JPH06101664B2 - 再生波形等化回路 - Google Patents

再生波形等化回路

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JPH06101664B2
JPH06101664B2 JP62205011A JP20501187A JPH06101664B2 JP H06101664 B2 JPH06101664 B2 JP H06101664B2 JP 62205011 A JP62205011 A JP 62205011A JP 20501187 A JP20501187 A JP 20501187A JP H06101664 B2 JPH06101664 B2 JP H06101664B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、磁性記録媒体に記録したデジタル信号を再生
する例えばR-DATのような磁気再生装置における再生波
形等化回路に関するものである。
〔発明の技術的背景及びその問題点〕
磁気再生に使用される再生ヘッドは微分再生を行ってい
る関係で理論的には+6dB/オクターブの出力電圧特性を
もっているはずであるが、実際には、損失などの各種の
要因で高域が減衰するようになっている。このため、上
述のような再生ヘッドの出力電圧特性を考慮して再生信
号レベルを補正し、記録信号波形を忠実に再現する再生
波形等化回路が使用されている。
従来この種の再生波形等化回路として、第6図に示すよ
うな回路が使用されていた。図において、1は再生ヘッ
ド(図示せず)によって微分再生され増幅された信号ei
が入力される入力端子、2は所定の波形等化を行った後
の信号eoを出力する出力端子、3は利得A0で、信号eip
が入力される正転入力と、信号einが入力される反転入
力と、信号eopを出力する正転出力と、信号eonを出力す
る反転出力とを有する増幅器である。C1〜C3とR1〜R3
所定の伝達特性を実現するのに必要なコンデンサ、抵抗
である。
第6図において、今、 なる伝達関数G(s),G1(s)〜G4(s)を定める
と、 G3(s)=A0{G1(s)−G2(s)} …(8) が得られる。また、 G4(s)=−G3(s) …(10) なる式が得られ、式(11)に式(9),(10)を代入す
ると、 なる式が得られる。式(12)の伝達関数の第1項,2項を
それぞれ とおくと、F1(s)は所定の利得特性を実現する機能を
もち、F2(s)は振幅を変えずに位相特性のみをコント
ロールする機能をもつ。
図示回路中のコンデンサC1〜C3,抵抗R1〜R3の定数と増
幅器3の利得A0とを A0=1 …(18) となるように設定すると、周波数に対する利得特性及び
位相特性は第7図に実線及び破線でそれぞれ示すように
なる。
上述した従来の回路では、周波数対利得特性は第7図に
示すようにfc1以下の領域では略0dB、fc1から の領域では略−6dB/OCTで下降して で最低となる。そして、 からfc2の領域では+6dB/OCTで上昇し、fc2以上の領域
では略0dBとなる。上述した特性を決定する要素はfc1
fc2のみであり、周波数対利得特性を設定する自由度が
小さい。このため、この回路を適用したR-DATの再生波
形等化回路の場合、再生デジタル信号のエラーレートが
最小になるように特性を最適化することが難しいという
欠点があった。
また、R-DATのような装置に使用する再生波形等化回路
の場合、再生デジタル信号の無歪伝送を可能にするため
には、伝送路は第8図に示すように斜線部AおよびBが
点対称であるような伝達特性を有することが条件となっ
ている。このため、再生波形等化回路の周波数対利得特
性としては、例えば再生ヘッドの特性に応じて種々に変
えられ必要な値にセットできなければならない。しか
し、第6図について上述した回路では、高域の利得特性
が低域と同じ0dBに固定されているため、高域を0dB以外
の値に変えなければならない場合には、図示の回路の後
段に高域の特性を変えることができるローパスフィルタ
を直列に接続してやることが必要になり、回路構成が複
雑になるなどの問題点もあった。
〔発明の目的〕
本発明は上述したような問題点を解決するためになされ
たもので、周波数対利得特性の設定の自由度を回路構成
を複雑にすることなく上げることができるようにして再
生デジタル信号の波形等化に必要な特性の最適化をし易
くした再生等化回路を提供することを目的としている。
〔発明の概要〕
上記目的を達成するため本発明によりなされた再生波形
等化回路は、正転入力及び反転入力を有する増幅器の一
方に、4つの角周波数により規定された伝達関数で表わ
される伝達特性を有する第1の回路網を介し、他方の入
力に定数からなる伝達関数で表わされる伝達特性を有す
る第2の回路網を介して再生デジタル信号をそれぞれ入
力し、出力に波形等化した再生デジタル信号を得るよう
にしている。よって、回路構成が簡単になると共に、回
路網の構成素子の定数の変更によって4つの角周波数を
変化させることができるようになり、特性設定の自由度
が高められ、波形等化に必要な特性の最適化がし易くな
っている。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
第1図は第1の実施例を示す回路図であり、図におい
て、11は信号eiが入力される入力端子、12は信号eoを出
力する出力端子、13は利得A1で、信号eipが入力される
正転入力と信号einが入力される反転入力とを有する差
動増幅器である。
14は入力端子11と差動増幅器13の反転入力との間に挿入
された伝達関数H1(s)を有する第1の回路網であり、
これは受動素子であるコンデンサC10,C11と抵抗R10,R
11とから構成されている。具体的には、コンデンサC10
とコンデンサC11及び抵抗R11の並列回路とが入力端子11
と差動増幅器13の反転入力との間に直列に接続されると
共に、抵抗R10が差動増幅器13の反転入力とアース間に
接続されている。
15は入力端子11と差動増幅器13の正転入力との間に挿入
された伝達関数H2(s)を有する第2の回路網であり、
これは受動素子である抵抗R12,R13からなり、抵抗R12
が入力端子11と差動増幅器13の正転入力間に、抵抗R13
が差動増幅器13の正転入力とアース間にそれぞれ接続さ
れている。
上記第1の回路網14の伝達関数H1(s)を示すと、 となる(S=jw)。この式(19)を角周波数σ1〜σ
4(σ3<σ1<σ4,σ3<σ2<σ4)を用いて表わす
と、 となる。この式(20)を立てるに当って、 R10=1 …(21) としている。
一方、第2の回路網15の伝達関数H2(s)を示すと、 となり、これを上記角周波数σ1〜σ4で表すと、 となる。
以上から入力端子11から出力端子12までの全体の伝達関
数をT(s)、増幅器13の利得をA1とすると、 となる。
今、再生波形等化回路に求められる予想周波数対利得特
性のσ1〜σ4が σ1=2π・1MHz …(33) σ2=2π・5MHz …(34) σ3=2π・100MHz …(35) σ4=2π・10MHz …(36) と定められ、かつ低周波数領域での利得が0dBとなるも
のであるとすると、第1の回路網14及び第2の回路網15
の構成素子の定数は上式(21)〜(28)を用いて計算に
より設定することができる。
この計算により回路素子の定数を設定した第1図示の再
生波形等化回路の伝達関数T(s)の周波数対利得特性
及び位相特性として、第2図に実線及び破線でそれぞれ
示すようなものが得られる。そして、上記計算により求
めた構成素子の定数を変化させることにより特性を変化
させ、実際の記録再生系の伝達特性に応じた等化特性の
最適化を図ることができる。
第3図は第1図の第2の回路網15中の抵抗R12,R13を調
整してkの値を上記計算値から±10%の範囲で5%きざ
みで変化させたときの伝達特性の変化の様子を示す。図
中G1及びG2はkが−10%のときと+10%のときの周波数
対利得特性にそれぞれ対応し、P1及びP2はkが−10%の
ときと+10%のときの周波数対位相特性にそれぞれ対応
している。このようにして、上式(32)の条件を満たす
範囲で構成素子から定数を調整により変化させることに
よって等化回路の特性を微調整することができる。
なお、上記構成素子の定数を変更した後の角周波数σ1
〜σ4を求めるためには、以下の関係式を用いればよ
い。
上記実施例は式(32)を満たすH1(s),H2(s)を実
現する回路網の一例であり、H1(s)を実現する回路網
は無数に存在する。H2(s)を実現する回路網が第1図
と同じとしたときのH1(s)を実現する別の回路網を第
4図に示す。
第4図に示す回路網の伝達関数H1(s)は、 で示される。この式(38)を再生波形等化特性に必要な
伝達特性の角周波数σ1〜σ4(rad/sec)を用いて R10=1 …(39) σ9=σ3+σ4−σ8 …(44) のように定めると、上記式(20)と同様の形の式が得ら
れ、上式(32)を満たすH1(s),H2(s)を実現する
ことができる。
なお、第1図の差動増幅器13の正転,反転入力を入れ換
えた構成としても、単に波形等化された波形が反転する
だけで、波形等化としては、同じ効果が得られる。
また、以上の説明では、正転,反転入力を有する増幅器
として、差動増幅器を用いているが、第5図に示したよ
うに、トランジスタQを用いて、下式(47)に示したよ
うにR14,R15を定め、 コレクタ電流に対するトランジスタQのベース側からみ
た相互コンダクタンスをgm1、点Xを入力とした場合の
相互コンダクタンスをgm2とすると、 が得られ、コンダクタンスの比 でkを実現し、コレクタ電流に所定の伝達特性が得られ
るような構成とし、R16でコレクタ電流を電圧に変換し
て信号を得るようにしても、以上の説明と全く同じ結果
が得られる。
第1図及び第4図のH1(S)を実現する回路網の説明で
は、計算の都合上R10を1(Ω)として扱ったが、R10
R11,C10,C11は、R10=1(Ω)として得られたR11,C
10,C11のアドミッタンス比が等しくなるような条件で
変更しても、伝達関数H(s)は、同一のものが得られ
る。つまり、R10をn倍したとき、R11をn倍、C10,C11
を1/n倍すればよい。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、簡単な構成で、波形等化
特性を決定する要素として、4つ角周波数をそれぞれ独
立して設定できるように構成したので、記録、再生系の
伝達特性に応じて、より最適化した波形等化特性を安価
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による再生波形等化回路の一実施例を示
す回路図、 第2図は第1図の回路の構成素子の定数を或る値に設定
したときの周波数対利得特性及び位相特性を示すグラ
フ、 第3図は第2図の特性のときの定数を変更したときの周
波数対利得特性および位相特性の変化を示すグラフ、 第4図は第1図の回路の一部分の変形例を示す回路図、 第5図は本発明の他の実施例を示す回路図、 第6図は従来の回路例を示す回路図、 第7図は第6図の回路により得られる周波数対利得特性
及び位相特性を示すグラフ、 第8図はデジタル信号の伝送路に求められる伝達特性を
示すグラフである。 13……差動増幅器、14……第1の回路網、15……第2の
回路網。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 英明 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292 株式会 社日立製作所家電研究所内 (56)参考文献 特開 昭52−104842(JP,A) 特公 昭58−19164(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気ヘッドにより磁性体から再生して得た
    再生デジタル信号を、正転入力及び反転入力を有する増
    幅器の一方の入力に、定数K,kとσ3<σ1<σ4,σ3
    σ2<σ4なる関係の角周波数σ1〜σ4とにより、 なる式で規定された関数H1(s)で表わされる伝達特性
    を有する第1の回路網を介し、他方の入力に、 H2(s)=k なる式で規定された関数H2(s)で表わされる伝達特性
    を有する第2の回路網を介してそれぞれを入力し、出力
    に波形等化した再生デジタル信号を得るようにしたこと
    を特徴とする再生波形等化回路。
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