JPS623931Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、イコライザアンプの出力のカツプ
リングコンデンサをバイパスするバイパス用スイ
ツチを設けるとともに、該バイパス用スイツチ
を、サブソニツクフイルタ用スイツチのオフオン
に連動してオンオフさせ、サブソニツクフイルタ
用スイツチのオフによりサブソニツクフイルタを
オンした時、カツプリングコンデンサをバイパス
して該コンデンサによる音質劣化を防止するよう
にしたプリアンプに関する。

一般に、プリアンプにおけるサブソニツクフイ
ルタは、そりのあるレコードを再生する場合に発
生する音声信号以外の不要な超低域信号を遮断
し、スピーカの有害な振動の発生による音質の劣
下を防止し、かつスピーカを保護するために設け
られている。一方、イコライザ回路がDCアンプ
構成になつている場合、すなわちイコライザアン
プの負帰還制御系がDC化されている場合、イコ
ライザアンプの出力のDCドリフトをカツトする
ために、大容量のカツプリングコンデンサが設け
られている。しかし、従来のプリアンプでは、サ
ブソニツクフイルタ用スイツチをオフしてサブソ
ニツクフイルタをオンした場合にも、カツプリン
グコンデンサが信号系路に存在し、該コンデンサ
により原音の信号波形が歪められて音質が劣下す
ると云う問題点がある。

この考案は、前記従来の問題点に留意し、サブ
ソニツクフイルタがオンした時に、カツプリング
コンデンサを自動的にバイパスするようにしたも
のであり、つぎにこの考案を、その１実施例を示
した図面とともに詳細に説明する。

第１図において、Ｉはレコードプレーヤ等から
の微弱な音声信号が入力される入力端子、A₁は
非反転入力端子（＋）が入力端子Ｉに接続された
イコライザアンプであり、DC化されている負帰
還制御系に対応した差動入力形に構成されてい
る。ＺはイコライザアンプA₁の出力端子と反転
入力端子（−）間に接続されたフイードバツク回
路素子であり、抵抗およびコンデンサ等により構
成され、レコード再生のRIAA特性を決定する周
波数特性を有している。R₁はイコライザアンプ
A₁の非反転入力端子（−）と接地端子間に接続
されたイコライザアンプA₁の利得決定用の第１
抵抗であり、第１抵抗R₁とフイードバツク回路
素子Ｚによる負帰還制御系によりレコード再生時
の利得が決定される。EQはイコライザアンプ
A₁、フイードバツク回路素子Ｚおよび第１抵抗
R₁により構成されたイコライザ回路、C₁，R₂は
イコライザアンプA₁の出力端子と接地端子間に
直列接続されたカツプリングコンデンサおよび第
２抵抗であり、イコライザアンプA₁の出力に発
生するDCドリフト等がカツプリングコンデンサ
C₁により遮断される。SW₁はカツプリングコン
デンサC₁に並列接続されたバイパス用スイツ
チ、SOはカツプリングコンデンサC₁と第１抵抗
R₁の接続点Ａから導出されたモード切換用のセ
レクト用端子、VR，C₂，C₃，R₃は前記接続点Ａ
と接地端子間に直列接続された音量調整用可変抵
抗、後述のサブソニツクフイルタの２個のカツト
オフ周波数決定用コンデンサおよび第３抵抗、
R₄は一端が両カツトオフ周波数決定用コンデン
サC₂，C₃の接続点に接続された第４抵抗、Ｆは
両カツトオフ周波数決定用コンデンサC₂，C₃お
よび第３、第４抵抗R₃，R₄により構成されたサ
ブソニツクフイルタ、SW₂は両カツトオフ周波数
決定用コンデンサC₂，C₃の直列回路に並列に接
続されたサブソニツクフイルタ用スイツチ、A₂
は非反転入力端子（＋）がサブソニツクフイルタ
用スイツチSW₂と第３抵抗R₃との接続点に接続
されたフラツトアンプであり、反転入力端子
（＋）が両カツトオフ周波数決定用コンデンサ
C₂，C₃の接続点に接続されるとともに、出力端
子が装置の出力端子Ｏに導出されている。

つぎに、前記実施例の動作を、第２図を参照し
て説明する。

入力端子Ｉに入力されるレコードプレーヤ等か
らの音声信号が、イコライザアンプA₁により増
幅される。このイコライザアンプA₁の周波数特
性は、負帰還制御系がDC化されているため、第
２図のａで示す曲線のように、DC成分に対して
も約55dBの高利得を有する。このため、イコラ
イザアンプA₁の出力には、温度変化等の外乱に
より信号再生に対し有害なDCドリフトや超低域
ノイズが高レベルで発生し、このDCドリフト等
をカツトするためにカツプリングコンデンサC₁
が設けられており、この結果、Ａ点の周波数特性
は、第２図のｂで示す曲線のようになる。そし
て、図示のように、サブソニツクフイルタ用スイ
ツチSW₂がオフしてサブソニツクフイルタＦがオ
ン時、フラツトアンプA₂の周波数特性は、第２
図のｃで示す曲線のように、低域において急峻な
カツトオフ特性を示す。

ところで、カツプリングコンデンサC₁および
両カツトオフ周波数決定用コンデンサC₂，C₃を
比較すると、カツプリングコンデンサC₁は、低
域におけるRIAA特性を補償するため、大容量の
ものを用いる必要があり、一般に電解コンデンサ
が多く用いられている。一方、両カツトオフ周波
数決定用コンデンサC₂，C₃として小容量のもの
を用いてサブソニツクフイルタＦを構成できるた
め、両カツトオフ周波数決定用コンデンサC₂，
C₃としてフイルムコンデンサが用いられてい
る。そして、電解コンデンサとフイルムコンデン
サを音質的に比較した場合、フイルムコンデンサ
の方が優れている。

そこで、図示のように、サブソニツクフイルタ
用スイツチSW₂をオフしてサブソニツクフイルタ
Ｆをオンした場合、バイパス用スイツチSW₁をサ
ブソニツクフイルタ用スイツチSW₂に連動してオ
ンさせ、かつカツプリング用コンデンサC₁をバ
イパスし、カツプリングコンデンサC₁による音
質劣下を防止している。なおこの時、イコライザ
アンプA₁の出力のDCドリフトは、サブソニツク
フイルタＦによりカツトされる。また、サブソニ
ツクフイルタ用スイツチSW₂をオンしてサブソニ
ツクフイルタＦをオフ時、バイパス用スイツチ
SW₁がオフされ、イコライザアンプA₁のDCドリ
フトがカツプリングコンデンサC₁で遮断され
る。

以上のように、この考案のプリアンプによる
と、イコライザアンプの負帰還制御系をDC化し
たイコライザ回路と、サブソニツクフイルタおよ
びフラツトアンプからなるコントロール回路とを
備え、イコライザアンプの出力のカツプリングコ
ンデンサに、バイパス用スイツチを並列に接続す
るとともに、該バイパス用スイツチを、サブソニ
ツクフイルタのサブソニツクフイルタ用スイツチ
に連動させることにより、サブソニツクフイルタ
をオンした時にカツプリングコンデンサを自動的
にバイパスし、カツプリングコンデンサによる音
質劣下を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案のプリアンプの１実施例を示
し、第１図は結線図、第２図は第１図の各部の周
波数と利得の関係図である。 A₁……イコライザアンプ、EQ……イコライザ
回路、Ｆ……サブソニツクフイルタ、A₂……フ
ラツトアンプ、CC……コントロール回路、C₁…
…カツプリングコンデンサ、SW₁……バイパス用
スイツチ、SW₂……サブソニツクフイルタ用スイ
ツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. イコライザアンプの負帰還制御系をDC化した
   イコライザ回路と、サブソニツクフイルタおよび
   フラツトアンプからなるコントロール回路とを備
   え、前記イコライザアンプの出力のカツプリング
   コンデンサに、バイパス用スイツチを並列に接続
   するとともに、該バイパス用スイツチを、前記サ
   ブソニツクフイルタのサブソニツクフイルタ用ス
   イツチに連動させたプリアンプ。