JPH06202293A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法

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JPH06202293A
JPH06202293A JP4361048A JP36104892A JPH06202293A JP H06202293 A JPH06202293 A JP H06202293A JP 4361048 A JP4361048 A JP 4361048A JP 36104892 A JP36104892 A JP 36104892A JP H06202293 A JPH06202293 A JP H06202293A
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solution
processing
fixing
silver
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JP4361048A
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Takatoshi Ishikawa
隆利 石川
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 定着能を有する処理液の再生方法であって、
廃液が実質的に生じず、かつ、ランニングコストが低減
され、かつ、安定した写真特性が得られる再生方法を提
供することにある。 【構成】 カラー現像の後に定着能を有する処理液にて
処理し、その後、水洗又は安定化処理するに当り、前記
定着能を有する処理液のオーバーフロー液をストックし
濃縮処理後、再生処理し、補充液として再利用するハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀カラー写真
感光材料の処理方法に関し、特に連続処理時に、定着能
を有する浴のオーバーフロー液を再生処理後、補充液と
して再使用し、廃液量を実質的にゼロにするとともに、
ランニングコストを低減した処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理
方法において、使用済の処理液は、一般にオーバーフロ
ー液として廃却されるのが通常である。しかしながら、
廃液として回収処理されるこれらの使用済処理液は公害
負荷値が大きく、環境保全上好ましくなく、またその回
収のための集配コストも無視できない。従って、これら
の使用済処理液(オーバーフロー液)を利用し、補充液
として再度使用することができれば、上記問題が解決さ
れるとともに、さらにオーバーフロー液中に残存する有
効成分をも再利用することができるため、新たに補充液
を作成する場合に比べ使用薬品量が少なくなり、さらな
るコスト低減をも図ることができる。従って、使用済処
理液の再使用が可能となるように、再生処理として処理
中に生じた変動を手直しして、すなわち一般的には、写
真性能に影響を与える蓄積成分を除去するとともに消費
された不足成分を追加して、再度補充液として用いる、
いわゆる再生技術の研究が数多くなされている。
【0003】カラー写真感光材料の処理に用いられる、
定着能を有する処理液(例えば定着液、漂白定着液)の
再生技術について数々の検討がなされてきた。例えば、
特公昭56−33697号及び特開昭50−14523
1号には、必要に応じて、蓄積成分の濃度を低減するた
めに、オーバーフロー液を水で希釈し、濃縮することな
く再生剤を添加して再利用する技術が開示されている。
この方法は、特別な装置を用いる必要がなく簡便な再生
方法である反面、オーバーフロー液の再生率が低く、望
まない廃液が多量に発生するという欠点を有している。
ここで、再生率とは、
【0004】
【数1】 にて表わされる。
【0005】昨今の環境問題がクローズアップされるな
か、上記再生率をより高くする技術が検討されている。
特開平3−121452号には、特定感光材料を用いた
処理方法により、80%に達する再生率で、連続処理を
可能とし、廃液量を大巾に低減させる技術が開示されて
いる。しかしながら、処理液量を増加せずに、かつ、1
00%再生するのは非常に困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】定着能を有する処理液
を一般に再生する場合には、 不所望な蓄積物の除去 不足成分の添加(再生剤の添加) の2つの工程が必要である。の工程では蓄積する銀イ
オンや、現像液の酸化成分、あるいは感光材料からの溶
出成分を除去するのが望ましい。においては、定着成
分であるチオ硫酸根や保恒剤である亜硫酸塩や重亜硫酸
塩の添加、また漂白定着液の場合は、さらに漂白剤であ
るアミノポリカルボン酸鉄(III )塩(EDTAFe
(III )NH4 、PDTAFe(III )NH4 等)の添
加が必須となる。ところで再生率に影響するファクター
としては、補充量はもとより、前浴からの感光材料によ
るキャリー・イン量(持込み量)、後浴への感光材料に
よるキャリー・オーバー量(持出し量)、蒸発量及び上
記の添加量が影響する(の工程での量変化はほとん
どない)。ところで、実用系においては、一般にキャリ
ー・インとキャリー・オーバー量は等しく、また、自然
の蒸発量はほとんど無視できるために、上記の添加量
が重要となる。すなわち、再生剤を添加することにより
オーバーフロー液量は不必要に増加するために、一部廃
液として除却されることが必要であり、従って従来技術
では、廃液を実質的にゼロにする、いわゆるゼロディス
チャージは不可能とされていた。
【0007】また、特開平3−174154号明細書記
載のように、処理の工程の先頭にある現像浴の場合は、
キャリー・イン量がゼロのために、オーバーフロー液量
は補充量より少なく、再生剤の添加による体積増加も、
不所望な増加量とはならず、オーバーフロー液を100
%再生することが可能で、ゼロディスチャージが可能と
なる。従って、カラー現像に続く、定着能を有する浴の
ゼロディスチャージが一層待ち望まれていた。従って、
本発明の目的は、定着能を有する処理液の再生方法を提
供することにあり、さらには廃液が実質的に生じず、か
つ、ランニングコストが低減され、かつ、安定した写真
特性が得られる再生方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、
(1)カラー現像の後に定着能を有する処理液にて処理
し、その後、水洗又は安定化処理するに当り、前記定着
能を有する処理液のオーバーフロー液をストックし濃縮
処理後、再生処理し、補充液として再利用することを特
徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法、
(2)上記定着能を有する処理液が、漂白定着液である
ことを特徴とする(1)項記載のハロゲン化銀カラー写
真感光材料の処理方法、(3)該ハロゲン化銀カラー写
真感光材料が、少なくとも一層に塩化銀を80モル%以
上含有する高塩化銀乳剤を含有することを特徴とする
(2)項記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理
方法、及び(4)オーバーフロー液の95%以上が再
生、再利用されることを特徴とする請求項(1)記載の
ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法、により、
解決される。本発明は、定着能を有する液のオーバーフ
ロー液を再生する場合に、オーバーフロー液を濃縮した
後に再生剤を添加することで高再生率(例えば95%以
上)でも再生が可能となり、実質的にオーバーフローが
可能となり特に特定の感光材料を用いることにより、安
定した写真特性が得られることを特徴とする。
【0009】以下、本発明方法について具体的に説明す
る。本発明において、オーバーフロー液は、まず濃縮処
理される。濃縮にはいかなる手段でもよく、市販の各種
濃縮装置を用いることもできる。濃縮手段は大別して、
以下の方法があげられる。 A:加熱蒸発方式(特開昭63−143991号、同6
3−19655号、同63−287588号等に記載の
もの) B:常温常圧・密閉循環蒸発方式(特開昭63−156
501号、同63−200882号、特開平2−137
991号、同3−26385号等に記載のもの) C:減圧蒸発方式(LED社製、WTS−Eシリーズ、
CALFRAN社製、MPTU、APTU、PTUシリ
ーズ等)
【0010】蒸発濃縮装置は、従来主に廃液の濃縮処理
を目的に開発されたものである。本発明においては、定
着能を有する浴のオーバーフロー液を濃縮し、補充液と
して再利用する場合には、処理液が酸化や熱分解がされ
ない濃縮方法が好ましく、かかる意味では上記Cにて記
載した減圧蒸発方式にて濃縮するのが最も好ましい方法
である。Aの加熱方式では、処理液が条件により熱分解
する場合があるため、そのコントロールには注意が要す
る。またBの方式は処理液の空気接触面積が多大とな
り、液が酸化され易く、酸化物が蓄積したり、また、多
くの保恒剤を添加する必要が生じる場合があり、やはり
そのコントロールは容易ではなく、高度な技術が必要と
なる。いずれの方法を採用するにしろ、濃縮段階あるい
は、再生して補充液を調合した段階で、処理液のpH、
比重、亜硫酸塩及びチオ硫酸塩の濃度を定期的に確認
し、必要ならば修正することが望ましい。
【0011】減圧にて蒸発濃縮を行う場合には、被処理
液の濃度を50℃以下に保つのが好ましく、さらに好ま
しくは5〜40℃の範囲にて濃縮を行うのがよい。温度
が高すぎると、前記した熱分解が生じ、この液を再利用
すると不所望なステインの発生や脱銀不良を生じる場合
がある。また、温度が低過ぎると、濃縮の効率が悪く、
また、結晶が晶出し、濃縮装置が破損する危険性があ
る。減圧する場合の圧力は、機種と被処理液の体積によ
り異なるが、好ましくは5〜500mmHg、さらに好
ましくは10〜200mmHg程度である。濃縮率を以
下のように定義すると
【0012】
【数2】
【0013】本発明においては、再生剤への添加による
体積の増加分を、あらかじめ濃縮させ、減量しておくこ
とが目的であるため、廃液処理等に適用される濃縮率
(3〜10倍程度)に比べ著しく低く、好ましくは1.
02〜2.0倍、さらに好ましくは1.05〜1.5倍
程度である。濃縮率の目標値はあらかじめ設定しておく
のが好ましく、目的の濃縮率に達したか否かは、被処理
液の体積の変化量や、比重値の変化により確認すること
ができる。ここで濃縮率が低すぎると再生剤を添加する
場合に不所望な廃液を生じることになる。また濃縮率が
高すぎると結晶の析出や、濃縮時の成分の酸化、熱分解
が起こり、結果として脱銀不良やステインを生じる。濃
縮経路としては、オーバーフロー液を一旦ストックし、
必要量を濃縮装置に入れ、所定の濃縮率に達したなら
ば、他のストックタンクに移し、必要な再生剤を添加し
て補充液を作製することができる(バッチ方式)。ある
いは、オーバーフロー液をストックタンクを経由して連
続的に濃縮装置に流し込み、連続的に濃縮処理を行った
後に、他のストックタンクにストックし、補充液を作成
する方法も可能である(連続方式)。
【0014】また本発明の方式により定着能を有する液
を再生すると、処理液中に多量の銀イオンが蓄積するこ
とになる。その蓄積量は被処理感光材料の塗布銀量等に
より異なるが、多い場合には、Agとして、5〜20g
/リットルに達する。このような場合、必要に応じて銀
イオンを除去しながら、再生を行うのが好ましいことが
多い。銀イオンを除去する方法は、特に制限はないが、
特に電気分解により、銀イオンを還元し回収する方法が
最も好ましい。これらの技術については、特開昭50−
98837号、同51−19535号、同51−361
36号、米国特許第4,014,764号明細書等に記
載の方法を利用することができる。銀の除去法として
は、電気分解装置を処理タンクに直結して連続的に除去
してもよいし、濃縮前後のストックタンクに連結してバ
ッチ式に除去してもよく、各種方法が採用可能である。
処理タンク内での銀イオン濃度の目標値は、0.1〜1
0g/リットル、好ましくは0.2〜5g/リットル程
度である。銀イオン濃度を低減することにより、脱銀製
や復色性が大幅に改善される場合がある。
【0015】以下、本発明の処理工程について詳細を説
明する。本発明においては、カラー現像の後に行われる
定着能を有する浴の再生方式に関する技術であり、以下
の処理工程でに適用するのが好ましいが、これらに限定
されるものではない。 (1)カラー現像−漂白定着−水洗 (2)カラー現像−停止−水洗−漂白定着−水洗 (3)カラー現像−水洗−漂白定着−水洗 (4)黒白現像−水洗−カラー現像−水洗−漂白定着−
水洗 (5)カラー現像−漂白−水洗−定着−水洗−安定 (6)カラー現像−水洗−漂白−水洗−定着−水洗−安
定 (7)カラー現像−停止−水洗−漂白−水洗−定着−水
洗−安定 (8)黒白現像−水洗−反転−カラー現像−調整−漂白
−水洗−定着−水洗−安定 (9)カラー現像−漂白−漂白定着−水洗−安定 上記処理工程において、最終水洗工程は、安定化工程に
変更してもよく、また、最終安定浴は除去してもよい。
【0016】次に、本発明の処理液について説明する
と、感光材料の現像処理に用いるカラー現像液は、好ま
しくは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分とす
るアルカリ性水溶液である。この発色現像主薬として
は、アミノフェノール系化合物も有用であるが、p−フ
ェニレンジアミン系化合物が好ましく使用され、その代
表例としては3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチ
ルアニリン、4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロ
キシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エ
チル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル
−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンア
ミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エ
チル−N−β−メトキシエチルアニリン、3−メチル−
4−アミノ−N−エチル−N−δ−ヒドロキシブチルア
ニリン及びこれらの硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエ
ンスルホン酸塩が挙げられる。これらの化合物は目的に
応じ2種以上併用することもできる。これらのカラー現
像液への添加量は、1リットルあたり1〜30g、好ま
しくは2〜15gである。
【0017】カラー現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、
ホウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、臭化物
塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾー
ル類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制剤また
はカブリ防止剤などを含むのが一般的である。また必要
に応じて、ヒドロキシルアミン、N,N−ジ(スルホエ
チル)ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミ
ン、亜硫酸塩、ヒドラジン類、フェニルセミカルバジド
類、トリエタノールアミン、カテコールジスルホン酸類
の如き各種保恒剤、エチレングリコール、ジエチレング
リコールのような有機溶剤、ベンジルアルコール、ポリ
エチレングリコール、四級アンモニウム塩、アミン類の
ような現像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、
ナトリウムボロンハイドライドのようなカブラセ剤、1
−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助現像主薬、
粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホ
ン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表
されるような各種キレート剤、例えば、エチレンジアミ
ン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチル
イミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジ
ホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホス
ホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テト
ラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−ジ(o−ヒ
ドロキシフェニル酢酸)及びそれらの塩を添加する。こ
れらの発色現像液のpHは9〜12であることが一般的
である。本発明のカラー現像液はベンジルアルコールを
実質的に含有しない場合が好ましい。ベンジルアルコー
ルを含有した系にて、定着能を有する浴を100%近く
再生すると不所望なステインの上昇や、脱銀、復色の悪
化が生じる場合がある。
【0018】またこれらの現像液の補充量は、処理する
カラー写真感光材料にもよるが、一般に感光材料1平方
メートル当り1リットル以下であり、必要により補充液
中の臭化物イオン濃度を低減して300ml以下にする
こともできる。好ましくは30〜150ml/m2 であ
る。最も好ましくは、カラー現像液のオーバーフロー液
をゼロにするという観点で35〜80ml/m2 程度で
ある。補充量を低減する場合には処理槽の空気との接触
面積を小さくすることによって液の蒸発、空気酸化を防
止することが好ましい。また現像液中の臭化物イオンの
蓄積を抑える手段を用いることにより補充量を低減する
こともできる。カラー現像後の写真乳剤層は通常続いて
漂白能を有する浴により漂白処理される。漂白処理は定
着処理と同時に行われてもよいし(漂白定着処理)、個
別に行われてもよい。更に処理の迅速化を図るため、漂
白処理後漂白定着処理する処理方法でもよい。さらに二
槽の連続した漂白定着浴で処理すること、漂白定着処理
の前に定着処理すること、又は漂白定着処理後漂白処理
することも目的に応じ任意に実施できる。漂白剤として
は、フェリシアン化物、重クロム酸塩、過硫酸塩、鉄
(III )の有機錯塩等を用いることができるが、なかで
も、アミノポリカルボン酸鉄(III )錯体が最も好まし
い。好ましいアミノポリカルボン酸としては、例えばエ
チレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、
シクロヘキサンジアミン四酢酸、エチルイミノ二酢酸、
1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテル
ジアミン四酢酸、ニトリロ二酢酸モノプロピオン酸、エ
チレンジアミン−N,N−ジコハク酸、プロピレンジア
ミン−N,N′−ジコハク酸、等をあげることができ
る。これらのアミノポリカルボン酸鉄(III )錯体は、
必要に応じて2種以上併用してもよい。
【0019】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:米国特許第3,893,858号、西独特許第
1,290,812号、特公昭53−95,630号、
リサーチ・ディスクロージャーNo.17,129号
(1978年7月)などの記載メルカプト基または、ジ
スルフィド結合を有する化合物;特開昭50−140,
129号に記載のチアゾリジン誘導体;米国特許第3,
706,561号に記載のチオ尿素誘導体;特開昭58
−16,235号に記載の沃化物塩;西独特許第2,7
48,430号に記載のポリオキシエチレン化合物類;
特公昭45−8836号記載のポリアミン化合物;臭化
物イオン等が使用できる。なかでもメルカプト基または
ジスルフイド基を有する化合物が促進効果が大きい観点
で好ましく、特に米国特許第3,893,858号、西
独特許第1,290,812号、特開昭53−95,6
30号に記載の化合物が好ましい。更に、米国特許第
4,552,834号に記載の化合物も好ましい。これ
らの漂白促進剤は感材中に添加してもよい。撮影用のカ
ラー感光材料を漂白定着するときにこれらの漂白促進剤
は特に有効である。漂白能を有する浴の処理時間は迅速
化の目的で15秒〜60秒が好ましい。更に好ましくは
20秒〜50秒が好ましい。短かいと、脱銀不良が生
じ、長いと本発明の効果が十分に得られにくくなる。本
発明の定着能を有する浴とは、定着浴や漂白定着浴を主
に意味する。また、これらの浴の直後に位置する、少量
水洗(リンス浴)も、定着能を有すれば、本発明の技術
を適用することができる。これらの浴中には定着剤を含
有する。
【0020】定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸
塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物
塩等をあげることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般
的であり、特にチオ硫酸アンモニウムやチオ硫酸ナトリ
ウムが最も広範に使用できる。漂白定着液や定着液の保
恒剤としては、亜硫酸塩や重亜硫酸塩、ベンゼンスルフ
ィン酸類あるいはカルボニル重亜硫酸付加物が好まし
い。これらの定着能を有する浴のオーバーフロー液は、
前述した濃縮工程の後に、不足薬品を添加し(いわゆる
再生剤)、補充液として再利用される。添加する不足薬
品としては、漂白剤、定着剤、保恒剤、pH調整のため
の酸等である。漂白剤の添加量としては好ましくは1リ
ットルあたり0.01〜0.3モル、さらに好ましくは
0.02〜0.2モル程度である。定着剤の添加量とし
ては好ましくは0.01〜0.5モル、さらに好ましく
は0.02〜0.4モル/リットル程度である。保恒剤
の添加量は、好ましくは0.01〜0.4モル/リット
ル、さらに好ましくは0.04〜0.3モル/リットル
程度である。pH調整剤の酸としては、酢酸、クエン
酸、コハク酸、マロン酸、塩酸、硫酸、硝酸等をあげる
ことができ、アルカリでは、水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウム、アンモニア水等をあげることができる。補充
液のpHとしては3〜9、さらに好ましくは4〜8に調
整するのが好ましい。
【0021】本発明においては、漂白剤等の高価で環境
に好ましくない化合物を含有する漂白定着液に適用する
のが、最も好ましい態様といえる。本発明の定着能を有
する浴の補充量は感光材料1m2 当り、好ましくは30
〜1000ml、さらに好ましくは50〜500ml程
度である。本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には水
洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係は、Journal of the Society of Motion Picture a
nd Television Engineers 第64巻、P.248−25
3(1955年5月号)に記載の方法で、求めることが
できる。
【0022】前記文献に記載の多段向流方式によれば、
水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の
滞留時間の増加により、バクテリアが繁殖し、生成した
浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じる。本発明
のカラー感光材料の処理において、このような問題の解
決策として、特開昭62−288,838号に記載のカ
ルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる方法
を極めて有効に用いることができる。また、後述する防
バクテリア剤、防カビ剤を添加することができる。本発
明の感光材料の処理における水洗水のpHは、4−9で
あり、好ましくは5−8である。水洗水温、水洗時間
も、感光材料の特性、用途等で種々設定し得るが、本発
明では、15−45℃で10秒−2分、好ましくは25
−40℃で20秒−1分30秒の範囲を選択するのが好
ましい。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代り、
直接安定液によって処理することもできる。このような
安定化処理においては、特開昭57−8,543号、同
58−14,834号、同60−220,345号に記
載の公知の方法はすべて用いることができる。
【0023】水洗水や安定液には、処理後の感光材料の
乾燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活性剤を
含有することが好ましい。これらの界面活性剤として
は、ポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤、
多価アルコール型非イオン性界面活性剤、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩型アニオン性界面活性剤、高級アルコ
ール硫酸エステル塩型アニオン性界面活性剤、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩型アニオン性界面活性剤、4級
アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤、アミン塩型カ
チオン性界面活性剤、アミノ塩型両性界面活性剤、ベタ
イン型両性界面活性剤があるが、ノニオン性界面活性剤
を用いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエチレ
ンオキサイド付加物が好ましい。アルキルフェノールと
しては特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニルフェ
ノールが好ましく、またエチレンオキサイドの付加モル
数としては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効果の
高いシリコン系界面活性剤を用いることも好ましい。
【0024】また水洗水や安定液には、水アカの発生や
処理後の感光材料に発生するカビの防止のために、種々
の防バクテリア剤、防カビ剤を含有させることが好まし
い。これらの防バクテリア剤、防カビ剤の例としては特
開昭57−157244号及び同58−105145号
に示されるようなチアゾリルベンゾイミタゾール系化合
物、特開昭57−8542号に示されるようなイソチア
ゾロン系化合物、トリクロロフェノールに代表されるよ
うなクロロフェノール系化合物、ブロモフェノール系化
合物、有機スズや有機亜鉛化合物、酸アミド系化合物、
ダイアジンやトリアジン系化合物、チオ尿素系化合物、
ベンゾトリアゾール系化合物、アルキルグアニジン化合
物、ベンズアルコニウムクロライドに代表されるような
4級アンモニウム塩、ペニシリンに代表されるような抗
生物質等、ジャーナル・アンティバクテリア・アンド・
アンティファンガス・エイジェント(J. Antibact. Ant
ifung. Agents) vol 1. No.5, p.207 〜223(1983)に記
載の汎用の防バイ剤等が挙げられる。これらは2種以上
併用してもよい。また、特開昭48−83820号記載
の種々の殺菌剤も用いることができる。
【0025】また水洗水や安定液には、各種キレート剤
を含有させることが好ましい。好ましいキレート剤とし
ては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン
五酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン四
酢酸、ジエチレントリアミン−N,N,N′,N′−テ
トラメチレンホスホン酸などの有機ホスホン酸、あるい
は、欧州特許345172A1に記載の無水マレイン酸
ポリマーの加水分解物などをあげることができる。
【0026】また、安定液には色素画像を安定化させる
化合物、例えば、ホルマリン、ヘキサメチレンテトラミ
ン及びその誘導体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘
導体、ジメチロール尿素、N−メチロールピラゾールな
どのN−メチロール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含
まれる。これらの化合物の好ましい添加量は安定液1リ
ットルあたり0.001〜0.02モルであるが、安定
液中の遊離ホルムアルデヒド濃度は低い方がホルムアル
デヒドガスの飛散が少なくなるため好ましい。このよう
な点から色素画像安定化剤としては、ヘキサメチレンテ
トラミン、N−メチロールピラゾールなどの特願平3−
318644号記載のN−メチロールアゾール類、N,
N′−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピ
ペラジン等の特願平3−142708号記載のアゾリル
メチルアミン類が好ましい。また、その他必要に応じて
塩化アンモニウムや亜硫酸アンモニウム等のアンモニウ
ム化合物、Bi、Alなどの金属化合物、蛍光増白剤、
硬膜剤、米国特許4786583号に記載のアルカノー
ルアミンや、前記の定着液や漂白定着液に含有すること
ができる保恒剤を含有させることも好ましい。これらの
内、特開平1−231051号明細書に記載のスルフィ
ン酸化合物(例えば、ベンゼンスルフィン酸、トルエン
スルフィン酸、あるいはこれらのナトリウム、カリウム
等の塩)が好ましく、これらの添加量としては安定液1
リットルあたり1×10-5〜1×10-3モルが好まし
く、特に3×10-5〜5×10-4モルがより好ましい。
【0027】本発明における各種処理液は10℃〜50
℃において使用される。通常は33℃〜42℃の温度が
標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時間
を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理液
の安定性の改良を達成することができる。また、感光材
料の節銀のため西独特許第2,226,770号または
米国特許第3,674,499号に記載のコバルト補力
もしくは過酸化水素補力を用いた処理を行ってもよい。
各処理工程における補充量は少ない方が好ましい。補充
液量は感光材料の単位面積当りの前浴の持込み量に対し
て、0.1〜50倍が好ましく、さらに好ましくは3〜
30倍である。更に、本発明において黒白感光材料を現
像するときに用いる現像液については特開昭63−81
337号明細書第66頁第7行〜第68頁に記載されて
いる。
【0028】本発明の処理方法で処理することができる
ハロゲン化銀カラー写真感光材料としては、どのような
感光材料でもよく、いわゆるカラーネガフィルム、カラ
ーネガペーパー、カラー反転フィルム、カラー反転ペー
パー等のどのような感光材料でもよい。これらの感光材
料において使用されるハロゲン化銀乳剤やその他の素材
(添加剤など)および写真構成層(層配置など)、並び
にこの感材を処理するために適用される処理法や処理用
添加剤としては、下記の特許公報、特に欧州特許EP
0,355,660A2号(特許平1−107011
号)に記載されているものが好ましく用いられる。下記
特許公報における写真構成要素等の記載個所を一覧表と
して示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】本発明においては、上記写真構成要素のう
ち、シアンカプラーとしては下記一般式(I)のカプラ
ーを少なくとも一種含有するのが好ましい。特にメイン
カプラーとして用いることが好ましく、具体的には60
モル%以上用いるのが好ましい。すなわち定着能を有す
る浴が100%近くの再生率にて再生された場合には、
シアンのステインと復色不良が発生し易く、これらを防
止する意味において、下記一般式(I)のカプラーを使
用する方が好ましい。一般式(I)
【0035】
【化1】 (式中、Ra はアルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、アミノ基または複素環基を示す。Rb はアシルア
ミノ基または炭素数2以上のアルキル基を示す。Rc
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ
基を示す。またRc は、Rb と結合して環を形成しても
よい。Za は水素原子、ハロゲン原子または芳香族第1
級アミン発色現像主薬の酸化体との反応において脱離可
能な基を示す。)
【0036】以下一般式(I)の詳細を説明する。一般
式(I)において、Ra のアルキル基としては、好まし
くは炭素数1〜32のアルキル基であり、例えばメチル
基、ブチル基、トリデシル基、シクロヘキシル基、アリ
ル基などが挙げられ、アリール基としては例えば、フェ
ニル基、ナフチル基などが挙げられ、複素環基としては
例えば、2−ピリジル基などが挙げられる。Ra がアミ
ノ基の場合には、特に置換基を有してもよいフェニル置
換アミノ基が好ましい。
【0037】Ra は、さらにアルキル基、アリール基、
アルキルまたはアリールオキシ基(例えば、メトキシ
基、ドデシルオキシ基、メトキシエトキシ基、フェニル
オキシ基、2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ
基、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルオ
キシ基、ナフチルオキシ基など)、カルボキシ基、アル
キルまたはアリールカルボニル基(例えば、メトキシカ
ルボニル基、フェノキシカルボニル基など)、アシルオ
キシ基(例えば、アセチル基、ベンゾイルオキシ基な
ど)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファ
モイル基、N−オクタデシルスルファモイル基など)、
カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル基、
N−メチル−ドデシルカルバモイル基など)、スルホン
アミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼン
スルホンアミド基など)、アシルアミノ基(例えば、ア
セチルアミノ基、ベンズアミド基、エトキシカルボニル
アミノ基、フェニルアミノカルボニルアミノ基など)、
イミド基(例えば、サクシンイミド基、ダントイニル基
など)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基な
ど)、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲ
ン原子から選ばれた置換基で置換されていてもよい。
【0038】一般式(I)において、Za は、水素原
子、ハロゲン原子または芳香族第1級アミン発色現像主
薬の酸化体との反応において脱離可能な基を示す。ハロ
ゲン原子と前記脱離可能な基とを合わせて、カップリン
グ脱離基という。その例を示すと、ハロゲン原子(例え
ば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基
(例えば、ドデシルオキシ、メトキシカルバモイルメト
キシ、カルボキシプロピルオキシ、メチルスルホニルエ
トキシ)、アリールオキシ基(例えば、4−クロロフェ
ノキシ、4−メトキシフェノキシ)、アシルオキシ基
(例えば、アセトキシ、テトラデカノイルオキシ、ベン
ゾイルオキシ)、スルホニルオキシ基(例えば、メタン
スルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、アミ
ド基(例えば、ジクロロアセチルアミノ、メタンスルホ
ニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ)、アルコキシ
カルボニルオキシ基(例えば、エトキシカルボニルオキ
シ、ベンジルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキ
シカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニル
オキシ)、脂肪族もしくは芳香族チオ基(例えば、フェ
ニルチオ、テトラゾリルチオ)、イミド基(例えば、ス
クシンイミド、ヒダントイル)、N−複素環(例えば、
1−ピラゾリル、1−ベンツトリアゾリル)、芳香族ア
ゾ基(例えば、フェニルアゾ)がある。これらの脱離基
は写真的に有用な基を含んでいてもよい。
【0039】一般式(I)において、Rb は、アシルア
ミノ基または炭素数2以上のアルキル基(例えば、エチ
ル、プロピル、tert−ブチル)を示す。また、Rc
は、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子)、アルキル基(例えば、メチル、エ
チル、プロピル)またはアルコキシ基(例えば、メトキ
シ、エトキシ)を示す。なお、Rc はRb と結合して環
を形成してもよい。
【0040】次に、一般式(I)で表されるシアンカプ
ラーの具体例を挙げるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0041】
【化2】
【0042】
【化3】
【0043】
【化4】
【0044】
【化5】
【0045】
【化6】
【0046】
【化7】
【0047】上記一般式(I)で表されるシアンカプラ
ーは、特開昭59−166956号、特公昭49−11
572号などに記載の方法に基づいて合成することがで
きる。このシアンカプラーの含有量は特に限定的ではな
いが、好ましくは感光材料1m2 当たり1×10-6〜1
×10-2モル、より好ましくは1×10-5〜1×10-3
モルである。一般式(I)のシアンカプラー以外に、併
用可能なカプラーとしては、特開平2−33144号に
記載のジフェニルイミダゾール系シアンカプラーの他
に、欧州特許EP0,333,185A2号に記載の3
−ヒドロキシピリジン系シアンカプラー(なかでも具体
例として列挙されたカプラー(42)の4当量カプラー
に塩素離脱基をもたせて2当量化したものや、カプラー
(6)や(9)が特に好ましい)や特開昭64−322
60号に記載された環状活性メチレン系シアンカプラー
(なかでも具体例として列挙されたカプラー例3、8、
34が特に好ましい)の併用も可能である。
【0048】本発明に用いられるハロゲン化銀として
は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀
などを用いることができるが、特に本発明の目的には沃
化銀を実質的に含まない塩化銀含有率が90モル%以
上、さらには95%以上、特に98%以上の塩臭化銀ま
たは塩化銀乳剤の使用が脱銀性の点で好ましい。
【0049】また、本発明に係わる感光材料には、画像
のシャープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層
に、欧州特許EP0,337,490A2号の第27〜
76頁に記載の、処理により脱色可能な染料(なかでも
オキソノール系染料)を感光材料の680nmに於ける
光学反射濃度が0.70以上になるように添加したり、
支持体の耐水性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例
えばトリメチロールエタン)等で表面処理された酸化チ
タンを12重量%以上(より好ましくは14重量%以
上)含有させるのが好ましい。
【0050】また、本発明に係わる感光材料には、カプ
ラーと共に欧州特許EP0,277,589A2号に記
載のような色像保存性改良化合物を使用するのが好まし
い。特にピラゾロアゾールカプラーとの併用が好まし
い。すなわち、発色現像処理後に残存する芳香族アミン
系現像主薬と化学結合して、化学的に不活性でかつ実質
的に無色の化合物を生成する化合物(F)および/また
は発色現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現像主
薬の酸化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ実質
的に無色の化合物を生成する化合物(G)を同時または
単独に用いることが、例えば処理後の保存における膜中
残存発色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反応に
よる発色色素生成によるステイン発生その他の副作用を
防止する上で好ましい。また、本発明に係わる感光材料
には、親水性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる
各種の黴や細菌を防ぐだめに、特開昭63−27124
7号に記載のような防黴剤を添加するのが好ましい。
【0051】また、本発明に係わる感光材料に用いられ
る支持体としては、ディスプレイ用に白色ポリエステル
系支持体または白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層
を有する側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよ
い。更に鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション
層を支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側または裏面に塗
設するのが好ましい。特に反射光でも透過光でもディス
プレイが観賞できるように、支持体の透過濃度を0.3
5〜0.8の範囲に設定するのが好ましい。
【0052】本発明に係わる感光材料は可視光で露光さ
れても赤外光で露光されてもよい。露光方法としては低
照度露光でも高照度短時間露光でもよく、特に後者の場
合には一画素当りの露光時間が10-4秒より短いレーザ
ー走査露光方式が好ましい。また、露光に際して、米国
特許第4,880,726号に記載のバンド・ストップ
フィルターを用いるのが好ましい。これによって光混色
が取り除かれ、色再現性が著しく向上する。
【0053】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面にコロ
ナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムを含むゼラチン下塗層を設け、更に種々の写真
構成層を塗布して以下に示す層構成の多層カラー印画紙
Aを作製した。塗布液は以下の様にして調製した。
【0054】第五層塗布液調製 シアンカプラー(ExC)32.0g、色像安定剤(C
pd−2)3.0g、色像安定剤(Cpd−4)2.0
g、色像安定剤(Cpd−6)18.0g、色像安定剤
(Cpd−7)40.0gおよび色像安定剤(Cpd−
8)5.0gに、酢酸エチル50.0ccおよび溶媒(S
olv−6)14.0gを加え溶解し、この溶液をドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム8ccを含む20%ゼ
ラチン水溶液500ccに添加した後、超音波ホモジナイ
ザーにて乳化分散させて乳化分散物を調製した。一方、
塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.58μmの
大サイズ乳剤と0.45μmの小サイズ乳剤との1:4
混合物(Agモル比)。粒子サイズ分布の変動係数はそ
れぞれ0.09と0.11、各サイズ乳剤ともAgBr
0.6モル%を粒子表面の一部に局在含有させた)が調
製された。この乳剤には下記に示す赤感性増感色素Eが
銀1モル当たり大サイズ乳剤に対しては0.9×10-4
モル、また小サイズ乳剤に対しては1.1×10-4モル
添加されている。また、この乳剤の化学熟成は硫黄増感
剤と金増感剤が添加して行われた。前記の乳化分散物と
この赤感性塩臭化銀乳剤とを混合溶解し、以下に示す組
成となるように第五層塗布液を調製した。
【0055】第一層から第四層、第六層および第七層用
の塗布液も第五層塗布液と同様の方法で調製した。各層
のゼラチン硬化剤としては、1−オキシ−3,5−ジク
ロロ−s−トリアジンナトリウム塩を用いた。また、各
層にCpd−10とCpd−11をそれぞれ全量が2
5.0mg/m2と50.0mg/m2となるように添加した。
各感光性乳剤層の塩臭化銀乳剤には下記の分光増感色素
をそれぞれ用いた。 〔青感性乳剤層〕 増感色素A
【0056】
【化8】
【0057】および増感色素B
【0058】
【化9】
【0059】(ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳
剤に対しては各々2.0×10-4モル、また小サイズ乳
剤に対しては各々2.5×10-4モル) 〔緑感性乳剤層〕 増感色素C
【0060】
【化10】
【0061】(ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳
剤に対しては4.0×10-4モル、小サイズに対しては
5.6×10-4モル)および、増感色素D
【0062】
【化11】
【0063】(ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳
剤に対しては7.0×10-5モル、また小サイズ乳剤に
対しては1.0×10-5モル) 〔赤感性乳剤層〕 増感色素E
【0064】
【化12】
【0065】(ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳
剤に対しては0.9×10-4モル、また小サイズ乳剤に
対しては1.1×10-4モル)更に下記の化合物をハロ
ゲン化銀1モル当たり2.6×10-3モル添加した。
【0066】
【化13】
【0067】また、青感性乳剤層、緑感性乳剤層及び赤
感性乳剤層に対し、1−(5−メチルウレイドフェニ
ル)−5−メルカプトテトラゾールをそれぞれハロゲン
化銀1モル当たり8.5×10-5モル、7.7×10-4
モル、2.5×10-4モル添加した。また、青感性乳剤
層及び緑感性乳剤層に対し、4−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1,3,3a,7−テトラザインデンをそれぞれハ
ロゲン化銀1モル当たり、1×10-4モルと2×10-4
モル添加した。また、イラジエーション防止のために乳
剤層に下記の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加し
た。
【0068】
【化14】
【0069】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2 )を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換
算塗布量を表す。 支持体 ポリエチレンラミネート紙〔第一層側のポリエチレンに
白色顔料(TiO2 )と青味染料(群青)を含む〕
【0070】 第一層(青感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.88μmの大サイズ乳剤と、 0.70μmの小サイズ乳剤との3:7混合物(銀モル比)。粒子サイズ分 布の変動係数はそれぞれ0.08と0.10、各サイズ乳剤とも臭化銀 0.3%モルを粒子表面の一部に局在含有) 0.30 ゼラチン 1.86 イエローカプラー(ExY) 0.82 色像安定剤(Cpd−1) 0.19 溶媒(Solv−3) 0.18 溶媒(Solv−7) 0.18 色像安定剤(Cpd−7) 0.06
【0071】 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.99 混色防止剤(Cpd−5) 0.08 溶媒(Solv−1) 0.16 溶媒(Solv−4) 0.08
【0072】 第三層(緑感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.55μmの大サイズ乳剤と、 0.39μmの小サイズ乳剤との1:3混合物(Agモル比)。粒子サイズ 分布の変動係数はそれぞれ0.10と0.08、各サイズ乳剤ともAgBr 0.8モル%を粒子表面の一部に局在含有させた) 0.12 ゼラチン 1.24 マゼンタカプラー(ExM) 0.23 色像安定剤(Cpd−2) 0.03 色像安定剤(Cpd−3) 0.16 色像安定剤(Cpd−4) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.02 溶媒(Solv−2) 0.40
【0073】 第四層(紫外線吸収層) ゼラチン 1.58 紫外線吸収剤(UV−1) 0.47 混色防止剤(Cpd−5) 0.05 溶媒(Solv−5) 0.24
【0074】 第五層(赤感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.58μmの大サイズ乳剤と、 0.45μmの小サイズ乳剤との1:4混合物(Agモル比)。粒子サイズ 分布の変動係数は0.09と0.11、各サイズ乳剤ともAgBr0.6モ ル%を粒子表面の一部に局在含有させた) 0.23 ゼラチン 1.34 シアンカプラー(ExC) 0.32 色像安定剤(Cpd−2) 0.03 色像安定剤(Cpd−4) 0.02 色像安定剤(Cpd−6) 0.18 色像安定剤(Cpd−7) 0.40 色像安定剤(Cpd−8) 0.05 溶媒(Solv−6) 0.14
【0075】 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.53 紫外線吸収剤(UV−1) 0.16 混色防止剤(Cpd−5) 0.02 溶媒(Solv−5) 0.08 第七層(保護層) ゼラチン 1.33 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.17 流動パラフィン 0.33 上記の各層に使用した化合物の化学式等を以下に示す。
【0076】
【化15】
【0077】
【化16】
【0078】
【化17】
【0079】
【化18】
【0080】
【化19】
【0081】
【化20】
【0082】
【化21】
【0083】
【化22】
【0084】以上のようにして得られた感光材料を試料
1−Aとした。次にシアンカプラーExCを以下のよう
に変更して試料1−B、1−C、1−D、1−Eを作成
した。 試料1−B 下記シアンカプラー
【0085】
【化23】
【0086】試料1−C C−1 試料1−D C−2 試料1−E C−9 上記試料について処理のランニングテストを実施した。
ランニングテスト中は上記感光材料は、自動プリンター
FAP3500(富士写真フイルム社製)を用いて像様
露光し、以下の処理工程及び処理液を用いて連続処理
(ランニングテスト)を実施した。但し、漂白定着液の
組成は以下に示したように、3つの方法にてその各々に
ついてランニングテストを実施した。
【0087】 処理工程 温 度 時間 補充量 タンク容量 (秒) (ml/m2) (リットル) カラー現像 38.5 ℃ 45 60 17 漂白定着 30〜35℃ 30 218 17 リンス 30〜35℃ 20 − 8 リンス 30〜35℃ 20 − 8 リンス 30〜35℃ 20 − 8 リンス 30〜35℃ 30 160 8 リンスは→→→の4タンク向流方式とした。 各処理液の組成は以下の通り。
【0088】 〔カラー現像液〕 タンク液 補充液 水 800ml 800ml EDTA・2Na 3g 3g カテコール−3,5−ジスルホン酸ナトリウム 0.3g 0.3g トリエタノールアミン 8.0g 8.0g 臭化カリウム 0.03g ── 塩化ナトリウム 6.0g ── N,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキシルアミン 5.0g 8.0g 蛍光増白剤(WHITEX 4, 住友化学製) 1.0g 2.0g 亜硫酸ナトリウム 0.2g 0.2g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエ チル)3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 5.0g 12.0g 水を加えて 1000ml 1000ml pH(25℃) 10.05 11.15
【0089】〔リンス液〕(タンク液と補充液は同じ) イオン交換水(カルシウム、マグネシウムは各々3pp
m以下) 漂白定着液については、以下の3つの方法について各々
ランニングテストを実施した。
【0090】漂白定着処理A タンク液と補充液は同一処方にて、タンク液量の3倍補
充するまで、ランニングテストを実施; 〔漂白定着液A〕 水 600ml チオ硫酸アンモニウム(50重量%) 121ml 亜硫酸アンモニウム水溶液(50重量%) 34g EDTA Fe(III )NH4 60g EDTA・4H 3g 氷酢酸 7g 水を加えて 1000ml pH 5.3
【0091】処理定着処理B タンク液、補充液は前記漂白定着液Aを使用し、漂白定
着液のオーバーフロー液をため、タンク容量の2倍(3
4リットル)たまった時点で、4リットルを廃却し、残
り30リットルに下記薬品(再生剤A)を添加し、34
リットルとし、補充液として再利用した。(再生率88
%) 再生剤A(補充液1リットル得るのに必要な添加量) チオ硫酸アンモニウム(50重量%) 35ml 亜硫酸アンモニウム水溶液(50重量%) 40g EDTA Fe(III )NH4 15g 氷酢酸 15g 上記再生操作を20回くり返した。
【0092】処理定着処理C ランニングテストスタート時のタンク液、補充液は、前
記漂白定着液Aを使用し、漂白定着液のオーバーフロー
液をため、タンク容量の2倍(34リットル)たまった
時点で、LED社製、WEST−E150を用いて20
〜100mmHgにて減圧蒸発し、30リットルになる
ように濃縮した。(濃縮率1.13倍)得られた濃縮液
に、下記薬品(再生剤B)を添加し、34リットルと
し、補充液として再利用した。(再生率100%) 再生剤B(補充液1リットル得るのに必要な添加量) チオ硫酸アンモニウム(50重量%) 18ml 亜硫酸アンモニウム水溶液(50重量%) 30g EDTA Fe(III )NH4 9g 氷酢酸 10g 上記再生操作を20回くり返した。
【0093】上記3つの漂白定着処理における廃液量
(単位面積あたり)を表6に示した。また、写真特性を
確認するために、前記試料1−A〜1−Eの各々につい
て、上記3種のランニング液における、脱銀性、復色
性、シアンステインを評価し結果を表6に示した。
【0094】
【表6】
【0095】脱銀性を評価するため、処理済感光材料の
最大濃度部を蛍光X線にて残留銀量を測定した。また、
復色不良を評価するため、処理済感光材料を測定後、下
記組成の漂白液(ただし、富士写真フィルム製CN−1
6N2 でもよい。)に25℃4分浸漬し再度濃度測定
し、シアン濃度が2.0になった点の再処理前の濃度を
発色率で示した。
【0096】 (漂白液) Sequestrene NaFe(Ciba-Geigy) EDTA NaFe 100g 臭化カリウム 50g アンモニア 20% 6ml 水を加えて総量 1000ml pH 5.9〜6.1
【0097】
【数3】
【0098】またシアンステインは、未露光部の最小濃
度を、マクベス濃度計にて測定した。結果を表6に示し
た。本発明により漂白定着液のオーバーフロー液のゼロ
ディスチャージが達成され、その性能も非再処理である
漂白定着液Aと大差ない。特に一般式(I)で示される
シアンカプラーを用いた試料1−C、1−D、1−Eに
おいては、シアンステインの上昇もなく、非常に良好な
結果が得られた。また、漂白定着処理Cにおいては、添
加薬品量(再生剤)も著しく低減され、ランニングコス
トも大幅に低減できる。
【0099】実施例2 LED社の濃縮装置のかわりに、下記の3つの濃縮装置
を用いた以外は、実施例1の漂白定着処理Cと全く同様
にして、テストを実施した。 漂白定着処理D:特開昭63−19655号第2図記載
の加熱蒸発濃縮装置使用 漂白定着処理E:特開昭63−200882号第1図記
載の常温常圧濃縮装置使用 漂白定着処理F:CALFRAN社製 MPTU−10
(減圧濃縮装置) 上記各々のランニング液について、試料1−Cを処理し
た結果を表7に示した。いずれも、ゼロディスチャージ
を達成しつつ、優れた写真特性を得ることができるが、
特に、C及びFの減圧濃縮装置を用いた方法が、脱銀性
能やシアンステインの増加の点で最も優れた写真特性を
得ることができた。
【0100】
【表7】
【0101】実施例3 実施例1、漂白定着処理Cにおいて、オーバーフロー液
をストックする段階で、特公昭57−16345号記載
の第1図及び第2図に示された、電解銀回収装置を用
い、銀濃度を2〜4g/リットルに低減する操作を加え
た以外は、同様にしてランニングテストを実施したとこ
ろ(漂白定着処理G)、同様に優れた写真特性を得るこ
とができた。
【0102】実施例4 カラーネガとして使用するハロゲン化銀カラー感光材料
の処理の例を示す。本実施例に使用した感光材料におけ
る乳剤の調製方法の一例を以下に示す。 (1液)ゼラチン 30g NaCl 12g 水 1000cc (2液)AgNO3 20g NH4 NO3 0.5g 水を加えて 300cc (3液)KI 1.17g NaCl 9.49g 水を加えて 300cc (4液)AgNO3 80g NH4 NO3 1g 水を加えて 600cc (5液)KI 2.35g NaCl 39.97g 水を加えて 600g
【0103】乳剤調製の例を沃塩化銀乳剤A−1につい
て以下に示す。
【0104】(A−1)乳剤 (1液)を55℃に保持し、化合物Aを1.5g添加
し、(2液)と(3液)は5分間かけて同時に同量添加
した。次に(4液)と(5液)を30分間で、初期の添
加量に対して最終の添加量が2倍になるような加速添加
で同時に同量添加して沃塩化銀乳剤を得た。乳剤の粒子
形成中は反応槽のpHを一定に保持するために稀硫酸で
制御しながら加えた。また、(4液)と(5液)を30
分間で添加するときに、後半の10分間は分光増感色素
ExS−6をハロゲン化銀1モル当たり0.018モル
量になるようメタノール320ccで調製した溶液を一定
速度で添加した。添加終了2分後に温度を下げて脱塩し
た。分散用ゼラチン水溶液を加え、pHを6.4、pA
gを7.5に調整した。得られた沃塩化銀乳剤の粒子は
平板状であり、平均アスペクト比は7、平均粒子径、平
均粒子厚はそれぞれ1.35、0.18μmであった。
この乳剤に化合物Bをハロゲン化銀1モル当り、12mg
を添加し、58℃でジフェニルチオ尿素、塩化金酸、チ
オシアン化カリウムをそれぞれハロゲン化銀1モル当り
5×10-6モル、3.7×10-5モル、4×10-3モル
添加し、最適の化学増感を施した。この後活性炭処理を
行ない、ミクロフィルターで濾過した。さらに安定剤と
して4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデンおよび1−(3−メチルカルバモイル
アミノフェニル)−2−メルカプトテトラゾールを添加
して(A−1)乳剤とした。
【0105】
【化24】
【0106】上記で調製した乳剤において最適の化学増
感を施すとは、化学増感後、1/100秒の露光を与え
て一定の処理条件で処理を行って得られる感度が最も高
くなるような化学増感をいう。
【0107】以上のようにして調製したこれら各種乳剤
を使用し、下塗りを施したポリエチレンテレフタレート
支持体上に、下記に示すような組成の各層よりなる多層
ハロゲン化銀カラー写真感光材料101を作製した。 (感光層の組成)塗布量はハロゲン化銀およびコロイド
銀については銀のg/m2 単位で表した量を、またカプ
ラー、添加剤およびゼラチンについてはg/m2 単位で
表した量を、また増感色素については同一層内のハロゲ
ン化銀1モルあたりのモル数で示した。なお、添加物を
示す記号は下記に示す意味を有する。ただし、複数の効
用を有する場合はそのうちの一つを代表して載せた。U
V;紫外線吸収剤、Solv;高沸点有機溶剤、Ex
S;増感色素、ExC;シアンカプラー、ExM;マゼ
ンタカプラー、ExY;イエローカプラー、Cpd;添
加剤
【0108】 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 0.18 ゼラチン 1.02 UV−1 4.4×10-2 UV−2 8.8×10-2 UV−3 10.0×10-2 Solv−2 0.10 第2層(中間層) ゼラチン 1.21
【0109】 第3層(低感度赤感乳剤層) 沃塩化銀乳剤(AgI 0.5モル%、コアシェル比1:2の内部高AgI 型、 球相当径0.45μm、球相当径の変動係数15%、立方体粒子) 塗布銀量 0.50 沃塩化銀乳剤(AgI 1モル%、コアシェル比1:2の内部高AgI型、 球相当径0.62μm、球相当径の変動係数12%、板状粒子、 直径/厚み比2.0) 塗布銀量 0.40 ゼラチン 3.20 ExS−1 5.16×10-3 ExS−2 2.84×10-3 ExS−7 3.80×10-4 ExS−3 4.6×10-4 ExC−1 0.84 ExC−2 3.6×10-2 ExC−3 5.0×10-2 Solv−1 0.38 Solv−2 0.76
【0110】 第4層(高感度赤感乳剤層) 沃塩化銀乳剤(AgI 5.0モル%、コアシェル比1:2の内部高AgI 型、 球相当径1.00μm、球相当径の変動係数25%、板状粒子、 直径/厚み比6.0) 塗布銀量 0.45 ゼラチン 0.69 ExS−1 0.13×10-3 ExS−2 0.70×10-3 ExS−7 0.92×10-4 ExS−3 0.12×10-4 ExC−1 2.90×10-2 ExC−3 6.20×10-2 ExC−4 6.60×10-2 Solv−1 0.18
【0111】 第5層(中間層) ゼラチン 0.52 Cpd−8 3.20×10-2 ポリエチルアクリレートラテックス 0.24 Solv−1 5.0×10-2 Solv−2 2.1×10-2
【0112】 第6層(低感度緑感乳剤層) 沃塩化銀乳剤(AgI 6.0モル%、コアシェル比1:2の内部高AgI 型、 球相当径0.60μm、球相当径の変動係数25%、板状粒子、 直径/厚み比7.0) 塗布銀量 0.50 ゼラチン 1.00 ExS−5 2.21×10-3 ExS−4 2.19×10-3 ExS−8 2.32×10-3 ExM−5 0.48 ExM−10 3.1×10-2 ExM−6 0.15 ExM−7 2.0×10-2 Solv−1 0.40
【0113】 第7層(高感度緑感乳剤層) 沃塩化銀乳剤(AgI 1.0モル%、球相当径0.93μm、 球相当径の変動係数43%、板状粒子、直径/厚み比3.0) 塗布銀量 0.40 ゼラチン 0.70 ExS−5 1.06×10-3 ExS−4 1.05×10-3 ExS−8 1.11×10-3 ExM−13 0.5×10-2 ExM−14 0.9×10-2 ExM−15 1.7×10-2 ExM−6 2.4×10-2 Cpd−8 1.4×10-2 Solv−1 0.21 Solv−2 3.0×10-2
【0114】 第8層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 0.10 ゼラチン 0.63 Cpd−8 0.13 Solv−1 0.21 Solv−2 8.6×10-2 ポリエチルアクリレートラテックス 0.31
【0115】 第9層(低感度青感乳剤層) 沃塩化銀乳剤(AgO 0.8モル%、コアシェル比1:2の内部高AgI 型、 球相当径0.98μm、球相当径の変動係数43%、板状粒子、 直径/厚み比3.0) 塗布銀量 0.20 ゼラチン 0.95 ExS−6 2.0×10-4 ExY−11 0.97 ExY−12 6.9×10-2 Cpd−8 1.2×10-2 Solv−1 0.32
【0116】 第10層(中間層) ゼラチン 0.30 ExY−12 0.15 Solv−1 0.26 第11層(高感度青感乳剤層) 沃塩化銀乳剤(A−1) 塗布銀量 0.60 ゼラチン 1.05 ExS−6 1.0×10-4 ExY−11 0.23 Cpd−8 2.7×10-3 Solv−1 7.7×10-2 ポリエチルアクリレートラテックス 0.48
【0117】 第12層(中間層) 微粒子沃臭化銀乳剤(AgI 1.0モル%、均一AgI型、 球相当径0.07μm) 塗布銀量 0.26 ゼラチン 0.40 UV−4 0.11 UV−5 0.17 Solv−5 1.9×10-2 ポリエチルアクリレートラテックス 8.7×10-2
【0118】 第13層(保護層) ゼラチン 0.25 B−1(直径1.5μm) 3.0×10-2 B−2(直径1.5μm) 3.6×10-2 B−3 1.8×10-2 W−4 1.8×10-2 Cpd−5 0.20 H−1 0.24
【0119】こうして作成した試料には、上記の他に、
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(ゼラチンに
対して平均200ppm)、n−ブチル−p−ヒドロキ
シベンゾエート(同約1,000ppm)、および2−
フェノキシエタノール(同約10,000ppm)が添
加された。さらにB−4、B−5、F−1、F−2、F
−3、F−4、F−5、F−6、F−7、F−8、F−
9、F−10、F−11、F−12、F−13および鉄
塩、鉛塩、金塩、白金塩、イリジウム塩、ロジウム塩が
含有されている。各層には上記の成分の他に、界面活性
剤W−1、W−2、W−3を塗布助剤や乳化分散剤とし
て添加した。以下に、使用した化合物等を示す。
【0120】
【化25】
【0121】
【化26】
【0122】
【化27】
【0123】
【化28】
【0124】
【化29】
【0125】
【化30】
【0126】
【化31】
【0127】
【化32】
【0128】
【化33】
【0129】
【化34】
【0130】
【化35】
【0131】
【化36】
【0132】試料101の乾燥膜厚は15μmであり、
膨潤速度T1/2は8秒であった。また、塗布銀量の合
計は3.69g/m2 であった。更に試料101のシア
ンカプラーExC−1を等モルの以下に示すカプラーに
変更して試料102〜104を作成した。 試料102
【0133】
【化37】
【0134】試料103 C−20 試料104 C−26 試料101を35mm巾に裁断しカメラで撮影したもの
を以下に示したように定着液の組成を変えてそれぞれに
ついて処理を行った。(ランニング処理)尚、各処理は
富士写真フイルム社製自動現像機FP−560Bの改造
機を用いて以下により行なった。
【0135】処理工程及び処理液組成を以下に示す。 (処理工程) 工 程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 カラー現像 3分 5秒 38.0℃ 23ミリリットル 17リットル 漂 白 60秒 38.0℃ 5ミリリットル 5リットル 定 着(1) 60秒 38.0℃ − 5リットル 定 着(2) 60秒 38.0℃ 8ミリリットル 5リットル 水 洗 20秒 38.0℃ 34ミリリットル 3.5リットル 安 定(1) 15秒 38.0℃ − 3リットル 安 定(2) 15秒 38.0℃ 20ミリリットル 3リットル 乾 燥 1分00秒 60℃ *補充量は感光材料35mm巾1.1m当たり(24Ex.1本相当) 安定液は(2)から(1)への向流方式であり、定着液
は(2)から(1)への向流方式である。尚、現像液の
漂白工程への持ち込み量、漂白液の定着工程への持ち込
み量、及び定着液の水洗工程への持ち込み量は感光材料
35mm巾1.1m当たりそれぞれ2.5ミリリットル、2.
0ミリリットル、2.0ミリリットル、2.0ミリリットルであった。ま
た、クロスオーバーの時間はいずれも6秒であり、この
時間は前工程の処理時間に包含される。
【0136】以下に処理液の組成を示す。 (カラー現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 2.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0 2.0 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.1 炭酸カリウム 37.5 39.0 臭化カリウム 1.4 0.4 沃化カリウム 1.3mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−[N−エチル−N−(β−ヒドロキシルエチル) アミノ]アニリン硫酸塩 4.5 6.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.15 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 化合物鉄(3価)錯体・アンモニウム塩 0.35モル 0.50モル 臭化アンモニウム 70 105 硝酸アンモニウム 14 21 ヒドロキシ酢酸 50 75 酢酸 40 60 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(アンモニア水で調整) 4.0 4.0
【0137】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハースト社製アンバーライトIR
−120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同
アンバーライトIR−400)を充填した混床式カラム
に通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3
mg/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌ
ール酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム
150mg/リットルを添加した。この液のpHは6.
5〜7.5の範囲にあった。
【0138】 (安定液) タンク液、補充液共通 単位(g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0リットル pH 8.5 定着工程は以下の3つの処理方法にて、その各々につい
てランニングテストを実施した。
【0139】定着処理A 以下のタンク液、補充液を用い、タンク容量の3倍補充
するまで連続処理を実施した。 〔定着液A〕 タンク液 補充液 チオ硫酸アンモニウム(50重量%) 290ml 300ml 亜硫酸アンモニウム 20g 23g EDTA・2Na・2H2 O 0.6g 0.7g 酢酸(90%) 3.6g 4.0g 水を加えて 1000ml 1000ml pH 7.00 6.95
【0140】定着処理B ランニングテストスタート時のタンク液と補充液は前記
漂白定着処理Aと同様の定着液を用いた。オーバーフロ
ー液はストックし、本ストックタンクにて、実施例3と
同様の電解銀回収装置を用いて銀イオン濃度を1〜3g
/リットルにコントロールした。オーバーフロー液が2
0リットルたまった時点で1.5リットルを廃却し、残
り18.5リットルに対し下記再生剤Cを添加し、20
リットルとして、補充液として再利用した。(再生率9
2.5%) 再生剤C(補充液1リットル得るのに必要な添加量) チオ硫酸アンモニウム(50重量%) 60ml 亜硫酸アンモニウム水溶液 20g EDTA・2Na・2H2 O 1.0g 酢酸 1.0g 上記再生の操作を20回くり返した。
【0141】定着処理C ランニングテストのスタート時におけるタンク液と補充
液は、前記定着処理液Aと同じ処方で行った。定着液の
オーバーフロー液をため、定着処理Bを同様に電解銀回
収を実施しながら20リットルため、その後LED社
製、WEST−E150を用いて、18.5リットルに
なるように減圧濃縮を行った。(濃縮率1.08倍) 得られた濃縮液に下記薬品(再生剤D)を添加し、20
リットルとし、補充液として再利用した(再生率100
%)。 再生剤D(補充液1リットル得るのに必要な添加量) チオ硫酸アンモニウム(50重量%) 40ml 亜硫酸アンモニウム 18g EDTA・2Na・2H2 O 0.7g 酢酸 0.7g 上記再生操作を20回くり返した。
【0142】以上得られた3つのランニング液に対し
て、実施例1と同様に、試料101、102、103、
104における残留銀量、シアン発色率及びシアンステ
インを評価し結果を表8に示した。
【0143】
【表8】
【0144】本発明によれば、定着液のオーバーフロー
液のゼロディスチャージが達成され、その性能も非再生
処理である定着処理Aと大差ない。特に一般式(I)で
示されるシアンカプラーを含有する試料103及び10
4においては、シアンステインの上昇はなく、非常に良
好な結果が得られた。また、定着処理Cにおいては、添
加薬品量も低減され、ランニングコストも低下した。
【0145】
【発明の効果】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材
料の処理方法は、定着能を有する処理液のオーバーフロ
ー液を再生処理後、補充液として再使用することがで
き、廃液が実質的に生じず、かつ、ランニングコストが
低減されるという優れた作用効果を奏する。さらに、前
記再生処理による補充液を使用するにもかかわらず、安
定した写真特性が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー現像の後に定着能を有する処理液
    にて処理し、その後、水洗又は安定化処理するに当り、
    前記定着能を有する処理液のオーバーフロー液をストッ
    クし濃縮処理後、再生処理し、補充液として再利用する
    ことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処
    理方法。
  2. 【請求項2】 上記定着能を有する処理液が、漂白定着
    液であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀
    カラー写真感光材料の処理方法。
  3. 【請求項3】 該ハロゲン化銀カラー写真感光材料が、
    少なくとも一層に塩化銀を80モル%以上含有する高塩
    化銀乳剤を含有することを特徴とする請求項2記載のハ
    ロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
  4. 【請求項4】 オーバーフロー液の95%以上が再生、
    再利用されることを特徴とする請求項1記載のハロゲン
    化銀カラー写真感光材料の処理方法。
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