JPH06107106A - 自動車用装備品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 インストルメントパネル１には、助手席用エ
アバッグユニット６の取り付け位置との対応部位に、開
口部１ａが形成され、この開口部１ａの内方に、エアバ
ッグユニット６の収納と小物の収納とを選択して使用可
能な収納ケース３が設けられている。この収納ケース３
にはエアバッグユニット６に対する位置決め部であるエ
アバッグ取付け凹部３ａが形成されている。 【効果】 助手席用エアバッグ装備車に使用される場合
とエアバッグ非装備車に使用される場合との何れの場合
にも適応可能であり、低コストで助手席用エアバッグ非
装備車の機能を拡大できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両のインストルメン
トパネル内方におけるエアバッグユニットの取り付け位
置に設けられる自動車用装備品に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、車両には、車両前方からの衝突時
における乗員の安全を確保するものとてして、エアバッ
グ装置が備えられつつある。このエアバッグ装置のうち
助手席用のものは、特開平４−５５１４６号公報に開示
されているように、エアバッグユニットがインストルメ
ントパネルの内方に設けられている。従って、インスト
ルメントパネルには、エアバッグ本体を助手席方向へ展
開させるための開口部が形成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、現在におい
て上記のエアバッグ装置の装備の有無は、例えば車種に
よっては購入者が任意に選択できるようになっている。
従って、同一車種の自動車であっても、インストルメン
トパネルにおいてはエアバッグ装置用の開口部が必要な
ものと不要なものとが生じる。そこで、例えば上記の開
口部を有するインストルメントパネルと開口部の無いイ
ンストルメントパネルとを揃えると、インストルメント
パネルの種類が多くなってコストアップを招来する。一
方、インストルメントパネルに、エアバッグ装備車用お
よびエアバッグ非装備車用とにかかわらず、予め、上記
の開口部を形成しておくと、エアバッグ装置が装備され
ない場合に、上記の開口部が不適合となり、これを塞ぐ
ためのみにリッドを設けなければならない事態となる。
従って、インストルメントパネルにおける助手席用のエ
アバッグ装備車用およびエアバッグ非装備車用との何れ
にも適応可能な構造の開発が望まれている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明の自動車
用装備品は、上記の課題を解決するために、インストル
メントパネルには、インストルメントパネル内方の助手
席用エアバッグユニットの取り付け位置との対応部位
に、エアバッグユニット作動用の開口部が形成され、こ
の開口部の内方に、エアバッグユニットの収納と小物の
収納とを選択して使用可能な収納ケースが設けられ、こ
の収納ケースにはエアバッグユニットに対する位置決め
部が形成されていることを特徴としている。

【０００５】請求項２の発明の自動車用装備品は、上記
の課題を解決するために、請求項１に記載の自動車用装
備品において、上記の開口部は、インストルメントパネ
ルに開閉自在に設けられたリッドにて覆われていること
を特徴としている。

【０００６】請求項３の発明の自動車用装備品は、上記
の課題を解決するために、請求項１に記載の自動車用装
備品において、上記の開口部は、エアバッグユニットの
作動時には開放可能であるように、閉成状態を保持して
インストルメントパネルに設けられたリッドにて覆われ
ていることを特徴としている。

【０００７】

【作用】請求項１の構成によれば、助手席用エアバッグ
装備車の場合には、収納ケース内にエアバッグユニット
を位置決め部にて所定の位置に位置決めして収納するこ
とができる。一方、助手席用エアバッグ非装備車の場合
には、収納ケースを小物の収納部として使用することが
できる。従って、本自動車用装備品は、助手席用エアバ
ッグ装備車に使用される場合とエアバッグ非装備車に使
用される場合との何れの場合にも適応可能であり、それ
ぞれの場合において、インストルメントパネルの開口部
および収納ケースを有効に使用することができる。

【０００８】請求項２の構成によれば、請求項１に記載
の自動車用装備品において、上記の開口部は、インスト
ルメントパネルに開閉自在に設けられたリッドにて覆わ
れているので、収納ケースを小物の収納部として使用す
る場合に、適宜、開口部の開閉が可能である。

【０００９】請求項３の構成によれば、請求項１に記載
の自動車用装備品において、上記の開口部は、エアバッ
グユニットの作動時には開放可能であるように、閉成状
態を保持してインストルメントパネルに設けられたリッ
ドにて覆われているので、収納ケースにエアバッグユニ
ットを収納する場合、エアバッグユニットの非作動時に
は開口部の閉成状態が保持され、エアバッグユニットの
作動時には開口部が開放される。

【００１０】

【実施例】本発明の一実施例を図１ないし図６に基づい
て以下に説明する。

【００１１】自動車には、車室の前部に図２に示すイン
ストルメントパネル１が設けられている。このインスト
ルメントパネル１の同図における右側である助手席側に
は、インストルメントパネル１の内方における後述のエ
アバッグユニット６の取り付け位置に対応する部位に、
開口部１ａが形成され、この開口部１ａには、これを塞
ぐリッド２が設けられている。

【００１２】上記の開口部１ａにおけるインストルメン
トパネル１の内方には、図１の（ａ）に示すように、開
口部１ａ側に開口する箱状の収納ケース３が設けられて
いる。この収納ケース３の底壁部には、同図の（ｂ）に
も示す位置決め部としての溝状のエアバッグ取付け凹部
３ａが形成されている。このエアバッグ取付け凹部３ａ
は、上記の開口部１ａから車体前方向の所定位置まで延
びており、車幅方向に各々平行に２条並んで形成されて
いる。

【００１３】収納ケース３の下方では、ステアリング支
持メンバ４が車幅方向に延びており、このステアリング
支持メンバ４における収納ケース３のエアバッグ取付け
凹部３ａ・３ａとの対応部位には、それぞれ支持ブラケ
ット５が締結面を斜め上向きにして溶接されている。

【００１４】上記の支持ブラケット５には、収納ケース
３内にエアバッグユニット６が収納される場合、即ち収
納ケース３がエアバッグユニット６の収納ケースとして
使用される場合、収納ケース３のエアバッグ取付け凹部
３ａと、このエアバッグ取付け凹部３ａに配されたエア
バッグユニット６の取付けブラケット７とが、ボルト８
およびナット９により締結される。従って、この場合に
は、収納ケース３およびエアバッグユニット６がステア
リング支持メンバ４にて支持される。一方、図３の
（ａ）に示すように、収納ケース３にエアバッグユニッ
ト６が収納されない場合、即ち収納ケース３が小物入れ
として使用される場合、上記の支持ブラケット５には、
収納ケース３のエアバッグ取付け凹部３ａと、このエア
バッグ取付け凹部３ａを塞ぐ同図の（ｂ）にも示す蓋部
材１０とが、ねじ１１により締結される。従って、この
場合には、収納ケース３がステアリング支持メンバ４に
て支持される。

【００１５】上記のリッド２は、その両側部において、
図１の（ａ）に示すように、ヒンジ１２の一方の部分で
あるほぼＬ字形の連結部１２ａに取り付けられ、ヒンジ
１２の他方の部分である取付け部１２ｂがねじ１３によ
ってインストルメントパネル１における開口部１ａの上
縁部に取り付けられることにより、開口部１ａに対して
開閉自在となっている。上記の連結部１２ａは、図示し
ない捩じりばねによってリッド２の開放方向へ付勢され
ている。また、リッド２の裏面の中央部における下部に
は、リッド２を閉成状態でロックするためのストライカ
１４が設けられている。

【００１６】上記のストライカ１４に対応して、図４な
いし図６に示すロック装置１５が備えられている。この
ロック装置１５は、収納ケース３における、リッド２を
閉成したときのストライカ１４との対応部位に設けられ
たロックユニット１６と、図２に示すように、インスト
ルメントパネル１におけるリッド２の側方部位に設けら
れた操作ユニット１７と、これら両者を接続するワイヤ
１８とからなる。

【００１７】ロックユニット１６は、図６に示すよう
に、ほぼＵ字形をなすストライカ受け部材１９を備えて
いる。このストライカ受け部材１９は、両分岐部１９ａ
・１９ａ間でストライカ１４を保持するものであり、支
軸２０によって枠体２１に回転自在に取り付けられてい
る。さらに、ストライカ受け部材１９は、両分岐部１９
ａ・１９ａ間でストライカ１４を受けることができる二
点鎖線で示す位置に回転するように、捩じりばね２２に
よって付勢されている。また、ストライカ受け部材１９
にはロック係合部１９ｂが形成され、このロック係合部
１９ｂには、分岐部１９ａ・１９ａ間にストライカ１４
が配された状態において、ストライカ受け部材１９方向
へ進出した係合部材２３が係合するようになっている。
この係合状態によってストライカ受け部材１９の回転が
阻止され、リッド２のロック状態となる。また、上記の
係合部材２３は、後述する操作ユニット１７側の図示し
ないばねによって、ストライカ受け部材１９方向へ進出
するように付勢されている。

【００１８】操作ユニット１７は、図４に示すように、
操作ボタン２４、キーシリンダ２５および摺動部材２６
を備えている。摺動部材２６は、上記の係合部材２３と
ワイヤ１８によって連結されており、ワイヤ１８との連
結方向ヘ摺動自在に設けられている。また、摺動部材２
６は、図示しないばねによってワイヤ１８との連結方向
へ付勢され、これによって上記のように、係合部材２３
がストライカ受け部材１９方向へ付勢されている。さら
に、摺動部材２６には、図５に示すように、駆動係合部
２６ａが形成されている。操作ボタン２４は、図示しな
いばねに付勢され、押し操作によって退行し、その解除
によって進出するようになっている。操作ボタン２４の
後部には、摺動部材駆動部２４ａが突出しており、この
摺動部材駆動部２４ａに形成された斜面２４ｂが摺動部
材２６の駆動係合部２６ａと係合し、操作ボタン２４が
押されたときに、摺動部材２６がワイヤ１８を引っ張る
方向へ移動するようになっている。この動作により、上
記の係合部材２３がロック解除方向へ移動する。また、
キーシリンダ２５はキーよる回転操作により、操作ボタ
ン２４の移動を阻止するためのものである。

【００１９】また、操作ユニット１７は、エアバッグユ
ニット６の起爆信号に基づいて摺動部材２６を係合部材
２３によるロック解除方向へ移動させる図示しないソレ
ノイドを備えている。

【００２０】上記の構成において、インストルメントパ
ネル１が助手席用のエアバッグ装備車に使用される場合
には、図１に示すように、収納ケース３内にエアバッグ
ユニット６が装着される。このとき、エアバッグユニッ
ト６は、その下面に設けられた取付けブラケット７が収
納ケース３のエアバッグ取付け凹部３ａに配されること
により、車幅方向に位置決めされるとともに、取付けブ
ラケット７の車体前方向側の端部が、エアバッグ取付け
凹部３ａにおける車体前方向側の端部と当接することに
より、車体前後方向に位置決めされる。そして、エアバ
ッグユニット６は、ボルト８およびナット９により収納
ケース３とともに支持ブラケット５に締結されることに
より、ステアリング支持メンバ４により支持される。

【００２１】このとき、リッド２は、通常時、ロック状
態に保持される。即ち、ロック装置１５におけるロック
ユニット１６のストライカ受け部材１９によってストラ
イカ１４が保持され、ストライカ受け部材１９のロック
係合部１９ｂに係合部材２３が係合してストライカ受け
部材１９の回転が阻止される。さらに、操作ユニット１
７の操作ボタン２４がキーシリンダ２５によって移動を
阻止される。従って、ロックユニット１６側のロック解
除動作は、起爆信号に基づく操作ユニット１７側の図示
しないソレノイドの作動のみによって可能となる。

【００２２】尚、上記のように、インストルメントパネ
ル１が助手席用のエアバッグ装備車に使用される場合に
は、操作ユニット１７の操作ボタン２４およびキーシリ
ンダ２５を削除してもよい。この場合、操作ユニット１
７の取り付け位置はインストルメントパネル１の内方で
あってもよい。さらに、ロック装置１５およびストライ
カ１４に代えて、リッド２を、エアバッグユニット６の
エアバッグ本体の展開動作によって開放可能な閉成状態
に保持する他の構造としてもよい。

【００２３】また、インストルメントパネル１が助手席
用のエアバッグ非装備車に使用される場合、収納ケース
３は小物ケースとして使用される。このとき、図３に示
すように、収納ケース３のエアバッグ取付け凹部３ａが
蓋部材１０によって覆われる。これにより、収納ケース
３の底壁上面における凹凸が無くされる。そして、収納
ケース３は、ねじ１１にて蓋部材１０とともに支持ブラ
ケット５に締結されることにより、ステアリング支持メ
ンバ４により支持される。

【００２４】このとき、リッド２が閉成されると、スト
ライカ１４がストライカ受け部材１９によって保持さ
れ、このストライカ受け部材１９のロック係合部１９ｂ
に、進出した係合部材２３が係合することにより、スト
ライカ受け部材１９の回転が阻止され、リッド２のロッ
ク状態となる。この状態において、操作ボタン２４が押
されると、摺動部材駆動部２４ａの斜面２４ｂによって
摺動部材２６、即ち係合部材２３が引っ張られ、係合部
材２３とロック係合部１９ｂとの係合が解除される。こ
れによってストライカ受け部材１９が回転可能となり、
捩じりばね２２のばね力によってストライカ受け部材１
９が回転し、ストライカ１４がストライカ受け部材１９
から解放される。これにより、リッド２がヒンジ１２側
に設けられた図示しないばねのばね力により開放され
る。

【００２５】以上のように、本実施例の構成によれば、
インストルメントパネル１が助手席用のエアバッグ装備
車に使用される場合とエアバッグ非装備車に使用される
場合との何れの場合でも適応可能となり、開口部１ａお
よびリッド２を無駄なく利用することができる。

【００２６】

【発明の効果】請求項１の発明の自動車用装備品は、以
上のように、インストルメントパネルには、インストル
メントパネル内方の助手席用エアバッグユニットの取り
付け位置との対応部位に、エアバッグユニット作動用の
開口部が形成され、この開口部の内方に、エアバッグユ
ニットの収納と小物の収納とを選択して使用可能な収納
ケースが設けられ、この収納ケースにはエアバッグユニ
ットに対する位置決め部が形成されている構成である。

【００２７】これにより、本自動車用装備品は、助手席
用のエアバッグ装備車に使用される場合とエアバッグ非
装備車に使用される場合との何れの場合にも適応可能で
あるとともに、低コストで助手席用エアバッグ非装備車
の機能の拡大を図ることができるという効果を奏する。

【００２８】請求項２の発明の自動車用装備品は、以上
のように、請求項１の発明の自動車用装備品において、
インストルメントパネルの開口部は、インストルメント
パネルに開閉自在に設けられたリッドにて覆われている
構成である。

【００２９】これにより、収納ケースを小物の収納部と
して使用する場合に、適宜、開口部の開閉が可能であ
る。

【００３０】請求項３の発明の自動車用装備品は、以上
のように、請求項１の発明の自動車用装備品において、
インストルメントパネルの開口部は、エアバッグユニッ
トの作動時には開放可能であるように、閉成状態を保持
してインストルメントパネルに設けられたリッドにて覆
われている構成である。

【００３１】これにより、収納ケースにエアバッグユニ
ットを収納する場合、エアバッグユニットの非作動時に
は開口部の閉成状態が保持され、エアバッグユニットの
作動時には開口部を開放することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すものであって、インス
トルメントパネルに設けられた収納ケースにエアバッグ
ユニットが収納されている場合を示す縦断面の側面図
（ａ）と、同図（ａ）に示したエアバッグ取付け凹部に
おけるエアバッグユニットの取り付け状態を示す縦断面
の正面図（ｂ）である。

【図２】図１に示した構成を内方に有するインストルメ
ントパネルの斜視図である。

【図３】図１に示した収納ケースが小物入れとして使用
されている場合を示す縦断面の側面図（ａ）と、同図
（ａ）に示したエアバッグ取付け凹部における蓋部材の
取り付け状態を示す縦断面の正面図（ｂ）である。

【図４】図１に示したリッドのロック装置を示す正面図
である。

【図５】上記のロック装置の平面図である。

【図６】上記のロック装置におけるロックユニットを部
分断面で示す拡大図である。

【符号の説明】

１ インストルメントパネル １ａ 開口部 ２ リッド ３ 収納ケース ３ａ エアバッグ取付け凹部（位置決め部） ６ エアバッグユニット ７ 取付けブラケット １０ 蓋部材 １４ ストライカ １５ ロック装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】インストルメントパネルには、インストル
   メントパネル内方の助手席用エアバッグユニットの取り
   付け位置との対応部位に、エアバッグユニット作動用の
   開口部が形成され、この開口部の内方に、エアバッグユ
   ニットの収納と小物の収納とを選択して使用可能な収納
   ケースが設けられ、この収納ケースにはエアバッグユニ
   ットに対する位置決め部が形成されていることを特徴と
   する自動車用装備品。
2. 【請求項２】上記の開口部は、インストルメントパネル
   に開閉自在に設けられたリッドにて覆われていることを
   特徴とする助手席用エアバッグ非装備車適用の請求項１
   に記載の自動車用装備品。
3. 【請求項３】上記の開口部は、エアバッグユニットの作
   動時には開放可能であるように、閉成状態を保持してイ
   ンストルメントパネルに設けられたリッドにて覆われて
   いることを特徴とする助手席用エアバッグ装備車適用の
   請求項１に記載の自動車用装備品。