JPH0415099Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、棚板、デイスプレー、額、ライトそ
の他インテリア用構造体を店頭、家庭、展示場な
どに陳列装備するため細長いワイヤー等の索条で
簡単に任意の位置に位置決めが可能な吊垂金具に
関するものである。

〔従来技術〕

一般に室内或いは陳列窓等に、物品を載せるた
めの棚を設ける場合、洋服などを吊して陳列する
場合などにおいて、陳列効果やスペース効果をあ
げるため、また品物が変わった場合の配置変更な
どのために、棚板の高さや、洋服などの物品を吊
す位置、高さなどを任意に選ぶことが容易である
ことが要求される。

この金具には従来ではフツクや穴あきブラケツ
ト、取付ロツド、或いは取付螺杆が用いられるが
段階的な変更が多く無段階に移動調節することが
できない不便があつた。

そのため、最近ではケーシング中にスリーブを
バネで弾装配備し、該スリーブに保持したボール
で細長い索条体の任意の位置に固定することがで
きる取り付け金具を用いることが知られている。

そしてそのタイプの取り付け金具ではワイヤー
それぞれに取付具を備えて、壁面又は天井面に固
着して吊垂することが行われ、さらに、固定した
ワイヤーの末端はそのまま吊れ下つて邪魔となる
ため設定後に切除することが行われている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、従来では取付面には取付金具が複数
固着するため不体裁となるばかりか物品の吊垂位
置をバランスさせることがやつかいで、かつその
位置を変えるとワイヤーが垂れ下つたままでは始
末が悪く末端を体裁のために切断して切離すと張
設距離の変更に応じられないなどいずれにしても
ワイヤーの末端処理もやつかいであるという問題
があつた。

本考案は、これら従来の欠点を適確に除去しよ
うとしたもので、索条体で物品の吊垂を著しく簡
単且つ迅速に行え、その取り付け取り外しもワン
タツチで可能で作業性を大幅に向上でき体裁良好
な吊垂金具を提供することを目的としたものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、テーパー面４を有する中空筒体のケ
ーシング１内に、ワイヤーＷ等の索条体を挿通し
うる中空孔７₂のあるスリーブ７をバネ６で一方
向に付勢して配備し、該スリーブ７に設けたボー
ル挿入孔にワイヤーＷを挟圧しうる少なくとも二
個以上のボール５，５を互いに接離可能で前記中
空孔７₂に突没自在に配し、このボール５，５間
に前記ワイヤーＷを軸方向に挿入しうるように構
成したチヤツキング機構Ａを備えると共に、各ケ
ーシング１にそれぞれ棚Ｂ等への取付部２を設け
ると共に、該ケーシング１，１にそれぞれ挿通さ
れるワイヤーＷ，Ｗの複数を集束固着した吊金具
３を配備したことを特徴とする棚等用吊具であ
る。

〔実施例〕

第１〜４図例において、内面にテーパー面４を
有するケーシング１は両端とも解放された貫通孔
を有する金属製の中空筒体で、その中空部に、少
なくとも二個以上のボール例えば三個のボール
５，５，５を接離可能に保持してなるスリーブ７
をボール５の接離方向と直角な軸方向に遊動可能
にインナーとして備えている。該スリーブ７は前
記ボール間にワイヤーＷを軸方向に挿入し得る中
空孔７₂のあるパイプ体であり、ほぼ中央部に前
記ケーシング１の上部内周面に形成したテーパー
面４に嵌合するコーン部７₁を有し、該コーン部
７₁に三つのボール挿入孔を設け、これにボール
５をそれぞれ保持してあり、またコーン部７₁の
小径側に続く端部は前記ケーシング１から外部へ
突出配備してある。そして、このケーシング１の
他端部にパイプ状の座金８を螺合連結又は嵌合保
持してスリーブ７を一方向に付勢するバネ６を内
装して備えてある。

なお、前記ボール５に代えてテーパー面４に沿
う側面を持つシユーを複数用いてチヤツキングで
きるように構成することもでき、この場合スリー
ブ７は二つに分離した部材で一方を操作片、他方
をバネガイド片として用い、この二部材の間にシ
ユーを介在配備した形態でケーシング１中に内装
するのがよい。また前記取付部２が、棚Ｂ等への
取付ねじ孔２₁のあるブラケツトであつて、前記
ケーシング１に一体又は固着されているものであ
るが、第５図例に示すように、前記ワイヤーＷを
巻込むリール８₁を備えたものでワイヤーＷの末
端処理ができる形態とすることもできる。

さらに前記吊金具３としては、引掛用のリング
又はフツクであつて、ワイヤーＷの集束固着部３
_１を有しているものでワイヤーＷの末端を集束し
て棚Ｂなどの物品をバランスした吊垂しやすい構
成としてあるが、第６図例のように壁面取付板１
３に螺合又は嵌合した吊金具３としたり（第６図
ａ）、壁面取付用の螺軸３₂と該螺軸３₂に螺合す
るナツトの締付部材３₃とからなる吊金具３とし
たり（第６図ｂ）するか、アンカーボルト形式の
吊金具とするなど任意に選べる。

第５図例ではワイヤー末端処理機構として巻取
リール８₁を取付板となる取付部２に備えてある
が、回動自在に軸支したり、リール収納用のガイ
ド９に嵌挿保持できるようにすることもできる。

第７図例では前記ワイヤーＷをエンドレスワイ
ヤーとして用いたものでチヤツキング機構Ａのあ
るケーシング１を一対備え額縁又はパネルなどの
物品Ｃを支え、ワイヤーＷの末端処理を容易にし
てある。

なお、前記棚Ｂは一段に限らず上下二段以上の
複数段に配置することがワイヤーＷへの前記ケー
シング１の設置によつて自由に選べる。

なお、前記ケーシング１のテーパー面４はボー
ル５がテーパー面４の小径側の近くにあるときに
遠くにあるときよりもボール５，５，５間の間隔
が小なるようにボール５の接離を拘束していて、
このボール５，５，５間の接離により前記ワイヤ
ーＷとの係止或いは滑動が行われるようになつて
いる。そしてこのスリーブ７がコーン部７₁とテ
ーパー４が嵌合する方向に押される力を受けるよ
うにケーシング１中に設けたバネ押え用の座金８
と前記コーン部７の段付部との間にバネ６が介装
され、前記ケーシング１とスリーブ７はワイヤー
Ｗに固く係止しうる状態としてある。

この座金８はパイプの末端を代用してもよい
が、中央にスリーブ７の挿通孔を穿設し、外周縁
に放射状に複数の爪片（図示せず）を有した金属
製の円板状部材の板バネを圧入嵌着し固定させて
もよく、その他、螺合又は嵌合形式のバネ押え、
リング等の公知の手段が用いられる。

しかして、棚Ｂに取り付けた吊具をワイヤーＷ
上に移動する時は、ケーシング１から突出したス
リーブ７を、バネ６の復元力に抗して押すとボー
ル５，５，５はフリーの状態となり、その間にワ
イヤー上に移動し、適宜位置で押圧をやめるとバ
ネ６によりスリーブ７は復位してワイヤーＷはボ
ール５，５，５間に圧接挟持され、棚Ｂは吊金具
でワイヤーＷに固定される。

また、ワイヤーＷの途中または下端に額やパネ
ルその他のインテリア組立構造物の吊垂或いは載
置に便利に用いられるものである。

〔考案の効果〕

本考案により、ワイヤーで物品を床などの取付
面に対して任意の距離隔たつた位置に取り付ける
際に設置の処理が容易にでき、バランスを持つて
吊垂でき且つワンタツチで着脱できるのでその取
り付け、取り外し作業が極めて簡易で迅速にでき
作業性を大幅に向上し、互換性も良好であり、し
かもワイヤーの長さや緊張度合の調整も広範囲に
可能で陳列棚の張設が適確且つ安全にでき周囲の
美観をも損なわない体裁良好な吊具とでき、さら
に異なる取付面積構造に対しても広範囲に適用で
きる堅牢形態となつているので汎用性にも富むな
どの実用上の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施例を示し、第１図は一使
用状態の側面図、第２図は縦断面図、第３図は第
２図線の横断面図、第４図は斜面図、第５図
は他の実施例の側面図、第６図ａ，ｂは他の実施
例の側面図、第７図は他の使用状態の側面図であ
る。 Ｗ……ワイヤー、Ａ……チヤツキング機構、Ｂ
……棚、Ｃ……物品、１……ケーシング、２……
取付部、３……吊金具、３₁……集束固着部、４
……テーパー面、５……ボール、６……バネ、７
……スリーブ、８……座金。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ワイヤーＷを挿通してチヤツキングできる機
   構Ａを備えたケーシング１を複数備え、各ケー
   シング１にそれぞれ棚等への取付部２を設ける
   と共に、該ケーシング１，１にそれぞれ挿通さ
   れるワイヤーＷ，Ｗの複数を集束固着した吊金
   具３を配備したことを特徴とする棚等用吊具。 (2) 前記チヤツキング機構Ａが、前記ケーシング
   １のテーパー面４に接触するボール５又はシユ
   ーを持ち、これらを一方向に付勢するバネ６の
   あるものである実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の棚吊具。 (3) 前記ケーシング１が、中空筒体であつて、前
   記ワイヤーＷを挿通するスリーブ７を備え、該
   スリーブ７の一部を前記ケーシング１より突出
   配備したものである実用新案登録請求の範囲第
   １項又は第２項記載の棚吊具。 (4) 前記取付部２が、棚Ｂ等への取付ねじ孔２₁
   のあるブラケツトであつて、前記ケーシング１
   に一体又は固着されているものである実用新案
   登録請求の範囲第１〜３項のいずれか一つの項
   記載の棚吊具。 (5) 前記取付部２が、前記ワイヤーＷを巻込むリ
   ール８₁を備えたものである実用新案登録請求
   の範囲第１〜４項のいずれか一つの項記載の棚
   吊具。 (6) 前記吊金具３が、引掛用のリング又はフツク
   であつて、ワイヤーＷの集束固着部３₁を有し
   ているものである実用新案登録請求の範囲第１
   〜５項のいずれか一つの項記載の棚吊具。 (7) 前記吊金具３が壁面取付用の螺軸３₂と該螺
   軸３₂に螺合するナツトの締付部材３₃とからな
   る取付部を備えているものである実用新案登録
   請求の範囲第１〜５項のいずれか一つの項記載
   の棚吊具。