JP2674137B2 - 高透磁率磁性材料 - Google Patents
高透磁率磁性材料Info
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- JP2674137B2 JP2674137B2 JP24035788A JP24035788A JP2674137B2 JP 2674137 B2 JP2674137 B2 JP 2674137B2 JP 24035788 A JP24035788 A JP 24035788A JP 24035788 A JP24035788 A JP 24035788A JP 2674137 B2 JP2674137 B2 JP 2674137B2
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- magnetic material
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Description
本発明はFe−Ni系磁性合金、主としてPBパーマロイの
磁気特性、とくに透磁率を向上させた磁性材料に関す
る。
磁気特性、とくに透磁率を向上させた磁性材料に関す
る。
種々の磁気装置のヘッドコア、トロイダルコア、トラ
ンスコア、あるいは磁気シールド材を構成する材料とし
て、PCパーマロイと並んでPBパーマロイが広く使用され
ている。 この種の材料の磁気特性のうち最も重要な透磁率を向
上させる手段としては、まず磁性合金の組成の改善が考
えられる。すなわち、種々の合金元素を添加して、合金
そのものの物理的特性をコントロールしたり(たとえば
飽和磁歪定数や結晶磁気異方性を小さくすること)、不
純物の含有量をごく微量にしたり第二相の生成を極力抑
えて、高純度の磁性材料を得ることである。 いまひとつは結晶粒径を大きくすることであって、通
常は、種々の加工の後に、この磁性材料を1000℃以上の
非酸化製雰囲気中におく磁気焼鈍を行なうことによっ
て、結晶粒の粗大化をはかっている。 従来の結晶粒粗大化は上記の方策を組み合わせたもの
であって、実用的な手法で可能な限界まで微量不純物
(代表的にはC)の含有量を低減させたあとは、磁気焼
鈍時の加熱温度を高くしたり、加熱時間を長くすること
によって結晶粒の成長を促すことに頼らざるを得ない。 しかし、高温かつ長時間の加熱は、作業能率、消費エ
ネルギーあるいは加熱中の被処理品の変形などの諸点か
ら、不都合が多い。より低い加熱温度と短い加熱時間で
結晶粒の粗大化を進め、透磁率の高い磁性材料を得るこ
とができれば、技術的に大きな意義がある。
ンスコア、あるいは磁気シールド材を構成する材料とし
て、PCパーマロイと並んでPBパーマロイが広く使用され
ている。 この種の材料の磁気特性のうち最も重要な透磁率を向
上させる手段としては、まず磁性合金の組成の改善が考
えられる。すなわち、種々の合金元素を添加して、合金
そのものの物理的特性をコントロールしたり(たとえば
飽和磁歪定数や結晶磁気異方性を小さくすること)、不
純物の含有量をごく微量にしたり第二相の生成を極力抑
えて、高純度の磁性材料を得ることである。 いまひとつは結晶粒径を大きくすることであって、通
常は、種々の加工の後に、この磁性材料を1000℃以上の
非酸化製雰囲気中におく磁気焼鈍を行なうことによっ
て、結晶粒の粗大化をはかっている。 従来の結晶粒粗大化は上記の方策を組み合わせたもの
であって、実用的な手法で可能な限界まで微量不純物
(代表的にはC)の含有量を低減させたあとは、磁気焼
鈍時の加熱温度を高くしたり、加熱時間を長くすること
によって結晶粒の成長を促すことに頼らざるを得ない。 しかし、高温かつ長時間の加熱は、作業能率、消費エ
ネルギーあるいは加熱中の被処理品の変形などの諸点か
ら、不都合が多い。より低い加熱温度と短い加熱時間で
結晶粒の粗大化を進め、透磁率の高い磁性材料を得るこ
とができれば、技術的に大きな意義がある。
本発明者らは、このような観点から研究を進めた結
果、Fe−Ni系磁性合金に対して、Tiをはじめとする特定
の金属のグループからえらんだ成分を特定量添加するこ
とによって、磁気焼鈍による結晶粒粗大化が効果的に進
むことを見出した。 従って本発明の目的は、この新知見を活用し、特別の
条件でなく通常の熱処理によって結晶粒を粗大化させ、
高い透磁率をもつに至ったFe−Ni系磁性材料を提供する
ことにある。
果、Fe−Ni系磁性合金に対して、Tiをはじめとする特定
の金属のグループからえらんだ成分を特定量添加するこ
とによって、磁気焼鈍による結晶粒粗大化が効果的に進
むことを見出した。 従って本発明の目的は、この新知見を活用し、特別の
条件でなく通常の熱処理によって結晶粒を粗大化させ、
高い透磁率をもつに至ったFe−Ni系磁性材料を提供する
ことにある。
本発明のFe−Ni系高透磁率磁性材料は、Ni:34%以上6
5%未満、C:0.035%以下およびN:0.010%以下に加え
て、Ti,Zr,V,Nb,TaおよびWからなるグループからえら
んだ1種または2種以上(2種以上の場合は合計量
で):0.002%以上0.30%未満を含有し、残部が実質上Fe
からなる合金組成を有し、磁気焼鈍後の平均結晶粒径が
0.25mm以上であることを特徴とする。
5%未満、C:0.035%以下およびN:0.010%以下に加え
て、Ti,Zr,V,Nb,TaおよびWからなるグループからえら
んだ1種または2種以上(2種以上の場合は合計量
で):0.002%以上0.30%未満を含有し、残部が実質上Fe
からなる合金組成を有し、磁気焼鈍後の平均結晶粒径が
0.25mm以上であることを特徴とする。
本発明のFe−Ni系磁材料は、前記したように主として
PBパーマロイ合金の改良に関するものであるから、基本
的な合金組成はPBパーマロイのそれに従っている。基本
成分を含めて、上記の合金組成を選択した理由は、つぎ
りとおりである。 Ni:34%以上65%未満 合金が高透磁率を示すためにNiが必要であって、34%
に至らない含有量ではキュリー点が室温に近いうえに磁
気特性の温度変化が大きくて実用に適しないうえ、飽和
磁束密度も低い。65%以上の領域では飽和密度が低下を
みせるし、材料として高価になる。 C:0.035%以下 後記するTi以下のグループの成分とともに、結晶粒を
粗大化する効果がある。その機構としては、CがTiをは
じめとする元素と微細な炭化物を形成し、それが結晶粒
成長時に一次結晶粒成長を妨げ、その結果として二次結
晶粒成長が起りやすくなることが考えられる。この効果
は、ごく微量のC、たとえばNiやFeの通常製造法によっ
て除去可能な限界である5ppm程度の存在において、すで
に認められる。0.035%を超える多量の存在は、かえっ
て結晶粒粗大化作用を失なわせる。 N:0.010%以下 結晶粒粗大化効果を生じる機構は、NもCと同様であ
って、微量の存在で有効である。多量に添加しようとす
ると、インゴット中にブローホールが発生したり、薄帯
にしたときのフクレの原因になったりするから、上記の
0.010%を限度とした。 Ti,Zr,V,Nb,Ta,W:1種または2種以上:0.002%以上0.30
%未満 上記のように、微細な炭化物や窒化物を形成して結晶
粒の一次成長を妨げ、二次成長を容易にする。この効果
は、0.002%以上の添加で得られ、一方、0.30%以上の
添加は、むしろ結晶粒を微細化させる傾向がある。とく
に好ましい添加量は、0.005〜0.20%の範囲である。 本発明の磁性材料は、上記の合金組成に対して、必要
により、磁気特性を損わない範囲の量で脱酸剤を加えた
り、機械的性質や電機抵抗を改善する成分を与えたり、
あるいは熱間加工性の向上をもたらす元素を用いたりし
てもよいことはもちろんである。 この合金の磁気焼鈍は、適宜の形状たとえば薄帯に加
工したものを、非酸化性雰囲気中で1100℃程度の温度に
2時間ほど保持し、除冷することにより行なえばよい。
従来の磁気焼鈍が、1100℃以上で4時間以上、甚しい場
合は10時間という苛酷な条件で実施していたのと比較す
ると、本発明に従った合金の磁気焼鈍は、はるかに有利
である。
PBパーマロイ合金の改良に関するものであるから、基本
的な合金組成はPBパーマロイのそれに従っている。基本
成分を含めて、上記の合金組成を選択した理由は、つぎ
りとおりである。 Ni:34%以上65%未満 合金が高透磁率を示すためにNiが必要であって、34%
に至らない含有量ではキュリー点が室温に近いうえに磁
気特性の温度変化が大きくて実用に適しないうえ、飽和
磁束密度も低い。65%以上の領域では飽和密度が低下を
みせるし、材料として高価になる。 C:0.035%以下 後記するTi以下のグループの成分とともに、結晶粒を
粗大化する効果がある。その機構としては、CがTiをは
じめとする元素と微細な炭化物を形成し、それが結晶粒
成長時に一次結晶粒成長を妨げ、その結果として二次結
晶粒成長が起りやすくなることが考えられる。この効果
は、ごく微量のC、たとえばNiやFeの通常製造法によっ
て除去可能な限界である5ppm程度の存在において、すで
に認められる。0.035%を超える多量の存在は、かえっ
て結晶粒粗大化作用を失なわせる。 N:0.010%以下 結晶粒粗大化効果を生じる機構は、NもCと同様であ
って、微量の存在で有効である。多量に添加しようとす
ると、インゴット中にブローホールが発生したり、薄帯
にしたときのフクレの原因になったりするから、上記の
0.010%を限度とした。 Ti,Zr,V,Nb,Ta,W:1種または2種以上:0.002%以上0.30
%未満 上記のように、微細な炭化物や窒化物を形成して結晶
粒の一次成長を妨げ、二次成長を容易にする。この効果
は、0.002%以上の添加で得られ、一方、0.30%以上の
添加は、むしろ結晶粒を微細化させる傾向がある。とく
に好ましい添加量は、0.005〜0.20%の範囲である。 本発明の磁性材料は、上記の合金組成に対して、必要
により、磁気特性を損わない範囲の量で脱酸剤を加えた
り、機械的性質や電機抵抗を改善する成分を与えたり、
あるいは熱間加工性の向上をもたらす元素を用いたりし
てもよいことはもちろんである。 この合金の磁気焼鈍は、適宜の形状たとえば薄帯に加
工したものを、非酸化性雰囲気中で1100℃程度の温度に
2時間ほど保持し、除冷することにより行なえばよい。
従来の磁気焼鈍が、1100℃以上で4時間以上、甚しい場
合は10時間という苛酷な条件で実施していたのと比較す
ると、本発明に従った合金の磁気焼鈍は、はるかに有利
である。
表に示す組成の合金をそれぞれ50kg溶製し、鋳造し
た。 それらのインゴットを800〜1350℃の温度で熱間鍛造
して厚さ30mmのビレットにし、ついで700〜1350℃の温
度で熱間圧延して厚さ7mmの帯とした。 700〜1000℃の中間焼鈍を組み込みながら冷間圧延
し、最終的に厚さ0.10〜0.5mmの薄帯にした。 この薄帯に対し、水素気流中で1100℃×2時間の磁気
焼鈍を行なってから、平均結晶粒径と透磁率を測定し
た。 それらの結果を、あわせて表に示す。
た。 それらのインゴットを800〜1350℃の温度で熱間鍛造
して厚さ30mmのビレットにし、ついで700〜1350℃の温
度で熱間圧延して厚さ7mmの帯とした。 700〜1000℃の中間焼鈍を組み込みながら冷間圧延
し、最終的に厚さ0.10〜0.5mmの薄帯にした。 この薄帯に対し、水素気流中で1100℃×2時間の磁気
焼鈍を行なってから、平均結晶粒径と透磁率を測定し
た。 それらの結果を、あわせて表に示す。
本発明の磁性材料はPBパーマロイ系の磁性合金を改良
したものであって、穏和な条件の磁気焼鈍によって結晶
粒度が著しく粗大化しており、高い透磁率を示す。
したものであって、穏和な条件の磁気焼鈍によって結晶
粒度が著しく粗大化しており、高い透磁率を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】Ni:34%以上65%未満、C:0.035%以下およ
びN:0.010%以下に加えて、 Ti,Zr,V,Nb,TaおよびWからなるグループからえらんだ
1種または2種以上(2種以上の場合は合計量で):0.0
02%以上0.30%未満を含有し、残部が実質上Feからなる
合金組成を有し、磁気焼鈍後の平均結晶粒径が0.25mm以
上であることを特徴とするFe−Ni系高透磁率磁性合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24035788A JP2674137B2 (ja) | 1988-09-26 | 1988-09-26 | 高透磁率磁性材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24035788A JP2674137B2 (ja) | 1988-09-26 | 1988-09-26 | 高透磁率磁性材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0288746A JPH0288746A (ja) | 1990-03-28 |
JP2674137B2 true JP2674137B2 (ja) | 1997-11-12 |
Family
ID=17058287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24035788A Expired - Fee Related JP2674137B2 (ja) | 1988-09-26 | 1988-09-26 | 高透磁率磁性材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2674137B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH046249A (ja) * | 1990-04-24 | 1992-01-10 | Nippon Steel Corp | 磁気特性及び表面性状に優れたFe―Ni系磁性合金およびその製造方法 |
JP4523389B2 (ja) * | 2004-11-24 | 2010-08-11 | 株式会社ディーアンドエムホールディングス | 電力供給装置 |
JP6375127B2 (ja) * | 2014-03-31 | 2018-08-15 | Dowaメタルテック株式会社 | Fe−Ni合金材の製造方法、軟磁性部品の製造方法、Fe−Ni合金 |
JP6686796B2 (ja) * | 2016-08-25 | 2020-04-22 | 大同特殊鋼株式会社 | Fe−Ni系合金、軟磁性素材、軟磁性材料及び軟磁性材料の製造方法 |
-
1988
- 1988-09-26 JP JP24035788A patent/JP2674137B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0288746A (ja) | 1990-03-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |