JPH06104931B2 - 改質ポリアミド繊維の製造方法及び絹様光沢トリコット編地の製造方法 - Google Patents

改質ポリアミド繊維の製造方法及び絹様光沢トリコット編地の製造方法

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JPH06104931B2 JP1009390A JP939089A JPH06104931B2 JP H06104931 B2 JPH06104931 B2 JP H06104931B2 JP 1009390 A JP1009390 A JP 1009390A JP 939089 A JP939089 A JP 939089A JP H06104931 B2 JPH06104931 B2 JP H06104931B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、絹様光沢を有するポリアミド繊維(製品)の
改良に関するものである。詳しくは、絹様光沢を向上さ
せたり製糸性や後加工性を改善することができ、良好な
製糸性や後加工性でもって優れた絹様光沢が発現される
改質ポリアミド繊維や高品質の絹様光沢トリコット編地
を製造することに関する。
[従来の技術] ポリアミド繊維はポリエステル繊維などに比べ本来ソフ
トでかつタフな特性を持っているので、肌着、ソック
ス、ストッキングなどの分野で広く使用されている。
また、このポリアミド繊維の優れた特性にさらに伝統的
高級素材である絹の光沢とタッチを付加するため、ポリ
アルキレンエーテル系化合物等を配合して繊維(製品)
化した後、これを溶かし出して微小な空洞(ボイド)を
形成させるという方法により、絹様光沢を発現させた改
良ポリアミド繊維(製品)も製造されている。
この絹様光沢ポリアミド繊維を得るためのポリアミド繊
維は、その製糸方法が特公昭55-10685号公報、特公昭58
-12935号公報、特公昭58-12936号公報等に記載されてい
るように、従来は、ポリアルキレンエーテル系化合物等
を含有するポリアミド繊維を溶融紡糸し冷却、給油し、
未延伸糸巻取の後に延伸するか、あるいは、直接紡糸延
伸法によって製造されていた。
[発明が解決しようとする課題] ところが、ポリアルキレンエーテル系化合物の含有量を
多くするほど絹様光沢は向上するが、逆に製糸性や後加
工性は悪化するので、従来技術では、その両方を十分に
満足させることは困難と考えられていた。
即ち、十分な絹様光沢を得ようとすると、例えば5wt%
程度あるいはそれ以上のように比較的多くのポリアルキ
レンエーテル系化合物を配合しなくてはならず、製糸性
や後加工性が悪化し工業生産には不適当となる。
この製糸性を改善する方法として、ブロックポリエーテ
ルアミド化合物あるいはブロックポリエステルアミド化
合物を併用添加する方法が提案されているが、それでも
なお製糸性は工業実施において不満足な水準であった。
一方、ポリアルキレンエーテル系化合物の配合量を4wt
%未満のように少くすると製糸性や後加工性は改善され
るが、逆に、絹様光沢は悪化し満足できる品質の絹様光
沢繊維製品は得られ難い。
そこで、本発明は、従来技術の問題点を改善し、製糸
性、後加工性良く製造することができ、しかも、優れた
絹様光沢を発現できる改質ポリアミド繊維や満足できる
高品質の絹様光沢トリコット編地が製造できる方法の提
供を主な目的とする。
併せて、均一性、ソフトさ、ドレープ性、寸法安定性等
の特性をも改善できる製造方法を提供することを別の目
的とする。
[課題を解決するための手段] この目的を達成するため、本発明は、ポリアルキレンエ
ーテル化合物と、ブロックポリエーテルアミド化合物あ
るいはブロックポリエステルアミド化合物とを含有する
ポリヘキサメチレンアジパミドを溶融紡糸し、冷却し、
給油した後、3500m/分以上の高速で引取り、実質的に延
伸することなく高速巻取りする方法により、1.0〜2.5g/
dの15%伸長時応力を有する改質ポリアミド繊維を製造
する方法、及び、この改質ポリアミド繊維を製編し、か
つ、ポリアルキレンエーテル系化合物を溶出除去処理す
ることにより絹様光沢に優れたトリコット編地を製造す
る方法、からなる。
ポリアルキレンエーテル系化合物を含有する改質ポリア
ミド繊維を製造し、さらに溶出処理により絹様光沢を発
現させるという技術において、従来の製造方法では、絹
様光沢の向上と製糸性や後加工性の改善とは同時に達成
することができず、それら両方を同時に満足させること
は困難と考えられていた。
しかし、本発明で特定した高速製糸方法で製糸して15%
伸長応力が1.0〜2.5g/dの改質ポリアミド繊維とすれ
ば、上記した両方の要求を同時に満足させることができ
る。
即ち、本発明によると、優れた絹様光沢が発現できる繊
維や優れた絹様光沢トリコット編地を、良好な製糸性や
後加工性でもって製造することが可能となる。
本発明で用いるベースポリマは、実質的にポリヘキサメ
チレンアジパミド(ナイロン66)からなるポリマであ
る。これに対し、ポリεカプロラクタム(ナイロン6)
では染色堅牢度などが大きく劣る製品しか得られず実用
に耐えることが困難である。
このベースポリマ(ナイロン66)の重合時や溶融紡糸前
に、ポリアルキレンエーテル系化合物を配合した後に繊
維化すると、ポリアミド中にポレポリアルキレンエーテ
ル系化合物が微小分散してなる繊維が得られる。この繊
維を、あるいはさらに布帛等の繊維製品とした後に、水
洗することによってポリアルキレンエーテル系化合物の
一部分が溶け出し、繊維中に光の波長レベルの長さの微
小空洞が生成され、その結果、絹様の光沢が発現され
る。
そのポリアルキレンエーテル系化合物としては次のよう
な物が挙げられる。
主鎖両末端が水酸基であるポリアルキレングリコール
(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコールまたはポリエチレングリコールとポリプロピレ
ングリコールとの共重合体など)、あるいは末端水酸基
の一部または全部を反応性化合物で封鎖されたポリアル
キレングリコール誘導体(例えば、脂肪エステル封鎖ポ
リエチレングリコール、トリアジン封鎖ポリエチレング
リコール、ポリエチレングリコールリン酸エステル塩、
アミンエチレンオキシド付加物リン酸エステル塩、アル
キルシラン封鎖ポリエチレングリコール、シリコン化合
物封鎖ポリエチレングリコール、シアノエチル封鎖ポリ
エチレングリコールなど)、あるいは反応可能な活性水
素原子を有する化合物のアルキレンオキシド付加物(例
えば、高級アルコールエチレンオキシド付加物,フェノ
ール類エチレンオキシド付加物、フェニルグリシジルエ
ーテルエチレンオキシド付加物、アルキルアミンエチレ
ンオキシド付加物、ラクタムエチレンオキシド付加物、
アルキルアミドエチレンオキシド付加物など)、あるい
はその他スルホン基含有ポリエチレンオキシド等をいう
が、これに限定されるものではなく、ポリアルキレンエ
ーテル成分を主として含有する化合物をいう。この場
合、ポリアルキレンエーテルの分子量は1000以上とする
ことが、光沢、風合、制電性などの改質効果を高めるた
めに好ましい。また、オキシアルキレン基としては、オ
キシエチレン基、オキシプロピレン基あるいは両者の混
合物などが好ましい。
このようなポリアルキレンエーテル系化合物の含有量
は、ポリアミドに対して0.5〜20wt%とすることが、本
発明の目的を達成する上で好ましい。
ポリアルキレンエーテル系化合物の配合法は特に限定し
ないが、例えばポリアミドの重合時の添加あるいは紡糸
前ペレットへのドライブレンド等により行えばよい。
ブロックポリエーテルアミド化合物やブロックポリエス
テルアミド化合物(以下、アミド系化合物と総称する)
は、前述のポリアルキレンエーテル系化合物のポリアミ
ド中における分散性を向上させ、分散性不良による溶融
紡糸性や製糸性の悪化を防ぐために、また、制電性を付
与するために必要である。しかし、このアミド化合物を
併用しても従来の製糸方法ではその効果を十分に発揮さ
せることは困難である。
このブロックポリエーテルアミド化合物は、実質的にポ
リエーテルセグメントとポリアミドセグメントとが、ホ
リマ主鎖中でブロック状に結合しているブロック共重合
体であり、例えば、少なくとも一つの末端がアミノ基も
しくはカルボキシル基に変性されたポリアルキレンエー
テルとポリアミド形成性モノマあるいは比較的低分子量
のポリアミドとの化学反応により得られるブロック共重
合体が挙げられる。
そのポリアミド形成性モノマとしては、重合によって容
易にブロックポリエーテルアミドを形成し得る物が好ま
しく、例えば、εカプロラクタム、ヘキサメチレンジア
ンモニウムアジペート、ヘキサメチレンイソフタレート
等が挙げられ、それらの2種以上を併用し共重合ポリア
ミドとしてもよい。ポリアルキレンエーテルとしては、
エチレンオキシド、プロピレンオキシドの単独重合体あ
るいはそれらの相互間の共重合体が挙げられる。例え
ば、両末端にアミノ基を有するポリエチレンオキシドと
脂肪族あるいは芳香族のジカルボン酸とからなる塩の存
在下で、εカプロラクタムを溶融重合せしめることが有
利である。このブロックポリエーテルアミド化合物中に
はそれぞれ単独のポリアルキレンエーテルあるいはポリ
アミドが少量含まれていてもよい。
また、ブロックポリエステルアミド化合物は、実質的に
ポリエステルセグメントとポリアミドセグメントとが、
ポリマ主鎖中でブロック状に結合しているブロック共重
合体であり、上記ブロックポリエーテルアミド化合物に
準じて得ることができる。
これらアミド系化合物中におけるポリアルキレンエーテ
ル部分あるいはポリアルキレンエステル部分の割合は、
15〜85wt%が好ましい。この割合が少な過ぎても多過ぎ
ても、本発明の目的とする効果を十分に達成することが
困難である。
これらアミド系化合物の配合量は、ポリアルキレンエー
テル系化合物を含有する変性ポリアミドに対し0.1〜20w
t%、さらに、0.5〜10wt%が好ましい。
その配合の方法としては、予め重合させた後ペレット化
したアミド系化合物と、ポリアルキレンエーテル系化合
物を予め配合し含有するポリアミドペレットとを溶融紡
糸前に混合する方法が挙げられる。
これらのポリアルキレンエーテル系化合物とアミド系化
合物とをポリヘキサメチレンアジパミドに配合してなる
ポリマ組成物(以下、改質ナイロン66と称する)は次の
ようにして溶融紡糸され、繊維化される。
改質ナイロン66をエクストルーダ紡糸機などの溶融紡糸
機で常法どおり溶融紡出、冷却、給油した後、3500m/mi
n以上の速度で引取り、その後引続いて、ストレッチを
かけることなく、あるいは若干のストレッチをかけて、
高速で巻上げ、15%伸長時応力が1.0〜2.5g/dの範囲内
である改質ポリアミド繊維とする。この繊維は、沸騰水
収縮率が3〜8%であることが好ましい。
15%伸長時応力(T)の値は、主として紡糸引取り速度
によって調整することができるが、紡出糸を引き取って
巻上げるまでの間のストレッチ率によって微調整するこ
ともできる。一般的には、3500〜6000m/minの速度で巻
上げるとほとんどストレッチをかけることなく所定の15
%伸長時応力(T)の値とすることができる。
溶融紡糸される糸の断面は円形でなくてもよく、三葉、
五葉などの多葉形から各種の異形断面いずれであっても
よい。
繊維のデニール、フィラメント数も、通常、衣料用布帛
に用いられる範囲内の設定でよく、特に限定されない。
得られた改質ナイロン66繊維は、常法により織物、編物
等の布帛にした後、通常の方法で水洗することによって
配合したポリアルキレンエーテル系化合物の少なくとも
一部を溶出させ、所望の絹様の光沢を発現させる。
請求項3に係る絹様光沢トリコット編地は、請求項1の
ポリアミド繊維を、通常のトリコット編機および編条件
で経編し、さらに、ポリアルキレンエーテル系化合物を
溶出処理することによって得ることができる。
本発明において繊維の15%伸長応力の値は、次の方法で
測定する。
糸長50cmの供試糸条を、通常の引張試験機(例えば東洋
ボールドウィン(株)製のテンシロン万能型引張試験機
UTM−4−10)を用いて伸長(速度50m/min)し、応力−
歪曲線を得る。この歪(伸び)が15%のときの応力の値
を読みとり単位デニールあたりの応力値(g/d)に換算
して求める。
また、繊維の沸騰水収縮率の値は、JIS法(JIS L1013)
によって測定される。
さらにまた、トリコット編地の洗濯収縮率は、次の方法
で測定する。
45cm×45cmの試験片3枚のそれぞれの径方向、緯方向に
30cm間隔の印を付けた後、自動反転渦巻式電気洗濯機、
40℃、0.2%濃度の弱アルカリ性合成洗剤液25lを用い、
追加布と合せた洗濯布量500gで25分間洗濯する。その
後、遠心脱水し、オーバーフロー方式で10分間すすぎ
し、絞らず取出し、乾燥濾紙の間に挟んで軽く押えて脱
水し、水平な金網上で自然乾燥する。乾燥後の試験片の
不自然なしわや張力を除いた状態で径方向、緯方向の印
間長さを測る。その印間長さの平均値lから、 洗濯収縮列=[(30−l)/30]×100(%) を算出する。
[作用] 本発明は、上述したとおり、ポリアルキレンエーテル系
化合物とアミド系化合物とを含有するポリアミドを特定
条件で高速製糸して1.0〜2.5g/dの15%伸長応力を有す
る改質ポリアミド繊維を製造するものである。
この製造方法をとると、得られる改質ナイロン繊維中に
おけるポリアルキレンエーテル系化合物の分散性が、未
配向状態での引取り後に延伸配向された従来繊維よりも
一段と向上し、その分散化合物が繊維軸方向に一層細長
く延びた筋状となる。従って、同量のポリアルキレンエ
ーテル系化合物を配合しても溶出処理後の絹様光沢繊維
の光沢性は一段と向上する。これは、未配向繊維を延伸
するという工程を経ずに、半溶融状態で高速引取りする
工程で一挙に配向を進めるので、分散化合物の筋も繊維
軸方向に伸長され易く、その分散径が小さくなるためと
考えられる。
このようにポリアルキレンエーテル系化合物の分散性が
一段と向上して一層細長く延びた筋状となる結果、その
配合量が少なくても溶出処理後繊維の光沢は向上し目的
とする高水準とすることができる。
しかも、この製造方法をとることによって、従来の製糸
方法では、製糸性が悪くて工業的実施が困難であった、
ポリアルキレンエーテル系化合物を多く含有する場合
(例えば5wt%や10wt%含有する場合)でも、良好な製
糸性で製糸することが可能となる。
従って、本発明によると、良好な製糸性や後工程通過性
でもって、優れた絹様光沢ポリアミド繊維を製造するこ
とができる。
さらに、溶出処理後の絹様光沢繊維(布帛)のソフト性
やドレープ性が向上し、編地均一性も改善でき、編地セ
ット性が良好で、低い洗濯収縮率(0.5〜3.0%)も得ら
れる。
なお、未配向状態で未延伸糸巻取した後に延伸する方
法、あるいは未配向状態で引取り続いて延伸する直接紡
糸延伸法という従来の製造法では、得られる改質ポリア
ミド繊維は、15%伸長応力が3.0g/d程度あるいはそれ以
上とかなり高くなる。また、沸騰水収縮率は11%以上と
かなり高く、トリコット編地の洗濯収縮率は4〜6%と
かなり高いものとなる。
[実施例] 数平均分子量4000のポリエーテルグリコールの両末端基
をアミノ化してなるジアミンと等量のアジピン酸とを反
応させナイロン塩を合成した。このナイロン塩を、εカ
プロラクタムに42wt%混合した後、常法に従って重合
し、ペレット化して、ブロックポリエーテルアミド化合
物のペレットを得た。
一方、ラウリルアルコールにエチレンオキシドを付加反
応させた分子量6500のポリアルキレンエーテルを、ヘキ
サメチレンアジパミド(ナイロン66塩)88wt%水溶液に
3wt%配合した後、常法に従って重合し、98%硫酸相対
粘度が2.6の変性ナイロン66(ポリアルキレンエーテル
系化合物3.0wt%含有)を得た。
この変性ナイロン66に前記ブロックポリエーテルアミド
ペレットを1.0wt%混合し(これを、原料改質ポリマと
いう)、その後エクストルーダに供給し、常法通り溶融
紡糸し、冷却、給油した後、4500m/minの速度で引取
り、連続してストレッチをかけることなく巻上げ、30デ
ニール、10フィラメントの改質ナイロン66糸を得た(試
料Aと称する)。
また、同様に溶融紡糸した後3500m/minの速度で引取
り、連続して20%のストレッチをかけて巻上げ、改質ナ
イロン66糸を得た(試料Bと称する)。
さらにまた、上記と同じ改質ポリマ、ポリアルキレン系
化合物含有量を5.0wt%とした以外前記同様に製造した
改質ポリマ、あるいは、ポリアルキレンエーテル系化合
物等の変性剤を添加しない未変性ナイロン66ポリマをそ
れぞれ用いて、同様に溶融紡出した後1000m/minの速度
で引取り巻上げた。この未配向繊維を通常の方法でドロ
ーツイスターにかけて3.4倍に延伸し、改質ナイロン66
延伸糸を得た(それぞれ、試料C、D、Eと称する)。
また別に、ポリアルキレンエーテル系化合物などの変性
剤を添加しない未変性ナイロン66を用いて、試料Aと同
じ条件で溶融紡糸して、同程度の分子配向をもつ未変性
ナイロン66繊維を得た(試料Fと称する)。
これらの試料A〜Fについて、15%伸長時応力、沸騰水
収縮率の値を測定し、また、それらを製糸する際の糸切
れの多寡により製糸性を相対評価し、それら結果を第1
表に示した。
さらに、これら繊維を用いて、常法通りカールマイヤー
のトリコット編機によって32ゲージのハーフトリコット
編地を編成した。得られた編地を50℃の温水中で30分間
精製した後、常法通り酸性染料(キシレンファーストブ
ルー)で染色し、その染色トリコット編地の特性(洗濯
収縮率、光沢性、ドレープ性、編地均一性)を測定し、
第1表に示した。
なお、光沢性、ドレープ性、編地均一性については、目
視による比較判定によって評価し、その結果を、 ◎:極めて良好、 ○:良好、 △:やや不良、 ×:不良 によって表示した。
第1表の結果からわかるように、本発明法によると、ポ
リアルキレンエーテル系化合物の含有量を多くしなくて
も絹様光沢を一段と向上させることができるので、少な
い含有量の場合でも優れた絹様光沢が発現される改質ポ
リアミド繊維を、製糸性良好に製造することができた。
これに対し、同じく含有量3wt%の改質ポリマを用いて
も、従来の製糸方法による場合(試料C)は、得られた
絹様光沢トリコット編地の光沢性はかなり良好であった
が本発明の場合よりも劣り、製糸性は明らかに不満足な
ものであった。また、得られた改質ポリアミド繊維は15
%伸長時応力も沸騰水収縮率も高く、請求項1、2で特
定した範囲内の物性とはならなかった。さらに、得られ
た絹様光沢トリコット編地のドレープ性や編地均一性は
劣り、洗濯収縮率も大きかった。
この従来法による場合でもポリアルキレンエーテル系化
合物含有量を多くすれば絹様光沢を高めることができた
が、製糸性はさらに悪化し、ドレープ性や編地均一性も
改善されなかった(試料D)。
なお、全く変性していないナイロン66ポリマを用いて得
られた繊維の場合は、製糸性は良好であったが、絹様光
沢が全く発現せず、絹様光沢布帛を得ることができなか
った(試料E、F)。
[発明の効果] 本発明法によると、ポリアルキレンエーテル系化合物を
多くしなくても、溶出処理により発現させる絹様光沢を
一段と向上させることができるので、少ない含有量の場
合でも優れた絹様光沢を発現できるポリアミド繊維を、
製糸性や後加工性良好に製造することができる。
また、ポリアルキレンエーテル系化合物を多く含有する
場合は、製糸性を大幅に改善することができるので、こ
の場合でも、優れた絹様光沢を発現できるポリアミド繊
維を製糸性や後加工性良好に製造することが可能とな
る。
従って、優れた絹様光沢を発現できるポリアミド繊維や
優れた高品質の絹様光沢トリコット編地が、高生産効率
でもって製造することが可能となる。
さらに、付随的効果として、溶出処理後の絹様光沢ポリ
アミド繊維(布帛)のソフト性、ドレープ性、寸法安定
性、編地均一性等を高めることができ、得られる絹様光
沢トリコット編地の洗濯収縮率の低減効果も得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04B 21/00 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアルキレンエーテル系化合物と、ブロ
    ックポリエーテルアミド化合物あるいはブロックポリエ
    ステルアミド化合物とを含有するポリヘキサメチレンア
    ジパミドを溶融紡糸し、冷却、給油した後、3500m/分以
    上の高速で引取り、実質的に延伸することなく高速巻取
    りする方法により、1.0〜2.5g/dの15%伸長時応力を有
    する改質ポリアミド繊維を製造することを特徴とする改
    質ポリアミド繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】改質ポリアミド繊維の沸騰水収縮率が3〜
    8%であることを特徴とする請求項1記載の改質ポリア
    ミド繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の製造方法による改質
    ポリアミド繊維を製編し、かつ、ポリアルキレンエーテ
    ル系化合物を溶出除去処理することにより絹様光沢に優
    れたトリコット編地を製造することを特徴とする絹様光
    沢トリコット編地の製造方法。
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