JP2857390B2 - 高透磁率磁性合金 - Google Patents
高透磁率磁性合金Info
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- JP2857390B2 JP2857390B2 JP62082533A JP8253387A JP2857390B2 JP 2857390 B2 JP2857390 B2 JP 2857390B2 JP 62082533 A JP62082533 A JP 62082533A JP 8253387 A JP8253387 A JP 8253387A JP 2857390 B2 JP2857390 B2 JP 2857390B2
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- magnetic alloy
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は初透磁率や保磁力等の磁気特性にすぐれた高
透磁率磁性合金に関するものである。 〔従来技術〕 従来、高透磁率磁性合金として一般的に用いられる合
金は、80%Ni−Fe−Mo系あるいは78%Ni−Fe−Cu−Mo系
のものであり、通常PCパーマロイと呼ばれている。これ
らの合金は、優れた磁気特性を有している反面、NiやMo
等の高価な元素を多量に含んでいるため、価格が高いと
いう欠点を有する。 そこで、本発明者らの一部は先に、比較的安価な元素
でNiやMoを置換した低廉な高透磁率磁性合金を提案した
(特開昭59−126746号)。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記の合金は熱間加工性に難があると
ともに磁気特性も充分満足し得るものとは言い難いもの
であった。 〔問題点を解決するための手段〕 前記課題を解決するために本発明者らは継続的に研究
を重ねた結果、上記合金に所定量のMgを添加含有せしめ
ることにより熱間加工性が改善されること、および上記
合金の磁気特性に合金中の酸素含量が大きく影響してい
ること、すなわち酸素が合金中の不可避的不純物原子と
反応して介在物を形成して磁性を低下させることを見い
出し、本発明をなすに至った。 すなわち、本発明の高透磁率磁性合金は、重量比で、
Cu:3〜27%、Mn:3〜27%、Ni:55〜75%でかつ、Cu+Mn:
40%以下、Cu+Mn+Ni:95%以下、Si:0.02〜4%、Mg:
0.001〜0.03%、Al:0.1%以下、必要に応じてCr:6%以
下、さらに必要に応じてMo:6%以下、Nb:10%以下、Ta:
10%以下のうち1種または2種以上、残部Feおよび不可
避的不純物よりなることを特徴とするものである。 以下、この発明による高透磁率磁性合金の成分範囲
(重量比)の限定理由について説明する。 Cu:3〜27% Cuは本発明合金系においてその透磁率を向上させるの
に有効な元素であり、このような効果を得るためには3
%以上含有させることが必要である。しかし、27%を超
えると飽和磁化が低くなると同時に透磁率が低くなって
磁気特性を低下させるので、27%以下とすることが必要
である。 Mn:3〜27% MnはCuと同様に本発明合金系においてその透磁率を向
上させるのに有効な元素であり、このような効果を得る
ためには3%以上含有させることが必要である。しか
し、27%を超えると飽和磁化が低くなると同時に透磁率
が低くなって磁気特性を低下させるので、27%以下とす
ることが必要である。また、溶解、加工などの製造性を
損なう面からも27%を超える添加は好ましくない。 Ni:55〜75% Niは価格の点から極力低くした方が良いが、55%未満
では所期の高い磁気特性を保持できないので55%以上と
する。しかし、75%を超えると通常製造されているPCパ
ーマロイと同程度のNi量となり、価格的に高いものとな
る。また、Cu,Mnを多量に含む場合、Ni量が75%を超え
ると必然的にFe量が減り、飽和磁化の低下をきたすとと
もに透磁率も減少する。従って、75%以下とすることが
必要である。 Cu+Mn:40%以下、Cu+Mn+Ni:95%以下 Cu+Mn量およびCu+Mn+Ni量がそれぞ45%および95%
を超えると、透磁率が低くなって磁気特性を低下させる
ので、各々40%以下および95%以下に制限することが必
要である。 Si:0.02〜4% Siは磁気特性、とくに透磁率を向上させるのに有効な
元素であり、このような効果を得るためには0.02%以上
含有させることが必要である。しかし、4%を超えると
加工性が劣化するので、4%以下とすることが必要であ
る。 Mg:0.001〜0.03% Mgは熱間加工性を改善する効果があり、そのためには
0.001%以上必要である。しかし、0.03%を超えると高
透磁率を保てなくなるので、0.03%以下とすることが、
必要である。 Al:0.1%以下 Alは合金中の酸素を低下させるのに有効である。しか
し、0.1%を超えると介在物となりやすく、磁気特性を
低下させるため、0.1%以下とする必要がある。 Cr:6%以下 Crは耐食性の向上に寄与する元素であるが、多すぎる
と磁気特性を劣化させるので、上記基本成分に含有させ
る場合には6%以下の範囲で添加する。 Mo:6%以下、Nb:10%以下、Ta:10%以下のうちの1種ま
たは2種以上 Mo,Nb,Taはいずれも硬さの向上に寄与する元素であ
り、Moは磁気特性を高める効果も有するが、多く添加し
すぎると加工性が著しく劣化し、熱間および冷間加工が
困難となるので、上記基本成分に含有させる場合には、
Mo:6%以下、Nb:10%以下、Ta:10%以下とする必要があ
る。 なお、上記した成分のほかに、W,V,Ge,Ti,Al,Co,Sn等
の1種または2種以上を適宜添加することも必要に応じ
て望ましい。 以下、実施例について説明する。 真空誘導溶解炉を使用して第1表に示す成分の合金を
溶製し、各々5kgのインゴットを製塊した。次いで各イ
ンゴットを所定の温度で熱間鍛造し、厚さ20mmの板状に
したのち、熱間圧延および冷間圧延により厚さ1mmの板
材に加工した。次にこの板材より外径45mm,内径33mmの
環状磁気試験片を切り出し、水素気流中で磁気焼なまし
を施した後、磁気特性の測定を行った。その結果を同じ
く第1表に示す。 なお、熱処理時の加熱温度および冷却速度は、結晶粒
度あるいは規則度といった金属組織に影響し、磁気特性
への影響が考えられ、各供試成分毎に最適条件が存在す
ると考えられるが、この実施例においては、1100℃に加
熱した後、約150℃/hrの速度で冷却した場合を示してい
る。 〔効果〕 以上のような本発明によれば、比較的低価格であって
しかも初透磁率や保磁力等の磁気特性にすぐれるととも
に熱間加工性にすぐれた高透磁率磁性合金を得ることが
できるという効果を有するものである。
透磁率磁性合金に関するものである。 〔従来技術〕 従来、高透磁率磁性合金として一般的に用いられる合
金は、80%Ni−Fe−Mo系あるいは78%Ni−Fe−Cu−Mo系
のものであり、通常PCパーマロイと呼ばれている。これ
らの合金は、優れた磁気特性を有している反面、NiやMo
等の高価な元素を多量に含んでいるため、価格が高いと
いう欠点を有する。 そこで、本発明者らの一部は先に、比較的安価な元素
でNiやMoを置換した低廉な高透磁率磁性合金を提案した
(特開昭59−126746号)。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記の合金は熱間加工性に難があると
ともに磁気特性も充分満足し得るものとは言い難いもの
であった。 〔問題点を解決するための手段〕 前記課題を解決するために本発明者らは継続的に研究
を重ねた結果、上記合金に所定量のMgを添加含有せしめ
ることにより熱間加工性が改善されること、および上記
合金の磁気特性に合金中の酸素含量が大きく影響してい
ること、すなわち酸素が合金中の不可避的不純物原子と
反応して介在物を形成して磁性を低下させることを見い
出し、本発明をなすに至った。 すなわち、本発明の高透磁率磁性合金は、重量比で、
Cu:3〜27%、Mn:3〜27%、Ni:55〜75%でかつ、Cu+Mn:
40%以下、Cu+Mn+Ni:95%以下、Si:0.02〜4%、Mg:
0.001〜0.03%、Al:0.1%以下、必要に応じてCr:6%以
下、さらに必要に応じてMo:6%以下、Nb:10%以下、Ta:
10%以下のうち1種または2種以上、残部Feおよび不可
避的不純物よりなることを特徴とするものである。 以下、この発明による高透磁率磁性合金の成分範囲
(重量比)の限定理由について説明する。 Cu:3〜27% Cuは本発明合金系においてその透磁率を向上させるの
に有効な元素であり、このような効果を得るためには3
%以上含有させることが必要である。しかし、27%を超
えると飽和磁化が低くなると同時に透磁率が低くなって
磁気特性を低下させるので、27%以下とすることが必要
である。 Mn:3〜27% MnはCuと同様に本発明合金系においてその透磁率を向
上させるのに有効な元素であり、このような効果を得る
ためには3%以上含有させることが必要である。しか
し、27%を超えると飽和磁化が低くなると同時に透磁率
が低くなって磁気特性を低下させるので、27%以下とす
ることが必要である。また、溶解、加工などの製造性を
損なう面からも27%を超える添加は好ましくない。 Ni:55〜75% Niは価格の点から極力低くした方が良いが、55%未満
では所期の高い磁気特性を保持できないので55%以上と
する。しかし、75%を超えると通常製造されているPCパ
ーマロイと同程度のNi量となり、価格的に高いものとな
る。また、Cu,Mnを多量に含む場合、Ni量が75%を超え
ると必然的にFe量が減り、飽和磁化の低下をきたすとと
もに透磁率も減少する。従って、75%以下とすることが
必要である。 Cu+Mn:40%以下、Cu+Mn+Ni:95%以下 Cu+Mn量およびCu+Mn+Ni量がそれぞ45%および95%
を超えると、透磁率が低くなって磁気特性を低下させる
ので、各々40%以下および95%以下に制限することが必
要である。 Si:0.02〜4% Siは磁気特性、とくに透磁率を向上させるのに有効な
元素であり、このような効果を得るためには0.02%以上
含有させることが必要である。しかし、4%を超えると
加工性が劣化するので、4%以下とすることが必要であ
る。 Mg:0.001〜0.03% Mgは熱間加工性を改善する効果があり、そのためには
0.001%以上必要である。しかし、0.03%を超えると高
透磁率を保てなくなるので、0.03%以下とすることが、
必要である。 Al:0.1%以下 Alは合金中の酸素を低下させるのに有効である。しか
し、0.1%を超えると介在物となりやすく、磁気特性を
低下させるため、0.1%以下とする必要がある。 Cr:6%以下 Crは耐食性の向上に寄与する元素であるが、多すぎる
と磁気特性を劣化させるので、上記基本成分に含有させ
る場合には6%以下の範囲で添加する。 Mo:6%以下、Nb:10%以下、Ta:10%以下のうちの1種ま
たは2種以上 Mo,Nb,Taはいずれも硬さの向上に寄与する元素であ
り、Moは磁気特性を高める効果も有するが、多く添加し
すぎると加工性が著しく劣化し、熱間および冷間加工が
困難となるので、上記基本成分に含有させる場合には、
Mo:6%以下、Nb:10%以下、Ta:10%以下とする必要があ
る。 なお、上記した成分のほかに、W,V,Ge,Ti,Al,Co,Sn等
の1種または2種以上を適宜添加することも必要に応じ
て望ましい。 以下、実施例について説明する。 真空誘導溶解炉を使用して第1表に示す成分の合金を
溶製し、各々5kgのインゴットを製塊した。次いで各イ
ンゴットを所定の温度で熱間鍛造し、厚さ20mmの板状に
したのち、熱間圧延および冷間圧延により厚さ1mmの板
材に加工した。次にこの板材より外径45mm,内径33mmの
環状磁気試験片を切り出し、水素気流中で磁気焼なまし
を施した後、磁気特性の測定を行った。その結果を同じ
く第1表に示す。 なお、熱処理時の加熱温度および冷却速度は、結晶粒
度あるいは規則度といった金属組織に影響し、磁気特性
への影響が考えられ、各供試成分毎に最適条件が存在す
ると考えられるが、この実施例においては、1100℃に加
熱した後、約150℃/hrの速度で冷却した場合を示してい
る。 〔効果〕 以上のような本発明によれば、比較的低価格であって
しかも初透磁率や保磁力等の磁気特性にすぐれるととも
に熱間加工性にすぐれた高透磁率磁性合金を得ることが
できるという効果を有するものである。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.重量比で、Cu:3〜27%、Mn:3〜27%、Ni:55〜75%
でかつ、Cu+Mn:40%以下、Cu+Mn+Ni:95%以下、Si:
0.02〜4%、Mg:0.001〜0.03%、Al:0.1%以下、残部Fe
および不可避的不純物よりなることを特徴とする高透磁
率磁性合金。 2.重量比で、Cu:3〜27%、Mn:3〜27%、Ni:55〜75%
でかつ、Cu+Mn:40%以下、Cu+Mn+Ni:95%以下、Si:
0.02〜4%、Mg:0.001〜0.03%、Al:0.1%以下、Cr:6%
以下、残部Feおよび不可避的不純物よりなることを特徴
とする高透磁率磁性合金。 3.重量比で、Cu:3〜27%、Mn:3〜27%、Ni:55〜75%
でかつ、Cu+Mn:40%以下、Cu+Mn+Ni:95%以下、Si:
0.02〜4%、Mg:0.001〜0.03%、Al:0.1%以下、および
Mo:6%以下、Nb:10%以下、Ta:10%以下のうちの1種ま
たは2種以上、残部Feおよび不可避的不純物よりなるこ
とを特徴とする高透磁率磁性合金。 4.重量比で、Cu:3〜27%、Mn:3〜27%、Ni:55〜75%
でかつ、Cu+Mn:40%以下、Cu+Mn+Ni:95%以下、Si:
0.02〜4%、Mg:0.001〜0.03%、Al:0.1%以下、Cr:6%
以下、およびMo:6%以下、Nb:10%以下、Ta:10%以下の
うちの1種または2種以上、残部Feおよび不可避的不純
物よりなることを特徴とする高透磁率磁性合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62082533A JP2857390B2 (ja) | 1987-04-03 | 1987-04-03 | 高透磁率磁性合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62082533A JP2857390B2 (ja) | 1987-04-03 | 1987-04-03 | 高透磁率磁性合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63247336A JPS63247336A (ja) | 1988-10-14 |
JP2857390B2 true JP2857390B2 (ja) | 1999-02-17 |
Family
ID=13777141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62082533A Expired - Lifetime JP2857390B2 (ja) | 1987-04-03 | 1987-04-03 | 高透磁率磁性合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2857390B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58100651A (ja) * | 1981-12-10 | 1983-06-15 | Tohoku Metal Ind Ltd | 磁性合金 |
JPS59126746A (ja) * | 1983-01-10 | 1984-07-21 | Daido Steel Co Ltd | 高透磁率磁性合金 |
JPS60248865A (ja) * | 1984-05-23 | 1985-12-09 | Nippon Gakki Seizo Kk | 高透磁率合金 |
-
1987
- 1987-04-03 JP JP62082533A patent/JP2857390B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63247336A (ja) | 1988-10-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071127 Year of fee payment: 9 |