JP2003522755A - ポリエステルおよびポリアミドに使用するためのカチオン可染性改質剤 - Google Patents

ポリエステルおよびポリアミドに使用するためのカチオン可染性改質剤

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Abstract

(57)【要約】 式:R1OOC−(CH2)n−CH(CH2CH2SO3X)−(CH2)m−COOR2(式中、nは1から10までの整数であり、mは1から10までの整数であり、Xはリチウム、ナトリウムおよびカリウムより成る群から選択されるアルカリ金属であり、並びにR1およびR2は、独立して、水素および1個から4個の炭素原子を有するアルキル基から選択される)を有する化合物、および例えばポリエステルおよびポリアミドに組み込まれて塩基性染料に対する親和性を増加させるための、カチオン可染性改質剤としてのその化合物の使用を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、ポリエステルおよびポリアミドに対して向上した塩基性可染性を与
える化合物、並びにその使用に関する。
【0002】 (発明の背景) ポリエステル、特にポリアルキレンテレフタラート、およびポリアミド、特に
ナイロン6およびナイロン66は、優れた物理的および化学的特性を有し、並び
に樹脂、フィルムおよび繊維に幅広く使用されている。特にポリエステルおよび
ポリアミド繊維は、比較的高い融点を有し、および高い配向および結晶度を達成
することができる。従って、ポリエステルおよびポリアミドは、化学、熱および
光安定性並びに高強度などの優れた繊維特性を有する。
【0003】 しかしながら、ポリエステル、特にポリエステル繊維を染色することは困難で
ある。ポリエステルに所望の特性を与える分子構造および高いレベルの配向およ
び結晶度は、染料化合物による染色に対する耐性の一因ともなる。タンパク繊維
とは異なり、ポリエステルが塩基性または酸性染料化合物と反応するポリマー鎖
内の染色サイトを持たないという特徴もポリエステルを染色する際の困難さの一
因となる。ポリアミドは、ポリエステルほど染色することが困難ではないが、そ
れにもかかわらず、例えば、ある種の染料(例えば酸性または塩基性染料)に対
するポリアミド繊維の親和性を選択的に向上させるために、あるいはある種の汚
染剤による汚染に対する繊維の抵抗性を選択的に増加させるために、一般的にポ
リアミド繊維に対して1つまたは複数の可染性添加剤が組み込まれる。
【0004】 5−スルホイソフタル酸のナトリウム塩またはジメチル5−スルホイソフタラ
ートのナトリウム塩を包含する芳香族スルホナートおよびそれらのナトリウム塩
などのある材料を、塩基性可染性を与える手段としてポリエステルまたはポリア
ミドと共重合することができることは周知である。他のカチオン可染性改質剤も
また開示されている。例えば、Sakuraiの米国特許第3,313,778
号は、式(X−SO2−O)n−Yを有する少なくとも1つの有機スルホン酸エステ
ルが低い割合でその主鎖に結合している改質されたポリエステルを開示する(式
中、nは1から4までの整数であり;Xは例えば、1個から12個までの炭素原
子を有するアルキル基であり;およびYは例えば、1または2のエステルを形成
する官能基、例えばベータ−カルボメトキシエチルメタンスルホナートを有する
低級アルキル基である)。
【0005】 さらに、ポリ(トリメチレンテレフタラート)は、織物用途のための繊維製造
における使用に望ましいものとする多くの特性を有している。該特性は、ポリ(
エチレンテレフタラート)と比較して向上した回復性と弾性を包含する。しかし
ながらポリ(トリメチレンテレフタラート)の塩基性可染性を向上させるために
特に有用であるカチオン可染性改質剤は提案されていない。
【0006】 ポリエステル、特にポリ(アルキレンテレフタラート)、およびポリアミド、
特にナイロン6およびナイロン66中に組み込んで向上した塩基性可染性を与え
ることができ、従来のカチオン可染性改質剤よりもより低いコストで製造するこ
とができるカチオン可染性改質剤を提供することは望ましい。
【0007】 また、繊維、フィルムまたは他の成形品に容易に加工することができ、および
高価なカチオン可染性改質剤または添加剤、特殊な溶液および/または複雑な適
用手順なしに容易に塩基性染色される塩基性可染性のポリエステル、詳細にはポ
リ(アルキレンテレフタラート)、より詳細にはポリ(トリメチレンテレフタラ
ート)を提供することも望ましい。
【0008】 また、繊維、フィルムまたは他の成形品に容易に加工することができ、および
高価なカチオン可染性改質剤または添加剤、特殊な溶液および/または複雑な適
用手順なしに塩基性染色される塩基性可染性のポリアミド、特にナイロン6また
はナイロン66を提供することも望ましい。本発明は、カチオン可染性改質剤、
並びに塩基性可染性のポリエステルおよびポリアミド等を提供する。
【0009】 (発明の概要) 本発明は、以下の式、
【0010】 R1OOC−(CH2)n−CH(CH2CH2SO3X)−(CH2)m−COOR2
【0011】 (式中、nは1から10までの整数であり、mは1から10までの整数であり、
Xはリチウム、ナトリウムおよびカリウムより成る群から選択されるアルカリ金
属であり、並びにR1およびR2は、独立して、水素または1個から4個までの炭
素原子を有するアルキル基である)を有する化合物を指向する。該化合物は、カ
チオン可染性改質剤として有用である。例えば、塩基性染料に対する親和性を増
加させるためポリエステルおよびポリアミドに組み込むことができる。本明細書
の全体にわたって、便宜上、上記化合物を「カチオン可染性改質剤」と記載する
【0012】 さらに、本発明は、コポリエステルおよびコポリアミドよりなる群から選択さ
れる塩基性可染性のコポリマーであって、該コポリマーは、式、
【0013】 R1OOC−(CH2)n−CH(CH2CH2SO3X)−(CH2)m−COOR2
【0014】 (式中、nは1から10までの整数であり、mは1から10までの整数であり、
Xはリチウム、ナトリウムおよびカリウムより成る群から選択されるアルカリ金
属であり、並びにR1およびR2は、独立して、水素または1個から4個までの炭
素原子を有するアルキル基である)の化合物から調製されるコモノマーを含み、
および塩基性染料に対するコポリマーの親和性を改良するために充分な量で該コ
モノマーをポリマー鎖に組み込むコポリマーを指向する。
【0015】 本発明は、繊維またはフィルムなどのコポリマーを含む成形品も指向する。
【0016】 本発明は、染色されているコポリマーを含む染色された組成物、およびコポリ
マーを含む染色された繊維などのコポリマーを含む染色された成形品(ここで該
コポリマーは染色されている)を、さらに指向する。
【0017】 本発明は、上述の組成物を提供する工程、および上述の組成物を染色する工程
を含む染色方法も指向する。好ましくは、本発明は、(a)ポリ(アルキレンテ
レフタラート)を形成するモノマーおよびポリオキシアルキレングリコールオリ
ゴマーより成る群から選択される1つまたは複数の材料を、式、
【0018】 R1OOC−(CH2)n−CH(CH2CH2SO3X)−(CH2)m−COOR2
【0019】 (式中、nは1から10までの整数であり、mは1から10までの整数であり、
Xはリチウム、ナトリウムおよびカリウムより成る群から選択されるアルカリ金
属であり、並びにR1およびR2は、独立して、水素または1個から4個までの炭
素原子を有するアルキル基である)のコモノマーと組み合わせる工程、および(
b)前記材料および前記コモノマーを共重合を引き起こすのに充分な温度で混合
および加熱し、塩基性染料に対するコポリエステルの親和性を向上させるために
充分な量で前記コモノマーを含有するコポリエステルを形成する工程、を含む塩
基性可染性のコポリエステルを調製する方法を指向する。
【0020】 別の好ましい実施態様において、本発明は、(a)ポリ(アルキレンテレフタ
ラート)を形成するモノマーおよびポリオキシアルキレングリコールオリゴマー
より成る群から選択される1または複数の材料を、式、
【0021】 R1OOC−(CH2)n−CH(CH2CH2SO3X)−(CH2)m−COOR2
【0022】 (式中、nは1から10までの整数であり、mは1から10までの整数であり、
Xはリチウム、ナトリウムおよびカリウムより成る群から選択されるアルカリ金
属であり、並びにR1およびR2は、独立して、水素、アルカリ金属塩または1個
から4個の炭素原子を有するアルキル基である)のコモノマーと組み合わせる工
程、および (b)前記材料および前記コモノマーを共重合を引き起こすのに充分な温度で
混合および加熱し、前記コモノマーを含有するコポリアミドを形成する工程を含
むコポリアミドを調製するための方法を指向する。
【0023】 好ましくは、カチオン可染性改質剤は、3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ
酸のアルカリ金属塩およびジメチル−3−(2−スルホエチル)アジパートのア
ルカリ金属塩より成る群から選択される。より好ましくは、カチオン可染性改質
剤は、3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸のナトリウム塩およびジメチル−
3−(2−スルホエチル)アジパートのナトリウム塩より成る群から選択される
【0024】 好ましくは、コポリマーは、コモノマーを0.5モルパーセントから4モルパ
ーセント含む。
【0025】 一実施形態では、コポリマーは、好ましくは、ナイロン6、ナイロン66およ
びそれらのコポリマーより成る群から選択されるポリアミドから誘導されるコポ
リアミドである。
【0026】 別の実施形態では、コポリマーは、好ましくは、ポリ(エチレンテレフタラー
ト)、ポリ(トリメチレンテレフタラート)、ポリ(ブチレンテレフタラート)
およびそれらのコポリマーより成る群から選択されるポリ(アルキレンテレフタ
ラート)から誘導されるコポリエステルである。もう1つの好ましい実施形態で
は、ポリ(アルキレンテレフタラート)が、ポリ(トリメチレンテレフタラート
)である。
【0027】 (発明の詳細な説明) 本発明のカチオン可染性改質剤は、以下の式、
【0028】 I R1OOC−(CH2)n−CH(CH2CH2SO3X)−(CH2)m−COOR2
【0029】 (式中、nは1から10までの整数であり、mは1から10までの整数であり、
Xはリチウム、ナトリウムおよびカリウムより成る群から選択されるアルカリ金
属であり、並びにR1およびR2は、独立して、水素または1個から4個までの炭
素原子を有するアルキル基である)の脂肪族スルホナートである。これらの化合
物は金属イオンを有する。好ましいカチオン可染性改質剤は、以下の式、
【0030】 II HOOC−(CH2)−CH(CH2CH2SO3Na)−(CH2)2−COOH
【0031】 を有する3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナトリウム塩、およびそのジメ
チルエステル、すなわち以下の式、
【0032】 III H3COOC−(CH2)−CH(CH2CH2SO3Na)−(CH2)2−CO
OCH3
【0033】 を有するジメチル−3−(2−スルホエチル)アジパートナトリウム塩である。
【0034】 3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナトリウム塩は、実施例1から3にお
いて詳細に説明するように、過酸化水素の存在下で4−ビニルシクロヘキセンと
ギ酸とを付加反応させ、4−ビニルシクロヘキサン1,2−ジホルマート、4−
ビニルシクロヘキサン1−モノホルマートおよび4−ビニルシクロヘキサン2−
モノホルマートの混合物を形成し、続いて水酸化ナトリウムで加水分解し、次い
で水酸化ナトリムの存在下で亜硫酸ナトリウムおよび過硫酸ナトリウムと付加反
応させ、4−(2−スルホエチル)シクロヘキサン−1,2−ジオールのナトリ
ウム塩を形成し、続いてタングステン酸および過酸化水素の存在下で酸化反応さ
せ、3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナトリウム塩を形成することにより
調製される。ジメチル−3−(2−スルホエチル)アジパートナトリウム塩は、
実施例4でより詳細に述べるように、無水メタノールとの反応によって、3−(
2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナトリウム塩から調製される。
【0035】 式Iのカチオン可染性改質剤をポリエステルまたはポリアミドのポリマー鎖中
に組み込み、塩基性染料に対する染色サイトを与える。本発明のカチオン可染性
改質剤を含有するポリエステルおよびポリアミドコポリマー、並びにそれから作
成される繊維、フィルムおよび成形品は、塩基性染料に対する向上した親和性を
有する。それとともに重縮合される染料オープナー成分(dye opener
ingredient)を用いて、または用いることなしに、式Iの脂肪族ス
ルホナートを用いることで望ましい結果を得ることができる。
【0036】 式Iのカチオン可染性改質剤は、(1)重合の際にカチオン可染性改質剤をポ
リマー鎖中に組み込む工程;(2)溶融紡糸または他の成形作業の前に重合化さ
れた樹脂にカチオン可染性改質剤を添加する工程;または(3)カチオン可染性
改質剤をポリマー鎖中に組み込んで高度にスルホン化されたコポリマーを形成し
、次いで該高度にスルホン化されたコポリマーをスルホン化されていないポリマ
ーとブレンドし、塩基性可染性コポリエステルを形成する工程、を包含する種々
の方法によって、ポリエステルまたはポリアミドのポリマー鎖中に組み込むこと
ができる。好ましい方法は、任意の有意な重合が起こる前に、他のポリマー形成
材料に改質剤を添加することによって、重合の際にポリマーにカチオン可染性改
質剤を組み込むことである。例えば、可染性改質されたポリ(アルキルレンテレ
フタラート)の場合、アルキレングリコール、テレフタル酸、1つまたは複数の
テレフタル酸の低級ジアルキルエステル、および/またはアルキレングリコール
およびテレフタル酸の低分子量オリゴマーなどのポリエステルを形成する材料と
カチオン可染性改質剤とを混合し、次いで、標準的な重合法を用いて共重合する
。例えば、可染性改質されたポリアミドの場合、塩の段階でイプシロン−カプロ
ラクタム、アジピン酸および/またはヘキサメチレンジアミンなどのポリアミド
を形成する材料とカチオン可染性改質剤を混合し、次いで標準的な重合法を用い
て共重合化する。他のコポリマー形成性のカチオン可染性改質剤のための慣用の
方法において、連続プロセスで製造されるコポリエステルまたはコポリアミド中
に、本発明のカチオン可染性改質剤を組み込むこともできる。
【0037】 本発明の一実施形態に従って、ポリ(トリメチレンテレフタラート)の可染性
改質されたコポリエステルを形成するためにカチオン可染性改質剤を用いる。こ
の実施形態では、カチオン可染性改質剤を、反応器内でジメチルテレフタラート
およびプロピレングリコールと混合する。温度を180℃に上げ、チタン触媒存
在下でエステル交換反応を行う。副生成物であるメタノールを放出させ取り除く
につれて、温度を230℃までゆっくりと上げる。次いで上述の系に真空を適用
して、徐々に0.5mmHgまで減圧し、温度を250℃まで上げる。ポリマー
粘度は徐々に増加する。真空下で約1時間後、反応を止めてポリマー生成物を冷
却する。
【0038】 一般的に、充分な量の式Iのカチオン可染性改質剤を用いて、最終的なコポリ
マーにおいて0.5モルパーセントから4モルパーセント、好ましくは1モルパ
ーセントから2モルパーセントのカチオン可染性改質剤を含有するコポリエステ
ルまたはコポリアミドを生成する。カチオン可染性改質剤を30モルパーセント
まで、好ましくは20モルパーセントから25モルパーセントまでの量において
ポリエステルまたはポリアミド中に組み込み、高度にスルホン化されたコポリマ
ーを形成することができ、次いでスルホン化されていないポリエステルまたはポ
リアミドとブレンドして、前文に記載したモルパーセントのスルホナートコモノ
マーを有する塩基性可染性のポリエステルを与える。
【0039】 本発明において有用なポリエステルは、ポリ(アルキレンテレフタラート)で
あり、これはポリマー鎖中にエステル結合を有する繊維を形成する線状縮合ポリ
マーである。相反する指示の無い場合、ポリ(アルキレンテレフタラート)への
言及は、コポリエステル(すなわち、それぞれが2つのエステルを形成する基を
有する2または3以上のモノマー反応物を用いて形成されるポリエステル類)を
含有することを意味する。所望であれば、ポリ(アルキレンテレフタラート)は
、種々の触媒および/または添加剤、例えば染料オープナー(以下で述べる)、
艶消剤、粘度増強剤、蛍光増白剤、色味付顔料、着色抑制剤および酸化防止剤を
含有することができる。本発明において有用な線状で繊維を形成するポリエステ
ルの例は、ポリ(エチレンテレフタラート)、ポリ(トリメチレンテレフタラー
ト)、およびポリ(ブチレンテレフタラート)を含む。ポリ(トリメチレンテレ
フタラート)が好ましい。
【0040】 「キャリヤー」としても知られる染料オープナーは、“Encycloped
ia of Chemical Technology”第三版の151ページ
から述べられており、染料キャリヤーはポリエステル繊維の完全な染料の浸透を
達成するために用いられる、というように説明されている。それらは、ポリマー
間の結合を緩め、繊維の中へ染料を浸透させる。好ましいキャリヤーは、ブチル
ベンゾアートである(例えば、Tanalon HIW(商標)(Sybron
Chemical,Inc.)、水で乳化された非イオン性ブチルベンゾアー
トキャリヤー)。他のキャリヤーには、メチルベンゾアートおよびジメチルフタ
ラートが含まれる。
【0041】 本発明において有用なポリアミドには、ナイロン6、ナイロン66、および種
々のナイロンコポリマーが含まれる。
【0042】 上述したように、本発明による塩基性可染性のコポリエステルおよびコポリア
ミドは、塩基性染料に対し比較的高い親和性を有し、種々の色で染色することが
可能である。より詳細には、上述のコポリエステルおよびコポリアミドは、ナト
リウムカチオンを塩基性染料の染料カチオンと交換する強い傾向を有するスルホ
ナート基を含有する。例えば、塩基性可染性のコポリエステルおよびコポリアミ
ドを繊維に紡ぎ、連続形態またはステープル形態のいずれにおいても塩基性染料
で染色することができる。あるいは、該コポリマーを混合またはブレンドするこ
とができる。当業者は、コポリマーが調製された後種々の回数で染色を行うこと
ができるということを容易に理解するであろう。例えば、コポリマーを含む繊維
は、完成品で、またはかせ糸、布地若しくは反物の状態で染めることができる。
例として、2成分の繊維(サイドバイサイド、同心のシースコアまたは偏心のシ
ースコア)を、2つの可染性のコポリマー(例えば、コポリ(エチレンテレフタ
ラート)およびコポリ(トリメチレンテレフタラート))から、または可染性の
コポリマーと本発明による染色サイトを含まないポリマーとから作ることができ
る(もちろん、2成分の繊維の1つまたは両方の部分を、ポリエステルおよびコ
ポリエステルなどを含有するブレンド物から生成することができる)。
【0043】 「塩基性染料」とは、スルホニウム、オキソニウムまたは四級アンモニウム官
能基を含有するものなどの着色したカチオン性有機物質を意味する。塩基性染料
タイプには、例えば以下の化学構造を有するトリフェニルメタンタイプ染料であ
る、Victoria Green WB(C.I.Basic Green
4):
【0044】
【化1】
【0045】 以下の化学構造を有するトリアリールメタンタイプ染料である、Victori
a Pure Blue BO(C.I.Basic Blue 7):
【0046】
【化2】
【0047】 以下の化学構造を有するオキサジンタイプ染料である、Sevron Blue
5G(C.I.Basic Blue 4):
【0048】
【化3】
【0049】 以下の化学構造を有するトリフェニルメタンタイプ染料である、Brillia
nt Green B(C.I.Basic Green 1):
【0050】
【化4】
【0051】 および、以下の化学構造を有するキサンテンタイプ染料である、Rhodami
ne B(C.I.Basic Violet 10):
【0052】
【化5】
【0053】 などが含まれる。上述の染料は、好ましくは80℃と125℃との間の温度にお
いて水溶液で塗布される。
【0054】 本明細書で述べる固有粘度の測定は、50/50重量パーセントのトリフルオ
ロ酢酸/ジクロロメタン溶媒混合物中にポリマー試料を溶解させて0.4g/d
Lの濃度を有する溶液を与えることによって行うことができる。得られる溶液の
粘度は、19℃においてViscoteck Forced Flow Vis
cometer Model Y−900および固有の粘度(IV)を計算する
ためのViscoteck ソフトウエアバージョンV5.7を用いて測定する
【0055】 (実施例) (実施例1) 4−ビニルシクロヘキサン1,2−ジホルマート、4−ビニルシクロヘキサン 1−モノホルマート、および4−ビニルシクロヘキサン2−モノホルマートの混 合物の調製 1リットル三口丸底フラスコに、メカニカルスターラー、1つの滴下漏斗およ
び温度計を装着した。500mL(10モル)の96%ギ酸および130ml(
1モル)の4−ビニルシクロヘキセンをフラスコに充填した。106.9g(1
.1モル)の35%過酸化水素溶液を、滴下漏斗に充填した。反応フラスコを水
浴の中で冷却した。攪拌しながら、過酸化水素溶液を毎分1.5mLの速度で滴
下した。添加終了後、反応混合物を2時間にわたり攪拌した。反応温度は、30
℃より低く維持した。反応が完了した時、水およびギ酸を真空下40℃〜45℃
で蒸留除去した。残留油状物を、2%塩化第一銅の存在下において高真空下で蒸
留した。ホルマートと少量の4−ビニルシクロヘキサン−1,2−ジオールとの
混合物の沸点は、0.1mmHgで100℃〜118℃であった。収率は、71
%〜80%であった。CDCl3中での核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルは
以下の結果を与えた:1.5(m,1H),1.58(m,1H),1.72(
m,1H)、1.81(m,1H)、2.4(m,1H)、3.0(s,1H)
、{3.35〜3.82(m,1H)、4.74〜4.91(m,1H)混合異
性体}、4.98(m,2H)、5.72(m,1H)、{7.99(s,1H
)、8.03(s,1H)ジホルマートおよびモノホルマートの混合物}。残留
油状物を、上述の精製をせずに、実施例2で述べる反応において用いることがで
きる。
【0056】 (実施例2) 4−(2−スルホエチル)シクロヘキサン−1,2−ジオールナトリウム塩の 調製 1リットル四口丸底フラスコに、メカニカルスターラー、滴下漏斗および温度
計を装着した。先の実施例において生成した混合物1モルをフラスコに充填した
。攪拌しながら、192g(1.2モル)の25%水酸化ナトリウム溶液を、2
0℃〜25℃において滴下した。攪拌を、添加後30分間にわたって継続した。
次いで、混合物を約2時間で分離させた。ナトリウムホルマートである底部水溶
液を排出した。そのフラスコに水180gを添加した。次いで、混合物中に、水
180g中の109.3gの亜硫酸ナトリウム(1.05モル)および水20g
中の2.38gの過硫酸ナトリウム(0.01モル)を、20℃〜25℃におい
て激しく攪拌しながら2つの液滴漏斗から同時に滴下した。溶液のpHは、時々
12.5%水酸化ナトリウム溶液を添加することによって約6.3〜6.6に維
持した。上述の添加後2時間にわたって溶液を攪拌した。転化率はほぼ100%
であった。D2O中での核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルは、以下の結果を
与えた。1H NMR:1.48〜1.89(m,9H)、2.94(m,2H
)、{3.55〜3.9(m,1H)、4.73〜5.10(m,1H)混合異
性体}。
【0057】 (実施例3) 3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナトリウム塩の調製 実施例2で得られる溶液に、291.6g(3モル)の35%過酸化水溶液お
よび1.24gのタングステン酸を加えた。混合物をゆっくりと加熱し、3時間
にわたって還流した(混合物中の微量のギ酸が激しい沸騰を引き起こし得るので
、加熱する間注意しなければならない。)。溶液は黄色から無色透明に変わった
。溶液のpHは2〜3であった。反応混合物を、約65%の3−(2−スルホエ
チル)ヘキサンニ酸ナトリウム塩まで濃縮し、室温まで冷却し、副生成物である
硫酸ナトリウムを沈澱させた。上述の塩を濾過後、溶液をゆっくり攪拌し生成物
である3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナトリウム塩を結晶化させた。3
−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナトリウムの白色結晶を濾過し、再結晶化
させ、乾燥した。核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルは、4−(2−スルホ
エチル)シクロヘキサンホルマートナトリウム塩が、3−(2−スルホエチル)
ヘキサンニ酸ナトリウム塩に100%転化したことを示した。(CD3OD)中
での核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルは以下の結果を与えた:1.58(
m,2H)、1.75(m,2H)、1.90(m,1H)、2.18(d,2
H)、2.27(t,2H)、2.73(t,2H)。
【0058】 (実施例4) ジメチル−3−(2−スルホエチル)アジパートナトリウム塩の調製 2当量のトルエンおよび0.15当量の硫酸の存在下、還流において、35当
量の無水メタノールを反応させることによって3−(2−スルホエチル)ヘキサ
ンニ酸ナトリウム塩をジメチルエステルに転化させた。2時間反応後、蒸留によ
って溶媒をある程度取り除いた。残留物をpH6〜7に中和し、乾燥状態まで濃
縮(rotovapped)した。粗製の生成物をエタノールおよびメタノール
の混合物で抽出し、乾燥し白色固体とした。(CD3OD)中での核磁気共鳴(1 H NMR)スペクトルは以下の結果を与えた:1.57(m,2H)、1.7
2(m,2H)、1.90(m,1H)、2.23(dd,2H)、2.29(
t,2H)、2.70(t,2H)、3.58(s,6H)。
【0059】 (比較例A) 比較例:可染性改質剤を含有しないポリエステルホモポリマー 5リットル三口丸底フラスコに、2,097.25グラムのジメチルテレフタ
ラート(10.8モル)、1255.7グラムの1,3−プロパンジオール(1
6.5モル)、および1.24グラムのチタンテトラブトキシド10質量パーセ
ントイソプロパノール溶液(Tyzor(登録商標)TPT、DuPont P
erformance Chemicals)を充填した。窒素ガス下で、混合
物を攪拌し、190℃に加熱した。2時間以内にメタノールを蒸留した。次いで
、フラスコを真空ポンプに接続し、0.2mmHgに減圧した。混合物の温度を
ゆっくりと250℃まで上昇させ、約2時間にわたって250℃に維持した。得
られた最終的なポリ(トリメチレンテレフタラート)ホモポリマーは、0.6d
l/gの固有粘度を有した。ホモポリマーを、4時間にわたり窒素パージ下、2
00℃で固相重合させて、固有粘度は1.0dl/gに増加した。
【0060】 ホモポリマーをフレーク状に粉砕し、250℃で繊維に紡ぎ、繊維を基準とし
て1重量パーセントのSevron Blue(Crompton & Kno
wles、Gibralter、PA)を含有する水性浴中で大気圧下100℃
で染色した。染色された繊維はオフホワイト色を示した。
【0061】 (実施例5) 本発明の可染性改質剤を含有するコポリエステル ジメチルテレフタラートおよび1,3−プロパンジオールと一緒に、69グラ
ム(0.22モル)のジメチル−3−(2−スルホエチル)アジパートナトリウ
ム塩を三口フラスコに充填したこと以外は、実施例4の手順に従った。最終的な
コポリマーは0.6dl/gの固有粘度を有し、そして繊維へと紡ぐ前に、1.
0dl/gの固有粘度まで固相重合させた。可染性改質されたコポリエステル繊
維は、Sevron Blueにより大気圧下100℃で染色されたとき青い色
合いに変わった。
【0062】 (比較例B) 比較例:従来の可染性改質剤を含有するコポリエステル 200ポンドのオートクレーブに、69.9ポンド(31.7kg)のジメチ
ルテレフタラート(0.36lb.モル、163.3モル)、41.93ポンド
(19.0kg)の1,3−プロパンジオール(0.55lb.モル、249.
9モル)、2.17ポンド(0.98kg)のジメチルスルホイソフタラートナ
トリウム塩(0.007lb.モル)、および9.97グラムのTyzor T
PTを充填した。混合物を21グラムの酢酸ナトリウムおよび36グラムの酢酸
亜鉛で緩衝処理した。混合物を攪拌し160℃に加熱しメタノールを蒸留した。
温度は蒸留中240℃に上昇した。1.5時間後、混合物をクレーブに移し、真
空ポンプに接続した。温度を250℃に上げながら、クレーブ圧力を0.4mm
Hgに減圧した。攪拌器が1250ワットに到達したとき、反応を停止した。得
られたコポリエステルを流し出し、水中で急冷した。生成物を、4時間にわたっ
て200℃で固相重合し、固有粘度を0.83から1.07dl/gに上昇させ
た。コポリマーを繊維に紡いだ。
【0063】 (実施例6) 本発明および従来の可染性改質剤の比較 本実施例は、本発明のカチオン可染性改質剤を含有するポリ(トリメチレンテ
レフタラート)から作成した繊維が、従来のカチオン可染性改質剤、すなわちス
ルホイソフタラートナトリウムを含有するポリ(トリメチレンテレフタラート)
から作成した繊維を越える改良された染料吸尽性能を有することを示した。
【0064】 比較例Bにおいて調製した繊維の一部(表1でポリマーAと示した、ポリ(ト
リメチレンテレフタラート)/ジメチルスルホイソフタラートナトリウムコポリ
マー)、実施例5において調製した繊維の一部(表1でポリマーBと示した、ポ
リ(トリメチレンテレフタラート)/ジメチル−3−(2−スルホエチル)アジ
パートナトリウムコポリマー)、および比較実施例Aにおいて調製した繊維の一
部(表1でポリマーCと示した、ポリ(トリメチレンテレフタラート)ホモポリ
マー)を、Fiber Analysis Knitter Model 12
1(Lawson−Hemphill Company、Spartanbur
g、SC)を用いて靴下に編んだ。表1で示すように、種々のSevron染料
(Crompton & Knowles、Gibralter、PA)を1重
量パーセント含有する水性染料浴中で、多様な条件下、1時間にわたって上述の
靴下を染色した。表1に示した波長を用いるBausch & Lomb Sp
ectronic 21 分光光度計(Spectronic Instrum
ents、Inc.,Rochester,NY)を用いて、染料吸収率を測定
した。キャリブレーションカーブを用いて染料濃度を測定し、式{(X−Y)/
X}×100%(式中、Xは染料浴中の染料の最初の濃度、およびYは染色され
た繊維を取り除いた後の染料の濃度)を用いて染料吸尽を算出した。この結果を
以下の表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】 (実施例7) 本発明の可染性改質剤を含有するコポリアミド 35ポンドのオートクレーブに、51.5%6,6塩溶液を16,698グラ
ム(32.78モル)、78.34%ヘキサメチレンジアミン溶液を149.1
1グラム(1.01モル)、および3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナト
リウム塩を231.54グラム(0.838モル)充填した。混合物を、272
℃、および平方インチあたり250ポンド(1.72×106N/m2)の圧力に
加熱した。30分かけて、大気圧に減圧した。1時間のスチーム加工後、ポリマ
ーを押し出し成形し、フレーク状にカットした。対照として、ヘキサメチレンジ
アミン溶液および3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナトリウム塩を省略す
ることを除いて、同じ手順でナイロン6,6ホモポリマーを調製した。コポリア
ミドおよびナイロン6,6ホモポリマーのフレークを、それぞれ285℃で繊維
糸(fiber yarn)に紡いだ。コポリアミド繊維の一部およびナイロン
6,6ホモポリマーの一部をそれぞれ靴下に編み、キャリヤーを用いず大気圧下
100℃で、種々の1重量パーセントSevron染料を含有する水性染料浴中
、1時間にわたってその靴下を染色した。染料吸尽を実施例6で述べたのと同じ
方法で測定し、その結果を以下の表2に示す。
【0067】
【表2】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年12月3日(2001.12.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、ポリエステルおよびポリアミドに対して向上した塩基性可染性を与
える化合物、並びにその使用に関する。
【0002】 (発明の背景) ポリエステル、特にポリアルキレンテレフタラート、およびポリアミド、特に
ナイロン6およびナイロン66は、優れた物理的および化学的特性を有し、並び
に樹脂、フィルムおよび繊維に幅広く使用されている。特にポリエステルおよび
ポリアミド繊維は、比較的高い融点を有し、および高い配向および結晶度を達成
することができる。従って、ポリエステルおよびポリアミドは、化学、熱および
光安定性並びに高強度などの優れた繊維特性を有する。
【0003】 しかしながら、ポリエステル、特にポリエステル繊維を染色することは困難で
ある。ポリエステルに所望の特性を与える分子構造および高いレベルの配向およ
び結晶度は、染料化合物による染色に対する耐性の一因ともなる。タンパク繊維
とは異なり、ポリエステルが塩基性または酸性染料化合物と反応するポリマー鎖
内の染色サイトを持たないという特徴もポリエステルを染色する際の困難さの一
因となる。ポリアミドは、ポリエステルほど染色することが困難ではないが、そ
れにもかかわらず、例えば、ある種の染料(例えば酸性または塩基性染料)に対
するポリアミド繊維の親和性を選択的に向上させるために、あるいはある種の汚
染剤による汚染に対する繊維の抵抗性を選択的に増加させるために、一般的にポ
リアミド繊維に対して1つまたは複数の可染性添加剤が組み込まれる。
【0004】 5−スルホイソフタル酸のナトリウム塩またはジメチル5−スルホイソフタラ
ートのナトリウム塩を包含する芳香族スルホナートおよびそれらのナトリウム塩
などのある材料を、塩基性可染性を与える手段としてポリエステルまたはポリア
ミドと共重合することができることは周知である。他のカチオン可染性改質剤も
また開示されている。例えば、Sakuraiの米国特許第3,313,778
号は、式(X−SO2−O)n−Yを有する少なくとも1つの有機スルホン酸エステ
ルが低い割合でその主鎖に結合している改質されたポリエステルを開示する(式
中、nは1から4までの整数であり;Xは例えば、1個から12個までの炭素原
子を有するアルキル基であり;およびYは例えば、1または2のエステルを形成
する官能基、例えばベータ−カルボメトキシエチルメタンスルホナートを有する
低級アルキル基である)。特開平7−53699号公報は、式、
【0005】
【化1】
【0006】 (式中、Y基は−SO3Mであるか、またはリンを含有する)を有する一ユニッ
トを含むポリエステルを指向する。米国特許第3,018,272号は、金属塩
の形態にあるスルホナート基を含有するフィルムまたは繊維を形成するポリエス
テルを指向する。そのスルホナート基は、第7欄で述べているモノマー基の一部
であって、式、
【0007】
【化2】
【0008】 (式中、−Z(SO3M)は、Rが少なくとも3個の炭素原子によって−SO3M基
から離間される、二価のアリーレン基の金属塩および二価のアルキレン基の金属
塩より成る類のメンバーであり、Rは−O−(CO)−低級アルキル、−(CO)
−OH、−(CO)−O−低級アルキル、−(CH2)nOH、−O(CH2)nOH、−
O−(CH2)n−[O(CH2)n]m−OHおよび−(CO)−[O(CH2)n]m−OHより
なる類のメンバーであり、R’は水素とRより成る類のメンバーである。)を有
する。
【0009】 さらに、ポリ(トリメチレンテレフタラート)は、織物用途のための繊維製造
における使用に望ましいものとする多くの特性を有している。該特性は、ポリ(
エチレンテレフタラート)と比較して向上した回復性と弾性を包含する。しかし
ながらポリ(トリメチレンテレフタラート)の塩基性可染性を向上させるために
特に有用であるカチオン可染性改質剤は提案されていない。
【0010】 ポリエステル、特にポリ(アルキレンテレフタラート)、およびポリアミド、
特にナイロン6およびナイロン66中に組み込んで向上した塩基性可染性を与え
ることができ、従来のカチオン可染性改質剤よりもより低いコストで製造するこ
とができるカチオン可染性改質剤を提供することは望ましい。
【0011】 また、繊維、フィルムまたは他の成形品に容易に加工することができ、および
高価なカチオン可染性改質剤または添加剤、特殊な溶液および/または複雑な適
用手順なしに容易に塩基性染色される塩基性可染性のポリエステル、詳細にはポ
リ(アルキレンテレフタラート)、より詳細にはポリ(トリメチレンテレフタラ
ート)を提供することも望ましい。
【0012】 また、繊維、フィルムまたは他の成形品に容易に加工することができ、および
高価なカチオン可染性改質剤または添加剤、特殊な溶液および/または複雑な適
用手順なしに塩基性染色される塩基性可染性のポリアミド、特にナイロン6また
はナイロン66を提供することも望ましい。本発明は、カチオン可染性改質剤、
並びに塩基性可染性のポリエステルおよびポリアミド等を提供する。
【0013】 (発明の概要) 本発明は、以下の式、
【0014】 R1OOC−(CH2)n−CH(CH2CH2SO3X)−(CH2)m−COOR2
【0015】 (式中、nは1から10までの整数であり、mは1から10までの整数であり、
Xはリチウム、ナトリウムおよびカリウムより成る群から選択されるアルカリ金
属であり、並びにR1およびR2は、独立して、水素または1個から4個までの炭
素原子を有するアルキル基である)を有する化合物を指向する。該化合物は、カ
チオン可染性改質剤として有用である。例えば、塩基性染料に対する親和性を増
加させるためポリエステルおよびポリアミドに組み込むことができる。本明細書
の全体にわたって、便宜上、上記化合物を「カチオン可染性改質剤」と記載する
【0016】 さらに、本発明は、コポリエステルおよびコポリアミドよりなる群から選択さ
れる塩基性可染性のコポリマーであって、該コポリマーは、式、
【0017】 R1OOC−(CH2)n−CH(CH2CH2SO3X)−(CH2)m−COOR2
【0018】 (式中、nは1から10までの整数であり、mは1から10までの整数であり、
Xはリチウム、ナトリウムおよびカリウムより成る群から選択されるアルカリ金
属であり、並びにR1およびR2は、独立して、水素または1個から4個までの炭
素原子を有するアルキル基である)の化合物から調製されるコモノマーを含み、
および塩基性染料に対するコポリマーの親和性を改良するために充分な量で該コ
モノマーをポリマー鎖に組み込むコポリマーを指向する。
【0019】 本発明は、繊維またはフィルムなどのコポリマーを含む成形品も指向する。
【0020】 本発明は、染色されているコポリマーを含む染色された組成物、およびコポリ
マーを含む染色された繊維などのコポリマーを含む染色された成形品(ここで該
コポリマーは染色されている)を、さらに指向する。
【0021】 本発明は、上述の組成物を提供する工程、および上述の組成物を染色する工程
を含む染色方法も指向する。好ましくは、本発明は、(a)ポリ(アルキレンテ
レフタラート)を形成するモノマーおよびポリオキシアルキレングリコールオリ
ゴマーより成る群から選択される1つまたは複数の材料を、式、
【0022】 R1OOC−(CH2)n−CH(CH2CH2SO3X)−(CH2)m−COOR2
【0023】 (式中、nは1から10までの整数であり、mは1から10までの整数であり、
Xはリチウム、ナトリウムおよびカリウムより成る群から選択されるアルカリ金
属であり、並びにR1およびR2は、独立して、水素または1個から4個までの炭
素原子を有するアルキル基である)のコモノマーと組み合わせる工程、および(
b)前記材料および前記コモノマーを共重合を引き起こすのに充分な温度で混合
および加熱し、塩基性染料に対するコポリエステルの親和性を向上させるために
充分な量で前記コモノマーを含有するコポリエステルを形成する工程、を含む塩
基性可染性のコポリエステルを調製する方法を指向する。
【0024】 別の好ましい実施態様において、本発明は、(a)ポリ(アルキレンテレフタ
ラート)を形成するモノマーおよびポリオキシアルキレングリコールオリゴマー
より成る群から選択される1または複数の材料を、式、
【0025】 R1OOC−(CH2)n−CH(CH2CH2SO3X)−(CH2)m−COOR2
【0026】 (式中、nは1から10までの整数であり、mは1から10までの整数であり、
Xはリチウム、ナトリウムおよびカリウムより成る群から選択されるアルカリ金
属であり、並びにR1およびR2は、独立して、水素、アルカリ金属塩または1個
から4個の炭素原子を有するアルキル基である)のコモノマーと組み合わせる工
程、および (b)前記材料および前記コモノマーを共重合を引き起こすのに充分な温度で
混合および加熱し、前記コモノマーを含有するコポリアミドを形成する工程を含
むコポリアミドを調製するための方法を指向する。
【0027】 好ましくは、カチオン可染性改質剤は、3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ
酸のアルカリ金属塩およびジメチル−3−(2−スルホエチル)アジパートのア
ルカリ金属塩より成る群から選択される。より好ましくは、カチオン可染性改質
剤は、3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸のナトリウム塩およびジメチル−
3−(2−スルホエチル)アジパートのナトリウム塩より成る群から選択される
【0028】 好ましくは、コポリマーは、コモノマーを0.5モルパーセントから4モルパ
ーセント含む。
【0029】 一実施形態では、コポリマーは、好ましくは、ナイロン6、ナイロン66およ
びそれらのコポリマーより成る群から選択されるポリアミドから誘導されるコポ
リアミドである。
【0030】 別の実施形態では、コポリマーは、好ましくは、ポリ(エチレンテレフタラー
ト)、ポリ(トリメチレンテレフタラート)、ポリ(ブチレンテレフタラート)
およびそれらのコポリマーより成る群から選択されるポリ(アルキレンテレフタ
ラート)から誘導されるコポリエステルである。もう1つの好ましい実施形態で
は、ポリ(アルキレンテレフタラート)が、ポリ(トリメチレンテレフタラート
)である。
【0031】 (発明の詳細な説明) 本発明のカチオン可染性改質剤は、以下の式、
【0032】 I R1OOC−(CH2)n−CH(CH2CH2SO3X)−(CH2)m−COOR2
【0033】 (式中、nは1から10までの整数であり、mは1から10までの整数であり、
Xはリチウム、ナトリウムおよびカリウムより成る群から選択されるアルカリ金
属であり、並びにR1およびR2は、独立して、水素または1個から4個までの炭
素原子を有するアルキル基である)の脂肪族スルホナートである。これらの化合
物は金属イオンを有する。好ましいカチオン可染性改質剤は、以下の式、
【0034】 II HOOC−(CH2)−CH(CH2CH2SO3Na)−(CH2)2−COOH
【0035】 を有する3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナトリウム塩、およびそのジメ
チルエステル、すなわち以下の式、
【0036】 III H3COOC−(CH2)−CH(CH2CH2SO3Na)−(CH2)2−CO
OCH3
【0037】 を有するジメチル−3−(2−スルホエチル)アジパートナトリウム塩である。
【0038】 3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナトリウム塩は、実施例1から3にお
いて詳細に説明するように、過酸化水素の存在下で4−ビニルシクロヘキセンと
ギ酸とを付加反応させ、4−ビニルシクロヘキサン1,2−ジホルマート、4−
ビニルシクロヘキサン1−モノホルマートおよび4−ビニルシクロヘキサン2−
モノホルマートの混合物を形成し、続いて水酸化ナトリウムで加水分解し、次い
で水酸化ナトリムの存在下で亜硫酸ナトリウムおよび過硫酸ナトリウムと付加反
応させ、4−(2−スルホエチル)シクロヘキサン−1,2−ジオールのナトリ
ウム塩を形成し、続いてタングステン酸および過酸化水素の存在下で酸化反応さ
せ、3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナトリウム塩を形成することにより
調製される。ジメチル−3−(2−スルホエチル)アジパートナトリウム塩は、
実施例4でより詳細に述べるように、無水メタノールとの反応によって、3−(
2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナトリウム塩から調製される。
【0039】 式Iのカチオン可染性改質剤をポリエステルまたはポリアミドのポリマー鎖中
に組み込み、塩基性染料に対する染色サイトを与える。本発明のカチオン可染性
改質剤を含有するポリエステルおよびポリアミドコポリマー、並びにそれから作
成される繊維、フィルムおよび成形品は、塩基性染料に対する向上した親和性を
有する。それとともに重縮合される染料オープナー成分(dye opener
ingredient)を用いて、または用いることなしに、式Iの脂肪族ス
ルホナートを用いることで望ましい結果を得ることができる。
【0040】 式Iのカチオン可染性改質剤は、(1)重合の際にカチオン可染性改質剤をポ
リマー鎖中に組み込む工程;(2)溶融紡糸または他の成形作業の前に重合化さ
れた樹脂にカチオン可染性改質剤を添加する工程;または(3)カチオン可染性
改質剤をポリマー鎖中に組み込んで高度にスルホン化されたコポリマーを形成し
、次いで該高度にスルホン化されたコポリマーをスルホン化されていないポリマ
ーとブレンドし、塩基性可染性コポリエステルを形成する工程、を包含する種々
の方法によって、ポリエステルまたはポリアミドのポリマー鎖中に組み込むこと
ができる。好ましい方法は、任意の有意な重合が起こる前に、他のポリマー形成
材料に改質剤を添加することによって、重合の際にポリマーにカチオン可染性改
質剤を組み込むことである。例えば、可染性改質されたポリ(アルキルレンテレ
フタラート)の場合、アルキレングリコール、テレフタル酸、1つまたは複数の
テレフタル酸の低級ジアルキルエステル、および/またはアルキレングリコール
およびテレフタル酸の低分子量オリゴマーなどのポリエステルを形成する材料と
カチオン可染性改質剤とを混合し、次いで、標準的な重合法を用いて共重合する
。例えば、可染性改質されたポリアミドの場合、塩の段階でイプシロン−カプロ
ラクタム、アジピン酸および/またはヘキサメチレンジアミンなどのポリアミド
を形成する材料とカチオン可染性改質剤を混合し、次いで標準的な重合法を用い
て共重合化する。他のコポリマー形成性のカチオン可染性改質剤のための慣用の
方法において、連続プロセスで製造されるコポリエステルまたはコポリアミド中
に、本発明のカチオン可染性改質剤を組み込むこともできる。
【0041】 本発明の一実施形態に従って、ポリ(トリメチレンテレフタラート)の可染性
改質されたコポリエステルを形成するためにカチオン可染性改質剤を用いる。こ
の実施形態では、カチオン可染性改質剤を、反応器内でジメチルテレフタラート
およびプロピレングリコールと混合する。温度を180℃に上げ、チタン触媒存
在下でエステル交換反応を行う。副生成物であるメタノールを放出させ取り除く
につれて、温度を230℃までゆっくりと上げる。次いで上述の系に真空を適用
して、徐々に0.5mmHgまで減圧し、温度を250℃まで上げる。ポリマー
粘度は徐々に増加する。真空下で約1時間後、反応を止めてポリマー生成物を冷
却する。
【0042】 一般的に、充分な量の式Iのカチオン可染性改質剤を用いて、最終的なコポリ
マーにおいて0.5モルパーセントから4モルパーセント、好ましくは1モルパ
ーセントから2モルパーセントのカチオン可染性改質剤を含有するコポリエステ
ルまたはコポリアミドを生成する。カチオン可染性改質剤を30モルパーセント
まで、好ましくは20モルパーセントから25モルパーセントまでの量において
ポリエステルまたはポリアミド中に組み込み、高度にスルホン化されたコポリマ
ーを形成することができ、次いでスルホン化されていないポリエステルまたはポ
リアミドとブレンドして、前文に記載したモルパーセントのスルホナートコモノ
マーを有する塩基性可染性のポリエステルを与える。
【0043】 本発明において有用なポリエステルは、ポリ(アルキレンテレフタラート)で
あり、これはポリマー鎖中にエステル結合を有する繊維を形成する線状縮合ポリ
マーである。相反する指示の無い場合、ポリ(アルキレンテレフタラート)への
言及は、コポリエステル(すなわち、それぞれが2つのエステルを形成する基を
有する2または3以上のモノマー反応物を用いて形成されるポリエステル類)を
含有することを意味する。所望であれば、ポリ(アルキレンテレフタラート)は
、種々の触媒および/または添加剤、例えば染料オープナー(以下で述べる)、
艶消剤、粘度増強剤、蛍光増白剤、色味付顔料、着色抑制剤および酸化防止剤を
含有することができる。本発明において有用な線状で繊維を形成するポリエステ
ルの例は、ポリ(エチレンテレフタラート)、ポリ(トリメチレンテレフタラー
ト)、およびポリ(ブチレンテレフタラート)を含む。ポリ(トリメチレンテレ
フタラート)が好ましい。
【0044】 「キャリヤー」としても知られる染料オープナーは、“Encycloped
ia of Chemical Technology”第三版の151ページ
から述べられており、染料キャリヤーはポリエステル繊維の完全な染料の浸透を
達成するために用いられる、というように説明されている。それらは、ポリマー
間の結合を緩め、繊維の中へ染料を浸透させる。好ましいキャリヤーは、ブチル
ベンゾアートである(例えば、Tanalon HIW(商標)(Sybron
Chemical,Inc.)、水で乳化された非イオン性ブチルベンゾアー
トキャリヤー)。他のキャリヤーには、メチルベンゾアートおよびジメチルフタ
ラートが含まれる。
【0045】 本発明において有用なポリアミドには、ナイロン6、ナイロン66、および種
々のナイロンコポリマーが含まれる。
【0046】 上述したように、本発明による塩基性可染性のコポリエステルおよびコポリア
ミドは、塩基性染料に対し比較的高い親和性を有し、種々の色で染色することが
可能である。より詳細には、上述のコポリエステルおよびコポリアミドは、ナト
リウムカチオンを塩基性染料の染料カチオンと交換する強い傾向を有するスルホ
ナート基を含有する。例えば、塩基性可染性のコポリエステルおよびコポリアミ
ドを繊維に紡ぎ、連続形態またはステープル形態のいずれにおいても塩基性染料
で染色することができる。あるいは、該コポリマーを混合またはブレンドするこ
とができる。当業者は、コポリマーが調製された後種々の回数で染色を行うこと
ができるということを容易に理解するであろう。例えば、コポリマーを含む繊維
は、完成品で、またはかせ糸、布地若しくは反物の状態で染めることができる。
例として、2成分の繊維(サイドバイサイド、同心のシースコアまたは偏心のシ
ースコア)を、2つの可染性のコポリマー(例えば、コポリ(エチレンテレフタ
ラート)およびコポリ(トリメチレンテレフタラート))から、または可染性の
コポリマーと本発明による染色サイトを含まないポリマーとから作ることができ
る(もちろん、2成分の繊維の1つまたは両方の部分を、ポリエステルおよびコ
ポリエステルなどを含有するブレンド物から生成することができる)。
【0047】 「塩基性染料」とは、スルホニウム、オキソニウムまたは四級アンモニウム官
能基を含有するものなどの着色したカチオン性有機物質を意味する。塩基性染料
タイプには、例えば以下の化学構造を有するトリフェニルメタンタイプ染料であ
る、Victoria Green WB(C.I.Basic Green
4):
【0048】
【化3】
【0049】 以下の化学構造を有するトリアリールメタンタイプ染料である、Victori
a Pure Blue BO(C.I.Basic Blue 7):
【0050】
【化4】
【0051】 以下の化学構造を有するオキサジンタイプ染料である、Sevron Blue
5G(C.I.Basic Blue 4):
【0052】
【化5】
【0053】 以下の化学構造を有するトリフェニルメタンタイプ染料である、Brillia
nt Green B(C.I.Basic Green 1):
【0054】
【化6】
【0055】 および、以下の化学構造を有するキサンテンタイプ染料である、Rhodami
ne B(C.I.Basic Violet 10):
【0056】
【化7】
【0057】 などが含まれる。上述の染料は、好ましくは80℃と125℃との間の温度にお
いて水溶液で塗布される。
【0058】 本明細書で述べる固有粘度の測定は、50/50重量パーセントのトリフルオ
ロ酢酸/ジクロロメタン溶媒混合物中にポリマー試料を溶解させて0.4g/d
Lの濃度を有する溶液を与えることによって行うことができる。得られる溶液の
粘度は、19℃においてViscoteck Forced Flow Vis
cometer Model Y−900および固有の粘度(IV)を計算する
ためのViscoteck ソフトウエアバージョンV5.7を用いて測定する
【0059】 (実施例) (実施例1) 4−ビニルシクロヘキサン1,2−ジホルマート、4−ビニルシクロヘキサン 1−モノホルマート、および4−ビニルシクロヘキサン2−モノホルマートの混 合物の調製 1リットル三口丸底フラスコに、メカニカルスターラー、1つの滴下漏斗およ
び温度計を装着した。500mL(10モル)の96%ギ酸および130ml(
1モル)の4−ビニルシクロヘキセンをフラスコに充填した。106.9g(1
.1モル)の35%過酸化水素溶液を、滴下漏斗に充填した。反応フラスコを水
浴の中で冷却した。攪拌しながら、過酸化水素溶液を毎分1.5mLの速度で滴
下した。添加終了後、反応混合物を2時間にわたり攪拌した。反応温度は、30
℃より低く維持した。反応が完了した時、水およびギ酸を真空下40℃〜45℃
で蒸留除去した。残留油状物を、2%塩化第一銅の存在下において高真空下で蒸
留した。ホルマートと少量の4−ビニルシクロヘキサン−1,2−ジオールとの
混合物の沸点は、0.1mmHgで100℃〜118℃であった。収率は、71
%〜80%であった。CDCl3中での核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルは
以下の結果を与えた:1.5(m,1H),1.58(m,1H),1.72(
m,1H)、1.81(m,1H)、2.4(m,1H)、3.0(s,1H)
、{3.35〜3.82(m,1H)、4.74〜4.91(m,1H)混合異
性体}、4.98(m,2H)、5.72(m,1H)、{7.99(s,1H
)、8.03(s,1H)ジホルマートおよびモノホルマートの混合物}。残留
油状物を、上述の精製をせずに、実施例2で述べる反応において用いることがで
きる。
【0060】 (実施例2) 4−(2−スルホエチル)シクロヘキサン−1,2−ジオールナトリウム塩の 調製 1リットル四口丸底フラスコに、メカニカルスターラー、滴下漏斗および温度
計を装着した。先の実施例において生成した混合物1モルをフラスコに充填した
。攪拌しながら、192g(1.2モル)の25%水酸化ナトリウム溶液を、2
0℃〜25℃において滴下した。攪拌を、添加後30分間にわたって継続した。
次いで、混合物を約2時間で分離させた。ナトリウムホルマートである底部水溶
液を排出した。そのフラスコに水180gを添加した。次いで、混合物中に、水
180g中の109.3gの亜硫酸ナトリウム(1.05モル)および水20g
中の2.38gの過硫酸ナトリウム(0.01モル)を、20℃〜25℃におい
て激しく攪拌しながら2つの液滴漏斗から同時に滴下した。溶液のpHは、時々
12.5%水酸化ナトリウム溶液を添加することによって約6.3〜6.6に維
持した。上述の添加後2時間にわたって溶液を攪拌した。転化率はほぼ100%
であった。D2O中での核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルは、以下の結果を
与えた。1H NMR:1.48〜1.89(m,9H)、2.94(m,2H
)、{3.55〜3.9(m,1H)、4.73〜5.10(m,1H)混合異
性体}。
【0061】 (実施例3) 3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナトリウム塩の調製 実施例2で得られる溶液に、291.6g(3モル)の35%過酸化水溶液お
よび1.24gのタングステン酸を加えた。混合物をゆっくりと加熱し、3時間
にわたって還流した(混合物中の微量のギ酸が激しい沸騰を引き起こし得るので
、加熱する間注意しなければならない。)。溶液は黄色から無色透明に変わった
。溶液のpHは2〜3であった。反応混合物を、約65%の3−(2−スルホエ
チル)ヘキサンニ酸ナトリウム塩まで濃縮し、室温まで冷却し、副生成物である
硫酸ナトリウムを沈澱させた。上述の塩を濾過後、溶液をゆっくり攪拌し生成物
である3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナトリウム塩を結晶化させた。3
−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナトリウムの白色結晶を濾過し、再結晶化
させ、乾燥した。核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルは、4−(2−スルホ
エチル)シクロヘキサンホルマートナトリウム塩が、3−(2−スルホエチル)
ヘキサンニ酸ナトリウム塩に100%転化したことを示した。(CD3OD)中
での核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルは以下の結果を与えた:1.58(
m,2H)、1.75(m,2H)、1.90(m,1H)、2.18(d,2
H)、2.27(t,2H)、2.73(t,2H)。
【0062】 (実施例4) ジメチル−3−(2−スルホエチル)アジパートナトリウム塩の調製 2当量のトルエンおよび0.15当量の硫酸の存在下、還流において、35当
量の無水メタノールを反応させることによって3−(2−スルホエチル)ヘキサ
ンニ酸ナトリウム塩をジメチルエステルに転化させた。2時間反応後、蒸留によ
って溶媒をある程度取り除いた。残留物をpH6〜7に中和し、乾燥状態まで濃
縮(rotovapped)した。粗製の生成物をエタノールおよびメタノール
の混合物で抽出し、乾燥し白色固体とした。(CD3OD)中での核磁気共鳴(1 H NMR)スペクトルは以下の結果を与えた:1.57(m,2H)、1.7
2(m,2H)、1.90(m,1H)、2.23(dd,2H)、2.29(
t,2H)、2.70(t,2H)、3.58(s,6H)。
【0063】 (比較例A) 比較例:可染性改質剤を含有しないポリエステルホモポリマー 5リットル三口丸底フラスコに、2,097.25グラムのジメチルテレフタ
ラート(10.8モル)、1255.7グラムの1,3−プロパンジオール(1
6.5モル)、および1.24グラムのチタンテトラブトキシド10質量パーセ
ントイソプロパノール溶液(Tyzor(登録商標)TPT、DuPont P
erformance Chemicals)を充填した。窒素ガス下で、混合
物を攪拌し、190℃に加熱した。2時間以内にメタノールを蒸留した。次いで
、フラスコを真空ポンプに接続し、0.2mmHgに減圧した。混合物の温度を
ゆっくりと250℃まで上昇させ、約2時間にわたって250℃に維持した。得
られた最終的なポリ(トリメチレンテレフタラート)ホモポリマーは、0.6d
l/gの固有粘度を有した。ホモポリマーを、4時間にわたり窒素パージ下、2
00℃で固相重合させて、固有粘度は1.0dl/gに増加した。
【0064】 ホモポリマーをフレーク状に粉砕し、250℃で繊維に紡ぎ、繊維を基準とし
て1重量パーセントのSevron Blue(Crompton & Kno
wles、Gibralter、PA)を含有する水性浴中で大気圧下100℃
で染色した。染色された繊維はオフホワイト色を示した。
【0065】 (実施例5) 本発明の可染性改質剤を含有するコポリエステル ジメチルテレフタラートおよび1,3−プロパンジオールと一緒に、69グラ
ム(0.22モル)のジメチル−3−(2−スルホエチル)アジパートナトリウ
ム塩を三口フラスコに充填したこと以外は、実施例4の手順に従った。最終的な
コポリマーは0.6dl/gの固有粘度を有し、そして繊維へと紡ぐ前に、1.
0dl/gの固有粘度まで固相重合させた。可染性改質されたコポリエステル繊
維は、Sevron Blueにより大気圧下100℃で染色されたとき青い色
合いに変わった。
【0066】 (比較例B) 比較例:従来の可染性改質剤を含有するコポリエステル 200ポンドのオートクレーブに、69.9ポンド(31.7kg)のジメチ
ルテレフタラート(0.36lb.モル、163.3モル)、41.93ポンド
(19.0kg)の1,3−プロパンジオール(0.55lb.モル、249.
9モル)、2.17ポンド(0.98kg)のジメチルスルホイソフタラートナ
トリウム塩(0.007lb.モル)、および9.97グラムのTyzor T
PTを充填した。混合物を21グラムの酢酸ナトリウムおよび36グラムの酢酸
亜鉛で緩衝処理した。混合物を攪拌し160℃に加熱しメタノールを蒸留した。
温度は蒸留中240℃に上昇した。1.5時間後、混合物をクレーブに移し、真
空ポンプに接続した。温度を250℃に上げながら、クレーブ圧力を0.4mm
Hgに減圧した。攪拌器が1250ワットに到達したとき、反応を停止した。得
られたコポリエステルを流し出し、水中で急冷した。生成物を、4時間にわたっ
て200℃で固相重合し、固有粘度を0.83から1.07dl/gに上昇させ
た。コポリマーを繊維に紡いだ。
【0067】 (実施例6) 本発明および従来の可染性改質剤の比較 本実施例は、本発明のカチオン可染性改質剤を含有するポリ(トリメチレンテ
レフタラート)から作成した繊維が、従来のカチオン可染性改質剤、すなわちス
ルホイソフタラートナトリウムを含有するポリ(トリメチレンテレフタラート)
から作成した繊維を越える改良された染料吸尽性能を有することを示した。
【0068】 比較例Bにおいて調製した繊維の一部(表1でポリマーAと示した、ポリ(ト
リメチレンテレフタラート)/ジメチルスルホイソフタラートナトリウムコポリ
マー)、実施例5において調製した繊維の一部(表1でポリマーBと示した、ポ
リ(トリメチレンテレフタラート)/ジメチル−3−(2−スルホエチル)アジ
パートナトリウムコポリマー)、および比較実施例Aにおいて調製した繊維の一
部(表1でポリマーCと示した、ポリ(トリメチレンテレフタラート)ホモポリ
マー)を、Fiber Analysis Knitter Model 12
1(Lawson−Hemphill Company、Spartanbur
g、SC)を用いて靴下に編んだ。表1で示すように、種々のSevron染料
(Crompton & Knowles、Gibralter、PA)を1重
量パーセント含有する水性染料浴中で、多様な条件下、1時間にわたって上述の
靴下を染色した。表1に示した波長を用いるBausch & Lomb Sp
ectronic 21 分光光度計(Spectronic Instrum
ents、Inc.,Rochester,NY)を用いて、染料吸収率を測定
した。キャリブレーションカーブを用いて染料濃度を測定し、式{(X−Y)/
X}×100%(式中、Xは染料浴中の染料の最初の濃度、およびYは染色され
た繊維を取り除いた後の染料の濃度)を用いて染料吸尽を算出した。この結果を
以下の表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】 (実施例7) 本発明の可染性改質剤を含有するコポリアミド 35ポンドのオートクレーブに、51.5%6,6塩溶液を16,698グラ
ム(32.78モル)、78.34%ヘキサメチレンジアミン溶液を149.1
1グラム(1.01モル)、および3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナト
リウム塩を231.54グラム(0.838モル)充填した。混合物を、272
℃、および平方インチあたり250ポンド(1.72×106N/m2)の圧力に
加熱した。30分かけて、大気圧に減圧した。1時間のスチーム加工後、ポリマ
ーを押し出し成形し、フレーク状にカットした。対照として、ヘキサメチレンジ
アミン溶液および3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸ナトリウム塩を省略す
ることを除いて、同じ手順でナイロン6,6ホモポリマーを調製した。コポリア
ミドおよびナイロン6,6ホモポリマーのフレークを、それぞれ285℃で繊維
糸(fiber yarn)に紡いだ。コポリアミド繊維の一部およびナイロン
6,6ホモポリマーの一部をそれぞれ靴下に編み、キャリヤーを用いず大気圧下
100℃で、種々の1重量パーセントSevron染料を含有する水性染料浴中
、1時間にわたってその靴下を染色した。染料吸尽を実施例6で述べたのと同じ
方法で測定し、その結果を以下の表2に示す。
【0071】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01F 6/80 311 D01F 6/80 311Z 4L035 6/84 305 6/84 305Z D06P 3/24 D06P 3/24 A 3/52 3/52 F 5/22 5/22 C F // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 4F071 AA44 AA55 AA88 AH19 BB06 BC07 4H006 AA01 AA03 AB72 4H057 AA01 BA03 DA01 DA17 DA22 4J001 DA01 DB02 EA06 EB08 EB26 EB27 EB37 EC02 EC08 ED62 ED63 JA10 JB35 4J029 AA01 AA03 AB01 AB04 AC02 AD01 AE02 BF23 CB06 CH05 CH06 4L035 EE20 GG01 GG07

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の式、 R1OOC−(CH2)n−CH(CH2CH2SO3X)−(CH2)m−COOR2 (式中、nは1から10までの整数であり、mは1から10までの整数であり、
    Xはリチウム、ナトリウムおよびカリウムより成る群から選択されるアルカリ金
    属であり、並びにR1およびR2は、独立して、水素または1個から4個までの炭
    素原子を有するアルキル基である)を有することを特徴とする化合物。
  2. 【請求項2】 コポリエステルおよびコポリアミドより成る群から選択され
    るコポリマーであって、該コポリマーは、式、 R1OOC−(CH2)n−CH(CH2CH2SO3X)−(CH2)m−COOR2 (式中、nは1から10までの整数であり、mは1から10までの整数であり、
    Xはリチウム、ナトリウムおよびカリウムより成る群から選択されるアルカリ金
    属であり、並びにR1およびR2は、独立して、水素または1個から4個までの炭
    素原子を有するアルキル基である)である化合物から調製されるコモノマーを含
    み、並びに前記コモノマーは、塩基性染料に対するコポリマーの親和性を向上さ
    せるために充分な量で、該コポリマーのポリマー鎖中に組み込まれることを特徴
    とするコポリマー。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のコポリマーを含むことを特徴とする成形品
  4. 【請求項4】 繊維であることを特徴とする請求項3に記載の成形品。
  5. 【請求項5】 染色されている請求項2に記載のコポリマーを含むことを特
    徴とする染色された組成物。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載のコポリマーを含み、該コポリマーが染色さ
    れていることを特徴とする染色された成形品。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載のコポリマーを含むことを特徴とする染色さ
    れた繊維。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の組成物を提供する工程および該組成物を染
    色する工程を含むことを特徴とする染色する方法。
  9. 【請求項9】 (a)ポリ(アルキレンテレフタラート)を形成するモノマ
    ーおよびポリオキシアルキレングルコールオリゴマーより成る群から選択される
    1つまたは複数の材料を、式、 R1OOC−(CH2)n−CH(CH2CH2SO3X)−(CH2)m−COOR2 (式中、nは1から10までの整数であり、mは1から10までの整数であり、
    Xはリチウム、ナトリウムおよびカリウムより成る群から選択されたアルカリ金
    属であり、並びにR1およびR2は、独立して、水素または1個から4個までの炭
    素原子を有するアルキル基である)のコモノマーと組合せる工程、および、 (b)前記材料および前記コモノマーを共重合を引き起こすのに充分な温度で混
    合および加熱し、塩基性染料に対するコポリエステルの親和性を向上させるため
    に充分な量で前記コモノマーを含有するコポリエステルを形成する工程、 を含むことを特徴とするコポリエステルを調製する方法。
  10. 【請求項10】 (a)ポリ(アルキレンテレフタラート)を形成するモノ
    マーおよびポリオキシアルキレングリコールオリゴマーより成る群から選択され
    る1または複数の材料を、式、 R1OOC−(CH2)n−CH(CH2CH2SO3X)−(CH2)m−COOR2 (式中、nは1から10までの整数であり、mは1から10までの整数であり、
    Xはリチウム、ナトリウムおよびカリウムより成る群から選択されるアルカリ金
    属であり、並びにR1およびR2は、独立して、水素、アルカリ金属塩または1個
    から4個までの炭素原子を有するアルキル基である)のコモノマーと組合せる工
    程、および (b)前記材料および前記コモノマーを共重合を引き起こすのに充分な温度で混
    合および加熱し、前記コモノマーを含有するコポリアミドを形成する工程、 を含むことを特徴とするコポリアミドを調製する方法。
  11. 【請求項11】 前記化合物は、3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸の
    アルカリ金属塩およびジメチル−3−(2−スルホエチル)アジパートのアルカ
    リ金属塩より成る群から選択されることを特徴とする前記請求項のいずれかに記
    載の化合物、コポリマー、成形品、組成物、繊維または方法。
  12. 【請求項12】 前記混合物が、3−(2−スルホエチル)ヘキサンニ酸の
    ナトリウム塩およびジメチル−3−(2−スルホエチル)アジパートのナトリウ
    ム塩よりなる群から選択されることを特徴とする請求項11に記載の化合物、コ
    ポリマー、成形品、組成物、繊維または方法。
  13. 【請求項13】 前記コポリマーは、前記コモノマーを0.5モルパーセン
    トから4モルパーセントまでを含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記
    載の化合物、コポリマー、成形品、組成物、繊維または方法。
  14. 【請求項14】 前記コポリマーは、ナイロン6、ナイロン66およびその
    コポリマーより成る群から選択されるポリアミドから誘導されたコポリアミドで
    あることを特徴とする請求項1〜9および11〜13のいずれかに記載の化合物
    、コポリマー、成形品、組成物、繊維または方法。
  15. 【請求項15】 前記コポリマーは、ポリ(エチレンテレフタラート)、ポ
    リ(トリメチレンテレフタラート)、ポリ(ブチレンテレフタラート)およびそ
    のコポリマーより成る群から選択されたポリ(アルキレンテレフタラート)から
    誘導されたコポリエステルであることを特徴とする請求項1〜10および12〜
    13のいずれかに記載の化合物、コポリマー、成形品、組成物、繊維または方法
  16. 【請求項16】 前記ポリ(アルキレンテレフタラート)は、ポリ(トリメ
    チレンテレフタラート)であることを特徴とする請求項14に記載の化合物、コ
    ポリマー、成形品、組成物、繊維または方法。
JP2001558415A 2000-02-11 2001-01-29 ポリエステルおよびポリアミドに使用するためのカチオン可染性改質剤 Pending JP2003522755A (ja)

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