JPH06100513A - マレインアミド酸エステルの製造方法 - Google Patents

マレインアミド酸エステルの製造方法

Info

Publication number
JPH06100513A
JPH06100513A JP4256030A JP25603092A JPH06100513A JP H06100513 A JPH06100513 A JP H06100513A JP 4256030 A JP4256030 A JP 4256030A JP 25603092 A JP25603092 A JP 25603092A JP H06100513 A JPH06100513 A JP H06100513A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
maleamic acid
ester
reaction
ion exchange
exchange resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4256030A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhito Kume
康仁 久米
Hitoshi Kanai
均 金井
Yuichi Kita
裕一 喜多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP4256030A priority Critical patent/JPH06100513A/ja
Publication of JPH06100513A publication Critical patent/JPH06100513A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】マレインアミド酸とアルコールとから、マレイ
ンアミド酸エステルを簡便に、しかも高収率、高選択率
で製造する方法を提供する。 【構成】下記一般式(1) 【化1】 (R1およびR2は各々独立して水素原子または少なくと
も1個の炭素原子を含む有機基を表わす。)で示される
マレインアミド酸と下記一般式(2) 【化2】 (R3は少なくとも1個の炭素原子を含む有機基を表わ
す。)で示されるアルコールとを酸性イオン交換樹脂の
存在下に、反応させて下記一般式(3) 【化3】 (R1、R2、R3は式(1)、式(2)と同じであ
る。)で示されるマレインアミド酸エステルを製造する
方法において、反応系で生成する水を反応系から留去す
ることなく、反応終了後に系内全体の水分量が使用した
酸性イオン交換樹脂量に対して40重量%以下の状態に
なるよう反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマレインアミド酸エステ
ルの製造方法に関する。本発明のマレインアミド酸エス
テルは、例えば耐熱性が要求される熱可塑性樹脂の原料
として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】マレインアミド酸をアルコ−ルと反応さ
せてマレインアミド酸エステルを製造するに際して、硫
酸や酸性イオン交換樹脂を触媒に用いる事は公知であ
る。
【0003】例えば、特開平3−184956号公報に
は、N−置換マレインアミド酸とアルコールからN−置
換マレインアミド酸エステルを経由してN−置換マレイ
ミドを製造する方法が記載されている。この方法は、触
媒として硫酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸等のブレンステッド酸あるいは酸性イオン交換樹
脂が使用できると記載されている。この方法は、N−置
換マレインアミド酸からN−置換マレインアミド酸エス
テルを合成するエステル化反応の段階において、トルエ
ン、ベンゼンなどの有機溶媒を共沸剤として生成する水
を系外へ共沸除去させている方法である。しかしなが
ら、本法によれば水や共沸剤と共にアルコールも流出
し、留分を冷却、凝縮させて油分分離して水を除き、共
沸剤やアルコ−ルを回収しようとしても油層と水相とに
分離せずに均一層となってしまうという問題があった。
さらに、我々が追試した結果によると、この方法ではN
−置換マレインアミド酸の転化率を向上させるため反応
時間を長くしても逆に選択率が低下し、収率が下がって
しまうという問題があった。
【0004】このようにマレインアミド酸からアルコー
ルを用いてエステルし、マレインアミド酸エステルを簡
便に、しかも高収率で高選択的に得る方法は知られてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、マレ
インアミド酸とアルコールとからマレインアミド酸エス
テルを簡便に、しかも高収率、高選択率で製造する方法
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マレイン
アミド酸とアルコールとを酸性イオン交換樹脂の存在下
にマレインアミド酸エステルを製造する方法について鋭
意検討した結果、本発明を完成させた。
【0007】すなわち本発明は下記一般式(1)
【0008】
【化4】
【0009】(R1およびR2は各々独立して水素原子ま
たは少なくとも1個の炭素原子を含む有機基を表わ
す。)で示されるマレインアミド酸と下記一般式(2)
【0010】
【化5】
【0011】(R3は少なくとも1個の炭素原子を含む
有機基を表わす。)で示されるアルコールとを酸性イオ
ン交換樹脂の存在下に、反応させて下記一般式(3)
【0012】
【化6】
【0013】(R1、R2、R3は式(1)、式(2)と
同じである。)で示されるマレインアミド酸エステルを
製造する方法において、反応系で生成する水を反応系か
ら留去することなく、反応終了後に系内全体の水分量が
使用した酸性イオン交換樹脂量に対して40重量%以下
の状態になるよう反応させる事を特徴とするマレインア
ミド酸エステルの製造方法である。
【0014】本発明によれば、従来の方法において反応
中に共沸剤と共に反応系外へ水を留去させる際に大きな
問題であった水分離の問題は全く解消され、当該物質の
工業的製造プロセスは著しく合理化される。さらに、本
発明の方法によれば、従来の方法に比べて簡便に高収
率、高選択率でマレインアミド酸エステルが製造され
る。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明に係る一般式(1)で示されるマレ
インアミド酸のR1およびR2の具体例としては、各々独
立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、アリ−ル基、アラルキル基、カルバモイル基等
が挙げられ、またこれらが置換基を有しているものであ
ってもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキ
シル基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、スルホニ
ル基、アルコキシ基等が挙げられる。これらのマレイン
アミド酸はアンモニア、第一アミンまたは第二アミン類
と無水マレイン酸とから公知の方法で容易に製造でき
る。
【0017】また、一般式(2)で示されるアルコール
のR3の具体例としては、アルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、アリ−ル基、アラルキル基等が挙げら
れ、またこれらが置換基を有しているものであってもよ
い。置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ
基、カルボニル基、スルホニル基、アルコキシ基等が挙
げられる。
【0018】これらのアルコールを例示すると、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタ
ノール、デカノール、ドデカノール等の直鎖脂肪族第1
級アルコール;2−エチルヘキサノール、2−メチルド
デカノール、2−メチルトリデカノール等の側鎖を有す
る第1級アルコール;イソブタノール、2−ドデカノー
ル、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、シクロ
ドデカノール等の第2級アルコール;アリールアルコー
ル、オレイルアルコール等の不飽和アルコール;ベンジ
ルアルコール等が例示される。
【0019】アルコールの使用量については、出発原料
に対して少なくとも、1.0モル倍以上、好ましくは
1.1モル倍量以上で使用される。
【0020】本発明の方法により、原料として用いるマ
レインアミド酸とアルコ−ルとの組み合せに従って対応
する一般式(3)で示されるマレインアミド酸エステル
が得られる。
【0021】一般式(3)で示されるマレインアミド酸
エステルを例示すると、マレインアミド酸メチルエステ
ル、マレインアミド酸エチルエステル、マレインアミド
酸プロピルエステル、マレインアミド酸イソプロピルエ
ステル、マレインアミド酸ブチルエステル、マレインア
ミド酸フェニルエステル、N−メチル−マレインアミド
酸メチルエステル、N−メチル−マレインアミド酸エチ
ルエステル、N−メチル−マレインアミド酸プロピルエ
ステル、N−メチル−マレインアミド酸イソプロピルエ
ステル、N−メチル−マレインアミド酸ブチルエステ
ル、N−メチル−マレインアミド酸フェニルエステル
、N−エチル−マレインアミド酸メチルエステル、N
−エチル−マレインアミド酸エチルエステル、N−エチ
ル−マレインアミド酸プロピルエステル、N−エチル−
マレインアミド酸イソプロピルエステル、N−エチル−
マレインアミド酸ブチルエステル、N−エチル−マレイ
ンアミド酸フェニルエステル、N−プロピル−マレイン
アミド酸メチルエステル、N−プロピル−マレインアミ
ド酸エチルエステル、N−プロピル−マレインアミド酸
プロピルエステル、N−プロピル−マレインアミド酸イ
ソプロピルエステル、N−プロピル−マレインアミド酸
ブチルエステル、N−プロピル−マレインアミド酸フェ
ニルエステル、N−ブチル−マレインアミド酸メチルエ
ステル、N−ブチル−マレインアミド酸エチルエステ
ル、N−ブチル−マレインアミド酸プロピルエステル、
N−ブチル−マレインアミド酸イソプロピルエステル、
N−ブチル−マレインアミド酸ブチルエステル、N−ブ
チル−マレインアミド酸フェニルエステル 、N−イソ
プロピル−マレインアミド酸メチルエステル、N−イソ
プロピル−マレインアミド酸エチルエステル、N−イソ
プロピル−マレインアミド酸プロピルエステル、N−イ
ソプロピル−マレインアミド酸イソプロピルエステル、
N−イソプロピル−マレインアミド酸ブチルエステル、
N−プロピル−マレインアミド酸フェニルエステル、N
−フェニル−マレインアミド酸メチルエステル、N−フ
ェニル−マレインアミド酸エチルエステル、N−フェニ
ル−マレインアミド酸プロピルエステル、N−フェニル
−マレインアミド酸イソプロピルエステル、N−フェニ
ル−マレインアミド酸ブチルエステル、N−フェニル−
マレインアミド酸フェニルエステル、N−シクロヘキシ
ル−マレインアミド酸メチルエステル、N−シクロヘキ
シル−マレインアミド酸エチルエステル、N−シクロヘ
キシル−マレインアミド酸プロピルエステル、N−シク
ロヘキシル−マレインアミド酸イソプロピルエステル、
N−シクロヘキシル−マレインアミド酸ブチルエステ
ル、N−シクロヘキシル−マレインアミド酸フェニルエ
ステル 、N−ヒドロキシフェニル−マレインアミド酸
メチルエステル、N−ヒドロキシフェニル−マレインア
ミド酸エチルエステル、N−ヒドロキシフェニル−マレ
インアミド酸プロピルエステル、N−ヒドロキシフェニ
ル−マレインアミド酸イソプロピルエステル、N−ヒド
ロキシフェニル−マレインアミド酸ブチルエステル、N
−ヒドロキシフェニル−マレインアミド酸フェニルエス
テル、N−ヘキサノイック−マレインアミド酸メチルエ
ステル、N−ヘキサノイック−マレインアミド酸エチル
エステル、N−ヘキサノイック−マレインアミド酸プロ
ピルエステル、N−ヘキサノイック−マレインアミド酸
イソプロピルエステル、N−ヘキサノイック−マレイン
アミド酸ブチルエステル、N−ヘキサノイック−マレイ
ンアミド酸フェニルエステル、N−ベンジル−マレイン
アミド酸メチルエステル、N−ベンジル−マレインアミ
ド酸エチルエステル、N−ベンジル−マレインアミド酸
プロピルエステル、N−ベンジル−マレインアミド酸イ
ソプロピルエステル、N−ベンジル−マレインアミド酸
ブチルエステル、N−ベンジル−マレインアミド酸フェ
ニルエステル、N,N−ジメチル−マレインアミド酸メ
チルエステル、N,N−ジメチル−マレインアミド酸エ
チルエステル、N,N−ジメチル−マレインアミド酸プ
ロピルエステル、N,N−ジメチル−マレインアミド酸
イソプロピルエステル、N,N−ジメチル−マレインア
ミド酸ブチルエステル、N,N−ジメチル−マレインア
ミド酸フェニルエステル 、N,N−ジエチル−マレイ
ンアミド酸メチルエステル、N、N−ジエチル−マレイ
ンアミド酸エチルエステル、N,N−ジエチル−マレイ
ンアミド酸プロピルエステル、N,N−ジエチル−マレ
インアミド酸イソプロピルエステル、N,N−ジエチル
−マレインアミド酸ブチルエステル、N,N−ジエチル
−マレインアミド酸フェニルエステル等が挙げられる。
【0022】本発明に係る触媒は、酸性イオン交換樹脂
である。酸性イオン交換樹脂としては、公知のものなら
何ら制限がなくスルホン酸型、カルボン酸型等が使用で
き、好ましくはスルホン酸型等の強酸性イオン交換樹脂
が使用される。また、ゲル型、ポーラス型のいずれも使
用できる。粒度範囲については300〜1180μの範
囲のものが使用でき、架橋度についてはどのような範囲
のものも使用できるが、2%〜25%の架橋度のものを
使用するのが最も好ましい。また、イオン交換樹脂の含
水量に関しては、仕込時の水分含有量が30重量%以
下、好ましくは20重量%以下の酸性イオン交換樹脂が
用いられる。
【0023】本発明においては、反応終了後に系内全体
の水分量が使用した酸性イオン交換樹脂量に対して40
重量%以下の状態になるように反応させる。具体的には
下記式を満足するように酸性イオン交換樹脂の量を計算
し反応に用いれば良い。
【0024】
【数1】
【0025】A:溶媒に含有される全水分量(g) B:仕込酸性イオン交換樹脂の水分含有率(重量%) C:仕込酸性イオン交換樹脂の水分を含有した状態での
全重量(g) D:マレインアミド酸エステルの収率が100モル%と
した場合に生成する全水分量(g) また、経済的条件を満足させる点から、出発原料に対し
て0.1〜10重量倍の範囲で使用するのが好ましく、
さらに0.5〜5重量倍の範囲で使用するのが最も好ま
しい。
【0026】本発明の方法を実施するにあたり溶媒を用
いても良い。原料として用いるアルコ−ルを溶媒と兼ね
て用いることが好ましい。他の溶媒としては、一般の有
機溶媒を単独であるいは混合して用いることができ、例
えばジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレン
グリコールジメチルエーテル、アセトン、メチルエチル
ケトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジクロロ
メタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキ
サン等が例示される。
【0027】反応溶媒の使用量については、エステル化
反応を円滑に行いかつ経済的条件を満足させる点から、
出発原料の1〜50倍量(容量)の範囲で使用するのが
好ましく、さらに2〜20倍量(容量)の範囲で使用す
るのが最も好ましい。
【0028】本発明の方法に従えば、一般式(1)で示
されるマレインアミド酸、一般式(2)で示されるアル
コ−ルおよび酸性イオン交換樹脂を必要により適当な溶
媒と共に混合し、0℃〜150℃、好ましくは5℃〜1
30℃、さらに好ましくは10℃〜100℃の範囲内の
温度で1〜48時間反応することで目的とする前記一般
式(3)で示されるマレインアミド酸エステルが高収率
かつ高選択率で得られる。反応終了後、触媒を分離し、
反応液を蒸留する等して目的とするマレインアミド酸エ
ステルを単離することができる。単離する操作において
は触媒が存在しないので逆反応により生成したマレイン
アミド酸エステルが元のマレインアミド酸とアルコ−ル
に戻ることなく行える。
【0029】当該方法において、反応系へ加えられるマ
レインアミド酸、アルコール、溶媒、酸性イオン交換樹
脂の順序は特に制限はないが、反応を円滑に進めるため
には反応系の良好な攪拌が不可欠であるために、溶媒が
最初に加えられ、その後酸性イオン交換樹脂が加えら
れ、さらにアルコール、マレインアミド酸が加えられる
ことが好ましい。
【0030】なお、マレインアミド酸は連続的に加えて
もよいし、回分式、半回分式に加えてもよい。また、と
くに好ましい実施形態においては、原料であるマレイン
アミド酸製造時に用いられた溶媒と該反応に用いられる
溶媒とが同一であるように、溶媒の種類が選ばれる。反
応終了後、反応液と触媒とを分離するが、方法としては
ろ過、デカンテーション、遠心分離法など公知の固液分
離技術をいずれも使うことができる。さらに、分離した
触媒の酸性イオン交換樹脂は、繰り返し使用が可能であ
る。
【0031】このようにして製造された前記一般式
(3)で示されるマレインアミド酸エステルは、分子中
に二重結合を含む重合性モノマ−であり、例えばラジカ
ル重合によって、単独あるいは共重合させることにより
耐熱性熱可塑性樹脂が得られる。以上説明したように、
本発明によって前記一般式(3)で示されるマレインア
ミド酸エステルが前記一般式(1)で示されるマレイン
アミド酸を出発原料とし、強酸性イオン交換樹脂を触媒
として容易に高収率かつ高選択率で得られる。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。
【0033】(実施例1)温度計および攪拌機を備えた
フラスコにメタノ−ル920g(水分含有率0.1重量
%)、触媒として強酸性イオン交換樹脂−H型(三菱化
成製、DIAION-PK216、水分含有率10重量%)を65.
0g仕込み、これを攪拌しながらマレインアミド酸11
5gを添加してスラリ−状とした後、フラスコの温度を
40℃とした。この温度で2時間反応させたところ、溶
液は完全に透明となった。反応終了後、ろ過を行い反応
液と触媒とを分離した。ひき続き、ろ液から減圧下にお
いて溶媒を留去することにより淡黄色液体127g得ら
れた。これを核磁気共鳴(NMR)を用いて分析したとこ
ろ、純度98重量%のマレインアミド酸メチルエステル
であることがわかった。このときのマレインアミド酸メ
チルエステルの収率は96.5モル%であった。また、
反応終了後の系内全体の水分量は25.3gであり、使
用したイオン交換樹脂量に対して38.9重量%であっ
た。
【0034】(実施例2)温度計および攪拌機を備えた
フラスコにメタノ−ル920g(水分含有率0.1重量
%)、触媒として強酸性イオン交換樹脂−H型(三菱化
成製、DIAION-SK102、水分含有率1重量%)を50.0g
仕込み、これを攪拌しながらマレインアミド酸115g
を添加してスラリ−状とした後、フラスコの温度を40
℃とした。この温度で2時間反応させたところ、溶液は
完全に透明となった。反応終了後、ろ過を行い反応液と
触媒とを分離した。ひき続き、ろ液から減圧下において
溶媒を留去することにより淡黄色液体128g得られ
た。これを核磁気共鳴(NMR)を用いて分析したところ、
純度99重量%のマレインアミド酸メチルエステルであ
ることがわかった。このときのマレインアミド酸メチル
エステルの収率は98.2モル%であった。また、反応
終了後の系内全体の水分量は19.4gであり、使用し
たイオン交換樹脂量に対して38.8重量%であった。
【0035】(実施例3)温度計および攪拌機を備えた
フラスコにメタノ−ル920g(水分含有率0.1重量
%)、触媒として強酸性イオン交換樹脂−H型(三菱化
成製、DIAION-SK106、水分含有率20重量%)を10
0.0g仕込み、これを攪拌しながらN−フェニル−マ
レインアミド酸191gを添加してスラリ−状とした
後、フラスコの温度を50℃とした。この温度で2時間
反応させたところ、溶液は完全に透明となった。反応終
了後、ろ過を行い反応液と触媒とを分離した。ひき続
き、ろ液から減圧下において溶媒を留去することにより
淡黄白色固体200g得られた。これを核磁気共鳴(NM
R)を用いて分析したところ、純度98重量%のN−フェ
ニル−マレインアミド酸メチルエステルであることがわ
かった。このときのN−フェニル−マレインアミド酸メ
チルエステルの収率は95.6モル%であった。また、
反応終了後の系内全体の水分量は38.6gであり、使
用したイオン交換樹脂量に対して38.6重量%であっ
た。
【0036】(実施例4)温度計および攪拌機を備えた
フラスコにメタノ−ル2290g(水分含有率0.1重
量%)、触媒として強酸性イオン交換樹脂−H型(三菱
化成製、DIAION-PK228、水分含有率10重量%)を12
0g仕込み、これを攪拌しながらN−ヘキサノイック−
マレインアミド酸229gを添加してスラリ−状とした
後、フラスコの温度を50℃とした。この温度で10時
間反応させたところ、溶液は完全に透明となった。反応
終了後、ろ過を行い反応液と触媒とを分離した。ひき続
き、ろ液から減圧下において溶媒を留去することにより
白色固体239g得られた。これを核磁気共鳴(NMR)を
用いて分析したところ、純度98重量%のN−ヘキサノ
イック−マレインアミド酸メチルエステルであることが
わかった。このときのN−ヘキサノイック−マレインア
ミド酸メチルエステルの収率は96.3モル%であっ
た。また、反応終了後の系内全体の水分量は32.0g
であり、使用したイオン交換樹脂量に対して26.7重
量%であった。
【0037】(実施例5)温度計および攪拌機を備えた
フラスコにエタノ−ル1380g(水分含有率0.1重
量%)、触媒として強酸性イオン交換樹脂−H型(三菱
化成製、DIAION-PK216、水分含有率10重量%)を11
5g仕込み、これを攪拌しながらマレインアミド酸11
5gを添加してスラリ−状とした後、フラスコの温度を
50℃とした。この温度で30時間反応させたところ、
溶液は完全に透明となった。反応終了後、ろ過を行い反
応液と触媒とを分離した。ひき続き、ろ液から減圧下に
おいて溶媒を留去することにより淡黄色液体142g得
られた。これを核磁気共鳴(NMR)を用いて分析したとこ
ろ、純度99重量%のマレインアミド酸エチルエステル
であることがわかった。このときのマレインアミド酸エ
チルエステルの収率は98.3モル%であった。また、
反応終了後の系内全体の水分量は30.5gであり、使
用したイオン交換樹脂量に対して26.5重量%であっ
た。
【0038】(実施例6)温度計および攪拌機を備えた
フラスコにイソブチルアルコール1725g(水分含有
率0.1重量%)、触媒として強酸性イオン交換樹脂−
H型(三菱化成製、DIAION-PK216、水分含有率10重量
%)を68.0g仕込み、これを攪拌しながらマレイン
アミド酸115gを添加してスラリ−状とした後、フラ
スコの温度を80℃とした。この温度で27時間反応さ
せたところ、溶液は完全に透明となった。反応終了後、
ろ過を行い反応液と触媒とを分離した。ひき続き、ろ液
から減圧下において溶媒を留去することにより淡黄色液
体160g得られた。これを核磁気共鳴(NMR)を用いて
分析したところ、純度99重量%のマレインアミド酸イ
ソブチルエステルであることがわかった。このときのマ
レインアミド酸イソブチルエステルの収率は92.4モ
ル%であった。また、反応終了後の系内全体の水分量は
26.0gであり、使用したイオン交換樹脂量に対して
38.2重量%であった。
【0039】(実施例7)温度計および攪拌機を備えた
フラスコにメタノ−ル160g(水分含有率0.1重量
%)、トルエン230g(水分含有率0.01重量
%)、触媒として強酸性イオン交換樹脂−H型(三菱化
成製、DIAION-PK212、水分含有率20重量%)を10
0.0g仕込み、これを攪拌しながらマレインアミド酸
115gを添加してスラリ−状とした後、フラスコの温
度を60℃とした。この温度で10時間反応させたとこ
ろ、溶液は完全に透明となった。反応終了後、ろ過を行
い反応液と触媒とを分離した。ひき続き、ろ液から減圧
下において溶媒を留去することにより淡黄色液体123
g得られた。これを核磁気共鳴(NMR)を用いて分析した
ところ、純度99重量%のマレインアミド酸メチルエス
テルであることがわかった。このときのマレインアミド
酸メチルエステルの収率は94.3モル%であった。ま
た、反応終了後の系内全体の水分量は38.0gであ
り、使用したイオン交換樹脂量に対して38.0重量%
であった。
【0040】(比較例1)温度計および攪拌機を備えた
フラスコにメタノ−ル920g(水分含有率0.1重量
%)、触媒として強酸性イオン交換樹脂−H型(三菱化
成製、DIAION-PK216、水分含有率40重量%)を65.
0g仕込み、これを攪拌しながらマレインアミド酸11
5gを添加してスラリ−状とした後、フラスコの温度を
40℃とした。この温度で2時間反応させたところ、溶
液は完全に透明となった。反応終了後、ろ過を行い反応
液と触媒とを分離した。ひき続き、ろ液から減圧下にお
いて溶媒を留去した。ろ液からは淡黄色液体135gが
得られた。NMRで分析したところ純度20%のマレイン
アミド酸メチルエステルであることがわかった。また、
副生成物としてモノメチルマレイン酸のアンモニウム塩
およびジメチルマレイン酸エステルが検出された。これ
によりマレインアミド酸メチルエステルの収率は21.
0%であった。また、反応終了後の系内全体の水分量は
44.8gであり、使用したイオン交換樹脂量に対して
68.9重量%であった。
【0041】(比較例2)温度計および攪拌機を備えた
フラスコにメタノ−ル920g(水分含有率10重量
%)、触媒として強酸性イオン交換樹脂−H型(三菱化
成製、DIAION-PK220、水分含有率1重量%)を200.
0g仕込み、これを攪拌しながらマレインアミド酸11
5gを添加 してスラリ−状とした後、フラスコの温度を
40℃とした。この温度で2時間反応させたところ、溶
液は完全に透明となった。反応終了後、ろ過を行い反応
液と触媒とを分離した。ひき続き、ろ液から減圧下にお
いて溶媒を留去した。ろ液からは淡黄色液体155gが
得られた。NMRで分析したところ、純度10%のマレイ
ンアミド酸メチルエステルであることがわかった。ま
た、副生成物としてモノメチルマレイン酸のアンモニウ
ム塩およびジメチルマレイン酸エステルが検出された。
このときのマレインアミド酸メチルエステルの収率は1
2.0%であった。また、反応終了後の系内全体の水分
量は112.0gであり、使用したイオン交換樹脂量に
対して56.0重量%であった。
【0042】(比較例3)温度計および攪拌機を備えた
フラスコにメタノ−ル920g(水分含有率0.1重量
%)、触媒として強酸性イオン交換樹脂−H型(三菱化
成製、DIAION-PK216、水分含有率40重量%)を10
0.0g仕込み、これを攪拌しながらN−フェニル−マ
レインアミド酸191gを添加してスラリ−状とした
後、フラスコの温度を50℃とした。この温度で2時間
反応させたところ、溶液は完全に透明となった。反応終
了後、ろ過を行い反応液と触媒とを分離した。ひき続
き、ろ液から減圧下において溶媒を留去した。ろ液から
は205.0gの白色固体が得られた。NMRで分析した
ところ純度42%のマレインアミド酸N−フェニルエス
テルであることがわかった。また、副生成物としてモノ
メチルマレイン酸のアニリン塩およびジメチルマレイン
酸エステルが検出された。このときのマレインアミド酸
N−フェニルエステルの収率は42.0%であった。ま
た、反応終了後の系内全体の水分量は58.8gであ
り、使用したイオン交換樹脂量に対して58.8重量%
であった。
【0043】(比較例4)温度計および攪拌機を備えた
フラスコにメタノ−ル160g(水分含有率10重量
%)、トルエン230g(水分含有率0.01重量
%)、触媒として強酸性イオン交換樹脂−H型(三菱化
成製、DIAION-PK208、水分含有率20重量%)を50.
0g仕込み、これを攪拌しながらマレインアミド酸11
5gを添加してスラリ−状とした後、フラスコの温度を
60℃とした。この温度で10時間反応させたところ、
溶液は完全に透明となった。反応終了後、ろ過を行い反
応液と触媒とを分離した。ひき続き、ろ液から減圧下に
おいて溶媒を留去した。ろ液からは淡黄色液体143g
が得られた。NMRで分析したところ純度32%のマレイ
ンアミド酸メチルエステルであることがわかった。ま
た、副生成物としてモノメチルマレイン酸のアンモニウ
ム塩およびジメチルマレイン酸エステルが検出された。
このときのマレインアミド酸メチルエステルの収率は3
5.5%であった。また、反応終了後の系内全体の水分
量は44.0gであり、使用したイオン交換樹脂量に対
して88.0重量%であった。
【0044】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 (R1およびR2は各々独立して水素原子または少なくと
    も1個の炭素原子を含む有機基を表わす。)で示される
    マレインアミド酸と下記一般式(2) 【化2】 (R3は少なくとも1個の炭素原子を含む有機基を表わ
    す。)で示されるアルコールとを酸性イオン交換樹脂の
    存在下に、反応させて下記一般式(3) 【化3】 (R1、R2、R3は式(1)、式(2)と同じであ
    る。)で示されるマレインアミド酸エステルを製造する
    方法において、反応系で生成する水を反応系から留去す
    ることなく、反応終了後に系内全体の水分量が使用した
    酸性イオン交換樹脂量に対して40重量%以下の状態に
    なるよう反応させる事を特徴とするマレインアミド酸エ
    ステルの製造方法。
JP4256030A 1992-09-25 1992-09-25 マレインアミド酸エステルの製造方法 Pending JPH06100513A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4256030A JPH06100513A (ja) 1992-09-25 1992-09-25 マレインアミド酸エステルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4256030A JPH06100513A (ja) 1992-09-25 1992-09-25 マレインアミド酸エステルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06100513A true JPH06100513A (ja) 1994-04-12

Family

ID=17286945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4256030A Pending JPH06100513A (ja) 1992-09-25 1992-09-25 マレインアミド酸エステルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06100513A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010047160A (ko) * 1999-11-18 2001-06-15 구명수 새로운 말레인산 유도체 및 이의 제조방법
WO2002072553A1 (en) * 2001-03-13 2002-09-19 Epx Research Limited Antiproliferative agents

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010047160A (ko) * 1999-11-18 2001-06-15 구명수 새로운 말레인산 유도체 및 이의 제조방법
WO2002072553A1 (en) * 2001-03-13 2002-09-19 Epx Research Limited Antiproliferative agents
GB2402130A (en) * 2001-03-13 2004-12-01 Epx Res Ltd Methacrylic acid derivatives and their use as antiproliferative agents
US6881846B2 (en) 2001-03-13 2005-04-19 Epx Research Limited Antiproliferative agents
GB2402130B (en) * 2001-03-13 2005-10-26 Epx Res Ltd Antiproliferative agents
US7049338B2 (en) 2001-03-13 2006-05-23 Washington Odur Ayuko Antiproliferative agents
AU2002238760B2 (en) * 2001-03-13 2008-02-21 Epx Research Limited Antiproliferative agents
US7750181B2 (en) 2001-03-13 2010-07-06 Epx Research Limited Antiproliferative agents

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5087705A (en) Process for preparation of n-substituted maleimides
CN114621149B (zh) Mof-h248催化合成吲唑类化合物的方法
US4511722A (en) Process for preparing cyclic N-vinylacylamines
US4258204A (en) Acrylate ester monomer production
JPH06100513A (ja) マレインアミド酸エステルの製造方法
JPS6314706B2 (ja)
GB1565791A (en) Amine salts of tetrahalophthalate half-ester and bis - tetrahalophthalimides derived therefrom
JP3398466B2 (ja) マレインアミド酸エステルの製造方法
JPH0784427B2 (ja) 医・農薬中間原料の製造方法
JP2982259B2 (ja) N―置換マレイミドの製造法
CN114426466B (zh) 一种醇羟基供体与活性氢供体进行光延反应的方法
JP3876933B2 (ja) 硫酸水素エステルの製造方法
JPS6241492B2 (ja)
JP3727093B2 (ja) 2−オキソシクロペンタンカルボン酸エステルの製造方法
JPH04290868A (ja) N−アリールマレイミドの製造方法
JP3149652B2 (ja) O,o’−ジアシル酒石酸無水物の製造方法
JPH0259132B2 (ja)
SU1177289A1 (ru) Способ получени диметилового эфира @ , @ , @ ,-тетраметил- @ -формилоксиглутаровой кислоты
JP2982253B2 (ja) N―置換マレイミドの製造法
JPH0665663B2 (ja) ジーパーフルオロアルキル‐カルバミルアクリレート類およびメタクリレート類
JPH0491055A (ja) コハク酸ジエステル及びその誘導体の製造方法
JPH05331121A (ja) 新規なマレインアミド酸エステル化合物
Deka et al. A facile conversion of aromatic esters to amides by using lithium amide under mild reaction condition
JPH07291906A (ja) マレインアミド酸エステルの製造方法
SU666166A1 (ru) Способ получени с- с - алифатических эфиров трихлорвинилбензойной кислоты