JPH06104895B2 - タ−ゲツト部材 - Google Patents
タ−ゲツト部材Info
- Publication number
- JPH06104895B2 JPH06104895B2 JP61028195A JP2819586A JPH06104895B2 JP H06104895 B2 JPH06104895 B2 JP H06104895B2 JP 61028195 A JP61028195 A JP 61028195A JP 2819586 A JP2819586 A JP 2819586A JP H06104895 B2 JPH06104895 B2 JP H06104895B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- target member
- film
- coercive force
- present
- grain size
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Thin Magnetic Films (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は垂直磁化膜用のパーマロイ膜、磁気バブルの転
送回路膜等をスパッター法で作製するときに用いる、タ
ーゲット部材に関するものである。
送回路膜等をスパッター法で作製するときに用いる、タ
ーゲット部材に関するものである。
軟磁性のパーマロイ薄膜は通常、真空蒸着法かスパッタ
ー法で作成される。蒸着の場合、ターゲット部材は電子
ビーム、高周波あるいは抵抗加熱で加熱・溶解される。
一方、スパッターの場合、通常Arイオンがターゲット部
材に衝突し、たたき出された原子が基板上に薄膜として
成長する。したがって、スパッターリングの方がターゲ
ット部材の属性が薄膜に転写される比率が大きいといえ
る。
ー法で作成される。蒸着の場合、ターゲット部材は電子
ビーム、高周波あるいは抵抗加熱で加熱・溶解される。
一方、スパッターの場合、通常Arイオンがターゲット部
材に衝突し、たたき出された原子が基板上に薄膜として
成長する。したがって、スパッターリングの方がターゲ
ット部材の属性が薄膜に転写される比率が大きいといえ
る。
蒸着法では一度溶解されるため、ターゲット部材に要求
される性質としては、 (1) 溶解したときガス放出が少ない、 (2) 溶湯表面に酸化物が浮上、凝集しない、 (3) 不純物が少ない、 等の冶金上の清浄性が要求される。そのため、蒸着用タ
ーゲット部材においては、材料が鋳造品の状態であるか
加工された状態であるかは大きな問題ではなかった。
される性質としては、 (1) 溶解したときガス放出が少ない、 (2) 溶湯表面に酸化物が浮上、凝集しない、 (3) 不純物が少ない、 等の冶金上の清浄性が要求される。そのため、蒸着用タ
ーゲット部材においては、材料が鋳造品の状態であるか
加工された状態であるかは大きな問題ではなかった。
スパッター用ターゲット部材においても、従来化学組成
上の管理が主で、金属組織的な結晶粒度、結晶繊維組織
と膜質についてあまり関心は払われていなかった。
上の管理が主で、金属組織的な結晶粒度、結晶繊維組織
と膜質についてあまり関心は払われていなかった。
本発明は溶解以降のターゲット部材の製造工程がスパッ
ター膜の特性に影響するかを調査究明した結果に基づく
ものである。
ター膜の特性に影響するかを調査究明した結果に基づく
ものである。
スパッターリングによって、パーマロイ薄膜をガラス板
上に成膜したとき、例えば鋳造状態の材料から機械加工
で採取したターゲット部材を使用すると、薄膜の保磁力
が小さいスパッター条件の許容範囲が狭く、かつ保磁力
も小さくなりにくい欠点があった。
上に成膜したとき、例えば鋳造状態の材料から機械加工
で採取したターゲット部材を使用すると、薄膜の保磁力
が小さいスパッター条件の許容範囲が狭く、かつ保磁力
も小さくなりにくい欠点があった。
本発明は、スパッター膜の特性とターゲット材の組成を
かえずに、製造工程を可変して各種異なる金属組織にし
たとき、均一な膜質でかつ低い保磁力が得られた発見に
基づく、スパッターリング用ターゲット部材を提供する
ものである。
かえずに、製造工程を可変して各種異なる金属組織にし
たとき、均一な膜質でかつ低い保磁力が得られた発見に
基づく、スパッターリング用ターゲット部材を提供する
ものである。
本発明はFe-Ni合金の低保磁力でかつ均一な膜厚が得ら
れるターゲット部材の組成と製造工程を検討して得られ
た結果に基づくものである。
れるターゲット部材の組成と製造工程を検討して得られ
た結果に基づくものである。
本発明のターゲット部材の組成として、重量比でNi 70
〜85%、Cu 2〜10%およびMo 1〜6%とCr 0.5〜3%の
1種または2種を含有し、残部実質的にFeとしたのは、
成分的にNiが70%未満および85%を越えると軟磁性が劣
り、またCuが2%未満では交流での透過率向上の効果が
なく、10%を越えると飽和磁化が小さくなり、かつMo 1
〜6%とCr 0.5〜3%の1種または2種を含有するの
は、それぞれ下限未満の場合は透過率向上に効果が少な
く、上限を越えると飽和磁化が低下してしまうためであ
る。
〜85%、Cu 2〜10%およびMo 1〜6%とCr 0.5〜3%の
1種または2種を含有し、残部実質的にFeとしたのは、
成分的にNiが70%未満および85%を越えると軟磁性が劣
り、またCuが2%未満では交流での透過率向上の効果が
なく、10%を越えると飽和磁化が小さくなり、かつMo 1
〜6%とCr 0.5〜3%の1種または2種を含有するの
は、それぞれ下限未満の場合は透過率向上に効果が少な
く、上限を越えると飽和磁化が低下してしまうためであ
る。
また合金を製造する上で添加する場合もある脱酸剤とし
て2%以下のSi、Mnおよび1%以下のAlと熱間加工性改
善の効果がある0.05%以下のMgとCaは本発明の低保磁力
薄膜が得られるターゲット部材として問題ないことは確
認してある。
て2%以下のSi、Mnおよび1%以下のAlと熱間加工性改
善の効果がある0.05%以下のMgとCaは本発明の低保磁力
薄膜が得られるターゲット部材として問題ないことは確
認してある。
本発明の場合、ターゲット部材の結晶粒度をJISオース
テナイト結晶粒度番号No.3より細かくする必要がある。
そのため、熱間加工の終了温度を750〜1050℃に管理す
るか、更に冷間加工を施した後、700℃から1150℃で焼
鈍を行う必要がある。いずれも上限温度以上では均一な
再結晶粒が粗大化してしまうためである。ここで熱間加
工はプレス、ハンマー、圧延のいずれも良く、また冷間
加工は減面率が10%以上であると効果が大きい。
テナイト結晶粒度番号No.3より細かくする必要がある。
そのため、熱間加工の終了温度を750〜1050℃に管理す
るか、更に冷間加工を施した後、700℃から1150℃で焼
鈍を行う必要がある。いずれも上限温度以上では均一な
再結晶粒が粗大化してしまうためである。ここで熱間加
工はプレス、ハンマー、圧延のいずれも良く、また冷間
加工は減面率が10%以上であると効果が大きい。
次にターゲット部材の結晶粒度を限定した理由は、JIS
オーステナイト結晶粒度番号No.3のものより大きいとス
パッター膜の膜厚変動が大きく、保磁力もHc≧3〔Oe〕
と軟磁性が大きいが、それより結晶粒が細いと保磁力の
小さい膜特性が得られるため、結晶粒を粒度番号でNo.3
より細かいとした。
オーステナイト結晶粒度番号No.3のものより大きいとス
パッター膜の膜厚変動が大きく、保磁力もHc≧3〔Oe〕
と軟磁性が大きいが、それより結晶粒が細いと保磁力の
小さい膜特性が得られるため、結晶粒を粒度番号でNo.3
より細かいとした。
ここで結晶粒度番号でNo.3以上とは、JIS G0551におい
て結晶粒が平均断面積で0.0156mm2より細かいことを意
味する。
て結晶粒が平均断面積で0.0156mm2より細かいことを意
味する。
高周波真空誘導溶解炉において第1表に化学組成を示す
合金を溶解し、110mmφ×150mm長さの鋼塊を製造した。
次いでロットにより熱間加工あるいは更に冷間加工と焼
鈍を施し結晶粒度の異なる101mm×φ6mm厚みのターゲッ
トを作製した。
合金を溶解し、110mmφ×150mm長さの鋼塊を製造した。
次いでロットにより熱間加工あるいは更に冷間加工と焼
鈍を施し結晶粒度の異なる101mm×φ6mm厚みのターゲッ
トを作製した。
上記ターゲットを使用して、軟質ガラス板上に膜厚0.5
μのスパッター膜を初期真空度1×10-6torr、高周波出
力300W、Ar操作圧力3×10-3torrの条件下で成膜し、振
動磁力計にて保磁力Hcを測定した。
μのスパッター膜を初期真空度1×10-6torr、高周波出
力300W、Ar操作圧力3×10-3torrの条件下で成膜し、振
動磁力計にて保磁力Hcを測定した。
比較部材として、鋼塊状態から採取した結晶粒の大きい
ターゲットと加工条件で結晶粒度を大きくした事例を第
1表の試料番号1〜3に示す。試料番号4〜8は本発明
部材で低保磁力が得られていることがわかる。
ターゲットと加工条件で結晶粒度を大きくした事例を第
1表の試料番号1〜3に示す。試料番号4〜8は本発明
部材で低保磁力が得られていることがわかる。
本発明によれば、従来パーマロイ・ターゲットを用いて
垂直磁化用下地膜をスパッター法で成膜した時の、膜の
不均一性、高保磁力性による感度の低下や局部変動がな
くなり、高品質・高信頼の動作が達成できる。
垂直磁化用下地膜をスパッター法で成膜した時の、膜の
不均一性、高保磁力性による感度の低下や局部変動がな
くなり、高品質・高信頼の動作が達成できる。
すなわち、本発明のターゲット部材はスパッター膜の低
保磁力化をもたらすもので、工業上非常に有益である。
保磁力化をもたらすもので、工業上非常に有益である。
Claims (1)
- 【請求項1】重量%において、Ni 70〜85%、Cu 2〜10
%、およびMo 1〜6%とCr0.5〜3%の1種または2種
を含有し、残部実質的にFeよりなる合金において、スパ
ッターリングされる面の結晶粒がJISオーステナイト結
晶粒度番号No.3より細かいことを特徴とするスパッター
用ターゲット部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61028195A JPH06104895B2 (ja) | 1986-02-12 | 1986-02-12 | タ−ゲツト部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61028195A JPH06104895B2 (ja) | 1986-02-12 | 1986-02-12 | タ−ゲツト部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62186511A JPS62186511A (ja) | 1987-08-14 |
JPH06104895B2 true JPH06104895B2 (ja) | 1994-12-21 |
Family
ID=12241892
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61028195A Expired - Lifetime JPH06104895B2 (ja) | 1986-02-12 | 1986-02-12 | タ−ゲツト部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06104895B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63100148A (ja) * | 1986-10-16 | 1988-05-02 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 蒸着用Ni−Fe基合金 |
JPS63216966A (ja) * | 1987-03-06 | 1988-09-09 | Toshiba Corp | スパツタタ−ゲツト |
CN1048528C (zh) * | 1997-09-12 | 2000-01-19 | 冶金工业部钢铁研究总院 | 溅射玻璃镀膜用镍基变形合金靶材 |
CN110670032B (zh) * | 2019-10-29 | 2021-10-01 | 金堆城钼业股份有限公司 | 一种钼镍铜多元合金溅射靶材及其制备方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5540096B2 (ja) * | 1973-11-15 | 1980-10-15 | ||
JPS5854185B2 (ja) * | 1975-09-09 | 1983-12-03 | 大同特殊鋼株式会社 | 高透磁率焼結鉄−ニッケル系合金用粉末 |
JPS57203771A (en) * | 1981-06-10 | 1982-12-14 | Mitsubishi Metal Corp | Manufacture of target for vapor-deposition |
JPS58164780A (ja) * | 1982-03-23 | 1983-09-29 | Hitachi Metals Ltd | スパツタ用タ−ゲツトの作成方法 |
-
1986
- 1986-02-12 JP JP61028195A patent/JPH06104895B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62186511A (ja) | 1987-08-14 |
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