JPH058977U - プリント配線板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリント基板の挿入口に電子部品のリード線
を挿入し、そのリード線を半田付けすることによって電
子部品をプリント基板に装着する際に、挿入口にガスが
溜って半田付け不良が起こらないようにすることを目的
とする。 【構成】 電子部品１に所定の間隔をおいて一対のリー
ド線３，３を設け、このリード線３，３をプリント基板
５の挿入口９，９に挿入した後、リード線３，３のプリ
ント基板５から突出した突出部３ｂ，３ｂを互いに背く
方向に折り曲げて成るプリント配線板において、挿入口
９，９を、その挿入口９，９のリード線３，３の折り曲
げ方向と対応する一端部９ａ，９ａがリード線３，３を
ガイドし、他端部９ｂ，９ｂがリード線３，３の折り曲
げ方向と逆方向に延出した形状とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電子部品のリード線が挿入される挿入口を備えたプリント配線板に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のプリント配線板は図５に示すように、電子部品２１には部品本体２２か ら下方に延びる一対のリード線２３，２３が設けられ、このリード線２３，２３ の基部２３ａ，２３ａは部品本体２２の全体を覆う樹脂カバー２４に突出形成さ れた円錐状の突出部２４ａ，２４ａで覆われており、また、電子部品２１を装着 するプリント基板２５の裏面２５ａにはリード線２３，２３と回路パターン２６ ，２６とを半田２７，２７によって接続するためのランド２８，２８が設けられ 、このランド２８，２８のほぼ中央にはリード線２３，２３が挿入される孔２９ ，２９が設けられており、この孔２９，２９はリード線２３，２３の径より若干 大きい円形に形成されていた。 また、電子部品２１がプリント基板２５に装着され、半田付けされる前にはリ ード線２３，２３が孔２９，２９から抜けないようにプリント基板２５の裏面２ ５ａで折り曲げられるようになっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記したプリント配線板では、リード線２３，２３をプリント 基板の裏面２５ａで折り曲げる作業が伴い、この時に部品本体２２がプリント基 板２５に近づく方向に引き寄せられる。すると、プリント基板２５に設けられた 円形の孔２９，２９にリード線の基部２３ａ，２３ａを覆う樹脂カバー２４の円 錐状突出部２４ａが入り、孔２９，２９を塞ぐために、リード線２３，２３をラ ンド２８，２８に半田付けする際に発生するガスが孔２９，２９から抜けられな くなる。そのガスは孔２９，２９の中に溜り、ある程度の圧力まで達すると、半 田２７，２７が固まる前に孔２９，２９の外に噴出する。このガスの噴出箇所は 小穴３０，３０となり、半田付けが不完全なものを形成してしまうといった不良 を引き起こしていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために本考案は、一対のリード線を設けた電子部品と、前 記リード線が挿入される挿入口を備えたプリント基板とからなり、この挿入口に 挿入された前記リード線のプリント基板から突出した端部をプリント基板の裏面 で折り曲げると共に、このリード線の折り曲げ方向と対応する挿入口の一端部が リード線をガイドし、挿入口の他端部がリード線の折り曲げ方向と異なる方向に 延在していることを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】

上記手段によれば、リード線をプリント基板の裏面で折り曲げるときに部品本 体がプリント基板に近づく方向に引き寄せられたとしても、挿入口の他端部がリ ード線の折り曲げ方向と異なる方向に延在しているので、リード線の基部を覆う 樹脂カバーの突出部が挿入口全体を完全に塞ぐことはなくなる。また、挿入口が 円形でなくても挿入口の一端部がリード線をガイドするので、電子部品の位置決 めを行うことができる。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案のプリント配線板の一実施例を図１及び図２を参照しつつ説明す る。 図中１は略直方体状の部品本体２から二本のリード線３，３を延出してなる電 子部品で、この電子部品１には部品本体２の全体を覆うように樹脂カバー４が設 けられ、この樹脂カバー４にはリード線３，３の基部３ａ，３ａを覆う略円錐状 の突出部４ａ，４ａが設けられている。

【０００７】 また、電子部品１を装着するプリント基板５の裏面５ａ上には銅箔等の導電部 材によって形成された回路パターン６，６が載置されており、この回路パターン ６，６は半田７，７が乗るランド６ａを除いて絶縁部材８によって被覆されてい る。また、ランド６ａ，６ａ内にはリード線３，３が挿入される挿入口９，９が 長円形もしくは楕円形状に設けられ、この挿入口９，９は、リード線３，３の折 り曲げ方向（図１中矢印Ａ，Ａ′方向）に対応する一端部９ａ，９ａがリード線 ３，３をガイドして電子部品１の位置決めを行っている。また、一端部９ａ，９ ａと対向する他端部９ｂ，９ｂは突出部４ａ，４ａから所定の間隔を開けられ、 リード線３，３と当接しないようになっている。なお、このようにリード線３， ３が図１中矢印Ａ，Ａ′方向に折り曲げられる場合であれば、図３に示すように 、挿入口１０は連通した１つの長孔であってもよい。

【０００８】 以上のように構成されたプリント配線板は、挿入口９，９にプリント基板の表 面５ｂ側から電子部品１のリード線３，３が一端部９ａ，９ａをガイドとして挿 入され、その後、リード線３，３のプリント基板の裏面５ａから突出した先端部 ３ｂ，３ｂが図１中矢印Ａ，Ａ′方向に折り曲げられ、この折り曲げられた先端 部３ｂ，３ｂの上から半田７，７が載せられて電子部品１と回路パターン６，６ とが電気的に接続される。

【０００９】 また、先端部３ｂ，３ｂが折り曲げられる時には部品本体２がプリント基板の 表面５ｂに近づく方向に若干引き寄せられ、リード線の基部３ａ，３ａを覆う略 円錐状の突出部４ａ，４ａが挿入口９，９の中に入り込むが、挿入口９，９は上 記したような長円形もしくは楕円形状をしているので突出部４ａ，４ａによって 完全に塞がれることはない。したがって、半田付けの際に発生するガスが挿入口 ９，９の中に溜ることはない。

【００１０】 さらに、端部９ａ，９ａがリード線３，３のガイドを行い、かつ、リード線３ ，３が折り曲げられるので、挿入口９が長円形もしくは楕円形状であるにも係わ らず半田付けする前にリード線３，３がプリント基板５から外れることはない。

【００１１】 なお、挿入口９は、長円形もしくは楕円形状に限定されるものではなく、ガス が溜らない形状で、かつ、リード線３，３のガイドを行える形状であれば長方形 状、三角形状、その他の形状であってもよい。また、挿入口９の他端部９ａの延 出方向は上記実施例のようにリード線３の折り曲げ方向と平行な方向に限られる ものではなく、リード線３の折り曲げ方向と直交する方向であってもよい。さら に、挿入口９，９がそれぞれ異なった形状であっても、他端部９ｂ，９ｂの延出 方向がそれぞれ異なった方向を向いていてもよい。

【００１２】 また、リード線３，３が互いに向き合う方向（上記実施例と逆の方向）に折り 曲げられる場合であれば、図４に示すように、挿入口１１をリード線３，３の折 り曲げ方向に対応する一端部１１ａ，１１ａがリード線３，３のガイドとなり、 かつ、一端部１１ａ，１１ａと対向する他端部１１ｂ，１１ｂがリード線３，３ から所定の間隔を開けられ、リード線の基部３ａ，３ａを覆う樹脂カバー４の突 出部４ａ，４ａで塞がれないような長孔状にしても上記実施例と同様に作用する 。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、挿入口がリード線の基部を覆う樹脂カ バーの突出部によって塞がれることを防止できるので、半田付けの際に発生する ガスが挿入口の中に溜ることを防止できる。したがって、半田に小穴等ができた りして電気的な接続が不完全になるといった不良を解消することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示すプリント配線板の
要部断面図である。

【図２】図１のプリント配線板から半田を外した状態の
底面図である。

【図３】本考案の第２の実施例を示すプリント配線板の
底面図である。

【図４】本考案の第３の実施例を示すプリント配線板の
底面図である。

【図５】従来のプリント配線板の要部断面図である。

【符号の説明】

１ 電子部品 ３ａ 基部 ３ リード線 ３ｂ 先端部 ４ 樹脂カバー ４ａ 突出部 ５ プリント基板 ５ａ プリント基板の裏面 ９、１０、１１ 挿入口 ９ａ、１１ａ 挿入口の一端部 ９ｂ、１１ｂ 挿入口の他端部

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 一対のリード線を設けた電子部品と、前
   記リード線が挿入される挿入口を備えたプリント基板と
   からなり、この挿入口に挿入された前記リード線のプリ
   ント基板から突出した端部をプリント基板の裏面で折り
   曲げると共に、このリード線の折り曲げ方向と対応する
   挿入口の一端部がリード線をガイドし、挿入口の他端部
   がリード線の折り曲げ方向と異なる方向に延在している
   ことを特徴としたプリント配線板。