JPH0142683Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、デイスプレー、額、ライトその他イ
ンテリア用構造体を店頭、家庭、展示場などに陳
列装備するための索条体の張装具に関するもので
ある。

〔従来技術〕

一般に天井、床、壁面に索条体を固定する場合
にはフツクや孔あきブラケツトを介して引掛け或
いは結んで壁面などに取付けることが普通に行わ
れている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この従来のものでは索条体の取付け取外し操作
が極めて面倒であり、特に天井と床との間にワイ
ヤー、ロープ、紐、線などの索条体を緊張装備す
るには両端の固定が困難であるばかりでなく長さ
の調整や緊張度合がむずかしいし、目に触れて不
体裁であるという問題があつた。

本考案はこれら従来の欠点を適確に除去し、索
条体の脱着、吊垂、張架、緊張を著しく簡単且つ
迅速に行え、特に緊張度の調整も極めて容易で、
作業性を大巾に向上でき、体裁良好な索条体張装
具を提供することを目的としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、中空筒ケーシング１中に摺動自在に
スリーブ６を嵌装し、該スリーブ６はバネ１１で
一方向に付勢され、かつ索条体Ｗを軸方向に外か
ら挿入しうる挿入孔７と、この挿入孔７に突没自
在にボール５，５とを備え、前記ボール５，５を
互いに離間させるテーパ面２を前記ケーシング１
の内面に設けてグリツプ機構とし、さらに前記ケ
ーシング１の一端に螺合され前記バネ１１のバネ
座４のあるアダプタ３と、該アダプタ３にネジ部
１５で移動可能に螺合接続したニツプル１２とを
介在配備すると共に、このネジ部１５と異方向の
ネジ部１４を前記ニツプル１２に設けてターンバ
ツクル機構Ｔとし、このネジ部１４に座金、リン
グ又はフツクからなる壁面取付部１３を螺合配備
し、かつ前記ターンバツクル機構Ｔを封入するカ
バー１６をケーシング１外に備えたことを特徴と
する索条体張装具である。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面を用いて説明する。

ケーシング１は中空筒体で、一端は径が漸減し
て内面にテーパ面２が当接面として形成され、他
端はネジ用アダプタ３を備えている。

このネジ用アダプタ３は雌ネジを内面に備えた
管体で、ケーシング１中に端部を嵌入させて固着
してあり、ケーシング１中にアダプタ３端面でバ
ネ座４を形成してある。例えばアダプタ３の外面
に雄ネジを設け、ケーシング端部内面に設けた雌
ネジと該雄ネジを接着剤を塗布した上で螺合す
る。

該ケーシング１は、少なくとも二個以上のボー
ル例えば三個のボール５，５，５を保持するスリ
ーブ６をケーシング１の軸方向に遊動可能に保持
している。

該スリーブ６は前記ボール５，５間に索条体Ｗ
を軸方向に外から挿入し得るように索条体挿入孔
７を有しているパイプ体で、ほぼ中央部に、前記
ケーシング１のテーパ面２に嵌合する形状のコー
ン部８を形成し、該コーン部８に三つのボール挿
入孔９を設けこれにボール５をそれぞれ保持して
あつてボール５，５，５はスリーブ６の遊動によ
つて前記テーパ面２に規制されて、索条体Ｗのグ
リツプとスリツプを可能に設定されている。コー
ン部８の小径部に続くスリーブ６の端部はケーシ
ング１から突出可能に配備され、コーン部８の大
径部は段部に形成されてバネ座１０とされ、前記
アダプタ３の端面であるバネ座４との間に、スリ
ーブ６をコーン部８とテーパ面２が嵌合当接する
方向に附勢するバネ１１が配備されている。

前記ケーシング１のアダプタ３にはニツプル１
２を介して取付部１３が備えられる。

この取付部１３は壁面取付用のビス穴を穿設し
た座金で、雄ネジを突設してあり、ニツプル１２
は該雄ネジと前記アダプタ３の雌ネジにそれぞれ
螺合するネジを両端に有し、雌ネジの外面にロー
レツトを刻設されている。

取付部１３とニツプル１２とのネジ部１４とア
ダプタ３とニツプル１２とのネジ部１５は異方向
に切られていて、ターンバツクル機構Ｔを形成し
ているが、使用上、ネジ部１４を正ネジにするこ
とが便利である。

図中、１６はターンバツクル機構Ｔ部のカバ
ー、１７は取付用ビスである。

次に床面と天井面との間に索条体Ｗを張装する
場合について説明する。索条体Ｗは適宜手段によ
り天井面から垂下されている。

先ず、床面に取付部１３を固定する。次いでケ
ーシング１をニツプル１２を介して取付部１３に
取付ける。その場合ネジ部１４，１５は半分位の
螺合状態にしておく。

索条体Ｗの下端をカバー１６を通してからスリ
ーブ６の挿入孔７に充分差し込む。索条体Ｗがボ
ール５，５，５にグリツプされたらニツプル１２
のローレツト部分をまわし、索条体Ｗが緊張した
ところでカバー１６を降ろし、張装は完了する。

使用しているうちに索条体Ｗが緩んだ時は、カ
バー１６をずらして、ニツプル１２をまわしたり
さらには索条体Ｗを挿入孔７にさらに差し込んだ
りして調整する。

索条体Ｗを外す時はケーシング１より突出し
た、スリーブ６の端部をバネ１１に抗して押しボ
ール５，５，５の拘束を解いた後、索条体Ｗを引
張るとボール間をスリツプして外される。

第３図に示す張装具はニツプル１２と取付部１
３のネジ部１４がニツプル１２の雄ネジと取付部
１３の雌ネジとから成ることと取付部１３がリン
グ１８を備えているものである。この場合、リン
グ１８に類するものとして、各種のフツク、開閉
リングも用いられる。

第４〜６図は使用状態を示すもので、第４図は
天井に固着したフツク１９に係止された張装具２
０と床面に固着したフツク２１に係止された第３
図に示す張装具２２間に索条体Ｗを張装した例で
ある。張装具の一方、例えば張装具２０はターン
バツクル機構Ｔを備えないものを用いてある。ま
た張装具２０もフツク１９に取付けるリングを備
えている。

第５〜７図は壁面に埋設したアイ付アンカーボ
ルト２３，２３に係止した張装具２４，２５間に
索条体Ｗを張装した例で、張装具２４，２５は前
記張装具２０，２２のリングの代わりにフツクを
備えており、張装具２５はターンバツクル機構Ｔ
を有している。

上述の実施例の他、雌ネジを切つたアンカーを
用い或いは用いずにニツプル１２の一方のネジを
雄ネジとして該雄ネジを壁面にネジ込んだり、壁
面に突設した螺杆からなるアンカーにニツプル１
２の一方のネジを雌ネジとして該雄ネジを螺着す
ることもできる。

なお、ネジ部１４，１５においてニツプル１２
の雌・雄は問われないが、ニツプル１２端面を利
用しない場合やネジ部１５でニツプルが雌ネジの
場合はバネ座を別にケーシング１内に設けること
が必要である。

〔考案の効果〕

本考案は、索条体をグリツプするケーシングの
一端に螺合され前記バネ１１のバネ座４のあるア
ダプタ３と、該アダプタ３にネジ部１５で移動可
能に螺合接続したニツプル１２とを介在配備する
と共に、このネジ部１５と異方向のネジ部１４を
前記ニツプル１２に設けてターンバツクル機構Ｔ
とし、このネジ部１４に座金、リング又はフツク
からなる壁面取付部１３を螺合配備し、かつ前記
ターンバツクル機構Ｔを封入するカバー１６をケ
ーシング１外に備えたことにより、アダプタとニ
ツプルとの間の調整でワイヤにねじれを起こすこ
となく緊弛操作が安定して行われ、しかもターン
バツクル機構がカバーで封入されるので手などが
触れて外力で緊張状態に変化が生ずる虞れがな
く、極めて安全に用いられ、索条体を天井などの
壁面に対して任意の位置に容易に取付けることが
できると共に索条体をワンタツチで脱着できる
し、その索条体のたわみ調整が簡単に行えるし、
コンパクトで体裁上良好な形態で物品吊垂作業が
極めて簡易で迅速にできるし、張装具の組立構成
も簡単で生産性を大幅に高められる実用上大きな
効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は縦断面
図、第２図は側面図、第３図は別の実施例の一部
切断側面図、第４〜７図は各々使用状態の側面図
である。 Ｔ……ターンバツクル機構、Ｗ……索条体、１
……ケーシング、２……テーパ面、３……アダプ
タ、４……バネ座、５……ボール、６……スリー
ブ、７……挿入孔、８……コーン部、９……ボー
ル挿入孔、１０……バネ座、１１……バネ、１２
……ニツプル、１３……取付部、１４，１５……
ネジ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空筒ケーシング１中に摺動自在にスリーブ６
   を嵌装し、該スリーブ６はバネ１１で一方向に付
   勢され、かつ索条体Ｗを軸方向に外から挿入しう
   る挿入孔７と、この挿入孔７に突没自在にボール
   ５，５とを備え、前記ボール５，５を互いに離間
   させるテーパ面２を前記ケーシング１の内面に設
   けてグリツプ機構とし、さらに前記ケーシング１
   の一端に螺合され前記バネ１１のバネ座４のある
   アダプタ３と、該アダプタ３にネジ部１５で移動
   可能に螺合接続したニツプル１２とを介在配備す
   ると共に、このネジ部１５と異方向のネジ部１４
   を前記ニツプル１２に設けてターンバツクル機構
   Ｔとし、このネジ部１４に座金リング又はフツク
   からなる壁面取付部１３を螺合配備し、かつ前記
   ターンバツクル機構Ｔを封入するカバー１６をケ
   ーシング１外に備えたことを特徴とする索条体張
   装具。