JP2809665B2 - エッチング性に優れるシャドウマスク材料 - Google Patents

エッチング性に優れるシャドウマスク材料

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カラーTV受像管に用いられるシャドウマス
ク材のうち、Fe−Ni系インバー合金の改良に関するもの
であり、特にシャドウマスクの製造工程におけるエッチ
ング穿孔性を著しく高めた新合金を提供するものであ
る。
〔従来の技術〕
近年、カラーTV受像管の高品質化に伴い、シャドウマ
スク材料には、従来のアルミキルド軟鋼に替わり、低熱
膨張特性を有するインバー合金(Fe−36Ni系)が提案さ
れ実用化が試みられている。
カラーTV受像管に用いられるシャドウマスクには、電
子ビームが通過する細孔がエッチングにより多数あけら
れているが、この細孔を通過する電子ビームは全体の1/
3以下であり、残りの2/3の電子ビームは直接シャドウマ
スクを照射することになる。この照射による加熱でシャ
ドウマスクは60℃以上にも昇温するため、シャドウマス
クはドーミングと呼ばれる熱膨張による変形を生じ、色
純度の低下の原因になる。したがって、従来の軟鋼に代
ってFe−Ni系インバー合金を使用すれば、この熱膨張が
軽減されるというものである。
しかし、インバー合金は低熱膨張という優れた特性を
有するものの、0.2%耐力が軟鋼と比較して大きいた
め、シャドウマスクをプレス成形する時に、シャドウマ
スク球面から電子銃側への凹みを生じる、いわゆるスプ
リングバックという現象が生じ、プレス成形時の問題点
となっている。このプレス成形性を改善するために種々
の元素を添加した材料が提案されている(特開昭61−21
7550号、特開昭63−14841号)。
また、シャドウマスクはその製造過程で塩化第2鉄を
主成分とする溶液を使用して微細なエッチング加工が施
されるが、最近のマスクパターンは高精細化しており、
素材のエッチング性はマスク品位を左右する因子として
益々重要なものとなっている。
このため、インバー合金のNiの偏析を軽減させてエッ
チング性を改善しようとする試み(特開昭60−56053
号、特公昭61−23864号)、エッチング条件を適正に制
御する試み(特開昭59−43900号、特開昭60−200985
号)が提案されている。本願出願人は先に、インバー合
金の薄板においてはエッチング性を阻害するスジむらが
発生しやすく、このスジむらの原因がインバー合金製造
時の非金属介在物に起因することをつきとめ、非金属介
在物を極めて低減したインバー合金およびその製造方法
を特許出願した。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前記の従来技術のうち、インバー合金に種々
の元素を添加する特開昭61−217550号、特開昭63−1484
1号はプレス成形性の改善にとどまり、エッチング性を
積極的に改善しようとするものではない。またNiの偏析
を改善する方法、エッチン条件を適正化する手段を講じ
てもそれらの実用効果も含めて未だエッチング性を十分
改良するものではなかった。また、非金属介在物の原因
になる不純物を低減する方法も、原料の厳選や高度の製
鋼技術を要し、コスト高になるという問題が残ってい
る。
本発明者は、インバー合金中の種々の元素とエッチン
グ性との関係を調査し、特にエッチング性を劣化させる
元素としてCの影響が大なることを実験的に確認した
(第1図)。
第1図に示すように、エッチング速度はC量が低いほ
ど速く、その傾向はC量が0.01%以下でより顕著にな
る。
逆に、C量が約0.01%以上では、エッチング面に茶褐
色の非水溶性の腐食物質を生成してエッチング液の拡散
の抵抗になるためエッチング速度は徐々に遅くなる。エ
ッチング速度が遅くなると孔の横方向のエッチングも進
行し、孔形状が不均一になりやすくなり、いわゆるエッ
チング性が悪くなるのである。
この実験結果によれば、シャドウマスク材料はエッチ
ング性の良好な低C領域が望ましいが、極端に低C化す
るためには、高価な特殊原材料を必要とし、製造コスト
が著しく上昇するという問題がある。
本発明の目的は、このような製造コストの著しい上昇
をきたさずにエッチング性に優れたシャドウマスク材料
を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上述のように、エッチング性を改善するためには含有
するC量を低減すればよいのであるが、本発明者等がさ
らに検討を行なった結果、材料中に含まれる全C量がそ
れほど低くなくても、Cを炭化物によって固定し、固溶
Cを実質的にゼロにすればエッチング性が向上するこ
と、そのための炭化物生成元素としては、NbまたはTaが
有効であり、V,Ti等の元素では不十分であることを見出
し、本発明に至ったものである。すなわち、本発明はエ
ッチング性の向上を目的としてインバー合金中のCを固
定する元素としてNbまたはTaが最適であることを見出
し、その添加量を定めたことに最も特徴がある。
具体的には、本発明は重量%にてNi32〜40%、Si0.5
%以下、Mn1.0%以下、さらにNb、Taの1種または2種
を、Cとの重量比で、 となるように含有し、残部の不純物のうちCは、0.02%
以下であり、他は実質的にFeよりなり、実質的にすべて
の含有CがNbまたはTaの炭化物として固定されているこ
とを特徴とするエッチング性に優れるシャドウマスク材
料、あるいは上記材料中のNiを10%以下の範囲で等量の
Coで置換したシャドウマスク材料である。
〔作用〕
各成分の限定理由を以下に説明する。
Niは36%付近が熱膨張係数が極小化するので最適であ
り、32%より少ないか、または40%を越えると熱膨張係
数が大きくなり、ドーミング特性を劣化させるので32〜
40%の範囲に限定する。
Siは脱酸剤程度に添加し材料中に残存しない方が望ま
しいが、0.5%までは熱膨張係数の極端な上昇を生じな
いので許容できる。
Mnは脱酸剤として作用する一方Sを固定して熱間加工
性を改善する作用もある。若干量存在することが望まし
いが、1.0%を越えると熱膨張係数を増大させるので1.0
%以下に限定する。
Nbは炭化物を形成して炭素を固定し、固溶炭素を低減
してエッチング性を改良する作用がある。
TaもNbと同様の作用があり、Nbの代りに単独で、また
はNbと複合で添加する。
NbとTaは1種または2種を添加し、Cとの重量比で、 を満足する必要がある。
が40未満であると炭化物形成が不十分で固溶Cが残るた
め、エッチング性向上の効果が少なく、また が120を越えると過剰なNbやTaの量となり、熱膨張係数
が大きくなるので、インバー合金としての特性を劣化さ
せる。Nb、Taの炭化物形成の効率およびコストの点か
ら、 の範囲で含有するのがより好ましい。
Cは固溶Cの状態では、エッチング性を劣化させる元
素となるが、NbまたはTaと炭化物を形成することで固溶
Cが低減し、エッチング性に有害とはならないが、Cが
0.02%を越えると炭化物が過度に増えエッチング後のマ
スク品位に悪影響を及ぼすため、Cは不純物として0.02
%以下に限定する。
なお、10%以下のNiを等量のCoで置換しても同等の特
性が得られる。
〔実施例〕
本発明を実施例により説明する。第1表に示す組成の
合金を真空誘導溶解炉で溶解、鋳造し、1100〜1150℃の
鍛造、熱間圧延で2.5mm厚さにした。さらに1000℃×1h
の溶体化処理後、焼鈍と冷間圧延を繰り返し0.15mmの板
材に仕上げた。
このように仕上げた板材より試験片を切り出し、表面
をアルカリ脱脂後、1mmφの穴を多数有するマスクパタ
ーンを形成した。そして、各試料を同時に塩化第2鉄で
スプレーエッチングを施し、その開孔深さとエッチング
時間より、エッチング速度(μm/min)を求めた。
本実施例では、NbとTaの影響を調査するために、Nb、
Ta以外の他の元素の含有量を極力揃えてAないしDのグ
ループとした。AグループはC量を0.008±0.001狙いと
したグループで比較材の試料No.6に比較して試料No.1な
いしNo.5は、Nb、Taの1種または2種を本発明の範囲内
で添加したものである。Bグループは同様にC量の狙い
を0.014±0.001としたグループである。CグループはNi
の一部をCoに置換した合金について、C量が0.008±0.0
01の範囲内の合金について、Nb、Taの影響を示してい
る。Dグループは比較材であり、その内試料No.13,14は
TiまたはVを添加した合金であり、試料No.15,16は原料
を選び、炭素量を0.002と極めて低くしたものである。
次に第1表のエッチング速度について説明する。シャ
ドウマスク材にマスクパターンを形成して、本実施例エ
ッチング条件でエッチングする場合には、エッチング速
度が10.5μm/min以上になると、エッチング面の平滑
性、穴の寸法の均一性、エッチング速さなどで総括的に
表されるエッチング性が向上することがわかっている。
言い替えれば、ほぼ同量のC量を含有する材料同志のエ
ッチング速度の比較で、エッチング速度の速度上昇分が
+0.7μm/min以上であると明らかなエッチング性向上効
果が認められることが本実施例でわかった。そこで、第
1表には比較材である試料No.6,9,12のエッチング速度
に対して、本発明材料である試料No.1〜No.5,No.5〜No.
8およびNo.10〜No.11がそれぞれどれだけエッチング速
度上昇したかを示している。
また、試料No.13,14の速度上昇は同C量レベルである
No.6との対比である。
第1表よりC量が約0.010%でNb,Taを1種または2種
添加した試料No.1〜5は、同量CのNo.6に比べてエッチ
ング速度が約1.0μm/min上昇した。この速度上昇は、上
昇比率としては小さなものであるが、第1図に示すよう
にその効果はCを0.001〜0.002%の極微量にまで低減し
たことに相当し、エッチング速度はNo.15,16の極低Cの
材料と同等かそれ以上の値を示している。また、C量が
約0.014%でNb,Taを添加した試料No.7,8も無添加のNo.9
に比べ速度が上昇しており、さらに、NiをCoで等量置換
したNo.10,11もNo.12との比較から同様に有意な効果が
認められる。また、本発明材ではエッチング速度を劣化
させる茶褐色の腐食生成物はほとんど観察されず、極低
C材と同様にエッチング面は銀白色を呈している。
一方、Ti,Vを添加した試料No.13,14は、Nb,Ta添加材
ほどその効果がなく、むしろエッチング速度は低下して
いることがわかった。
〔発明の効果〕 以上の結果より、本発明は炭化物形成元素であるNbま
たはTaを含有し、炭化物を形成して固定化することでエ
ッチング性に有害な固溶C量を効果的に低減し、極低C
材と同等かそれ以上のエッチング穿孔性良好なシャドウ
マスク材料を提供するものであり、製造コスト的にも非
常に有利で工業上の効果は極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はC量とエッチング速度の関係を示す図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%にてNi32〜40%、Si0.5%以下、Mn
    1.0%以下、さらにNb、Taの1種または2種を、Cとの
    重量比で、 となるように含有し、残部の不純物のうちCは0.02%以
    下であり、他は実質的にFeよりなり、実質的にすべての
    含有CがNbまたはTaの炭化物として固定されていること
    を特徴とするエッチング性に優れるシャドウマスク材
    料。
  2. 【請求項2】重量%にてNi22〜40%、Co10%以下、ただ
    し32≦Ni+Co≦40%、Si0.5%以下、Mn1.0%以下、さら
    にNb,Taの1種または2種を、Cとの重量比で、 となるように含有し、残部の不純物のうちCは0.02%以
    下であり、他は実質的にFeよりなり、実質的にすべての
    含有CがNbまたはTaの炭化物として固定されていること
    を特徴とするエッチング性に優れるシャドウマスク材
    料。
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