JPH05311332A - アパーチャグリル用素材 - Google Patents

アパーチャグリル用素材

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JPH05311332A
JPH05311332A JP10379092A JP10379092A JPH05311332A JP H05311332 A JPH05311332 A JP H05311332A JP 10379092 A JP10379092 A JP 10379092A JP 10379092 A JP10379092 A JP 10379092A JP H05311332 A JPH05311332 A JP H05311332A
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正博 辻
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保孝 菅原
Tsuyoshi Masuda
剛志 増田
Kiyoaki Nishikawa
清明 西川
Aoshi Tsuyama
青史 津山
Yoshihiro Hosoya
佳弘 細谷
Yutaka Baba
裕 馬場
Koichi Osawa
紘一 大沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エッチング加工性を損なわずにより高い高温
強度を実現しうる高精細アパーチャグリル用素材を開発
する。 【構成】 N:0.010%を超え乃至0.100%以
下、Mn:0.60%を超え乃至3.00%以下、そし
てC:0.001%以上乃至0.030%以下を含有す
る高温強度及びエッチング性に優れた低炭素鋼アパーチ
ャグリル用素材。更に補助添加材として(W及びNi)
の1種以上を合計含有量として0.10%以上乃至4.
00%以下そして/或いは(Nb、V、Ti、Zr、T
a及びB)の1種以上を合計含有量として0.001%
以上乃至0.5%以下含有しうる。結晶粒度番号が9.
0以上に制御されまたSi:0.05%以下、P:0.
02%以下、S:0.015%以下、O:0.015%
以下Al:0.020%以下に制御されることが好まし
い。適量のMnとNとを同時に添加する事により、Mn
とNとの相互作用を通して一層高い高温強度を実現す
る。補助添加材は転位の上昇運動を抑制するので、45
0℃を超えても高温クリープ性を向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーテレビ用ブラウ
ン管に用いられる低炭素鋼板アパーチャグリル用素材に
関するものであり、特には高温強度及びエッチング加工
性に優れ、黒化処理時のグリッドの応力緩和現象に起因
する色ずれが小さいことを特徴とするアパーチャグリル
用素材に関する。本発明は、今後の高精細な画像へのニ
ーズに対応することができる。
【0002】
【従来の技術】カラーテレビ用ブラウン管のうちトリニ
トロン管においては、他のブラウン管が採用しているシ
ャドウマスクとは異なる色選別電極を採用しており、こ
の色選別電極はアパーチャグリルと呼ばれている。アパ
ーチャグリルは、冷延鋼板にエッチング加工により多数
のスリットを形成し、その後スリット方向に張力を付与
した状態でフレームに張り渡し、その両側端縁をフレー
ムにシーム溶接し、この状態で450〜500℃の温度
で黒化処理をすることにより製品とされ、トリニトロン
管に組込まれる。
【0003】ここで、蒸気またはガスによる黒化処理
は、表面に緻密で密着性の良い酸化膜を形成させ、内部
からのガス発生、2次電子の発生、熱輻射、錆の発生等
を防止するために施される処理であるが、張力をかけた
まま熱サイクルを受けるため、応力緩和とともに張力低
下が生じる。この張力低下が大きいと、共振周波数が変
化し、可聴域になるとスピーカーの音で共振し、「色ず
れ」と呼ばれる画像不良の原因となる。
【0004】この黒化処理時の張力低下に起因する色ず
れを防止するためには、冷延鋼板素材の高温強度、特に
黒化処理温度(450〜500℃)でのクリープ強さを
高くする必要があり、そのための手段としては、アルミ
キルド鋼板のC含有量を0.01〜0.10重量%と高
く規定した方法(特開昭61−190041)、40〜
100ppmの窒素を含有する極低炭素鋼板を用いる方
法(特開昭62−249339)、0.20〜2.0重
量%のCrと0.10〜3.0重量%のMoを複合多量
添加する方法(特開平2−174042)、極低炭素鋼
板に0.02〜0.07重量%のPと0.2〜0.6重
量%のSiを添加して固溶強化する方法(特開昭63−
145744)が、現在までに提唱されている。更に
は、同日出願の特許願において、粒界を安定させる元素
を添加して、更に結晶粒を微細化させ、強化する方法並
びにMnを多量添加してCによる固溶強化を補強する方
法が提唱されている。
【0005】アパーチャグリル用素材として要求される
その他の特性としては、エッチング加工性が良好である
こと並びにエッチング加工後に平坦乃至均一なスリット
形状が得られることが重要である。スリットの形状が、
著しく損なわれたものを「線乱れ」といい、これも色ず
れの原因となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】先に述べたように、従
来の素材及び製造プロセスでは、黒化処理時にアパーチ
ャグリルが熱と付加張力によりクリープが生じ、カラー
テレビとして組立てられた後で、スピーカーの音に共振
し、色ずれが生じるという問題があった。このような問
題に対しては、アパーチャグリル構造体の剛性を上げる
など、設計・施行の変更による手段も考えられるが、い
まだ十分な効果が得られていない。
【0007】他方、アパーチャグリル用素材自体の改善
例として、上述した方法が提唱された。しかし、炭素の
含有量を高くする方法は、エッチング加工前の熱処理で
セメンタイトが粗大化するためにエッチング加工性が劣
るという欠点がある。また、窒素含有量のみを規定する
方法は、400℃までは効果があるが、400℃を超え
ると窒素の拡散速度が急激に速くなるので、十分な強度
が得られなくなる。そして、多量のCrとMoを添加す
る方法は、高温強度の向上には有効であるが、これら2
つの元素はいずれも耐食性を高める元素でもあるので、
エッチング速度の低下を招いてしまう。更に、PとSi
で固溶強化する方法は、これら2つの元素は偏析しやす
いので、材料の強度分布にむらが生じ、エッチング加工
性も劣化するという問題がある。
【0008】更に、粒界を安定させる元素を添加して結
晶粒を微細化させる方法は、エッチング加工性を劣化せ
ずに、ある程度高いクリープ強さが得られるので、非常
に有効な方法である。Mnを多量添加してCによる固溶
強化を補強する方法は一層高い高温強度を得るのに有用
な方法である。
【0009】しかし、近年、益々高精細な画像が求めら
れるようになっており、それに伴ない、アパーチャグリ
ルのスリットも更にファインピッチ化の傾向をたどって
いるので、それに対処しうるように、より高い高温強度
を得ることが要望される。従って、このようなニーズに
耐えうる従来より一層高い高温強度を有する材料が望ま
れている。従来からのニーズに対応しうるだけでなく、
近い将来要求されるであろう高い高温強度へのニーズを
得る事は上記提唱方法でもなかなか難しく、新たな対応
が望まれている。
【0010】結局、アパーチャグリル用の素材として要
求される材料特性は特に以下の3点が重要である: 残留応力が少ないこと、 近い将来要求されるであろう高い高温強度を確保する
ように450〜470℃でのクリープ強さが従来水準を
超えて非常に高いこと、そして エッチング性が良いこと。 しかしながら、以上説明したように、優れたエッチング
加工性を具備し、一層高い高温強度を得るためには新し
いアパーチャグリル用素材が必要となる。
【0011】本発明の課題は、エッチング性に優れる低
炭素鋼素材を基礎として、優れたエッチング加工性と近
い将来要求されるであろう高い高温強度を実現しうるア
パーチャグリル用素材を開発することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
に向け検討を重ねた結果、Mnと共にNを適量に添加す
れば、非常に高い高温強度が得られ、近い将来要求され
るであろうより高いニーズをも十分満足し得ることがわ
かった。即ち、従来、400℃以上の高温では拡散速度
が著しく高くなるために、強度の向上にあまり寄与しな
いと考えられていたNであったが、適量のMnを同時に
添加する事により、MnとNとの相互作用が生まれ、そ
れが450℃以上の高温において、強度の向上に非常に
有効に作用することがここに初めて見出された。また、
補助的に、W、Ni、Nb、V、Ti、Zr、Ta、B
を微量に添加し、結晶粒度を適度な細粒に制御する事に
より、より一層高温強度の向上が期待できることも判明
した。
【0013】この知見に基づいて、本発明は、(1)低
炭素鋼板において、重量%で、N :0.010%を超
え乃至0.100%以下、Mn:0.60%を超え乃至
3.00%以下、そしてC :0.001%以上乃至
0.030%以下を含有し、残部Fe及びその他の不可
避不純物からなることを特徴とする、高温強度及びエッ
チング性に優れたアパーチャグリル用素材、(2)W及
びNiの1種以上を合計含有量として0.10%以上乃
至4.00%以下更に含有する(1)項のアパーチャグ
リル用素材、(3)Nb、V、Ti、Zr、Ta及びB
の中から選択される1種若しくは2種以上を合計含有量
として0.001%以上乃至0.5%以下更に含有する
(1)項のアパーチャグリル用素材、及び(4)W及び
Niの1種以上を合計含有量として0.10%以上乃至
4.00%以下そしてNb、V、Ti、Zr、Ta及び
Bの中から選択される1種若しくは2種以上を合計含有
量として0.001%以上乃至0.5%以下更に含有す
る(1)項のアパーチャグリル用素材を提供する。
【0014】結晶粒度がJIS G 0552で規定さ
れる粒度番号9.0以上に制御されていることが好まし
く、更には不純物が、重量%で、Si:0.05%以
下、P:0.02%以下、S:0.015%以下、O:
0.015%以下そしてAl:0.020%以下に制御
されていることが好ましい。
【0015】
【作用】本発明は、適量のMnとNとを同時に添加する
事により、MnとNとの相互作用が生まれ、それが45
0℃以上の高温において、強度の向上に非常に有効に作
用して、より高い高温強度を実現すると共に、必要なら
W、Ni、Nb、V、Ti、Zr、Ta及びBから選択
される特定の添加元素により鋼中転位の上昇運動を抑制
し、黒化処理時の応力緩和を軽減することを基本とする
ものである。本発明構成成分及び要件の作用及びその限
定理由について述べる。
【0016】Mn:Mnは、通常的な脱酸及び熱間加工
性付与作用に加えて、Nとの相互作用により、高温強度
を著しく向上させる。更に、エッチング加工速度を向上
させる働きをも有する。実験を重ねた結果、本発明の最
大の目的であるこれらの効果を十分に引き出すために
は、0.60重量%を超える添加量が必要であり、逆に
3.00重量%を超える量を添加しても効果が飽和し意
味がないことも判明したので、その添加範囲を0.60
重量%を超え3.00重量%以下とした。
【0017】:Nは、Mnとともに本発明におけるも
っとも重要な役割を担う元素である。即ち、Nは固溶硬
化元素であり、そしてFe中に固溶したNは、Mnとの
相互作用により、450℃以上の高温においてクリープ
強さを著しく向上させる。本発明者らが実験を重ねた結
果、その効果が顕著に現れるのは、0.010重量%を
超える量のNを添加した時であり、逆に0.100重量
%を超える量を添加しても効果が飽和して意味がないこ
とが判明したので、Nの適正添加量は0.010重量%
を超え0.100重量%以下とした。
【0018】:Cは、N及びMnと共に、高温強度の
確保及び黒化処理時の張力低下に起因する色ずれの防止
に効果がある。しかし、多すぎると炭化物の量が増し、
エッチング加工不良の原因となるので、適正添加量は
0.001重量%以上0.030重量%以下とする。
【0019】W、Ni:WとNiは、固溶強化により、
450℃以上の高温でも強度の向上に有効に寄与する。
これらの元素はいずれも0.10重量%未満ではまった
く効果がなく、逆に4.00重量%を超えても効果が飽
和して意味がないので、適正添加量は0.10重量%以
上4.00重量%以下とする。
【0020】Nb、V、Ti、Zr、Ta、B:Nb、
V、Ti、Zr、Ta、Bも、黒化処理時の応力緩和を
軽減し、また、結晶粒を微細化させる働きをも有し、適
量の添加によって、粒度番号11.0以上の微細粒が容
易に得られる。これらの元素はいずれも0.001重量
%未満では全く効果がなく、逆に合計含有量が0.5重
量%を超えても効果が飽和して意味がないので、適正合
計添加量は0.001重量%以上0.5重量%以下とす
る。また、各元素の添加量は好ましくは、Nb:0.0
1重量%以上0.2重量%以下、V:0.01重量%以
上0.3重量%以下、そしてTi、Zr、Ta、B:
0.001重量%以上0.15重量%以下である。
【0021】Si:Siは多すぎるとSi系介在物が多
くなり、エッチング加工性の劣化を招くので0.05重
量%以下とすることが好ましい。
【0022】:Pは固溶強化元素であるが、その含有
量が多いと粒界偏析などの原因により、圧延性やエッチ
ング加工性を損ねるので、その含有量は0.02重量%
以下とすることが好ましい。
【0023】:Sはその含有量が多いと硫化物系の介
在物が増えて、エッチング加工性が劣化し、更に、酸洗
時の表面欠陥の原因ともなるので、その含有量は0.0
15重量%以下とすることが好ましい。
【0024】:Oはその含有量が多いと酸化物系の介
在物が増えてエッチング加工性が劣化するので、その含
有量は0.015重量%以下とすることが好ましい。
【0025】Al:Alは窒素との親和力が極めて強
く、AlNを析出させて、固溶N量を減少させる有害な
元素である。0.020重量%を超えると、固溶N量が
著しく減少し、十分な高温強度が得られなくなるので、
Alの含有量は0.020重量%以下とする。
【0026】結晶粒度:通常の極低炭素鋼は、450℃
を超えると、転位の上昇運動が活発となり、転位密度の
低下による応力緩和が起こりやすくなる。しかし、本発
明によるアパーチャグリル用素材鋼板は、上述したよう
に、Mnと補助的なWその他の添加元素を適正量添加す
ることにより、この転位の上昇運動を抑制している。本
発明者らの実験結果によれば、このような組成制御をし
たうえで結晶粒を微細化させることにより、強度及び高
温でのクリープ強さ共に従来より高い値が得られる。即
ち、従来、高温でのクリープ強さを低下させると考えら
れていた細粒化を逆に積極的に利用しようとしたことに
本発明の一つの特徴がある。
【0027】更に本発明者らの基礎的実験では、結晶粒
度が粒度番号9.0以上になると、450〜500℃の
温度領域でのクリープ強さに顕著な向上が見られ、黒化
処理時の張力低下が防止できることが確認されたので、
結晶粒度を粒度番号9.0以上とすることが好ましい。
ここにおいて、粒度番号とはJIS G 0552で規
定される粒度番号である。
【0028】上記のように各成分そして好ましくは結晶
粒度を制御することにより、エッチング加工性を劣化さ
せずに高温強度を今後の要求に対応しうるに十分向上さ
せ、色ずれの原因となる黒化処理時の張力低下を防止す
ることができる。
【0029】
【実施例及び比較例】まず、各種供試材は、溶製→脱ガ
ス後連続鋳造→熱間圧延を経て、以後冷間圧延及び焼鈍
を繰り返し、板厚0.15mmの冷延板としたものであ
る。尚、この時の成分及び結晶粒度は、表1に示す通り
である。
【0030】各供試材について、常温と450℃で引張
強さを測定した。更にクリープ強さの評価としては、4
50℃で材料に300N/mm2 の一定張力をかけるク
リープ試験を行い、30分間経過した時の伸び率を測定
し、従来基準よりはるかに厳しい0.6%以下であれば
合格とした。引張強さ及びクリープ試験の測定は全て圧
延方向に対して直角の方向のみに対して行った。また、
エッチング性の評価としては、実際に供試材をアパーチ
ャグリルのスリットにエッチング加工することにより、
エッチング壁面の状況をSEMで観察して、良、不良の
判定を行なった(○:良 ×:不良)。尚、この時スリ
ットは圧延方向に対して直角に配列させるようにエッチ
ングし、エッチング液には塩化第2鉄を使用した。結果
を表1に併せて示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果から次の事項が明らかである。
即ち、本発明例No.1〜16に係わる材料は、いずれ
も高温強度、特に450℃でのクリープ強さに優れ、エ
ッチング加工性も良好である。このように本発明による
アパーチャグリル用素材鋼板は、今後のアパーチャグリ
ル用素材鋼板として要求される全ての項目を充足してい
る事がわかる。
【0033】これに対して、比較例No.17に係わる
材料は、低炭素鋼の強化機構に決定的な役割を果たすC
の含有量が0.001wt%よりも少ない上に、0.0
20重量%を超えるAlを含有しているために固溶N量
も少なくなってしまい、常温及び450℃での引張強さ
やクリープ強さに劣っている。
【0034】逆に、比較例No.18に係わるものは、
Cの含有量が0.030wt%を超えているためにセメ
ンタイトが析出して粗大化し、母相の連続性が著しく損
なわれ、均一にエッチングがされず、壁面が荒れて良好
なスリット形状が得られなかった。
【0035】一方、比較例No.19に係わる材料は、
Siの含有量が0.05wt%を超えているために、S
i系の介在物が数多く存在し、そのためエッチングした
際、壁面に肌荒れが生じている。
【0036】また、比較例No.20に係わるものは、
Pの含有量が0.05wt%を超えているために、著し
く粒界偏析し、そのためエッチングした際、壁面に肌荒
れが生じている。
【0037】そして、比較例No.21に係わるもの
は、Sの含有量が0.015wt%を超えているため
に、硫化物系の介在物が数多く存在し、そのためエッチ
ングした際、壁面に肌荒れが生じている。
【0038】次に、比較例No.22に係わるものは、
Oの含有量が0.015wt%を超えているために、酸
化物系の介在物が数多く存在し、そのためエッチングし
た際、壁面に肌荒れが生じている。
【0039】最後に、比較例No.23に係わるもの
は、本発明で最も重要な元素であるMn及びNの含有量
が適正値未満であり、それに加えてWやNb等の他の強
化元素も含有されていないために、結晶粒が微細化せ
ず、常温及び450℃での引張強さやクリープ強さに劣
っている。
【0040】
【発明の効果】以上に説明したが如く、本発明によれ
ば、低炭素鋼板において、MnとNとの相互作用によ
り、非常に高い高温強度を実現すると共に、更には微量
成分を適量に調整し、結晶粒を微細化させることによ
り、高温強度が高く、しかもエッチング加工性に優れた
アパーチャグリル用素材鋼板を提供することができる。
より高度な画像を得るためにグリットの配列が今後益々
ファインピッチ化の傾向にあるが、本発明はそうした将
来のニーズにも充分に対応することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 剛志 神奈川県高座郡寒川町倉見3番地日本鉱業 株式会社倉見工場内 (72)発明者 西川 清明 神奈川県高座郡寒川町倉見3番地日本鉱業 株式会社倉見工場内 (72)発明者 津山 青史 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号日本 鋼管株式会社内 (72)発明者 細谷 佳弘 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号日本 鋼管株式会社内 (72)発明者 馬場 裕 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号日本 鋼管株式会社内 (72)発明者 大沢 紘一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号日本 鋼管株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低炭素鋼板において、重量%で、N :
    0.010%を超え乃至0.100%以下、Mn:0.
    60%を超え乃至3.00%以下、そしてC :0.0
    01%以上乃至0.030%以下を含有し、残部Fe及
    びその他の不可避不純物からなることを特徴とする、高
    温強度及びエッチング性に優れたアパーチャグリル用素
    材。
  2. 【請求項2】 W及びNiの1種以上を合計含有量とし
    て0.10%以上乃至4.00%以下更に含有すること
    を特徴とする請求項1のアパーチャグリル用素材。
  3. 【請求項3】 Nb、V、Ti、Zr、Ta及びBの中
    から選択される1種若しくは2種以上を合計含有量とし
    て0.001%以上乃至0.5%以下更に含有すること
    を特徴とする請求項1のアパーチャグリル用素材。
  4. 【請求項4】 W及びNiの1種以上を合計含有量とし
    て0.10%以上乃至4.00%以下そしてNb、V、
    Ti、Zr、Ta及びBの中から選択される1種若しく
    は2種以上を合計含有量として0.001%以上乃至
    0.5%以下更に含有することを特徴とする請求項1の
    アパーチャグリル用素材。
  5. 【請求項5】 結晶粒度がJIS G 0552で規定
    される粒度番号9.0以上に制御されていることを特徴
    とする請求項1、2、3乃至4のアパーチャグリル用素
    材。
  6. 【請求項6】 不純物が、重量%で、Si:0.05%
    以下、P :0.02%以下、S :0.015%以
    下、O :0.015%以下Al:0.020%以下に
    制御されていることを特徴とする請求項1、2、3、4
    乃至5のアパーチャグリル用素材。
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