JP3685308B2 - 難燃性ポリエステル樹脂及びそれを用いた難燃性ポリエステル繊維 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた難燃性を持ち、色相と耐加水分解性が著しく改良されたポリエステル樹脂及びそれにより得られるポリエステル繊維に関したもので、繊維としては衣料用、インテリア、詰め綿、不織布、産業資材用など様々の分野で利用できる繊維である。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートの優れた化学的、物理的性質を利用し、繊維として衣料用途、インテリア、詰め綿、不織布、産業資材用途などに広く使用されている。しかしながら、ポリエチレンテレフタレート繊維は難燃性の面では不充分であり、この点の改良についていろいろな努力が払われている。
例えば、ポリマー製造時に難燃剤を添加し、共重合またはブレンドする方法、成形品の製造時に難燃剤を練り込む方法、さらにはポリエステルからの成形品を後加工し、成形品の表面あるいは内部まで難燃剤を付着あるいはしみこませる方法などが提案されており、繊維の場合にもこれらの方法が用いられる。
【0003】
上記の方法のうち、後加工により難燃性を付与する方法は、風合いが粗雑になったり、洗濯、摩擦により難燃剤が脱落して性能が低下したりする欠点がある。また難燃剤を練り込む方法では、成形物の製造工程において難燃剤のしみだしが起こり、トラブルを引き起こす原因となる。それに対してポリマー製造時に難燃剤を共重合させる方法は、上述したような欠点を克服でき、最も工業的価値の高いものである。この難燃剤を共重合する方法としては、これまでにも多くの方法が提案されており、例えば特公昭49ー22958号公報にはリン化合物としてリン酸エステルをポリエステルに共重合することが開示されているが、目的とする難燃性を付与させる量までリン化合物を配合すると、3次元化によりポリエステルのゲル化が生じるため、繊維にしたときの物性が著しく低下する。また、特公昭36ー21050号、特公昭38ー9447号公報に記載の方法では、リン化合物としてホスホン酸またはホスホン酸エステル類を用いているが、ポリマー製造時にリン化合物の飛散が多く、目的とするリン量を配合できない。こうした問題点を解決する方法として特公昭53ー13479号公報記載の方法でカルボキシホスフィン酸を共重合する方法が開示されている。しかし、ポリエステル主鎖にリン酸エステル結合が導入されるため、耐加水分解性が悪化し、特に染色工程などの後加工工程で糸の強度が低下するという問題があった。そこで、特公昭55ー41610号記載の方法では、リン酸エステル結合を側鎖に持つリン化合物を共重合することを提案している。しかし、リン化合物によるアンチモン触媒の還元による黒ずみと、モノマー自体の黄色味による色相の悪さが問題であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はリン化合物共重合難燃性ポリエステル繊維における、上記種々の問題を解決することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために種々の検討を行った結果、ついに本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、エチレンテレフタレートを主たる構成単位とし、下記一般式 (1) で示される燐化合物を燐原子として500〜50000ppm共重合した難燃性ポリエステルであり、重合触媒としてアンチモン化合物及び整色剤としてコバルト化合物が使用され、アンチモン原子(Sb)の量( ppm )としてリン原子(P)の量( ppm )に対して 0.01P+150 Sb 0.01P+340 の範囲で添加され、コバルト原子(Co)の量 (ppm) は、リン原子(P)の量 (ppm) に対して、 0.0014 Co/P 0.0020 の範囲で添加されてなり、200℃、0.05mmHg以下の高真空下、5時間の熱処理における粘度上昇速度が0.006dl/g・h以上であり、かつ下記(式1)を満足することを特徴とする難燃性ポリエステル樹脂についてである。
【化2】
Figure 0003685308
( 式中、 R 1 1 価のエステル形成性官能基であり、 R 2 ,R 3 は同じかまたは異なる基であって、それぞれハロゲン原子、炭素原子数 1 10 の炭化水素基、 R 1 より選ばれ、 A 2 価もしくは 3 価の有機残基を表わす。また、mは 1 または 2 を表し、n,pはそれぞれ 0 4 の整数を表わす。 )
%B.B.<0.5 (式1)
(但し、%B.B.は130℃の純水中に6時間浸漬した時のエステル結合の切れる度合いを示し、浸漬前の固有粘度を[η]i、浸漬後を[η]fとしたとき下記(式2)で求められる。なお、固有粘度はフェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタンの混合溶媒(重量比3/2)中、30℃で測定した値を用いた。)
%B.B. = 0.244 X [ [η]f-1.471 - [η]i-1.471} (式2)
また、前記ポリエステル樹脂を紡糸して得られる難燃性ポリエステル繊維である。
【0006】
以下本発明を詳細に説明する。まず本発明の繊維に難燃剤として用いられるリン化合物としては一般にリン原子(P)を含有するエステル形成化合物であれば限定されない。例えば、下記一般式(2)〜(6)で表わされるような化合物が挙げられる。
【0007】
【化3】
Figure 0003685308
【0008】
【化4】
Figure 0003685308
【0009】
【化5】
Figure 0003685308
【0010】
【化6】
Figure 0003685308
【0011】
【化7】
Figure 0003685308
(Rは1価の有機基または金属原子、Aは2価もしくは3価の有機残基、Bは1価のエステル形成官能基、qは1または2を表わす)
【0012】
一般式(2)の化合物の好ましい例としては、トリメチルフォスフェート、トリフェニルフォスフェートなどがあげられる。
【0013】
一般式(3)の化合物の好ましい例としては、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジフェニルなどがあげられる。
【0014】
一般式(4)の化合物の好ましい例としては、2-カルボキシエチル-メチルホスフィン酸、2-カルボキシエチル-エチルホスフィン酸、2-カルボキシエチル-プロピルホスフィン酸、2-カルボキシエチル-フェニルホスフィン酸、2-カルボキシエチル-m-トルイルホスフィン酸、2-カルボキシエチル-p-トルイルホスフィン酸、2-カルボキシエチル-キシリルホスフィン酸、2-カルボキシエチル-ベンジルホスフィン酸、2-カルボキシエチル-m-エチルベンジルホスフィン酸、2-カルボキシメチル-メチルホスフィン酸、2-カルボキシメチル-エチルホスフィン酸、2-カルボキシエチル-プロピルホスフィン酸、2-カルボキシメチル-フェニルホスフィン酸、2-カルボキシメチル-m-トルイルホスフィン酸、2-カルボキシメチル-p-トルイルホスフィン酸、2-カルボキシメチル-キシリルホスフィン酸、2-カルボキシメチル-ベンジルホスフィン酸、2-カルボキシメチル-m-エチルベンジルホスフィン酸、及びこれらの環状酸無水物、或いはこれらのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、エチレングリコールエステル、プロピオングリコールエステル、ブタンジオールとのエステルなどが挙げられる。
【0015】
一般式(5)の化合物の好ましい例としては、例えばビス-(2-カルボキシエチル)フェニルホスフィンオキシド、ビス-(2-カルボキシエチル)m-トルイルホスフィンオキシド、ビス-(2-カルボキシエチル)p-トルイルホスフィンオキシド、ビス-(2-カルボキシエチル)キシリルホスフィンオキシド、ビス-(2-カルボキシエチル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス-(2-カルボキシエチル)m-エチルベンジルホスフィンオキシド、ビス-(2-カルボキシメチル)フェニルホスフィンオキシド、ビス-(2-カルボキシメチル)m-トルイルホスフィンオキシド、ビス-(2-カルボキシメチル)p-トルイルホスフィンオキシド、ビス-(2-カルボキシメチル)キシリルホスフィンオキシド、ビス-(2-カルボキシメチル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス-(2-カルボキシメチル)m-エチルベンジルホスフィンオキシド、及び、これらの環状酸無水物、或いはこれらのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、エチレングリコールエステル、プロピオングリコールエステル、ブタンジオールとのエステルなどが挙げられる。
【0016】
一般式(6)のR',R"は同一または異なる1価の有機残基を表わし、互いに環を形成していても構わない。(6)で示される燐化合物の具体的な例を以下(化8)〜(化66)に示す。これら化合物のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、プロピオングリコールエステル、ブタンジオールとのエステルなどのアルキルエステル、シクロアルキルエステル、アリールエステル、または、エチレングリコールエステルなどのアルキレングリコールエステル、またはこれらの環状酸無水物、エステルオリゴマーなど、その誘導体が挙げられるがこれに限定されるものではない。さらに、これらの混合物をもちいることも可能である。
【0017】
【化8】
Figure 0003685308
【0018】
【化9】
Figure 0003685308
【0019】
【化10】
Figure 0003685308
【0020】
【化11】
Figure 0003685308
【0021】
【化12】
Figure 0003685308
【0022】
【化13】
Figure 0003685308
【0023】
【化14】
Figure 0003685308
【0024】
【化15】
Figure 0003685308
【0025】
【化16】
Figure 0003685308
【0026】
【化17】
Figure 0003685308
【0027】
【化18】
Figure 0003685308
【0028】
【化19】
Figure 0003685308
【0029】
【化20】
Figure 0003685308
【0030】
【化21】
Figure 0003685308
【0031】
【化22】
Figure 0003685308
【0032】
【化23】
Figure 0003685308
【0033】
【化24】
Figure 0003685308
【0034】
【化25】
Figure 0003685308
【0035】
【化26】
Figure 0003685308
【0036】
【化27】
Figure 0003685308
【0037】
【化28】
Figure 0003685308
【0038】
【化29】
Figure 0003685308
【0039】
【化30】
Figure 0003685308
【0040】
【化31】
Figure 0003685308
【0041】
【化32】
Figure 0003685308
【0042】
【化33】
Figure 0003685308
【0043】
【化34】
Figure 0003685308
【0044】
【化35】
Figure 0003685308
【0045】
【化36】
Figure 0003685308
【0046】
【化37】
Figure 0003685308
【0047】
【化38】
Figure 0003685308
【0048】
【化39】
Figure 0003685308
【0049】
【化40】
Figure 0003685308
【0050】
【化41】
Figure 0003685308
【0051】
【化42】
Figure 0003685308
【0052】
【化43】
Figure 0003685308
【0053】
【化44】
Figure 0003685308
【0054】
【化45】
Figure 0003685308
【0055】
【化46】
Figure 0003685308
【0056】
【化47】
Figure 0003685308
【0057】
【化48】
Figure 0003685308
【0058】
【化49】
Figure 0003685308
【0059】
【化50】
Figure 0003685308
【0060】
【化51】
Figure 0003685308
【0061】
【化52】
Figure 0003685308
【0062】
【化53】
Figure 0003685308
【0063】
【化54】
Figure 0003685308
【0064】
【化55】
Figure 0003685308
【0065】
【化56】
Figure 0003685308
【0066】
【化57】
Figure 0003685308
【0067】
【化58】
Figure 0003685308
【0068】
【化59】
Figure 0003685308
【0069】
【化60】
Figure 0003685308
【0070】
【化61】
Figure 0003685308
【0071】
【化62】
Figure 0003685308
【0072】
【化63】
Figure 0003685308
【0073】
【化64】
Figure 0003685308
【0074】
【化65】
Figure 0003685308
【0075】
【化66】
Figure 0003685308
【0076】
また、一般式(1)は一般式(6)に含まれる。
【化67】
Figure 0003685308
(式中、R1は1価のエステル形成性官能基であり、R2,R3は同じかまたは異なる基であって、それぞれハロゲン原子、炭素原子数1〜10の炭化水素基、R1より選ばれ、Aは2価もしくは3価の有機残基を表わす。また、mは1または2を表し、n,pはそれぞれ0〜4の整数を表わす。)
ここでR2,R3は、例えば塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、炭素数1〜10のアリキル基、アルコキシル基、フェニル基、フェノキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基が挙げられ、その具体例としては、例えば、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、プロピル、プロポキシ、ペンチル、ペントキシ、フェニル、フェノキシ、トリル、トリロキシ、キシリル、キシリロキシ、クメニル、クメニロキシ、ナフチル、ナフチロキシなどが好ましく、メチル、フェニル、メトキシ、フェノキシ、トリル、トリロキシ、キシリル、キシリロキシなどが好ましい。
【0077】
式中R1としては具体的にはカルボキシル基、カルボキシル基の炭素原子数が1〜6のアルキルエステル、シクロアルキルエステル、アリールエステル、アルキレングリコールエステル、ヒドロキシル基、炭素原子数2〜7のヒドロキシルアルコキシカルボニル基及び、下記(化68)で示される基などが挙げられる。
【化68】
Figure 0003685308
【0078】
一方、Aとして好ましいものには、メチレン、エチレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレンなどの低級アルキレン基、1,3-フェニレン、1,4-フェニレンなどのアリーレン基、1,3-キシリレン、1,4-キシリレン、下記(化69)などの2価の基、下記(化70)(R4は水素原子またはメチル、エチルなどの低級アルキル基、rは0または1を表わす。)で示される3価の基、下記(化71)などが挙げられる。
【0079】
【化69】
Figure 0003685308
【0080】
【化70】
Figure 0003685308
【0081】
【化71】
Figure 0003685308
【0082】
なお、上記の炭化水素基は塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0083】
一般式(1)で示される燐化合物の具体的な例を(化72)〜(化108)に示す。これら化合物のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、プロピオングリコールエステル、ブタンジオールとのエステルなどのアルキルエステル、シクロアルキルエステル、アリールエステル、または、エチレングリコールエステルなどのアルキレングリコールエステル、またはこれらの環状酸無水物など、その誘導体が挙げられるがこれに限定されるものではない。さらに、これらの混合物をもちいることも可能である。
【0084】
【化72】
Figure 0003685308
【0085】
【化73】
Figure 0003685308
【0086】
【化74】
Figure 0003685308
【0087】
【化75】
Figure 0003685308
【0088】
【化76】
Figure 0003685308
【0089】
【化77】
Figure 0003685308
【0090】
【化78】
Figure 0003685308
【0091】
【化79】
Figure 0003685308
【0092】
【化80】
Figure 0003685308
【0093】
【化81】
Figure 0003685308
【0094】
【化82】
Figure 0003685308
【0095】
【化83】
Figure 0003685308
【0096】
【化84】
Figure 0003685308
【0097】
【化85】
Figure 0003685308
【0098】
【化86】
Figure 0003685308
【0099】
【化87】
Figure 0003685308
【0100】
【化88】
Figure 0003685308
【0101】
【化89】
Figure 0003685308
【0102】
【化90】
Figure 0003685308
【0103】
【化91】
Figure 0003685308
【0104】
【化92】
Figure 0003685308
【0105】
【化93】
Figure 0003685308
【0106】
【化94】
Figure 0003685308
【0107】
【化95】
Figure 0003685308
【0108】
【化96】
Figure 0003685308
【0109】
【化97】
Figure 0003685308
【0110】
【化98】
Figure 0003685308
【0111】
【化99】
Figure 0003685308
【0112】
【化100】
Figure 0003685308
【0113】
【化101】
Figure 0003685308
【0114】
【化102】
Figure 0003685308
【0115】
【化103】
Figure 0003685308
【0116】
【化104】
Figure 0003685308
【0117】
【化105】
Figure 0003685308
【0118】
【化106】
Figure 0003685308
【0119】
【化107】
Figure 0003685308
【0120】
【化108】
Figure 0003685308
【0121】
前記リン化合物は、本発明の難燃性ポリエステルを製造する際にメタノール、エタノールなどの1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどの2価アルコールに溶解もしくは分散させて反応系に添加するのが好ましい。
【0122】
また、これらのリン化合物はポリマー中のリン元素量が500〜50000ppmとなるように添加される。好ましくは1000〜10000ppmである。リン化合物の量がこの範囲より少ない場合には十分な難燃性能を発現せず、まだ逆に多い場合には、ポリエステル本来が持つ物理的性質を損なうだけでなく、ポリエステル繊維を製造する際の、操業性も低下するので好ましくない。
【0123】
かかるポリエステルを得る方法としては、特別な重合条件を採用する必要はなく、ジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体とグリコールとの反応生成物を重縮合して、ポリエステルにする際に採用される任意の方法で合成することができる。
【0124】
また、前記リン化合物はポリエステルの製造時に添加されるが、その添加時期は、エステル化工程初期から、初期縮合後期までの任意の段階で添加できる。副反応の抑制、反応機台の腐食の問題などから、エステル化工程の後期から初期縮合初期に添加するのが好ましい。
【0125】
本発明において主たる構成単位がエチレンテレフタレートであるポリエステルとは、反復構成単位の70mol%以上がエチレンテレフタレートであり、原料成分としてはテレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールまたはエチレンオキサイドである。共重合成分としては、前記一般式化1で示したリン化合物を用いるが、その他にも、本発明の効果を損なわない範囲において、イソフタル酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、4,4'-ジフェニルジカルボン酸、ビス(4-カルボキシフェニル)エーテル、ビス(4-カルボキシフェニル)スルホン、1,2-ビス(4-カルボキシフェノキシ)エタン、2,5-ジブロムテレフタル酸、テトラブロムテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸およびそれらの誘導体、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂肪族、脂環族ジカルボン酸およびそれらの誘導体、あるいはこれらの混合物をもちいることも可能である。一方、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキンジオール、1,4-シクロヘキンジメタノール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール、p-ヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロキシエトキシ安息香酸、オキシピバリン酸などのオキシカルボン酸およびその誘導体、またはこれらの混合物をもちいることも可能である。
【0126】
本発明における重合触媒としては、アンチモン化合物が挙げられる。例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモングリコラート、酢酸アンチモン、アンチモンアルコラート、アンチモンフェノレートなどである。また、ポリマーカラー、加水分解性など物性を損なわない程度、他の従来公知の化合物を併用することも可能である。従来公知の化合物としては、ゲルマニウム化合物、チタン化合物などの金属化合物が挙げられる。
【0127】
上記アンチモン化合物は、リン化合物またはその不純物によって一部失活する可能性があるため、アンチモン原子(Sb)の量(ppm)としてリン原子(P)の量(ppm)に対して0.01P+150≦Sb≦0.01P+340の範囲で添加されることが好ましい。0.01P+150より少ないと、重合時間が増大することにより、着色する傾向があり、逆に0.01P+340より多いと、還元物の生成により操業性の悪化、黒ずみが問題になる場合がある。
【0128】
本発明において、コバルト化合物は整色剤として添加される。具体的には酢酸コバルト、ぎ酸コバルト、塩化コバルト、プロピオン酸コバルト、ヒドロキシ安息香酸コバルトなどが挙げられる。コバルト原子(Co)の量(ppm)は、リン原子(P)の量(ppm)に対して、0.0014≦Co/P≦0.0020の範囲で添加されることが好ましい。Co/P=0.0014より少ないと、十分な整色効果が得られにくくなる傾向があり、Co/P=0.0020より多いと、ポリマーカラーの青味が強くなり過ぎる傾向がある。特に上記式の範囲を満足する時と、良好な色相が得られる。
【0129】
また、ポリエステルを製造する際に通常用いられる添加剤、例えば、有機アミン、有機カルボン酸アミド、また、酢酸ナトリウム、酢酸リチウムなどの塩基性塩など、いわゆるエーテル結合の抑制剤、酸化チタン、カーボンブラックなどの顔料、可塑剤、安定剤、静電剤、整色剤などを添加してもよい。
【0130】
さらに公知のブレンド型の難燃剤と組み合わせて、難燃性能の一層の向上をはかることも自由である。ブレンド型の難燃剤としては例えば、テトラブロモビスフェノール(TBA)、デカブロモジフェニルオキサイド(DBDPO)、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)、オクタブロモジフェニルオキサイド、ビストリブロモフェノキシエタン(BTBPE)、トリブロモフェノール(TBP)、エチレンビステトラブロモフタルイミド、TBAポリカーボネートオリゴマー、臭素化ポリスチレン、TBAエポキシオリゴマー・ポリマー、デカブロモジフェニルエタン、ポリジブロモフェニルオキサイド、ヘキサブロモベンゼンなどの臭素化合物、塩素化パラフィン、パークロロシクロペンタデカンなどの塩素化合物などのハロゲン系難燃剤が挙げられる。または、リン酸エステル系、含ハロゲンリン酸エステル系、ポリリン酸塩、赤リンなどのリン系難燃剤、シリコーンポリマー粉末などのシリコーン系難燃剤、トリアジン化合物、メラニンシアヌレート、グアニジン化合物などの有機系難燃剤が挙げられる。さらに、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、窒素化グアニジン、五酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛、ジルコニウム化合物、アルミン酸カルシウム、リン酸アンモン、炭酸アンモン、モリブデン化合物、錫酸亜鉛などの無機系難燃剤が挙げられる。上記の難燃剤は、記載のものに限定されず、その誘導体、類似体を含む。また、これら難燃剤は単一で使用しても、複数で使用しても構わない。
【0131】
本発明で得られるポリエステル樹脂は、200℃、0.05mmHg以下の高真空下、5時間の熱処理における粘度上昇速度が0.006dl/g・h以上であることが特徴である。該特徴を有する難燃性ポリエステル樹脂は、驚くべきことに、難燃性試験において、溶融ドリップが抑制され、接炎回数が向上する効果がある。好ましくは、0.007dl/g以上、さらに好ましくは0.008dl/g以上である。
【0132】
本発明において、難燃性ポリエステルを製造する場合、前記一般式(1)で示されるリン化合物はリン原子が環員子になっているためか、通常使用されるリン化合物を用いる場合に比較して極めて熱的に安定である。従って、特に色調が良く、また従来の耐炎性ポリエステルより優れた物性を有している。そのため、このポリエステルは優れた性質を有する難燃性成形品を製造することが可能である。
【0133】
なお、本発明の実施に際して用いる前期一般式(1)で示されるリン化合物のエステル形成性官能基が1個の場合には上記リン化合物は末端停止剤として作用することもあるので、公知の多官能性化合物、例えば、ペンタエリスリトール、3官能性カルボン酸などを併用するのが好ましい。
【0134】
上記ポリエステルを用いて繊維を製造する方法としては従来公知の方法を採用することができ、紡糸速度は一般的に用いられる700〜2000m/minあるいはPOY領域と言われる2000〜4000m/min、高速領域である4000〜8000m/minでもよい。糸の太さは特に限定されず、1dpf以下の極細から100dpf以上の極太まで自由である。用途により仮撚り、倦縮を施してよく、繊維の断面形状も丸、三角、中空等自由である。また、他のポリエステル、ポリエチレン等との複合紡糸も可能である。
【0135】
なお、本発明難燃性ポリエステル繊維は耐加水分解性が前記式1で示される範囲であることが必要である。耐加水分解性が上式の範囲より大きいと、染色等の後工程通過時に繊維あるいは布帛としての強度が低下し、工程通過性が悪くなったり、製品の特性を損なうので好ましくない。
【0136】
【作用】
以上詳述したように本発明は、優れた難燃性、耐ドリップ性を有しつつ、これまで問題であった色相、耐加水分解性を改善した難燃性ポリエステル樹脂についてである。
【0137】
【実施例】
以下に実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中、部とあるのは重量部を、%とあるのは重量パーセントを意味する。
(難燃性)
JISL-1091D法に準じて評価した。接炎回数3回以上で合格である。
(色相)
チップのカラーをハンター色差計によるL値、b値で示した。L値は大きくなるほど、白味の強いことを示し、b値は大きいほど黄味が強いことを示す。
(粘度上昇速度)
チップ3gを内径20mm、長さ160mmの試験官に入れ、200℃、0.05mmHg以下の高真空下、5時間処理後の固有粘度 [η]fと処理前の固有粘度[η]iを測定し、下記式3より粘度上昇速度を算出した。なお、チップの形状は楕円柱型(楕円長軸4mm、楕円短軸2mm、高さ4mm)であった。
粘度上昇速度(dl/g・h)=[[η]fー[η]i]/5 (式3)
(なお、固有粘度はパラクロロフェノール溶媒中、30℃で測定した値を用いた。)
(耐加水分解性)
延伸糸を130度純水中、加圧下で60分間処理し、処理前後の固有粘度の変化から前記式2に従って算出した。なおサンプルは、常法により溶融紡糸した低配向未延伸糸を最大延伸倍率×0.7の延伸倍率で延伸、セットして得られた50デニール24フィラメントのマルチフィラメントで行われる。固有粘度はフェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタン混合溶媒中(重量比3:2)30度で測定した値より求めたものである。
【0138】
(実施例1)
撹拌機、蒸留塔、圧力調整器を備えたステンレス製オートクレーブにテレフタル酸401部、リン化合物(7)45部(リン含有量6000ppm)と300部のエチレングリコールを仕込み、さらに三酸化アンチモンを0.17部、酢酸コバルト4水和物0.02部、トリエチルアミン1.7部を加えて230度、ゲージ圧2.5kg/cm2でエステル化に生成する水を逐次除去しながら2時間エステル化反応を行った。続いて1時間で系の温度を275度まで昇温して、この間に系の圧力を徐徐に減じて0.1mmHgとし、この条件下で2時間重縮合反応を行った。得られたポリマーの固有粘度は0.59であった。このポリマーを常法により、紡糸、延伸して得た50デニール24フィラメントのメリヤス編みサンプルの接炎回数は5回で耐加水分解性を表わす尺度である%B.B.は0.353であった。また、カラーb値は1.2であり、色相、耐加水分解性ともに良好であった。
【0139】
(実施例2〜4、比較例1〜2)
実施例1において、リン化合物の種類、リン化合物、アンチモン、コバルトの添加量を表1に示すように変更し、ポリマーを重合し、粘度上昇速度、カラーb値、耐加水分解性を評価した。その結果を表1に示す。
比較例1,2では、主鎖にリン酸エステル結合が導入されるため、(7)と同量のリンを共重合させても、耐加水分解性が悪いことが分かった。また、比較例2では、コバルトを添加していないため、カラーb値が顕著に悪化した。さらに、比較例1では、接炎回数が5回ではあるものの、粘度上昇速度が遅いため、耐ドリップ性が不良であった。
【表1】
Figure 0003685308
【0140】
【化109】
Figure 0003685308
【0141】
【化110】
Figure 0003685308
【0142】
【化111】
Figure 0003685308
【0143】
【化112】
Figure 0003685308
【0144】
【発明の効果】
前記表1より明らかなように、本発明難燃性ポリエステル繊維は、優れた難燃性を有するとともに、色相、耐加水分解性が非常に優れており、その用途展開が飛躍的に広がり、産業界に寄与すること大である。

Claims (2)

  1. エチレンテレフタレートを主たる構成単位とし、下記一般式 (1) で示される燐化合物を燐原子として500〜50000ppm共重合した難燃性ポリエステルであり、重合触媒としてアンチモン化合物及び整色剤としてコバルト化合物が使用され、アンチモン原子(Sb)の量( ppm )としてリン原子(P)の量( ppm )に対して 0.01P+150 Sb 0.01P+340 の範囲で添加され、コバルト原子(Co)の量 (ppm) は、リン原子(P)の量 (ppm) に対して、 0.0014 Co/P 0.0020 の範囲で添加されてなり、200℃、0.05mmHg以下の高真空下、5時間の熱処理における粘度上昇速度が0.006dl/g・h以上であり、かつ下記(式1)を満足することを特徴とする難燃性ポリエステル樹脂。
    Figure 0003685308
    ( 式中、 R 1 1 価のエステル形成性官能基であり、 R 2 ,R 3 は同じかまたは異なる基であって、それぞれハロゲン原子、炭素原子数 1 10 の炭化水素基、 R 1 より選ばれ、 A 2 価もしくは 3 価の有機残基を表わす。また、mは 1 または 2 を表し、n,pはそれぞれ 0 4 の整数を表わす。 )
    %B.B.<0.5 (式1)
    (但し、%B.B.は130℃の純水中に6時間浸漬した時のエステル結合の切れる度合いを示し、浸漬前の固有粘度を[η]i、浸漬後を[η]fとしたとき下記(式2)で求められる。なお、固有粘度はフェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタンの混合溶媒(重量比3/2)中、30℃で測定した値を用いる。)
    %B.B. = 0.244 X [ [η]f-1.471 - [η]i-1.471} (式2)
  2. 請求項に記載の難燃性ポリエステル樹脂を、紡糸して得られる難燃性ポリエステル繊維。
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