JPH0142684Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、デイスプレー、額、ライトその他イ
ンテリア用構造体を店頭、家庭、展示場などに陳
列装備するための索条体の張装具に関するもので
ある。

〔従来技術〕

一般に天井、床、壁面に索条体を固定する場合
にはフツクや孔あきブラケツトを介して引掛け或
いは結んで壁面などに取付けることが普通に行わ
れている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来では索条体の取付け取外し操作が極めて面
倒であり、特に天井と床との間にワイヤー、ロー
プ、紐、線などの索条体を緊張装備するには両端
の固定が困難であるばかりでなく長さの調整や緊
張度合がむずかしかつたし、不用意に触れて緊張
を解いてしまつたり緩めてしまう支障があるほか
不体裁であるという問題があつた。

本考案はこれら従来の欠点を適確に除去し、索
条体の脱着、吊垂、張架、緊張を著しく簡単且つ
迅速に行え、特に緊張度の調整も極めて容易で、
作業性を大巾に向上できると共に緊張状態をロツ
クでき体裁良好な索条体張装具を提供することを
目的としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、中空状の筒体１中に遊動体６をバネ
１１で付勢して摺動自在に嵌合し、該遊動体６に
索条体Ｗを軸方向に外から挿入しうる挿入孔７
と、この挿入孔７に突没して索条体をグリツプす
るボール５とを設けると共に、遊動体６の移動で
前記ボール５を接触離間する当接面２が、前記筒
体１の内面に設けられ、この筒体１の一端に螺合
され、前記バネ１１のバネ座４のあるアダプタ３
と該アダプタ３にネジ部１５で移動可能に螺合接
続したニツプル１２とを介在配備すると共に、こ
のネジ部１５と異方向のネジ部１４を前記ニツプ
ル１２に設けてターンバツクル機構Ｔとし、この
ネジ部１４に座金、リング又はフツクからなる壁
面取付部１３を螺合配備し、かつ前記筒体１の一
端から突出する遊動体６にストツパ２６と摺動自
在に嵌着したことを特徴とする索条体張装具であ
る。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面を用いて説明すると、第
１図において、中空状の筒体１の一端は開口され
径が漸減して内面に当接面２が当接面として形成
され、他端はネジ用アダプタ３を備えている。

このネジ用アダプタ３は雌ネジを内面に備えた
管体で、筒体１中に端部を嵌入させて固着してあ
り、筒体１中にアダプタ３端面でバネ座４を形成
してある。例えばアダプタ３の外面に雄ネジを設
け、筒体端部内面に設けた雌ネジと該雄ネジを接
着剤を塗布した上で螺合する。

該筒体１は、少なくとも二個以上のボール例え
ば三個のボール５，５，５を保持する遊動体６を
筒体１の軸方向に遊動可能に嵌合保持している。

遊動体６は前記ボール間に索条体Ｗを軸方向に
外から挿入し得るように索条体挿入孔７を有して
いるパイプ体で、ほぼ中央部に、前記筒体１のテ
ーパ面２に嵌合する形状のコーン部８を形成し、
該コーン部８に三つのボール挿入孔９を設けこれ
にボール５をそれぞれ保持してある。該ボール
５，５，５は遊動体６の遊動によつて前記当接面
２に規制されており、索条体Ｗのグリツプとスリ
ツプを可能に設定されている。コーン部８の小径
部に続く遊動体６の端部６′は雄ネジに形成され
て筒体１から突出可能に配備され、コーン部８の
大径部は段部に形成されてバネ座１０とされ、前
記アダプタ３の端面であるバネ座４との間に、遊
動体６をコーン部８と当接面２が嵌合当接する方
向に附勢するバネ１１が配備されている。そして
前記遊動体端部６′には雌ネジからなるストツパ
ー２６が螺着可能に備えられ、このストツパー２
６は索条体Ｗの挿入孔７′を穿設され外面にロー
レツト面を形成されている。

前記筒体１のアダプタ３にはニツプル１２を介
して取付部１３が備えられる。

取付部１３は壁面取付用のビス穴を穿設した座
金で、雄ネジを突設してあり、ニツプル１２は該
雄ネジと前記アダプタ３の雌ネジにそれぞれ螺合
するネジを両端に有し、雌ネジの外面にローレツ
トを刻設されている。

取付部１３とニツプル１２とのネジ部１４とア
ダプタ３とニツプル１２とのネジ部１５は異方向
に切られていて、ターンバツクル機構Ｔを形成し
ているが、使用上、ネジ部１４を正ネジにするこ
とが便利である。

図中、１６はターンバツクル機構Ｔ部のカバ
ー、１７は取付用ビスである。

次に床面と天井面との間に索条体Ｗを張装する
場合について説明する。索条体Ｗは適宜手段によ
り天井面から垂下されている。

先ず、床面に取付部１３を固定する。次いで筒
体１をニツプル１２を介して取付部１３に取付け
る。その場合ネジ部１４，１５は半分位の螺合状
態にしておく。

索条体Ｗの下端をカバー１６及びストツパ２６
を通してから遊動体６の挿入孔７に充分差し込む
（ストツパ２６は予め遊動体端部６′に半分螺合し
ておいてもよい）。索条体Ｗがボール５，５，５
にグリツプされたらストツパ２６を遊動体端部
６′に螺着し、ニツプル１２のローレツト部分を
まわして索条体Ｗが緊張したところでカバー１６
を降ろし、張装は完了する。

使用しているうちに索条体Ｗが緩んだ時は、カ
バー１６をずらして、ニツプル１２をまわしたり
さらにはストツパ２６を緩めたり外したりした後
索条体Ｗを挿入孔７にさらに差し込んだりして調
整する。

索条体Ｗを外す時はストツパ２６を外して筒体
１より突出した、遊動体端部６′をバネ１１に抗
して押し（ストツパ２６を緩めてストツパ２６を
押してもよい）、ボール５，５，５の拘束を解い
た後、索条体Ｗを引張るとボール間をスリツプし
て外される。

第２図に示す例はニツプル１２の一方のネジが
取付部１３を兼ねている例で、壁面に設けた雌ネ
ジを有するアンカーに螺着するものである。この
ような例としては壁面に突設した螺杆からなるア
ンカー即ち取付部にニツプル１２の一方のネジ
（雌ネジ）を螺着することや壁面に直接ニツプル
１２の一方のネジ（雄ネジ）をネジ込むこともで
きる。

第３図に示す張装具はニツプル１２と取付部１
３のネジ部１４がニツプル１２の雄ネジと取付部
１３の雌ネジとから成ることと取付部１３にリン
グ１８を備えているものである。リング１８に類
するものとして、各種のフツク、開閉リングも用
いられる。

第４〜６図は使用状態を示すもので、第４図は
天井に固着したフツク１９に係止された張装具２
０と床面に固着したフツク２１に係止された第３
図に示す張装具２２間に索条体Ｗを張装した例で
ある。張装具の一方、例えば張装具２０はターン
バツクル機構Ｔを備えないものを用いてある。ま
た張装具２０もフツク１９に取付けるリングを備
えている。

第５〜７図は壁面に埋設したアイ付アンカーボ
ルト２３，２３に係止した張装具２４，２５間に
索条体Ｗを張装した例で、張装具２４，２５は前
記張装具２０，２２のリングの代わりにフツクを
備えており、張装具２５はターンバツクル機構Ｔ
を有している。

なお、ネジ部１４，１５においてニツプル１２
の雌・雄は問われないが、ニツプル１２端面を利
用しない場合やネジ部１５でニツプルが雌ネジの
場合はバネ座を別に筒体１内に設けることが必要
である。

〔考案の効果〕 本考案は、索条体をグリツプする筒体の一端に
螺合され、前記バネのバネ座のあるアダプタと該
アダプタにネジ部で移動可能に螺合接続したニツ
プルとを介在配備すると共に、このネジ部と異方
向のネジ部を前記ニツプルに設けてターンバツク
ル機構とし、このネジ部に座金、リング又はフツ
クからなる壁面取付部を螺合配備し、かつ遊動体
にストツパを備えたことにより、索条体を天井な
どの壁面に対して任意の位置に容易に取付けるこ
とができると共に索条体をワンタツチで脱着でき
るし、グリツプ筒体と壁面取付部との間にアダプ
タとニツプルとを螺合接続して介在配備し、アダ
プタとニツプル間の調整でワイヤにねじれを起こ
すことなくその索条体のをたわみ調整が簡単に行
えしかもストツパで遊動体の動きを規制できる
し、ニツプル間との調整もでき索条体の緊張状態
を確実にロツクできるし、コンパクトで体裁良好
な態様で提供できるほか物品吊垂作業が極めて簡
易で迅速にできるし、緊張状態も確実に維持する
ことができる、組立構成も簡単で生産コストも安
価であるなど実用上大きな効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は縦断面
図、第２図は別の実施例の縦断面図、第３図はさ
らに別の実施例の一部切断側面図、第４〜７図は
各々使用状態の側面図である。 Ｔ……ターンバツクル機構、Ｗ……索条体、１
……筒体、２……当接面、３……アダプタ、４…
…バネ座、５……ボール、６……遊動体、７……
挿入孔、８……コーン部、９……ボール挿入孔、
１０……バネ座、１１……バネ、１２……ニツプ
ル、１３……取付部、１４，１５……ネジ部。２
６……ストツパ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 中空状の筒体１中に遊動体６をバネ１１で付
   勢して摺動自在に嵌合し、該遊動体６に索条体
   Ｗを軸方向に外から挿入しうる挿入孔７と、こ
   の挿入孔７に突没して索条体をグリツプするボ
   ール５とを設けると共に、遊動体６の移動で前
   記ボール５を接触離間する当接面２が、前記筒
   体１の内面に設けられ、この筒体１の一端に螺
   合され、前記バネ１１のバネ座４のあるアダプ
   タ３と該アダプタ３にネジ部１５で移動可能に
   螺合接続したニツプル１２とを介在配備すると
   共に、このネジ部１５と異方向のネジ部１４を
   前記ニツプル１２に設けてターンバツクル機構
   Ｔとし、このネジ部１４に座金、リング又はフ
   ツクからなる壁面取付部１３を螺合配備し、か
   つ前記筒体１の一端から突出する遊動体６にス
   トツパ２６と摺動自在に嵌着したことを特徴と
   する索条体張装具。 (2) 前記筒体１が、ターンバツクル機構Ｔを封入
   するカバー１６を備えたものである実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の索条体張装具。