JP2000176841A - 金属材料の表面処理方法 - Google Patents

金属材料の表面処理方法

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JP2000176841A
JP2000176841A JP10359170A JP35917098A JP2000176841A JP 2000176841 A JP2000176841 A JP 2000176841A JP 10359170 A JP10359170 A JP 10359170A JP 35917098 A JP35917098 A JP 35917098A JP 2000176841 A JP2000176841 A JP 2000176841A
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hardness
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moh
oxide
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Kiyoshi Watanabe
清 渡辺
Masayuki Takayama
正行 高山
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GC Corp
Original Assignee
GC Corp
GC Dental Industiral Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加工物である金属材料の表面の汚れは除去
できるが、表面を過度に粗面化することもなく、粉塵の
発生が少なく、更に好ましくは研掃材が被加工物表面に
投錨又は付着しても容易に除去することができる、研掃
材を用いたブラストによる金属材料の表面処理方法を提
供する。 【既決手段】 金属材料の表面処理を、金属材料の表面
にモース硬度が4〜6の粒子である酸化亜鉛,酸化カル
シウム,酸化鉄,酸化ジルコニウム,酸化マグネシウム
の一者又は二者以上から成る研掃材をブラストすること
によって行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料にメッ
キ,塗装,溶射等の処理を行う前の清浄化や、金属材料
のろう付け,はんだ付け,溶接等の際に生じたフラック
スや酸化スケール,バリ等の除去をブラストによって行
う金属材料の表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、金属材料の付加価値の向上を図る
目的で、金属材料の表面の改質が広く行われているが、
表面の改質には、予め表面の清浄化を必要とすることが
多い。金属材料に対するこの清浄化法の一つに、研掃材
を被加工物の表面に高速で吹き付けて被加工物の表面に
付着している汚れを除去する、所謂ブラストと呼ばれる
機械的清浄化法があり、しばしば利用されている。
【0003】このブラストは、通常、研掃材として硬度
の高い物質、例えばスチールショット(モース硬度:
7),酸化アルミニウム(モース硬度:9),珪砂(モ
ース硬度:7),ジルコンサンド(モース硬度:8),
ガラスビーズ(モース硬度:7),窒化珪素(モース硬
度:9〜10)等のモース硬度7以上の硬質粒子を用
い、圧縮空気や高圧水等によって被加工物に吹き付ける
ことで行われているが、この場合、被加工物はその表面
の汚れが除去されるが、それと同時に表面の粗面化が進
行したり、研掃材が被加工物に投錨されてこれが容易に
除去できない場合が生じ、被加工物の種類及び用途によ
っては重大な欠点となる。
【0004】また、被加工物の表面の汚れを除去するだ
けの目的の為には、研掃材として硬度の低い合成樹脂
(モース硬度:3)やクルミ殻(モース硬度:2〜3)
等のモース硬度3以下の軟質粒子がしばしば用いられて
いるが、汚れが軽度の場合には被加工物の表面を粗面化
せずに汚れを落とすことができるものの、汚れの付着の
度合いによっては除去が不充分なことがある。なお、こ
のような研掃材を用いた場合にも、研掃材に由来する有
機物が、少量ではあるが被加工物の表面に付着したり残
留したりすることは、前記と同様である。
【0005】一方、ブラストは、通常圧縮空気により研
掃材を被加工物に吹き付けて行われるため、作業中に微
細粉の飛散が起こり、作業視野を遮って作業性を低下さ
せたり、粉塵によって周囲の環境の悪化を来たすことも
しばしば生じている。この為、圧縮空気の代わりに高圧
水等を用いて湿式でブラストを行う方法もあるが、被加
工物の種類及び用途によってはこの方法を利用できない
場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、被加工物で
ある金属材料の表面の汚れは除去できるが、表面を過度
に粗面化することもなく、粉塵の発生が少なく、更に好
ましくは研掃材が被加工物表面に投錨又は付着しても容
易に除去することができる、研掃材を用いたブラストに
よる金属材料の表面処理方法を開発することを課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、被加工物
である金属材料の種類及び用途によっては、黙過し得な
かった前記ブラストの欠点を解決すべく鋭意研究の結
果、基本的には従来研掃材として広く用いられてきた酸
化アルミニウム,窒化珪素,ガラスビーズ等の硬質粒子
よりも硬度が低く、合成樹脂等の軟質粒子より硬度の高
い粒子を研掃材として使用してブラスト処理すればよい
ことを究明して本発明を完成したのである。
【0008】
【発明の実施の態様】前述したような特性を有し被加工
物である金属材料の表面をブラストする際の研掃材とし
て好適に使用できる粒子について鋭意検討の結果、モー
ス硬度4〜6の粒子が適当であり、このような粒子とし
て具体的には、酸化亜鉛(モース硬度:4〜5.5),
酸化カルシウム(モース硬度:4〜4.5),酸化鉄
(モース硬度:5),酸化ジルコニウム(モース硬度:
6),酸化マグネシウム(モース硬度:5〜6)等があ
る。これらの粒子は、硬度が合成樹脂等に較べて高いた
め、被加工物である金属材料の表面を軽度に研削するこ
とによって金属材料の表面に存在する汚れを充分に除去
することができるが、従来用いられてきた酸化アルミニ
ウム等の硬質粒子よりも硬度が低いため、金属材料の表
面を研削することが少なく、同じ粒度の酸化アルミニウ
ム粒子でブラストした場合よりも、金属材料の表面の粗
面化が大幅に軽減されるのである。更に、このことはブ
ラストに使用する粒子中に微細粉を含ませなくても良い
ことを意味し、作業視野の遮断や周囲環境の悪化を来た
す粉塵の発生を大幅に低減することを可能とするのであ
る。
【0009】なお、本発明において使用するモース硬度
4〜6の粒子を研掃材として用いたブラストにおいて
も、被加工物である金属材料の表面に研掃材の粒子が残
留することは免れ得ないが、研掃材の中でも酸化マグネ
シウムはアンモニウム塩水溶液や希酸に溶解するため、
当該物質の残留が嫌悪される被加工物に対しては、浸食
性の少ないアンモニウム塩水溶液で洗浄して金属材料の
表面に残留する酸化マグネシウムを容易に除去すること
ができ、被加工物である金属材料が耐酸性に富む金属材
料の場合には希酸によって表面残留物を除去することも
できる。
【0010】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらに制限されるものではない。
【0011】実施例1〜3 油脂を少量含有するアセトン溶液中に表面あらさ(Rz)
が3μmのステンレス板(SUS303;幅20mm×長さ20mm×
厚さ2mm)を浸漬した後、アセトンを揮散させた後にブ
ラスト装置(商品名:BLASTER2700,新東ブレーダー社
製)にて酸化マグネシウム粒子と酸化ジルコニウム粒子
(粒度は後記する表1参照)とを研掃材として5気圧で
ステンレス板の全面が均一になるようブラストした。こ
の時、粉塵が作業視野を遮断するか否かを目視で観察し
比較した。なお、実施例1においては、ブラストした後
の当該ステンレス板を更に10%塩化アンモニウム水溶
液中で10分間超音波洗浄した後、精製水にて充分に洗
浄,乾燥した。
【0012】比較例1,2 油脂を少量含有したアセトン溶液中に実施例と同じステ
ンレス板を浸漬した後、アセトンを揮散させた後にブラ
スト装置(商品名:BLASTER2700,新東ブレーダー社
製)にて酸化アルミニウム粒子(粒度は後記する表1参
照)を研掃材として5気圧でステンレス板の全面が均一
になるようブラストした。この時、粉塵が作業視野を遮
断するか否かを実施例と同様に目視で観察した。
【0013】一方、各実施例,各比較例で表面処理した
各ステンレス板に対して、表面あらさ(Rz)を測定する
と共に、ステンレス板の表面に残留する汚れの指標とし
て炭素の有無を,又ブラスト後の表面に投錨・付着した
研掃材の有無を評価する為に実施例ではマグネシウムと
ジルコニウムの分析を,比較例ではアルミニウムの分析
を、電子線マイクロアナライザー(商品名:JXA6300,
日本電子社製)により行った。その結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1より明らかなように、いずれの実施
例,比較例においても当初の汚れの指標となる炭素の存
在は認められなかったが、実施例と比較例の表面あらさ
の値に見られる通り、酸化マグネシウム粒子の場合は、
研掃材として従来より用いられてきた酸化アルミニウム
粒子の場合に較べて研削力は劣るが、汚れを充分に除去
できると同時に被加工物である金属材料の表面を粗面化
する度合いの小さいことが判る。また、金属材料の表面
に当初付着していた汚れを除去し、且つ金属材料の表面
を過度に粗面化しない為に必要な粒子の粒度は比較例1
と比較例2との比較から粒子をより小さくすることが必
要であることが見出されたが、この場合にはブラスト時
に多量の粉塵を発生する可能性の高いことが明らかであ
る。しかしながら、粒子の大きさが同じ実施例2と比較
例2とを比較すると、実施例の場合では表面あらさが格
段に小さく、本発明方法が金属材料の表面を過度に粗面
化しない為に有効であることが判る。更に、被加工物で
ある金属材料の表面に残留する研掃材を除去したい場合
でも、実施例1の酸化マグネシウム粒子の場合にはアン
モニウム塩水溶液や希酸で容易に研掃材を除去すること
ができた。なお、比較例として用いた酸化アルミニウム
粒子の場合は殆どの金属材料が容易に溶解してしまう弗
酸処理が必要であり、被加工物である金属材料に浸食が
生じ適当でない。
【0016】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、鉄鋼,
アルミニウム,チタニウムをはじめとする工業用金属材
料に対するブラスト用の研掃材としてモース硬度4〜6
の粒子を用いることにより、ブラスト作業時の粉塵の発
生を抑えながら被加工物である金属材料の表面を過度に
粗面化することなしに表面の汚れの除去を可能としたも
のである。更に、必要ならば研掃材を選択することによ
り、被加工物である金属材料を浸食しない程度の化学的
処理によりブラスト処理後に被加工物表面に残留した研
掃材を比較的容易に除去できるのであり、金属材料の表
面処理として有益な処理方法を提供するものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料の表面に、研掃材としてモース
    硬度が4〜6の粒子をブラストすることを特徴とする金
    属材料の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 モース硬度が4〜6の粒子として、酸化
    亜鉛,酸化カルシウム,酸化鉄,酸化ジルコニウム,酸
    化マグネシウムの一者又は二者以上を使用する請求項1
    に記載の金属材料の表面処理方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008214725A (ja) * 2007-03-07 2008-09-18 Nippon Control Kogyo Co Ltd ステンレス鋼の表面処理方法及びその方法を用いた電磁ポンプなどの流体機器
JP2009172715A (ja) * 2008-01-24 2009-08-06 Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd 金属製部材切断方法と金属製部材切断装置
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WO2011077650A1 (ja) * 2009-12-21 2011-06-30 住友金属工業株式会社 冷間引抜用素管およびその製造方法並びに冷間引抜管の製造方法

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