JPH0598514A - 抗菌吸湿性ポリアミド繊維 - Google Patents

抗菌吸湿性ポリアミド繊維

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JPH0598514A
JPH0598514A JP25530291A JP25530291A JPH0598514A JP H0598514 A JPH0598514 A JP H0598514A JP 25530291 A JP25530291 A JP 25530291A JP 25530291 A JP25530291 A JP 25530291A JP H0598514 A JPH0598514 A JP H0598514A
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美智男 徳冨
Mitsuyuki Yamamoto
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (1)式で示す分子量の異なる2種以上のポ
リオキシアルキレングリコールと(2)式で示すスルホ
ネート化合物との縮合体であって、末端基をカルボキシ
ル基に転換した縮合体を繊維重量1kg当たりスルホン
酸基で0.06モル以上0.7モル以下含有し、上記
(2)式中のMが水和指数15以上の金属元素Aを0.
05グラムイオンと銅、錫、亜鉛、コバルト、ニッケ
ル、銀の中から選ばれた金属元素B0.01グラムイオ
ンとを含有する抗菌吸湿性ポリアミド繊維。 【化1】 【効果】 複数の金属を共存させることにより、抗菌性
及び吸湿性の2つの機能を兼ね備えたポリアミド繊維で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物理的性能及び工程性
に優れた吸湿性ポリアミド繊維に関する。詳しくは、ポ
リアミド本来の特性を持ち、かつ耐久性に優れた抗菌吸
湿性ポリアミド繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド繊維は、その優れた特性等に
より繊維及びフィルムなどをはじめ種々の形態のもの
が、広く一般的に使用されている。しかしながら、かか
るポリアミド繊維は、概ね疎水性であり、そのために、
吸湿性が欠如していて、使用できない分野がある。特に
繊維、フィルムは、この疎水性の性状が、致命的なもと
なって、著しく使用分野が限定されている。
【0003】また、他の合成繊維と同様に抗菌性を有さ
ないために、使用方法が限定されている分野がみられ
る。そこで、従来よりポリアミド繊維に吸湿性を付与す
べく、数々の提案がなされているが、未だに実用化され
たものは殆どない。例えば、親水性第三成分を繊維を形
成するポリアミド成分に共重合あるいは、ブレンドし吸
湿性の改善を試みることが数多く提案されている。
【0004】しかしながら、かかる方法によって得られ
るポリアミド繊維の吸湿性は、十分なものではなく、ま
た性能を向上させるために添加量を増加すると得られる
繊維の物理的な物性値は実用性の乏しいものとなり、本
来のポリアミド繊維の持つ優れた物理特性を犠牲にしな
ければならなかった。また、抗菌性を賦与するために、
遷移金属の硫化物等の水に難溶性の塩をポリアミド繊維
に練り込み方法等がとられてきたが、耐久性に問題がみ
られた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来公知の
ポリアミド繊維が有する前述の課題を解消して、優れた
耐久性を有する抗菌吸湿性ポリアミド繊維を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、平成3年
10月02日出願した、発明の名称、熱可塑性合成樹脂
成型品に提案したごとくポリアルキレングリコールとス
ルホネート化合物を予め縮重合反応させた縮合体を使用
することにより、各々単独あるいは、両者を単純に共重
合するばあいに比較し、著しく吸湿性が向上することを
発見した。
【0007】また、(平成3年10月02日付で出願し
た、発明の名称、吸湿性ポリアミド成型品に提案したご
とくこの縮合体の末端基をカルボキシル基に転換し、ポ
リアミドに配合させることにより吸湿性の低下を防止さ
れうることを発見した。更に、平成3年10月02日付
で出願した、発明の名称、吸湿性ポリアミド繊維に提案
したごとく、ポリアミド成型品に導入したスルホネート
化合物の金属イオンを、水和傾向の高い多価金属イオン
とし、スルホネート化合物と結合させ特定量以上存在さ
せることにより、より高い吸湿性を付与しうることを発
見した。
【0008】また、金属種と種々の性能を検討した結
果、一部特定の金属を共存させることによって、抗菌性
をも吸湿性と同時に付与できることを発見し本発明に至
ったものである。すなわち、本発明は、(1)式で示す
分子量の異なる2種以上のポリオキシアルキレングリコ
ールと(2)式で示すスルホネート化合物との縮合体で
あって、かつ、上記縮合体の末端基をカルボキシル基に
転換したものを繊維重量1kg当たりスルホン酸基で
0.12モル以上0.7モル以下含有し、しかも上記
(2)式中のMが水和指数15以上の金属元素Aを0.
05グラムイオンと銅、錫、亜鉛、コバルト、ニッケ
ル、銀の中から選ばれた金属元素Bを0.01グラムイ
オンとを含有することを特徴とする抗菌吸湿性ポリアミ
ド繊維に関する。
【0009】
【化2】
【0010】本発明に用いるポリアミドは、ナイロン
6、ナイロン66及びナイロン610等が好ましい。こ
のなかでナイロン6、ナイロン66が特に好ましい。な
お、これらを主成分とし、他の成分を共重合および、ま
たは、混合したもの、または、これらを混合したもので
あっても一向に差し支えない。本発明に使用するポリオ
キシアルキレングリコールとは、繰り返し単位が、−C
HR1 −CHR2 −O−(但し、R1 、R2 は、水素ま
たは炭化水素である。)なる構造であり、前述のスルホ
ネート化合物と縮合体を形成できれば、どの様なもので
もよいが、ポリエチレングリコール及び、ポリプロピレ
ングリコールが好ましく、ポリエチレングリコールが特
に好ましい。
【0011】本発明に使用するスルホネート化合物は、
例えば、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸金属
塩、3,5−ビス(カルボメトキシ)ベンゼンスルホン
酸金属塩、3,5−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ンスルホン酸金属塩、1,8−ビス(カルボキシメトキ
シ)ナフタレン−3−スルホン酸金属塩、2,6−ビス
(カルボキシメトキシ)ナフタレン−4−スルホン酸金
属塩及び1,5−ビス(カルボメトキシ)ベンゼンスル
ホン酸金属塩等があげられる。
【0012】本発明に使用するポリオキシアルキレング
リコールの分子量は、前記の縮合体を形成可能で、以下
に述べる条件を満たしている方が本発明実施の上でより
好適となる。まず、ポリアミド本来が有する優れた特性
を損なわないためには、配合する縮合体の吸湿性能は高
い方が好ましいことは自明のことである。本発明で使用
している縮合体では、含有されるスルホネート化合物の
重量分率が高い程、吸湿性能は高くなる。つまり、スル
ホネート化合物とポリオキシアルキレングリコールとは
等モルで反応しているため、ポリアルキレングリコール
の分子量は低い方が好ましい。
【0013】しかしながら、分子量の低い方にも限界が
あり、(1)式のR1 、R2 が共に水素で、mが1のエ
チレングリコールの重量分率が20%以上になると、熱
溶融性が不良となるので好ましくない。このため、使用
するポリオキシアルキレングリコールの分子量として
は、100以上が好ましい。一方、理由は明らかではな
いが、分子量1000未満のポリオキシアルキレングリ
コールのみで縮合体を構成すると、同量のスルホネート
化合物を含有していても吸湿性が低下してくるため分子
量は、高い方が好ましく、具体的には、1000以上が
好ましい。
【0014】従って、これらの相反する条件を満足させ
るために、鋭意検討した結果、本発明者らは、スルホネ
ート化合物と反応させるポリオキシアルキレングリコー
ルとして、縮合体の吸湿性の低下を防ぐために、分子量
が1000から4000のものを一部使用し、また、ス
ルホネート化合物の重量分率を上げ、縮合体の吸湿性を
高くするために、低分子量の100以上1000未満の
ものを、更に好ましくは150以上600以下のものを
使い、スルホネート化合物とのモル比率を合わせ縮合体
を合成することにより、優れた吸湿性を有する熱溶融性
の縮合体を合成できた。
【0015】しかしながら、得られた上記の吸湿性を有
する熱溶融性の縮合体を含有する吸湿ポリアミド繊維を
通常の染色工程に通したところ、吸湿性が低下すること
がわかった。これは、配合した縮合体の末端基の大部分
がOH基であったため、ポリアミドとの結合力が弱く、
縮合体の一部が脱落することにより吸湿性が低下してい
ることが分かった。そこで、縮合体とポリアミドとの結
合力を強めるために、縮合体の末端基をカルボキシル基
に転換し、ポリアミドに配合したところ、染色等の後工
程での縮合体の脱落を防止し、優れた吸湿性を維持しう
ることを発見した。
【0016】縮合体の末端基をカルボキシル基にするに
は、酸無水物等を、縮合体を形成後ポリオキシアルキレ
ングリコールのOH基部分に反応させることにより容易
に転換できる。例えば、分子量150のトリエチレング
リコール108部(0.72モル)、平均分子量100
0のポリエチレングリコール68部(0.068モ
ル)、3,5−ビス(ヒドロキシルエトキシ)スルホイ
ソフタレートナトリウム塩の35%エチレングリコール
溶液(但し、ヒドロキシエトキシ基70%、カルボキシ
メトキシ基30%の反応混合物)756g(0.788
モル)及び、触媒等を重合機に仕込み、触媒の存在下、
縮重合反応を行い反応終了直前に無水トリメリット酸等
の酸無水物を添加し反応させることにより容易に得られ
る。
【0017】本発明に使用する縮合体とは、縮重合反応
で得られる重合度の低いものから重合度の高いものまで
包括した縮重合反応物をいう。縮合体の重合度は低いも
のから高いものまで使用できるが、反応性と得られる組
成の観点から好適な範囲があるので必要に応じて選択す
るのが好ましい。本発明に使用する縮合体は、ポリアミ
ド中にブロック共重合状で存在することが肝要であり、
スルホネート化合物成分とポリオキシアルキレングリコ
ール成分とがランダム共重合化するような熱履歴は極力
避けるべきである。ランダム共重合体に比べ、縮合体を
ブロック共重合させることにより高い吸湿性が発現する
理由は明らかではないが、ブロック共重合状で存在する
とアルキレングリコール基とスルホネート化合物中のス
ルホン酸金属基とがより近接して存在するために、ラン
ダム共重合体のものから予測されるより高い吸湿性を生
じるものと推測している。従って、本発明に使用する縮
合体のポリアミドへの添加時期は成形時、あるいは樹脂
の合成反応終了直前が好ましい。
【0018】また、更に吸湿性を向上させるために、ポ
リアミド繊維に導入したスルホネート化合物の金属イオ
ン種と吸湿性との関係を追求した結果、金属イオン電荷
数を金属イオン半径(nm)で除した値で示す水和指数
が15以上の水和傾向の高い多価金属Aイオンをスルホ
ネート化合物と結合させ特定量以上存在させることによ
り、より高い吸湿性を付与することが出来ることを発見
した。これにより、よりすくない含有量で高い吸湿性を
確保できることが分かった。
【0019】また、更に金属種と種々の性能とを検討し
た結果、吸湿性が付与されたポリアミド繊維に一部特定
の金属を共存させることによって、抗菌性をも同時に付
与でできることを発見した。本発明でいう水和指数と
は、上記したように金属の電荷数を結晶半径(nm)で
除した数であり、それぞれの金属イオンの水和能力の程
度を表わすパラメーターである。ここでいう金属イオン
のイオン半径は、その金属のイオン性化合物中の結合半
径であり、本発明での水和指数を計算するにあたりR.
D.Shanon(Acta Crystallog
r.),A32,751〜767頁(1976年)の値
を使用し配位数は6に統一した。また、遷移金属につい
ては低スピン状態の数値を使用した。
【0020】以下、各金属イオンの水和指数を例示する
と、Li+ (11.1)、Na+ (8.6)、K
+ (6.6)、Rb+ (6.0)、Cs+ (5.5)、
Be2+(33.9)、Mg2+(23.3)、Ba2+(1
3.4)、Mn2+(24.7)、Co2+(25.3)、
Ni2+(24.1)、Cu2+(23.0)、Al3+(4
4.1)、Sn4+(48.2)、Zn2+(22.7)、
Cr2+(23.0)、Mo3+(36.1)等であり、こ
のうちLi+ 、Na+ 、K+ 、Rb+ 、Cs+ 等の水和
指数15未満の金属イオンでは、その金属イオンの量を
多くすることによっても、充分な吸湿性を得ることは困
難であり、また、その結果、ポリアミド繊維の性能を低
下させるので好ましくない。
【0021】また、充分な吸湿性を得るために水和指数
15以上の金属元素Aを繊維重量1kg当たり0.05
グラムイオン以上、特に好ましくは、0.15グラムイ
オン/kg以上含有していることが肝要である。0.0
5グラムイオン末端の場合には、いかに水和指数の高い
金属元素Aであっても吸湿効果は低く、十分な吸湿性を
得るためには、多量に配合しなければならず、ポリアミ
ドが本来有する優れた特性を損うことになる。
【0022】更に、抗菌性を付与するめには銅、錫、亜
鉛、コバルト、ニッケル、銀の中から選ばれた金属元素
Bが0.01グラムイオン以上であり、更に好ましくは
0.02グラムイオン/繊維1kg以上含有されている
ことが肝要である。即ち、吸湿性及び抗菌性の両方共に
十分な性能を得るためには、繊維重量1kg当たりスル
ホン酸基で0.06モル以上0.7モル以下含有してい
ることが好ましく、特に、0.17グラムイオン以上が
0.5グラムイオン以下が、更に好ましい。また、含有
量が0.7モルを越えると紡糸性が不良となるため好ま
しくない。
【0023】本発明において、水和指数の高い金属元素
A及び金属元素Bをポリアミド繊維に導入する方法とし
ては、予め目的の金属の塩となしたスルホネート化合物
とポリオキシアルキレングリコールとを反応させた縮合
体を重合反応後期、紡糸直前あるいは紡糸中に添加する
方法がある。また、水和指数の低い金属塩のスルホネー
ト化合物とポリオキシアルキレングリコールとの縮合体
を予め合成し、ポリアミドに配合し、繊維となした後、
スルホネート化合物中の金属を目的の金属元素A及び金
属元素Bの溶液で処理して置換する方法もある。本発明
の抗菌吸湿性ポリアミド繊維はいずれの方法でも実施可
能であり、特に制限を受けるものではない。
【0024】繊維形成後の後工程においてスルホネート
化合物中の金属を置換させる方法としては、一般的な加
工方法、例えば、染色工程において水和指数の高い金属
の水溶性金属塩を染液中に溶解させることにより、染色
しながら置換することが可能であり、また、染色後の仕
上げ工程において金属塩の水溶液で処理し置換すること
も可能である。その他、パッドスチーム法等が適用出来
るが、その処理方法は、特に限定はされない。
【0025】後加工の際の加熱温度と処理時間は130
℃、30分から80℃、180分の間が適当である。1
30℃以上にすると共重合ポリアミドの一部が加水分解
し好ましくない。また、80℃以下であると処理時間を
どんなに延長しても金属の置換が飽和に達しないため好
ましくない。一方、水溶性の金属の塩としては、無機
塩、カルボン酸塩あるいは、こはく酸塩等の有機酸塩の
いずれでも水溶性のものであれば使用できる。
【0026】具体的には、金属元素Aでは硫酸アルミニ
ウム、硫酸マンガン、酢酸マグネシウム及び硝酸クロム
等、金属元素Bでは硝酸銀があげられる。また、金属元
素A、B共に使えるものとしては、酢酸銅、酢酸コバル
ト、酢酸ニッケル、塩化第二錫及び硫酸亜鉛等があげら
れる。本発明の抗菌吸湿性ポリアミド繊維には、必要に
応じて、各種添加剤、例えば染料、顔料、充填剤、滑
剤、補強剤、難燃剤、安定剤及び紫外線吸収剤等を配合
してもよい。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これらは本発明の範囲を制限するものでない。実
施例中の%は重量%、部は重量部の省略である。なお、
物性の測定は次の方法で行った。 1)吸湿率(以下、MRと略す) サンプルを105℃にて恒量になるまで乾燥し、その後
20℃、相対湿度65%の恒温恒湿器(タバイエスペッ
ク社製、PR−2G)中に、恒量になるまで放置して得
られた値であり、次の式により算出した。 MR=吸湿繊維重量−絶乾繊維重量/絶乾繊維重量×1
00 2)抗菌性 抗菌妨臭加工製品の加工効果試験マニュアルのII.1
菌数測定法(繊維製品衛生加工協議会)によった。実施
例中及び表1中に示した抗菌性の値は、下記の式に示す
ごとく培養前の殖菌数と培養後の生菌数との比の対数値
である。使用した試験菌は、Staphylococc
us aureus IFO 12732である。 抗菌性=log(培養後の生菌数/培養前の殖菌数) また、後加工の条件は次のとおりに行った。
【0028】1)精錬 花王(株)製のスコアロール400を2g/リットル、
浴比1:200、60℃で30分行い、その後、30分
間流水すすぎを行った。 2)染色 長繊維に対し日本化薬(株)製のKanol Mill
ing Blue2RWを2%加え、pH4で染色液を
調整した。サンプルは40℃で投入し、2℃/分で昇温
し、100℃で60分間染色した。
【0029】
【実施例1】平均分子量1000のポリエチレングリコ
ール68部、3,5−ビス(ヒドロキシルエトキシ)ス
ルホイソフタレートナトリウム塩の35%エチレングリ
コール溶液(但し、ヒドロキシエトキシ基70%、カル
ボキシメトキシ基30%の反応混合物)756部、分子
量150のトリエチレングリコール108部、酢酸リチ
ウム2水塩0.8部、テトライソプロピルチタネート
1.2部を重合機に仕込み、220℃にて窒素フローの
もとで2時間加熱攪拌した後、温度を240℃に上げ、
45分間かけて減圧し、最終的には0.2mmHgまで
減圧した。
【0030】この状態で15分間保った後、重合機を窒
素で常圧に戻し、無水トリメリット酸44部を添加し、
窒素雰囲気下、常圧で15分間反応させた後に重合機よ
り払い出し、粘性のある縮合体(以下SP1と略す)を
得た。得られたSP1の10部をηrが2.45(1g
ポリマー/95.5%硫酸100ml、25℃)90部
のナイロン6に溶融成型時に配合し、通常の手法にて紡
糸、延伸しに100デニール24フィラメントの長繊維
を得た。
【0031】得られた繊維を精錬、染色後、繊維が含有
するナトリウムの当量の酢酸マグネシウム水溶液で2時
間処理した後に、ナトリウムと等量の17モル%の硫酸
亜鉛を含む水溶液中で沸騰中2時間処理した。得られた
繊維中のナトリウムは水和指数23.3のマグネシウ
ム、22.7の亜鉛に置換しており、MRは、6.7%
であり抗菌性は、−1.6であり効果がみられた。
【0032】また、SP1を純水に溶解後、室町化学
(株)製のH+ 型のDowex 50W−X8を充填し
たガラスカラムに通しSP1中のNa+ をH+ にイオン
交換した。このH+ 型のSP1水溶液にMg(OH)2
を添加して中和し、Mg2+にイオン交換した。得られた
水溶液を減圧乾燥して、Mg+ 型の縮合体(以下SP2
と略す)を得た。得られたSP2自身のMRは23.8
%であった。なお、Na + 型のSP1のMRは、12.
0%であった。
【0033】
【実施例2】実施例1で用いたSP1の10部をηrが
2.50(lgポリマー/95.5%硫酸100ml、
25℃)10部のナイロン66に溶融成型時に配合し、
実施例1と同様に100デニール24フィラメントの長
繊維を得た。得られた繊維を精錬、染色後、繊維が含有
するナトリウムと当量の酢酸マグネシウム水溶液で2時
間処理した後に、ナトリウムと等量の17モル%の酢酸
コバルトの水溶液で処理した繊維のMRは、6.5%で
あり、抗菌性は、−1.4であり効果がみられた。
【0034】
【比較例1】実施例1で用いたナイロン6、90部に実
施例1で用いた縮合体SP1を10部配合して紡糸、延
伸しMRを測定した。精錬、染色後の繊維は、水和指数
8.6のままであり、MRは5.7%であった。
【0035】
【比較例2】実施例2で用いたナイロン66、90部に
実施例1で用いた縮合体SP1を10部配合して紡糸、
延伸しMRを測定した。精錬、染色後の繊維は水和指数
8.6のナトリウムのままであり、MRは5.5%であ
った。
【0036】
【実施例3】実施例2で得られた長繊維を精練、染色
後、繊維が含有するナトリウムと等量の17モル%の硫
酸亜鉛と83モル%の酢酸マグネシウムとの混合水溶液
で沸騰中2時間処理した。得られた繊維のMRは、6.
6%であり、抗菌性は、−1.4であり効果がみられ
た。
【0037】
【実施例4】実施例2で得られた長繊維を精練、染色
後、繊維が含有するナトリウムと等量の硫酸亜鉛の水溶
液で沸騰中2時間処理した。得られた繊維のMRは、
6.7%であり、抗菌性は、−1.9と効果がみられ
た。
【0038】
【比較例3】平均分子量1000のポリエチレングリコ
ール788部、3,5−ビス(ヒドロキシルエトキシ)
スルホイソフタレートナトリウム塩の35%エチレング
リコール溶液(但し、ヒドロキシエトキシ基70%、カ
ルボキシメトキシ基30%の反応混合物)756部、酢
酸リチウム2水塩0.8部、テトライソプロピルチタネ
ート1.2部を重合機に仕込み、220℃にて窒素フロ
ーのもとで2時間加熱攪拌した後、温度を240℃に上
げ、45分間かけて減圧し、最終的には0.2mmHg
まで減圧した。この状態で、15分間保った後、重合機
より払い出し、淡黄色で粘性のある縮合体(以下SP3
と略す)を得た。得られたSP3を実施例1と同様に処
理したMg2+型のMRは9.2%であった。なお、Na
+ 型のMRは、5.0%であった。
【0039】
【比較例4】分子量150のトリエチレングリコール9
7部、平均分子量1000のポリエチレングリコール6
1部、3,5−ビス(ヒドロキシルエトキシ)スルホイ
ソフタレートナトリウム塩の35%エチレングリコール
溶液(但し、ヒドロキシエトキシ基70%、カルボキシ
メトキシ基30%の反応混合物)756部、酢酸リチウ
ム2水塩0.8部、テトライソプロピルチタネート1.
2部を重合機に仕込み、220℃にて窒素フローのもと
で2時間加熱攪拌した後、温度を240℃に上げ、45
分間かけて減圧し、最終的には0.2mmHgまで減圧
した。この状態で、15分間保った後、重合機より払い
出し、濁りのある淡黄色で粘性のある縮合体(以下SP
4を略す)を得た。得られたSP4は、溶融試験を行っ
たところ不融物が見られた。
【0040】
【比較例5】実施例1で用いたSP1の2部を実施例1
で用いた98部のナイロン6に溶融成形時に配合し、1
00デニール24フィラメントの長繊維を得た。精練、
染色後、実施例1と同様に酢酸マグネシウム、硫酸亜鉛
の水溶液で処理した。得られた繊維のMRは4.9%と
低く、抗菌性もなかった。
【0041】
【参考例2】比較例8で得られた長繊維を精練、染色
後、含有されているナトリウムの当量と同量の硫酸亜鉛
のみの水溶液で処理した。得られた繊維のMRは、4.
7%と低かったが、抗菌性はみられた。
【0042】
【比較例6】分子量150のトリエチレングリコール1
08部、平均分子量400のポリエチレングリコール2
7部、3,5−ビス(ヒドロキシルエトキシ)スルホイ
ソフタレートナトリウム塩の35%エチレングリコール
溶液(但し、ヒドロキシエトキシ基70%、カルボキシ
メトキシ基30%の反応混合物)756部、酢酸リチウ
ム2水塩0.8部、テトライソプロピルチタネート1.
2部を重合機に仕込み、実施例1と同様に反応させ、淡
黄色で粘性のある縮合体(以下SP5と略す)を得た。
得られたSP5は、110℃で溶融した。また、実施例
1と同様に処理したMg+ 型のMRは18.3%であっ
た。
【0043】
【実施例6】実施例1で用いたSP1の配合量を30%
にして、紡糸、延撚し、100デニール24フィラメン
トの長繊維を得た。得られた繊維を精練、染色後、繊維
が含有するナトリウムと等量の硫酸亜鉛を含む水溶液で
沸騰中2時間処理した。得られた繊維のMRは、10.
4%、抗菌性は、−2.4であり効果が見られた。
【0044】
【比較例7】実施例1で用いたSP1の配合量を40%
(スルホン酸基で0.85モル/kg)にして、溶融紡
糸したところ、紡糸性が非常に悪く、繊維が採取できな
かった。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の抗菌性吸湿性ポリアミド繊維
は、耐久性の優れた、抗菌性と吸湿性の二つの機能を兼
ね備えたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/60 311 Z 7199−3B 6/90 301 7199−3B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)式で示す分子量の異なる2種以上
    のポリオキシアルキレングリコールと(2)式で示すス
    ルホネート化合物との縮合体であって、かつ、上記縮合
    体の末端基をカルボキシル基に転換したものを繊維重量
    1kg当たりスルホン酸基で0.06モル以上0.7モ
    ル以下含有し、しかも、上記(2)式のMが水和指数1
    5以上の金属元素Aを0.05グラムイオン以上と銅、
    錫、亜鉛、コバルト、ニッケル、銀の中から選ばれた金
    属元素Bを0.01グラムイオン以上含有することを特
    徴とする抗菌吸湿性ポリアミド繊維。 【化1】
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