下部への供給ノズルが、溶液B1用、溶液
1用、各々6本となる様に設置した。
【0682】温度40℃、回転数430rpmで高速撹拌された
溶液A1に、溶液B1と溶液C1とをコントロールド・ダ
ブルジェット法にて流速62.8ml/minで添加した。な
お、添加開始後4分46秒から徐々に流速を上げ、最終の
流速は105ml/minとなる様に行った。総添加時間は10分
45秒であった。臭化カリウム溶液(3.5N)で、添加中の
pBrを1.3に保持した。
【0683】添加終了後、105分間で、混合液の温度を2
0℃に下げ、撹拌回転数を460rpmにして、溶液D1を20秒
間で添加して、5分間のオストワルド熟成を行った。熟
成時の臭素イオン濃度は0.028モル/l、アンモニア濃度
は0.63モル/l、pHは11.7であった。その後、直ちにpH
が5.6になるまで酢酸を加えて中和して熟成を止め、常
法による脱塩水洗を行い種乳剤Em−Aを得た。
【0684】Em−Aを電子顕微鏡により観察したとこ
ろ、平均粒径0.27μm、球型粒子であることがわかっ
た。
【0685】種乳剤Em−Aの成長 引き続き、比較種乳剤Em−Aと以下に示す3種の溶液
を用い、本発明に係る主として平板双晶よりなるハロゲ
ン化銀乳剤を調製した。
【0686】 〔A2〕 オセインゼラチン(チロシン含有量30μmol/1gゼラチン) 45.8g 水を加えて 4132ml 〔B2〕 オセインゼラチン(チロシン含有量30μmol/1gゼラチン) 11.9g 臭化カリウム 757.4g 沃化カリウム 16.2g 水を加えて 2172ml 〔C2〕 硝酸銀 1108.6mg 水を加えて 2172 ml 種乳剤Em−A 0.216モル相当 液温65℃で激しく撹拌した溶液A2に、種乳剤Em−1を
入れ、よく分散させ、溶液B2と溶液C2を40分でコント
ロールド・ダブルジェット法にて添加した。この間、p
Hは酢酸にて6.5に、pAgは9.2に終始保持した。なお、
溶液B2及び溶液C2の添加速度は、添加終了時の速度が
添加開始時の速さの2.3倍となるように直線的に増加さ
せた。
【0687】添加終了後pHを6.0に調整し、下記増感色
素(イ)をハロゲン化銀1モル当り280mgとなるように添
加して、充分に吸着せしめてから、過剰な塩類を除法す
るため、デモール(花王アトラス社製)水溶液及び硫酸
マグネシウム水溶液を用いて沈澱脱塩を行い、ゼラチン
を加え40℃においてpAg8.5、pH5.85の条件で再分散し
乳剤Em−Aを得た。
【0688】得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したと
ころ、平均粒径0.66μm、平均厚さ0.30μm、平均アスペ
クト比は2.2の平板状粒子であった。
【0689】種乳剤Em−Bの調 高速撹拌された溶液A1に、本発明に係る界面活性剤 PL
URONIC TM−31R1を銀1モル当り8.14gとなるよう
に添加し、その後溶液B1と溶液C1をダブルジェット法
で添加した以外は、種乳剤Em−Aと同様な方法で本発
明の種乳剤Em−Bを調製した。PLURONIC TM−31R
1は米国特許5,147,771号明細書のカラム8の
15行目の下に記載の前記一般式IIにおいて、x=2
5、x′=25、y=7である化合物である(同明細書
のカラム19の13行目〜15行目に記載)。
【0690】Em−Bを電子顕微鏡により観察したとこ
ろ、平均粒径0.25μmの球形粒子であることがわかっ
た。
【0691】種乳剤Em−Bの成長 溶液A2に、本発明に係る界面活性剤 PLURONIC TM−3
1R1銀1モル当り5.1gとなるように添加し、種乳剤と
してEm−Bを用いた以外は、乳剤Em−Aと同様な方
法で乳剤Em−Bを調製した。得られた乳剤を電子顕微
鏡にて観察したところ、平均粒径0.67μm、平均厚さ0.2
8μm、平均アスペクト比2.4の平板状粒子であった。
【0692】種乳剤Em−Cの調整 溶液A1及び溶液C1に、本発明に係るゼラチンとしてチ
ロシン含有量が15μmol/1gゼラチンのゼラチンを用いた
以外は、種乳剤Em−Aと同様な方法で本発明の種乳剤
Em−Cを調製した。Em−Cを電子顕微鏡により観察
したところ、平均粒径0.27μmり球形粒子であることが
わかった。
【0693】種乳剤Em−Cの成長 溶液A2及び溶液B2に、本発明に係るゼラチンとしてチ
ロシン含有量15μmol/1gゼラチンのゼラチンを用い、種
乳剤としてEm−Cを用いた以外は乳剤Em−Aと同様
な方法で乳剤Em−Cを調製した。得られた乳剤を電子
顕微鏡にて観察したところ、平均粒径0.66μm、平均厚
さ0.30μm、平均アスペクト比2.2の平板状粒子であっ
た。
【0694】種乳剤Em−Dの調 溶液A1に本発明に係るゼラチンとしてチロシン活性剤1
7μmol/1gゼラチンのゼラチンを用い高速撹拌された溶
液A1に、本発明に係る界面活性剤 PLURONICTM−31R
1を銀1モル当り8.14gとなるように添加し、その後溶
液B1と本発明に係るゼラチンとしてチロシン含有量が1
5μmol/1gゼラチンのゼラチンを用いた溶液C1をダブル
ジェット法で添加した以外は、種乳剤Em−Aと同様な
方法で本発明の種乳剤Em−を調製した。
【0695】Em−Dを電子顕微鏡により観察したとこ
ろ、平均粒径0.25μmの球形粒子であることがわかっ
た。
【0696】種乳剤Em−Dの成長 溶液A2に、本発明に係る界面活性剤 PLURONIC TM−3
1R1銀1モル当り5.1gとなるように添加し、更に溶液
2及び溶液B2に本発明に係るゼラチンとしてチロシン
含有量が15μmol/1gゼラチンのゼラチンを用い種乳剤と
してEm−Dを用いた以外は、乳剤Em−Aと同様な方
法で乳剤Em−Dを調製した。得られた乳剤を電子顕微
鏡にて観察したところ、平均粒径0.67μm、平均厚さ0.2
8μm、平均アスペクト比2.4の平板状粒子であった。
【0697】種乳剤Em−Eの調 界面活性剤としてTETRONIC TM−150R8を用いた以外
は、種乳剤Em−Bと同様な方法で種乳剤Em−Eを調
製した。電子顕微鏡で観察したところ、平均粒径0.26μ
mの球形粒子であった。TETRONIC TM−150R8は、米
国特許5,147,772号明細書の13カラムの65
行目〜14カラム1行目に記載のN,N,N′,N′−
テトラキス((H(OCH(CH 3 )CH 2 ))x−(O
CH 2 CH 2 )y−)エチレンジアミン化合物(x=1
8、y=92)である。
【0698】種乳剤Em−Eの成長 界面活性剤としてTETRONIC TM−150R8、種乳剤とし
てEm−Eを用いた以外は、種乳剤Em−Bと同様な方
法で、種乳剤Em−Eを調製した。電子顕微鏡で観察し
たところ、平均粒径0.67μm、平均アスペクト比2.3の平
板状粒子であった。
【0699】種乳剤Em−Fの調整 界面活性剤としてTETRONIC TM−150R8を用いた以外
は、種乳剤Em−Dと同様な方法で種乳剤Em−Fを調
製した。電子顕微鏡で観察したところ、平均粒径0.25μ
mの球形粒子であった。
【0700】種乳剤Em−Fの成長 界面活性剤としてTETRONIC TM−150R8、種乳剤とし
てEm−Fを用いた以外は、乳剤Em−Dと同様な方法
で種乳剤Em−Fを調製した。電子顕微鏡で観察したと
ころ、平均粒径0.67μm、平均厚さ0.28μm、平均アスペ
クト比2.4の平板状粒子であった。
【0701】種乳剤Em−Gの調整 界面活性剤としてTETRONIC TM−150R8を用いた以外
は、種乳剤Em−Bと同様な方法で種乳剤Em−Gを調
製した。電子顕微鏡で観察したところ、平均粒径0.27μ
mの球形粒子であった。
【0702】種乳剤Em−Gの成長 界面活性剤としてTETRONIC TM−150R8、種乳剤とし
てEm−Gを用いた以外は、乳剤Em−Bと同様な方法
で、種乳剤Em−Gを調製した。電子顕微鏡で観察した
ところ、平均粒径0.67μm、平均厚さ0.29μm、平均アス
ペクト比2.3の平板状粒子であった。
【0703】種乳剤Em−Hの調整 界面活性剤としてTETRONIC TM−150R8を用いた以外
は、種乳剤Em−Dと同様な方法で種乳剤Em−Hを調
製した。電子顕微鏡で観察したところ、平均粒径0.25μ
mの球形粒子であった。
【0704】種乳剤Em−Hの成長 界面活性剤としてTETRONIC TM−150R8、種乳剤とし
てEm−Hを用いた以外は、乳剤Em−Dと同様な方法
で種乳剤Em−Hを調製した。電子顕微鏡で観察したと
ころ、平均粒径0.67μm、平均厚さ0.28μm、平均アスペ
クト比2.4の平板状粒子であった。
【0705】次に微粒子沃化銀を以下の方法で調製し
た。
【0706】反応容器にオセインゼラチン5重量%を含
む水溶液を加え、40℃で撹拌しながら3.5N硝酸銀水溶
液及び3.5N沃化カリウム水溶液各々1モルを30分を所
要して定速で添加した。
【0707】添加中のpAgは、常法のpAg制御手段で1
3.5に保った。生成した沃化銀は、平均粒径0.05μmのβ
-AgIとγ-AgIの混合物であった。
【0708】乳剤の化学増感 得られたこれらの乳剤Em−A〜Em−Hをそれぞれ適
量とり、温度48℃で撹拌しながら、下記の分光増感色素
(イ)及び(ロ)をそれぞれ銀1モル当たり140mg及び
1.2mgとなるようにメタノール溶液として添加した。
【0709】増感色素添加10分後に、化学増感剤として
銀1モル当り、チオシアン酸アンモニウム52mg、塩化金
酸1.56mg、チオ硫酸ナトリウム14mgをそれぞれ添加し
た。再びその40分後に微粒子沃化銀をEm−A〜Em−
Hの銀1モル当り、1.7×10-3モルとなるように添加し
た。その後、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラ
ザインデンを加え安定化し、それぞれ最適に化学増感を
行った。
【0710】尚、化学増感中の温度は最終48℃に保持し
た。
【0711】
【化88】
【0712】得られた乳剤を後記した添加剤を加え乳剤
層塗布液とした。また同時に後記の保護層塗布液も調製
した。尚、塗布量は片面当たり銀量が1.7g/m2、ゼラチ
ン付き量は0.99g/m2となるように2台のスライドホッパ
ー型コーターを用い毎分80mのスピードで支持体上に両
面同時塗布を行い、2分20秒で乾燥し、試料No.201〜20
8を得た。支持体としてはグリシジメタクリレート50wt
%、メチルアクリレート10wt%、ブチルメタクリレート
40wt%の3種モノマーからなる共重合体の濃度が10wt%
になるように希釈して得た共重合体水性分散液を下引き
液とした175μmのX線フィルム用の濃度0.15に青色着色
したポリエチレンテレフタレートフィルムベースを用い
た。
【0713】乳剤に用いた添加剤は次のとおりである。
添加量はハロゲン化銀1モル当たりの量で示す。
【0714】 1,1-ジメチロール-1-ブロム-1-ニトロメタン 70mg t-ブチル-カテコール 400mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 1.0g スチレン-無水マレイン酸共重合体 2.5g ニトロフェニル-トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 2g 2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 15mg
【0715】
【化89】
【0716】 C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 15mg 更に下記に示す染料乳化分散液1.2gを加え乳剤塗布液
とした。
【0717】[染料乳化分散液の調製方法]下記の染料
10Kgをトリクレジルホスフェート28lと酢酸エチル85
lからなる溶媒55℃で溶解した。これをオイル系溶液と
称する。一方、アニオン界面活性剤(AS)を1.35Kg
を含む9.3%ゼラチン水溶液270lを調製した、これを水
系溶液と称する。次にオイル系溶液と水系溶液を分散釜
に入れ、液温を40℃に保ちながら分散した。得られた分
散液にフェノールと1,1′-ジメチロール-1-ニトロメタ
ンの適量を加え水にて240Kgに仕上げた。
【0718】
【化90】
【0719】保護層液 次に保護層用塗布液として下記を調製した。添加剤は塗
布液1l当たりの量で示す。
【0720】 石灰処理イナートゼラチン 68g 酸処理ゼラチン 2g ソジウム-i-アミル-n-デシルスルホサクシネート 0.3g ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径3.5μmのマット剤) 1.1g 二酸化ケイ素粒子(面積平均粒径1.2μmのマット剤) 0.5g ルドックスAM(デュポン社製)(コロイドシリカ) 30g (CH2=CHSO2CH2)2O(硬膜剤) 500mg グリオキサール40%水溶液(硬膜剤) 1.5ml C4H9SO3K 2mg C12H25CONH(CH2CH2O)5H 2.0g
【0721】
【化91】
【0722】以上のように作成した試料No.201〜208に
ついて保存性の評価を行った。但し各試料とも2部に分
け、1部は23℃55%RH条件で試料を1日間保存し、もう
1部は40℃80%RH条件で試料を5日間保存した後、セン
シトメトリーを行った。
【0723】センシトメトリー センシトメトリーは試料を2枚の増感紙(KO‐250)で挟
み、アルミウエッジを介して管電圧80kvp、管電流100m
A、0.05秒間のX線を照射した。次いで自動現像機(SRX
‐501)を用い、35℃の(XD‐SR)現像液で現像後、定着液
(XF‐SR)で定着した。(いずれもコニカ〔株〕製) 処理時間はdry to dryで45秒処理してから感度、ガンマ
及びカブリの測定を行なった。感度はカブリ+0.5の濃
度を与える露光量の逆数で表し、試料No.201の感度を10
0としたときの相対感度で示した。
【0724】又、ガンマ(γ)=1/logE1―logE2で表
し、式中のlogE1は濃度2.0となるのに必要な露光量の
対数で、logE2は濃度1.0となるのに必要な露光量の対
数を表す。数値が大きいほどコントラストが優れること
を表す。得られた結果を次の表3に示す。
【0725】
【表3】
【0726】以上表3で明らかなごとく、本発明が比較
例に比して優れていることがわかる。
【0727】
【発明の効果】本発明による写真感光材料は高感度で更
に長期保存時の感度低下、且つγ変動がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−239241(JP,A) 特開 平5−173268(JP,A) 特開 平3−92844(JP,A) 特開 平4−51141(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/015 G03C 1/043 G03C 1/047 G03C 1/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼラチンを用いて作られる写真用ハロゲ
    ン化銀乳剤において、その乳剤粒子形成過程の全期間に
    おいて該ゼラチンのチロシン含有量がゼラチン1グラム
    あたり25マイクロモル以下であるゼラチン及びポリアル
    キレンオキサイド型界面活性剤の存在下で作られたこと
    を特徴とする写真用ハロゲン化銀乳剤。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の乳剤を含有すること
    を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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