JP3009539B2 - インナー用芯鞘型ポリエステル複合糸 - Google Patents

インナー用芯鞘型ポリエステル複合糸

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JP3009539B2
JP3009539B2 JP4094471A JP9447192A JP3009539B2 JP 3009539 B2 JP3009539 B2 JP 3009539B2 JP 4094471 A JP4094471 A JP 4094471A JP 9447192 A JP9447192 A JP 9447192A JP 3009539 B2 JP3009539 B2 JP 3009539B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制電性を有する芯鞘型ポ
リエステル複合糸に関するものである。さらに詳しくは
制電性に有効なブロックポリエーテルアミド組成物を糸
中に局在化してなる僅かな制電性成分によって高度の制
電性を有し、且つ断面が三葉形状で絹様の光沢とソフト
な風合を兼ね備えたインナー用途として好適な芯鞘型ポ
リエステル複合糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】そこで、ポリエステル糸は優れた物理
的、化学的特性を有するため多方面に応用されている。
しかしながらポリエステル糸は疎水性で静電気が発生し
やすいという欠点を有するため、その応用分野は一部分
制限されている。
【0003】従来から、かかるポリエステル糸の帯電性
を低減もしくは防止するため数多くの提案がなされてい
る。たとえば、糸表面に制電剤を塗布する方法、糸表面
に親水性物質をグラフト重合する方法、制電性物質を練
込む方法などが提案されている。
【0004】しかしこれらの方法は、いずれもその耐熱
性、製糸性、および製品の品質などの点で大きな問題が
あり、工業化の大きな障害となっている。たとえば、糸
表面に帯電防止剤を塗布する方法は洗濯により脱落しや
すく一時的な効果は認められてもその永久性は望めな
い。糸表面に親水性物質をグラフト重合させる方法は、
洗濯による脱落はかなり改善されるが、これとても永久
性は望めず、また風合を損なうため好ましくない。また
制電性物質を練込む方法は、耐久性は向上するがフロス
ティングが問題となる。フロスティングとは白色以外
に、染色された衣服を着用した場合摩擦を受ける部分が
白くなるといった好ましくない現象で、この白化は制電
剤とポリエステルとの界面で相分離が生じ、フイブリル
化することにより惹起される。
【0005】そして、これらの制電性付与に伴う欠点を
改善する手段として、複合紡糸技術を利用する方法が数
多く提案されている。たとえば、特公昭44−905号
公報、特公昭44−911号公報には、複合糸の芯部に
未変性のポリエステルを配し、鞘部に制電性を有するブ
ロックポリエーテルアミド、またはブロックポリエーテ
ルアミドとポリアミドの混合物を配する技術が開示され
ている。
【0006】しかし、この技術によっても解決できない
問題がある。これらの問題を列挙すると、(1)紡糸時
の単繊維間溶着および未延伸糸のパッケージ上での繊維
間溶着による解舒性の不良、(2)芯成分のポリエステ
ルと鞘成分との密着性が劣るため、延伸時、仮ヨリ加工
時などの後工程での剥離が起り、糸の特性を損ねるこ
と、(3)分散染料で染色した場合の耐光堅牢度が低下
する、ことなどがある。
【0007】また特公昭47−13169号公報、特公
昭48−13169号公報には、ポリアルキレンエーテ
ルを含有するポリエステルまたはポリアルキレンエーテ
ルとアニオン界面活性剤を含有するポリエステルを芯成
分とし、ポリエステルを鞘成分とするポリエステル系複
合糸に関する技術が開示されている。これらに開示され
ている技術では、鞘成分にブロックポリエーテルアミド
またはブロックポリエーテルアミドとポリアミドの混合
物を使用することによって生じる前述した欠点は改善さ
れるが、制電性が不足するという欠点がある。
【0008】また、特公昭52−31450号公報に
は、芯成分に導電性カーボンブラックを含む熱可塑性重
合体を配することにより、制電性を改善しようとする提
案がなされている。この技術により制電性は著しく改善
されるが、黒色のカーボンブラックを使用するため着色
は避けられるず、一般的な用途に使用できないという大
きな欠点がある。インナー用織物および編物に制電性ポ
リエステル糸が使用され始めているが、薄地の織物およ
び編物で帯電による障害を防止するには高度な制電性ポ
リエステル糸が必要であり、対応原糸がなく大きな問題
となっていた。特にインナー用織編物において絹様光
沢、ソフトな肌触りと制電性を兼ね備えた高級ポリエス
テル素材となし得るポリエステル原糸はなかったのであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術の欠点を解消し、ポリエステルとしての良
好な物理的、化学的特性を保持しつつ、優れた制電性を
有し絹様の光沢、ソフトな風合を兼ね備えたインナー用
ポリエステル糸を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる問題点を
解決するために以下の如き手段を採用するものである。
すなわち本発明は、単糸の芯部はブロックポリエーテル
アミド組成物中のポリアルキレンエーテルの糸全体に
占める比率が0.05〜5重量%であるポリエステル混
合物であり、芯部と鞘部を同心状に配置し、かつ芯部の
比率が5〜50重量%であり、単糸の繊維断面が実質的
に三葉形状で、かつ断面変形度Mが1.5≦M≦2.
1、単糸繊度が2.5デニール以下であり、ポリエステ
ル複合糸の電気比抵抗が1010Ω・cm以下、総繊度が
50デニール以下であることを特徴とするインナー用芯
鞘型ポリエステル複合糸により達成される。
【0011】以下本発明を詳細に説明する。本発明は芯
鞘型ポリエステル複合糸において、芯部はブロックポリ
エーテルアミド組成物中のポリアルキレンエーテルの糸
全体に占める比率が0.05〜5重量%であるポリエス
テル混合物であり、鞘部は通常用いられるポリエステル
である。
【0012】本発明で用いられるブロックポリエーテル
アミド組成物とは、特開昭55−122020号公報な
どで知られているように、有機電解質、フェノール系抗
酸化剤を所定量含有したブロックポリエーテルアミドの
ことである。ここでいう有機電解質とは、ドデシルベン
ゼンスルホン酸、トリデシルベンンゼンスルホン酸、ノ
ニルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルスルホン酸、ド
デシルスルホン酸などのスルホン酸とナトリウム、カリ
ウム、リチウムなどのアルカリ金属から形成されるスル
ホン酸のアルカリ金属塩、ジステアリルリン酸ソーダな
どのリン酸のアルカリ金属塩、その他有酸カルボン酸の
アルカリ金属塩などがあり、なかでもドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダなどのスルホン酸の金属塩が良好であ
る。
【0013】フェノール系抗酸化剤としては、例えば
1,3,5トリメチル−2,4,6−トリ(3,5ジ−
Tert−プチル4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,
2´−メチレンビス(4−メチル−6−Tert−プチルフ
ェノール)、2,6−ジ−Tert−ブチルフェノールなど
のフェノール系水酸基の隣接位置に立体障害を有する置
換基の入ったフェノール系誘導体である。ブロックポリ
エーテルアミドとはポリエーテルとポリアミドとのブロ
ック共重合体のことであり、ポリエーテルとポリアミド
との単なるブレンド物は本発明でいうブロックポリエー
テルアミドに含まれない。
【0014】ブロックポリエーテルアミドを構成するポ
リエーテルとはポリアルキレンエーテルのことであり、
ポリエチレンエーテル、ポリプロピレンエーテル、ポリ
エチレンプロピレンエーテルなどのエチレンオキサイド
および/またはブロピレンオキサイドの重合生成物であ
る。これらポリエーテルの分子量は1000以上、好ま
しくは3000〜8000のものがよく、中でもポリエ
チレングリコールの使用が最も適している。
【0015】本発明では、かかるポリアルキレンエーテ
ル成分の糸全体に占める比率を0.05〜5重量%と
する必要がある。前記比率が0.05重量%未満では十
分な制電性を付与することができず、また5重量%を越
す場合、制電性の向上効果が飽和し、それ以上の向上は
期待できないばかりでなく、添加量上昇により糸特性の
悪化が生じてくる。糸全体に占めるポリアルキレンエ
ーテル成分の比率は0.1〜1重量%とするのが特に好
ましい。
【0016】一方、ブロックポリエーテルアミドを構成
するポリアミドはナイロン6、ナイロン8、ナイロン1
2、ナイロン66、ナイロン610のようなホモポリア
ミド、あるいはこれら同志または他の共重合成分を含む
共重合体で、ポリアミド形成成分の重縮合反応により生
成するホモまたはコポリアミドである。
【0017】ブロックポリエーテルアミドの製造法とし
ては、たとえばポリアルキレングリコールの両未端をシ
アノエチル化した後、水素添加してポリアルキレンエー
テルジアミンとし、これをアジピン酸やセバシン酸など
の適当なジカルボン酸と反応せしめてナイロン塩を合成
し、この塩と前記ポリアミドを形成するモノマとを重縮
合する方法およびポリアルキレングリコール両未端をア
ミノ化してポリアルキレンエーテルジアミンとした後、
前記の方法と同じ方法で重縮合する方法などが挙げられ
るが、これらのブロックポリエーテルアミドの製造方法
を特に限定するものではない。ブロックポリエーテルア
ミド中のポリエーテル成分対ポリアミド成分の重量比は
30〜70対70〜30が適当である。
【0018】ブロックポリエーテルアミドの重縮合方法
も特に限定されるものではなく、通常の公知のポリアミ
ドの重縮合法、たとえばナイロン6などでよく採用され
る常圧重合法またはナイロン66などに採用される加圧
重合法などが回分式、連続式をとわず採用することがで
きる。
【0019】ブロックポリエーテルアミド組成物中の有
機電解質の比率は1〜10重量%が好ましい。特に3〜
7重量%の範囲が好ましい。1重量%未満では制電性向
上作用が不足し、10重量%を越えるとブロックポリエ
ーテルアミド組成物の溶融粘度の低下による筋形成能の
悪化によりかえって制電性が低下する。
【0020】また、フェノール系抗酸化剤のブロックポ
リエーテルアミド組成物中の比率は1〜10重量%、特
に3〜7重量%の範囲が好ましく、1重量%未満では製
糸工程、仮ヨリなどの糸加工工程、ファブリックの染
色、および仕上工程などにおける熱酸化劣化による制電
性の悪化を十分に抑制することは困難となり、また10
重量%を越えると添加しても、熱酸化抑制効果は飽和し
それ以上の効果は認め難い。
【0021】なお、本発明のブロックポリエーテルアミ
ド組成物に対し有機電解質、およびフェノール系抗酸化
剤の外につや消剤、着色防止剤、蛍光剤、耐光剤、顔料
などの他の添加剤を加えることは何らさしつかえない。
本発明でいうポリエステルは、溶融紡糸可能な繊維形成
性の合成縮合ポリエステルであり、適当なジカルボン酸
化合物およびその誘導体と適当なジヒドロキシ化合物お
よびその誘導体からなる縮重合体である。
【0022】適当なジカルボン酸としてはテレフテル
酸、イソフタル酸、4,4−スルホニル安息香酸、クエ
ン酸、4,4´−ジクエン酸、4,4´−ベンゾフェノ
ンジカルボン酸、1,2−ビス(4−カルボキシルフェ
ニル)エタン、ビス(4−カルボキシフェニル)エーテ
ル、各種のナフタリンジカルボン酸などがある。
【0023】適当なジヒドロキシ化合物としてはエチレ
ングリコール、トリメチレングリコールなどHO(CH
2 n OHで示されるグリコール、シスまたはトランス
−P−ヘキサヒドロキシリレングリコール、1,4−ビ
ス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,4−ビス(ヒド
ロキシ)ベンゼンなどがある。これらのポリエステルは
他の構成成分として上述の化合物以外のものを含んでい
てもよい。たとえば、ナトリウムスルホイソフタル酸な
どのスルホン化カルボン酸、トリメリト酸などの多価カ
ルボン酸などのポリエステルの改質剤を含むこともあり
得る。本発明において、芯鞘型ポリエステル複合糸を紡
糸する方法としては、公知の複合紡糸技術を採用するこ
とができる。芯部の複合比率は任意に選択することはで
きるが、フィブリル化による品質低下を抑制するため
に、芯部の複合比率は5〜50重量%とする必要があ
る。鞘部と芯部の複合状態は実質的に同心状に配置され
る必要がある。偏心配置では鞘部の厚さが必要以上に薄
い部分が生じ、延伸、仮撚、撚糸、アルカリ減量あるい
は高圧染色等、機械的衝撃、熱的衝撃、化学的衝撃を加
えた場合、鞘部に亀裂が生じやすく、亀裂が生じた際に
は芯部が表面に露出してフィブリル化が発生し、製品品
位を著しく低下させ同時に制電性能も低下させ好ましく
ない。特に10重量%以上のアルカリ減量を施して、織
編物のソフト感を向上させて肌になじむ素材とするため
にには、芯部の複合比率は30重量%以下が好ましく、
20重量%以下がより好ましい。
【0024】本発明は絹様の光沢と風合をポリエステル
複合糸に付与するため、糸の断面を実質的に三葉形状
とする必要がある。断面を三葉形状にすることにより、
この複合糸より得られる布帛はソフトで繊細でドレープ
性に富んだ天然の絹に類似した高貴な風合を付与するこ
とができる。断面の形状が丸の複合糸では容易に上記し
た好ましい風合は付与できない。本発明において、断面
変形度MはR2/R1(R2:外接円の半径、R1:内接円
の半径)で定義され、この値が1.0に近い程断面形は
丸味を帯び、大きい程鋭いことを表している。断面変形
度Mは、1.5≦M≦2.1とする必要がある。断面変
形度Mが1.5未満のものは丸味が強く絹様光沢が失な
われ、また断面変形度Mが2.1を越えると変形度合が
鋭くギラギラした輝点光沢が強く、剛性率が高くなりさ
らに風合が粗硬でザラザラとなり、絹様風合から遠ざか
り好ましくない。断面変形度Mの好ましい範囲は1.6
≦M≦2.0である。
【0025】本発明のポリエステル複合糸の電気比抵抗
は1×1010Ω・cm以下とする必要がある。電気比抵
抗が1×1010Ωcmより大きく、例えば通常のポリエ
ステル糸のように電気比抵抗が1×1013Ω・cmにな
ると静電気によりまとわりつきやパチ、パチという不快
音が発生し、もはや直接肌に触れるインナー用途として
は適さなくなる。電気比抵抗の値は小さければ小さい程
好ましく1×1010Ω・cm以下、更には1×108 Ω
・cmレベルであれば十分制電性としての機能を発揮す
ることができ、インナー用途としても全く問題ないレベ
ルとなる。従って電気比抵抗は1×1010Ω・cm以
下、好ましくは1×108 Ω・cm以下と云える。
【0026】本発明のポリエステル複合糸の総繊度は重
要で50デニ―ル以下が必要で、加えて単糸繊度は2.
5デニ―ル以下が必要となる。総繊度が大きいと布帛に
した時のソフト感、ドレープ性が不充分で優美さ、しな
やかさに欠け、少なくとも50デニ―ル以下が必要で更
に好ましくは30デニ―ル以下である。また単糸繊度も
小さい程ソフト感、ドレープ性、優しさが強調され、
2.5デニ―ル以下が必要で2.0デニ―ル以下が好ま
しく1.5デニ―ル以下が特に好ましい。また単糸繊度
の限界は特に限定しないが、工業的に安定して生産しう
る下限として約0.1デニ―ルである。
【0027】以上が本発明のおけるインナー素材として
の具備すべき必要な条件であるが、本発明の複合糸を製
編織する場合、取り扱いのし易さ、高次通過性の安定化
という面で単糸交絡を付与することも大切で、この場合
5コ/m以上の交絡度とすることが好ましい。交絡付与
をしてないと複合糸は開繊し単糸割れ、単糸乱れとなり
バラけて取り扱いにくく、特に単糸繊度の小さい、三葉
断面糸ほどその傾向が顕著となる。この単糸割れ、単糸
乱れは高次工程において毛羽、糸切れを誘発させ能率を
著しく低下させる。この交絡度は5コ/m以上あればよ
く20コ/m程度が特に好ましい。
【0028】本発明のポリエステル複合糸は、インナー
用途として織物、編物のいずれにも適用できるが、ソフ
トで肌触りが良く高い制電性の要求される編物に好まし
く適用できる。編物の中でも高度の編成性が必要なトリ
コットに好適に使用できる。
【0029】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例中で用いる相対粘度、極限粘度、電気
比抵抗、断面変形度は次に示す方法で測定した値であ
る。 (ブロックポリエーテルアミド組成物の相対粘度)試料
を70%の抱水クロラール中に1%濃度になるように溶
解し、これをオストワルド粘度計により25℃で測定し
た値である。 (ポリエステルの極限粘度)試料をオルトクロロフェノ
ール溶媒に溶解し、オストワルド粘度計により25℃で
測定した値である。
【0030】(電気比抵抗) 試料を0.2%のアニオン界面活性剤の弱アルカリ水溶
液中で電気洗濯機を用いて2時間洗濯後、水洗、乾燥す
る。ついで該試料を長さ(L)5cm、繊度(D)10
00デニールの繊維束に引揃えて20℃、40%RH下で
2日間調温調湿した後、振動容量型微小電位測定装置に
より、印加電圧500Vで試料の抵抗を測定し次式によ
り算出する。 ρ=(R×D)/(9×105×L×d) ρ:体積固有抵抗(Ω・cm) R:抵抗 (Ω) d:試料密度 (g/cm3) D:繊度 (デニール) L:試料長 (cm) (断面変形度:M)繊維断面 の外接円の半径をR2、内接円の半径をR1とし
たとき、その比R2/R1で表した値である。
【0031】実施例1 ポリエチレングリコールにアルカリ触媒の存在下でアク
リロニトリルを反応させ、さらに水素添加反応を行なう
ことにより両末端の97%以上がアミノ基であるポリエ
チレングリコールジアミン(数平均分子量4000)を
合成し、これとアジピン酸を常法で塩反応させることに
よりポリエチレングリコールアンモニウムアジペートの
45%の水溶液を得た。
【0032】容量2cm3 濃縮缶に上記45%のポリエ
チレングリコールジアンモニウムアジペート水溶液を2
00kg、85%カプロラクタム水溶液を120kg、
40%のヘキサンメチレンジアンモニウムイソフタレー
ト水溶液を1.6kg投入し、常圧で内温が110℃に
なるまで約2時間加熱し80%濃度に濃縮した。つづい
て容量800lの重合缶に上記濃縮液を移行し、重合缶
内に25l/minで窒素を流しながら加熱を開始し
た。内温が120℃になった時点でドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダ(DBS)を5.2kgと1,3,5ト
リメチル−2,4,6−トリ(3,5ジ−tert−ブチル
4−ヒドロキシベンゼン)ベンゼン(TTB)5.2k
gを添加し、撹拌を開始して内温が245℃になるま
で、18時間加熱し重合を完結させた。
【0033】重合終了後缶内に窒素で7kg/cm
2 (G)の圧力をかけ、約幅15cm、厚さ1.5mm
のベルト状に溶融ポリマを回転無端ベルト(長さ6m、
ベルト材質:ステンレス、裏面を水スプレーで冷却)上
に押出し、冷却後通常の方法でペレタイズした。
【0034】得られたペレットの相対粘度は2.18で
あった。公知の複合紡糸装置を使用し、上記の方法で製
造したブロックポリエーテルアミド組成物からなるペレ
ットを、極限粘度0.83のポリエチレンペレットに
3.48重量%混合したペレットを芯成分とし、一方の
ホッパから供給し、他方のホッパから極限粘度0.63
の通常のポリエチレンテレフテレートを鞘成分として供
給し、表1、水準No.1に示すように、芯部の複合比率
を10重量%とし、糸全体に占めるポリアルキレンエ
ーテルの比率を0.43重量%とし、芯部と鞘部を同心
状に配置した断面が三葉形状の複合糸を紡糸引取速度1
500m/minで紡糸した。得られた未延伸糸をホッ
トロール、熱板方式で2.73倍に延伸し、巻取りする
前にノズルを用いて交絡を付与し、30デニール24フ
イラメントの延伸糸を得た。紡糸性および延伸性ともに
良好であった。得られた延伸糸は表1、水準No.1に示
すように、電気比抵抗が4.5×108 Ω・cm、断面
変形度M値が1.70であった。
【0035】この複合糸を40Gハーフトリコットとし
て編成し、22重量%アルカリ減量を施した編物として
ランジェリーに縫製した。ソフトでドレープ性に富み優
雅な光沢とパチパチとした静電気発生のないランジェリ
ーを得た。評価結果を表2の水準No.1に示した。
【0036】実施例2 実施例1に準じた方法で芯部の複合比率、吐出量、口
、交絡度を表1、水準No.2〜15に示すように変更
し、各水準の評価結果をそれぞれ表2、水準No.2〜
にまとめた。表1の水準No.5〜7、9〜11は、本
発明の効果を明確とするための比較例である。水準No.
は単糸繊度、水準No.6は、単糸繊度、総繊度が大
きく、光沢がきつくなりソフトおよびドレープ性が不足
している。水準No.7は丸断面のため光沢が不足してい
る。水準No.9、10については糸全体のポリアルキレ
ンエーテルの比率が0.05未満で制電性が不良で、水
準No.11の場合は逆にポリアルキレンエーテルの比率
が5.0重量%以上のため製糸性が不良となった。
【0037】
【表1】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明は芯部に高性能制電剤を含有する
ポリエステル混合物、鞘部にポリエステルを用い、芯鞘
を同心状に配した断面が三葉形状の複合糸とし、断面変
形度、電気比抵抗値、総繊度、単糸繊度を特定の範囲と
することにより、高い制電性に加え優雅な光沢、ソフト
でドレープ性を備え操業性に優れたインナー用のポリエ
ステル複合糸とすることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−27140(JP,A) 特開 昭57−47941(JP,A) 特開 平1−246430(JP,A) 特公 昭48−13169(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糸の芯部はブロックポリエーテルアミド
    組成物中のポリアルキレンエーテルの単糸全体に占める
    比率が0.05〜5重量%であるポリエステル混合物で
    あり、芯部と鞘部を同心状に配置し、かつ芯部の比率が
    5〜50重量%であり、単糸の繊維断面が実質的に三葉
    形状で、かつ断面変形度Mが1.5≦M≦2.1、単糸
    繊度が2.5デニール以下であり、ポリエステル複合糸
    の電気比抵抗が1010Ω・cm以下、総繊度が50デニ
    ール以下であることを特徴とするインナー用芯鞘型ポリ
    エステル複合糸。
  2. 【請求項2】交絡度が5個/m以上である請求項1記載
    のインナー用芯鞘型ポリエステル複合糸
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