JP3099911B2 - 制振合金 - Google Patents

制振合金

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JP3099911B2
JP3099911B2 JP03285292A JP28529291A JP3099911B2 JP 3099911 B2 JP3099911 B2 JP 3099911B2 JP 03285292 A JP03285292 A JP 03285292A JP 28529291 A JP28529291 A JP 28529291A JP 3099911 B2 JP3099911 B2 JP 3099911B2
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Description

【発明の詳細な説明】
[発明の目的]
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工性に優れた制振合
金に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、振動およびそれに伴う騒音を防止
するために各種合金が開発されている。その合金の代表
的な例として、Fe−Cr系,Fe−Al系の各種Fe
系制振合金が開発されており、一部実用化されている。
【0003】しかし、上記従来の合金は制振特性は良好
であるものの加工性に劣っており、このため製造時の鍛
造加工において割れを生じたり、その後の冷間加工にお
いて傷や剥がれなどを生じるなど、歩留りの低下を生じ
ていた。
【0004】また、上記制振合金の制振特性を改善した
Fe−Cr−Al系の制振合金が開発されている。しか
し、この制振合金は制振特性は良好であるものの、硬度
および機械的強度が劣っており実用性において不十分で
あり、なお加工性において満足のいくものではなかっ
た。このため、上記Fe−Cr−Al系の制振合金の各
種特性を改善するために、添加元素を種々変化させたも
のが検討されている。
【0005】まず、Fe−Cr−Al系の制振合金にM
oを添加した制振合金が検討されている。しかし、この
合金においては冷間加工により硬度の向上を図ることが
可能となるが、熱間加工において剥がれを生じるなど、
加工性において満足のいくものではなかった。
【0006】また、別の添加元素としてNiを添加した
制振合金も検討されている。しかし、この合金において
はAlとの複合添加により硬度は向上するものの、靭性
に劣っており、引張強度の伸びが小さいという欠点を有
しており、やはり加工性において満足のいくものではな
かった。
【0007】また、別の添加元素として上記Fe−Cr
−Al系の制振合金にNb,Mo,V,Co,Cuおよ
びWの少なくとも1種または2種以上を添加した制振合
金も検討されている。しかし、この合金においては硬度
および引張強度は向上するものの、靭性が不十分という
欠点を有していた。さらに熱処理によって硬度はさらに
向上するものの振動減衰能が低下してしまい、満足のい
く特性が得られないという欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来用い
られている制振合金においては、機械的強度が不十分で
あり、かつ加工性に劣っている。
【0009】このため本発明においては、加工性に優れ
ており従来の制振合金と同等の制振特性を有し、かつ硬
度,引張強度および靭性などの十分な機械的強度を有す
る制振合金を提供するものである。 [発明の構成]
【0010】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の制振合金
は、重量%でCrを5〜30%、Alを10%以下、
iを0.5〜5%、S,B,Mg,Beおよびミッシュ
メタルの少なくとも1種または2種以上を0.001〜
1%および残部実質的にFeよりなることを特徴とす
金である。
【0011】さらに、本発明が提供する別の制振合金
は、重量%でCrを5〜30%、Alを10%以下、
iを0.5〜5%、Nb,Mo,V,Co,Cuおよび
Wの少なくとも1種または2種以上を0.1〜10%、
S,B,Mg,Beおよびミッシュメタルの少なくとも
1種または2種以上を0.001〜1%および残部実質
的にFeよりなることを特徴とする合金である。以下
に、本発明の制振合金の合金組成の限定理由について述
べる。
【0012】まず、Crは振動減衰能および機械的強度
の向上に寄与する元素である。しかし、あまりその量が
少ないと十分な機械的強度が得られず、逆にあまりその
量が多いと十分な機械的強度が得られるものの振動減衰
能が低下するため、上記範囲とした。好ましくは8〜2
0重量%である。
【0013】次に、AlはCrと同様に振動減衰能およ
び機械的強度の向上に寄与する元素である。しかし、そ
の量があまり多いと加工性および靭性が低下するため、
上記範囲とした。好ましくは1〜6重量%、さらに好ま
しくは2〜5重量%である。上記Fe−Cr−Al合金
にNiを添加することによりさらに機械的強度の向上を
図ることが可能となる。このNiの添加はAlとの複合
添加により硬度の向上がより顕著となる。しかし、その
量があまり多いと靭性、引張強度、伸びなどが低下し、
さらに振動減衰能が低下するため0.5〜5重量%、
ましくは1〜4重量%である。
【0014】上記Fe−Cr−Al系合金にS,B,M
g,Beおよびミッシュメタルの少なくとも1種または
2種以上を添加することにより伸び、さらには熱間加工
性の向上を図ることが可能となる。これらの元素の添加
効果はNiの添加による靭性,引張強度,伸びなどの低
下を防止することが可能であるため、Niを添加した場
合により顕著となる。しかし、その量があまり少ないと
添加の効果が得られず、逆にあまりその量が多いと加工
性が低下すると共に、振動減衰能も低下するため上記範
囲とした。好ましくは0.002〜0.7重量%、さら
に好ましくは0.003〜0.2重量%である。ここで
ミッシュメタルとはセリウム族希土類元素の混合物であ
り、CeおよびLaを含む合金である。
【0015】さらに、本発明においてはNb,Mo,
V,Co,CuおよびWを添加することにより引張強度
や硬度の向上を図ることが可能となる。しかし、その量
があまり少ないと添加の効果がなく、逆にあまりその量
が多いと振動減衰能が低下するため上記範囲とした。好
ましくは0.2〜7重量%、さらに好ましくは0.5〜
5重量%である。本発明の制振合金は、例えば下記の製
造方法により製造される。
【0016】すなわち、まず本発明合金組成の元素を溶
解,鋳造し、インゴットを得る。このインゴットを70
0〜1250℃の熱間鍛造,熱間圧延などの熱間加工を
施し任意の形状とする。この熱間加工温度があまり低い
と加工に要する時間が増大し、また加工時に割れが発生
しやすくなり、逆にその温度があまり高いと結晶粒が粗
大となり、また合金の内部酸化が発生しやすくなるため
上記範囲とした。
【0017】この後、600〜1100℃の温度で0.
1〜5時間の焼鈍を施す。この焼鈍は合金を再結晶化さ
せ結晶粒径を均一化し、後加工のために機械的強度を向
上するための熱処理であり、この焼鈍温度があまり低い
と合金が再結晶化せず、逆にその温度があまり高いと結
晶粒が粗大となり、後加工が困難となるため上記範囲と
した。また、熱処理時間があまり短いと合金を再結晶す
るための温度を高くする必要があり、また結晶粒径にば
らつきが生じ、逆にその時間があまり長いと合金の表面
酸化や内部酸化が発生しやすくなり加工が困難となるた
め上記範囲とした。好ましくは0.2〜3時間であり、
さらに好ましくは0.5〜2時間である。
【0018】この焼鈍された材料を通常の方法で冷間加
工を施し、所望形状の材料とする。この冷間加工された
材料を、最終製品としての形状に加工した後、600〜
1100℃の温度で0.1〜5時間の最終焼鈍を施す
この最終焼鈍は合金の制振特性を得るための熱処理であ
り、この焼鈍温度があまり低いと意図する制振特性が得
られず、逆にあまり高いと合金の結晶粒が粗大になり、
機械的強度が低下するため上記範囲とした。また、熱処
理時間があまり短いと意図する制振特性を得るためには
高温で焼鈍する必要が生じ、特性にばらつきを生じやす
くなり、逆にその時間があまり長いと結晶粒が粗大とな
り、機械的強度が低下するため上記範囲とした。好まし
くは0.2〜3時間であり、さらに好ましくは0.5〜
2時間である。
【0019】さらに、本発明のNiとAlを複合添加し
た合金においては、最終焼鈍においてその加熱後の冷却
速度を1000〜0.5℃/min とすることにより高硬
度を得ることが可能となり好ましい。この冷却速度があ
まり速いと意図する高硬度が得られず、逆にその速度が
あまり速いとやはり意図する高硬度が得られず、またコ
ストが増大するため工業的に好ましくない。好ましい冷
却速度は500〜1℃/min であり、さらに好ましくは
100〜2℃/min である。
【0020】以上のような製造方法により、従来の制振
合金と同等の制振特性を有し、かつ硬度,引張強度およ
び靭性などの十分な機械的強度を有する制振合金を得る
ことが可能となる。上記本発明の合金の製造時におい
て、材料表面のキズなどの除去のために、切削加工等を
行うことは何らさしつかえない。
【0021】本発明の制振合金は、振動さらにはそれに
伴う騒音を防止することが必要な箇所に用いられる用途
であれば何ら限定されるものではないが、例えば丸鋸の
鋸身材あるいは軸受けなど制振性が要求される各種用途
に用いることが可能である。
【0022】
【実施例】比較例
【0023】表1に示す組成の各種合金を、通常の溶
解、鋳造を行い約5kgのインゴットを得た。得られた
インゴットを1000℃で熱間鍛造および熱間圧延を施
し4mmの板材とした。得られた板材を750℃で1時
間の焼鈍を施した。この板材を冷間加工し1mmの板材
とした後、幅10mm,長さ100mm切断した。な
お、表中M.Mとはミッシュメタルを表している
【0024】
【表1】
【0025】得られた試料を表2に示す熱処理温度で1
時間の最終焼鈍を施した後、熱間加工性,硬度(H
v),引張強度( kgf/mm2 ),伸び(%)および減衰
能を測定し表2に示した。ここで熱間加工性は熱間鍛造
時に発生した深さ5mm以上のキズの数を測定すると共
に、その後の5mm以下のキズも含めての発生したキズを
除去するための切削加工を施した際の切削加工後の材料
の歩留りを測定した。引張強度と伸びはJIS Z 2
241で規定する方法により測定した。
【0026】減衰能は片持ち梁の状態で自由端を一定量
振動させ自由減衰を測定し、この際ある一定値まで振幅
が減衰するのに要した時間を測定し、比較として示した
試料19の減衰量を1とした場合の相対比較として示し
た。
【0027】
【表2】
【0028】実施例
【0029】表3に示す組成の各種合金を、比較例と同
様の方法により同様の試料を作成した。ここで、本発明
の合金は試料21〜37であり、比較例の合金は38,
39である。
【0030】
【表3】
【0031】得られた試料を表4に示す条件で1時間の
最終焼鈍を施した後、比較例と同様の方法により各種特
性を測定し、比較として示した試料38の減衰量を1と
した場合の相対比較として示した。
【0032】
【表4】
【0033】上記表4より明らかなように本発明範囲内
の制振合金(試料21〜37)は、熱間加工性に優れて
おり、かつ優れた減衰能を維持したまま十分な機械的強
度を有している。さらに、比較例に比較してその硬度は
さらに上昇している。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明は加工性に優れて
おり、かつ優れた減衰能を維持したまま十分な機械的強
度を有する制振合金を提供することができ、振動さらに
はそれに伴う騒音を防止することが要求される箇所に用
いられる用途において優れた効果を示すものであり、工
業上極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−150322(JP,A) 特開 昭62−278248(JP,A) 特開 昭64−47837(JP,A) 特開 昭53−88618(JP,A) 特開 平2−118053(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 302 C22C 38/54

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でCrを5〜30%、Alを10
    %以下、Niを0.5〜5%、S,B,Mg,Beおよ
    びミッシュメタルの少なくとも1種または2種以上を
    0.001〜1%および残部実質的にFeよりなること
    を特徴とする加工性に優れた制振合金。
  2. 【請求項2】 重量%でCrを5〜30%、Alを10
    %以下、Niを0.5〜5%、Nb,Mo,V,Co,
    CuおよびWの少なくとも1種または2種以上を0.1
    〜10%、S,B,Mg,Beおよびミッシュメタルの
    少なくとも1種または2種以上を0.001〜1%およ
    び残部実質的にFeよりなることを特徴とする加工性に
    優れた制振合金。
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