JPH0340200Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、デイスプレー、額、ライトその他イ
ンテリア用構造体を店頭、家庭、展示場などに陳
列装備するため細長いワイヤー等の索条体で簡単
に任意の位置に位置決めが可能な吊垂金具に関す
るものである。

〔従来技術〕

室内或いは陳列窓等に、物品を載せるための棚
を設ける場合、洋服などを吊して陳列する場合な
どにおいて、陳列効果やスペース効果をあげるた
め、また品物が変わつた場合の配置変更などのた
めに、棚板の高さや、洋服などの物品を吊す位
置、高さなどを任意に選ぶことが容易であること
が要求される。

そのため、最近ではケーシング中にスリーブを
バネで弾装配備し、該スリーブに保持したボール
で細長い索条体の任意の位置に固定することがで
きる取り付け金具が見られる。

そしてそのタイプの取り付け金具ではワイヤー
に固定したワイヤーの末端はそのまま吊れ下つて
邪魔となるため設定後に切除することが行われて
いる。

〔考案が解決しようとする問題点〕 ところが、従来用いられている吊垂金具はワイ
ヤーのたるみやゆるみが生じた場合にはワイヤー
末端を再度切除しなければならない不便がある
し、また物品を吊垂位置を変えるとワイヤーが垂
れ下つたままでは始末が悪く末端を体裁のために
切断して切離すと張設距離の変更に応じられない
などいずれにしても索条体の末端処理がやつかい
であるという問題があつた。

本考案は、これら従来の欠点を適確に除去しよ
うとしたもので、吊垂金具に索条体の末端を処理
できる機構を備えたことにより索条体で物品の吊
垂を著しく簡単且つ迅速に行え、その取り付け取
り外しもワンタツチで可能で作業性を大幅に向上
でき体裁良好な吊垂金具を提供することを目的と
したものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、テーパー面１を有する中空筒体のケ
ーシング２内に、ワイヤー等の索条体Ｗを挿通し
うる中空孔のあるスリーブ３をバネ４で一方向に
付勢して配備し、該スリーブ３に設けたボール挿
入孔９に索条体Ｗを挟圧しうる少なくとも二個以
上のボール５，５を互いに接離可能で前記中空孔
に突没自在に配し、このボール５，５間に前記索
条体Ｗを軸方向に挿入しうるように構成すると共
に、前記ケーシング２の複数をパイプ６を介して
連結されて備えたことを特徴とする吊垂金具であ
る。

〔実施例〕

第１〜５図例において、内面にテーパー面１を
有するケーシング２は両端とも解放された貫通孔
を有する金属製の中空筒体で、その中空部に、少
なくとも二個以上のボール例えば三個のボール
５，５，５を接離可能に保持してなるスリーブ３
をボール５の接離方向と直角な軸方向に遊動可能
にインナーとして備えている。該スリーブ３は前
記ボール間にワイヤー等の索条体Ｗを軸方向に挿
入し得るパイプ体であり、ほぼ中央部に前記ケー
シング２の上部内周面に形成したテーパー面１に
嵌合するコーン部８を有し、該コーン部８に三つ
のボール挿入孔９を設け、これにボール５をそれ
ぞれ保持してあり、またコーン部８の小径側に続
く端部は前記ケーシング２から外部へ突出配備し
てある。そして、このケーシング２の他端部にパ
イプ６を螺合連結又は嵌合保持して接続用パイプ
６₁をもつて一対のケーシング２，２を連結して
備えてある。該パイプ６はベンド管を用い接続用
パイプ６₁で連結してＵ字状に構成されて吊垂物
品の吊り下げに安全便利になるようにしてある
が、分割パイプを嵌合接続するようにするのがよ
く、またパイプ６をリターンベンド管を用いてケ
ーシング２，２を設けてもよい。

この場合パイプ６，６₁とケーシング２との接
続部分は外周又は内周に直接嵌装してあるが、継
手部材（図示せず）を介在させて連結することも
できる。ケーシング２の連絡する数は二つ以上選
んで備えられるがそれらに対応したパイプ６，６
を用いればよい。

なお第６図例では接続用パイプ６₁中にケーシ
ング２から導出される索条体Ｗの末端を互に伸縮
接続できるようにバネ部材１０を備えたもので索
条体Ｗのたるみをなくし絡み合をもなくすように
することが可能としたものである。前記ケーシン
グ２のテーパー面１はボール５がテーパー面１の
小径側の近くにあるときに遠くにあるときよりも
ボール５，５，５間の間隔が小なるようにボール
５の接離を拘束していて、このボール５，５，５
間の接離により前記索条体Ｗとの係止或いは滑動
が行われるようになつている。そしてこのスリー
ブ３がコーン部８とテーパー面１が嵌合する方向
に押される力を受けるようにケーシング２中に設
けたバネ押え７と前記コーン部８の段付部との間
にバネ４が介装され、前記ケーシング２とスリー
ブ３は索条体Ｗに固く係止しうる状態としてあ
る。

このバネ押え７はパイプ６の末端を代用しても
よいが、中央にスリーブ３の挿通孔７′を穿設し、
外周縁に放射状に複数の爪片７（図示せず）を有
した金属製の円板状部材の板バネを圧入嵌着し固
定させてもよく、その他、螺合又は嵌合形式のバ
ネ押え、座金等の公知の手段が用いられる。

図中１１はネジ部、１２，１３はガイドでリン
グ部材又はフツク部材等が用いられる。１４はパ
ネル、１５は締付ネジで接続用パイプ６₁に必要
に応じ備えられる。

しかして、パネルに取り付けけた吊垂金具に索
条体Ｗを取付ける時は、ケーシング２から突出し
たスリーブ３を、バネ４の復元力に抗して押すと
ボール５，５，５はフリーの状態となり、その間
に索条体Ｗを挿通し、適宜位置で押圧をやめると
バネ４によりスリーブ３は復位して索条体Ｗはボ
ール５，５，５間に圧接挟持され、索条体Ｗは吊
垂金具に固定される。

この場合、索条体Ｗの末端はパイプ６中に内装
されることとなるので、スリーブ３が外れること
がなく、極めて安定した状態で用いられ索条体Ｗ
の邪魔な垂れ下りがなく体裁良好に用いられうる
ものである。

また、索条体Ｗの途中または下端に棚受け具と
して用いるのも、額やパネルその他のンテリア組
立構造物の吊垂或いは載置に便利に用いられるも
のである。

〔考案の効果〕

本考案により索条体で物品を床などの取付面に
対して任意の距離隔たつた位置に取り付ける際に
索条体の端部の処理が容易にでき、且つワンタツ
チで着脱できるのでその取り付け、取り外し作業
が極めて簡易で迅速にでき作業性を大幅に向上
し、互換性も良好であり、しかも索条体の長さに
余裕をもつて用いられるので長さや緊張度合の調
整も広範囲に可能で索条体の張設が適確且つ安全
にでき周囲の美感をも損なわない体裁良好な吊垂
金具とでき、さらに異なる取付面積構造に対して
も広範囲に適用できる堅牢形態となつているので
汎用性にも富むなどの実用上の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施例を示し、第１図は一部
の縦断面図、第２図はその分離状態の縦断面図、
第３図は正面図、第４図は使用状態の背面図、第
５図はその側面図、第６図は他の実施例の一部切
断正面図である。 １……テーパー面、２……ケーシング、３……
スリーブ、４……バネ、５……ボール、６……パ
イプ、６₁……接続用パイプ、７……バネ押え、
８……コーン部、９……ボール挿入孔、１０……
バネ、１１……ネジ部、１４……パネル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ テーパー面１を有する中空筒体のケーシング
   ２内に、ワイヤー等の索条体Ｗを挿通しうる中
   空孔のあるスリーブ３をバネ４で一方向に付勢
   して配備し、該スリーブ３に設けたボール挿入
   孔９に索条体Ｗを挟圧しうる少なくとも二個以
   上のボール５，５を互いに接離可能で前記中空
   孔に突没自在に配し、このボール５，５間に前
   記索条体Ｗを軸方向に挿入しうるように構成す
   ると共に、前記ケーシング２の複数をパイプ６
   を介して連結されて備えたことを特徴とする吊
   垂金具。 ２ 前記スリーブ３が、コーン部８を形成した中
   空筒体であつて、その一端部をケーシング２外
   部に突出するごとく摺動自在にケーシング２中
   に内装されているものである実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の吊垂金具。 ３ 前記バネ４が、中央にスリーブ３の挿通孔
   ７′のあるバネ押え７で前記ケーシング２中に
   嵌挿配備されるものである実用新案登録請求の
   範囲第１項又は第２項記載の吊垂金具。 ４ 前記パイプ６が、前記ケーシング２の一端に
   螺合連結されるものであつて、接続用パイプ６
   _１でＵ字状に構成されているものである実用新
   案登録請求の範囲第１〜３項のいずれか一つの
   項記載の吊垂金具。 ５ 前記パイプ６が、分割パイプを嵌合接続した
   ものであつて、パイプ６中にケーシング２，２
   に挿入される索条体末端を互に伸縮接続させる
   バネ部材１０を備えているものである実用新案
   登録請求の範囲第１〜４項のいずれか一つの項
   記載の吊垂金具。