JPH059883Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、店頭、家庭、展示場などにおいて、
棚板、デイスプレー、パネル、ハンガーその他イ
ンテリア用構造体を懸吊状態に取り付けるときに
用いられる棚等用支持装置に関するものである。

〔従来の技術〕

最近、張設或いは懸吊されたワイヤーやレール
の任意に位置に固定できる金具を用いてワイヤー
やレールに棚板などの物品を懸吊することが行わ
れている。例えば天井から複数本のワイヤを垂下
し、各ワイヤーに金具を同じ高さに取り付け、該
複数の金具を介してワイヤーに棚板を取り付ける
ことが行われている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、従来の金具についている棚板取
付具は棚板をワイヤーに対して直角又は水平に取
り付ける（或いは載せる）ことしか予想していな
かつたため、斜めに張装されたワイヤーに水平に
棚板を取り付けることや鉛直に垂下されたワイヤ
ーに棚板を傾斜させて設ける場合は不便であつ
た。

また、ホルダーと棚板とを連結する手段として
ホルダーにネジ部を一体的に形成するとすると、
これでは螺着するときにホルダー又は物品をまわ
さねばならず、ホルダーを既に懸吊してしまつた
後に物品を連結するときに特に不便であつた。

本考案は、従来のこの問題点を解決しようとす
るもので、任意の所望の支持角度に物品を支持す
ることができ、また物品の螺着作業も容易に行う
ことができる棚等支持装置を提供することを目的
とするのである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、ワイヤ挿入部と、該ワイヤ挿入部に
挿入されるワイヤを挾持するボールとを有するス
リーブをテーパー面に接離自在に設けたチヤツク
機構を備えたホルダーの一側面にネジ孔のある支
軸部を突設し、該支軸上に遊嵌挿した雌ネジ部材
を前記ネジ孔に螺合するビスで回動自在に配備す
ると共に、該雌ネジ部材に、棚板へビスで固定さ
れる雄ネジ部材を着脱自在に螺合するようにした
ことを特徴とする棚等用支持装置である。

〔作用〕

ホルダーはチヤツク機構でワイヤに懸吊される
が、ホルダーの支軸上にある雌ネジ部材を廻して
棚板等の物品に定着された雄ネジ部材に螺合する
と、物品にホルダーが取り付けられ、また雌ネジ
部材を逆に回転操作することで取り外すことがで
きる。

また、この連結状態においては前記雌ネジ部材
は物品に対してまわらなくとも前記ホルダーに対
してまわり、前記ホルダーと連結部材、即ち例え
ばワイヤーと棚板、との角度を任意の所望の角度
に設定することができる。

例えば第６図のように天井と床の間に垂直に２
本、傾斜して２本設けたワイヤー群に同じ高さ
に、かつ、傾斜したワイヤーに連結する。少なく
ともＡ部に、この棚等用支持装置を固定すれば、
水平に棚板を設けることができる。例えば第７図
のように天井から垂直に懸吊した４本のワイヤー
群に異なる高さにこの棚等用支持装置を固定すれ
ば傾斜して棚板を設けることができる。

なお、ワイヤーと棚板とが垂直に連結される部
分に用いることができるのはもちろんである。

〔実施例〕

本考案は実施例を第１〜７図を用いて説明す
る。

１は円柱型のホルダーで、平坦面に形成された
両側部の一方の側部の中央に円柱状の支軸部１５
が垂直に突出して一体形成され、支軸部１５に連
結部材が回動自在に備えられる。

この実施例の連結部材は、一端に支軸部１５の
長さより若干小さい厚さの円形状端面部を有する
一端開口の円筒体の内周面部にネジ部を備えた雌
ネジ部材１６が用いられ、円筒体の閉塞端部は支
軸部１５の長さより若干小さい厚さを有し、中央
に支軸部１５の外径より若干大きな径の挿通孔を
備えている。そして支軸部１５に雌ネジ部材１６
の閉塞端部を差し込んだ後、抜け止めのビス１７
で止めることにより、雌ネジ部材１６は支軸部１
５のまわりに回動自在に配備されることとなる。

１９はホルダー１が連結される物品、例えば棚
板１８に設けられ締結部材で、この実施例では雌
ネジ部材１６に螺合する雄ネジ部材が用いられ
る。雄ネジ部材１９は棚板１８にビス２０で固定
される。

ホルダー１は懸吊されるものなら形式を問わな
いが、その懸吊構造の一例を説明する。

ホルダー１は中央に上下方向に中空部が貫通し
て設けられている。中空部内周面は上方に向かつ
て細径となるテーパー面部２を有し、中空部には
スリーブ４がバネにより上向きに付勢されて収容
されている。

スリーブ４は中央にワイヤー６の挿入部７を貫
通して備えた円筒体でテーパー面部２にほぼ一致
するコーン部を備え、上部端部はバネの復元時に
突出する長さを有している。そしてコーン部に半
径方向に貫通するボール挿入孔を３個備え、各ボ
ール挿入孔にボール３が１個ずつ収容されてい
る。ボール３，３，３は挿入部７に挿入されたワ
イヤー６のチヤツク部材で、スリーブ４を人為的
にホルダー１内に押し込まない状態において挿入
部７にワイヤー６が挿入されているときにワイヤ
ー６に対してホルダー１が矢印２４（第５図参
照）の向きに滑ること、即ち下方に滑り落ちるこ
とを強固に阻止し、スリーブ４をバネに抗して押
し込んだ状態においてはワイヤー６に対して容易
に自由に滑らすことができるものである。

なお、この実施例ではワイヤー６への取り付
け、取り外しを簡単にするために挿入部７に連通
するすり割り溝８，９がスリーブ４とホルダー１
にそれぞれ設けられている。従つて、スリーブ４
を上方に付勢するバネとして２本の圧縮コイルバ
ネ５，５が挿入部７からすり割り溝８，９に至る
連通空間を避けて一対設けられ、またすり割り溝
８，９が連通状態を保持するようにスリーブ４が
ホルダー１に対してまわるのを防止するガイドロ
ツド１０が設けられる。この実施例ではすり割り
溝８の反対側にスリーブ４の大径側（下方側）の
端面部に開口してロツド挿入孔１１が、すり割り
溝８とガイドロツド挿入孔１１とから90°離れた
位置の外周面部にバネ挿入溝１２，１２が、それ
ぞれ設けられている。そしてガイドロツド１０は
ホルダー１の中空部開口部に圧入される、バネ封
入部材である底蓋１３に突設されて配備されてい
る。底蓋１３にも挿入部７及びすり割り溝８，９
に連通する切欠１４が設けられている。

図中、２１はすり割り溝８，９に嵌合する嵌合
片とスリーブ４の上方突出部を抱持する抱持片を
備えたキヤツプ部材、スリーブ４のロツク作用及
びワイヤー６のガイド作用を有するものである。
抱持片にもすり割り溝を設けてある。

２２はバネ座として封入したボール、２３は底
蓋１３に突設したバネガイドピンである。

しかして、例えば既に懸吊又は張装されたワイ
ヤー６群に棚板１８を傾斜させて取り付ける場合
は４本のワイヤー６に、それぞれ適宜高さに、ホ
ルダー１を固定する。棚板１８には予め適宜位置
に雄ネジ部材１９を４個ビス２０で取り付けてお
く。そして各雄ネジ部材１９に各雌ネジ部材１６
をまわして螺着してホルダー１を棚板１８に取り
付けるが、雌ネジ部材１６はホルダー１に対して
空まわりするので雌ネジ部材１６だけがまわり、
簡単に螺着することができる。そして、ワイヤー
６における高さ位置の相互関係によりそれぞれホ
ルダー１と雌ネジ部材１６との回動角が自然に決
定され、安定する。なお、ワイヤー６へのホルダ
ー１の固定は棚板１８の連結後に行つてもよい
が、ホルダー１を天地逆にしないように、即ち、
テーパー面部２の細径側が上方になるように、固
定することが肝要である。

以上、連結部材として雌ネジ部材１６を用いた
例で示したが、例えば円筒体の外周面部にネジ部
を形成した雄ネジ部材も用いることができる。そ
の場合は締結部材として雌ネジ部材が用いられ
る。

また、ワイヤー６により懸吊されるホルダー１
の例で説明したがレールにより懸吊されるホルダ
ーにも適用することができる。例えば上述の例の
ホルダー１はすり割り溝８，９を備えているので
ワイヤー６に代えてレールに固定することもでき
る。ワイヤー６専用の場合では、ワイヤー６への
着脱は不便になるが、すり割り溝８，９のないホ
ルダーにも適用できるのはもちろんである。

さらに、ホルダー１に複数の連結部材を設ける
こともできる。例えば上述の実施例のホルダー１
の両側部に対称的に雌ネジ部材１６，１６を設け
れば、棚板１８，１８を並べて懸吊するときに便
利である。

〔考案の効果〕

本考案は、チヤツク機構を備えたホルダーの一
側面にネジ孔のある支軸部を突設し、該支軸上に
遊嵌挿した雌ネジ部材を前記ネジ孔に螺合するビ
スで回動自在に配備すると共に、該雌ネジ部材を
棚板へビスで固定される雄ネジ部材に着脱自在に
螺合装備したことにより、ワイヤに装着されてい
るホルダーは棚板などの物品に対して、雌ネジ部
材を空まわしするだけで物品の脱着が容易にでき
るし、物品の方向変換即ち、傾斜角度変換も雌ネ
ジ部材が空廻りするジヨイント部材となつて、移
動変換することができ、この連結状態において雌
ネジ部材は物品に対してまわつてゆるむことな
く、物品とともにワイヤホルダーに対してまわ
り、ホルダーを介してワイヤと棚板の物品との設
置角度を安全に任意の所望の角度に設定すること
ができる。

従つて、任意の所望の支持角度に物品を支持す
ることができ、また物品の螺着作業も容易に行う
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は分離状
態の斜視図、第２図はキヤツプ部材を外した状態
で、雄ネジ部材及びビスを省略した底面図、第３
図は第２図Ｉ−Ｉ線断面拡大正面図、第４図は第
２図−線断面拡大側面図、第５図は物品への
取り付けを示す一部切欠正面図、第６，７図はそ
れぞれ使用状態の斜視図である。 １……ホルダー、２……テーパー面部、３……
ボール、４……スリーブ、５……圧縮コイルバ
ネ、６……ワイヤー、７……挿入部、８……すり
割り溝、９……すり割り溝、１０……ガイドロツ
ド、１１……ロツド挿入孔、１２……バネ挿入
溝、１３……底蓋、１４……切欠、１５……支軸
部、１６……雌ネジ部材、１７……ビス、１８…
…棚板、１９……雄ネジ部材、２０……ビス、２
１……キヤツプ部材、２２……ボール、２３……
バネガイドピン、２４……矢印。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワイヤ挿入部７と、該ワイヤ挿入部７に挿入さ
   れるワイヤを挾持するボール３とを有するスリー
   ブ４をテーパー面２に接離自在に設けたチヤツク
   機構を備えたホルダー１の一側面にネジ孔のある
   支軸部１５を突設し、該支軸１５上に遊嵌挿した
   雌ネジ部材１６を前記ネジ孔に螺合するビス１７
   で回動自在に配備すると共に、該雌ネジ部材１６
   に、棚板１８へビス２０で固定される雄ネジ部材
   １９を着脱自在に螺合するようにしたことを特徴
   とする棚等用支持装置。