JPH06123011A - 吸湿性ポリエステル繊維 - Google Patents

吸湿性ポリエステル繊維

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JPH06123011A
JPH06123011A JP26844092A JP26844092A JPH06123011A JP H06123011 A JPH06123011 A JP H06123011A JP 26844092 A JP26844092 A JP 26844092A JP 26844092 A JP26844092 A JP 26844092A JP H06123011 A JPH06123011 A JP H06123011A
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JP
Japan
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component
metal ion
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alkylene
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Withdrawn
Application number
JP26844092A
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English (en)
Inventor
Mitsuyuki Yamamoto
満之 山本
Eiichi Ejima
栄一 槐島
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐洗濯性のある優れた吸湿性を有し、且つ耐
熱性を併せ持ったポリエステル繊維を提供する。 【構成】 アルキレンテレフタレート(1)、アルキレ
ンスルホイソフタレート(2)、及び数平均分子量が3
00〜20000のポリオキシアルキレングリコールの
三元ランダム共重合成分と、(3)式で表されるブロッ
クポリエーテルエステル成分とを所定の量で含有し、且
つ金属イオン電価数を金属イオン半径で割った値が1.
5以上である金属イオンが繊維重量1kgあたり0.1
グラムイオン以上である吸湿性ポリエステル繊維。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸湿性ポリエステル繊
維に関するものである。更に詳しくは、ポリエステルの
優れた耐熱性及び機械的特性といった特徴をもち、かつ
耐洗濯性を有するポリエステル繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートのごとき芳香族
ポリエステルは、優れた繊維形成能を有し、繊維として
の優れた性能を有するため、広く一般的に使用されてい
る。しかしながら、かかるポリエステルは、疎水性であ
り、それを形成して得られる繊維は着心地性と密接な関
係のある吸湿性に乏しく、展開できる分野が限定されて
いるのが現状であり、特にインナー分野への展開がきわ
めて困難であった。
【0003】そこで、従来よりポリエステル繊維に吸湿
性を付与すべく、数々の提案がなされているが未だに実
用化されたものはほとんどない。例えば、ポリエステル
繊維に吸湿性を付与するために、製糸以前の段階でポリ
アルキレングリコールを配合する方法(英国特許682
866号あるいは特公昭39−5214号公報など)が
提案されている。しかしながら、この方法で得られる吸
湿性のレベルは低く、満足すべきレベルに達しない。
【0004】また、特定のシュウ酸塩を配合し、紡糸後
の工程で、一部溶出させ毛管凝縮孔を形成させた吸湿性
ポリエステル繊維(特公昭62−7285号公報)が提
案されている。しかしながら、この繊維の吸湿レベルは
ナイロンの吸湿レベルにも程遠いものである。その他、
金属スルホネート化合物を含むポリエステル繊維をアル
カリ処理する事によって毛管凝縮孔を形成させて吸湿性
を付与するものがあり(特開昭60−155770号公
報)、更に金属スルホネート化合物とポリオキシアルキ
レングリコールとの縮合反応物を含むポリエステル繊維
をアルカリ処理する事によって毛管凝縮孔を形成させて
吸湿性を付与せしめるもの(特開昭60−167969
号公報)もあるが、前記同様、吸湿性レベルは満足すべ
きレベルに達していない。
【0005】更にポリエステル繊維にビニルカルボン酸
をグラフト重合させ吸湿性を向上させる方法も公知技術
として知られている。しかしながら、この方法はグラフ
ト重合による繊維強度の低下、風合硬化のみならず、カ
ルボン酸のカウンターイオンが、Li・Na・K等のア
ルカリ金属である場合にのみ吸湿能が高く、洗濯等によ
り多価金属イオンへ置換し、吸湿性は大幅に低下する
為、実用化された例はほとんど認められない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は耐洗濯
性のある木綿並の吸湿性を有し、かつポリエステル繊維
のすぐれた性能を兼ね備えた繊維を提供しようとするも
のである。一方、本発明者らは、前述の目的を達成すべ
く、まず酸性官能基をポリエステルに導入し、その金属
イオン種による吸湿能との関係を追求した結果、水和傾
向の高い多価金属イオン類を強酸性官能基と結合した状
態で特定量以上存在させる事により恒久性のある高い吸
湿性を付与し得る事を見出し、更に検討を重ねた結果、
前記吸湿効果が(3)式で表されるブロックポリエーテ
ルエステル(以下縮合体と略す)を含有したポリエステ
ルにおいて、極めて高い吸湿効果を発現する事を発見
し、左記の出願(特開平2−74609号公報)を行っ
た。しかしながら、高いレベルの吸湿性、例えば木綿並
の吸湿性を狙い、特開平2−74609号公報の縮合体
の量を単に増量した場合、後工程において吸湿効果を高
めるための沸騰処理あるいは洗濯による耐久試験を行う
と吸湿性成分が一部脱落し、目標とする吸湿性が得られ
ない事があきらかとなった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれら前述
の問題点を解決すべくさらに鋭意検討を重ねた結果、つ
いに木綿並の吸湿性を持ち且つ耐洗濯性のすぐれた繊維
を作り出すことに成功した。即ち、本発明は下記(1)
式で表されるアルキレンテレフタレート、下記(2)式
で表されるアルキレンスルホイソフタレート、及び数平
均分子量300〜20000のポリオキシアルキレング
リコールから構成される三元ランダム共重合成分と、下
記(3)式で表されるブロックポリエーテルエステル成
分とを下記(4)〜(7)式を満たす条件で含有し、且
つイオン電価数を金属イオン半径(オングストローム)
で割った値が1.5以上の金属イオンを(2)・(3)
式中のスルホイソフタレートの金属塩として、繊維重量
1kgあたり少なくとも0.1グラムイオンを含有する
ことを特徴とする吸湿性ポリエステル繊維である。(た
だし(1)〜(3)式中R1 、R2 は炭素数2〜4のア
ルキレン基、aは3〜100の整数、bは1〜10の整
数、Mは金属イオンを表す。(4)〜(7)式中Aはア
ルキレンテレフタレートの重量%、Bはアルキレンスル
ホイソフタレートの重量%、Cはポリオキシアルキレン
グリコールのポリマー全体に対する重量%、Dはブロッ
クポリエーテルエステル成分の重量%を表す。)
【0008】
【化2】
【0009】A≧60 ………(4) 1≦B≦10 ………(5) 0.2≦C/B≦5.0 ………(6) 0.5≦D/B≦4.0 ………(7) 本発明のポリエステル繊維は、(1)式で表されるアル
キレンテレフタレート、(2)式で表されるアルキレン
スルホイソフタレート及び数平均分子量300〜200
00のポリオキシアルキレングリコールから構成される
三元ランダム共重合成分と、(3)式で表されるブロッ
クポリエーテルエステル成分とからなる。
【0010】三元ランダム共重合成分中のアルキレンテ
レフタレートは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エ
チレングリコール、テトラメチレングリコール、トリメ
チレングリコールから選ばれた少なくとも1種を主たる
グリコール成分とするポリエステルであり、これに少量
の通常10モル%以下の第3成分を共重合してあっても
よい。共重合可能な成分としては、イソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、アジピン酸、シクロヘキサン−
1,4−ジカルボン酸等のジカルボン酸、P−オキシ安
息香酸等があげられる。更にポリエステルが実質的に線
状である範囲内でトリメリット酸、ピロメリット酸のご
ときポリカルボン酸あるいはグリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトールのごときポリオール
等を使用する事が可能である。
【0011】本発明のポリエステル繊維は、繊維の力学
的強度の点から上記アルキレンテレフタレートを60重
量%以上含有することが肝要である。本発明で用いられ
るアルキレンスルホイソフタレートを得るには、例えば
3,5−ビス(カルボメトキシ)ベンゼンスルホン酸金
属塩、3.5−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンス
ルホン酸金属塩等のスルホイソフタレートを使用する事
ができる。
【0012】本発明のランダム共重合に使用するアルキ
レンスルホイソフタレートの量は全ポリマー当り前記
(2)式で示す成分として1〜10重量%である事が肝
要であり、1%未満ではベースポリマーと後で添加する
ブロックエーテルエステルとの相溶性が悪く、又10重
量%を越えるとポリマーの融点が低下するなど耐熱性が
悪くなるので好ましくない。
【0013】本発明で用いられるポリオキシアルキレン
グリコールは、例えばポリエチレンオキサイド、ポリプ
ロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド及びこれ
らのブロック又は、これらの末端あるいは分子中の一部
をアルキル基、アリル基、アリルアルキル基又は類似の
基などで置換したものが挙げられるが、特に好ましいも
のとしてはポリエチレングリコールを挙げることができ
る。
【0014】本発明のランダム共重合で用いられるポリ
オキシアルキレングリコールの数平均分子量は、300
以上、特に1000以上がよく用いられるが、反応性の
点から20000以下、特に6000以下が好適であ
る。ポリオキシアルキレングリコール/アルキレンスル
ホイソフタレートが0.2以上5.0以下である必要が
ある。0.2未満ではスルホネート化合物に起因する増
粘作用を抑えるに不十分であり、又5.0を越えると繊
維の力学的性質が低下するため好ましくない。
【0015】本発明において、ブロックポリエーテルエ
ステル成分(以下縮合体と略す)は、ポリオキシアルキ
レングリコールとスルホイソフタレートから生成でき、
例えばポリエチレングリコール数平均分子量1000と
ビスヒドロキシエチルスルホイソフタレートナトリウム
塩の等モルを混合し、触媒の存在下重縮合反応によって
得られる重合度の低いものから重合度の高いものまでを
包括したものをいう。縮合体の生成に用いられるポリオ
キシアルキレングリコール及びスルホイソフタレートと
しては、前記ランダム共重合成分の説明で例示したもの
が挙げられる。
【0016】このとき反応性の点からポリオキシアルキ
レングリコールのモル数とスルホネート化合物のモル数
をほぼ等しくする事が肝要である。縮合体の重合度は、
低いものから高いものまであらゆるものが使用できる
が、反応性の点と得られる組成の観点から好適な範囲が
あるので、必要に応じて選択するのが望ましい。又その
縮合体に用いるポリオキシアルキレングリコールの数平
均分子量は本発明の目的である高い吸湿性を得るために
は5000以下である事が必要であり、更に好ましくは
150〜2000である。また縮合体/アルキレンスル
ホフタレートが0.5以上4.0以下である必要があ
り、4.0を越えると縮合体のポリマーに対する相溶性
が悪化し耐洗濯性が悪くなるので好ましくない。又0.
5より小さいと吸湿性が低下するので好ましくない。
【0017】本発明のブロックポリエーテルエステル
は、それがポリエステルポリマー中にブロック状で存在
する事が肝要であり、スルホイソフタレート成分とポリ
オキシアルキレングリコール成分がランダム化するよう
な熱履歴は極力避けるべきである。ブロックポリエーテ
ルエステルがより高い吸湿能を発揮する理由はあきらか
でないが、ブロックで存在すると、スルホン酸金属塩基
とポリオキシアルキレングリコール基がより近接して存
在する為に、予想以上の吸湿効果を生み出すものと推測
される。
【0018】従って、本発明のポリマーを製造する場合
の縮合体の添加時期はエステル交換反応時期より重縮合
反応時期が好ましく、更には重縮合反応後期添加、また
は紡糸時混練により反応させるのがより好適である。そ
の他、ポリエステルと縮合体を溶融混練後、粉砕し固相
重合するのも好適な例である。本発明のポリエステル繊
維は、満足すべき吸湿性を得るためには金属イオン電価
数を金属イオン半径で割った値が1.5以上の金属イオ
ンを繊維重量1kg当り少なくとも0.1グラムイオン
以上含有されている事が肝要である。0.1グラムイオ
ン未満の場合には、いかに金属イオン電価数を金属イオ
ン半径で割った値が高い金属イオン種であっても、吸湿
効果はほとんど認められなくなる。
【0019】本発明でいう金属イオン電価数を金属イオ
ン半径(オングストローム)で割った値は、それぞれの
金属イオンの水分子を引きつける能力のパラメーターと
して用いる事ができる。ここでいう金属イオン半径と
は、その金属のイオン性化合物中の結合半径であり、金
属イオン電価数を金属イオン半径で割った値を計算する
に当り、R,D,Shannonn(Acta Cry
stallogr.)、A32,751〜767頁(1
976年)の値を使用し又、配位数は6に統一し、遷移
金属については低スピン状態での値を用いた。
【0020】以下、各金属イオンの金属イオン電価数を
金属イオン半径で割った値を例示すると、Li+ (1.
11)、Na+ (0.86)、K+ (0.66)、Rb
+ (0.60)、Cs+ (0.55)、Be2+(3.3
9)、Ba2+(1.34)、Mn2+(2.47)、Co
2+(2.53)、Ni2+(2.41)、Cu2+(2.3
0)、Al3+(4.41)、Sn4+(4.82)、Zn
2+(2.27)、Cr 2+(2.30)、Mo3+(3.6
1)、Ca2+(1.75)、Mg2+(2.33)等であ
り、このうちLi、K、Rb、Cs等の金属イオン電価
数を金属イオン半径で割った値が1.5未満の金属イオ
ンでは、その金属量を多くする事によっても、満足すべ
き吸湿性を得る事は困難であり、又その結果、ポリエス
テルの繊維性能を低下させるので好ましくない。このう
ち好ましい金属としてMg・Ca・Ni・Mn・Zn・
Al・Cuが挙げられるが、特に好ましくはMg・Ni
・Zn・Ni・Aiである。
【0021】本発明において、ポリエステル繊維と化学
的に結合したスルホン酸金属塩基を導入する方法として
は、あらかじめ水和傾向の高い金属原子の金属塩となし
たスルホイソフタレートとポリオキシアルキレングリコ
ールを反応させた縮合体を重合反応時に添加する方法が
あり、更にはいったんスルホン酸アルカリ金属塩のブロ
ックポリエーテルエステルとして添加重合し、紡糸延伸
後の後工程でポリエステル繊維中のスルホン酸成分の塩
を該金属イオンを含有する溶液等で処理を行い該金属イ
オンと置換させる方法がある。本発明はいずれの方法で
も実施可能な部分があり、その方法によって特に制限を
受けるものではない。
【0022】後工程においてスルホン酸の塩を金属イオ
ンと置換させる方法としては、一般的な加工方法、例え
ば染色工程において金属の水溶性金属塩を染色浴中に溶
解させることにより、染色しながら置換する事が可能で
あり、又染色後の仕上げ工程において金属イオンを含有
する水浴中で処理し、置換させる事もできる。その他パ
ッドスチーム法等が適用できるが特に限定されない。そ
の際の加熱温度と処理時間は共重合ポリエステルのガラ
ス転移温度以上130度未満で30〜180分が適当で
ある。ガラス転移温度以下では置換が不十分であり、か
つ130度以上にすると共重合ポリエステルの一部が加
水分解し好ましくない。又、処理時間は30分未満では
置換が不充分であり、180分までの間には金属の置換
が飽和に達する。一方、水溶性金属塩としては、金属の
無機塩、有機カルボン酸塩の任意を選ぶ事ができ例えば
塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、コハク酸塩のいずれ
でも水溶性を有するものであれば使用する事ができる。
具体的には、硫酸アルミニウム、硫酸マンガン、硝酸亜
鉛、硫酸コバルト、酢酸マグネシウム、塩化カルシウ
ム、硫酸ベリリウム、硝酸クロム、硫酸第一スズ等をあ
げることができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。還元粘度はオルソクロロフェノール中35℃、濃度
は1%重量/容積で測定した。実施例中、部および%は
それぞれ重量部及び重量%を示す。又実施例における吸
湿率とは、相対湿度65%の20℃の恒湿恒温器(タバ
イエスペック社製PR−2G)中に2日間放置して得ら
れた値をいい、吸湿率(%)=(吸湿繊維重量−絶乾繊
維重量)×100/絶乾繊維重量の式により求めた。
又、繊維重量1kg当りの金属の量はグラムイオン=特
定金属含有量(%)×10/特定金属原子量の式にて求
めた。 (A)縮合体の製造 <縮合体S1>数平均分子量1000のポリエチレング
リコール12.4部、トリエチレングリコール21.6
部、3,5−ジ(カルボメトキシ)ベンゼンスルホン酸
ナトリウム塩(以下SIPMと略す)とエチレングリコ
ールのエステル交換反応率70%のエチレングリコール
溶液(スルホネート化合物としての有効濃度35%)1
51.2部、酢酸リチウム・2水塩0.248部を重合
機に仕込み、更に触媒として0.16部のテトライソプ
ロピルチタネートを添加し、減圧下240℃で90分間
(0.5mmHg高真空下で約30分)反応して粘性の
ある縮合体S1を得た。この末端基を定量したところ弱
酸価1.4、OH価28.5であった。また、蛍光X線
による分析の結果、この縮合体のナトリウム含有率は
5.1%であった。 <縮合体S2>数平均分子量300のポリエチレングリ
コール300部、ビスヒドロキシエチルスルホイソフタ
レートナトリウム塩(以下SIPEと略す)356部、
エチレングリコール400部、酢酸リチウム・2水塩
1.67部を重合機に仕込み、更に重合触媒として三酸
化アンチモン1.2部を添加し減圧下(最終0.5mm
Hg)240℃で90分間反応して、粘性のある縮合体
S2を得た。弱酸価1.8、OH価30.5であった。
ナトリウムの含有率は4.3%であった。 <縮合体S3>数平均分子量4000のポリエチレング
リコール48部、トリエチレングリコール44部、SI
PE96.9部、エチレングリコール50部、酢酸リチ
ウム・2水塩0.48部を重合機に仕込み、更に触媒と
して0.3部のテトライソプロビルチタネートを添加し
縮合体S1と同様の操作を行い、粘性のある縮合体S3
を得た。弱酸価2.2、OH価は33.0であった。ナ
トリウムの含有率は4.2%であった。 <縮合体S4>先願比較例に使用 数平均分子量2000のポリエチレングリコール92
部、数平均分子量200のポリエチレングリコール24
9部、SIPE459部、酢酸リチウム・2水塩0.3
3部、三酸化アンチモン0.4部を重合機に仕込み縮合
体S1と同様の操作により、粘性のある縮合体S4を得
た。弱酸価1.3、OH価25.6であった。ナトリウ
ムの含有率は4.8%であった。 (B)ポリエステルポリマーの製造 <ポリマーP1>テレフタル酸ジメチル59.2部、エ
チレングリコール40.1部、酢酸マンガン・4水塩
0.0285部を加え、常法に従ってエステル交換反応
を行い、メタノールを留出後、SIPMとエチレングリ
コールのエステル交換反応率70%のエチレングリコー
ル溶液(スルホネート化合物としての有効濃度35%)
21部(全ポリマー中エチレンスルホイソフタレートと
して8%)、数平均分子量2000のポリエチレングリ
コール2.88部(ポリマー中3.6%)、酢酸リチウ
ム・2水塩0.246部、トリメチルフォスフェート
0.024部、三酸化アンチモン0.05部を加え、過
剰のエチレングリコールを留去し260℃にて常圧から
60分かけて20mmHg以下まで減圧した後、高真空
下で40分間反応させ、真空下で先に得た縮合体S1を
11.2部(ポリマー中14%)添加して、攪拌溶解
後、更に20分反応させて、還元粘度0.4のポリマー
を得た。これを常法によりチップ化後、固相重合法によ
り210℃高真空下で25時間エバポレーター中で反応
させ、還元粘度0.6のポリマーP1を得た。ナトリウ
ムの含有率は1.43%であった。 <ポリマーP2>テレフタル酸ジメチル61.4部、エ
チレングリコール41.2部、SIPM8.05部(全
ポリマー中エチレンスルホイソフタレートとして10
%)、酢酸マンガン・4水塩0.0285部を加え、常
法に従ってエステル交換反応を行い、メタノールを留出
した後、PEG300を1.7部(ポリマー中2%)ト
リメチルフォスフェート0.024部、三酸化アンチモ
ン0.05部を加え260℃にて常圧から60分かけて
20mmHg以下まで減圧した後、高真空下で40分間
反応させた後、真空下で先に得た縮合体S2を9.6部
(ポリマー中12%)添加し攪拌溶融して更に20分反
応せしめた。得られたポリマーの粘度は0.32であ
り、固相重合により還元粘度0.60のポリマーP2を
得た。ナトリウムの含有率は1.3%であった。 <ポリマーP3>テレフタル酸ジメチル57.9部、エ
チレングリコール38.9部、酢酸マンガン・4水塩
0.0285部、SIPM6.44部(全ポリマー中エ
チレンスルホイソフタレートとして8%)、酢酸リチウ
ム・2水塩0.0246部を加え、常法に従ってエステ
ル交換反応を行い、メタノールを留出後、数平均分子量
2000のポリエチレングリコール2.88部(ポリマ
ー中3.6%)、トリメチルフォスフェート0.045
部、三酸化アンチモン0.075部を加え、260℃に
て常圧から60分かけて20mmHg以下まで減圧した
後高真空下で50分反応させた。更に真空下で先に得た
縮合体S3を13.4部(ポリマー中16.8%)添加
し、その後25分反応せしめ還元粘度0.33のポリマ
ーを得た。これを常法によりチップ化後、固相重合法に
より210℃高真空下で25時間、エバポレーター中で
反応させ還元粘度0.60のポリマーP3を得た。ナト
リウムの含有率は1.35%であった。 <ポリマーP4>先願比較例に使用 テレフタル酸ジメチル67.5部、エチレングリコール
45.3部、酢酸マンガン・4水塩0.0285部を加
え、常法に従ってエステル交換反応を行い、メタノール
を留出後、トリメチルホスフェート0.024部、三酸
化アンチモン0.05部を加え260℃にて常圧から6
0分かけて20mmHg以下まで減圧した後1時間反応
させた。更に真空下で先に得た縮合体S4を13.15
部(ポリマー中16.4%)添加し、その後30分反応
せしめ還元粘度0.41のポリマーを得た。これを更に
固相重合法により還元粘度0.60のポリマーP4を得
た。ナトリウムの含有率は0.79%であった。 <ポリマーP5>テレフタル酸ジメチル54.3部、エ
チレングリコール36.0部、酢酸マンガン・4水塩
0.0285部を加え、ポリマーP4と同様にしてエス
テル交換反応及び荒引を終了し1時間重合反応を行った
後、真空下で先に得た縮合体S4を26.3部(ポリマ
ー中32.9%)添加、30分反応せしめ還元粘度0.
38のポリマーを得た。これを固相重合により反応させ
還元粘度0.62のポリマーP6を得た。ナトリウムの
含有率は1.58%であった。 <ポリマーP6>テレフタル酸ジメチル61.4部、エ
チレングリコール41.2部、SIPM12.9部(全
ポリマー中エチレンスルホイソフタレートとして16
%)、数平均分子量2000のポリエチレングリコール
6.4部(ポリマー中8%)、酢酸マンガン・4水塩
0.0285部、酢酸リチウム・2水塩0.492部を
加え、常法に従ってエステル交換反応を行いトリメチル
ホスフェート0.024部、三酸化アンチモン0.05
部を加え260℃にて常圧から60分かけて20mmH
g以下まで減圧した後1時間反応して還元粘度0.30
のポリマーを得た。更にこれを固相重合により還元粘度
0.60としポリマーP6を得た。ナトリウムの含有率
は1.25%であった。 (C)吸湿性ポリエステル繊維の製造及び評価
【0024】
【実施例1〜3】ポリマーP1・P2・P3をそれぞれ
減圧乾燥機にて135℃×20時間乾燥し、孔径0.2
5mm円形紡糸孔24個ある直径85φの紡糸口金にて
300℃で溶融し、紡口下に内径150φ長さ200m
mの加熱筒をセットし、200℃加熱下において巻取速
度850m/分で紡糸した。ついで常法によりロール温
度75℃、ホットプレート温度160℃、延伸倍率は破
断伸度が30〜45%になるように調整し、撚数10t
/mの条件下で延撚した。これらの糸を一口編機で編立
し精練後プレセットして染色後、硫酸アルミニウム・1
8水塩(金属イオン電価数を金属イオン半径で割った値
が4.41)の濃度0.005モル/L、浴比1/10
0の水浴中で、30分煮沸処理後ファイナルセットを行
い吸湿率測定用サンプルとした。処理前後の糸物性、破
断強度(g/デニール)(以下T.Sと略す)、破断伸
度(%)(以下T.Eと略す)、吸湿率(20℃/65
%相対湿度)と処理前後の蛍光X線による金属分析の結
果を元に金属置換率を珪酸した。
【0025】更にこれらの処理サンプルを合成洗剤ザブ
酵素(花王石鹸製)2g/Lの洗濯浴中に入れ40℃×
30分洗濯後、水洗を20分行い、この洗濯水洗を5回
繰返した後、前記同様に吸湿性の測定を行った。それぞ
れのポリマーに対応した結果を順に実施例1・実施例2
・実施例3として、表1に表す。
【0026】
【比較例1〜3】ポリマーP4・P5・P6を実施例1
と同様の操作をおこない、それらの結果を順に比較例1
・比較例2・比較例3とし、それらの結果を表1に表
す。
【0027】
【実施例4〜9】ポリマーP1を実施例1と同様に製糸
後、編み立て・精練・プレセットし表2に示すように添
加金属を変えた処理水溶液で実施例1と同様の処理を行
い、処理後の糸物性・吸湿率・金属イオン置換率・洗濯
後の吸湿率を測定した。それらの結果を表2に示す。
【0028】
【実施例10】実施例4中ポリマーをP2に変える以外
はまったく同様に行った。その結果を表2に示す。
【0029】
【比較例4】実施例4中ポリマーをP4に変える以外は
まったく同様に行った。その結果を表2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明の吸湿性ポリエステル繊維は耐洗
濯性のある優れた吸湿性を有し、且つポリエステル繊維
としての特徴である耐熱性を併せ持っている。従って、
いままでポリエステルとして進出し得なかったインナー
分野あるいはナイティー分野に好適な繊維として利用で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/86 301 L 7199−3B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)式で表されるアルキレンテレ
    フタレート、下記(2)式で表されるアルキレンスルホ
    イソフタレート、及び数平均分子量300〜20000
    のポリオキシアルキレングリコールから構成される三元
    ランダム共重合成分と、下記(3)式で表されるブロッ
    クポリエーテルエステル成分とを下記(4)〜(7)式
    を満たす条件で含有し、且つイオン電価数を金属イオン
    半径(オングストローム)で割った値が1.5以上の金
    属イオンを(2)・(3)式中のスルホイソフタレート
    の金属塩として、繊維重量1kgあたり少なくとも0.
    1グラムイオンを含有することを特徴とする吸湿性ポリ
    エステル繊維。(ただし(1)〜(3)式中、R1 、R
    2 は炭素数2〜4のアルキレン基、aは3〜100の整
    数、bは1〜10の整数、Mは金属イオンを表す。
    (4)〜(7)式中Aはアルキレンテレフタレートの重
    量%、Bはアルキレンスルホイソフタレートの重量%、
    Cはポリオキシアルキレングリコールの重量%、Dはブ
    ロックポリエーテルエステル成分の重量%を表す。) 【化1】 A≧60 ………(4) 1≦B≦10 ………(5) 0.2≦C/B≦5.0 ………(6) 0.5≦D/B≦4.0 ………(7)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5849822A (en) * 1995-08-17 1998-12-15 Teijin Limited Thermoplastic resin composition superior in transparency and antistatic property
JP2005502751A (ja) * 2001-09-12 2005-01-27 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー コポリエーテル組成物およびその生成方法と使用方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5849822A (en) * 1995-08-17 1998-12-15 Teijin Limited Thermoplastic resin composition superior in transparency and antistatic property
JP2005502751A (ja) * 2001-09-12 2005-01-27 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー コポリエーテル組成物およびその生成方法と使用方法

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