JPH06102298B2 - ステンレスの脱スケール法 - Google Patents

ステンレスの脱スケール法

Info

Publication number
JPH06102298B2
JPH06102298B2 JP3355957A JP35595791A JPH06102298B2 JP H06102298 B2 JPH06102298 B2 JP H06102298B2 JP 3355957 A JP3355957 A JP 3355957A JP 35595791 A JP35595791 A JP 35595791A JP H06102298 B2 JPH06102298 B2 JP H06102298B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
abrasive grains
oxide scale
diameter
vacuum heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3355957A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05169368A (ja
Inventor
相 英 機 居
相 武 居
木 善 一 青
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ABEL CO., LTD.
Original Assignee
ABEL CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ABEL CO., LTD. filed Critical ABEL CO., LTD.
Priority to JP3355957A priority Critical patent/JPH06102298B2/ja
Publication of JPH05169368A publication Critical patent/JPH05169368A/ja
Publication of JPH06102298B2 publication Critical patent/JPH06102298B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はステンレスの脱スケー
ル法に関し、特に、ステンレス製のたとえばポット,ジ
ャーなどの真空断熱容器、断熱パネル、断熱パイプなど
の表面の酸化スケールを除去する、ステンレスの脱スケ
ール法に関する。
【0002】
【従来の技術】この発明の背景となるステンレス製の真
空断熱容器は、その中のガスを除去して真空度ないし保
温性能を高めるためおよび機械加工による結晶の変質を
取り戻すために、高温下で真空封止される。このように
高温下にされたステンレス製の真空断熱容器は、その表
面が酸化スケールで覆われ、その酸化スケールは、さび
の原因となる。そのため、そのような酸化スケールは、
脱スケール法によって除去される。
【0003】従来、このような脱スケール法としては、
ふっ酸および硝酸の混酸などの強酸で酸化スケールを溶
解して除去する方法と、バフ研摩やショットブラストで
酸化スケールを研削して除去する方法とがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法では、強酸を使用することや有害なイオンが発生す
ることなどから、脱スケールのための設備や廃水処理に
多大な費用がかかる欠点がある。
【0005】また、後者の方法において、バフ研摩で
は、容器の内側の表面の研摩が難しく、機械化は不可能
に近い。さらに、単なるショットブラストでは、砥粒が
ステンレスの表面に食い込んで残ったり、ステンレスの
表面の面積を増大させたりするために、耐食性を劣化さ
せてしまう。
【0006】それゆえに、この発明の主たる目的は、ス
テンレスの耐食性を殆ど劣化させずに、ステンレスの内
側を含む表面の酸化スケールを安価にかつ簡単に除去す
ることができる、ステンレスの脱スケール法を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、ステンレス
の表面に、角部を有しかつモース硬さが4以上の第1の
砥粒を吹きつける第1の工程と、この第1の工程の後
に、ステンレスの表面に、球状でかつモース硬さが3以
上の第2の砥粒を吹きつける第2の工程を含む、ステン
レスの脱スケール法である。
【0008】
【作用】第1の工程によって、ステンレスの表面の酸化
スケールが第1の砥粒で研削され除去される。また、こ
の第1の工程によって、ステンレスの表面に第1の砥粒
が食い込んだまま残る。それとともに、ステンレスの表
面も第1の砥粒で研削され、その表面が凹凸となり、そ
の表面の面積が増大する。
【0009】そして、第2の工程によって、ステンレス
の表面に残っている第1の砥粒が、第2の砥粒で除去さ
れる。それとともに、ステンレスの表面が第2の砥粒で
平滑にされ、その表面の面積が減少する。
【0010】
【発明の効果】この発明によれば、ふっ酸および硝酸の
混酸などの強酸を用いないので、設備などにあまり費用
がかからず、ステンレスの内側を含む表面の酸化スケー
ルを安価に除去することができる。
【0011】しかも、この発明によれば、バフ研摩に比
べて、ステンレスの内側を含む表面の酸化スケールを簡
単に除去することができる。
【0012】さらに、この発明によれば、ステンレスの
表面に砥粒が残りにくく、かつ、ステンレスの表面が平
滑にされるので、ステンレスの耐食性を殆ど劣化させな
い。
【0013】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0014】
【実施例】この実施例では、ステンレス製の真空断熱容
器の表面の酸化スケールを除去する方法を例にして説明
する。
【0015】図1(A)に示すように、加熱処理された
ステンレス製の真空断熱容器10は、その表面が、酸化
スケール12で覆われている。
【0016】第1の工程では、図1(B)に示すよう
に、真空断熱容器10の表面に、第1の砥粒14が、た
とえばショットブラストで吹きつけられる。第1の砥粒
14としては、角部を有しかつモース硬さ4以上の砥粒
が用いられる。したがって、第1の工程によって、真空
断熱容器10の表面の酸化スケール12が、第1の砥粒
14で研削され除去される。
【0017】酸化スケール12を除去するためには、第
1の砥粒14として硬くて角部が鋭い砥粒を用いるのが
有効である。このような砥粒としては、たとえばホワイ
トアランダム,アランダム,エメリー,サンド,鉄粉お
よびカットワイヤなどが挙げられる。
【0018】また、第1の砥粒14は、その径が大きす
ぎても小さいすぎても酸化スケールを除去する効果が少
なく、その径が20〜1000μmの範囲にあることが
好ましい。
【0019】なお、第1の工程では、第1の砥粒14を
吹きつけるための空気圧は、2〜7kg/cm2 の範囲
にあることが好ましい。
【0020】また、第1の工程によって、真空断熱容器
10の表面に第1の砥粒14が食い込んだまま残る。そ
れとともに、真空断熱容器10の表面も第1の砥粒14
で研削され、その表面が凹凸となり、その表面の面積が
増大する。
【0021】そして、第2の工程では、図1(C)に示
すように、真空断熱容器10の表面に、第2の砥粒16
が、たとえばショットブラストで吹きつけられる。第2
の砥粒16としては、球状でかつモール硬さ3以上の砥
粒が用いられる。したがって、第2の工程によって、真
空断熱容器10の表面に残っている第1の砥粒14が、
第2の砥粒16で除去される。それとともに、真空断熱
容器10の表面が第2の砥粒16で平滑にされ、その表
面の面積が減少する。この結果、真空断熱容器10の表
面に隙間腐食の原因となる残留砥粒や激しい凹凸がなく
なり、真空断熱容器10の耐食性が向上する。
【0022】第1の砥粒14を除去しかつ真空断熱容器
10の表面を平滑にするためには、第2の砥粒16とし
て角部を持たない球状の砥粒を用いるのが有効である。
このような砥粒としては、ガラスビーズおよびスチール
ボールなどが挙げられる。
【0023】また、第2の砥粒16は、その径が大きす
ぎても小さすぎても第1の砥粒14の除去しかつ真空断
熱容器10の表面を平滑にする効果が少なく、50〜2
000μmの範囲にあることが好ましい。
【0024】なお、第2の工程では、第2の砥粒16を
吹きつけるための空気圧は、2〜7kg/cm2 の範囲
にあることが好ましい。
【0025】実験例 まず、試料番号1〜14となる14枚のステンレス板を
準備した。これらのステンレス板は、加熱処理され、表
面が酸化スケールで覆われている。
【0026】そして、これらのステンレス板の表面に、
それぞれ、表1に示す第1の工程の処理を行った。
【0027】
【表1】
【0028】この第1の工程の処理は、ステンレス板に
砥粒を吹きつける処理である。この場合、砥粒として、
鋭角の角部を有する20μm径のホワイトアランダム
と、鋭角の角部を有する100μm径のエメリーと、球
状の100μm径のガラスビーズとを用いた。また、砥
粒の吹付圧は、ホワインアランダムが4kg/cm2
し、エメリーが5kg/cm2 とし、ガラスビーズが4
kg/cm2 とした。
【0029】第1の工程の処理による結果を表1に示
す。この結果より明らかなように、鋭角の角部を有する
砥粒を用いて第1の工程の処理を行えば、ステンレス板
の表面の酸化スケールが除去されるとともに、砥粒がス
テンレス板の表面に残る。それに対して、球状の砥粒を
用いて第1の工程の処理を行えば、ステンレス板の表面
に酸化スケールが残り、ステンレス板の表面に砥粒は残
らない。
【0030】次に、砥粒が残ったステンレス板の表面
に、表1に示す第2の工程の処理を行った。この第2の
工程の処理も、ステンレス板の表面に砥粒を吹きつける
処理である。第2の工程の処理では、砥粒として、ホワ
イトアランダム,エメリー,ガラスビーズおよびスチー
ルを用いた。ホワイトアランダムは、鋭角の角部を有す
る、50μm径,100μm径および800μ径のもの
を用いた。エメリーは、鋭角の角部を有する、50μm
径および100μ径のものを用いた。ガラスビーズは、
球状である、50μm径,100μm径および1000
μm径のものを用いた。スチールは、球状である100
μm径のものを用いた。また、砥粒の吹付圧は、4kg
/cm2 ,6kg/cm2 および7kg/cm2 とし
た。
【0031】第2の工程の処理による結果を表1に示
す。この結果より明らかなように、球状の砥粒を用いて
第2の工程の処理を行えば、ステンレス板の表面から砥
粒が除去される。それに対して、角部を有する砥粒を用
いて第2の工程の処理を行えば、ステンレス板の表面に
砥粒が残る。
【0032】さらに、第2の工程の処理を行ったステン
レス板の耐食性を調べるために、それらのステンレス板
を200時間放置した。そして、ステンレス板の表面に
さびが発生したかしなかったかを調べた。その結果を表
1に示す。
【0033】さらに、表1には、判定として、ステンレ
ス板の表面から酸化スケールが除去されかつステンレス
板の耐食性のよいものを「○」で、そうでないものを
「×」で示した。
【0034】表1の結果らか明らかなように、表面が酸
化スケールで覆われたステンレスの表面に、角部を有す
る砥粒で第1の工程の処理を行い、その後で、球状の砥
粒で第2の工程の処理を行えば、ステンレスの表面から
酸化スケールが除去されるとともに、ステンレスの表面
に砥粒が残らず、ステンレスの耐食性がよくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はステンレス製の真空断熱容器およびそ
の表面の酸化スケールを示す断面図解図であり、(B)
は第1の工程を示す断面図解図であり、(C)は第2の
工程を示す断面図解図である。
【符号の説明】
10 ステンレス製の真空断熱容器 12 酸化スケール 14 第1の砥粒 16 第2の砥粒

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角部を有しかつモース硬さが4以上の第
    1の砥粒をステンレスの表面に吹きつける第1の工程、
    および前記第1の工程の後に、球状でかつモース硬さが
    3以上の第2の砥粒を前記ステンレスの表面に吹きつけ
    る第2の工程を含む、ステンレスの脱スケール法。
  2. 【請求項2】 前記第1の砥粒の径は、20〜1000
    μmの範囲にある、請求項1のステンレスの脱スケール
    法。
  3. 【請求項3】 前記第2の砥粒の径は、50〜2000
    μmの範囲にある、請求項1または請求項2のステンレ
    スの脱スケール法。
JP3355957A 1991-12-20 1991-12-20 ステンレスの脱スケール法 Expired - Lifetime JPH06102298B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3355957A JPH06102298B2 (ja) 1991-12-20 1991-12-20 ステンレスの脱スケール法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3355957A JPH06102298B2 (ja) 1991-12-20 1991-12-20 ステンレスの脱スケール法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05169368A JPH05169368A (ja) 1993-07-09
JPH06102298B2 true JPH06102298B2 (ja) 1994-12-14

Family

ID=18446600

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3355957A Expired - Lifetime JPH06102298B2 (ja) 1991-12-20 1991-12-20 ステンレスの脱スケール法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06102298B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5341617A (en) * 1976-08-19 1978-04-15 Wheeler Colin Rotary machine
JPS5544134A (en) * 1978-09-22 1980-03-28 Hitachi Ltd Guide bearing
JPS59227365A (ja) * 1983-06-09 1984-12-20 Fuji Seisakusho:Kk シヨツトピ−ニング表面仕上法
JPS63207563A (ja) * 1987-02-23 1988-08-26 Fuji Seisakusho:Kk 放電加工による金型の研掃方法
JPH0217607A (ja) * 1988-07-06 1990-01-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd グレーズ抵抗ペーストおよび混成集積回路装置
JPH0341617A (ja) * 1989-07-07 1991-02-22 Nec Gumma Ltd 磁気ヘッド

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5341617A (en) * 1976-08-19 1978-04-15 Wheeler Colin Rotary machine
JPS5544134A (en) * 1978-09-22 1980-03-28 Hitachi Ltd Guide bearing
JPS59227365A (ja) * 1983-06-09 1984-12-20 Fuji Seisakusho:Kk シヨツトピ−ニング表面仕上法
JPS63207563A (ja) * 1987-02-23 1988-08-26 Fuji Seisakusho:Kk 放電加工による金型の研掃方法
JPH0217607A (ja) * 1988-07-06 1990-01-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd グレーズ抵抗ペーストおよび混成集積回路装置
JPH0341617A (ja) * 1989-07-07 1991-02-22 Nec Gumma Ltd 磁気ヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05169368A (ja) 1993-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6406923B1 (en) Process for reclaiming wafer substrates
US4289541A (en) Process of cleaning an austenitic steel surface
CN109055710A (zh) 热轧钛卷的表面处理方法
JPS6013061A (ja) クロム含有合金
JPH06102298B2 (ja) ステンレスの脱スケール法
KR101489977B1 (ko) 금속제 부재의 용접부의 표면처리방법
US5598730A (en) Pre-forge aluminum oxide blasting of forging billets as a scale resistance treatment
EP1005926A3 (en) Process and apparatus for cleaning metal strip
JP3450112B2 (ja) 石英ガラス製治具の表面処理方法及び表面処理された治具
JP6173514B1 (ja) フェライト系ステンレス鋼板の製造方法
JP5974678B2 (ja) 鋼部材および鋼部材の製造方法
JP3028624B2 (ja) 浸炭処理部品の強化方法
JP2000313955A (ja) スパッタリングターゲットおよびその製造方法
JP6107892B2 (ja) 鋼部材および鋼部材の製造方法
JP4341798B2 (ja) スパッタリング用ターゲットの製造方法
JP2001293515A (ja) 高能率で平滑なデスケール方法
CN113182155B (zh) 一种提高钢材表面涂层附着力的处理工艺
US20220396723A1 (en) Abrasive media blends and related methods
JPH07256330A (ja) 真空アークデスケール方法
JPH06116642A (ja) 方向性電磁鋼板の微細疵付与方法
JPS60249535A (ja) チタン又はチタン合金板の表面処理法
JPH09181021A (ja) ウェーハのベベリング加工方法
JP2000176841A (ja) 金属材料の表面処理方法
JPH05200720A (ja) セラミック焼結体及びその表面加工方法
JPH06170432A (ja) ステンレス鋼板の脱スケール法